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<論説><第一部>経営システム科学の研究領域・歴史・方法・教育体系 (経営システム科学の対象とフロンティア)(経営システム科学科特集号)

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Academic year: 2021

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(1)"'". 説. 第. Ⅰ. 部. ダ。 ハ 経営シス・ ム 科学の研究領域・ 歴史 方法 教育体系河 白井. 功 ・大塚. 英作. 学と OR が同義語であ ってよ い こと にのことは実. 1 , はじめに. は検討に値することなのであ るが ) にはならないので. 平成 3 年度の横浜国立大学経営学部における 学科改. あ る・以上のことは ,経営システム科学という学問分. 組によって,経営システム 科学科という 名称の学科が. 野が , 少なくともメジャ 一な学問分野としては ,確立 -. 誕生した ", この名称からすると ,同学科において研. されていないことを 示すと考えられる.. 究 教育されるべき 学問分野は「経営システム 科学」と. いうことになると 考えられる.. しかし,経営システム. しかしわれわれ. (筆者 ). は,確立されているとして. もせいぜいマイナ 一なものに過ぎない 学問分野を教育. 科学という学問分野が ,同学部の他の学科,すなわち. 研究しているとは 考えていない ,. 経営学科,会計・ 情報学科,国際経営学科においてそ れぞれ研究教育されるべき 学問分野, ず なわち経営学,. テム科学の名において 研究教育するべき 学問分野は, 広義の OR あ るいは経営科学であ ると考えている. 会計学。 国際経営学などと 並ぶメジャ - な学問分野と. 叩 広義」の意味については 以下において 明らかになる. して確立されているとは 思われない.なぜなら ,経営. また OR. 名が冠せられ. 、ンステム科学という. ,. その内容もすでに. われわれは経営シス. と経営科学は 同義語として 扱われるのが --. 般的であ るので,小論でもそのように 扱い,以下では. 確立されているあ る学問分野のものでない 書籍は ,入 門 書であ れ,概説書であれ,専門書であれ,筆者の知. 交代的に用いる ). OR が狭義のそれであ れ。 広義の. る限り,未だかって 上梓されたことがないからであ る.. とは明らかであ る・小論では ,. 実は経営システム 科学という語が 冠せられた書籍は。. それであ れ,確立されたメジャ 一な学問分野であ るこ Ⅱ章で,われわれが 経. 崎・海上・ 一森 [10] であ る. しかしその内容は , す. 営システム科学をなぜそのように 考えるのか,その理 由を示し m 章で,経営システム 科学の歴史について 触れ,Ⅳ章で,経営システム科学の方法論的特徴にっ. でに確立されているあ る学問分野のそれであ ることは,. いて考察し. その目次を見れば 一目瞭然であ る.すなわち。目次は. ラムを例に経営システム 科学の教育体系について 論じ ,. 第 1 章線形計画法,第2 章ネットワーク 計画法,第 3 章動的計画法,第4 章在庫管理。 第 5 章待ち行列理論,. Ⅵ章で,経営システム 科学の名において 研究教育され. 第 6 章設備投資計画法となって い て,内容はオペレー. 営のⅠシステム 科学」について 紹介し , Ⅶ章で。 経営. 、ンコ. 、ンステム科学の 展望を示して. 筆者の知る限り ,. 1 冊だけ上梓されている.それは 尾. ンズ・リサーチ. (以下では OR. のものであ る.確かに同書には「OR. と略記する ) そ による」という. 副題がついていて ,回書の「経営システム 科学」はそ のように限定されたものと 考えることができるが ,. し. かしそうだからと 言って , 直ちに,経営システム 科. V 章で,経営システム 科学科のカリキュ. るべきだと考えられる ,広義のOR と代替的な「 (ホき 結論に代える.. Ⅱ.経営システム科学の研究領域 本章では経営システム 科学の研究領域について , 主 に 語義の面から 検討しよう.

(2) 4 (286). 横浜経営研究. 第X V 巻. 第 4 号 (1995). はその内容,方法論などが 確立されて い て,それらは 昏. 1. 経営システム 科学の二つの 意味. 上記の学科改組の 際, 旧 管理科学科, l日経営学科など. 経営システム 科学という語は ,語義的に言えば,次. から受け継いだ 学問分野の中の りくっか ,例えば,管. 論などとは の二つの意味をもっていると 思われる.すなわち.一 理科学,情報論,財務論,マーケティンバ つは「経営のシステム 科学」であ り,他の一つは「経 営システムの 科学」であ る.前者の意味は ,経営数学 (あ るいは経営統計学 ) の ト つの大きな ) 意味が,. 必ずしもなじまない. これに対し後者の 意味で用 い たならば,それは 上述の諸学問分野を 完全に含むので ,. 「経営のための 数学 (あ るいは統計学 ) 」,すなわち 「経営に応用される 数学 (あ るいは統計学 ) 」というこ. それらとよくなじむと 考えられる. 上のことを明らかにするために ,次節と次々節で OR と上記の学問分野との 関連について 論じ, W 章で. とであ るのと同様に ,「経営のためのシステム 科学」,. 、ンステム科学の. 内容,方法論などについて 概観する. すなわち「経営に 応用されるシステム 科学」というこ とであ る. この意味での 経営システム 科学はシステム 科学に重点があ り,その応用分野の なろ. う. 一 つを. 表すことに. に研究発表会を 開催している.その 研究発表会では 毎. .. これに対し後者の 意味するところは 次のように考 えられる.それを 考えるヒントは「経営の 科学」と ぃ う. S2. 広義の OR 日本オペレーションズ ,リサーチ学会は 毎年春と秋. 語であ る. 「経営の科学」. という語は, 日本オペ. 回 Km0 以上の研究発表が 行われるので ,. それはいくつ. かのセッションに 分かれて行われる. 1992. 一 4 年の. 3. 年間に行われた 6 回の研究発表会においてほぼ 毎回置. レーションズ・リサーチ 学会の啓蒙用機関誌 [ オペ. 合わせ・グラ かれたセッションは ,数理計画,組み. レーションズ・リサーチ 上の改名前の 誌 君 がそれであ. フ・ネットワーク. り,現在もその 副題としてそれが 使われていることが. AHP,. 示しているように ,. 論,金融であり, 2 回以上置かれたセッシ. また, 「経営の科学」に 対応する. 英語は managemenlscjence それは OR. と考えられることより ,. と同義であ る. したがって, 「経営の科. ,. 動的計画,. スケジューリング. ゲーム理論,待ち行列,信頼性, ファジ. 決定, DEA. ,. ,. ィ. 理. ンは 意思. (以上 4 回 ), 統計,確率モデル,マーケ. ティンバ,地域分析,社会システム (以上 3 回 ), シ ステム理論,. シミ. レーション,モデリンバ ,生産計. 学」の意味は ,「経営を科学 りに (すなわち数学や 統 計学やコンピュータなどを 利用して ) 行う方法」とい. 画 ,配置問題 (以上 2 回 ) であ. うことであ る. これは「数学や 統計学やコンピュータ. ンが OR. を利用して経営を 科学的に運営管理する 方法」と言い 換えることができる. この言い換えられた「経営の 科 学」の意味に 倣って,「経営システムの 科学」の意味 を述べるならば ,それは「数学や統計学やコンピュー. それはむしろ OR の内容を広くとった 場合のそれと. 自. タを 利用して経営システムを 科学的に運営管理する 方 法」ということになる. この「経営の 科学」と「経営 、ンステムの科学」の. 意味において ,. 「経営を運営管理. ュ. る・. これらのセッショ. の主要な内容を 表していると 考えられるが ,. 言うことができるだろう.. なぜなら教科書的な. OR. の内容は , 例えば,最新のかなり 包括 りな教科書であ 白. る森 ほか [7] , [8] に見られるように , 0R はいか に始まったか , OR の考え方とモデル 化,線形計画法,. ネットワーク 計画法,組み合わせ最適化と 整数計画法, 非線形計画法, ソフトな OR (AHP, PDPC), シミ ュ レーション, 動 9 計画法,在庫問題,日程計画とス. する」と言っても ,「経営システムを 運営管理する」 と言っても,相違は (ほとんど ) ないので,「経営 シ ステムの科学」は「経営の 科学」すなわち OR と (ほとんど ) 同義となる. われわれは経営システム 科学科において 研究教育す. 実施上の諸問題とその 研究,であ り,金融,マーケテ. るべき経営システム 科学は , 次の理由によって 後者の. は 書かれないと 言って OR から排除することはでき. 白. ケジューリング ,待ち行列, システムの信頼性, OR ィング,地域分析,社会 -ンステム,システム 理論など. は含まれないからであ る. しかし. これらを教科書に. 意味でのそれであ るのが妥当であ ると考えている : 経. ない. なぜなら, これらの中には ,金融やマーケティ. 営 システム科学を 前者の「経営のシステム 科学」とし. ングのように , OR から独立して 別の学問分野を 形成. て用いたならば ,それは上述のように , システム科学. したために, OR の教科書には 書かれなくなったもの. の応用分野の 一つも表すことになるが , システム科学. もあ れば,逆に,在庫管理のように,教科書に書かれ.

(3) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系 (臼井・大塚 ). ィ. 287. 5. Ⅰ. るが,研究発表会のセッションとしては 滅多に置かれ. デル として取り扱おうとするものであ る 4, (なおこの. ないものもあ るからであ る・そこで,金融,マーケテ. 定義では,上記以3@ が入っていない ).. ィング, システム理論なども OR. に含めるとすれば ,. すなわち広義の OR. ヰ寺. ,性. 如上の特,性をもつ OR に対して,梅沢 [14] はそ. それは教科書あ るいは概説書の OR より広い意味の OR,. 「経営者に対して」という. のような OR. となる.. 上述の広義の OR には, 本学科の主. 要 な研究教育 分野,すなわち経営科学,経営システム 論,経営情報. 論,財務論,マーケティンバ論が含まれていることは. は時代の要請に 合わないので ,. 合うように OR. それに. を拡張し革新して 行かなければな. らないと主張する.. その論旨は次のようなものであ る. : 産業革命以来 1980 年代までの 2 世紀間にわたって ,. 明かであ る.. 産業社会は規模の 経済性と分業の 利益を追求してきた. 特に巨大企業は ,徹底した社内分業と 職能 別 階層組織. S3.. さらに広義の OR. による調整とからなる 経営管理体制あ るいは組織構造. 如上の広義の OR は, OR の対象を教科書的・. 概説. を形成するとともに ,統計白9 手法などを駆使して 需要. 書的な範囲より 拡大することによって 得られたもので あ るが, OR にも学問としての 特性を規定する 定義が あ るので,それと 上記の学問分野が 矛盾する危険性が. 予測を行い,その結果に沿った 設備計画。 生産計画を. あ る. ここでこの点について 考察してみよう.. の策定などにおいては。. OR の定義としてはこれまでにさまざまなものが えられてきたが ,その中で最も 標準. 白 りと. 与. ; されているの. 策定することによって ,標準品の大量見込み 生産・ 大. 量販売を可能にした.需要予測,設備計画,生産計画 法, PERT. CPM. .. クスは後に OR. ェコ. などの OR. / メトリクス,線形計画. の手法に コ /. メトリ. から独立した ) が大いに利用された. は, Morse-K ㎞ ball [9] の定義と, Churchman.. のであ る. しかし 80 年代に入ると ,工業生産力がさら. ACkoff-Arnoff [2] の定義であ る. まず。 前者の定義. に 飛躍的に上昇するとともに ,人々の購買力が飛躍的. を 原語で記すと 次のようになる. に高まって, ニーズが多様化した 結果,産業社会の関. Operations@ research@ is@a@ scientific@method@ of@ pro vi i. g@. executive@. departments@. basis for decisions regarding. with@. a@. the op. quantitati. 打 ations. ・. e. under. theircontrol2,.. 心は量的拡大から ,多品種少量の注文生産への 対応に 移り, ビジネス・プロセスの 革新すなわちリエンジニ アリング た.. (BPR) が企業経営上の 最重要課題となっ. この ょう な変化に対して ,階層的管理と 計画的量. 次に後者の定義を 同様にして記すと 次のようになる. 産の下で効能を 発揮していた OR は対応、できなくな. Operations research is lhe. っているので , OR. app. Ⅱ. cati[)n of scient苗 。. は上述の OR. の定義に含まれてい. methods, techniques, and tools to problems inVo ㎞ ng. る属性の中の。 2,, 、 3)および学際性を 捨てて,単に「オ. the@ operations@ of@ systems@. ペレーションズ. so@ as@ to@. provide@ those@ in. control of the operations ㎡ th opt ㎞ um. solutions to. thep,oblems3,. これらの二つの 定義には,次の3 つの 特 ,性が共通し て含まれている : 。 1@ 学的な方法,技法,用具を 用い. と. (業務の企画・ 構築・運営 ) の研究」. 規定するべきであ. Churchman. それを英語で 言えば,. る・. らの定義において ,. したものとなる. so. as. to. 以下を削除. ,. 以上の提案において 梅沢は operations が複数形で. ること, (2% ペレーシ, ン (業務あ るいは運用 ) に 関. あ ることを重視して ,. する意思決定のための 数量的根拠あ るいは最適解を 提. オペレーション ズと 訳し その意味は業務の 企画・構. 供すること, (3@ れはオペレーションを 管理している. 築・運営としている.. 経営者に対してであ ること.. OR の起源が・. 以上の特性に 加えて,次のように学際性を含ませる 定義もしばしば 見られる : OR は意思決定を 数量的な. operations の研究にあ ることを意識してのことと 思 わ. 根拠によって 行い, また新たな経営上の 間 題 点を数量. われない・そこで , operalions の意味を活動,操業,. 的な分析手法によって 発見するために ,計画手法 (科. 経営,運営ととるならば (実は筆者にはこれらの 意味. 学的手法 ) とインターディシプリナリ - ・チームを導. での複数形があ るかどうか不明であ るが,それは問題. 入して, 問題の中にあ る複雑な機能上の 関係を数学 モ. ではない, なぜなら複数形がなければ ,英語の表現を. 日本語訳するときにもそのまま. もちろん,彼がそうしたのは. しばしば複数形で 用いられる軍事上の. れるが,筆者にはあ えてそ. う. する必然性があ るとは思.

(4) 6 (288). 横浜経営研究. 第 ⅩⅤ 巻. 第 4 号 (1995). 単数形に変えれば よい のだから ), 上述の梅沢の 提案. レーダ一の効率自 り 利用法をはじめ ,魚雷回避の方法や. は, OR. 船団規模,潜水艦探索技法などについての 研究も含ま れ,大きな成果を上げた.つまりそれまで軍人の専売 特許であ った軍事作戦 (operations) を科学的に研究 (research) し その効率化のための 助言を与える 体. を例えば,. 「組織あ. るいは個人の. (経済的 ). オペレーシ, ン (経営あ るいは運営 ) の科学的研究」 と規定するべきことを 意味する. この梅沢の提案に 基づく OR の定義を採用するな よりさらに広. 削 が初めて作られたことになり , これ以後このような. 義のものとなり , システム運営の 管理者に最適解を 提. 研究を作戦研究,すなわちoperationsresearch (OR). 供するだけでなく ,彼に運営上の間 題 点を発見して 教. と呼ぶようになった.. らば, それは前節で 述べた広義の OR. える,あるいは個人が 行う. (経済的 ). 活動に関して 研. 戦後大学に戻った 研究者達は,戦時中に培った OR. がって個人投資家の 行動の研究,消費者行動の 研究な. の手法や考え 方が産業界にも 有用であ ることに気付 て いた. 1947 年にアメリカ 空軍で研究に 携わっていた. ども正当な位置を 占めることになる.. G. Dantzie が線形計画法を 開拓したことも OR の魅力. 以上より,経営システム 科学の名において 研究教育 されるべき学問分野は ,教科書的な狭義の OR に意. と有用性を一層引き 立たせることになり , 1948 年にマ. サチューセッツ 工科大学. 思決定論,マーケティンバ 論,財務論などの学問分野. 育 プロバラムを 開いたのを皮切りに , 50 年代初めには. 究するといったことなども 含まれることになる. した. (MIT) が初めて OR の 教. さらに研究対象を 広く経営,業務,活動など コロンビア大学,ケース 工科大学,ジョンズ・ホプキ ンズ大学といった 有力大学にも OR のコースが開設 を意味するオペレーションとした 広義の OR とする され,各地の大学に同様の 講座が開かれていった. のが妥当であ ると考えられるのであ る. 1950 年代初めにはこの 分野の研究者の 集まりであ る Ⅱ・経営システム 科学の歴史 Operatjons Research Socjety of America (ORSA) 前章で定義された 経営システム 科学の基礎的な 理論 と The Instituteof Management Science (TIMS) と いう 2 つの学会が創立されている. この TIMS の設 とトゥールは , OR すなわち経営科学と 経営情報シス を 加え,. テムであ る.本章ではこの 両分野の歴史を 振り返って. みることにしよう. S1.. 経営科学の歩み. 経営科学のルーツは ,生産工程計画の合理化に図表 を利用した H. L. Gantt の業績 (1900 年 ) にまで 遡 る ことができるとされている. 5,. その後も 1915 年に F.. W. Ha,,is が最適発注 量 (EOQ). の公式を導いたり ,. 立に 2 0 , management. science (経営科学 ) という 言葉が一つの 学問分野を表す 言葉として定着したので あ る・現在米国では , operationsresearch ( オペレー -ンョ ンズ・リサーチ ), systems anaIysis ( システム 論 ), decjsionscjences(意思決定論 ) などの言葉は 皆, managementscience の同義語として 理解されている・ 特にオペレーションズ・リサーチと 経営科学の関係は 密接で, それぞれの学会であ る ORSA. と. TIMS. はし. 1917 年には A. K. Erlane が電話の自動交換機の 渋滞. ばしば学会を 共催しており ,一方の会員は他方の会員. 問題を分析するための 公式を導くなど ,現在の経営科. を兼ねることも 多い.. 学の幾つかの 研究領域の先鞭を 付けるような 重要な先 駆的業績はあ ったものの,経営科学が 一つの分野とし. て成立するのは ,第2 次世界大戦後のことであ る. 第 1 次 大戦までの戦争が 職業軍人により 限定的な地. 50 年代から 60 年代にかけて 経営科学は順調に 発展し 60 年代半ばに一つのピークを. 迎える. H.. M. 、,kow. 掩. は 現代財務理論の 基礎となったポートフォリオ 理論の 創始者として 1990 年度ノーベル 経済学賞を授与された. 域でおこなわれるものであ ったのに対しそれ 以降の. が, そのポートフォリオ 理論は OR. 戦争は国を挙げての 総力戦となる.. 第 2 次大戦は益々. 統計的意思決定論を 投資に応用したもので , 1952 年に. それまで戦争には 無関係であ ったよ. 科学者,技術者,数学者などからなるチームを 発足さ せ,兵員輸送や兵 拓 ,軍需生産といった軍事作戦を効. 発表された彼の 論文 [6] がその出発点となっている. また 1994 年度のノーベル 経済学賞受賞者の 一人であ る J. C. Harsanyi はカリフォルニア 大学バークレ 一校の ビジネススクールの 経営科学科教授であ り,受賞理由. 率的に行う方法を 研究させた. これらの研究には ,. になった業績が TIMS. その傾向を強め ,. うな科学者まで 駆り出された.. イギリスでは 1937 年に. の一分野であ る. の機関紙であ る Manage 脱臼Ⅰ.

(5) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系 (白井・大塚 ). (289) 7. Scien,e誌に 1967 年から 1968 年にかけて連載された 論. (productionmanagement). 文 [4] であ ることも,当時の経営科学の勢いを 示す. ステム や ジャスト・イン・タイム. 象徴的なエピソードであ る.. い管理技法も 積極的に取り 入れつつ経営学教育の 大き. さらに,現在学部で 講義される基本的な 内容のほと この時期経営科学がこれほどの 発展を. 見せた理由の 一つとして, コンピュータによる 飛躍的. な計算能力の 増大が挙げられる. これらの手法は 非常. 看板 -ン. (JIT) などの新し. な柱となった.. んどは 50 年代終わりまでに 開発された手法であ ると 言 われているが ,. の分野が独立し. つまり,経営科学は 経営管理手法の 現代化と合理化 に 目覚ましい成果をあ げ,幾つかの重要な研究分野を 産み出し他の 研究分野にも 大きな影響を 与えたものの ,. を実際の問題に 適用するのは 不可能であ り, コンピ. それ自身はやせ 細って停滞してしまったというわけで る・ もともと固有の 応用分野を持たず ,様々な分野 の研究者の混成チームによりどんな 問題でも取り 扱お. ユータ なくしては折角の 高等技術も絵に 描いた餅にな. うとする何でも 屋的な経営科学の 特徴が裏 目に出たも. ってしまう・. のと言えよう.. に大きな計算能力を 必要とするので , 手 計算でこれら. ここに経営科学と 情報システムとの 接点. が生まれるのであ るが,経営科学がコンピュータに 期. 待するのは主にその 数的計算能力だけであ り,経営科 学を学ぶものはプロバラミンバさえ 知っていればよし とされたのであ. る・. ここに経営科学から 情報システム. あ. 以上の他に経営科学退潮の 要因として,産業社会が. 少品種大量生産から 多品種少量生産に 移行したことも あ げられる (梅沢 [14]). これについてはすでに 触れ たので, ここではこれ 以上立ち入らない.. へのアプローチの 限界があ る. さしもの勢いも , 70 年代初頭には 陰りを見せるよう になる・ この理由としては ,経営科学がすべてを 解決. S2.. 経営情報システム 思想の変遷. 1951 年に最初の商用大型コンピュータが 米国の国勢. してくれるという 企業側の過剰な 期待が生まれつつあ. 調査に導入されて 以来,情報技術の進歩とともに。 企. ったところに ,十分な訓練を受けていない「経営科学. 業現場におけるコンピュータの 利用方法やその 思想も. 専門家」が無責任で 粗雑な処方を 乱発し企業に 損害を 与える事例が 頻発したことにより ,企業からの信頼が. 給与計算や集計といった 単純な計算を 大量かつ高速に. 失われたことがあ るとされている.. 処理する道具にすぎなかった. このようなコンピュー. しかし経営科学 退. 潮の原因はこればかりではなさそうであ. る・一つぼは ,. 経営科学は理論面で 成熟の域に達してしまい ,研究上 -. 発展を遂げてきた・. 当初企業においてコンピュータは.. タの 使い方を EDP. (electronicdataprocessing)とい う・その後, 多 変量解析などの 統計的手法や 数理乱両. の新しい業績が 出にくくなってきたこともあ る, 1980 年代半ばには 線形計画法の 新しい解法であ る Karmar-. 法, 、ンミュレーションといった. kar 法が発見されるといった 突発的な大事件は 確かに. るようになると ,事務系の企業現場でもコンピュータ. あ ったのだが,それにしても 新しい研究領域を 切り開. を 更に高度利用しようという 動きが生まれる.すなわ. くという程の 力 はなかった. また非常に複雑で 難解な 数学を駆使するわりに 結果の応用範囲が 限定的な待ち. ち, 1960 年代から 1970 年代にかけて。. 各種の OR. 的手法の. 開発に伴い,予測や 最適化にコンピュータが 活用され. 経営管理-を コン. 行列理論は,コンピュータの 計算能力の向上が ,かえ. ピュータによって 自動化しようとする 狭義の MlS (m"n"gem 。ntinfo,m 、tion,y,t 。m) : 経営情報システ. ってシミュレーションに 頼る傾向を助長し ,理論その. ムや , 様々なレベルの 経営意思決定を 援助するための. ものの魅力が 減じた.. 情報提供手段としてコンピュータを 利用しようとする. 一方応用面では ,元々 OR や経営科学の 一領域と して研究されてきたテーマが 独自の発展を 遂げ,確立 された一つの 研究分野として 独立したり,. DSS. (decisionsupportsyslem). : 意思決定支援シス. テムの試みがそれであ る.. より専門性. 1980 年代には, インターネットをはじめとする 情報. の 高い他の研究分野に 吸収されるという 例も多く見ら. 通信技術の急速な 進歩が, コンピュータの 利用形態に. れる・例えば ,確率過程を含む不確実性下の 意思決定. 新しい局面を 開く.全国規模でのオンライン・データ. 理論は , 先に述べたポートフォリオ 理論と同様に 経営. 処理が可能になることにより. 財務論の分野で 高度な研究が 進められているし. 点管理 ) や CRS. 在庫. 理論やプロセス 管理技法の研究からは 生産管理論. , POS. (商品の販売時. ( オンライン座席予約システム. ) に. 代表される情報技術の 戦略的な利用が 開始されたので.

(6) 8 (290. 第Ⅹ V 巻. 横浜経営研究. Ⅰ. あ る. これにより,それまでのコンピュータが 主に既 存業務の効率化に 使用されてきたのに 対し情報技術 が差別化の道具として 大きな威力を 発揮することが 証. 第 4 号 (1995). ここでいうモデルとは ,考察の対象となる 現実を模 型化したもののことで ,操作しやすく 解釈も容易なモ デルを作るためには ,現実に含まれる 多くの本質的で. 明されたわけであ る. このような目的で 構築された情. ないと考えられる 要素は大胆に 捨象されることになる. 報 システムを SIS (strategicinformation system). すなわち,現実に 含まれる本質的と「考えられる」 要 素を取り出し 様々な仮定の 下で現実を「再構成」し. 戦略的情報システムとよぶ. 1990 年代に入ると ,ユー. ザー・インターフェースの 向上により,一般の 事務系 職員でもコンピュータを 容易に利用できるようになっ た. これはひいては 個々の事務職員の 情報処理能力を 飛躍的に増大させることにつながり ,. これまで人間の. たものをモデルと 呼ぶのであ る. 数理モデルに 基づいて分析を 行. う. という特徴に よ. り. 経営システム 科学の理論は「操作可能性」という 重要 な性質を備えることになる.つまり 現実の経済主体の. 事務処理能力の 限界のために 細かく分業化されざるを. 行動をそのまま 受け入れ単に 記述するのではなく ,. えなかった業務を ,. できることを 意味している.実際に ,ある自動車部品ロ メーカ一では ,設計のデータベース 化および自動化,. 様々な行動を 取った場合結果がどうなるかを 推測する こともできるし 意思決定を取り 巻く種々の条件が 変 化した場合の 影響なども予測できるようになる.先に. 見積もりの自動化を 通じて納品に 必要な時間が 3 ケ月. 述べたようにモデルは ,あくまでその作成者が 本質的. から数日に短縮されたり , フォード社では 購買部品の 経理部員を 500. と「考える」要素を 取り出して現実を「再構成」した ものなので,モデルを 作る際に重要な 要素を落として. 人から 125 人に削減できたなど ,大幅な効率化を達成. いたり,再構成の 仕方が不適切であ る可能性があ る.. した数多くの 成功例が報告されている. このような 経 営 手法を BPR (businessprocessreengineering)と呼 んでおり,現在各方面で 注目されている.. しかし行動の 結果を予測できれば ,現実と予測のギ ャップ を分析することによりその 理論モデルの 有効性 を検証することができるし また理論を改善していく. 買掛金支払業務のぺ. より大きく効率的な 単位で再構築. 一 パレス化により. こともできる・つまり. Ⅴ.経営システム科学の方法 本章ではⅡ章で 定義された経営システム 科学の方法. 経営システム 科学の理論は , 常. に現実と対比され 否定されうるという 意味で「反証可 能」であ り,それゆえに 経営システム 科学は「科学」. 論について述べよう.. たり得るのであ る 6). S1. 経営システム 科学の方法論的特徴. S2. 研究対象となる 意思決定問題の 類型と分析方法 ここで,経営システム 科学では意思決定問題をどの. Ⅱ章で経営システム 科学を「組織あ るいは個人の (経済的 ) オペレーションの 科学的研究」と 定義した.. ように取り扱うかを 具体的に示すため ,簡単な例を幾. その内容を具体的に 言えば,それは組織あ るいは個人 が, ヒト,モノ,カネ,情報,自然環境といった 各種. っか あ げることにしょう. 資源の制約の 下で,それぞれの目的を効率的に 達成す. 例 1) く 最適問題 ノ あ る製菓工場では , A, B という. るにはいかにすればよいか ,. という問題に 関する科学. 2 種類の製品を 作っている. A を l 万ケース. 的研究であ る,. 作るためには ,牛乳2 トン,砂糖1 トンが 必. 問題を科学的に 分析するためには ,問題を適切に定 義しなければならない. ここでいう「定義の 適切さ」 とは,「数量的な測定が可能であ ること」であ り,つ. 要 であ り, B を l 万ケース作るには ,牛乳1 用可能な牛乳と 砂糖の限度は , それぞれ 8. まり. ンと 10 トンであ る. A は l 万ケース当たり 30. 「. 暖味 さを残さないこと」を 意味している.. これ. は,問題をできるだけ 定量目りに捉え ,経済学や統計学, 数学,制御理論といった 関連分野の成果を 積極的に活 用し数理的なモデルを 用いて合理的で 厳密な分析を. ン,砂糖 2 トンを要する.. 万円・. B. は 20万円の利益を. ト. ただし, 1 日に利 ト. 生む.総利益を最大. にするためには , A, B それぞれをどれだけ 作 れば良 いか .. 加える, という経営システム 科学の方法論的特徴から. 必然的に要請されるのであ る.. この問題は, A, B それぞれの生産量を A, B で 表.

(7) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系 (白井・大塚 ). 9. (291). わせについて 順序を つ けなければならないという 点で. せば,次のような数学的問題として 定式化される. れぞれ. あ る.購入するハンバーガ 一の個数と牛乳の 本数をそ. max@. 30@ A+20@. B. X,. 目的関数. subjectto 2A+. Y. と. し. れらの組み合わせを. (x, Ⅵ. (2.2) が (1,1) よ り望ましか のは確かだが , は,2) と (2.1) ではどちらがいいの. で 表すことにすると ,. R 垂 8. A 十 2B 垂 l0. ・・. かこれだけでは 判断できない.. ,制約 条件 ‥. A, B ニ 0. この問題を解決するた. め ,経済学では各組み合わせから 得られる満足度と. か. 3 1 つの数値を考え , この大きさに 従って各組み 合わ. 30A1+20f? は A, B それぞれを A, B だけ生産したと きに得られる 利益であ り,我々はこれを 最大化したい. せを順番にならべるという 方法を採る. ちなみに 経 斉. わけであ る. このように我々が 最大化 (場合によって. る. は 最小 り ィ. Ⅰ. ,学においては. したい関数を 目的関数といい , A や B の. ,満足度を「効用」とⅡ平ぶならわしであ. たとえば私にとってⅨ ,. Ⅵから得る効用がこれ. よう に経済主体二意思決定者が 操作できる変数を 政策. らの 積 XY. 変数という・ 政策変数は経済主体の 行動を反映するも のであ り,一般に資源の使用を伴う. 上式 のうち, subjeclto (以下では s1 と略記する ) 以下の部分は 資. ような最適問題に 定式化できる max@. U=XY. st. 源の制約を示しており ,制約条件と呼ばれる. この例. V@400. 200@ X+100@. のように,制約条件の 下で目的関数を 最大化する数学 的 問題を最適問題というが ,経営システム科学にお. に比例するのであ れば, 私の問題は次の. X,. い. y 垂 0 ,整数. ては,意思決定問題はすべて 最適問題の形に 定式化さ. このように, 目的関数または 制約条件に一次 式 でない. れる. ものが含まれるような 最適問題の解法を 研究するのが 非線形計画法と 呼ばれる分野であ り,そこではラグラ. 最適問題の解が 常に容易に求まるとは 限らない. 最. 適 問題の解を要領よく 求めるための 技法を数理計画法 と. 言い , 一つの研究領域を 形成している. 上の例 1 の. 場合には, 目的関数および 制約条件がすべて 一次 式 な. ので・線形計画法とよばれる 数理計画法の 中でもっと も. 成功した手法が 適用できる. ちなみに線形計画法に. は,. ンジュの未定乗数法やクーン. ニ. 道具であ るが,いずれにせ. この種の問題が 解析的に. よ. タッカ一定理が 主要な. 解ける保証は 無い. そこで, コンピュータを 用いた 繰 り. 返し計算により 近似的に解を 求めるための 方法, す. なわちアルゴリズムの 開発が必要となる. シンプレックス 法 と呼ばれる確立 1,た 計算手続が. 先に測定可能性が 科学的手続きの 重要な条件であ る. コンピュータ 上で容易に利用できることもあ って。 石. と. 油 精製会社の生産計画や 航空会社の運行計画を 立てる. を 満たすような 個人については ,. 際にもよく用いられるなど ,実際の企業現場で重要な. 走 することができるということが ,意思決定論ないし. 役割を果たしている. ゲーム理論の 分野で証明されている. 述べたが,効用びほついては ,. 数 個の常識的条件 これを次の手順で 測. 1 ) 考えられる最悪の Ak 態を叱最良の 状態を R. 例 2) く多次元価値 ノ 私はハンバーガーと 牛乳が 大好 -. きで,昼食は 必ずこれらをできるだけたくさん 食べることにしている. 今 昼食を食べようと 思 うが。 400 円しか持っていない. ハンバーガー. して, び ( Ⅱり二 0 , えば Ⅳ二 @.0),. び (B) 二 1 とおく.例2 では 例. B 二 (2.2). とおけばよい. 2) B を確率 タ, Ⅳを確率 1 一戸で取るような 賭けを 考え,効用の測定対象であ る状態 X と無差別に. よ. は 1 個 200 円,牛乳は 1 本 100 円「ごある.私はど. なる. のような食事をとるべきだろうが.. を インタビュ一により. この例が先の 例 1 と異なるのは ,先の例が「利益」. と. うな (つまり丁度同じ 満足度を与える ). 戸. 求める. 3) この戸をⅩの 効用とする・すなわち㎝ X) 二戸 であ る. 例えば, W の確率が 0.l で B の確率が (1.2) が同等の満. という単一の 指標を最大化すればよかったのに 対し. 0.9 であ るような賭けと。 x. 例 2 ではハンバーガ 一の個数と牛乳の 本数との組み 合. 尺度を与えるなら , Ⅹの効用を 0.9 と決めてやる. 二.

(8) 10 (292. 第Ⅹ V 巻. 横浜経営研究. Ⅰ. 第 4 号 (1995). きかという哲学白 9 議論に帰着し 古くから活発な 議. のであ る. この ょう なやりかたで ,任意の対象Ⅹについて 効用 を 測定することができるのであ るが, これを von. 論 が積み重ねられて 来たが,現代的意思決定論は,. Neumann-Morgenstern (NM) 効用関数または 線形 効. る 」という定理を 常識的仮定のもとで 厳密に証明し. 円 関数と呼んでおり ,現代白9 意思決定理論の 最も重要. この問題に決着を 付けた・. な 道具となっている. 北 原理と呼び,不確実性を取り扱う際の 標準的理論. 「. NM. 効用の平均を 最大にする よう 行動すべきであ この定理を期待効用最大. となっている. 例 3) く 不確実性下の 意思決定 ノ あ る企業で新製品が 開発されたが ,そのマーケットが大きいか小さ. 例 4) く 危険分散 ノ 全財産を銀行に 預金して置くの. い か不明であ る.一方新製品の 製造体制として. はばかばかし. は, Ⅲ工場を新規に 建設する, (2@ 布設備を改. つ ぎ込んでしまうのも 危険であ る.投資対象. 度 する, (3@ 布設備をやりくりするという 3 つ のやり方が考えられる・ (m@ を取ったときには ,. には株のほか 土地や金,債券なども考えられ. 需要が大きければ 大きな利益が 生まれるが, 市. 明か. い ・かといって. ,. 一つの株式に. るが,何に,いっ, どれだけ投資するのが 賢. 場 に受け入れられなかったときには 大損害が発 生する. (3@ であ れば需要のいかんにかかわら. これも不確実性下の 意思決定の一例であ り,行動. ずそこそこの 利益が享受できる. (2@ はそれら の中間の結果を 与えるという. どのやり方を 取. ス させるかという 点に問題の核心があ るが,伝統的. っ たらよいだろうか. に ポートフォリオ 理論ないし経営財務論の 分野で研. に 伴って発生するリスクと 利益をどのようにバラン. 究 が進められている. この例は , 自らの行動の 結果が予見不可能な 現象に. よって左右されるという 点で,これまでの例 と質的に 大きく異なる・このような 状況を不確実, P生 といい, 自 らの行動の結果が 完全に予測できる 状況を確実性と ぃ ぅ ・確実性の下での 意思決定は,それが 実際に実行 可 能 であ るかどうかは 別として,原理的には制約条件を 満たす全ての 行動について 目的関数の値を 求め,その. 例 5) く ゲームン路地を 自転車で行くと ,向こうか. 値 に従って行動を 順序付ければよいという 意味で単純. て 自らの行動の 結果が左右されるという 意味で不確. であ る.例えば例2 の問題は. 実性下の決定問題であ るが,結果に影響を与える 現 象が ,やはり合理的行動を取ると考えられる 人間の. max. ひ. らやはり自転車に 乗ってやってくる 人がいる このままでは 正面衝突してしまう. とうした 8 度いか. これも, 自分でコントロールできない 現象によっ. 行動であ ることが上の 例と大きく異なる 点であ る. st. X@. 0@. 0@. 0@. 0@. 0@. 1@. 1@. 1@. 2. V. 0. 1. 2. 3. 4. 0. 1. 2. 0. ir7 0. 0. 0. 0. 0. 0. 1. 2. 0. のような表の 形に定式化することもできるわけで. この場合は表から 最大の㎝. 二 2). このような相互依存関係にあ る意思決定状況を 競争 またはゲームと 呼び, これを研究する 分野がゲーム. 理論であ る・社会や企業など ,複数の人間からなる 組織に起きる 現象は,すべてゲームの 結果であ り ,. を達成する組み 合. ゲーム理論の 対象となる. この意味からもゲーム 理 論は, これからの社会科学の 基本的枠組みを 提供す. わせ (1.2) を見つければよいことになる.これに 対 し不確実性 下 の問題には本質的な 困難が存在する. すなわち自らの 行動の結果が 一意には確定しないの で,何を最大化したらよいか 簡単には決められない. るものとして 一層重要性を 増すものと思われ ,実際 1994 年度のノーベル 経済学賞はゲーム 理論の研究者. のであ る・結局この 問題は,決定基準はどうあるべ. プレーヤーと 呼び , 各プレーヤーは 合理自りに行動し. に与えられることになったのであ る.. ゲーム理論では ,ゲームに含まれる意思決定者を 期待効用最大化原理に 従 うと 仮定される・. しかし.

(9) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系. @. 井・大塚Ⅰ. 互いの合理性を 仮定したとき ,各プレ- ヤーは ,他. フ 過程,確率微分方程式 ). の プレーヤ一の 行動について 勝手な予測を 立てるこ. 経営システム 論. とはできない.すなわち,. 企業組織を階層的意思決定システムととらえ. 自らの効用の 平均を計算. 11. (293). ,. そ. する際に使われる 他のプレーヤ 一の行動に関する 確. の メカニズムについて 論じる : 企業組織の権 限構造. 率を求めるときには , 彼らの合理,性を 反映したもの. と. でなくてはならない. 他のプレーヤー 00 行動確率を. 仁. 推測することを 期待形成と いい , ゲームの結果に 対. ング・システム ), チーム理論, ゲーム理論。 ネット. する理論的予測ないし 処方 筆を ゲームの 解 と呼ぶが,. ワーク. ゲームの解をいかに 定義するかにれを 解 概念と呼. 生産システム 論. ぶ ) は プレーヤ一の 合理性をいかに 期待形成に反映 させるかにかかってくることになる. な 議論の余地があ. ここには大き. って。 これまでも様々な 解 概念の. 情報構造, 市場と取引費用, エージェンシ 一理論 情報の遍在, インセンティブ・システム ,モニタリ. 所丑斉戟. 生産 (ないしオペレーション ) システム管理の 基 本的 考え方と手法について 講義する : 生産管理,. (fHexiblemanufacturing. FMS. system),. 製造戦略,. 販売予測, 生産計画策定, 工程管理, MRP. 提案がなされている. (material@requirements@planning) , FA@ (factory@auto-. V. 経営システム 科学の教育体系. mation) , CIM@ (computer@integrated@manufacturing). 本章では横浜国立大学経営学部経営システム. 科学. 科 (以下, 本学科という ) の授業科目を 例に,経営. ,. EOQ, JIT; 日程管理, 品。 質 管理, 日本流と欧米琉 言上国システム 舌綺 経宮 システム管理において 最重要な方法の 一つで. -ンステム科学の 教育体系を論じることにしよう.. あ る数理計画法について ,理論的厳密,性を 重視して Sl . 授業科目の概要と 内容. 講義する : 線形計画法,非線形計画法,双対性 , 組. 本学科の教育科目と 授業科目は表 1. ク. ) 通りであ る. み 合わせ最適化と 整数計画法,. 各授業科目の 概要と, その内容を表す 主要な概俳を。. ダイナミック・プロバラミンク。. 各科目間での 重複を一応調整してキーワード. オペレーションズ・リサーチ. 的に述. 科学的経営管理の 技法の集大成であ る OR. べると次のようになるだろう 経営科学総論. て.. 経営科学の課題を 経営資源の合理的配分問題の. 解. 決 ととらえ. そのために用いられる 基本白9 概念と ウール ほ ついて講義する. ト. : 経営資源,企業行動,生. 産 関数,消費者行動,効用関数,制約条件付き 最適 イヒ. ,. シャド. ネットワーク 計画法,. (桁 ) の面を重視して 講義し. い. コンピ. ユータを 用いた演習を 行う : 数理計画法, PERT. CPM,. 在庫管理論,待ち行列の理論と 応用, シ. ユ. レーション マネジリアル・エコノミクス. 合理的経営意思決定の 原理・原則について ,経済. ー ・プライス,線形計画法,財務諸表. 意思決定論. アート. につ. 理論を応用して 論じる : 需要の分析と 推定 (消費者. 期待効用理論とその 応用,追加情報,情報の 価値,. 行動,需要関数,弾力性 ), 最適生産 (生産関数, 費 円 関数,利潤最大ィじ), プライシンバ ,投資プロジェ クト評価 (現価 法 ,内部収益率法), 配当政策,資金. ディシジョン・ トリ Ⅰ多目的意思決定, ファジ. 調達 法. 不確実性,多目的あ るいは競合の 下での合理的意 思 決定法について 講義する : 不確実性.主観確率,. 意思決定・. 一. ゲーム理論. 経営統計学. 経営数学. 企業の科学白 9 経営意思決定において 利用される 統. 科学的経営管理において 用いられる数学について 講義し演習を 行. う. : 線形数学. (行列.掃き出し計. 算 ,固有値。 行列ゲーム ), 制約条件付き 最適化 積分・. (微. ラグランジュの 未定乗数法, クーン・タッ. 力 一条件, 凸 , n生), 商業数学 (単利・複利計算,年金 計算,割引計算,内部収益率 ), 確率過程論 (マルコ. 計学は ついて講義し ,. 行. う. コンピュータを 用いた演習を. : 確率分布,標本理論,市場調査,推定,検定,. 管理図法,. 回帰分析,. ノンパラメトリック 統計,. べ. ィズ 統計学,実験計画法. データ解析論Ⅰ 多 変量解析のさまざまな 手法の理論とその 経営 へ.

(10) 12 (294). 第Ⅹ V 巻. 横浜経営研究 表 1. 講座名. 第 4 号 (1995). 経営システム 科学科の教育科目と 授業科目. 授. 教育科目名. 業. 科. 目. 名. ⑨経営科学総論 2), 経営数詞 2,, 意思決定 諭 2) 経営、ンステム 論 2), 生産システム 高ぬ @2), 計画システム 論 2) ズ Ⅱサーチ オペレーシヨンズ・リサー 刊 4), マネジリアル・エコノミクス (2) 経営統計 判 2), データ解析論 1(2)。 データ解析論Ⅲ 2). 営 科 学 、ンステム科学. 経. 経営科学. ォべし. d. ンコ. ン. 計量分析論 経営情報論 マーケティンバ 論. 財. 経営情報. 務. 論. 産業分析器. 経営情報論Ⅱ 4L 経営情報論Ⅲ 2), システム開発論 (4) マーケティンバ 高ぬ (4), 流通論 2, 財務論 4), 証券市場論 2), ファイナンシヤル・エコノミク 刀 2) 産業組織 諦 4), 産業経済論 2). ⑨印の授業科目は 必修科目.この他に簿記原理が 必修科目・. の 応用法について. 講義し統計パッケージを 用いた. ( ) 内は単位数. グ 環境 (消費者行動論,チャネル 行動,競争行動),. 演習を行う : 主成分分析,因子分析,判別分析,ク マーケティンバ 清報 システムとマーケティンバ・. リ. ラスタ一分析,数量化理論, SAS. サーチ,マーケティンバ戦略 (市場標的の設定戦略,. データ解析論Ⅱ マクロ・ア一ー *. 製品ロライフ・サイクル 戦略,製品戦略,価格戦略, コミュニケーション 戦略,チャネル戦略 ), マーケテ. タ. ,時系列データの解析手法とその. 経営への応用法について. 用いた演習を TSP,. 講義し統計パッケージを. 行う : エコノメトリクス. ,時系列分析,. お而. 通言令. 流通の基本的概念を 説明するとともに ,現代の流. 需要予測. 経営情報論. イング組織と 統制. 通 の問題点を整理し 今後の方向性について 展望す. 1. 経営情報処理の 各種技法などについて 概説し ,. ンピュータ利用の 実習を行う ( コンピュータ・リテラシー. :. コ. 経営情報処理技法. オペレーティンバ・. シ. る : 流通の概念,流通経路,流通業の 機能と役割,. 日本の流通構造,零細小売商問題,商業集積問題, 流通行政,流通情報化.. ステム,文書処理,表計算,統計処理,線形計画法, 財務論 プロバラミンバ ), コンピュータ・ネットワーク , マ. ルチメディア 経営情報論Ⅱ. 企業における 経営情報システムとその 役割につい て 概説しコンピュータ 利用の実習を 行う : 業務 情 報 処理,意思決定支援システム,戦略的情報システ ム ,通信ネットワーク ,データベース ,人工知能 、ンステム開発言命. 企業および投資家の 合理的な財務的意思決定につ いて論じる : 財務論の課題と 方法,異時点間の最適 資源配分,不確実性下 における投資決定 (期待効用 理論,ポートフォリオ 選択理論 ), 資本市場理論 (資 本 資産評価モデル ,マーケット・モデル,裁定評価 理論 ), 派生証券の評価 (先物取引,オプシ,ン評価 モデル ), 資本調達決定 (モジリアーニ・ミラ 一理論, 運転資本管理,投資決定との 統合 ), 配当決定 (モジ. 情報システムの 開発と設計の 主要過程について 講. リアーニ・ミラ 一理論,安定配当性向政策 ). しコンピュータのプロバラミンバについて. 証券市場論. 養. する : フローチャート グ,. 実習. ( アルゴリズム ), コーディン. ラン, COBOL. 株式市場および 債権 市場の構造とメカニズムに つ い て講義する : 国民経済と証券市場,証券価格形成. マーケティンバ 論. メカニズム,証券取引規制,各国証券市場上 ヒ較. 企業の市場環境への 適応行動とそれにかかわる 現 象を マーケティンバとしてとらえ ,その全体像を明. ファイナンシャル・エコノミクス. らかにするとともに ,体系的接近法を論じる : マ一. 巻くマクロ的経済環境との 対応関係について 講義す. ケティン グ の生成と展開および 方法,マーケティン. る : 証券の市場価格,金利の期間構造,景気動向,. 証券市場で成立する 証券価格と,証券市場を取り.

(11) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系. (白井・大塚 ). 式 株. ム ア -Ⅰ . レ フ ク ス. と ク ス. 金利生 , l 、り. と報 成長, の情. 経済市場. 論 ,経営情報論 1, 生産システム 論, オペレーショ ンズ・リサーチ.. ●経営システム「コース」 の効率. 産業組織論. さまざまな市場. (295) 13. (競争市場,独占市場,寡占市場 ). 各種のシス. テムの分析,構築などについて 学ぶ ) : 意思決定論, 経営システム 論,計画システム論。 生産システム 論 ,. における企業行動の 理論と,市場の効率性について. 経営情報論 1.. 講義するとともに ,現実に即した問題も取り上げる. ●企業経済「コース」. 市場の効率性,独占企業の行動,寡占企業の行動,. (企業における. (企業を取り巻く. 経済環境と企. 業意思決定の 関連について 学ぶ ) : 意思決定論,マネ. 製品差別,参入,参入阻止行動,取引費用と 垂直的. 、ジリアル・エコノミクス. ,経営システム論,. 統合, 日本的取引慣行. 解析論 1,. 産業経済論 現実の産業統計,企業統計を 分析して,産業動向,. ステム. ●経営情報「コース」. 国際経営比較, 日本企業などについて 論じる : 産業. 営,「青軸システムの 役割,あ り方などについて 学ぶ) :. データ. 同 n, 産業組織論,産業経済論,生産、 ン. 言令. (各種の経営情報処理技法と. 経. 統計,企業統計,財務諸表,産業動向,国際経営 比 経営情報論 1, 経営統計学,データ 解析論 r, 同 D, 産業経済論,経営情報論 D, オペレーシ,ンズ・リ 較 , 日本企業論 サーチ.. S2.. ●マーケティンバ「コース」 (企業を取り巻く 市場環. コース 制き式誌. 上記の授業科目を (m@ 営システム科学の 基礎理論. ないし基礎白 9 方法論を与える 科目, (2)それを応用し て現実的課題を 解くための方法論を 提供する科目, (3川と (2)の中間的な科目, に大別してみると 次のよ うになるだろう.. 境とそれへの 適応行動を中心にマーケティンバにつ. いて学ぶ ) : 経営統計学,データ 解析論 1, 同 u, 産 業 経済論,流通論,マーケティンバ 論.. ●財務「コース」. (企業および投資家の. 合理的な財務. 的意思決定とその 環境について 学ぶ ) : 意思決定論,. 、 1)に属す科目 : 経営科学総論,意思決定論,経営 経営数学, 計画システム 論, マネジリアル・エコノ 数学,経営システム論,計画システム論,マネジリ. ミクス, データ解析論 D,. アル・エコノミクス ,経営統計学, デ - タ解析論 1,. ノミクス,証券市場論, 財務論. 同 D, 経営情報論 1, システム開発論.. 上記の各コースにおける 履修順序は,標準的に言 えば, ま刊 1 に属す科目を 履修し その後に (2席る. ファイナンシャル・エコ. (2)に属す科目 : 生産システム 論, オペレーシ,ン ズ・リサーチ ,経営情報論 n, マーケティンバ 論,. いは。3 に属す科目を 履修する, ということであ る.. 財務論.. さらに (1),(2しⅢの属す科目の 中にも, どちらかと. 。. 3) に属す科目 : 流通論,証券市場論。ファイナン. -ンサ ル・エコノミクス. ,産業組織論,産業経済論.. さて本学科ではコース 制を採用していないが , 学. 言えば基本的なものと ,. どちらかと言えば 応用的な. ものがあ ると考えられるので , その分類を行 い ,分 類結果を記さなければならないが. 問的に深く関連する 授業科目をまとめてグループ 化. 記すのは煩わしいので 省略する.. ,. それをいち いち. しかし上記の 各. し (複数のグループに 入る授業科目があ ) 得る. 特. コースにおける 授業科目の並べ 方は, それをも考慮. に。1,に属す科目はそうであ るⅠ,それを「コース」と 名付けるならば ,次のような「コース」が考えられ. した履修順序にほほ対応している.. る ( なお,経営科学総論はすべてのコースに入るの. 用へという 履 十列 順 序が常に正しいとは 限らないからで. で,記述を省略した.その他の必修科目についても. あ る. なぜなら, たまたま OR,. 同様であ る.教養教育科目についても 記入を省略し. グ などに関する 具体的問題に 興味を持ち,それを 解決. た ).. するために改めて 基礎を勉強するという 学生がいるこ. ン. ●経営科学「コース」 法は ついて学ぶ ). (経営科学の種々の :. 技法と実施. 意思決定論,経営数学,経営統. 計学, マネジリアル・エコノミクス. ,計画システム. -ha;己の履修順序を 標準的と断ったのは ,基礎から応、 財務, マーケティン. とは十分に考えられるしそのような 学生の方が基礎 を熱心に勉強することはあ りうるからであ る..

(12) 14 296 く. 横浜経営研究. Ⅰ. 第Ⅹ V 巻. 第 4 号 (1995). なお,上記の各「コース」に 他学科および 他学部 において開設されている 適当な授業科目を 配し そ. 科学的に研究することかと 言えば, そのような研究. れらを含めた 履修順序を定めるならば , 各 「コース」. を一つの学問体系の 中ですることは 不可能であ る.. は完全なコースとして 完成すると考えられるが ,筆. -ンステム科学はシステムを. 者には他学科および 他学部の授業科目には 不案内な 点があ るので,それはしなかった. 上述のように ,本学科ではコース制を採用してい. づけられた要素の 集合であ るととらえ, そのような 種類Ⅰ数が多く ,要素を関係づける関係は複雑で 輻. ない. 榛 しており, システムの目的は 多様であ るにもかか. ・. それは,上記のような履修順序に対応した 授. 業計画ルアー・プラン 的理由からと ,. ). がたてにくいという 技術. コース制の下で 履修させることと ,. 学生のニーズの 多様化. (例えば,上述のように,履. 修順序が基礎から 応用へ, ではなく応用から 基礎 へ. 、ンステム. と. 考えられるあ りとあ らゆるものについて. -ンステムの中でも. 適当な関係によって 関係. 特に, システムを構成する 要素の. わらず,全体としては秩序を保って 機能している、ン ステムを研究対象とする. そして複雑,性の 中から本 質的な法則を 見出し. それに基づいて 研究対象の 、ン. ステムを理解,説明,設計しようとする. -ンステム科学の. という学生がいること ) とが両立するかという 点に. 課題を総論的に 述べると次のよう. 疑問があ るからであ る.後者は本学科でどのような. になる :. 学生をどのようにして 育てるのかという 基本的な教. 1 , 上述のような 複雑なシステムをモデル 化し, そ. 育方針に関連することであ. れをシステムとして 解析することによって , その、ン. るので, この点に関する. 議論を早急に 煮詰める必要があ ろう.. M. システム科学の 研究対象と方法 7). ステムに関する 法則を見出すこと. 2. それに基づいて ,多数の要素よりなるシステム が全体として 秩序を保ち機能する 原理を見出すこと ,. 本章では, Ⅱ章で定義され , 本 特集号を通じてそ. -ンステム科学においては. 1,. 2 とも重要であ るが,. の具体が明らかにされる 経営システム 科学が, いわ. 1 は 2 のための手段にもなっているので. ゆるシステム 科学とは学問的特性をかなり. なのは 2 であ る. なぜなら, システムは秩序を 保っ. 異にする. ことを明らかにするために ,標準的なシステム科学 の研究対象と 方法について 紹介する.. てはじめて意味をもち ,. ,特に重要. また全体は部分の 総和以上. のものと考えられるからであ. る. システム科学が 学. テム,機械システム,計算機システム,情報-ンステ. 問体系を確立する 重要な契機となったのは , L. von BertaIanffy や K.E. Boulding らによる一般システム 研究会の発足とその 機関誌の発刊であ る・彼らは, 全体のことは 部分に分解して 考察することによって わかるという ,科学が陥りやすい還元主義を批判し 重要なのはむしろ 組織された全体の 研究であ るとし. ム ,教育システム,研究システム,思考システム,. た.すなわち全体重視の思想であ り, ここにジステ. ェコ ・システムなどなど ,その例を挙げ始めれば,. ム科学の大きな 特徴があ ると考えられる.. S1.. システム科学総論. -ンステムという. 言葉が巷間に 溢れている.いわく ,. 経営システム ,会計システム,生産システム,経済 、ンステム,社会システム,通信システム,交通シス. 文字通り,枚挙に暇がないのであ る.それもそのは ずで,若干誇張していえば 人工のもの (物理的な 物 」とは限らない ) でシステムでないものはないの 「. であ. 上述のように ,. システムは適当な 関係によって 関. 係づけられた 要素の集合とされた. 適当な関係がな いとされた要素の 集合は環境と 呼ばれる. しかし適. り,天然自然に存在する宇宙,銀河,太陽,人当な関係がないといっても , システムと環境は 無関. 間を含めた個々の 動物, それらの消化機能,呼吸機 能,集団的活動,個々の 植物, などなどもしばしば. 係ではなく, システムは環境から 影響を受け , 逆に. 、ンステム. 響を入力とか い ,環境に与える影響を出力という.. と. 考えられるので ,. システムという 言葉が. 巷間に溢れることになるのであ る. このようにこの 世に存在するあ りとあ らゆるものはほとんどすべて が -ンステム. と. 見なせるならば ,. 環境に影響を 与える. システムが環境から 受ける影 、ンステム科学においては ,. と環境との相互作用の 分析も重要な 課題であ る.. システムに関する 科. 学と考えられるシステム 科学は, この世に存在する. この考察対象のシステム. 釜. 2. -ンステム科学各論.

(13) 経営システム 科学の研究領域・. 歴史・方法・ 教育体系. @. 井 ・大塚 ). (297. 15. Ⅰ. 本節ではシステム 科学の課題を 各論的に述べよう.. 1) システムの特徴の 抽出と表現. 毛先生. =F. け L 二ミ. 臼. (z)+G ( :) 丘. ぴけ. l3). Ⅰ. ここでの課題は 考察対象のシステムを 環境から峻. 別し その特徴を, 目的,機能,構造,含まれる 要 素などに関してとらえ ,それをモデルを用いて表現. ソ. (め工 H(t). ヱ. (め. 4. することであ る・モデルの 代表的な表現形式は ,代. となる・ ここに F(t Ⅰはれ X n 行列, G(. 数方程式,微積分方程式,論理式などを用いる数学. 行列, H(t). モデルであ る. しかし社会システムのように 複雑な. 、ンステムの内部構造が. 、ンステムであ. 、ンステムの内部構造が. ると,数学モデルによ つて表現するこ. は用 X. れ. はれ X r. め. 行列であ る.上述のモデルは 明らかな場合のモデルであ. 明らかでないときは. ,. る.. システ. とが困難であ るので, グラフ, ブロック線図などを. ムの人出力関係のみを 示す数学モデルが 用いられる,. 用いる図竹モデルが ,. その中でよく 使われるものは ,人力と出力の関係を. さらに図竹モデルによっても. 表現できないシステムの 表現には文章モデルが 用い. ". 階の線形の微分方程式で 表す次のモデルであ る.. 5. 川. コ一. ななノ あ 十れ. (す. に ,ノ㈹二がⅡ ィt, は二 1,. Ⅰ. なわちシステムはクローズド か ,. 千ガ. 環境の相互作用を 虹 視 できるか否か. 一一. と. ハ 1ノ. (す. なわち動的か ,静的か), 変数は連続的か 離散的 か, 、ンステム. Ⅰ. テム のふるま い は時間とともに 変化するか否か. て て Ⅰ. 各要素間の関係は 因果関係であ るかどうか, シス. ノ. 十. ノ. 2 ) システムの分類. 十 十. られる.. オープン か ), 人出. ,めであ り,. " ㈹も同様であ る.. 4) 状態の同定. 力関係は線形か 非線形か, システムは不確実性を 含. 、ンステムを制御するにはシステムの. 状態を知って. むか否かなどについて 検討する.. いることが望ましいが ,. 3) システムの同定. 接 的に知ることはできない・ しかし人力,出力な どの状態に関係する 情報が得られるならば ,それを. 考察対象のシステムが 上記のさまざまな 分類基準 からみてどれに 当てはまるか 決定し. いて既に得られているデータなどを. 、ンステムにつ. 利用して,それ. システムの状態は 通常, 直. 用いてシステムの 状態を決定することができる.. 人. 出力情報を用いてシステムの 状態を決定することを. に 妥当する数学モデルを ,そのパラメ- タを含めて. 状態の同定といい , それには,過去の時点より現時. 具体的にを決定する.. 点 までの人出力情報を 用いて,過去の時点の状態を. あ るシステが動的であ るとき,変数が連続的であ ることを仮定して ,. そのシステムを 最も一般的な 数. 学 モデルを用いて 表すと,次のようになる. 決定する初期状態同定 端状態同定とがあ. 5. り. と. ,現時点の状態を決める終. る,. 入力の同定. をとらえて分類しそれをモデルを 用いて表現し. ヱ. /. ん り(ょメⅠ. ここでの課題は 環境からの作用であ る人力の特徴 パラメータを 推定して, 人力関数を同定することで. ノ. {め 二ヵ @Ⅰ (t),Ⅰ. (2). ここにⅡ t) は システムの状態を 表すか べ クトル,. あ る.. 6) システム解析 ここでは 3) で同定された 数学モデルを 操作して,. u(f) は 環境からシステムへの 人力を表す 斤 ベクト ル, メ t) はシステムから 環境への出力を 表す 竹 ベ. モデルの解はシステムのふるまいをよく. クトルであ り, f は連続的な時刻を 表す. (1@ 状態が. まず解を求めようとされる. それは初期状態が 同定. 人力によってどのように 変化するかを 示し (2)はそ. されているとして ,. の 状態を何らかの 観測装置を通して 知ることができ. とによって求められる・ 例えば線形システム。 3), (4, において,係数 F(f), G(t), H は) が時間Ⅰによっ. ることを示している. 、ンステムが線形ならば. , (1), (2)は. 、ンステムのふるまいの. 特性が明らかにされる.. 数学. 示すので,. 数学モデ 似 l@(5) などを解くこ. て変化しない 定数行列 F, G, H の場合,その解は.

(14) 16 (298. 横浜経営研究. Ⅰ. ょ. Ⅰ. ぅ. H/ 経 F(t。 G ㎡ りぬ. 十. 第 4 号 (1995). 互いに相反する 目的を達成しなければならず・ 複 雑な社会システムなどになると ,互いに相反する 目 的は多数あ り, しかもその ょう な目的が, システム 全体として達成しなければならない 最終目的と, そ れを達成するための 副次的目的からなる 階層構造を. G" ㈹ ぬ. め. 血 ) 二 H ど x0) と. 第Ⅹ V 巻. 一. 求められ, システムのふるまいを 知ることができ. るのであ る.. もっているのが 普通であ る. さらにこのような 目的. 7) システム設計. が明確に認識されておらず ,あいまいな場合もあ る. このような場合に ,いかにして(6)のような目的関数. 上述のシステム 解析が問題となっているシステム の性質を解明することであ. ったのに対し ,. システム. を定式化すればよ. 設計はシステムの 目的やもつべ ぎ性質が与えられて いて, それをできるだけ 少ない費用で 実現するよう にシステムを 設計することであ る. システム工学で. 8) システムの制御 とるように,. ( しばしば最適な ) 行動を. システムへの 入力を決定することが. -ン. (の最適 ) 制御であ る. システムが数学モデ. ステム. 態とが与えられているとき ,最適制御問題は ん @ヱ㈲. こ. 開発され,. 目的のあ いまい性に対しては , ファジ. ィ. 理論の応用が 有効となっている.. 11) 安定,性. ル田によって 表され,時刻Ⅰ ミ 0 と亡二 T における 状. J. この問題が解決されるようになったのは 比較的 最 近 のことであ る. 目的の複数性を 解決する手法とし ては,多目的意思決定法 (変数が連続変数, したが って代替案が 無数にあ る場合に用いられる ) や多 基 準分析法 (代替実数が有限の 場合に用いられる ) が. はこのシステム 設計が大きな 課題であ る. 、ンステムが与えられた. い かということが 問題なのであ る.. 、ンステムがその. 目的にかなった 機能を発揮するた. めには種々の 条件を満たさなければならない. その 条件はシステムによって 当然変わり得るが ,多くの. ,ぱ ㌧几 Ⅱ み. Ⅰ. 、ンステムに共通する 基本的な条件として ,安定性,. を 最適にするようにⅡ f) を 決定せよと定式化され ,. 町 制御性, 可 到達性, 可 観測性をあ げることができ. その解法として ,古典的変分法 , Pontryaemn の最大. る. まず安定性について 述べよう. システムの安定. 原理, Bel ㎞ an のダイナミック・プロバラミンバな. 性は, システムに 損乱 が加わってもシステムが. 目的. どがあ る.. にかなった機能を 発揮でるかどうかに 関連し, それ. 9) システム最適化. は 通常,元の状態が静止した状態であ っても, シス. -ンステムがその. テムを時間的に 変動するものとしてとらえ (静止し た状態はその 特別な場合であ る ), その変動の様相を 微分方程式や 差分方程式で 表現して議論される. こ. 目的を達成する 方法 ( システムの. 設計方法やシステムの 運用方法 ) には,一般に複数 個あ り, またシステムの 目的の達成はさまざまな 制 約条件に服しながら 行わなければならない. システ ムの最適化とは ,. この ょう な複数の方法の 中から 制. のとき用いられる 代表的な微分方程式は , 次の状態 変数. て. に関する自律系の 微分方程式であ る. って表されているとしたとき. ,. 7. この微分方程式で 表されるシステムの 静止状態支 は, 田二 0 を満たす状態であ り,平衡 (均衡 ) 状態ま. システム最適化問題. たは平衡. は 一般的に次のように 定式化される. (均衡 ). 点と呼ばれる. この平衡. ︶ 6. 1. 芹 Ⅰ. 刀. て一. g. l (ヱ. み. Ⅰ ヱ,. Ⅰ. ts. ax. m. 状態に小さな ズし が生じたとき ,. (均衡 ). その後の状態が 平. 衡 (均衡 ) 状態から有限の 距離以上離れないとき ,. -. その平衡 (均衡 ) 状態は安定であ ると言 い , その判. 10) 目的の評価 前項のシステム 最適化の基準となるシステムの. ヱ. 的がその総合的評価を 含んだ単一の 目的関数 / によ. /. であ り, -ンステムの目. dxに ( t) Ⅰ才. -ンステムの変数が 自 , ・…‥ , m". ヱ. 約条ャ牛を考慮して 最適な方法を 決定することであ る.. 目. 別方法としては ,微分方程式7)の解を直接求めて 判 別する方法の 他, フルヴィッの 判別法, ラウスの判. 的を評価し定式化する 問題であ る. ほとんどすべ. 別法, リヤ プ ノ ブ の判別法などがあ る.. ての人工システムは 少なくとも機能,性 と経済,性 とい. 12) 町制御性, 可 到達性,状態可決定性 (可 観測性 ).

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