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観光研究の成果を組み込んだ「社会科観光」授業モデルの開発とその評価:―小学校5年産業学習「観光産業」を題材にして―

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Academic year: 2021

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(1)観光研究の成果を組み込んだ「社会科観光」授業モデルの開発とその評価. 一小学校5年産業学習. 「観光産業」を題材にして一.           教育実践高度化専攻           授業実践リーダーコース.           P09024C           佐藤 克上 I 研究の目的・方法. 1研究の目的  本研究の目的は,次の3点である。 第1に,学校教育において観光を取り上げる 意義を考察し,その目的や内容,方法を明らか にすること。第2に,観光を取り上げた先行実 践事例の分析・検討を通して,課題及ぴ授業設 計の視点を明らかにし,授業モデルを開発する こと。第3に,開発した授業モデルを実践・評 価し,授業改善の視点を提示することである。. 皿 実践報告書の構成 序 論 策I章 現代社会と観光教育 第I1章 社会科教育と観光教育 第皿章 観光研究の成果と基本概念 第W章 「社会科観光」による授業分析の視点 第V章 産業学習における「社会科観光」の授業設計. 第VI章 授業実践の実際とその評価 結 論. 皿 研究の概要. 1現代社会と観光教育. 2 研究の方法 (1)学校教育における観光教育のあるべき姿を.  現代社会において観光は,「ゲスト(観光者),.  導出する(理論構築)。. ホスト(観光地住民),そしてブローカー(政府. (2)(1)をもとに授業モデルを開発し,実践する. や観光産業など)の3つの要素が相互に関連し 合う“しくみ”から発現する多様な現象」と捉 えられ,時代の動向を読み解くキーとなる社会 現象として認識されている。近年,その影響力 は,個人の社会生活レベルから世界システムに.  (開発・実践)。. (3)(2)を分析・評価し,授業改善の視点を提示  する(評価・改善)。.  具体的な手順は,①∼⑥の通りである。. ①現代観光の特徴と観光教育が注目されるよ  うになった背景を考察し,学校教育において. 至るまであらゆるレベルにおいて,さらに社会,. ③r社会科観光」としての獲得させるべき法則. 文化,経済,環境などあらゆる分野にもたらす ことから看過できない現象として認識されるよ うになった。観光教育は,このような現代観光 の現状を背景に持続可能な観光の理念を広く普 及させることを目的として,初等教育段階から 必要性が叫ばれるようになった。そこでは,「観 光現象の学術的な知識の習得を通して,持続可.  性や概念を観光研究の成果から抽出・整理し,. 能な観光の実現を1ヨ指すよき『ゲスト』よき『ホ.  基本概念として措定する。 ④ 「社会科観光」の内容と方法をもとに,分析. スト』を育成すること」が日指されている。.  フレームワークを作成し,先行実践事例(授  業実践,教科書及び副読本)の分析及びその  結果をふまえ,授業設計に不可欠な視点を明. 2社会科教育と観光教育.  求められる観光教育の目標を明らかにする。 ②教科教育学の論理に基づき,社会科教育にお  ける「構成原理」・「構成要素」,「構成様式」.  を考察し,社会科教育で観光を取り上げる意  義を明らかにする。.  らかにする。. ⑤④で導出した視点に基づいて授業開発を行  い,教育実践研究開発プロジェクト実習で実  残する。. ⑥⑤で実践した授業モデルを分析・評価し,そ  の成果をふまえて授業改善の視点を提示する。.  学校教育段階(初等教育段階)において観光 教育の必要性が叫ばれる今,学校教育段階に求 められている観光教育の目標は,教科教育のど のような論理に基づくことで達成することがで きるのかという問題意識のもと,検証を進めた。 そして,教科教育学の論理に従い,「社会認識形. 成を通して市民的資質の育成すること」を目標 に掲げる社会科教育において,その目標達成に 寄与する素材として取り上げることで観光教育. 一48一.

(2) の目標が十分に達成されることを明らかにした。 本研究では,このような取り上げ方を「社会科 地理」や「社会科経済」などと同様に,社会科 教育の一領域を担うr社会科観光」と名付けた。. 6授業実践の実際とその評価  教育実践研究開発プロジェクト実習において 実践した授業モデルは,(1)授業検討会において 本学指導教員から指摘された内容,(2)本研究で 開発した評価問題の結果,(3)授業後の児童の自. 3観光研究の成果と基本概念. 由記述の分析の3つの観点から検討し,授業改.  現代社会において看過できない社会現象とし て認識されている観光は,様々な学問分野によ って多面的・多角的にアプローチされている研 究対象である。本研究では,上述のような特徴 をもつ観光研究の成果から「社会科観光」とし て獲得させるべき法則性や概念として措定する ため,7つの社会諸科学の分析視点を設定し, 観光研究の成果を体系的に整理した。そして, その結果をふまえ,9つの基本概念を措定した。. 善の視点を導出した。. 4 r社会科観光」による授業分析の視点  先行実践の分析は,3つの視点と7つの下位 の分析視点からなる「社会科観光」の分析フレ ームワークに基づき,授業実践30事例,教科 書及び副読本8事例(比較分析対象を含む)を 対象とした。また,分析結果及び検討をふまえ,. 授業設計に不可欠な視点として6点を導出した。 5 産業学習における「社会科観光」の授業設計  先行実践の分析を通して導出した「社会科観 光」の授業設計に不可欠な視点に基づき,小学. 校5年産業学習「観光産業」の授業モデルを開 発・実践した。以下,授業の概要を示す。 ① 単元:観光産業 一目光及び築地市場一  事例地は,(1)児童にとって身近であること, (2)比較的認知度の高い日本を代表する観光地 であること,(3)授業設計上,観光研究の成果(本. 研究で措定した9つの基本概念)を習得させる ことができる場所であること等を考慮し,日光 と築地市場を選定した。. ② 内容構成  観光に関する全体像や本研究で措定した基本 概念を習得させるにあたり,中核的に追究する 概念(「まなざし」)を設定し,他の概念を関連 づけて習得できるように配慮した。これは,羅 列的で網羅的な概念の習得や細切れでストーリ ー性のない授業展開を防ぐためである。 ③ 学習過程及び授業構成  岩田理論に従い,概念探究過程において「ま なざし」を中核的に追求することを通して,観 光に関する全体像を認識させ,価値分析過程に おいて認識過程で習得した知識をふまえて,持 続可能な観光の実現について思考する展開を構 想した。. 1V 研究の成果と課題  本研究の成果は,次の5点である。  第1に,初等教育段階から観光教育の必要性 が叫ばれるようになった背景を考察し,観光教 育の目標は社会科教育において社会科教育の一 領域を担う「社会科観光」として位置付くこと で果たされることを明らかにしたことである。  第2に,学際的アプローチによって蓄積され た観光研究の成果を社会諸科学の研究成果を分 析視点とする7つの視点を用いて抽出し,さら にそれを帰納的手法に基づいて分類することを 通して体系化したことである。また,これらの 成果をふまえ,r社会科観光」として獲得すべき 基本概念として9つの概念を措定し,授業モデ ルの開発・実践を通して観光研究の成果が社会 認識形成に有効な研究成果であることを証明し たことである。.  第3に,先行実践(授業実践及び教科書・副 読本)の分析を通して,授業設計に不可欠な視 点を導出したことである。また,その過程で比 較対象事例としてイギリスの単元事例案”」 8C必θ血θof附。趾’や「ナショナル・カリキュラ. ム地理」準拠版教科書”Mσπ〃γ 0亙00捌朋γル加〃。血。皿8”, ”肋㎡zo”82 θθo騨即妙’を翻訳・分析し,イギリスにおける 観光教育の実態を明らかにしたことである。.  第4に,先行実践の分析結果にから導出され た「社会科観光」として授業設計に不可欠な視 点に基づいて,小学校社会科第5学年産業学習 の一事例として単元r観光産業」の授業モデル を開発したことである。.  第5に,開発した授業モデルを教育実践研究 開発プロジェクト実習において実践し,実践の 分析及び評価を通して,新たな授業改善の視点 を導出・提示したことである。.  今後の課題は,導出した授業改善の視点に基 づいて改善授業モデルを開発し,授業実践を進 めていくこと。さらに,現代社会に対応した授 業モデルを開発していくことである。. 修学指導教員  増澤康男 溝違和成. 指導教員 岩田一彦 一49一.

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