南十字星の下の石川雄一教授

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(1)南十字星の下の石川雄一教授ニュージーランド・オタゴ大学郭南燕初めて石川教授にお目にかかったのは2004年6月2日でした。横浜国立大学とオタゴ大学（University of Otago）との交流協定の件で、横浜を訪れ. た時です。その時の私は、8ヶ月も青森の弘前大学で研究をしていましたので、横浜の初夏は非常に鮮やかで、まぶしかったです。私が大学交流ゐ件で横浜国立大学留学センターに声をかけたのは、ある. 研究プロジェクトで丸山千歌先生と知り合い、横町の日本語教育に関する評価が海外で高く、丸山先生と垂水（四方田）千恵先生のこ著書を拝見していたからでもあります。打てば響くというような反応が横国から来たのはとても嬉しかったのです。. 丸山先生に紹介されて石川先生にお会いしたのは、その日の夕方に近い時でした。背の高い石川先生は丁寧に挨拶をしてくださいました。それから石川先生、丸山先生、四方田先生、長谷川健一先生と5人で一緒に夕食をいただきました。. 雪国と三下ゴ大学でそれぞれどのような日本映画を学生に見せているのかという話に花を咲かせた。『山椒大夫』の話題になった時、私は、弘前の岩木山もこの伝説にゆかりがあって、「安寿の湯」があると自慢話をしました。その席でなぜか石川先生は「殿様」と名付けられた。「殿様」で. すのに、テーブルの端に坐っていらっしゃいました。ビール一杯で赤くなられた顔で始終微笑んでいらっしゃいました。お暇な時に、是非一度丁令ゴ大学へご訪問くださいと私はお誘いしました。. 2005年3月、「殿様」は遥々と赤道を越えて、地球最南端の我がオタゴ. 大学を訪ねてこられました。言うまでもなく、オタゴの「侍」たちはお待ちかねでした。わずか数日間のこ滞在でしたが、ダニーデン市内を少しばかりご案内することができました。日曜日の朝はカトリック教会にお連れして行きましたし、私の親しい友人のおうちへも一緒に遊びに行き、オタゴのチーズとワインを満喫しました。. ご滞在中は、曇りがちなお天気でしたので、星空はほとんど見えません. 一29一.

(2) でした。石川先生はインターネットで南十字星を見付けて、今度は現物をご自分の目で確かめようとしていらっしゃいました。. 南十字星を人に見せるのが私の趣味ですので、星座が厚い雲に覆われていたのを悔しく思われました。でも、風が強かったので、雲がすぐ飛ばされるのではないかと思い、三人で冷たい風の中をじっと我慢して待機していました。ようやく雲が風に飛ばされてしまった時、その星座が光を輝かせながら現われてくれました。ロマンチックな瞬間でした。あそこだ、あそこだ、と私は指差しながら叫びました。なるほど、と石川先生は喜んでいらっしゃいました。インターネットで見たものと実物の差にも驚かれたようです。. 残念なことに、星座はまたもや雲に呑み込まれてしまいました。先生は、. では、一晩かけて空が晴れるのを待とう、と言われました。その決心と熱意に私は打たれました。. 石川先生は同じような決心と熱意を留学生センターの運営にも注がれているようです。オタゴ大学からの交換留学生二人は、横国留学を人生の中で一番幸せな期間だと、帰国後の報告書に書いています。今、横国への留学を希望しているオタゴの学生が定員を遥かに越えていて、オタゴのスタッフは困っているくらいです。. 南国留学生センターの成果は、石川先生を始め、留学生センターの皆様の辛抱強い努力の賜物だと思います。. 一30一.

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