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Title
歯科用コーンビームCTと医科用CTとの違い
-その2-Author(s)
佐野, 司; 西川, 慶一
Journal
歯科学報, 109(1): 73-75
URL
http://hdl.handle.net/10130/1920
Right
―――― カラーアトラス ――――
歯科用コーンビーム CT と
医科用 CT との違い −その2−
さ の つかさ にし かわ けい いち佐 野
司,西 川 慶 一
東京歯科大学歯科放射線学講座カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説
その1では歯科用コーンビーム CT と医科用 CT との概要について述べた。ここでは歯科用コーン ビーム CT の一般的な特徴と注意事項について述べ たい。 医科用 CT と比較した際の歯科用コーンビーム CT の一般的な特徴を述べると以下のようになる。 利点:①解像度(空間分解能)が高い。 ②被曝線量が少ない。 ③撮影時間が短い。 ④金属によるアーチファクトが少ない。 ⑤軽量で設置面積が小さい。 ⑥導入費用や維持費が比較的安い。 欠点:①撮影範囲が狭い。 ②軟組織の描出能が低い。 ③ CT 値に医科用 CT のような(準)定量性 がない。 しかし,実際には,利点の①−④に関しても以下 に示す注意が必要となる。 1)歯科用コーンビーム CT は解像度(空間分解能) が高いか? CT の解像度は,一般的に体積素(ボクセル)の大 きさが小さいほど高いとされる(図1)。歯科用コー ンビーム CT の体積素(ボクセル)は,撮影領域が小 さい場合には一辺0.1mm程度の立方体(等方向ボク セル)であり,旧来の一般的な医科用 CT の体積素 (ボクセル)は0.4mm×0.4mm×1.0mm程度の大き さであり,歯科用コーンビーム CT の解像度は高い と見積もられる。しかし,歯科用コーンビーム CT では撮影領域が大きいと体積素(ボクセル)は大きく なることや散乱線の影響(図2)を考慮すると“撮影 領域の小さい歯科用コーンビーム CT は医科用 CT に比べて解像度が高い”が正確な表現となる。 2)歯科用コーンビームCTは被曝線量が少ないか? 歯科用コーンビーム CT の被曝線量は医科用 CT より少ないのは,図3に示すように,撮影領域が小 さいためである。 撮影領域が大きな機種では医科 用 CT とほとんど変わらないという報告もある1) 。 従って,“撮影領域の小さい歯科用コーンビーム CT は医科用 CT に比べて被曝線量が少ない”となる。 3)歯科用コーンビーム CT は撮影時間が短いか? 現在の最高性能の医科用 CT(MDCT)での撮影時 間は歯科用コーンビーム CT 装置の半分以下であ る。したがって,“歯科用コーンビーム CT は旧来の 一般な医科用 CT に比べて撮影時間が短い”となる。 4)歯科用コーンビーム CT は金属によるアーチ ファクトが少ないか? 管電圧の低い(60−120kV)歯科用コーンビーム CT では散乱線の影響で金属アーチファクトは強く 表れる。歯科用コーンビーム CT は濃度分解能が低 いことから,金属アーチファクトが目立たない。 従って,“歯科用コーンビーム CT は金属によるアー チファクトが目立たない”という表現が適切である。 ま と め 医科用 CT では,広範囲な領域の診断および手術 のプランニング,腫瘍性病変の診断,CT 値による 評価が必要な症例が原則として対象となる。歯科用 コーンビーム CT では,限定した領域の診断および 手術のプランニング,歯に関連した疾患の診断,撮 影領域内で金属アーチファクトの発生が予想される 症例が原則として対象となる。いずれにしても担当 医が医学的背景はもとよりすべての背景を勘案し, 適切な検査を選択することとなる。 文 献1)Okano T, Harata Y, Sugihara Y, Sakaino R, Tsuchida R, Iwai K, Seki K, Araki K : Absorbed and effective doses from cone-beam volumetric imaging for implant planning. Dentomaxillofac Radiol 37,2008(in press)