Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
地域医療を支える急性期総合病院の在り方−市川総合病
院に求められる医療とは−
Author(s)
西田, 次郎
Journal
歯科学報, 115(5): 469-469
URL
http://hdl.handle.net/10130/3858
Right
日本においては世界に類を見ない高齢化が進んでおり,団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年 を目安に時代に即した医療システムの変容が求められている。地域社会においては,多種多様な疾患を抱えた 高齢者の生活の質を確保するために,医療,介護,生活支援を一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構 築を進めなければならない。 このようなシステムの構築には,市民病院としての役割を果たす医療機関が中心となり,医師会,歯科医師 会,行政,地域住民と積極的に意見交換し,地域特性に応じた医療・介護の切れ目ないネットワーク作りを進 めていくことが必要である。 現在の市川市の人口は469,850人であるが,高齢者(65歳以上)は113,113人(24.1%),後期高齢者は48,979 人(10.4%)を占めている。10年後の2025年には人口は450,280人に減少する一方で,高齢者は127,915人 (28.4%),後期高齢者は76,934人(17.1%)となり,他の地域と比較して急速に高齢化が進む。このような変 化の中で,地域社会からは当院が中核病院として行ってきた高度急性期医療の継続的な提供に加えて,高齢者 医療においても中心的役割を果たしていくことが期待されると思われる。 高齢者において罹患率の高い疾患は,急性疾患としては,心筋梗塞,脳卒中,肺炎であり,外傷性のものと して転倒による骨折が加わる。また,高齢社会においては,がん患者が増加することが想定され,全身状態な どにより治癒を目指す治療が困難な症例の割合も増加すると思われる。そこで当院としては,救急医療を中心 とした急性期高齢者医療と緩和ケアも含むがん診療において,専門性の高い医療が提供できる体制を確立して いく必要がある。この際,当院の目指す病院機能に沿った院内の施設・設備を整備するとともに,地域の医療 機関との強固な連携を築かなければならないことは言うまでもない。 更に,高齢社会においては,患者の退院後においても責任の一部を負う必要があり,すなわち,在宅医療あ るいは介護において,医学あるいは看護上の専門的知識,技術が必要とされる場合には,専門性を有するス タッフを地域社会に派遣できるシステムを可能にすること,患者の急変時には再入院を迅速に受け入れられる 院内体制の整備や終末期における看取りの医療も病院全体の問題として取り組む必要があるであろう。 本シンポジウムでは,当院の現状と取り組みを看護部からの医療現場における生の声も交えて紹介し,歯科 大学附属病院という側面も有する市川総合病院に将来求められる医療と当院の進むべき方向性について述べて みたい。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 昭和59年 長崎大学医学部卒業 昭和59年 日本医科大学第3内科研修医 昭和60年 慶應義塾大学医学部内科研修医 昭和62年 東京歯科大学市川総合病院内科助手 平成元年 慶應義塾大学医学部消化器内科助手 平成3年 米国アリゾナ大学医学部(解剖学教室)3年 間留学 平成7年 東京歯科大学市川総合病院内科講師 平成10年 東京歯科大学市川総合病院内科助教授 平成13年 東京歯科大学市川総合病院消化器内科教授 平成22年 東京歯科大学市川総合病院副病院長 平成24年 東京歯科大学内科学講座主任教授 慶應義塾大学医学部客員教授 平成25年 東京歯科大学市川総合病院病院長