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心身障害と高齢化社会

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Academic year: 2021

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海 外 研 修 りポ ー ト

心 身障害 と高齢化社 会

A Report

of overseas

study

Mentally

Infirm

and

Aging

Masako

Fujita

The recognition that institutional care alone is inadequate to meet the needs of

older persons with psychiatric problems, as well as the strong desire to avoid the

detrimental consequences of long—term inpatient care have furthered the development

of day programs.

Geriatric day programs generally have multiple objectives, to provide socialization to

physically and emotionally disabled older people, to help maintain them at home or in

community residents, to provide integrated services, to prevent unnecessary hospitalization, and to provide support and relief for family members who care for disabled elders.

This is the report about starting and terminal programs for the elderly dimented.

The typical starting one is day centre or day hospital. The Raglan Day Centre in

London was originally intended to provide relif for families suffering stress and in

need of temporary help in, or a temporary break from, caring for an elderly relative

suffering from confusion, incontinence, personality difficulties, etc. However, demand

has been for regular attendance. Thus, the centre seeks to offer a caring and protective environment in respose to this demand. The users of the service are elderly people who suffer from dementia or mental illness. The centre are facilities for about 30 people and is open from 9 a. m. to 4 p. m. for five days per week.

The typical terminal care is in gerontro — psychiatric hospital. Copenhagen has

5 such hospitals. RINGBO is the first one. There are places for about 280 patients

divided into 12 departments. During 5 years, 370 patients died and 37 were sent

home. This means that the patients stay at the hospital for 3 years in average.

RINGBO for almost all of the patients will have to be the place where they

will spent the rest of their life, RINGBO is trying to make their staying as

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1.高 齢 化 社 会 の 意 義 「58年 人 口動 態 統 計 」(厚 生 省)に よ る と 出 生 数 は151万 人 で 出 生 率 は 過 去 最 低 の12.7人 (人 口 千 人 当 た り)を 記 録 し,乳 児 死 亡 数 は 9,400人 で 乳 児 死 亡 率(出 生 千 人 当 た り)6.2 人 と改 善 され,世 界 最 低 とな っ て い る.一 方, 死 亡 数 は73万4千 人 で 死 亡 率(人 口 千 人 当 た り)6。2人 で,死 因 は1位 が ん,2位 脳 卒 中, 3位 心 臓 病 の 順 に な っ て い る.こ れ ら,い わ ゆ る 成 人 病 の 予 防 と治 療 に か か わ る 医 学 の 進 歩 は め ざ ま し く,寿 命 の 延 び も 著 し く,世 界 に 誇 る 長 寿 国,日 本 に な っ た.こ こ に 来 て 考 え な け れ ぽ な らな い の は,寿 命 を 延 ぽ し,生 か す こ とへ の 努 力 と 同 時 に,い か に 幸 福 に 人 生 を 送 れ るか とい う こ とへ の 探 究 と,そ の 努 力 の 方 向 で あ る. 高 齢 化 社 会 とは,単 に 長 生 き す る 人 が 増 加 す る とい う こ とで は な く,老 人 が 全 人 口 に 占 め る 割 合 が 増 加 し,し か も,老 人 の 中 で も 高 齢 老 人 の 占 め る 割 合 が 増 加 す る と い う こ と で あ る. 我 国 の65歳 以 上 の 老 人 の 全 人 口 に 占 め る 割 合 は,1983年 に9.8%で あ る が,21世 紀 に 入 る2000年 に は15.6%に 増 加 す る と 予 想 さ れ る. これ を 人 数 で 見 る と,1980年 に は65歳 以 上 の 老 人 が 約1千 万 人 で あ っ た の が,2000年 に は そ の 倍 の2千 万 人 に 増 加 す る.こ の な か で 高 齢 の75歳 以 上 の 老 人 は,1980年 に360万 人 で あ っ た の が2000年 に は750万 人 に な り,さ ら に85歳 以 上 の 老 人 は1980年 に50万 人 で あ っ た の が,2000年 に は そ の3倍 以 上 の170万 人 に 達 す る. こ の よ うに 猛 烈 な ス ピ ー ドで す す む 高 齢 化 社 会 に お い て,い っ た い 何 が 生 ず る と 考 え ら れ る で あ ろ うか. 高 齢 化 社 会 の 先 輩 と も い え る 国 々 の 現 状 を 知 る の は 意 義 深 い.我 国 は2000年 に 老 人 が 全 人 口に 占 め る 割 合 が15.6%に な る と書 い た が, イ ソ グ ラ ン ドで は1980年 に す で に15.1%に 達 し,ス ウ ェ ー デ ソ で は1977年 に15.7%に な っ て い て1983年 に は16.9%と い う数 字 が 示 され て い る.し た が っ て,現 在 の イ ソ グ ラ ソ ドや お ず か に 過 去 の ス ウ ェ ー デ ソ は こ れ か ら の 日 本 の 老 人 の 姿 の 何 か を 語 っ て くれ る は ず で あ る. 昨 年9月 か ら 今 年1984年3月 ま で の 半 年 の 海 外 研 修 の 報 告 と し て,イ ギ リ ス,デ ン マ ー ク,ス ウ ェ ー デ ソ に つ い て の 調 査 資 料 と 我 国 の 現 状 と を 照 ら し 合 わ せ て 「心 身 障 害 と 高 齢 化 社 会 」 を ま と め て み た. 2.高 齢 化 社 会 と身 体 障 害 老 人 の 増 加 厚 生 省 社 会 局 厚 生 課 の 第6回 身 体 障 害 者 実 態 調 査(昭 和55年7月)に よ る と,全 国 の18 歳 以 上 の 身 体 障 害 者 数 は1,977,000人 で 人 口 比 2.4%と 推 計 し て い る.前 回(昭 和45年10月) の 調 査 時 の1,314,000人(人 口 比1.8%)に 比 し,50.5%の 増 加 を み て い る. 18歳 か ら64歳 ま で の 稼 働 年 齢 層 の 者 は1,150 千 人 で 全 体 の58.1%を 占 め て い る が,65歳 以 上 の 老 人 が そ の の こ りの827千 人41.9%と な っ て い る.前 回 は 老 人 の 占 め る 率 は33.7%で あ っ た か ら 相 当 増 加 し て い る こ と が わ か る. 年 齢 別 の 増 加 を 見 る と,前 回 に 比 較 し て, 70歳 以 上 で,2.03倍,65歳 か ら69歳 で1.59倍 表7登 録 さ れ て い る 身 体 障 害 者 数 (イ ン グ ラ ン ドと ウ ェー ル ズ,1980年) 盲 全 年 齢 16歳 未 満 16-64歳 65歳+ 弱 視 全 年 齢 65歳+ 聾 お よび 難聴 全 年 齢 65歳+ 他の全身体障害 全 年 齢 65歳+ 115,100 2,100 26,300 :・!1 55,100 38,600 67,700 35,700 ':1111 614,500 資 料SocialTrends,1982

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と年 齢 が 高 くな るほ ど増 加 が は げ し くな って い る.ち な み に20∼29歳 は0.88倍,30∼39歳 は1.06倍 で あ る.今 後 は ます ます 老 人 の身 体 障 害 者 が増 加す る と予 測 され る. 英 国 の1980年 の状 況 を み る と これ が まち が い で な い こ とが 裏 付 け られ る.表1は 英 国 の (1) イ ソ グ ラ ソ ドと ウエ ル ズを合 わ せ て(北 アイ ル ラ ソ ドと ス コ ッ トラ ソ ドを 除 い て),身 体 障 害 者 と して 登 録 され て い る人数 を障 害 別 に み て い る.我 国 の 実 態 調査 と統 計 の と り方 が 異 な る し,16歳 以 下 の児 童(英 国 で は16歳 以 下 を 児 童 とみ な す)も 含 まれ て い るの で,直 接 の 比 較 は も ち ろ ん不 可 能 で あ るが,参 考 に は で き る. 視 覚 障 害170千 人,聴 覚 障 害68千 人,そ の 他 の 身 体 障 害980千 人 で,合 計1,218千 人 の 身 体障 害者 が い る.児 童 まで含 めて い るにか か わ らず,こ の うちで65歳 以 上 の老 人 が 占め る割 合 が,全 体 の63.7%に な ってい る.英 国 の1980 年 の 状 況 が 我 国 の2000年 の姿 で あ る と は い い きれ な い が,し か し21世 紀 を 迎 え る頃,我 国 の老人 の身 体障 害者 の大 巾な増 加 に よ り,全 体 と して の 身 体 障 害者 数 が増 加 し,年 齢 別構 成 比 は,老 人 の 身体 障 害者6∼7人 に 対 して 18∼64歳 の 身 体 障 害者 は4∼3人 に な るか も しれ な い.老 人 の身体障 害 者数 は必 ず増 加す る. 図1イ ンゲ ラ ン ドの 精 神 病 院 に お け る精 神 障 害 と 年 齢(1981年) 3.高 齢 化 社 会 と精 神 障 害 老 人 の 増 加 一・方,精 神 障 害 に 関 して は い か な る こ とが 予 想 され るか.我 国 で は精 神障 害 者 に 関 して 参 考 に な る よ うな 全 国 的規 模 の実 態 調 査 は, 最近 で は 全 く実 施 され て い な い.し た が って 時 代 の変 化 に つ い て も外 国 との比 較 に お い て 数 字 的 に 示す こ とは で きな い.今 後 の予 想 も む つ か しい が,広 い 意味 で の精 神 障 害,特 に 痴呆 性 老 人 の 人 数 は増 加す る と考 え られ る. 図1は,イ ン グ ラ ソ ドの精 神 病 院 に 入 院 し て い る患 者 の精 神 障 害 の種 類 と年 齢 を表 わ し て い る(保 健 ・社 会 保 障 省 の統 計 局 で 入 手 した 資 料 に 基 づ い て図 式 化 した も ので あ る). 老 人 性 痴 呆 の患 者 が65歳 か ら増 加 しは じめ て, 75歳 以 上 の年 齢 に な る と,圧 倒 的 に 老 人 性 痴 呆 が 多 く,そ のな か に わ ず か つ つ 他 の 精 神 障 害 が 含 まれ て い る.何 故 これ ほ ど まで に 高 齢 老 人 に 老 人 性 痴 呆 が 多 いの で あ ろ うか. 表2は 痴 呆 性 老 人 の年 齢 別 出現 率 を 表 わ し

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て い る.上 段 は 東 京 都 の 調 査(1980年)で 在 宅 老 人 を 対 象 に し,下 段 はKay,D.W.底.ら に よ る イ ソ グ ラ ソ ドの 調 査 で あ 器2) 表2痴 呆性老 人の年齢別 出現率 国 性別 65-69歳 70-74歳 75-79歳 80-'84歳 85歳+ 全体 日 男 性 . 1.6 3.6 3.7 8.5 18.9 3.9 女性 1.0 2.6 5.6 16.1 26.9 5.1 本 全体 1.2 3.1 4.7 13.1 23.4 4.6 イ 男性 3.6 3.3 5.9 20.5 6.2 ン 多 女性 1.4 2.6 5.4 22.8 6.2 ン ド 全体 2.3 2.8 5.5 22.0 6.2 (数 字 は%) 資 料 日本:東 京 都 調 査(1980年) イ ング ラ ン ド:KayD.W.K.他(1970年) 出現 率 に 関 して は 他 に も多数 の調査 が あ り, 必 ず し も一 致 しな いが,65歳 以 上 の全 老 人 の 5%前 後 とい うの が一 般 的 で あ る.痴 呆 の 原 因 が脳 血 管 性 か 老 年 性 痴 呆 か に よっ て も ちが い が あ る の で単 純 な比 較 は避 け なけ れ ば な ら な い.し か も,痴 呆 に よる障 害 の程 度 も,症 状 の軽 い もの か ら重 い もの ま で,相 当に 違 い が あ り.:nに 論 ず るわ け に は いか な い. しか し どの調 査 研 究 に も共 通 な のは,年 齢 が 高 くなれ ぽ な るほ ど 出現 率 は 高 くな る とい うこ とで あ る.60歳 代 で1∼2%な のが,80 歳 に な る と10%を 超 え,85歳 をす ぎ る と20% 以上 に達 す る.そ こで 高齢 化社 会 の定 義 に も ど るが,老 人 人 口が全 人 口に 占 め る割 合 が 増 加 す るだ け で な く,老 人 の 中 で も高齢 老 人 の 占 め る割 合 も増 加す る の で,当 然 の結 果 と し て,痴 呆 性 老 人 の 人数 は加 速 度 的 に増 加 す る こ とが予 想 され るの で あ る. 1980年 の痴 呆 性 老 人 の人 数 は全 国 で50万 人 とい われ た.重 い症 状 の人 は この うち の3分 の1以 下 で あ るの で,す べ て の人 が全 面 的 に 介 護 を要 す るわ け で は な い.将 来 の人 口予 測 と各 年 齢 別 の 出現 率(1980年 の東 京 都 調 査) の 関 係 で,今 後 の数 字 を算 出す る と,1990年 78万 人,2000年 に110万 人 に 達 す る と考 え ら れ る.そ の後 も超 高齢 老 人 の増 加 に 伴 い,着 実 に痴 呆 性 老 人 は増 加 して い くはず で あ る. 4.障 害 老 人 の 家 庭 介 護 と老 人 の ニ ー ド 身 体 障 害 あ る い は(そ し て)精 神 障 害 の 老 人 の 介 護 は 誰 が す る の か と い う問 題 が 当 然 で て く る.日 本 の 福 祉 は,日 本 独 特 の 家 族 制 度 に 支 え られ て,家 族 の 中 で 処 理 す る の が 当 然 で あ る か の よ うな 暗 黙 の 了 解 が あ っ た. ス ト ッ ク ホ ル ム大 学 で,ス ウ ェ ー デ ン,イ ギ リス,デ ソ マ ー ク,フ ィ ソ ラ ソ ド,ノ ル ウ ェ イ,ポ ー ラ ソ ド,ア メ リ カ そ し て 日 本 の8 ケ国 を 比 較 して,次 の よ うな 当 然 す ぎ る 結 果 を 出 して い る.老 人 と子 ど もの 同居 率 が 低 い ほ ど 社会保 障 都 ま高 くな るとい うこ と,そ して 日本 や ポ ー ラソ ドの よ うに多 くの老 人が 非公 式 的 ケ ア(公 費 に よらない ケアで,そ の主 た る も のは 家 族 に よる老 人 の世 話 を い う)に 依 存 してい る国 々 では 施 設 へ の老 人 の入 所 率 が 低 い とい うこ とで あ る. これ を逆 の読 み 方 をす るな ら,我 国 は 核 家 族 化に よっ て老 人 が 若 い世 代 と共 に 住 む こ と が 少 な くなれ ば,社 会 保 障 費 は増 大 し,老 人 ホ ー ム な どの施 設 も一 定 数 を確 保 しな け れ ば な らな い. 日本 で,65歳 以上 の老 人 の い る世 帯 は1982 年 の場 合,い わ ゆ る三 世 代 世 帯 は,・ ・%,夫 婦 のみ の世 帯17.1%,単 独 世 帯10.8%で あ る が,10年 前 の1972年 に は三 世 代 世 帯55.8%, 夫 婦 世 帯11.3%,単 独 世 帯8.1%で あ った(厚 生 行 政 基 礎 調 査 報 告,昭 和57年).夫 婦 のみ の世 帯 と単 独 世 帯 の増 加 と三 世 代 同居 の減 少 の傾 向 は今 後 も徐 々 に進 行 す るで あ ろ う. 急 速 な 高齢 化 とそれ に伴 う障 害老 人 の増 加, そ して従 来 の家 族 制度 の変 化 は,相 当 の社 会 的 負 担 を覚 悟 しなけ れ ぽ な らな い とい う重 大 な意 味 が含 まれ て い る.仮 に三 世 代世 帯 が あ る程 度 維 持 で き た と して も,重 い身 体 障 害 や 精 神 障 害 の老 人 に対 す る介 護 を 家庭 の機 能 の ひ とつ と考 え る な ら,家 族,特 に女 性 の役 割 の 限 界 を は るか に 越xた 重 荷 を家 庭 に背 負 わ す こ とに な る. 痴 呆 性 老 人 の場 合 に 関 して,バ ー グ マ ソK. とジ ャ コ ビ ィB.(Bergmann,K&Jacoby,R)

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は,厂 痴呆 性 老 人 の 地 域 ケア の 限 界 と可 能 性 」 とい う文 章 の なか で,痴 呆 性 老 人 の 介護 が 家 族 に 背 負 わ す 重 荷 を次 の よっ つ に分 類 して い(4) る. 1.実 際 的 か つ個 人 的 な ケ ア(例,清 潔 の 介 助) 2.行 動(例,攻 撃,睡 眠 を妨 げ るな ど夜 の 問 題 行 動) 3.痴 呆 が,老 人 との人 間 関 係 を変 え て し ま った こ とを悲 しむ 4.介 護 者 の家 族 関 係,仕 事,社 会 生 活 へ の 影 響 老 人 の側 か らす れ ぽ,い か な る障 害 が あ ろ う と も,自 分 の生 活 を 自分 で 決 定 す る 「主 体 性 」 と,で き るだ け 長 く最 大 限,あ た りま え の環 境 で 生 活 す る機 会 を もつ べ き だ とい う 「ノ ー マ ライ ゼ ー シ ョ ンの原 理 」 を尊 重 し, そ して,老 人 を ひ と りの 人 間 と して全 体 的 に み る と い う意 識 を定 着 させ て ほ しい とい う要 求 が あ る. 高 齢 化社 会 が 進 行 し,高 齢 老 人 の増 加 に 伴 い障害 を もつ老 人 の率が 上昇 し,他 方 で は核 家 族 化 あ るいは家 族 の役割 の 限界 を こえ る介 護 に よ り,上 述 の 老 人 の ニ ー ドと衝 突 を お こす こ とが 予 想 され る.そ れ を 解 決 す るの は社 会 的 サ ー ヴ ィス以 外 に は な い.社 会 の 連 帯 に よ り, 互 の ニ ー ドを 充 足 させ る こ とに な る. 我 国 は地 域 や 家 庭 へ の サ ー ヴ ィスが 乏 しか った り,無 か った りとい う現状 に加 え,中 間 施 設 の設 置 が捗 捗 し くない.し た が って,我 国 の 社 会資 源 の 活 用 の 仕 方 は,老 人 に 重 い 障 害 が 生 じて 家 庭 介 護 が 難 しい とな る と,特 別 養 護 老 人 ホ ー ムの 入 所,あ る い は 総 合 病 院, 老 人 病 院,精 神 病 院 へ の 入 院 と い う こ とに な る.中 間 を とば した 二 者 択 一 と い う融 通 性 の な い 選 択 を 迫 られ る.家 族 の ニ ー ド は 充 分 とは い え な い ま で も あ る程 度 は 満 た され る が,老 人 の ニー ドは ど うな るの だ ろ う か. 老 人,家 族,社 会 の ニ ー ドが矛 盾 しな い形 で の社 会 的 サ ー ヴ ィス に つ い て,特 に痴 呆 性 老 人 に 焦 点 を 合 わ せ て報 告 してみ た い. 5.中 間 施 設 と し て の 痴 呆 性 老 人 デ ィ ・ セ ン タ ー ロ ン ドソの カ ムデ ソ区 に あ る ラ グ ラ ン ・セ ソ ター に そ の例 を見 てみ よ う. (1)利 用 者 の 特 徴 老 人 性 痴 呆 や 精 神 障 害 に よ り失 禁 や 人 格障 害 な どの あ る老 人 を世 話 して い る家族 で,ス トレス が た ま っ て一 時 的 な援 助 を 必 要 と した り,あ る い は一 時 的 に 休 養 を要 す る人達 を助 け よ う とい うのが 本 来 の意 図 で あ った.し か しなが ら定 期 的 通 所 を 求 め る要 求 が大 き くな っ て き て,現 在 では そ の要 求 に こた え て,保 護 的 な 環 境 で世 話 を して い る.利 用 者 は25名 定 員 の とこ ろを,毎 日30名 が 通 所 して く る. 利 用 者 は 顔 ぶ れ も,通 所 理 由 も非 常 に流 動 的 で 変 化 しや す い. 私 が 訪 問 した1984年1月 現 在,利 用 者 は44 名 で あ った.通 所 回 数 に 関 して は,20名 が 月 、 曜 日か ら金 曜 日まで 毎 日週5日 通 所 して お り, 6名 が4日 通 所,そ の 他18名 が 週1日 か ら3 日通 所 して い る.通 所 理 由 と して 多 い の は, ひ と り暮 し12名 と家 族 の 勤 務10名 で,そ の 他,家 族 に 問 題 が あ る6名,家 族 を 介 護 か ら解 放6名 な ど が あ る.な か に は,妻 が 痴 呆 で91歳 の 夫 を 介 護 か ら 解 放 さ せ る の に 妻 が2日 だ け通 所 して い る とい う例 もあ る. 利 用 者 の年 齢 は,利 用 者 そ の もの が 流 動 的 で あ るの で は っ き りしな い が,平 均 年 齢 は75 歳 ぐ らい で,年 齢 の範 囲 は ご くま れ に50歳 ぐ らい の若 い利 用 者(初 老 期 痴 呆 で あ ろ う)が あ るが,95歳 ぐ ら い ま で 相 当 の 巾 が あ る. 男女 比 は圧 倒 的 に女 性 が多 く,女 性5に 対 し て 男性1ぐ らい の割 合 で あ る. 年 間 を通 してみ る と,約 半 数 の利 用 者 が ひ と り暮 しで,週 末 や 夕 方 な どは 他 の援 助 サ ー ヴ ィス を利 用 し,地 域 の 自分 の 家 で生 活 し て い る.こ の セ ンタ ー の利 用 者 は そ の ほ とん どが,プ ライ マ リー ・ケ ア ・サ ー ヴ ィス の担 当者 に よっ て セ ソ タ ーに 照 会 され て入 所 して き てい る.暴 力 歴 の あ る人 は 通 常 は対 象 か ら はず され て い る.

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(2)利 用 者 へ の サ ー ヴ ィ ス 内 容 セ ンFター は 週5日 間,開 い て い る.ほ と ん ど の イ ギ リ ス 人 が 休 暇 を と る バ ソ ク ・ホ リデ イ も ク リ ス マ ス に も 開 け る. サ ー ヴ ィ ス は 風 呂(申 し 出 に よ る)や トイ レ な ど 身 体 的 ケ ア を 強 化 し,昼 食 を 提 供 し (本 人 負 担 は30ペ ン ス),さ らに 個 々 の 利 用 者 の ニ ー ドに 応 じて"楽 し み"を 提 供 し て い る. 地 区 の サ イ キ ア ト リ ッ ク ・ナ ー ス(精 神 医 学 担 当 看 護 婦)が 毎 週 セ ソ タ ー を 訪 問 す る し, 足 を 治 療 し た り爪 を 切 る 専 門 職,カ イ ロ ボ デ ィ ス ト(chiropodist)の サ ー ヴ ィス も あ る. 美 容 師 が 来 て,利 用 者 の 髪 の 手 入 れ に あ た っ て い る. 創 立 以 来9年 間,定 員 を 割 る こ と な くセ ン タ ー の 利 用 が 続 い て い る の は,こ の セ ン タ ー が 高 い 価 値 の あ る サ ー ヴ ィ ス を して い る こ と を 明 確 に 証 拠 づ け て い る か ら だ と 自 負 し て い る.老 人 性 痴 呆 や 精 神 障 害 の あ る 老 人 が 清 潔 に た もた れ,心 地 よ く生 活 し,何 か に 専 念 す る こ と が で き る た め に,職 員 が 利 用 者 に 対 して 陽 気 に そ して 注 意 深 く接 す る こ と を 第 一 に し て い る とい う. 職 員 は,所 長1名,指 導 員2名,補 助 職 員 3名,用 務 員2名,調 理 係1名 が 専 任 で,そ の 他 外 部 の 専 門 職 員 が 必 要 に 応 じて 来 る. セ ソ タ ー で は 身 体 的 ケ ア に 限 る こ と な く, 集 団 活 動 を 奨 励 し,余 暇 活 動 を 提 供 し た り し て,社 会 的 機 能 の 衰 え を 防 ぐ よ うに し て い る. 約30名 の 利 用 者 は 大 部 屋 に い る こ と が 多 い. 主 に2グ ル ー プ に 分 か れ て い て,中 心 に お か れ た テ ー ブ ル を か こ み,ゲ ー ム を し た り,作 業 を した り,雑 談 を し た りす る グ ル ー プ と, そ の デ ィ ・ル ー ム と よ ば れ る 大 部 屋 の 脇 に ま る く置 か れ た 肘 掛 椅 子 に 座 っ た り,編 物 を し た り,本 を 読 ん だ り し て 集 団 の 中 に は 入 ら な い で 個 別 に 自 分 の 活 動 を す る 人 達 の グ ル ー プ が あ る.利 用 者 が い っ し ょに 歌 を うた っ た り, 音 楽 的 活 動 を した り,運 動 を し た り と い う共 同 活 動 も 取 り入 れ て い る. し か し,利 用 者 は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 障 害 が あ る し,ど ん な 活 動 で あ っ て も 長 時 間 に わ た っ て 興 味 を 持 続 す る の が 難 し い の で,職 員 は 根 気 を 要 す る. 少 人 数 ま た は 個 別 に い わ ゆ る リ ア リ テ ィ ・ オ リエ ソ テ ー シ ョ ソ に よ り,現 実 へ の 方 向 づ け の た め の 訓 練 も実 施 し て い る(「 呆 け 」へ の 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ で あ るRealityorientation は 低 下 す る 知 的 機 能 を くい と め,呆 け の 進 行 を お く ら せ,現 在 の レベ ル を 維 持 し よ う とす る訓 練 で,欧 米 で 広 く取 り入 れ て い る). 利 用 者 は,デ ィ ・セ ソ タ ー の あ る 区 に 住 ん で い る の で 距 離 的 に は そ ん な に 遠 い と は い え な い が,障 害 の た め に90%以 上 が 自 宅 か らの 通 所 が 難 し く,自 宅 と セ ン タ ー の 間 の 送 迎 は 2回 に 分 け て バ ス で お こ な っ て い る. カ ム デ ソ区 は こ の セ ソ タ ー と同 様 の 機 能 を もつ セ ン タ ー を 他 に 設 立 す る 計 画 が あ る が, 近 い 将 来,実 現 す る の は 難 しそ う で あ る.問 題 は 適 切 な 用 地 の 確 保 と費 用 だ と い う. (1984年1月8日 訪 問) 住 所RAGLANDAYCENTRE RAGLAN°STREET LONDONN.W.5 ENGLAND 以 上,痴 呆 性 老 人 を 主 と して 対 象 に して い る デ ィ ・セ ン タ ー の 例 を 報 告 した が,早 期 に 発 見 し,で き る 限 り痴 呆 が 重 くな らな い よ う に す る た め の 課 題 が 出 て く る.地 域 の 保 健 活 動 の ネ ッ ト ・ ワ ー クの 充 実 に よ り,ケ ア の 必 要 な 老 人 を チ ェ ッ ク で き る 体 制 を 充 実 さ せ な くて は な らな い. 初 期 の あ る い は あ ま り重 くな い 精 神 医 学 的 障 害 を もつ 老 人 は 一 般 の 開 業 医(家 庭 医)で も わ か りに く い こ とを バ ー グ マ ソ,Kと ジ ャ (4) コ ビ ィ,Rは 発 見 し,老 人 の 精 神 医 学 的 問 題 へ の 公 衆 衛 生 か ら の ア プ ロ ー チ は,そ の 可 能 性 の あ る 老 人 達 の ス ク リ ー ニ ン グ と評 価 で あ る こ と を 示 した.そ れ ま で の 疫 学 的 お よび そ の 他 の 研 究 か ら,精 神 医 学 的 に 傷 つ きや す い 老 人 と は 次 の6項 目で あ る と した. 1.75歳 以 上 の 独 り ぐ ら し の 人 2.最 近,肉 親 と死 別 した 人 3.最 近,病 院 か ら 退 院 した 人

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4.ホ ー ム ・ヘ ル プや 地 域 サ ー ヴ ィス を 求 め て い る人 5,施 設 ケ ア を望 ん でい る人 6.そ の他 の理 由 で 自分 の家 に 住 む こ とを 断 念 して い る人 彼 らの研 究 に よ る と,地 域 で生 活 して い る 老 人 の80%は 精 神 医 学 的 障 害 は な い が,10% の 老 人 が潜 在 的 に治 療 を必 要 と して い る とい う高 い数 字 を示 して い る. 日本 の状 況 を顧 み るな ら,ラ グ ラ ソ ・セ ソ タ ー の よ うな痴 呆 性 老 人 の デ ィ ・セ ン ターや 次 に 述 べ るデ ィ ・ホ ス ピタ ル な ど中間 施 設 が 無 い に 等 しい し,ホ ー ム ・ヘ ル プ ・サ ー ヴ ィ ス も焼 け 石 に水,し か も地 域 保 健 活 動 の貧 弱 な こ と,頼 りに な るの は家 族 制 度 に 支xら れ た 家 族 に よ る介 護 とい う四 面 楚 歌 の状 態 で あ って,バ ー グマ ソらが 提 唱す る ような援 助 を必要 としてい る老 人を発 見す るため の規準 な どが 地 域 で用 い られ る段階 で はな い といえ る 。 しか し, これ らの項 目は,本 人 あ るいは 家族 が社会 に対 して出 してい るSOS信 号 で あ る点 は か わ りない. 6.中 間 施 設 と し て の 痴 呆 性 老 人 デ ィ ・ ホ ス ピ タ ル 痴 呆 性 老 人 の デ ィ ・ホ ス ピタル に つ い て は 見 学 の 機 会 が なか った の で,文 献 の 紹 介 に よ り概 要 を 紹 介 す る. 15) ロ ッジ,B.(BrianLodge,1980)は 痴 呆 性 老 人 の デ ィ ・ホ ス ピタル に つ い て,身 体 的 障 害 の 老 人 のそ れ と比 較 して 次 の よ うに 述 べ て い る.身 体 的 な 老 人 病 の デ ィ ・ホス ピタル で は,患 者 が 自立 した 生 活 が で き る よ うに 一 定 期 間 治 療 して,援 助 サ ー ヴ ィス の 有 無 に か か わ らず 退 院 は,地 域 へ の復 帰 とい うこ とに な る.そ れ に 対 して,器 質 的 精 神 障 害 の 老 人 の た め のデ ィ ・ホ ス ピタル は 痴呆 者 を 扱 うの で,患 者 は 行 動 障 害 の た め に 動 き まわ り,送 迎 中 も病 院 のな か で も監督 を 必 要 とす る.セ ラ ピ ィは 低 下 した 知 能 の 限 界 内 で 可 能 な 限 り 自立 した 水 準 を 維 持 す る こ とに 向 け られ る. 退 院 とは 通 常,老 人 ホ ー ムへ の 入 所 か 病 棟 へ の 入 院 とい う こ とに な るが,死 亡 した りデ ィ ・セ ン タ ー へ 移 る 場 合 も あ る .通 院 は 長 期 に 渡 る 傾 向 が あ る が,入 院 ま で の 措 置 と し て 短 期 間 使 わ れ る こ と も あ る. デ ィ ・セ ソ タ ー と の 関 係 は,デ ィ ・セ ン タ ー の 方 で 世 話 が で き て,本 人 も セ ソ タ ー の 介 護 プ ロ グ ラ ム を 受 け 入 れ て い る う ち は デ ィ ・ セ ソ タ ー に 通 所 して い て,行 動 問 題 に 対 処 し き れ き れ な くな っ た 時,医 療 お よび 看 護 職 員 の い る デ ィ ・ホ ス ピ タ ル に 通 院 す る 必 要 性 が 出 て く る と い う. (6) ウ ィル コ ッ ク ス(Wilcox,F.M.1983)ら は 老 人 の デ ィ ・プ ロ グ ラ ム に は 次 の よ うな 複 合 的 な 目的 が あ る と して い る. 1.身 体 的,情 緒 的 に 障 害 の あ る 老 人 の 社 会 化 を は か る. 2.家 庭 や 地 域 で の 生 活 を 維 持 さ せ る. 3.総 合 的 サ ー ヴ ィス を 提 供 す る. 4.不 必 要 な 入 院 を 避 け る. 5.障 害 の あ る 老 人 を 介 護 し て い る 家 族 を 援 助 した り,骨 や す め を さ せ る. 要 す る に,老 人 に 対 し て は ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ソ の 原 理 を 尊 重 し,そ の た め の 手 伝 い を す る こ と,そ し て 介 護 者 に 対 し て は,負 担 を 軽 減 す る と い う,ふ た つ の ニ ー ドを デ ィ ・ホ ス ピ タ ル の 治 療 プ ロ グ ラ ム は 充 足 さ せ る こ と に な る と い え る だ ろ う. さ て,デ ィ ・ プ ロ グ ラ ム の 効 果 は ど うで あ ろ うか.ニ ュ ー ヨ ー ク州 の よ っ つ の 精 神 医 学 セ ソ タ ー の ひ と つ ハ ッ チ ン グ ス 精 神 医 学 セ ソ タ ー は,1960年 代 に 地 域 に 根 ざ し た 公 衆 精 神 衛 生 治 療 の パ イ オ ニ ア と し て 発 足 し,1967年 に 最 初 の 心 理 的 な 老 人 病 の デ ィ ・ プ ロ グ ラ ム を は じ め,15年 の 歴 史 を も っ て い る(Wilcox, F.M.ら,1983年).そ の 報 告 を 見 て み た い. 1980年 に こ の 部 門 に 参 加 した91名 の 患 者 に つ い て の 報 告 が あ る.地 域 に 住 ん で い る 人 が 61.6%,ケ ア ・ホ ー ムや ナ ー シ ソ グ ・ ホ ー ム な ど に 入 所 中 の 人 が35.2%で あ る.診 断 名 は 器 質 性 脳 障 害(痴 呆)34.1%,感 情 障 害(う つ な ど)31.9%,分 裂 病 と分 裂 性 感 情 障 害26.4 %,そ の 他 の 障 害(ア ル コ ー ル 濫 用,パ ラ ノ イ ア,不 安,適 応 障 害)7%で あ っ た.

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長 期 治 療 プ ロ グ ラム を組 ん で い て,治 療 に 要 した 平 均 月数 は40.1ケ 月 で,感 情障 害33.4 ケ月,器 質 性脳 障 害37ケ 月,分 裂 性 障 害51ケ 月 で あ った.感 情 障 害 の78.6%が 良好 な方 向 に 向 か っ て い るの に 対 して,分 裂 性 障 害 の 58.3%に 変 化 が み られ な か った. 器 質 性 脳 障 害,痴 呆 の患 者 に つ い て は,約 半 数 は そ れ まで に精 神 医 学 的 治療 を受 け た こ とが な か った.こ の患 者 達 に 多 く見 られ た 症 状 は,記 憶 障 害74%,失 見 当識58%,う つ48 %,社 会 的 行動 障 害29%,不 安29%そ して妄 想23%で あ った.痴 呆 性 患 者 は 治 療 し て も よ り悪化 した 者が19.4%含 まれ てい る.特 に全 患者 の うちで 悪化 した 者は91名 中10名 い たが, そ の うち6名 が器 質 性脳 障 害 の 患者 で あ った. しか し,著 者 達 自身 も驚 い て い るが,器 質 性脳 障 害 の 患者 の45.2%に 改 善 が み られ てい る.社 会 的 行動,管 理 上 の 問題 点,不 安,う つ が 良 い 方 向 に 向 って い る.こ れ らの特 殊 な 症 状 が 薬 物 に よっ て軽 減 され た こ と と,デ ィ ・ト リー トメ ソ トとい う治療 環 境 の構 造 と 日 常 性 に 適 応 した こ とに よ る と考 え られ る と, この 改 善 を分 析 して い る. さ らに,痴 呆 老 人 の デ ィ ・プ ログ ラ ムは 世 話 をす る家族 な どの重 荷 を軽 減 す る のに 役 立 つ とい うこ とを指 摘 して い る.こ の よ うな デ ィ ・プ ロ グ ラムが なけ れ ぽ,家 族 は老 人 を 施 設 に 入れ る以外 に 方 法 が な い人 が い る.こ こ へ 痴 呆 性 老 人 を 照 会 した の は,家 族36%と 社 会 的 機 関19%が 多 く,他 の 精 神 医 学 的 サ ー ヴ ィ ス か らの 照 会 者 は ほ とん どい な い と い う特 徴 も,こ の デ ィ ・プ ログ ラムが 家 族 の 重 荷 の軽 減 に役 立 って い る こ とを裏 づ け て い る.痴 呆 性 老 人 の問 題 行 動,不 安,う つ を や わ らげ る効 果 が あ る こ とが 実 証 され た が,し か し,逆 に悪 化す る人 も 多 い の は脳 の器 質 的 病 変 そ の もの を くい とめ る の は難 しい こ とを 物 語 って い る. 7.老 人 ア パ ー トの 痴 呆 性 老 人 へ の サ ー ヴ ィ ス 機 能 ス ウ ェ ー デ ソ で は 老 人 ホ ー ム の 入 所 や 長 期 滞 在 者 病 院 の 入 院 を 極 力 お さxて,老 人 に 地 域 サ ー ヴ ィ ス を 充 実 さ せ る こ と に よ り,な る べ く地 域 で の 生 活 を 維 持 さ せ よ う と し て い る . ぎ り ぎ りま で 自 宅 で 生 活 し た 老 人 は,地 域 の 年 金 生 活 者 ア パ ー トと サ ー ヴ ィ ス ・ハ ウ ス を 直 結 さ せ た 住 居 に 移 り住 む 方 法 が と ら れ て い る.身 体 障 害 や 精 神 障 害 の 老 人 と て 例 外 で は な い.1983年 に 開 所 し た ば か り の 「ト ラ ネ ヴ ェ リ ー年 金 受 給 者 ア パ ー ト ・サ ー ヴ ィ ス ハ ウ ス 」 の 例 を 参 考 に,障 害 あ る 老 人 の 自 立 した 生 活 と は 何 か を 報 告 して み た い. 地 下1階,地 上4階(一 部 は6階)の 近 代 的 な 建 物 で あ る.地 下1階 と地 上1階 に サ ー ヴ ィ ス ・ハ ウ ス の 機 能 が 集 中 し て お り,地 上2 階 か ら 上 が 年 金 生 活 者 の ア パ ー トに な っ て い る. ス ト ッ ク ホ ル ム の 市 の 中 央 か ら電 車 で20∼ 30分 の ア ル ヴ ィ ッ ク駅 の す ぐ近 く に あ る.こ こ に 限 ら ず,こ の 種 の ア パ ∴ トや デ ィ ・セ ン タ ー,病 院 は 駅 の 近 く に つ く ら れ て い る. こ の 地 域 に 住 ん で い た 老 人 達 で あ る の で, 地 域 と の か か わ り も 強 く,老 人 ホ ー ム や 老 人 病 院 に 入 る よ り も 気 持 の 上 で の 抵 抗 も 少 な い. こ の よ うな 年 金 者 用 ア パ ー トの 数 は 充 分 とは い え な い ま で も,特 別 に 入 居 が 難 しい と い う ほ ど で も な く,か な り の 人 が 利 用 で き る 可 能 性 が あ る.し か も,大 都 市 ス ト ッ ク ホ ル ム お よ び 周 辺 だ け で な く,広 く ス ウ ェ ー デ ン 全 体 を お お っ て い る. (1)入 居 者 の 特 徴 トラ ネ ヴ ェ リ ー の 場 合106戸 に126名(う ち 15組 が 夫 婦)が 住 ん で い て,平 均 年 齢 は83歳 で あ る(1984年3月 現 在).入 居 の 条 件 に,こ の 近 辺 に 住 ん で い た こ と,と い う項 目 が あ り, ほ と ん ど の 人 が 近 所 の 一 戸 建 の 住 宅 に 住 ん で い た 老 人 達 で,子 供,孫,知 人 の 訪 問 も 多 い . ス ウ ェ ー デ ン で も 以 前 は,こ の 種 の ア パ ー トに 入 る対 象 者 は 健 康 な 人 と い う の が 条 件 に な っ て い て,例 え ば,自 分 で トイ レ を 使 用 で き な い 人 は 入 居 で き な か っ た.し か し現 在 で は 本 部 に 連 絡 す る 能 力(電 話 を す る,ボ タ ソ を 押 す な ど の 方 法)が あ れ ぽ 入 居 で き る.こ

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の 背 景 に は,高 齢 化が 一 層 進 み,超 高齢 老 人 が 増 加 して い る ス ウ ェーデ ソで,老 人 ホ ー ム の み な らず 長 期 滞 在 者 病 院 に い る老 人 に もで き るだ け 地 域 に も どっ て も ら って,コ ミュ ニ テ ィ ・ケ ア をす す め な が ら 自宅(こ の よ うな 年 金 受 給 者 用 ア パ ー トを含 む)で,そ して住 み な れ た 土 地 で 自立 した 生 活 が 営 め る よ うに して い る こ とが あ る.そ の 証 拠 に,老 人 人 口 が 減 少 して い な い の に,老 人 ホ ー ムは 定 員 も 在 籍 者 も年 々減 少 して い る. 入 居 者126名 中,完 全 に 独 力 で 生 活 で き る 老 人 は20名 のみ で,そ の 他 の 人 は 何 らか の介 助 を 要 す る人 達 で あ る.要 介 助 で 特 に 重 い人 に は 歯 み が き,洗 顔,髪 を とか す こ とか らは じま って,ト イ レの 介 助 や 衣 服 の 着 脱 の手 伝 い,洗 濯 な ど全 面 的 に 介 助 を して い る.こ の な か に は,も ち ろん 痴 呆 性 の 老 人 も含 まれ て い る. 住 居 と同 じ建 物 に あ る1階 の サ ー ヴ ィス ・ ハ ウ スの レス トラ ソまで ,独 りで来 られな く て 介 助 者 が 付 き添 う人 は35名(28%)で,4 人 に1人 の 割 合 に な って い る.こ の 年 金 受 給 者 アパ ー トは 開 所 後 ま もな い の で,今 後,要 介 助 の 人 は もっ と増 加す るで あ ろ う.付 き添 い の 理 由で あ るが,肢 体不 自由 の た め 移 動 が 難 しい とい う場 合 と,痴 呆 性 老 人 で レス トラ ソ まで ど うや って 行 った ら よい か,あ るい は 自室 へ ど うも ど った ら よい か が わ か らな い 場 合 とが あ る.住 人 の うち の7名 は 長 期 滞 在 者 病 院 を 退 院 して,こ の ア パ ー トに 移 って きた 人 達 で あ る. (2)サ ー ヴ ィス ・ハ ウ スの 機 能 地 下 に は 風 呂 の設 備,地 上1階 に は,洗 濯, 理 髪 室,美 容 室,カ イ ロボ デ ィ,KIOSK,食 料 品 の店,図 書 室,学 習室,諸 活 動 の 部屋, レス トラ ソ,診 療 所,そ して全 体 の管 理 部 門 と受 付 が あ る. レス トラ ソは会 社 経 営 に な っ て い て,入 居 者 の他,付 近 の老 人 や 一 般 の人 も利 用 で きる. 4時 半 に 閉 ま るの で夕 食 用 の弁 当 を頼 ん で い る人 もい る.ア パ ー ト外 に 住 ん で い る老 人 や 障 害 者 の 自宅 に市 の車 で,レ ス トラ ソの弁 当 を 届 け る サ ー ヴ ィ ス も して い る. 診 療 所 の 方 も外 部 の 老 人 も利 用 で き る.月 曜 日か ら金 曜 日 ま で 看 護 婦 が い て,き ま っ た 注 射 や 投 薬 を し て い る.医 者 は2週 間 に1度 の 割 合 で 出 張 し て く る. 管 理 部 門 に は24時 間 の 緊 急 連 絡 用 の 機 械 が と りつ け られ て 各 部 屋 とつ な が っ て い る.入 居 者 が24時 間 トイ レ を 使 用 しな い と管 理 部 門 で チ ェ ッ ク で き る と い う方 法 も と り入 れ て い る. 手 芸,編 物,ビ ソ ゴ ー な ど の 趣 味 活 動 と な ら ん で 記 憶 回 復 ト レ ー ニ ソ グ が あ る が,こ ち ら は 痴 呆 性 老 人 を 対 象 と し た 活 動 で あ る. 「呆 け 」 が な る べ く進 行 し な い よ うに 記 憶 回 復 訓 練 を す る わ け だ が,い わ ゆ る リ ア リテ ィ ・オ リエ ソ テ ー シ ョ ソ の こ と で あ る .作 業 療 法 士OTと ア シ ス タ ソ トが 指 導 者 に な っ て6 名 に こ の セ ラ ピ ー を 実 施 し て い る.ア シ ス タ ン トは,「 記 憶 回 復 ト レ ー ニ ソ グ 」 の 講 習 会 に 出 て,そ の 技 術 を 習 得 し て,そ し て ア シ ス タ ン ト と し て 痴 呆 性 老 人 の 訓 練 に あ た っ て い る. (3)職 員 と 住 居 費 民 間 の 会 社 に ま か せ て い る部 門,ト ラ ネ ヴ ェ リ年 金 受 給 者 ア パ ー トお よ び サ ー ヴ ィ ス ・ ハ ウ ス の 専 属 以 外 に 市 や 県 の 職 員 が 多 面 的 に か か わ っ て い る の で,延 べ 入 数 に す る と 相 当 の 人 数 に な る.純 粋 な 職 員 は,看 護 職 員18名 (フ ル ・ タ イ ム6名,パ ー ド タ イ ム12名), 所 長1名,副 所 長2名,洗 濯 係1名,風 呂 係 1名,用 務 員1名,老 人 活 動 の 指 導 者4名 で あ る.ひ と りの 看 護 職 員 が1日 に 世 話 す る 老 人 の 人 数 は10∼12人 で あ る. 家 賃 は1人 部 屋43㎡ で1,531kr,50㎡ で1,623 kr,2人 部 屋 は57㎡ で1,863∼1,881kr,63㎡ で1,993kr(1984年3月 現 在)で5万 円 か ら7 万 円 ぐ ら い で あ る.年 金 受 給 者 に は 全 額 の 住 宅 手 当 が 本 人 に 出 る の で,本 人 が そ の 住 宅 手 当 を 支 払 う と い う形 式 を と る.老 齢 年 金 の 方 は 一 ケ 月2,200kr(約8万 円)で あ る が,住 宅 手 当 が 充 足 さ れ て い る の で,老 齢 年 金 で 充 分 に 生 活 して い け る. 各 部 屋 の 暖 房 は21℃ 前 後 に コ ン トmル し

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て あ り,住 人 は 温 度 を 下 げ る こ と は で き て も あ げ る こ と は で き な い.タ バ コ は 安 全 面 で 監 視 の 必 要 な 人 は チ ェ ッ ク し て あ る し,各 部 屋 に 火 災 報 知 器 が と り つ け られ,仮 に 火 事 を 出 し て も,隣 の 部 屋 に 燃 え 移 ら な い 建 物 の 構 造 に な っ て い る.ガ ス は 一 切 使 用 せ ず,台 所 も す べ て 電 気 で あ るた め ガ ス 爆 発 の 危 険 性 は な い.(1984年3月6日 訪 問) 住 所SERVICEHUSETTRANEBERG TRANEBERGSVAGEN47 SWEDEN 8.痴 呆 性 老 人 の 最 期 を看 取 る精 神 病 院 リソ グ ボは1963年 に コペ ンハ ー ゲ ン市 に よ って 最初 に建 設 され た 老 人 精 神 医 学 看 護 病 院 で あ る.280床,12病 棟 の 規 模 で あ る.同 様 の病 院 が コペ ンハ ー ゲ ン市 に 現 在,全 部 で5 ケ所 あ り,他 の病 院 も同 じ ぐ らい の規 模 で あ る.デ ソマ ー クで も地 域 サ ー ヴ ィスの 充 実 ぶ りは 日本 と格 段 の差 が あ り,中 間 施 設 や シ ェ ル タ ー ド ・フ ラ ッ トが 充 実 して い るの で,こ の よ うな病 院 に 入 院 して くる人 は 重 い 精 神 医 学 的 な障 害 が あ る. (1)患 者 の 特 徴 リ ソグ ボ の1974年 か ら1978年 の5年 間 に つ い てみ る と,死 亡 と退 院 を 合 せ て407名,う ち死 亡370名,退 院37名 で,9割 以 上 の 入 院 患 者 が この病 院 で 一 生 を 閉 じる.1年 間 に75 名 が 死 亡 し,退 院 は7名 の み とい うこ とに な る.患 者 の入 院 期 間 は 平 均す る と3年 で あ る が,こ の病 院 に13年 間 い て90歳 に な る老 人 も い るか ら,入 院 期 間 が3年 よ りもず っ と少 な い 患 者 もい る こ とに な る. これ ら407名 の 患 者 の 主 た る診 断 名 は,老 人 性 痴 呆 と脳 血管 性 痴呆 を 合 せ て321名 が い わ ゆ る呆 け 老 人 で全 体 の8割 を 占 め て い る. 初 老 期 痴 呆 や そ の 他 の器 質 性 痴呆 ま で を含 め る と痴 呆 性 老 人 は9割 に達 す る.そ の他 に, 分 裂 病,う つ病,神 経 症 な どの診 断 名 の精 神 障 害 の 人 が1割 で あ る. 患 者 がす べ て老 人 とい うわ け で は な く,65 歳 以 下 の 患 者 は 男 性20名,女 性7名 い るが (1980年1月 現 在,全 患 者 数267名),こ れ ら の患 者 が 老 人 達 と同様 の ケ ア を必 要 と して い るか ら とい うのが そ の理 由 で あ る.平 均 年 齢 は 男 性74歳,女 性81歳 で,男 女 合 わ せ る と79 歳 に な る.75歳 以 上 の老 人 は 全 体 の7割 以上 に な る.女 性 が 男 性 の2倍 以 上 入 院 して い る. ほ とん どの患 者 に 対 して 最 期 の ケ ア を施 して い る の だ か ら,身 体 的 に も相 当 の 介 助 を 要 す る.ほ と ん ど介 助 を 要 し な い7%,か な り介 助 を要 す る44%,ほ とん どす べ て に 介 助 を 要 す る49%で,9割 以 上 の患 者 が 強 力 な 身 体 的 介 助 を 得 て 生 活 して い る. (2)職 員 患 者 の定 員 が280床 で職 員 が280名 で,両 者 の 比 率 は1:1で あ る.精 神 科 医2名,総 婦 長 1名,副 婦 長2名,看 護 教 員1名,看 護 婦62 名,看 護 助 手128名,PT2名,OT3名 の 合 計201名 が 直 接 患 者 の看 護 に 携 わ る職 員 で, そ の 他 に 非 常 勤 の 内科 医 が2名 い る. リソ グ ボで は 病 気 の種 類 や 程 度 に よ って病 棟 を 分 け て い な い.患 者 の 状 態 が 悪 化 した か ら とい って,他 の病 棟 に 移す こ とは しな い で す む し,こ の こ とは精 神 障 害 の 老 人 の場 合特 に 重要 で あ る.ま た病 棟 ご とを 平 等 にす る こ とに よ って,各 病 棟 の職 員 の 間 の 仕 事 の軽 重 な ど差 が な くな る とい うメ リ ッ トもあ る とい う。 男 女 別 に も分 け て な い. (3)患 者 の 生活 リン グボ が,ほ とん どの患 者 に と って,の こ りの 人生 をす ごす 場 所 に な るに ち が い な い の で,入 院患 者 が で き る か ぎ り魅 力 的 にす ご せ る よ うに試 み て い る とい う.職 員 は,患 者 の た め に 自分 が病 院 に い るの だ と肝 に銘 じ, そ して,で き るだけ 個 別 に治 療 し よ うと試 み て い る. 患 者 に つ い て計 画 を立 てた り,何 らか の決 定 を下 す 場 合,患 者 を抜 き に して話 し合 いが お こ なわ れ る こ とは ない.病 院 側 が親 族 と話 し合 う時 は必 ず 患 者 も 同席 す る よ うに してい る. 病 院 は特 別 に 面 会 時 間 を決 め な い の で,面 会 の 人 は望 んだ 時 に 病 院 に 来 る こ とが で き,

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散 歩 に 患 者 を 連 れ て い っ た り,場 合 に よ っ て は 家 に 連 れ て い く こ と も で き る.身 内 の 人 は 患 者 と で き る だ け 接 触 す る よ う に 病 院 で は 勧 め て い る.リ ソ グ ボ に 限 らず,こ の 種 の 病 院 の 入 院 条 件 と し て,身 内 の 人 が 週 に2,3回 は 患 者 に 会 い に 来 る こ と と い う の が あ る.守 ら な か っ た か ら と い っ て 退 院 さ せ る こ と は な い ら し い が,患 者 を 入 院 さ せ っ ぱ な し に し な い た め の 歯 止 と な っ て い る.こ れ は,裏 を 返 せ ば,身 内 の 者 が 面 会 に 頻 繁 に 行 け る距 離 に こ の 種 の 病 院 が 建 設 され て い る と い う こ と で も あ る. 病 院 は 患 者 の 習 慣 や ニ ー ドに つ い て で き る だ け 知 る よ うに し て い る.例 え ば,何 時 頃 起 床 し,就 寝 す る か.何 が 好 物 で あ る か を 知 っ て,可 能 で あ れ ぽ,個 人 の 要 求 に か な っ た 生 き 方 を 患 者 が で き る よ う に し て い る. 患 者 が 老 齢 年 金 以 外 に 収 入 が な い 場 合 は 入 院 費(1日 の 入 院 費 は600kr,約15,000円)は 無 料 に な る.た だ し精 神 医 学 病 棟 に 入 院 し て ' 6ケ 月 経 過 す る と 年 金 は 停 止 され,小 遣 い と し て1ケ 月500kr(12,500円,1983年)が 支 払 わ れ る.患 者 の ほ と ん ど が 小 遣 い を 管 理 で き な い の で,病 棟 看 護 婦 が 手 助 け を し て い る. 60%を 共 通 費 用 と し て プ ー ル し,こ こ へ 出 資 し て い る 患 者 の た め に ど の よ う に 使 用 し た ら よ い か を 話 し 合 い で 決 め て い る.病 院 の 予 算 に は な くて,日 常 を わ ず か に 明 る くす る よ う な も の,た と え ぽ,ケ ー キ,タ バ コ,ワ イ ソ, パ ー テ ィ な ど 共 通 の 費 用 に あ て て い る.残 り の40%は 患 者 が 好 き な よ うに 使 う が,お 金 を 取 り扱 え な い 人 も 多 い の で,個 別 に 看 護 婦 が 手 伝 っ て い る.タ バ コ,ア ル コ ー ル 類,ス ウ ィ ー トに あ て る 人 も 多 い. 収 入 の あ る 患 者 は,能 力 に 応 じ て 入 院 費 を 払 っ て い て,税 金 を 払 っ た 後 の60%を 払 うが, 最 高 額 は1日 の 入 院 費 と 同 じ600krで あ る. 入 院 患 者 の な か に は1日 に つ き 日本 円 で15,000 円 を 払 う人 か ら,入 院 費 は ゼ ロ で 小 遣 い を も ら う人 ま で 大 き な 巾 が あ る が,も ち ろ ん 待 遇 は 同 じ で あ る.経 済 的 能 力 に 応 じ て 入 院 費 や 老 人 ホ ー ム の 入 居 費 を 払 う と い う の は デ ン マ 一 ク に 限 らず,ス ウ ェ ー デ γ も イ ギ リス も 同 じ で あ っ た 。 院 内 の 生 活 は,他 人 に 迷 惑 を か け な け れ ば す べ て 自 由 で あ る と い う原 則 を 通 し て い る. 老 人 達 は 子 ど も で は な い の だ か ら,ア ル コ ー ル,タ バ コ,起 床 や 就 寝 の 時 間,外 出(申 し 出 に よ り許 可)な ど本 人 の 意 志 で き め て い る. 食 事 は 各 病 棟 の 食 堂 で す る が,保 温 運 搬 車 で 各 自 の も と へ あ た た か い 食 事 が 届 け られ る. 週1回,チ ャ ー チ ・サ ー ヴ ィ ス が あ る が,患 者 が 望 め ば 近 く の 教 会 に 礼 拝 に 行 く こ と も で き る.毎 週,ダ ソ ス,映 画,歌 手 を よ ぶ 会 な ど何 らか の 催 し を し て い る. (4)建 物 病 棟 部 分 は 全 て 平 屋 建 て で,中 心 に 木 製 の 時 計 台 の あ る広 大 な 公 園 を 輪 状 に 囲 ん で12病 棟 あ る.ど の 病 棟 も 同 じつ く り に な っ て い て, テ ラ ス か ら 中 央 公 園 に 出 られ る し,長 い 冬 の あ る 北 欧 の こ と,ひ さ し の あ る テ ラ ス が そ の 内 部 に あ る. 病 棟 や 管 理 棟 の 他,教 会,大 集 会 室(ク リ ス マ ス な ど の 大 き な 行 事 に 使 用)な ど が あ る. 調 理 室,機 械 室,職 員 食 堂 な ど必 要 な 設 備 も 充 足 され て い る.地 下 は 核 シ ェ ル タ ー で あ る. 病 棟 に は,寝 室,風 呂,更 衣 室,リ ソ ス ・ ル ー ム,洗 面 所,職 員 の 部 屋,台 所,食 堂, 休 憩 室,訪 問 者(面 会 者)の 休 憩 室,広 い 廊 下,消 耗 品 な ど の 貯 蔵 所,テ ラ ス,車 椅 子 の 収 納 室,患 者 の 携 帯 品 を 預 る 部 屋,病 棟 ご と の 玄 関 が あ る.患 者 は 病 棟 だ け に い な い で, な る べ く外 に 出 る よ うに 配 慮 が あ る. (1983年12月6日 訪 問) 住所RINGBO GRANVEJ14,2880BAGSVIERD DENMARK 9.ま とめ 一 心 身 障 害 と高 齢 化 社 会 が ん,脳 卒 中,心 臓 病 な どの疾 病 も さ る こ とな が ら,高 齢 化社 会 の到 来 に 伴 って,身 体 障 害 や 精 神 障 害 に よる心 身 障 害 の老 人 は必 ず 増加 す る.一 方,家 族 構造 は変 容 してい る.日 本 型 福 祉 な ど とい っ て従 来 の家 族 制 度 に依 存

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した形 で の心 身 障 害,特 に重 度 の心 身 障害 の 老 人 の 介 護 を 家庭 の機 能 に委 ね て お られ る の も,そ う長 くは続 か な い.ノ ー マ ライ ゼ ー シ ョソに 対 す る老 人 の ニー ドを尊 重 す る時,こ れ らを 解 決 す るに は 社 会 的 サ ー ヴ ィ ス の 充 実 以 外 に 道 は な い. 我 国 の 場 合,地 域 サ ー ヴ ィス と中 間施 設 の 乏 しさは 歴 然 と して い るが,現 状 の ま ま で い い は ず は な い.日 本 の老 人 は 自宅 に住 め な い な ら,6人 か4人1部 屋 の老 人 ホ ー ムか,病 院 の大 部 屋 しか な い とい う工 者 択 一 の選 択 を 迫 られ る こ とに な る. 高 齢 化 社 会 の 先輩 で あ るイ ギ リス,ス ウ ェ ー デ ソ,デ ソマ ー クに つ い て,特 に痴 呆 性 老 人 へ の サ ー ヴ ィス に 焦点 を合 せ て,柔 軟 性 の あ るサ ー ヴ ィス とは何 か につ い て報 告 した. 紙 面 の都 合 で 省 略 した の が,ナ ー シ ン グ ・ ホ ー ムに お け る痴呆 老 人 の ケ ア と,軽 度 の痴 呆 で 自宅 に 住 ん で い る老 人 の ホ ー ム ・ヘ ル プ で あ る.し た が って,痴 呆 性 老 人 へ の サ ー ヴ ィ スの うち で,中 間施 設 と,人 生 最 期 を迎 え るに ふ さわ しい 精神 病 院 しか 報 告 で き なか っ た が,こ れ らの 施設 を求 めれ ぽ,貧 富 に関 係 な く誰 で も利 用 で き る普 遍 化 は素 晴 ら しい と い う印 象 を も一った.カ ル チ ュア ル ・シ ョ ック な ど とい う言葉 で は片 付 け る こ との で きな い. 我 国 の老 人 福祉 の後 進 性 を残 念 な が ら感 じざ るを 得 な か った.老 人 福 祉 の 充 実 して い る国 は障 害 者 福 祉 も進 ん でい る. 1.参 考 統 計 HealthandPersonalSocialServices StatisticsforEngland1982, Department.ofHealthand.Social Secarity,-HerMajesty'sStationeryOffice. oStatisticalAbstractofSweden1984

StatistiskaCentralbyran,Liber. 。NewEstimatesofJAPAN'sFuture Population,ForeignPressCentre, JAPAN,1982. ・第6回 身 体 障 害 者 実 態 調 査,厚 生 省 社 会 局 厚 生 課,1980. ・老 人 の 生 活 実 態 お よ び 陸 康 に 関 す る 報 告 書,東 京 都 福 祉 局,1980. 。厚 生 行 政 基 礎 調 査 報 告,1982. 2.引 用 ・参 考 図 書(本 文 に使 用 した 順 序) (1)J.B.MeredithDavies,Community Health,PreventiveMedicine.andSocial Services;BrailliereTindall,1983,P395. (2)DimentiainOldAge,OfficeofHealth Economics,一.1979,P11. (3)Gerd.tSundstrom,CaringfortheAged inWelfare.Society,StockholmStudiesin SocialWorkl,SchoolofSocialWork, UniversityofStokholm,LiberForlag, 1983,P24-29. (4)Bergmann,K.& .Jacoby,R.TheLimi‐ tationsandpossibilitiesofcommunity careforthe.elderlydimented.(inResearch ContributionstotheDevelopmentof PolicyandPractice,Chapter-8),Depart‐ mentofHealthandSocialSecurity,Her Majesty'sStationeryOffice,.1983, P141-167. (5).Lodge,B.DayHospitalsfordementia., ThePractitioner,vol224,1980, 1077-1082. (6)Wilcox,F.M.etal,DayTreatment ProgramEvaluation(inMentalHealth andAgingeditedbySmyer,M.A. Gatz,M.,Chapter3),SAGEpublications, 1983,P63-83. (1984年9月 ユ1日 受 付)

参照

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