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個点と連続 : 古代ギリシャにおける「無限概念」に対する近代数学からの観照

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Academic year: 2021

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(1)I15. 個 点 と 連 続 ― 一 古代 ギ リシアにお ける「無 限概念」 に対 す る 近代 数学 か らの観 照. 鹿. 間. は. 春一郎. じ め. に. 古代 ギ リシアの文化 や文 明 は,現 在 の西洋 ひいては全 世界 の文 明 の源流 を なす もので あ り,従 って近世 ある いは近代 の西欧文化 のい ろ い ろな精華 は. ,. お お よそ その 原始 的 な模型 を古代 ギ リシア に求 め る こ とが で きると言 え よ う。数学 の場合 も同様 であ り,近 代 において飛躍的 な発展 を遂 げた数学 の諸 部 門 も,多 くはその根底 や萌芽 を古代 ギ リシアのそれ に見 出す ことがで きる。 現代 の非 ユ ー ク リッ ド幾何学 や幾何学基礎論 は明 らか にユ ー ク リッ ドを起 点 とす るものであ り,近 来隆盛 をきわめた微積分学 の諸分野 も,ア ル キ メデス や アポ ロニ ウ スの研究 の 中 にその きざ しがあったと見 て よいで あろう。 その 他 の細部 にわたって もその ような例 は多 く,思 想 の底流 は不変 であると い う 感 を多 くの人 が もつ で あろ う。 しか しその反面 ,古 代 ギ リシアは いまか ら二 千数百年 も昔 の こ とで あ り,そ の数学思潮 や 自然学 の 中 に,若 干 の矛盾 や誤 解 が含 まれて いて ,そ れが近代 の数学 や 自然科学 の照射 を受 けて ,明 らか に され る こ とが あって も,そ れ は当然 の ことと しなけれ ばな らないので はない か と思 われ る。. 古代 ギ リシアの数学 や 自然学 の 内蔵 している誤診 と矛盾 は,ひ と しく「無.

(2) I16. 個 点 と連 続. 限」 に関連 してい るものの ようである。古代 ギ リシアの 多 くの天才 や碩学 た ち も,古 代 とい う絶対的 な条件 の もとには「無 限概念」 のハ ー ドルはつ いに 跳 び超 えることがで きなか ったようである。言 うまで もな く,対 立 す る個点 と連 続 の両概念 は,ま た融合 させね ばな らない もので もあ り,そ の こ とは人 類 に課 せ られ た永遠 の 問題 であって,若 干 の解明 をな し得 たと思 っている現 代人 といえど も,無 限 とかかわ る これ らの概念 にはいまだに蹟 きつづ けて い るの だ と考 えねばな らないであろう。. ピタゴラスー 派 は,自 か ら確立 した数論 の基盤 が 自然数 にあ り,な おそ の 比 をとって生 じる数 を考 えて も有理数 の枠 を出ないもの で あるゆえに,別 に 自か らの発見 した ピタゴ ラスの定理 の,当 然 の帰結 と して生 じる無理数 との 間 に抵触 が起 った。 そ して彼等 はこの 自己撞着 を解決 で きな いで,長 い間苦 しんだ ようである。そ してまた一方 ,諸 学 の父 とも万学 の祖 とも称 され るア リス トテ レス も,幅 広 く底深 い緻密 な彼 の学 問 の 中 に,伏 流 の ように流 れ る 連続 の思想 の拡張 か ら生 じる若 干 の誤 りの故 に,後 世 へ の大 きな功績 の 中 で. ,. 時 にマ イナ スの影響 を残 す結果 となった。 ピタゴラスは一 生数学 に徹 した人 であ り,一 方 ア リス トテ レスは彼 の師 プ ラ トンとは異 な り,そ の62年 の生涯 において数学 を研究 した こ ともな く,数 学 に対 して具体的 な貢献 もな い人 である。数学 にかかわる経歴 において全 く 対称 的 な この 両者 は,ま たその思想 の 底 にあ るモ ナ ド. (Monad,単 子 )と. 連続 とい う点 で も,ま た対照的 であると考 え られ る。 この両者 の対比 は非常 に興 味深 い もので あ り,こ れ らをいま,近 代 を通過 して来 た数学 の歴史 の立 場 か ら論 じてみたいと思 う。. 古代 ギ リシアの数 学 における無限概念 数学 にかかわる者 は,い ずれ無限 に遭遇 しこれ と対決 しなけれ ばな らな い 運命 にある。論理性 と厳 密性 においては,完 成 の域 に達 していると思 える古 代 ギ リシアの数学 も,無 限 との対決 においては三 舎 を避 けた感 が深 い。 これ.

(3) rr7. 鹿 間 春 一 郎. はどの数学者 も手 に余 る もので あったようで ,こ の概念 に挑 み,苦 しみ,回 避 し,ま た除外 した。次 にその二三 の例 をあげてみ よう。. (a)ツ. ェ ノン. (Zenon B.C.490-429)の 逆理. 有 名 な逆理 「 アキ レスは亀 に追 いつ けな い」 とい う命題 の説 明 に,ツ ェ ノ ンは次 の ように弁 じた。 アキ レスが亀 に追 いつ くためには,現 に亀 のいる位 置 まで走 らね ばな らず ,そ れ を走 り終 ったときには,同 時間 に亀 は小量 で は あるが さ らに,前 の位置 に進 んでいる。 アキ レスが第 2の 亀 の位置 に達 した ときには,亀 はさ らに小量 の距離 を前 へ進 んで第 3の 位置 に達 している。 こ の様 を無 限 に くり返 えすのみで,つ いにアキ レ、 スは亀 に追 いつ くことがで き ない とツェノンは言 うの である。小量 (無 限小 も含 む )線 分 の無 限大個数 の 和 は有限 であ り得 ない,と 論 じた所 に間違 いが生 じた。 この ように無 限 を介 在 させて ひね った分析 を行 な う ことな く,す なおに旅人算 で考 えれ ば実情 は 簡単 にわか る ことで はあるが,い ま しば らく彼 の分析 的推輸 に従 って計算 し てみ ることに しよう。 い まアキ レス と亀 との もとの距離 をα,亀 の速 さが アキ レスの速 さの. <r<1)倍. とす ると,ア キ レスが亀 の前位置 までの距 離. (α. r(o. )を 走 る間 に. ,. 亀 が走 る距離 は αrで ある。 次 にアキ レスが この αrを 走 る間 に,亀 の走 る距 離 は α′である。 これ を無 限 に くりかえす と して,ア キ レスは. +″ 十 α み …… ¨ =青 侑田 また亀 は αr+α 〆 +α ノ十………… =1_r(有. 限). だ け走 って実 際 は追 いつ く こ とにな る。 そ して,. 1二 ,-1_r=α. はア. キ レスが亀 に追 いつ くために亀 よ り余分 に走 るべ き距 離 である。 ツェノンの他 の逆理 に,「 飛 んでいる矢 は的 に達 しない」とい うのが あるが. ,. これ も無 限概念 の ひね り方 は前者 と同工 異 曲 の もので ある。 この ように,明 確 に されていない無限 の概念 を推 論 の間 に介在 させ ,一 方的 な論理 を主張 す る こ とによって世人 を総 晦 に導 い たのである。無 限 の概念 こそは,古 代 ギ リ.

(4) 個 点 と連 続. rr8. シア数学 の アキ レス腱 であった。. (b)ア. ル キ メデス (Archimedes Bo C 287-212)の 公理. アルキ メデス 自身 の表現 とは異 なるが ,現 在 もゝうに分 か り易 く言 えば,「 ひ とつの数 αと他 の大 きな数 Aが あ り,α を 2倍 , 3倍 ,… …… η倍 して,η を だん だん大 き く して行 けば,Aが どれ ほ ど大 き くて も,η αが Aを 越 えて さ らに大 き くな るようにす る ことがで きる」 (ア ル キ メデスの 公理 )と い うの で ある。一見理解 しやすい道理 であ り,現 在 も この考 え を無 限大 の定義 に用 いて いる くらいであるか ら,当 時 の 人 たちの納得 が得 られ ,そ の故 に公理 と 称 したの であるが , αが無限小 となったとき,こ の ような ηが存在 し得 ない 場合 もあ り得 ることを,現 在人 は指適す るであろ う。 この場合 ,結 果的 には 無 限 の概念. (α. が 限 りな く 0に 近 ず くケ ース )を 回避 し除外 した こ とにな っ. ている。. (C)ユ. ー ク リッ ド幾何学 における公理. 本来厳密 な無矛盾性 を要求 され るはずの「公理 系」 の基礎 において さえ. ,. 無 限 の概念 が入 って くると,意 外 に脆弱 な部分 を含 んで いることに気 づ くで あろ う。ユ ー ク リッ ド幾何学 の 中 にその例 を求 めてみ よう。. 4,互 いに相重 なるもの は相等 しい。 公理 5,全 体 は部分 よ り大 きい。. 公理. とい う 2つ の公理 が あるが ,こ こに無限 を. PXが あ り これ と交 わ る平 行 な 2直 線 AMと BNが あるとす る。平面 の部分 AMXは 平面 の部 理 4)で 分 BNXと 重 ね 合 わす ことが で きるか ら,AMX=BNX (公 あ る。AMXは BNXと 平面 の部分 AMNBと か らで きて いるか ら,BNXは AMXの 部 分 で あ る。す なわ ち AMX>BNX (公 理 5)で あ る。 この. 持 ち込 んでみ よう。 いま直線. ,. 2つ の ことははっき りと矛盾 す る。学問 の典型 といわれたユ ー ク リッ ド幾何.

(5) 鹿 間 春 一 郎. I19. 学 も,無 限 に対 して は この ように無 力な部分 もあるわ けで ある。 (註 )集 合論 において,自 然数 の集合 の濃度 は `0(可 付番無限 )で あ り,そ の真部分集合 である奇数,偶 数 , 7の 倍数 ,素 数等 の集合 の濃度 も 封0,ま た 逆 に 自然数 の集合 をその真部分集合 と して含む有理数 の集合 の濃度 もまた 絆0. である ことを思 えば,「 全体 は部分 より大 きい」 などということは,無 限 の世 界 では全 く通用 しないことである。 ギ リシア数学 の厳密性 と無 限概念 ピタゴラスか らアポ ロニ ウスに至 る三 百数十年 間 は,ギ リシア数学 の黄金 期 と言 えるが ,こ の時期 における数学 の厳密 さは,長 い数学 の歴史 の 中 で も 前後 にその類 を見 ない著 しい もの であった。 ア ーメスのパ ピルスがそのいい 例 であるように,ギ リシア数 学 の黄金期 に先行 す る古代 のエ ジプ トやバ ビロ ニ アで行 なわれていた数学 は,論 理 の結合 が不十分 であ り,従 って証 明 もな く,ギ リシア人か ら見 れ ば殆 ん ど数学 とも言 いが たい程 の ,実 用性 のみ を重 視 した もの であった。 また この時期 の後 に続 く,ギ リシア数 学 の衰退期 とい われ るア レキサ ン ドリア後期 において は,ギ リシア的 な厳密性 が ようや く褪 色 し,再 び応用 と実用 とが重 ん じられ る風 潮 が生 ず るに至 った。さ らに後世. ,. ニ ュー ト ン. (Newton,I,1642-1727)と ラ イ プ ニ ッ ツ (Leibniz,G,W, 1646-1716)と によって微積分学 が倉J始 され,こ れ をもとに して数 多 くの研 究 が な され た百数十年 間 は,世 間 の眼 には数学的 多収穫 の 時代 と見 られたけ れ ど も,そ の収穫 が忙 しいために,基 礎的 な部分 がややゆるがせ にされ ,極 限 の概念等 も雑駁 な もので あ り,ギ リシア的 な厳密 さを取 りもどす余裕 がな いままに過 したと評 され る。そ して18世 紀 の終 り頃か ら19世 紀前半 にか けて. ,. 再 び深 く数学 の基礎 を反 省 し,厳 密 さを取 りもど したとき,俄 然近代数学 の 黄金 時代 を現 出す ることがで きたの である。 そ う した観点 か らす ると,数 学 の厳密性 を堅 持 し得 たアテ ネ時代 とそれ に 続 く前期 ア レキサ ン ドリア時代 とは,数 学 の全歴史 の 中 でむ しろ特殊 な短 い 時期 であったと言 え よう。そ してその理 由 が古代 ギ リシア人 の特性 による も の で あ る とか ,イ オ ニ ア学 派 の伝統 に よる もの で あるとか い う従来 の説 に.

(6) 個 点 と 連 続. 代 って,卓 見 をもった少数 の人 たちが この風潮 を リー ドしたか らであるとい う説 (中 村幸 四郎 ,数 学史 )が 近来有力である。 数学 の 中 へ 整然 た る論理性 と粛然 た る厳 密性 を持 ち込 ん だ第 一 の 先覚者 は,数 学 を専 門 とは しな いが ,多 大 の 関心 を示 したプラ トン (Platon,Bo C.. 429-347)で あった。彼 は遍歴 時代 に ビタゴラス学派 の人 たちと密 に接触 し. ,. か な りの数学 を学 びと り,帰 国後 はアカデ ミアの学園 において数学 を重視 し. ,. そ の数学 へ の傾斜 は彼 の弟子 ア リス トテ レスの好 む所 ではなか ったと伝 え ら れ るほどである。彼 は哲学思考 の方法 を思 惟 す るに当 って,数 学 の方法 に も 論 及 し,公 理 。公準 ・ 無定義述語 か ら出発 し,さ らに新 たな定義 を加 えなが ら証 明 を重 ね ることによ り,推 論 を重積 して学体系 を形成 す るとい う方法論 を展 開 し,数 学 の外側 か ら大 いに数学 に貢献 す るところが あった。 徹頭徹尾 この プラ トンの方法 を用 い,そ の 時代 まで に蓄積 された数 学 の 内 α,ス トイケ イ κει 容 を材料 と して壮大 な体系 を打 ち立 て,「 原論」 (τ αlσ τοι ア )を 後世 に残 したの はユ ー ク リッ ド (Euclid,B.C.300年 頃 )で あった。. 数学 における厳密 さの衰退 を,数 学 そ の ものの衰退 と して誹謗 す るの は必 ず しも適 当 でないか も知 れない。後期 ア レキサ ン ドリア時代 を代表 す ると 目 され る,ヘ ロ ン (Heron,B.C.100年 頃 )の 測量術 その他 の実用数学 が ,ロ ー マの 大土木工事 に役立 った ことは事実 であ り,後 世 へ の別 の大 きな功績 と言 え よう。 またニ ュー トン以降 ガウスに到 る時期 も,十 分 に多産 であ り,活 発 で あ り,有 意義 な時代 であったと言 える。 ただ数学 が厳密 さを軽視 し,実 用 には じった風 潮 の 中 で は,基 本的 な発見 がな され ることが 少 なか ったとい う 過去 の事実 は,数 学 の学問 と して の性格 と宿命 を暗示 す る もので あろ う。. 簡単 な問題 においては,厳 密 さを十分保 持 しなが ら,無 限概念 に近接 して 具体 的解決 に成功 した例 も少 しは見 られ る。 アルキメデス (Arckimedes,B。. C.287-212)が 「搾 出法」 に よって放物線 の 弓形 の面積 を求 めたのが それ である。.

(7) 121. 鹿 間 春 一 郎 (註 )放 物 線 の 弦 を ABと し ABの 中点 Kか ら放 物線 の軸 に平 ,. 行線 を引 き,ABと の 交点 を Pと す る。 △. APBは 直線 図形 でその. T 面積 は求 める こ とができ,こ れ を Slと す る。AP,BPの 中点 をM,. Nと し,M,Nを 通 り軸 に平行 な. 直線が,AP,BPと 交わる点をQ, Rと す る。△ AQP十 △ BRP=÷ Slと なる。 さらに この手続 きをすすめて 放物線 の 内側 か ら搾 出 して行 く ことにより,弓 形 APBの 面積 Sは. ,. ,. 緻 アルキ メデスはさらに A,Bに おける放物線 の接線 の交点 を Tと し,ま た P にお ける接 線 が AT,BTと 交 わ る点 を E,Fと し,さ らに外側 か ら搾 出 をつ づ けて △ ATB― △ ETF― ………の 極 限 が Sと な り,そ の 計算 の結 果 が 前 と全 く. 3と なる こ とを確認 して作業 を完 了 している。 この ように,内 側 か ÷ らの搾 出 に よって得 た値 は当然放物線 の 弓形 の面積 であると推測 されるにもか. 同 じ値. か わ らず ,さ らに外側 か らの搾 出 に よって同一 の値 となる ことを確認す るなど ′ は,全 くギ リシア的 な厳密 さであると言 い得 よう。 こ れ は比 較 的 に簡 単 な 問題 で あ り,無 限 の概 念 を用 いて 成 功 した 数少 い例 の 一 つ で あ るが ,こ の よ うな厳 密 さを保 ちなが ら,無 限 の 概 念 を含 む 諸 問題 を 幅広 く解 明 す る こ と は,周 辺 の 数 学 の レベ ル が 向上 して は じめ て な し得 る 所 で あ っ た 。定 木 と コ ンパ スの み を有 限 回用 い る とい う作 図 の 厳 然 た る制 限 が ,自 由 な製 図 の 進 展 を期 待 させ なか った よ う に ,結 果 と して ギ リシア的 な 厳 密 さ は ,古 代 の 段 階 で は無 限概 念 の 解 明 に 関 す る 限 りあ ま り力 とな らな か っ た だ けで な く,場 合 に よ って はか え って重 荷 とな り,足 枷 に な った と考 え られ る 。.

(8) 個 点 と連 続. 122. 2.ピ タ ゴ ラ ス の 矛 盾 ピ タ ゴ ラ ス (PythagOras,Bo C.582-493)お よび そ の 一 派 の 人 た ち は. ,. 彼 等 独 特 の 数 論 を展 開 して整 数 論 を創 始 し,後 世 の 数学 に 多大 の 貢 献 を した 。 まず 「奇 数」「偶 数」「素 数」 を定 義 し,そ れ か ら「互 に素 な る数」 を論 じ. ,. 「不 足 数」 さ らにす す ん で「過 剰 数」 「完 全 数」 「 親和 数」に論 及 し,さ らに「 三 角 数 」「 四角 数」 に到 って い る 。 (註. )(1)自 分 自身 をの ぞ くす べ ての約数 の和 が もとの数 よ り小 さい数 を不足. 数 (例 ,. しい数 を完全数 (例 , 6,28, 1+2 8, 1+2+4=7<8),等 +3=6, 1+2+4+7+14=28),大 きい数 を過 剰数 (例 ,12, 1+2+ い に 3+4+6=16>12)と う。 また互 相手 の数 の約数 の和 となっている 2数 を親 和数 (例 ,220と 284,220=1+2+4+71+142,284=1+2+4+5. +10+11+20+22+44+55+110)と. い う。. (2)1, 3, 6, 10, 15, ………の ように,そ の個数 の点 を正三角形 に配列 し とな祝 また L仁 % 角数 t= :£なの個数 の点 を正方形 に配列 し得 る数 を四角数 といい 日に. 嘱 Tlず. 驚 i」. ,. η番 目の 四角数 Sη =η 2と なる。 ピ タ ゴ ラ スの ビタゴ ラス学 派 内 に お け る立 場 は. ,. ほ とん ど教 祖 とい って も. い い ほ どで あ り,学 派 の 中 の 人 た ち の す べ て の 発 見 は彼 に帰 せ られ た の で. ,. そ れ らの 論 議 が ど こ まで彼 自身 の 研 究 に よる もの なの か ,は な はだ疑 わ しい と言 われ る。 しか し彼 等 の 数論 を通 観 す る と き,そ の 数 に対 す る 関 わ り方 が 大 へ ん 個 性 的 で あ り,著 しい特 徴 を もって い る こ とに 気付 くで あ ろ う。 これ は や は りば らば らの 研 究 で はな く,少 くと も統 一 した (た とえ ば ピタゴ ラス 自身 の )意 志 の 存 在 を感 じさせ る。「万 物 の 根 源 は数 で あ る」 な ど と も言 い. ,. そ の 数 に 対 す る こ だ わ り方 は ほ とん ど マ ニ ア に 近 い と言 って も い い 程 で あ る。 そ の 論 ず る所 の 数 の 範 囲 は 自然 数 に局 限 され ,点 を表 わ す モ ナ ド (mOnad, 単子 ,個 点 )を 考 え ,そ れ を数 と対 比 させ ,数 の 配 列 に 関 す る さま ざま な規 則 性 と,さ らに美 を も追 求 して い る 。 これ は彼 ら一 派 の 人 た ちが ,直 線 や 円.

(9) r23. 鹿 間 春 一 郎. の線 と して の「連続性」 に着 目す ることな く,「 個点」 の集 りでで きてお り. ,. 線 分 を形成 す る点 の個数 は数多 いとはい うものの ,本 来 「数 え切 るべ き」 も ので あるとい う基本的 な考 えの上 に立 っていた ことと無関係 で はない。例 え ば数珠 は珠 が連 なってで きて いる ように,線 は個点 が集 り連 なってで きて い ると考 えたのである。直線 は無 限イ 固数 の ,そ して円周 や線分 は有限整数個 の 個 点 によって形成 されていると考 え,従 って 2倍 の長 さの線分 は 2倍 の個数 の個点 でで きていると考 えたの は,当 然 の推論 によるものであった。. そ う した ピタ ゴ ラス学派 の数論 にお ける主張 と,自 己撞着 を起 こす ような 事態 が生 じた。そ れ は皮 肉 に も,彼 等学派 の最大 の発見 と見 られ る「 ピタ ゴ ラスの定理」 の 当然 の帰結 と して惹起 された もので あった。その定理 による と,「 直角 三 角形 において,直 角 をは さむ 2辺 をそれぞ れ 1辺 とす る正方形 の 面積 の和 は,斜 辺 を 1辺 とす る正 方形 の面積 にひと しい」 とい うのである か ら,直 角 をはさむ 2辺 を α,ら ,斜 辺 を θとす ると,′ 十 ′ =′ と表現 で きる。 ここでα,ら ,σ は線分 の長 さを表 わす もので あるか ら,数 え切 る こ と は当然 ÷ ,÷ 自然数 の比 (分 数 )で 表 わ され るはずであると考 えた。 いま最 も簡単 な場合. の で きる個 点 に よって形成 されて お り,θ. :α ,θ :ら. な どの値. =b=1と す る と, 12+12=♂ ,す なわ ち′ =2,現 在 の 表現でいえば,θ =y7-(古 代ギリシアでは負の数は考えられなかったので の ε なる とに 。こ うこ り する =一 y7は 論 外と )と な ,;=÷ =y7と い を例 に と り,α. ,. 直角 三 角形 の斜辺 も数 え切 るべ き数 の個点 に よって形成 されて いるのである か 祝 θ=y7=か. A.ま とЫ こ正 の劉. の形 で表現 で きるはずで ある。. この期待 に誘導 されて ,ピ タ ゴ ラス学派 の人 たちは必死 に追求 したのであろ. うが,こ の77と いう値の分数表現はついにできなくて,む しろyり は整数 比 で 表 現 で きな い 数 で はないか との 考 えが 生 じ,そ の 証 明 の 方 が 成 功 した。 (註. )y,が 整数比 で表 わ され る数. 明 され る。. (有 理数 )で ない ことは次 の ように して証. る れ わ さ も の ま と 画硼 と と 表 と 正 Ыこ 整 数 ■夕 ィ √=÷ し■.

(10) 個 点 と連 続. r2イ. の と仮定す る 夕=√. 2g,両 辺 を平方 して 夕=2グ ,従 って グ は 2の 倍数 であ. る。 もしクが 2の 倍数 でないならば,ノ が 2の 倍数 になるはずがない。 だか ら ′ クは 2の 倍数 でなければな らない。そ こで ρ=2夕 (p′ は正の整数 )と 書 くこ とができる。 これ を上 の式 に代入す ると,(2夕 ′)2=2グ ,グ =2夕 ′とな り,同 ′ 様 の論議 に よ リ クも 2の 倍数 でなければな らない。すなわち ク=2ク (g′ は 正 の整数 )と 書 き表 わす ことができる。 これは,pと クが 2と ぃう公約数 をも つ ことであ り,夕 と クとは互い素であるとした出発点 の仮定 と矛盾する。 この. ことは「y7が 整数比で表わされる」とした仮定が誤まっていたので,結 論と してy7は 整数比で表わすことのできない数である。 この証明 がで きたために,整 数 と整 数 の比 で表現す る こ とのできな ぃ この. 77な. どの平方根数 こそは,学 派 の基本的 な考 え方 を くつ がえす “ 不吉 な". 数 となった。そ して これ ら整数比 で表 わす ことの で きない数 (無 理数 )の こ とは,「 口にす べ か らざる. (α. λογον)数 」 と して外部 へ の他言 を禁 じた。. こ う して ピタゴラス学派 は,数 論 にお ける自己撞着 と,公 明 なるべ き学問 の 世界 で ,他 言 を禁 ず るなどとい う矛盾 を内蔵 す ることになった。 しか し今 に して思 えば,彼 等 一派 にとって とるべ き正 しい態 度 は,不 吉 な 数 の存在 を外 部 へ の他言 を禁 ず るなどとい う ことではな く,自 か らの数観 を 反 省 し,無 理数 を認知 して これ を有理数 と同様 に取 り扱 い,さ らに個点 を含 む連 続 の思想 を導入 す る こ とであった。 そ の ためには無 限 につ いての よ り高 い見通 しが要求 され ,そ れ は紀元前数 世紀 の ビタゴラス学派 には無理 な ことであったと思 われ る。. 3.ア. リ ス トテ レス の 誤 謬. 経験 と観察 とを重 視 し,さ らに実験 をも取 り入 れ,現 実 に起 こる諸現象 を 立脚点 と して展 開 され たア リス トテ レスの諸科学 は,当 時 において多 くの精 華 を現 出 しただけでな く,さ らに後 世彼 の学 問 が起 点 とな って大 き く進 展 す る素 地 を作 った。彼 の 師 プ ラ トンが「 イ デ ア. (idea)」. の 奥 に物 質世 界 の 諸. 現象 を埋 没 させ たの に対 して,彼 の設立 した「形相」 と「 質料」 の定式 は. ,.

(11) 125. 鹿 間 春 一 郎. 物質世界 を表 に出 し,そ の法則性 の 中 で研究 をすすめるの に好都合 であった。 彼 の学 問 上 の功績 を列挙 しそれ を称讃 す る こ とは,万 人 のなす所 で あ り,ま たそれが 当然 の ことで はあるが ,し か しいまは しば らくそれ を措 き,広 く深 い彼 の諸学 の 中 の ,と くに 自然学 の 中 で は,後 世 の人 が誤 りであると指摘 す る こ とが ないで はない。 これ らの 中 か ら次 に 2つ の例 を上 げてみ よう。. (a)自. 然落下運動 の速度. 彼 は多 くの運動 を観察 した結果「力 は速 度 に比例 し,ま た抵抗 に比例 す る」 とい う結論 に達 しこれ を主張 した。この命題 か らの推論 の 当然 の帰結 と して. ,. 「 自然落下 の 速度 はその重 さに比 例 す る」 とい う誤 った結論 に達 した。 (自 然学 4巻 8章 ) (註. )ア リス トテ レスの推論 を補完 し,現 代 ぶゝうに表現す ると次の ようになる. であろう。いま力をF,速 度 をυ ,抵 抗 をRと して彼 の主張 を式で表現すれば Fは υとRに 比例す るか ら,F=た υR(た は比例定数 )と い うことになる。 ,. ′ 襲 if〔 :L:lli竃 亀 ↓ :li碧ぎ 象 ∵l黒竺 TIiξ :LIF笙負 軍 自然落下運動 にこれを適用す ると,力 は重 さ (現 代物理学 では質量 )zに 比. (定 数 )と お くことができ,υ. とになる。. =Kπ. (落 下速度 は重 さに比例 する)と. い うこ. l. そ う した理 由 で「重 い もの は軽 い もの よ りも速 く落 つ」 のである。例 えば 鉄球 と羽毛 とを空 中 で 同時 に落 せ ば,空 気 の抵抗 が大 き く作用 して鉄球 は速 く,羽 毛 は遅 く落 ち,ア リス トテ レスの主張 が近似 的 に正 しいか に見 えた。 ガ リ レオ・ ガ リ レイ (Galileo Galeley 1564-1642)が その 誤 りを指摘 し訂 正 す るまで二 千年近 く,こ のま ちが った説 が ヨーロ ッパ を横行 したとは,実 に驚 くべ き ことで あった。 (実 際 にはその 間 に何人 かの人 が疑 間 を持 ち,反 対 を唱 え訂正 を主張 した ことが記 されて いるが,ア リス トテ レスと中世 の教 会 の権威 の もとで は,大 き い声 と力 とにはな らなか った ) こ こに生 じた誤 りは,彼 が 「物質 は空 間的 に連続 である」 とい う考 えの上.

(12) 個 点 と連 続. に立 った こ とに起 因す るもの と思 われ る。「 自然 は真空 を嫌 う」 とい うの は. ,. 真 空 の 中 で は運 動 に対 す る抵抗 が な くな り,Rが 0と なれ ば υが 限 りな く 大 きな値 をとる こ とにな り,彼 の理論 による 自然 の秩序 が保 てな くなる故 の 主張 であった。す べ ての物質 は粒子 (分 子 ,単 子 )に よって形成 され ること にす ると,粒 子 と粒子 との 間 には,ど う して も「小 さい真空」 の存在 を認 め ざるを得 な くなるので ,そ れ等 の前後 を整 合 して物質 の空間的連 続性 の主張 がで きた もの と思 われ る。彼 は元来観察 を重 視 したけれ ど も,当 時 は時間 を 精 密 に測定 す る機器 が な く,自 然落下運動 につ いて も十分精密 なデ ー ター を とる ことがで きず ,落 下距離 お よび速 度 の時間 に対す る変化率 とい う考 えな ど は起 こ らなか ったのであろ う。「変化 率」 とい う数 学 的思想 が確立 され た とき,伝 統 的 な力学 は新 たに的確 な形 で再編成 されたのであった。. れ る 。F=″ α =π 子. (π. :質. 量 ,α. らに (空 気 の )抵 抗 を考慮 に入 れ るな らば. ,. 程式 で表 わ され る。. 力 は質量 と加速度 の積 であるとさ :メ. 展 碁 i 弩 rliir驚 」言 │、. (b)錬 金術 の根拠 「物 質 は空 間的 に連続 で ある」 とい う考 え と並 んで,「 物質 は性 質的 に も 連続 である」 とい う考 えが彼 にあったと推 測 され る。湿 と乾 ,温 と冷 とい う基本的 な 二 方 向 に物性 を整理 し,軽 重 ,固 い柔 い. ,. 粘 りがある脆 い,き めが こまか い粗 い,等 物 質 の もつ あ らゆる性 質 は,こ の基本的 な 二 方性 の複合 され た表現 であると論 じてい る (生 成 消滅論第 2巻 第 2章 )。 湿乾 と温 冷 の 2方 向 の性 質 を平面上 の 2軸 にと り. ,. 実在 す るすべ ての物質 はこの座 標 上 の ど こか に位置す ると見 ,そ れ らの性 質 は連続 的 に移行 し得 る もの であると考 えた。従 ってある性質 をもった Aと い.

(13) 鹿 間 春 一 郎. う物 質 の 近傍 には A′ とい う物 質 が あ り,そ の性 質 は Aと きわめて類似 す る もので,そ の差 をどの ようにで も小 さくす る ことは可能 で あると考 え られ る。 この説 を拡張 して推論 すれ ば,無 限 に多 くの種類 の物質 が存在 し,ど の物質 も湿乾 ・ 温冷 の度 によ りそれぞれ の座標 に位置 して いるとい う ことになる。 い ま A,B,… … C,π 種 の物質 が あ り,他 の物質 Pが 性質 の座標 において ・C内 にお さまって いるな らば 多角形 AB・ …・ 十 ZB+… 十ηCと ぃ ぅ関係式 が成立 し,逆 に A,B,… …C,π 種 P=触 ,. ` … η,ク 等 の値 を適 当 に与 え,混 合 そ の他 の作用 を加 え る の 物 質 をた,π ,…. こ とによ り,Pと い う新物質 を作成 す ることも可能 である。 この考 えは結果 と して 中世錬金術 の根拠 とな り得 るであろう。 (註 )(1)現 代科学 によれば,物 質 は空 間的 にも性質的 にも不連続 であると考. え られている。巨大 な真空 の中 に物質粒子 がその組成 に従 って配列 し存在 して いるのが宇宙 であるか ら,空 間的 に物質 は不連続 であり,ま た各物質 (元 素 お よび化合物 )の 性質 を決定する素粒子 の数,従 って原子量・分子量 の値 は離散 的 に分布 し,従 って分布 の濃度 は連続体 のそれ (絆 )で ないのみならず,数 学 的凋密 でさえない。物質性質 の連続性 をもとにして出発 した錬金術が,多 人数 の しか も何世紀 に もわたる努力 に もかかわ らず,不 成功 に終 ったのは当然 の結 果 であるといえよう。 (2)青 銅 は銅 と錫 と合金 であるが,こ れは銅 と錫 の粒子 が適 当 に混和 したので. あって,銅 や錫 と対等 の (特 定 の原子量 をもつ )新 物質 ができたのではない。 化合 についても原子 や基 の段階で結合 したのであって,元 素 の特性 をもつ原子 そのものが変質 したのではない。 ア リス トテ レスの科学 の 内容 にまま見 られ る誤診 の原 因 の一つ は,彼 の綿 密 さにもかかわ らず ,観 察範 囲 が 限定 されまた観察手段 が未発達 であつた こ とで あろ う。 しか し,こ う した個 々の誤 りはさ して根 の深 い もので はな く. ,. 簡単 に訂正 し得 べ きもので あった。 さらに他 の一つの原 因 は,彼 が単 に 自然 科 学者 で あっただ けでな く幅広 い思想家 で もあったため,個 々の観察 に終 ら ず それ らを総合 して原理 を打 ち出す に当 って,連 続 の思想 を底流 と して持 ち なが らこれ を行 ったので,個 々の観察 の不備 が拡大 され た形 で原理 の誤 りに.

(14) r28. 個 点 と 連 続. まで達 した もの と思 われ る。 ピタゴラスが個点 に 目を注 い で連 続 をゆるがせ に したの と対称 的 に,ア リス トテ レスは連続 の概念 に こだわ りと らえ られて. ,. 個 点 に眼が とどか なか ったと言 えるよ うである。そ して後者 の方 は同 じ誤 り で も数 の世界 に限定 され る ことな く,実 生活 と関連 の深 い物質界 の ものの見 方 で あ り,さ らに原理的 な もので あっただけに,そ の影響 す る所 が広 く大 き か ったのである。 と ころでア リス トテ レスの場合 ,そ の誤 りで さえ後世 の論議 の 出発点 とな り,よ り幅広 い学 問 を誘 発 す る起 因 となった。 「 ア リス トテ レスの真空 の恐怖 」 (平 田寛氏 )か ら解放 され た近 代 の物理学 は,ガ リレオ,ニ ュー トンに至 っ. て堰 を切 った よう に,彼 の主張 す る「現実立脚 」「経験観察重視」 の方法 で 奔 出 した。 また錬金術 の夢 か ら覚 めた近 世 の化学 は,そ の本来 の正 しい方 向 (と. いまは思 われ る )へ 前進 し,大 きな成果 をお さめ得 たのである。 4。. 近 代 厳 密 主 義 数 学 か らの 反 省. 微 積分学 の発見以来 ,そ の周辺 の研究 に忙 しくそ して 多 くの成果 を得 た一 時代 を経 て,近 代数学 がギ リシア風 の厳密 さを再 び取 りもど したの は,19世 紀 にはいる少 し前 の 頃 か らであった。そ して線分 を形成 す る要素 と しての点 の 数 (計 数 )で あるとか ,無 限要素 の集合 の相密 お よび連 続性 などの研究 が 行 なわれ ,無 限概念 とのかかわ りにおいて若干 の進展 を見 たの は,19世 紀 も 後半 において であった。. デデキ ン ト (Dedekind,C1831-1916)は 1858年 に発表 した「切断 の理論 」 に よ り,い ろいろな種類 の数 の集合 に切 断 (Schnitt)と い う作用 を加 える こ とに よ り,無 限 の要素 をもつ 数 の集合 の 中 での各種 の数 の分布 の様子 を明 ら か に した。整数 の離散的分布 ,有 理数 の凋密性 ,実 数 の連続性 などを厳密 に 掘 り下 げて解 明 した。 この観点 か ら見 ると,ピ タ ゴ ラスの離散的有限個数 の 個 点 に よる線分形成 の考 えなどは,根 拠 の ない幻想 であった ことが分 か った。 (註 )(1)調 密 :限 られたある区間 に,限 りな く多 くの要素 が存在す るとき. ,.

(15) 129. 鹿 間 春 一 郎. iffttlら 2亀 需 瑠 翻 鯉 ″ 〔 itit 写 と も 1つ の有理数 が存在 す ることに な り,さ らに同様 の推論 によって αと 解. 夙 貫言司. ,. <π <ク <b)す る こ とになる。 こ う して 2つ の有理数 αと らとの 間 には無限個数 が入 い り込 む ことにな り,有. π と らの 間 に も有理数 夕,ク が存在. (α. <ク. 理数 の分布 は調密 であることがわか る。 この性 質 を有理数 の調密性 とい う。 (2)切 断 :あ る数 の集合 を A,B2つ の グループに分 け. ,. (│)そ. の集合 の要素 は Aか Bの いずれか の グル ー プに属 させ る。. (1)Aと Bの それぞれ に属 す る要素 をα,み とす ると,い かなるα,ら に対 して も常 に α<ら が成立 す る。 (m)Aと Bと の 境 に sと い う数 が あって,sが もとの集合 に属 す るな らば,こ れ を Aか Bい ずれかの グループに属 さ しめる。 この ように数 の集合 を A,B2つ の グル ー プに分 断す る ことを「切 断」 す る といい,切 断. (A/B)で. 上 の状態 を表 わす こととする。. (a)整 数 の集合 に この ような切 断 を加 えた場合 ,A,B両 グルー プはともに「 は し」 を もつ こ とにな り,こ の は じとは じとの 間 (両 グルー プの 間 )に は飛 び (leap)が ある。 これか ら判断 して整 数 の集合 は離散的であると言 える。. (b)有 理数 の集合 を切 断 した場合 ,ま ず境 とな るsが 有理数 で あるとき,sは どち らかの グルー プに入 れ るのであるか ら,A9Bの いずれか一方 は sと い う 端 を もつ ことにな り,他 方 にはそれがない。有理数 sに 限 りな く近 い有理数 は 確定 で きない (存 在 しない )か らで ある。 つ ぎに sが 有理数 でないとき,夕. <. s<`で あって,. sに 限 りな く近 い 2つ の有理数 夕と クとは確定 しない。 どの ように sに 近 い クと クとをとって も,さ らに sに 近 い有理数 が存在 す るか らで. ある。従 って Aと Bの 両 グループは 1点 sを 欠 いたとぎれ (gap)を 生 ず る。故 に有理数 の集合 は,そ の 間 にはさまれ る非有理数 ,す なわ ち無理数 によって限 りな くとぎれ を与 え られ るので ,そ の分布 は相密 ではあるが とぎれ とぎれ (不 連続 )で ある ことがわか る。. (C)実 数 の集合 を sで 切 断 したとき, sが 属 す る方 の グループには端 があ り. ,. 他方 にはそれがない。切断 した もの を再 び結合 す ると「つ ぎ 目」 を見 せ ること な く接続 する。 この性質 を実数 の連続性 とい う。. カ ン トー ル (Georg CantOr 1845-1918)に. よっ て 創 始 さ れ た 集 合 論.

(16) 個 点 と連 続. (Mengenlehre)は 近 代 数 学 の 基 礎 を精 密 に な ら しめ るの に 大 きな 功 績 が あ ったが ,前 項「ギ リシアの数学 にお ける無限概 念」とと くに関係 の深 いの は. ,. 計 数 (cardinal number,濃 度 と も い う)に 関 す る研 究 で あった。 これ に よ ると,自 然数 ・ 整数 ・ 有理数等 の計数 は可付番無 限 (可 算無 限,封 o)で あ り. ,. 実数 ・ 複素数等 の 計数 は非可付番無 限 (註. (ド. )で ある。. )無 限集合 の元 が 自然数 と一対一に対応 させ得 るとき,そ の計数 は可付番. 無限 であるという。奇数・偶数・素数・有理数等 の集合 においては,そ の元が 自然数 と一対一 に対応 させる ことができるので,そ れ らの集合 の濃度 は可付番 無限 である。また無限集合 の元 が 自然数 と一対一 に対応 させ得 ない (対 応 させ ようとしてもその元 が残 る。不足 することはない。不足す るときは無限集合で ない )と き,そ の集合の計数 は非可付番無限 であるという。実数・無理数・複 素数 ・ 円や球 の半径・平面上 の点 0空 間内の直線等 の集合 の濃度 はすべ て非可 付番無限 である。. 実数全体 を一 直線上に配列 (数 直線 )す ると,ど の整数・有理教・無理数 も. ,. この数直線上 にそれぞれの一個点 を占めることになる。 閉区間 〔0,1〕 を限っ て長 さ 1の 線分 (両 端 の点 も含む)を とると,そ の中に含 まれる個点 の数 は. ,. 有理数 に対応す る点 のみ をとれば R。. ,実 数 に対応す る点 もすべ て含め ると. 総となる。また閉区間 〔 0,y7〕 を限って長さy7の 線分をとっても,そ の個点 の計数 につ いて事情 は,全 く同 じである。すな わ ち「線分 を形成 す る 個点 の数 はその線分 の長 さに比例 す る」などとい う ことは全 くないの である。 ここで ビタゴラス学派 の 人 た ちが ,「 線分 を形成 す る個点 の 数 は数多 くとも か ぞえ切 るべ きものであ り,そ の線分 の長 さに比 例 す るはずである」 と考 え た ことは,集 合論 と照合 して 明 白 に誤 りである。 い ま仮 りに,彼 等 の考 えた 数珠 の ような点集合線分 において,そ の数珠玉 が 当時知 られていた有理数 に 対応 す る点 であるとい う考 えに立 ったと して も,ど んな長 さの線分 もそ の 中 に含 む有理数 の対応点 の数 はみな 同 じく絆 。 (凋 密不連続 )で あるか ら, 2 つ の線分 の長 さの比 を,そ れ等 を形成 す る点 の数 の比 で表現 しようとす る試 み は成功 しなか ったであろ う。 ピタ ゴ ラス学派 の人 たちは,彼 等 が展 開 した.

(17) 鹿 間 春 一 郎. 131. み ごとな一 連 の整数論 的思考 を,実 数 の世界 にまで不 当 に拡大適用 しようと し,y7を 整数比 で表現 しようと してな し得 なか ったとい う,具 体的 な矛盾 と して 明 白 にあ らわれ たのである。 そ して「無理数」 は早晩数学 の世界 に姿 を見 せ るべ き運 命 にあ り,「 ピタゴラスの矛盾」 はその予告編 と も言 うべ き もので あった。 (事 実 そ う遠 くない後世 に無理数 の論議 は現 われ た ). 現在 で は,宇 宙 は巨大 な真空 の 中 に存在 す る物質粒子 の集合 と見 られて い るが ,ア リス トテ レスは真空 の存在 を排 除 し,物 質 を空間的 に連続 と見 たた め に,物 理学 (と くに力学 )に おいて誤 りを生 じた。ま た百 に も満 たぬ化学 元素 と,そ れ らの組合 せ によって生 ず る化合物 とで形成 され る,離 散的無 限 大 を越 えることのな ぃ物質 の種類 の数 を,連 続体 の計数 に見誤 ったため,化 学 において誤 りを生 じたので ある。 あ. と. が. き. ピタ ゴ ラス もア リス トテ レス も,数 学 と哲学 におけるそれぞれの 巨人 であ るが ,そ れで も無限 の概念 につ まづ き,矛 盾 と誤謬 か らまぬがれ ることがで きなか った。古代 が彼等 の前 に峻厳 な障壁 となったのである。 しか しまた. ,. そ う した ことが 引 き金 となって ,さ らに厳密 な推 論 が求 め られ ,よ り正確 な 観察 と実験 が要請 され る結果 とな り,数 学 と 自然科学 との発展 を誘発 したの で ある。 これ ら「連続 と個点」 の 問題 は,近 代 の数学 や 自然科学 が若干 の光 を当 て たか に見 えるが ,そ れで もなお霧 の 中 にある感 が深 く,人 類 に課 せ られ た永 遠 の 問題 ではないか と思 われ る。将来 これ らの こ とが さらに明確 に把握 で き る ようになる こと を期待 している。.

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