看護実践能力を高める基礎看護技術教育内容の検討(その2) : 『基礎看護技術学習の道しるべモデル』に基づく教育の評価
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(2) 甲南女子大学研究紀要第 5号. 52. 看護学 ・リハ ビリテーシヨン学編 (20H年 3月. ). える こ とがで きる。 また ,「 学習 へ の 取 り組 みやす さ」 に関 して は ,9割 以上 の 人が効 果 的 で あ る と評価 して い た。実 践力確 認 テ ス トを設定 した こ とに 関 して も 8割 以上の人が効果的 であ る と評価 して い た。. 以上 のことか ら,こ のモデルは,看 護実践能力 を高めることにおいて効果的 な構造になってい ると 言 える。 また,「 学習へ の取 り組みやす さ」 とい う点 において も,無 理 な く学習 を段階的に深め てい くことがで きる構造 になつてい ると評価で きる。 キーワー ド :看 護実践能力 0基 礎看護技術 ・看護技術学習モデル・教育評価. り組 みやす さ」 とい う 2つ の視点か ら評価する ことを 目的 とす る。. は じめ に 高 度化 ・複雑化 す る医療 ,患 者 の 高齢 化 ・重症 化. ,. Ⅱ.『 基 礎 看 護 技 術 学 習 の 道 じる ベ モ デ ル 』 に基 づ く教 育 内 容. 在院 日数 の 短縮 な ど,医 療 を取 り巻 く環境 は大 き く変 化 し,看 護 師 には非常 に高度 な看護実践 能力 が求め ら れ る よ うにな って きた。 この よ うな状況 の 中,看 護基 礎教育 にお ける,看 護実践 能力 の育成 と看護技術教育. 1.レ ベル I(基 礎看護援助論 I)の 概要 レベ ル Iは ,1年 次前期 ,30時 間 の科 日であ る。. の重 要性 が提 言 され ,課 題 とな って い る。 2009年 度. (環 境 を整 える〉「動 く,眠 る」 を学習 テ ーマ と し. 改正 カ リキ ュ ラムで は,基 礎看護学分野 の留意点 と し. 「看護技術 とは」3コ マ,「 療養生活環境 の調整」6コ マ ,「 活動 と休虐、 の援助」6コ マ で構成 されて い る。. て ,「 事 例等 に対 して看護技術 を適用す る方法 の 基礎 い を学 ぶ 内容 とす る」 とい う こ とが 明示 され た。 つ ま り,こ れ は手順 や手技 の 習得 で はな く,看 護 の 受 け手 とな る対 象者 に対 す る個 別 的 ,具 体 的 な配 慮 に基 づ. ,. 「療養生活環境の調整」 での具体的な学習内容 は,手 洗 い ,ベ ッ ドメーキ ング,環 境整備 ,シ ー ツ交換 ,. の援助」 での具体的な学習内容 は,マ ッ 「活動 と休虐、. き,そ の 時 々の状況判 断 を下 しなが ら安全 に,安 楽 に. サ ー ジ,安 楽な体位 ,体 位変換 ,移 動,移 送 の援助 で. 看護技術 を実施で きる こ とが 求 め られて い る とい う こ. ある。. 3。. とを意 図 して い る. そ の よ うな能力 を学生 た ちが獲. レベ ル Iは ,看 護技術 の導入科 日であ り,こ こで学. 正 で 新 た に専 門分野 Iと して独 立 した基礎看護学分 野. の援助」 習す る「療養 生活環境 の調整」「1舌 動 と休虐、 に関する技術は,看 護技術 の基盤 として位置づ け られ. にお い て ,看 護技術 を どの よ うに教授 して い くか の検. る。並行 して学習す る 『看護学概論 I』 と関連付 けな. 討が必要 であ る。. が ら,看 護 の対象である生活者の理解 と,そ の人の生 活行動 を支える行為 としての看護技術について具体的. 得 で きる ようにす るため には,今 回 の カ リキ ユ ラ ム改. そ こで ,本 学基礎 看護学 では,こ れ まで の カ リキ ユ ラムの検討 で な されて きた よ うに,技 術項 目毎 の教授. に学習す る。. 方法や学習 順序 を検討す るのみ な らず ,看 護実践 能力. 『基礎看護技術学習 の道 じるベ モデル』 では,各 レ ベ ルの終了時 に看護技術 の習得 レベ ルを評価す るため. を どう捉 えるか とい う こ との検 討 か らス ター トした。 そ して ,看 護実践 能力 を 「看護 の対 象者 を生活者 と し て捉 え,そ の人に沿 った看護 を判 断 し,安 全 ・安楽 ・ 自立. (自. 律 )0そ の人 ら しさを考慮 して実践す る能力」. と捉 え,そ の考 え方 を基軸 として ,学 習 の深 ま りと広 が りを考慮 し,看 護実践 能力 を高め るための 『基礎 看 護技術学習 の道 じるベ モデル』 を構 築 した (そ の 1を. の実践力確認 テス トを設けてい る。 レベ ル Iに おける 実践力確認 テス トは,ベ ッ ド上安静状態 にある患者に 対す るシー ツ交換である。. 2.レ ベル Ⅱ. (基 礎看護援助論 Ⅱ)の 概要. レベ ル Ⅱは,1年 次後期 ,30時 間 の科 日であ る。. 参照 )〕 。. 「清潔,食 ,排 泄」 を学習テ (生 理的ニー ドを整 える〉. 本研 究 で は,学 習 レベ ル I∼ Ⅳの うち,レ ベ ル I, Ⅱが修 了 した時点 で ,今 回構築 した モデルに基 づ く教. ーマ とし,「 看護技術 とは」 1コ マ ,「 清潔 の援助」8. 育 の適 切性 を「看護実践 能力 の状況」 と「学習 へ の取. 「実践力確認 テス ト」2コ マで構成 されてい る。「清潔. コマ,「 食事 の援助」2コ マ ,「 排泄 の援助」2コ マ. ,.
(3) 重松 豊美. 他 :看 護実践 能力 を高 め る基礎 看護技術教育 内容 の検討. (そ. の 2). の援助」で の具体 的な学習内容 は,清 拭 ,足 浴 ,洗. 目指 して作成 した ものである。 したがって,こ こでは. 髪,陰 部洗浄,「 食事 の援助」での具体的な学習内容. 1)「 看護実践能力 の状況」 を評価 の視点 とす る。 ま. は,食 生 活支援 ,食 事介助 ,「 排泄 の援助」 での具体. た,看 護技術 は,教 員側 が懸命 に課題 を組み立てて も. 的な学習内容は,自 然排泄 の援助 (便 器,尿 器 を用 い. 学生 自身が 自己研鑽 を積 まなければ身につ けることが. た援助),オ ム ッ交換 である。 での学 び. 難 しい。 よって,本 モデルに基づ く教育 を評価するに あた つては,2)「 学習へ の取 り組みやす さ」 も重要 と. を基 に,臨 地での 『基礎看護学実習 I』 を体験 してい. なるため,こ の視点 も評価 に加 えた。評価の視点 の詳. る。その 中で,患 者 は,そ の人その人の人生 を生 きて い る生活者 であ り,看 護師 は,そ の人に固有である生. 細 を表 1に 示す とともに,以 下に説明する。. 学生 たちは,『 レベ ル I』 『看護学概論. I』. 1)看 護実践能力の状況 に関す る評価. 活 の流れを保 ち,生 活者 としてよ りよ く生 きてい くこ. 「看護実践能力 の状況」 は,(1)看 護技術 の習得状. とを支えてい るのだとい うことを実感 してい る。 レベ. 況についての自己評価 ,(2)実 践力確認テス トによる. ル Ⅱでは,こ れ らの学 びが具体的な援助 の 中に生か さ. 評価 ,(3)看 護技術 の基軸に関する理解 の深 まりとい. れるように学習 をすすめてい く。具体的には,生 活者. う 3つ の視点で評価 した。. 像がイメージ しやす い事例 を提示 し,ア セスメン トに. (1)看 護技術 の習得状況 についての自己評価. 基づいてケアプランを立案 し,援 助 を実施するとい う. 看護技術 の習得状況 に関する学生の 自己評価 は,本. プロセス を学べ るようにす る。 レベ ルⅡにお ける実践力確認テス トでは,ベ ッ ド上 安静状態 にある患者 に対す る清潔 の援助 (全 身清拭. ,. 洗髪,足 浴)を 設定 し,援 助 の実施 だけではな く,ア. 学基礎看護学 で作成 した「看護技術 を評価するための ° 目的 7つ の視点」 ① ,必 要性 ,実 施方法 の理解 ,② 必 の 要な援助 判断,③ 説明 と了解 ,④ 原則 に基づいた準. セスメン ト,ケ アプラ ンの立案 とい う思考過程 も評価. 備 ,施 行 ,後 始末の実施,⑤ 対象者 の反応 を確認 しな が ら安全 ・安楽 に実施 ,⑥ 倫理的配慮,⑦ 実施 した技. の対象 とす る。. 術 の評価 ,そ れぞれに対 して,「 かな りあて は まる」 か ら「あてはまらない」 までの 5段 階 リッカー ト尺度 Ⅲ .研 究 方 法. を用 いて評価 した。「かな りあてはまる」 を 5点 ,「 あ てはまらない」 を 1点 とし,各 回答 を 1∼ 5点 に換 算. 1.研 究デザ イ ン. した。. 本研 究 は,本 学基礎看護学 で独 自に作 成 した 『基礎 看護技術学習 の道 じるベ モ デル』 の評価研 究であ る。. (2)実 践力確認テス トによる評価 前述 の「看護技術 を評価するための 7つ の視点」に 沿 って評価基準 を作成 し,学 生の看護技術 の実践状況. 2.対 象者. を教員が評価 した。100点 満点中,90点 以上 を AA,80. 『基礎 看護技術 学 習 の 道 じるベ モ デル』 にお け る レ ベ ル I,Ⅱ の学習 を終 えた. A大 学看護学科 の学 生 H4. ∼89点 を A,70∼ 79点 を B,60∼ 69点 を cと した。 得点 が 60点 に満たない場合 は,不 合格 とし,再 試験 を実施 した。再試験 をクリア した場合 は,評 価 を 60. 名 を対 象 と した。. 点,Cと した。. 3.評 価 の視点. (3)看 護技術 の基軸に関する理解 の深 ま り. このモ デルは,学 生 の看護実践 能力 を高 め る こ とを. 表. 1. 本 モデルで看護技術 の基軸 として設定 した,① 「生. 評価 の視 点 と調査方法. 評価 の視 点. 1)看 護実践能力 の状況. (1)看 護技術 の習得状況についての自己評価 (2)実 践力確認テス トによる評価 (3)看 護技術 の基軸 に関する理解の深 ま り. 調査 方法 質問紙調査 授 業時 間内 に技術 テ ス トを実施 質問紙調査. ① 「看護 の対象者である生活者の理解」の深 まり ② 「看護技術 の コア」に関する学習の深 まり. 2)学 習へ の取 り組 みや すさ. 学習 の広が りを考慮 した学び方に関する評価 質問紙調査 ① 「易」か ら「難」へ の看護技術 の発展 ② 「高 い健康 レベ ル」か ら「低 い健康 レベ ル」へ の発展 (2) 実践力確認テス トに関する有効性 質問紙調査 (1).
(4) リハ ビリテー シヨン学編 (20H年 3月. 活者 としての対 象者」理解の深 まりと② 「看護技術 の コア :安 全 0安 楽 ・自立 (自 律 )・ その人らしさ」 に 関す る学習 の深 ま りについて,「 とて も深 まった」 か ら「全 く深 まってい ない」 までの 5段 階 リッカー ト尺. ). 人が 特 定 され るお そ れ の な い こ とを説 明 した。 質 問紙 の 提 出 を も って 研 究 参 加 へ の 同意 とみ な した。 本研 究 は 研 究者 が所 属 す る大 学 の 倫 理 委 員 会 で 承 認 を受 け て 実 施 した。. 度を用 いて測定 した。. Ⅳ。 結. 2)学 習への取 り組みやすさに関する評価 「学習へ の取 り組 みやす さ」 は,(1)学 習 の広が り を考慮 した学 び方に関す る評価,(2)実 践力確認 テス トに関する有効性 の 2つ の視点で評価 した。. (1)学 習の広が りを考慮 した学び方に関する評価 学習の広が りを考慮 して設定 した,① 「易」か ら 「難」へ の看護技術 の発展 と,② 「高い健康 レベ ル」 から「低い健康 レベル」への発展 とい う学び方につい. 果. H4名 に配布 し,留 置 き法 で回 収 した。回収数は Hl部 (回 収率 97.3%),有 効 回答 は lH部 (100%)で あ った。 質問紙 は調査対象者. 1.看 護実践能力の状況 に関す る評価 1)看 護技術 の習得 についての自己評価 以下 に,看 護技術 の習得 に関す る学 生 の 自己評価. て,「 とても効果的であった」から「全 く効果的では なかった」までの 5段 階リッカー ト尺度を用いて評価. を,「 看護技術 を評価す るための 7つ の視点」 に沿 っ. した。. て,学 習単元毎 に示す。. (1)レ ベ ル I一「療養生活環境 の調整」. (2)実 践力確認 テス トに関する有効性 各 レベ ルの終了時 に,看 護技術 の習得状況 を確認す るために設けた「実践力確認 テス ト」 の有効性 につい. 「療養生 活環境 の調整」 に関す る看護技術の習得 に ついての自己評価は,① 目的,必 要性 ,実 施方法 の理. て,「 とて も効果的で ある」か ら「全 く効果的ではな. 解. い」 までの 5段 階 リッカー ト尺度 を用 いて測定 した。. ③説明 と了解. また,そ の理 由を自由に記載 して もらった。. 施行,後 始末の実施. :4.5± 0.67点 ,② 必要な援助の判断 :4.1± 0.79点 :4。 1±. ,. :4。 3±. 0。. 71点 ,⑤ 対象者の反応. を確認 しなが ら安全 ・安楽 に実施. 4.調 査方法 レベ ル I,Ⅱ が終了 した 2年 次 4月 に質問紙調 査 を. 4.0±. 0。. :4.0±. 0。. :4。 2±. 0.75点. ,⑥. 77点 ,⑦ 実施 した技術 の評価. 79点 であった. (図. :. 1)。. 自、 」 (2)レ ベル I一「1舌 動 と休′. 実施 した。 ただ し,1)一 (2)実 践力確認 テ ス トに よる評価 につ い ては,授 業 時間内 (1年 次 9月. 倫理的配慮. ,. 0.82点 ,④ 原則に基づいた準備. ,12月 )に 実施 した. 技術 テ ス トの結果 を用 い た。. 「活動 と休虐、 」に関す る看護技術の習得についての 自己評価 は,① 目的,必 要性 ,実 施方法の理解 :4.3 ± 73点 ,② 必要な援助の判断 0。. 明 と了解. 5.分 析方法 各項 目につい て記述統計 を行 った。 また,レ ベ ル I 終了時 とレベ ル Ⅱ終 了時 における 「看護 の対 象者 で あ る生 活者 の 理解 」 の深 ま り と,「 看護技 術 の コ ア 」 に 関す る学 習 の 深 ま りの 変 化 をみ るた め に ,Wilcoxon. :4.2±. 0。. :4.2±. 0。. 77点 ,③ 説. 85点 ,④ 原則に基づいた準備,施. ,⑤ 対象者の反応 を 確認 しながら安全 ・安楽 に実施 :4.2± 79点 ,⑥ 倫 理的配慮 :4.1± 0.81点 ,⑦ 実施 した技術の評価 :4。 行,後 始末の実施. :4。 1±. 0.82点. 0。. 1. ± 79点 であった (図 2)。 「食事の援助」 (3)レ ベルⅡ一 0。. を用 い ,p<0.05を 有意差 あ りと した。 自由記 載 の 項. 「食事 の援助」に関す る看護技術の習得 についての 自己評価 は,① 目的,必 要性 ,実 施方法 の理解 :4.6. 目に関 して は ,記 述 内容 の 共 通性 に注 目 し,分 類 し. ± 63点 ,② 必要な援助の判断. た。. 明 と了解. 6.倫 理 的配慮. 行,後 始末の実施 三4.4± 64点 ,⑤ 対象者 の反応 を 確認 しなが ら安全 ・安楽 に実施 :4.4± 74点 ,⑥ 倫. の 符号付 き順位 検 定 を行 った 。分析 には SPSS 15。 OJ. 0。. :4。 3±. 0。. :4.2±. 0。. 77点 ,③ 説. 75点 ,④ 原則に基づいた準備,施 0。. 対 象者 には口頭 と文書 で研究 の研究 目的,内 容 ,研 究 へ の協 力 は 自由意思 に よる もので あ り,協 力 しな く て も不利益 を受 ける こ とは一 切 な い こ と,特 に,成 績 評価 とは無 関係 で あ る こ と,回 答 は無記名 であ り,個. 0。. 88点 ,⑦ 実施 した技術 の評価 :4.2 理的配慮 点 ±0.81点 であった (図 3)。 :4。 1±. 0。. 「清潔の援助」 (4)レ ベルⅡ一 「清潔の援助」に関す る看護技術 の習得 についての.
(5) 他 :看 護実践 能力 を高 め る基礎 看護技術教育 内容 の検討. 重松 豊美. (そ. の 2). 55. 目的、必要性 、実施方法の理解 必要な援助 の判 断 説明と了解 原則に基 づいた準備、施 行、後始末の実施 対象者 の反応を確認しながら安全・安楽 に実施. 倫理的配慮 実施した技術の評価. 01234 図. 5(点. ). 5(点. ). 1「 療養生活環境 を整 える」技術 の 習得 に関す る学生 の 自己評価. 目的、必要性、実施方法の理解 必要な援助 の判 断 説明と了解 原則に基 づいた準備、 施 行、後始末の実施 対象者 の反応を確認しながら安全・安楽 に実施 倫理 的配慮 実施 した技術 の評価. 01234 図 2「 活動 と休′ 自、 」 の援助技術 の習得に関する学生 の 自己評価. 目的、必要性 、実施方法の理解 必要 な援助 の判 断 説明と了解 原則に基 づいた準備、施 行、後始末の実施 対象者の反応を確認しながら安全・安楽 に実施 倫理 的配慮 実施 した技 術 の評価. 01234. 5(点 ). 図 3「 食事 」 の援助技術 の 習得 に関す る学生 の 自己評価. 目的、必要性 、実施方法の理解 必要な援助の判 断 説明と了解 原則 に基づいた準備、施 行、後始末の実施 対象者 の反応を確認 しながら安全・安楽に実施 倫理 的配慮 実施 した技術の評価. 01234. 5(点. ). 図 4「 清 潔」 の援 助技術 の 習得 に関す る学 生 の 自己評価. 自己評価は,① 目的,必 要性,実 施方法 の理解 :4。 6 ±0.63点 ,② 必要な援助の判断 :4.5± 0.69点 ,③ 説. ,④ 原則に基づいた準備,施 行,後 始末の実施 ,⑤ 対象者の反応 を ・ 確認 しなが ら安全 安楽に実施 :4.5± 69点 ,⑥ 倫 明 と了解. :4.5± 0.66点. :4.5± 0.65点. 0。. 理的配慮 :4.3± 78点 ,⑦ 実施 した技術の評価 :4.4 点 ±0.78点 であった (図 4)。 0。. 「排泄の援助」 (5)レ ベルⅡ一 「排泄の援助」に関す る看護技術 の習得についての 自己評価は,① 目的,必 要性 ,実 施方法の理解 :4.4.
(6) 看護学 ・ リハ ビ リテ ー シ ヨン学編. 甲南女子大学研 究紀 要第 5号. 56. (20H年 3月. ). 目的、必要性 、実施方法 の理解 必要な援助 の判断 説明と了解 原則 に基づいた準備、施 行、後始末 の実施 対象者 の反応を確認しながら安全・安楽 に実施. 倫理的配慮 実施した技術の評価. 01234. 5(点. ). 図 5「 排 泄」 の援助技術 の習得 に関す る学生 の 自己評価. ± 76点 ,② 必要 な援助 の判断 :4.2± 0.78点 0。. 明 と了解. :4。. 1±. ,③ 説. 0.83点 ,④ 原則 に基 づい た準備 ,施. ,⑤ 対象者 の反応 を 確認 しなが ら安全 ・安楽 に実施 :4.2± 0.88点 ,⑥ 倫 理的配慮 :4。 1± 0.84点 ,⑦ 実施 した技術 の評価 :4。 2 行 ,後 始末 の実施. :4。 2±. 点 ±0.84点 であ った. (図. 0.86点. ■ AA:90点 以上. ZA:80∼ 89点 □ B:70∼ 79点 目 C:60∼ 69点. 5)。. 2)実 践力確認 テス トの結果. n=112. レベ ル Iの 実践力確認 テス トでは,ベ ッ ド上安静状. 図 6 実践 力確認 テ ス トの結果. 態 にある患者に対するシー ツ交換 を行った。本試験 で. :. シー ツ交換. の合格者 は,73名 (65.2%)で あ つた。評価が 60点 に満たなか った 39名 (32.0%)に 対 して,再 試験 を 行 い,レ ベ ル Iの 技術 に関 しては,全 員が一定 の実践 能力 の基準 をクリアで きた。最終的な評価 は AAが 55. 1%),Aが 13名 (H.6%),Bが 2名 %),Cが 55名 (37.5%)で あつた (図 6)。. 名. (49。. (1.8 ■ AA:90点 以上. ZA:80∼ 89点 □ B:70∼ 79点 目 C:60∼ 69点. レベ ルⅡの実践力確認 テス トでは,ベ ッド上安静状 態 にある患者 に対す る清潔の援助 (全 身清拭 ,洗 髪 足浴 )を 行 った。本試験 での合格者は,109名. %)で あった。評価が 60点 に満たなか った 3名 (2.7 %)に 対 して,再 試験 を行 い,レ ベ ルⅡの技術 に関 し て も,全 員 が一定の実践能力 の基準 をクリアで きた。 最終 的 な評価 は. AAが. 63名. (56。. 3%),Aが. (32.1%),Bが 7名 (6.3%),Cが 6名 った. (5。. n=112. ,. 図 7 実践 力確 認 テ ス トの結果 :清 潔 の援助. (97.3. 36名. 4%)で あ. い う人が 50名 (45.0%),「 少 し深 まった」 とい う人 が 57名 (51.4%)で あ り,95%以 上の人が 「深 まっ た」 と回答 していた。 レベ ル I終 了時 とレベ ルⅡ終了 時を比較す ると,レ ベ ルⅡ終了時では,理 解が深 まっ た とい う人の割合が有意 に増加 して い た (p<0。 01). (図 7)。. 3)看 護技術 の基軸に関する理解の深 まり 本モデルでは,看 護技術 の基軸 を「看護の対象者 で ある生活者」の理解 と「看護技術 の コア :安 全 ・安楽 ・ 自立 (自 律 )・ その人 らしさ」 に関す る理 解 の 2つ. (図. 8)。. また,看 護技術 の コアである「安全 ・安楽 ・ 自立 律 )・ その人 らしさ」の学習 の深 ま りに関 して も レベ ル I終 了時 と,レ ベ ルⅡ終了時では差が あるか ど. (自. ,. うか を分析 した。そ の結果 ,レ ベ ル I終 了時 で は. としてい る。 まず ,「 看護 の対象者 で ある生活者」 の理解 の深 ま りに関 して,レ ベ ル I終 了時 と,レ ベ ルⅡ終了時では. ,. 「 とて も深 まった」 とい う人が 15名 (13.5%),「 少 し. 差があるか どうかを分析 した。その結果,レ ベ ル I終. 深 まった」 とい う人が 75名 (67.6%)で あ つた。 レ ベ ルⅡ終了時では,「 とて も深 まった」 とい う人が 71. 了時では,「 とて も深 まった」 とい う人が 17名. 名 (64.0%),「 少 し深 まった」 とい う人が 36名. (15.3. (32.4. %),「 少 し深 まった」 とい う人が 67名 (60.4%)で. %)で あ り,こ ち らも 95%以 上の人が「深 まった」. あ った。 レベ ルⅡ終了時 では,「 とて も深 まった」 と. と回答 していた。.
(7) 重松 豊美. 他 :看 護実践 能力 を高 め る基礎 看護技術教育 内容 の検討. (そ. の 2). 57. レベルI終 了時 ■とても深まった. %少 し深まった □ どちらとも言えない ■あまり深まっていない 目全 く深まっていない □ 無 回答. レベルⅡ終了時 中 中 中. p<0001. wncoxonの. 0%. 40%. 20%. 図 8 看護技術 の コ ア (安 全. 60%. 80%. 1000/O. 符号付順 位検. n=111. 安 楽 。自立 。その人 ら しさ) に関す る理解 の深 ま りの変化. レベルI終 了時 ■ とても深まった %少 し深まった □ どちらとも言 えない ■あまり深まっていない 目全 く深まっていない □ 無 回答. レベルⅡ終了時 ⅢⅢ. p<0001. wncoxonの 符号付順位検. 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 100%. n=111. 図 9 看護 の対 象者 であ る生活 者 につ い ての学習 の深 ま りの 変化. レベ ル I終 了時 とレベ ルⅡ終了時を比較す ると,レ ベ ルⅡ終了時では,学 習が深 まった とい う人の割合が 有意に増加 していた. (p<0。. 01)(図. 9)。. 2.学 習 への取 り組みやす さに関す る評価 1)学 習 の広 が りを考慮 した学習 レベルの設定 に関 する評価 学習 の広 が りを考慮 し,看 護技 術 を「易 」 か ら 「難」へ と発展的に学べ るように,学 習 レベ ルを設定 した ことに関 しては,78名 (70.8%)の 人が「 とて も. ■ とて も効果的 で あ った 多 少 し効果的 で あ った □ どち らとも言 えない ■ あ ま り効果 的 で はな か った 目 全 く効 果的 で はな か った. n=111. 図 10「 易」か ら「難」へ とい う技術 の学 び方 につい ての評価. 効果的であ った」,31名 (27.9%)の 人が 「少 し効果 的であ った」 と評価 していた (図 10)。 また,「 高 い健康 レベ ル」か ら「低 い健康 レベ ル」 へ と発展的に学べ るよ うに学習 レベ ルを設定 し,「 高 い健康 レベ ル」の対象者へ の援助か ら学習 をスター ト させた ことに関 しては,64名 (57.7%)の 人が とて も 「効果的であ った」,39名 あつた」 と評価 していた. (35。. 1%)が 「少 し効果的で. (図 H)。. 2)実 践力確認テス トに関する有効性 の評価 実践力確認テス トを設けた ことが効果的であった と. 思うかという問いに対 しては,「 とても効果的だと思. ■ と て も効 果 的 で あ っ た. %少. し効 果 的 で あ っ た. □ ど ち ら と も言 え な い ■ あ ま り効 果 的 で は な か っ た 目 全 く効 果 的 で は な か っ た. n=111. 図 11 高 い健康 レベ ルか ら低 い健康 レベ ルヘ とい う 技術 の学 び方についての評価.
(8) 甲南女子大学研究紀要第 5号. 58. 看護学 ・ リハ ビ リテーシ ョン学編 (20H年 3月. 断 し,安 全 0安 楽 ・ 自立. (自. ). 律 )・ そ の 人 ら しさを考. 慮 して実践 す る能力」 と捉 えてお り,「 看護 の 対 象者 で あ る生活者 の 理解」 と「看護技術 の コアであ る安全 ・安 楽 ・ 自立 ■ とて も効 果 的 だ と思 う. %少. ル』 の 2つ の基 軸 と して設定 した。. ■ あ ま り効 果 的 だ と思 わ な い □ 全 く効 果 的 だ と思 わ な い. レベ ル I終 了時 とレベ ル Ⅱ終 了時 の「看護 の対 象者. □ 無回答. で あ る生活者 の理 解」 と「看護技術 の コアであ る安全. n=111. 12. 律 )・ そ の人 ら しさの理解 」 を今 回. 作 成 した 『基礎 看 護技 術 学 習 の ため の 道 じるベ モ デ. し効 果 的 だ と思 う. □ どち ら と も言 え な い. 図. (自. ・安 楽 ・ 自立. 実践力確 認 テ ス トを設 けた こ とに関す る効果. (自. 律 )・ そ の 人 ら しさ」 に関 す る学 習. の深 ま りを比較 した結果 ,ど ち らとも,レ ベ ル I終 了. う」 とい う人が 55名. (50。. 9%),「 少 し効果的だ と思. う」 とい う人が 36名 (33.3%)で あ つた. 時 に比 べ て ,レ ベ ル Ⅱ終了時 の 方が有意 に理 解が深 ま っていた ことが分 か った。 この こ とか ら,看 護技術 を. (図 12)。. 実践力確認 テス トを設けた ことが効果的であつた と. 手順 や手技 と してで はな く,看 護 の受 け手 となる対 象. 思 う理由についての 自由記載 の内容 は,「 テ ス トがあ. 者 に対す る個別的 ,具 体 的 な配慮 に基 づ き,そ の 時 々. ることによって,何 度 も繰 り返 し自己学習 を したか. の状況判 断 を下 しなが ら安全 に,安 楽 に看 護技術 を実. ら」が最 も多か った。その他,「 練習す ることによつ. 施 して い く力が徐 々 に学生 の 中に育 って きて い る と解. て,上 達 で きた し,た くさん練習す る中で,い ろい ろ. 釈 で きる。 また ,実 践力確 認 テ ス トを設 けた こ とが 効. な工夫や注意点などを発見で きるようになった」,「 事. 果 的 で あ った と考 え る理 由 と して挙 げ られ て い た. 例 の患者に対する援助 を深 い所 まで考えた」,「 自分 た. 「事 例 の患者 に対 す る援助 を深 い所 まで考 えた」,「 自. ちで どのように援助するのが よいのかについて考 える. 分 たちで どの よ うに援助す るのが よいの か につい て考. 良い機会 になった」,「 技術 テス トがある ことで,患 者. える良 い 機 会 になった」,「 技術 テ ス トが あ る こ とで. にとって心地 よい と感 じて もらえる援助が どうい うこ. 患者 に とって心 地 よい と感 じて もらえる援助が ど うい. となのか分か った」,「 自分がで きてい ない部分 に気づ. う こ となのか 分か った」 とい う記述 も,手 順 や手技 の. くことがで きた」 とい う回答があ った。. 習得 と してで はない ,看 護実践 能力 の 高 ま りと して捉. ,. ,. える こ とがで きる。. V.考. 次 に,看 護実践 能力 を学生 の 自己評価 と実践力確 認. 察. テ ス トの結果か ら見 てみ る。 看護実践 能力 に関す る 自 今 回我 々が構 築 した ,『 基礎 看護技 術学習 の 道 じる. 己評価 が ,全 ての 学 習単元 にお い て ,5点 満 点 中 ,4. ベ モ デ ル』 の特徴 は,単 に,技 術項 目毎 に教授 方法や. 点以 上 とい う高得点 で あ った こ と,レ ベ ル I,レ ベ ル. 学習順 序 を検討 したので はな く,看 護実践能力 を どう. Ⅱ終 了時 に実施 した実践力確 認 テ ス トに全員が合格 し. 捉 えるか とい う こ との検討 か らス ター トし,そ の 考 え 神 方 を基軸 と して学 習 の 深 ま りと広 が りを考慮 した と. た (再 試験 に よる合 格 を含 む )こ とか ら,学 生 た ち. ころに あ る。本研 究 で は ,学 習 レベ ル I∼ Ⅳの うち. こ とがで きて い る と捉 える こ とがで きる。. ,. は,現 時点 で一 定 レベ ルの看護実践 能力 を身 につ け る. レベ ル I,Ⅱ が修 了 した時点で ,本 モ デルに基 づ く教. 2)実 践 力確認 テ ス トを設 けたこ とによる効果. 育 の適 切性 を評価 す るための調 査 を行 った。以下 に. 看護 実践 能力 を身 につ け る とい う こ とに 関 して は. ,. ,. 本 モ デ ル に基 づ く教 育 の 適切性 につ い て ,「 看護 実践. 本 モデルにお い て ,各 レベ ルの終了時 に設 け た実践力. 能力 の状 況」 と「学習 へ の取 り組 みやす さ」 の視点か. 確 認 テ ス トの効果 も大 きい と考 え られ る。実践力確 認. ら考察 して い く。. テ ス トを設 けた こ とに関 して は ,8割 以上 の人が 効果 的 で あ る と考 えて い た。その理 由 と して最 も多か った. 1.看 護 実践能 力 の状況 について 1)手 順 や手技 の 習得 と してで はない,看 護 実践 能 力 の高 ま り. もの は ,「 テ ス トが あ る こ とに よって ,何 度 も繰 り返 し自己学習 を したか ら」であ った。 この よ うに,テ ス トに向 けて繰 り返 し自己学習 に取 り組 む中で ,一 定 の. 本 モデルに基 づ く教育 で 目指す ところは,看 護実践. 実践 能力が 身 につ い て い つた こ とが 分 か る。 様 々 な大. 能力 の 向上 で あ る。我 々は,看 護実践 能力 を「看護 の. 学 の看護技術教育 の状況 を見 る と,演 習 の 時 間的 な制. 対象者 を生活者 と して捉 え,そ の 人に沿 った看護 を判. 約が あ るため ,演 習時間内 に学生が技術 を体験 で きる.
(9) 重松 豊美. 他 :看 護実践 能力 を高 め る基礎看護技術教 育 内容 の検討. (そ. の 2). 59. 回数 は,1∼ 2回 程度である'と い うことが明 らかにな. ない とい うことが分かる。そのような中で,レ ベ ルⅡ. っている。本学で もこの状況は同様である。 しか し. の段階で この到達 目標 を目指 してい ることは,『 基礎. 看護技術 は,原 理 さえ教 えればあ とは 自分 でやれると. 看護技術学習の道 じるベ モデル』 に基づ く教育 の特徴. い うことではな く,反 復 トレーニ ングしなけれ ば,身 に付かない°とい う個人的な技能 としての側面 も持 ち. である。そ して,先 に述べ たように,実 際に学生たち. ,. はこの レベ ルに到達 で きてい ると評価で きる。. 合わせてい る。 各 レベ ルの終了時に実践力確認テス トを設けた こと. 2.学 習への取 り組みやす さについて. は,自 己学習に対するモチベ ー シ ョンを高め,看 護技. 看護技術 をどの ような順序 で学 んでい くことが学生. 術 の反復学習につ ながってい る。それによって実践力. にとって効果的なのか とい うことは,看 護技術 を教授. 確認テス トに合格 した ことは,学 生の 自信 とな り,看 護実践能力に関する高 い 自己評価 として現れてい ると. す る者 にとっての大 きな関心事 であ り,こ れまで も各 大学 で さまざまな検討が なされて きた。『基礎看護技. 考 えられる。. 術学習 の道 じるベ モ デル』 では,「 易」 か ら「難」 ヘ. 3)技 術 の到達 目標 か らみた,『 基礎看護技術学習の 道 じるベモデル』 に基づ く教育の特徴 ここでは,技 術 の到達 目標 とい う視点 で,『 基礎看. の看護技術 の発展 と,「 高 い健康 レベ ル」か ら「低 い 健康 レベ ル」へ の発展 とい うように,学 習の広が りの. 2つ の発展軸 を考慮 し,そ れに基 づ き,学 習テーマ を. 護技術学習 の道 じるベ モデル』 に基づ く教育 の特徴 を. 抽 出 し,レ ベ ル設定 を してい る とい う特徴 があ る"。. みてい く。岡村 ら"は ,各 大学 の演習時間内で の各技. また,看 護技術 を身につ けるためには,学 生 自身の 自. 術 の到達 目標 を調査 し,「 知識」「理 解」「応 用」「分. 己研鑽が必要 であるため,看 護技術 の学習モデルを構. 析」 の 4段 階に分類 した。 ここでの「知識」の段階 と. 築す る際には,そ れが学生にとって,取 り組みやす い. は,技 術 とそのポイン トを知 ること,「 理解」の段 階. ものであるか どうか とい う視点での評価 を外す ことは. とは,手 順 ,デ モ ンス トレー シ ョンにそ って実施 で き. で きない。. ること,「 応用」の段 階 とは,技 術 の一 部 を応用 し 実施 で きる こと,「 分析」 の段階 とは,対 象者 の個別. 「易」 か ら「難」へ の看護技術 の発展 に関 しては レベ ル Iで は,(環 境 を整える〉「動 く,眠 る」 を学習. 性やおかれた状況に対 し,思 考過程 を踏んで援助技術. テーマ とし,手 洗 い,ベ ッドメーキ ング,体 位変換 な. を考え実施 で きることを指 してい る。 『基礎看護技術学習の道 じるベ モ デル』 の レベ ル I. どの看護技術 の基盤 となる,あ まり複雑 ではな く易 し い看護技術 の学習か らスター トさせた。そ して,レ ベ. は,看 護技術 を原則 に沿 って,安 全 ,安 楽に実施する. ル Ⅱでは,〈 生理的 ニー ドを整 える〉「清潔 ,食 ,排. ことを 目指 してお り,到 達 目標 は,「 理解」∼「応 用」 の段階に該当する。 また,レ ベ ルⅡでは,全 ての学習. 泄」 を学習テーマ とし,や や複合的で難 しい看護技術 の学習へ とステ ップアップさせた。「高 い健康 レベ ル」. 単元 の演習において,事 例 の患者 に対 しての援助 を思. か ら「低 い健康 レベ ル」へ の発展 に関 しては,レ ベ ル. 考 しなが ら実践 で きるとい うレベ ル を求め,実 践力確 認テス トで もこの レベ ルを 目指 してい ることか ら,到. I,レ ベ ルⅡでは,高 い健康 レベ ルでの学習 を設定 し た。特 に,解 剖学や生理学,疾 病治療論な どの学習が 進んでい ない レベ ル Iの 段階では,学 生同士がお互 い の身体 を用 い,高 い健康 レベ ルの対象者に対す る援助. ,. 達 目標 は,「 分析」 の段階に該当す る。 レベ ル Ⅱの学 習テーマである (生 理的ニー ドを整える〉「清潔,食. ,. ,. 排泄」に関す る技術項 目の到達 レベ ルをと りあげてみ. を学ぶ ことか ら学習 をス ター トさせ ることが必要 と考. ると,岡 村 ら'の 調査結果では,「 分析」 の段階を到達. えたか らである。そ して,レ ベ ルⅡでは,生 活者 とし. 目標 としている大学 は全 身清拭 で 34校 中 6校. ての対象者理解の観点か ら援助の根拠 を思考 し,実 施. %),床 上排泄 の援助 で 4校. (17.6. (H.8%)で あ り,最 も. で きる事例 を提示 しなが ら学習 を進め る とい う よ う. 多 か った食事介助 で も 8校 (23.5%)に 留 ま ってい. に,学 習 レベ ルが高 くなることに伴 い,広 が りを持 た. た。 この結果か ら,「 分析」 の段階,つ ま り,2009年. せた。. 度改正 カリキュラムで 目指 してい る,手 順や手技 の習. これ らの ことは,学 習が進 むにつ れ,単 に手技が複. 得 ではな く,看 護 の受け手 となる対象者 に対する個 別. 雑 になってい くとい うことだけを意図 してい るのでは な く,生 活者 としての対象者理解 と看護技術 の コアに. 的,具 体的な配慮に基づ き,そ の時 々の状況判断を下 しなが ら安全 に,安 楽 に看護技術 を実施で きるJと い うことを到達 目標 としてい る大学 は現時点ではまだ少. 関す る理解の レベ ル も深 めて い くことを意 図 して い る。 つ ま り,レ ベ ル Iで は,看 護技術 の コアの中で.
(10) 甲南女子大学研究紀要第 5号. 看護学 ・ リハ ビ リテー シ ヨン学編 (20H年 3月. ). も,特 に,原 則 に沿 つて 「安全 に」「安 楽 に」 とい う. る"と い う特徴所 以である。 したが って,看 護実践能. こ とを,自 分 の 身体 を用 い て ,感 じ,考 えなが ら実施. 力 を高めるためには,「 技能」,つ まり,個 人の経験 の. で きる こ とを 目指す レベ ルで あ るの に対 して ,レ ベ ル. レベ ル としての Skillを 反復学習 によって向上 させ る. Ⅱで は,事 例 の患者 に対 して生理 的 ニー ドを充足 させ. ことも必要である。 これは,初 学者が看護技術 を習得. るための援助 を思考 しなが ら実践す ることで ,生 活者. してい くプロセスの特徴 で もある。 また,こ こで注 目. と して の そ の人 を理解 し,そ の 人 に とっての 「安 全 」 「 安 楽」 を考 えて援助 す る こ と,ま た レベ ル Iで は 求. すべ きことは,学 生たちは実践力確認テス トに向けて の 自己学習 の 中で,「 事例 の患者 に対す る援助 を深 い. 律 )」 や 「 そ の 人 ら しさ」 に つ. 所 まで考えた」,「 自分 たちで どの ように援助するのが. い て も考慮 しなが ら援助す るこ とを学 んで い くとい う. よいのかについて考 える良い機会になった」 とい う学. よ うに ,徐 々 に学 習 が発 展 して い く構 造 に な って い. びをしていた とい うことを述べ たように,手 順や手技. る。. を繰 り返すだけの反復学習 をしていたのではない とい. め なか った「 自立. (自. このような「易」から「難」への看護技術の発展 「高い健康 レベル」か ら「低い健康 レベ ル」への発展 とい うように,学 習が段階的に発展 し,広 がってい く. うことである。反復学習の中で,そ の人にとってよ り. とい う学 び方についての学生の意見をみてみる と,9. 考え られる。その ような学習が可能 となるのは,本 モ デルでは,生 活者 としての対象者理解 と看護技術 の コ. ,. 割 以上 の 人が効 果 的 で あ つた と評価 して い た。 また. ,. よい援助 を思考 し,判 断す る とい う学 び を深 めて い く。それは,こ のモデルに基づ く学習の特徴 であると. 前述 した よ うに,「 看護 の対 象者 であ る生活者 の理 解」. アに関す る理解 とい う 2つ の基軸 を明確 に打 ち出 して. と「看護技 術 の コ アであ る安全 ・安 楽 ・ 自立. い ること,そ して,そ れ らについての学習 を深め られ. (自. 律). ・そ の人 ら しさ」 に関す る学習 も徐 々 に深 まってい る. るような事例や,実 践力確認テス トを設定 してい るこ. こと,学 習 レベ ルが 高 くな る こ とで ,看 護実践 能力 の. とによって,学 生たちが 自ら学習に取 り組み,思 考 し. 自己評価 が低 くな る とい う こ とが なか った こ とか ら. なが ら看護技術 を学んでいける ような構造 になってい. も,本 モ デ ル にお け る学 習 テ ーマ と レベ ルの 設定 は. るためであると考 える。. ,. 学 生 に とって学 びや す い もので あ る とともに,学 習段. これ までに述べ て きたよ うに,『 基礎看護技術学習. 階 に合 わせ て学 び を深 めて い くこ とがで きる効果 的 な. のための道 じるベ モデル』 は,看 護実践能力 を高める. ものであ る と考 え られ る。. ことにおいて効果的な構造 になってい ると言える。 ま た,学 習へ の取 り組みやす さとい う点において も,無. 3.ま とめ. :『 基礎看護技術学習 の ための道. じるベ モデ. 理な く学習 を段階的に深めてい くことがで きる構造に なっていると評価 で きる。 また,本 モデルは,学 生の. ル』 に基 づ く教育 の適切 性 『基礎 看護技術学 習 の ための道 じるベ モデ ル』 に基. 看護技術習得 に対するモチベー シ ョンを高 める構造 に. づ く教育 で は,今 回改正 された ,新 カ リキ ュ ラ ムが 目. なってお り,看 護実践能力の向上に寄与 で きるもので. 指す ところで あ る,手 順 や手技 の 習得 で はな く,看 護. ある と考える。. の受 け手 となる対 象者 に対す る個 別的 ,具 体 的 な配慮 に基 づ き,そ の 時 々の状 況判 断 を下 しなが ら安全 に つ 安 楽 に看 護技術 を実施 で きる とい う こ とを大 事 に し. Ⅵ 。 本 研 究 の 限 界 と今 後 の 課 題. て い る。初 学者が看護技術 を身 につ ける プ ロセ ス にお. 今回報告 した結果は,レ ベ ル I,レ ベ ルⅡが終了 し た段階 における調査の結果である。『基礎看護技術学. ,. い て は ,こ の よ うに,「 思考 し,判 断 しなが ら援 助 が こ と も述 べ ておか なけれ ば な らな い 。「 手順 や手技 の. 習 のための道 じるベ モデル』 に基づ く教育 の適切性 を 評価するためには,全 ての レベ ルが終了 した段階での. 習得 で はな く,思 考 し,判 断 しなが ら援助がで きる こ. 分析が必要である。 よって,今 後 も継続 した調査 ,お. とを 目指す」 こ とと,「 技術 を反復学習す る」 こ とは. 一 見反対 の 方向 を 目指 して い る よ うに も見 えるが ,そ. よび評価 を行 ってい く予定 で ある。 また,『 基礎看護 技術学習のための道 じるベ モデル』 は,自 分が辿 って. うで はな い 。 それ は ,「 技術 」 は ,知 識 で あ る と と も. きた学習の道の りと,今 後進 んでい く方向性が はっき. に行 為 で あ るため ,技 術 を行 為 と して実践 す る際 に. りと確認で きる ようになってい るため,学 生たちが現. は,そ の人の「技 能」 に委ね られ るこ とになる とい う. 在 の 自分の立ち位置 を確認 しなが ら,学 習に取 り組 ん. よ うに,「 技 能」 と「技術 は」相 互 に 関連 し合 って い. でいける ような学習の「道 じるべ」になっていると考. で きる」 こ とに加 えて ,技 術 の 反復学習が必要 で あ る. ,.
(11) 重松豊美 他 :看 護実践能力 を高める基礎看護技術教育内容の検討 え る。 今 回 の 調 査 で は ,こ の 点 に 関 して の 評 価 を実 施 して い な い た め ,今 後 実 施 して い く予 定 で あ る。. :看 護基礎教育. の充実に関する検討会報告書 2007;厚 生労働省 :新 カ リキ ュ ラムがめ ざす こと,看 護教 .. 2)小 山具理子. 育 2007;48(7),555-562.. 3)服 部容子 ,重 松豊美 ,前 川幸子. :看 護実践能力 を高. める基礎 看護技術教育内容 の検討 (そ の 1)― 教授 内容 の精選 と構造化 の試み 一,甲 南女子大学研 究紀要 看 護 リハ ビ リテー シ ヨン学編 2010,第 5号 ,149-156。. 他 :基 礎 看 護 学 に. お け る基 礎 看 護 技 術 習 得 を 目指 した 「基 礎 看 護 技 術 経 験 録 」作 成 の 試 み ,甲 南 女 子 大 学研 究紀 要 看 護 リハ ビ リテ ー シ ヨン学編. 1)看 護基礎教育 の充実 に関す る検討会. の 2). 4)吾 妻 知 美 ,前 川 幸 子 ,重 松 豊 美. 5)岡 村 典 子. 引用 文献. (そ. 2009,第 3号 ,59-68。. :看 護 系 大 学 にお け る基礎 看 護 技 術 習 得 に. 向 け た教 育 に 関 す る検 討 ,日 本 看 護 学 教 育 学 会 誌 2009; 19(1), 13-26。. 6)川 島み ど り :未 来 の看 護 を [TE― ARte]す る 看 護基 礎 技 術教 育 の 温故 知新 ,看 護教 育 2010;51(1),1220。. 7)坪 井佳 子. 。松 田 たみ子. 護 技 術 の基 本 2007,4-5。. 第. 3版 ,ヌ. 編 :考 え る看 護 技 術. I. 看. ー ヴ ェ ル ヒ ロ カ ワ ,東 京. ,.
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では,訪問看護認定看護師が在宅ケアの推進・質の高い看護の実践に対して,どのような活動
性能 機能確認 容量確認 容量及び所定の動作について確 認する。 .
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