砥粒切れ刃の分布に基く研削の幾何学的考察
織
岡
貞
次
郎
Grinding Geometry Based on the Distribution
of Grain Tips
TeijroORIOKA
Synopsis
V。,i。u, exp・essi・n・hav・been d・・i・・d by Ald…Guest・Sat°・Shaw・0・°・and・ther…th・ 9,ai・d・p・h・f・u・and・h…ugh・ess・f fi・i・hed su「face in the g「inding°pe「at輌゜n・All・f th・・e 。xp,essi・n・a・e b・・ed・n・h・assump・i・n・・th・t・utting edges°f ab「asive g「ains a「e dist・ib・t・d ,。g。1。・ly…h・wheel…face and・h…ll g・ai” tips a「e a「「anged in the ideal・yli・d・i・al ,u,face, i.・. th・h・ight・・f th・g・ai・tip・are ex・・tly・°nstant・ The c。mp・t・d val…f・・m th・・e a・sumpti・n・differ f・°m the experiment・l val…by・ ,em。,k。bl・am・u…Th・difference b・tween the.the°「etical yalue and.the exp・・i…・・l valu, i, ext,em・1y l・・g… th…ughness・f fi・i・h・d・u・face・ Th。。,・h・a・th・・ex・mi・・d・h・tw・−dim…i・nal di・t・ib・ti・n・f g・ai・tip… th・ wheel,u,face, t・anSt…i・g th・p・・iti…fth・g・ai・tip… the gl・・“・pl・te c・ver・d with ,。。t. Thi, ex・minati・n・h・w・th・t・utti・g・dg…f・b・a・i・・g・ai・・a・e n・ver dist・ibut・d ,eg・1・・ly b・t th・t th・i・・w・−di…・i・nal di・t・ibuti°n「esembles cl°sely th・“・and・m distribution,,. And then, the grinding geometry was constructed on the basis of the assumptions・that the tw。−dim。n,i・nal di・t・ibuti・n・f g・ain tip・i・“・and・m di・t・ibuti・n”whi・h i・cl・・e t・th・ actual distribution, and that all grain tips are arranged in the ideal cylindrical surface・i・ 。.th。 h・ight・・f th・g・ai・tip・a・e ex・・tly・…t・・t・ln thi・c・mput飢i…th・th…eti・al 。xp,essi・n・w・・e・b・・i・・d・n・h…ughness・f fi・i・hed su「face・the dist「ib・ti°n°f・hip wid・h・ 、h, g,ai・d・p・h・f・u・,・h・m・an g・ai・d・p・h・f・ut・and et・・M°「e°ver・the m・ani・g・f・h・ di,t。nce b,tween・uccessive cutti・g P・int・・n th・whcel・u・face w・・cl・・ifi・d・ However, the theorctical expressions computed from the assumptions・that the two− dimensional distribution of grain tips is“random distribution,, and that the heights of the 9,ai・・ip・a・e exa・・ly・・n・tan…9ree wi・h・he experimental values t°s°me deg・ee・b・t th・y・an・・t p・・f・ctly・xpl・i・・he exp・・im・nt・1・e・・lts・ Th。n, th・in・qu・lity in th・h・ight・・f g・ai・tip・w・・t・k・n int…n・id・・ati・n・S・v・・aI ・ypes.・f di…ib・・i・n were assum・d f・・th・heights°f g「ai” tips・Thcy a「c(a)「cctangula「 distribution,(b)triangular distribution and(c)parabolic distribution・Theoretical expressions 。。th。,・ughness・f fi・i・h・d・u・face were d・・i・・d f…a・h typ・・f di・t・ib・ti…N・・− dim。n,i。nal・xp・essi・n・f・・th・…ghness・f fi・i・h・d・u・face were al…bt・i・・d・ Am。ng th・assum・d typ…fdi・t・ib・ti・n・th…ughness di・t・ib・ti…u・v・f・・th・p・・ab・li・ typ・・f di・t・ib・・i・・re・embl・・m・・t・1・・ely・h…ughness di…ib・ti・n・u・ve°f the a・tually P・・d。ced・u・f・cc i・・h・g・i・di・g・P・・a・i・n・1・・hi・p・・ab・li・type°f dist「ibuti°n f°「the h・ight・・f g・ai・tip・, th・・e a・e f・w g・ai・tipS・whi・h・・e ext・em・ly p・・jecting・ Assumi・g th・t th・tw・−dim・n・i・・al di・t・ib・ti・n・f g・ai・tip・i・…d・m・th・t the distribution of their heights is the parabolic distribution・of which the depth(Ho)is l∼4μ・ 131and that they are sharp at the point and the mean grain tip angle(25)is 136°∼157°(i. c. r=5∼10)・ the thcoretical expressions for the roughness distribution curve of finished surfacc coincide very well with the experimental results in the wet cylindrical grinding operation. As it is considered to be right that the actual distribution of thc heights of grain tips resembles closely the parabolic distribution, computations for this case wcre made in detail. It was found from these computations, that the relati皿betwccn the grinding conditions and the roughness of finished surface(Il rnts)is expressed as follows: H−一・328(七+;。)1/9(》2/9GC)2/9(÷)2/9 H・2/a This expression shows that the value of・Hi〕i・c・the degree of inequality in the heights of grain tips is the most important factor among the various factors which affect the roughness of finished su㎡ace in t】1e grinding operation. The effects of other grinding conditions than Ho are comparatively small in the directly geometrical meaning. However, it may be noticeable that the value of・Uo varies with these grinding conditions and accordingly thc roughness of finished surface is affected with them in this meaning. Now・the author examined the size distribution of chip width in the dry surface grinding operation・Also in this case, the assumption that the heights of grain tips are exactly constant cannot explain all the experimental results. However, assuming that the distribution of the heights of grain tips is the parabolic distribution with the depth Ho=2∼4μand thatγ=5・all the experimental results can be explained nearly satisfactorily, where it is necessary to have consideration for the effects of the.vibration between wheel and work. Finally・the actual distribution of the heights of the grain tips were cxamined with the aid of two methods:(1)The profile of the unevenness of wheel was obtained by a contact needle with the shape like chisel, and(2)thc profile of the scratches produced with grain tips of the wheel・which was pressed against an aluminum pl誕e, was found. It was verified in both methods・that the distribution of the heights of grain tips is nearly equal to the parabolic distribution as expected・for the grain tips playing an actual part in the grinding action, the depth of which is within several microns from the wheel surface. The conclusion of this study is expressed as follows:Under the fundamental assumption that the geometrical shape formed by paths of cutting edges of abrasive grains is equal. to thc shape of chips and grinding scratches・the theoretical expressions of the grinding geometry, constructed from the assumptions・that the two−dimensional distribution of sharp grain tips is random and that the heights of grain tips are never exactly c皿stant but the distribution of them is the parabolic dlstribution・which are nearly equal to the distribution of grain tips on the actual grinding wheel・can explain experimental results, the roughness of finished surface and etc・・quite satisfactorily・not only qualitatively but also quantitatively. 1.緒 昌 : 口 砥粒切込み深さの計算式についてはG.1.Alden以来 多くの提案がなされている。そのすべてが砥粒切れ刃は 砥石表面に一様に分布していると仮定している。したが つて計算式は平均としての砥粒切込み深さの値を与え る。又、研削仕上面あらさについての多くの理論式も、 砥粒切れ刃は等間隔に規則正しい配列をしていると仮定 している。更に切れ刃先端は理想的な円筒面内に配置さ れていると仮定している。しかし、砥石表面における砥 粒切れ刃の分布は不規則であり、その上砥粒切れ刃先端 の高さは多かれ少かれ不揃いである。 そこで、本研究に於ては先ず砥粒切れ刃の平面的分布 を測定しその分布がアトランダムに近い分布であること を確めた。次に、平面的にアトランダムに分布する砥粒 切れ刃の先端の高さが揃つていて理想的な円筒面内に配 置されていると仮定したときの研削仕上面のあらさ分布 曲線に対する理論式を確率論的な考え方を用いて導き出 した。更に、同様な考え方にょり研削切屑の巾・砥粒切 込み深さ等研削における幾何学的関係に関する重要な諸
砥粒切れ刃の分布に基く研削の幾何学的考察
量に対する理論式を導いた。その際、平均値だけでなく それらの頻度分布についての計算式をも導き出した。し かるに、これらの計算式は実測した研削仕上面のあらさ 分布曲線および研削切屑の大きさの分布とはかなり異つ た値を示す。その原因の中で最も重要なものは、砥粒切 れ刃の先端の高さが不揃いであつて理想的な円筒面内に 配置されていないことその他のために個々の砥粒切れ刃 により削られる砥削条痕の深さが一定でないためと考え られる。 そこで、砥粒切れ刃の先端の高さの分布をいろいろに 仮定して研削仕上面のあらさ分布曲線に対する理論式を 上記の確率論的な考え方を基にして導き出した。その結 果、砥粒切れ刃先端の高さの分布が施物線分布に近いと 仮定すれば理論式は定性的にも定量的にも実測値と一致 することが確められた。この弛物線分布の仮定を用いて 研削切屑の大きさの分布に対する理論式を導いたとこ ろ、実測した切屑の大きさの分布と略々符合した。尚、 砥粒切れ刃先端の高さの分布を実測した結果、地物線分 布の仮定が略々満足されることが確められた。 以上にょり、砥石表面における実際の砥粒切れ刃の分 布に基いて研削における幾何学的関係が明らかにされた が、従来の諸説との最も大きな差異は研削仕上面のあら さに関する理論式である。従来の諸説に於ては、砥粒切 れ刃先端の高さの不揃いその他のために個々の砥粒切れ 刃にょり削られる研削条痕の深さが不揃いになることが 理論式に導入されて居なかつたが、実はこの不揃いの程 度が研削仕上面のあらさを左右する最も重要な因子であ ることが確められた。 研削仕上面のあらさH,msに対する理論式は次式で与 えられる。H… 一 O.328(;+嘉汽げ(鍔
・(÷)2/9 H・ 2/32.記
号 この論文では次の記号を用いる。 1):砥石直径、mm Dw=加工物直径、 mm 円筒研削のとき 十 ・{ 平面研削のとき 。。 内面研削のとき 一 V=砥石速度、m/min v=加工物速度、m/min d=砥石の切込み量、mm m=連続切れ刃間隔、mm l二砥石と加工物との接触弧の長さ、mm 0いθ2=接触弧が砥石および加工物の中心において 張る角(Aldcn) t・=平均切屑の変形前の最大切屑厚さ、mm(Shaw) C==砥石表面の単位面積内の切れ刃数、1/Mm2 〆=切屑の巾と厚さとの比の平均値 r=研削条痕の巾と深さとの比の平均値 b’・・平均切屑の平均巾、mm(Shaw) h==研削仕上面の凹凸の平均高さ、mm(Shaw・佐藤) h・ =:実際の研削仕上面あらさHm・x、 mm(Shaw) 2φ=個々の砥粒の先端角 2φ=平均砥粒先端角(r=2tanφ) le=個々の砥粒先端の曲率半径、 mm k=砥粒先端の平均曲率半径、mm w2=砥石表面において1ケの切れ刃の占める平均面 積=1/C、mm2 w=平均切れ刃間隔==・1/Cl/2、 mm w・2=加工物表面への砥粒射影1ケが占める平均面積mm2
u2=0102断面(加工物の軸を含む断面)上の砥粒射 影1ケが占める平均面積、mm2 .」,=理想的な研削仕上面からの高さ、mm i=半径方向の送り、m/min Y=研削仕上面上の一点の理想的な研削仕上面からの高さ、mm
P(y)=研削仕上面上の点の理想的な研削仕上面からの高さがYを超える確率、したがつてAbbottの
負荷曲線に対応する。 f(Y)=研削仕上面のあらさ分布曲線、したがつて 一P(Y)の微係数 yo=f(Y)が最大となるときのYの値、 mm ht=谷底を連ねる線を基準とした平均高さにより表わ した研削仕上面あらさ、mmB=砥石巾、mm
ゾ=軸方向の送り、mm/rev j=同一点研削回数 Ho==砥石表面から垂直に測つた砥粒切れ刃先端の存在する範囲、mm
K,K’,K1,K2,K3=研削仕上面あらさに関するパラメ ータ 01,C2,03=研削仕上面あらさの無次元表示における パラメータ .P(y, Y)=理想的な研削仕上面からの高さがッ(以下 単に高さツと呼ぶ)になるまで研削された断面にお ける表面形状に対するAbbottの負荷曲線 b=個々の切屑の高さッにおける巾、mm b=高さ一),における切屑巾の平均値、mm ろo=高さ一),が0になつたときの切屑巾の平均値、mmg’=砥粒切れ刃上の一点の切込み深さ、mm g1=砥粒切れ刃先端の切込み深さ、 mm 言=個々の砥粒切れ刃の平均切込み深さ、mm g=高さッにおける砥粒切込み深さ、mm go=高さツが0になつたときの砥粒切込み深さ・
mm
ダ=平均砥粒切込み深さ、mm s’・・=個々の砥粒の高さッにおける断面積、mm2 S=s’の平均値、mm2 So=高さツが0になつたときのsの値・mm2 ≡平均切屑断面積、mm2π坪均切屑体積、㎜3
否=上から見た砥粒1ケの平均研削面積、mm2 万=高さがPtcなるまで研削された断面における表面 形状の巾lmm当りの平均研削条痕数、1/mm 菰=最終の研削仕上面における巾lmm当りの研削条 痕数、1/mm3.砥粒切込み深さの理論式に関する
従来の諸説
砥粒切込み深さに対する計算式を始めて発表したのは G.1.Alden 1)である。彼はフライス加工における切込 み深さに準じて研削における砥粒切込み深さを算出し た。その式は砥石円周の単位長さ当りの切削点の数を用 いているが、これは連続切れ刃間隔(m)の逆数である から、彼の導いた計算式は次式で表わされる。 ・一 G〃・si・(θ・+θ・)・…”…’…’”(1) この式は、加工物速度(V)が砥石速度(のに比べて 非常に小さく、砥石の切込み量(d)が砥石直径(D) に比べて非常に小さいときに、平均の切屑に対する変形 前の最大切屑厚さを与えるものであるが、この式を導く のに基本的な仮定が二つある。第一に、砥粒切れ刃の通 つた幾何学的形状がそのまま削られる切屑の形状となる ことを仮定しているが、このことは当面止むを得ないこ とであろう。第二に、加工物のある一定巾の部分が次々 の砥粒切れ刃により常に丁度その巾一杯研削されるとい うことを仮定しているが、この仮定にはかなり問題があ り今少しく精細な幾何学的考察が必要であろう。 その頃J・J・Guest 2)も砥粒切込み深さを表わす式を 発表した。 t−2〃弓(⊥+⊥1)1)ω)1/2d’/2・・一・…・………・(2) この式は(1)式のsin(θ1十θ2)をD・Dzvおよび dで表わしたものである。 (1)式および(2)式に含まれる連続切れ刃間隔(助 を個々の研削砥石に対して明確に定めることはフライス カツタの場合と異り中々困難である。Krug 3)は連続切 れ刃間隔は接触弧の半分であると仮定し、Hutchinson 4)は接触弧に等しいと仮定したが、何れも根拠が薄弱で ある。 そこで佐藤5)は砥石面の平均切れ刃間隔(w)と研削 仕上面の平均条痕巾(bのとをもとにして次式を提案し た。 m=ω2/ろ・………・……・………一(3) この式により、ψおよびboを実測すれば連続切れ刃 間隔(m)を定量的に求めることができる。しかるに平 均切れ刃間隔(w)は例えば煤をつけたガラス板の上で 砥石を転がすと切れ刃の当つた点だけ煤がはげ落ちるの でそのガラス板を原版として引伸し写真を作ることによ り実験的に求めることができる。研削仕上面の平均条痕 巾(bo)は表面あらさ検査機により測定されるが、その 測定がかなり困難であることのほかに理論的に言つて実 はboは研削条件の函数であるために問題が残ると考え られる。 以上のように砥石の連続切れ刃間隔(m)には不明確 なところがあるが、これは先に一寸述べたように砥粒の 加工巾が一定であるという基本的な仮定に問題が存する ためであろう。 M.C. Shawは始めて連続切れ刃間隔(m)を用いな い砥粒切込み深さの計算式を提案した。6)平面研削の場 合として t−2( vVCr)1/2(芸)1/4−・………(4) Fig.1Mean Shape of Chip(by Shaw) この式の基本的な仮定は、切屑はFig・1の模型に示 されるような形状を持つ、即ち切屑の巾と厚さとの比 (〆)が切屑の各断面において一定であるということで ある。Fig・1の模型を見て直ちに不審に思われるのは 切暦の断面の一ヒ側が平らであることである。これはその前の砥粒切れ刃により削られているため断面の下側と同 様な凹凸を持つている筈である。しかし、切屑の巾と厚 さとの比が一定であるという仮定は后に明らかにされる ように正しかつたため(4)式は定性的に誤りの少いも のとなつた。 〆’ 、、、 A ’ A】←___ __一” 、 、 } , ” 、、’ 4 ぞ Fig・2Mean Shape(ぜChip(by Shaw)
M.C・Shawはその后切屑の平均的な形状として
F ig・ 2を提案した7)。 その際、実際の切屑はその巾 が長手方向に対し変化して一定の巾b’ではないが統計 的な切屑模型としては一定巾のものを選ぶのが都合よ いと註記している。但しこれには大いに問題が存する。 この模型は加工物速度(のが増大した場合に砥粒切込 み深さの計算式を修正するために考えられたものだが、 砥石の切込み量(d)が変化した場合を考えただけでも その不合理性が明らかになる。但し、最大切屑厚さの点 において切屑巾と厚さとの比(〆)が砥石の切込み量 (d)の大きさの如何に拘らず一定としているために (4)式と同じ結果即ち(5)式を得た。 t−2( vVCr)1/2(÷+嘉)1/4 d”4……(・) M・C・Shaw のこれらの論文において、連続切れ刃 間隔(m)を用いないで最大切屑厚さの計算式を導き 出す試みが一応成功したのは、切屑の巾と厚さとの比 (〆)が一定であると仮定したことに基くものであろ う。この仮定は結果として、連続切れ刃間隔(m)が砥 石に固有の常数ではなくて研削条件にょつても変化する ものであると考えたことになつていることは注意すべき であろう。 尚、切屑の巾と厚さとの比(〆)が一定であるという 仮定の正しかつたことは后に述べるが、切屑の巾と厚さ との比(〆)が研削仕上面の研削条痕の巾と深さとの比 (r)に等しいと考えたことは定性的にはともかく定量 的には誤りであったことが后に知られる。 以上の式は最大切屑厚さを求めることを主眼としてい るが、実際には個々の砥粒切れ刃にょる最大切屑厚さは 夫々異つて居りある種の頻度分布を持つものであるか ら、以上の式は平均切屑の最大切屑厚さを求めたことに なる。換言すれば、これらの式の基本的な考え方の中に は、砥粒切れ刃が砥石表面に規則正しく並んでいるとい う前提がある。そのほか砥粒切れ刃の先端は理想的な円 筒面内に配置されていることも仮定している。これらの 基本的仮定は同じ論文に出て来る研削仕上面あらさに対 する理論式の導き方からも明らかである。 さて、砥粒切込み深さを考える代りに砥粒切屑断面積 を考える方が有意義な場合もある。小野8)は1ケの砥粒 により削られる切屑の平均体積を接触弧の長さで割つた 平均切屑断面積(;)を始めて導いた。 三苧÷(㌃)(1 1−万十z)w)1/2 d1/2……(6) この平均切屑断面積(s)は全砥粒切れ刃による切屑 断面積の時間的平均であり、不明確な連続切れ刃間隔 (m)および測定の困難な切屑の巾と厚さとの比(〆)を 含んで居ないことが特徴である。但し、この式は完全な 平均であるので、砥粒の壁開その他に直接関係のある最 大切暦断面積とか最大切屑厚さを問題にするときには不 十分である。4.研削仕上面あらさの理論式に関す
る従来の諸説 加工物の変形が完全な塑性変形であつて砥粒切れ刃の 通った幾何学的形状がそのまま削られた加工物の研削仕 上面になるという基本的仮定の下に種々の計算式が提案 されている。 佐藤9)は、砥粒切れ刃は一定の先端半径(k)を持つ 球形でありしかも等間隔に規則正しい配列をしていると 仮定して次式を提案した。その際、砥粒の作る条痕巾は 一定と仮定し、研削方向のあらさhlとこれに直角方向 のあらさh2とに分けて考え、全体のあらさhVX hiと h2の和と考えた。万一÷(B+毒)(e)2糾書(〉ゾ・・(7)
この式による計算値は実測値と定性的にその傾向を一 にするが、定量的には一桁以上の違いがある。 M・C・Shawlo)はチタニウム合金の研削の研究に於て 次の計算式を堤案した。 万一( v2VCr)2/3(;坑y/3−4;;、……(8) しかし、実際の研削仕上面あらさhaは(8)式の値と は異るので、haはhに比例すると考えている。 Ea−(VCr)2/3(☆+嘉)1/3………(9) 又・その后M・C・Shaw 7)は加工物速度(のが早 いときの研削仕上面あらさの理論式をあげているが、そ の中でv<vなるときの計算式を次式で与えている。 万 (t/め2T=16’…’……’…………’・…(10)
しかし、MC・Shaw 自身もこの式で表わされる研削仕上面あらさは理想的な研削面に残る山と谷との距離の 平均値を表わすもので、実際の研削仕上面あらさは (1)砥石と加工物との間に相対的な振動があること (2)砥粒に構成刃先ができること (3)砥石面の砥粒間隔が一様でないために並外れて深 く削る砥粒があること などのために、この式による計算値より悪くなると述べ ている。 . , 以上の種々の理論式で計算される研削仕上面あらさと 実際にできる研削仕上面あらさとの間には大巾の差があ り、例えば研削条件の研削仕上面あらさに及ぼす影響を 検討する場合に於ても、理論式から単に定性的にその影 響を推測するに過ぎない。理論値と実際の値とが大巾に 異る原因は上記のShawの言葉にも一部示されているよ うに、砥石表面における砥粒切れ刃の分布が不規則であ ること、更に砥粒切れ刃の先端の高さが構成刃先も含め て不揃いであり理想的な円筒面内に配置されていないこ とによるものと考えられる。逆に言えば、研削仕上面あ らさの理論式はこれらの事実を基礎にして導かなければ 意味の少いものとなると言えよう。尚、砥石と加工物と の間に相対的な振動があるときは、個々の砥粒切れ刃の 切込み深さの大きさが一層ばらついて振動による衝撃と 相侠つて砥粒の助開が砥石面上で不規則となり切れ刃先 端の高さが一層不揃いになるため研削仕上面あらさが悪 くなると考えられる。振動そのものの幾何学的な影響 は、研削方向に直角に研削仕上面あらさを測定する限り それほど重要なものではあるまい。 さて、小野11)は前章の平均切屑断面積(s)の平方根 に比例する研削仕上面あらさが生ずると仮定し次式を提 案した。 巧一C・n…(γ:プ)1/2(÷+毒)’/4d’/4………(ll) 又、荻野12)は同一点研削回数(ノ)の影響について (11)式を修正し次式を導いた。 H−・・〃・・ivル℃)2/3(≠毒)………(12) (11)式および(12)式は基本的に、研削仕上面あら さは平均切屑断面積の平方根に比例すると仮定しでいる が、この基本的仮定が妥当であるかどうかは問題の存す るところであろう。
5.砥石表面における砥粒切れ刃先端
の平面的分布13) 前2章に述べたように、砥粒切込み深さおよび研削仕 上面あらさの理論式に関する従来の諸説に於ては、砥粒 切れ刃は砥石表面に一様に規則正しく分布していること 並びに砥粒切れ刃先端は理想的な円筒面内に配置されて いることを基本的な仮定として幾何学的な計算を行つて いる。しかし、砥石表面における砥粒切れ刃の分布がか なり不規則であることは常識であるので先ずその平面的 分布を求めてみた。その結果、砥石表面における砥粒切 れ刃の平面的分布がアトランダムに近いことを確めた。 5・1実験方法③
Fig.3Experimental Apparatus for Measurlng the Plane・Distributi皿of Grain Tips Fig.3に示した実験装置において 1.砥石 2.ダイヤモンドドレッサー 3.ドレッサーの切込み調整装置 4・定圧用ハイトゲージ 5.煤をつけたガラス板 6.スポソジ 7.ボールスライダー 8.マグネチックチヤック 争’、 ・ 6 ら 、. @ ‘、・ . 、,・、 堰@’ ’一E 含 ◆. ◆ P 軸㎡ @ 病・㌔.び9.・ 〉もご . 、 4 8 @ ◆ @ご凸 ● 、@、ll’廷 竃’べ●・ D ・? ■ r⑨ ぜ・’‘ .@ 、
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■ ・ A b ノで,● 亀‘ ’ 》.ご’● . Fig.4 Distribution of Grain Tips 砥石面の砥粒切れ刃先端の位置を求めるためには、 Fig.3において軽油の煤(厚さ約7μ)をつけたガラス 板の上で定荷重(370gr)で砥石を転がし切れ刃の当つた 点だけ煤のはげ落ちたガラス板を原版として引伸し写真 (10×)を作つた。その一例をFig.4に示す。 実験としては(1)砥石は瑞穂研磨砥石K.K.製GC601、GC60K、 GC60M、 GC60P、外径200、厚さ16、孔径25(電気 試験所木挽町分室小林博士より借用)を用い、砥石回 転数2970r・P・m・(砥石速度1、870m/min)、ドレツシン グ横送り速度827mm/min (砥石1回転当りの送り 0278mm/rev)に於て、ドレッシングの切込み量を 5.5μ11.0μ、165μ、220μおよび27.5μと変化させ、ドレ ッシソグ横送り回数は切込みを始めに与えるだけで、 往きだけ、1往復および3往復と変化させ、乾式に於 てドレッシソグして切れ刃のあとの写真を取り、砥石 の結合度およびドレッシソグ条件の影響を調べた。 (2)次にGC60K砥石を用い、乾式において、ドレッシ ングの切込み量11.0μ、横送り速度666mm/rev(砥石 1回転当りの送りO・224mm/rev)1往復ドレッシング した砥石により0.2%炭素鋼(長さ156・5mm)を累計 研肖lj厚さ0・53mmまで研削し、その間ドレッシソグ直 后を含め21回切れ刃のあとの写真を取り、研削による 変化の状況を調べた。 5・2実験結果 上掲のFig・4において10mm角の格子(砥石面では 1mm角)の中にある切れ刃数を数えた。その際、分離 した点はすべて夫々1ケと数えたほか、大きな煤のあと に対してはその形状がくびれて居るときはこれを別々に 勘定した。この数え方は、1ケの砥粒が2ケ以上の切れ 刃を持つ場合のあることを前提としている。 さて、砥粒切れ刃先端の位置の平面的分布はかなり不 規則だが、今かりにその分布が数学的に言つてアトラソ ダムであると仮定すれば、数学の教えるところにより、 10mm角の中にある切れ刃数の頻度分布はポアツソソ分 布をする筈である。そこで10mm角の中にある切れ刃数 の平均値から夫々の切れ刃数に対する期待頻度をボアツ ソン分布の表から算出し、実際に数えた観測頻度との適 合度をκ2検定すれば、始めに仮定した砥粒切れ刃先端 の位置が平面的にはアトラソダムに分布しているとみな しても悪くないかどうかが判明する。(κ2検定に際して は危険率Pの値O・05を以て便宜的な限界と定めるのが 常識であろう) 前節の実験(1)の中一二の例につき計算した検定表 を下に掲げる。(第1表、第2表) 第 1 表 砥石 GC601 ドレツシソグ切込み量5・5μ ’’ ” 1mm 2当り
切れ刃数
4コ以下 5コ 横送り回数 観測頻度 10 6.5 往きだけ 期待頻度 (m) 541 5.63 x2^m
389
0.13 6 7 8 9 10 11 12 13コ以上eq合計
n=8 975
6 6.5 5 9 7 13.5 80 813 0.09 10.05 065 1088 2.19 1047 1.50 9.C7 1.82 7.14 049 5.15 066 8.07 36680 ×2=1508
z2@(P=0.10) =13.36 z2 (P=OD5) = 15.51 第 2 表砥石 GC60M
ドレッシソグ切込み量 ” 〃lmm2当り
切れ刃数
4/コ以下 5コ6
78
9
10 11コ以上 合 計n=6
横送り回数 観測頻度85
3.5 7 7.5 7.5 385
85
54 27.5μ 1往復 期待頻度 (m) 6.63 5.64 7.19 784 7.48 6.34 4B3 805 54 x2/m 0,53 0.Ol OOl O.01 0.00 1.76 2.79 0.03 X2=594 X2 (P=050) :=5.35 ×2 (P=0.30) =7.23 第1表、第2表において、切れ刃数の少いところ並び に多いところで観測頻度は期待頻度より多く、逆に切れ 刃数が中間のところで観測頻度は期待頻度より少い。多 くの実験は大体この傾向を持つている。しかしドレヅシ ソグ直后における砥粒切れ刃先端位置が平面的にはアト ラソダムに近く分布していることは少くともポアツソン 分布による検定では間違いなかろう。 次に、研削による変化の状況を調べた前節の実験(2) に対し同様の検定を試みた。一々の検定表を掲げる煩墳 を避けて、21回の測定において見出した個々の危険率P の頻度分布を第3表に示す。危険率P
<0.Ol O.01∼O.02 0.02∼0.05 第 3 表 頻度 l! 3/ 小計 90.05∼0.10 0.10∼0.20 0.20∼0.30 030∼0.50 0,50∼0.80 0.80∼090
090∼095
095< 合 計 1 2 3 2 0 3 1 0 21 12 第3表を見れば、危険率5%以下の場合が21回の測慮 中9回もあるけれど、砥粒切れ刃先端の位置が平面的に はアトラソダムにかなり近い分布をしていると考えて大 過ないものと思われる。 次に、他の方法からアトランダムに分布していること を確めてみよう。砥粒切れ刃先端の位置がアトラソダム に分布しているとすれば、任意の点を中心とした半径R の円の内部に切れ刃の存在しない確率P(R)は次式で与 えられる。 P(R) =exp ( 一 πCR2) …・…・…………・(13) したがつて、その点からもつとも近い切れ刃先端がRと R十dRの間にある確率f(R)dRは次式で与えられる。 ゾ(R)dR==−dP(R)=2πCRexp(一πCR2)dR −…………・…・………(14) そこで、任意の点としてさきに10mm角に引いた格子点 を選び、これらの格子点から最も近い切れ刃先端までの 距離を実測し、その頻度分布が(14)式のf(R)のグラ フに近ければ、砥粒切れ刃先端の位置が平面的にはアト ラソダムに近い分布をしていると言える。一例をFig・5 に示す。R
↑ 朔領 O・7 o.6 O.5 O、亭 o,3 a・2 a.100
50→Nf㈹
F ig.5 Distribution of Grain T ips !00 実測したヒストグラムと理論値Nf(R)とは満足すべ き一致を示すといえよう。ここにNは測定箇数である。 上記の2方法による検定を他の実験者、即ちShaw 6) 並びに小林11)の発表した砥粒切れ刃のあとの写真に対し て試みたところ同様の結果を得た。 以上を要するに、砥石表面における砥粒切れ刃先端位 置は平面的にはアトラソダムに近い分布をしていること が確められた。6.アトランダムに分布する砥粒切れ刃
による研削における幾何学的関係 前章において、砥石表面における砥粒切れ刃先端の平 面的分布がアトランダムに近いことが確められたので、 これらアトランダムに分布する砥粒切れ刃により研削が 行われるときの幾何学的関係を明らかにしてみよう。そ の際、切れ刃先端の高さは揃つていてすべての切れ刃先 端は理想的な円筒面内に配置されていると仮定する。尚 V《Vとする。 この研削の幾何学的関係を計算する基本的な考え方並 びに計算の手続き方法に関する詳細な説明は別報15)に譲 りここには主要な計算結果を羅列する。その際、砥粒先 端を研削方向に垂直な面に対して投影した形状が(A) 尖つていて先端角が2φのときの計算式には(A)とい う記号を、又(B)先端が丸くてその曲率半径がleのと きの計算式には(B)という記号を式の頭にっけた。記 号をつけない式は両者共通である。 w・2一脚2 ?齠ナ……・…・………・………(15) コ == ib+毒)・・……一・…・…………・…・(16) ここにxは0102断面を高さ一」,で通過する砥粒切れ 刃先端が理想的な研削仕上面に接する点の0102断面か らの距離、mm l− i去+itliv)−1/2dl/2…・・………・……(17) ・・−w・2一 一2「音(,b+B.)1/2“ 1/2…(18) 但し、プラソジ研削の場合には u・− ?C……・……・・………・一(19) (A)2tanφ=(2 tanφ)meaパ…・…・……(20) (A)r=2tanφ………・・…………・(21) ○研削仕上面あらさに関しては㌫罵㌃:1∂一(22)
(A)f(Y)一一W’y’)一』KY・/・exp(−KY3/2) ・・・・・・・・・・・・・・… ■一・・・・・・・・… (23) (A)Y・一・396(÷+嘉)1/3(晶ジ)2/3………(24) (A)n,一・744(音+毒)1/3(吉)2/3………(2・) 砥粒先端に丸みがあるときには (B)万={(le 1/2)mean}2……・……・………・…(26) (B)P(Y)=exp(−K’Y) (B)f(Y)一一v’(」)一・K’・xp(−K’Y)(27) ここに (B)K・・一・4・4・万・/・(去+▲)−1/2半 (B)万、一÷一・225轟(去+毒)1/2青(28) 尚、同一点研削回i数(ノ)は 7’・= B/f−…∵・…・・…………・…・…・・…’…(29) 同_点研削回数がノ回のときの研削仕上面あらさに関す る理論式は上の諸式の中のCの代りに砂を代入すれば 求められる。 次に __.__……・・………(30) ○研削切屑の巾に関しては
竺蕊1㌃婿)当
ここに 2b (A)ζ=r・/・。 ____・・…・…………(31) ががッにより変化しないときtlこは (A)S−1.253・r・/・ec…・…・・………(32) (B)5−2.576厄・u・/・………(33)9力《1のとき
(A)S≒咋完)1/2(去+嘉)1/4・1/4……(34) (B)5≒3・24・E・/・i☆)1/3(t+;k)1/6/ 1/6(35) ○砥粒切込み深さに関しては OlO2断面を高さツで通過する砥粒切れ刃先端の切込 み深さが91になる確率密度の無次元表示をf(?・Zl)とす れば (A)ゾ(“, (1アこに)=⇒一芸)/……(36)
(A)、、一学 /
その際の砥粒切れ刃上の一点の切込み深さが9’にな る確率密度の無次元表示f(−Pt,ピ)は驚:1㌻(−v’2)}…(37)
u . さて 亘’=s7β ………・……・………・・…・…・(38) 9 = s/万 ・・・・・・・・・・・・・・… 一・・・・・・・・・・・・・・・・・… 一・… (39) or.2が一II,により変化しないときには (A)9−・・799☆………・・…・………一゜(4°) U4/3 ・………・……・・・………・(41)(B)9=0388戸
9力《1のとき
(A)9≒1・13(÷+毒)1/4(毒)1/2・ 1/4・一(42) (B)9≒票(音+嘉)1/3(☆)2/3・1/3−(43) さて、切屑の巾と厚さとの比(〆)は研削条痕の巾と深 さとの比(r)とは異り (A)〆=ηg=1.57r…・・…………・……一… (44) (B)r’・−5/9−523妥・/・iS+吉)−1/6 ・(LC)1/3ジ1/6・…………・・………(45)ツ→0のとき
(A)・・一票(去+.IM)2/3(IC’)4/3・…1…・(46) (A)E・−1・18・r・/・(;+毒)1/3(th)2/3……(47) (A)⑨一讐ξ(去+琉)1/3(☆)2/3……(48) ○平均砥粒切込み深さに関しては 9=M/否………・………・・………(49) ここに 万一一毒4……・………・・’”…(5°) 又、 ’3」 ・・ S:百伽…………・………・(51) したがつて (A)9−・85(吉+±)1/4(毒)1/2 d1/4…(・2) (B)9一器(音+毒)1/3(☆)2/3d’/1・・(53)山梨大学工学部研究報告
第 10号
平均切屑断面積(S)との関係は 丁平一(b+毒)1/2「㌃41/2………(M) (A)9−・8・(÷)1/2……・…………一(55) (B)9−・41謡一……・…………・・……・(56) ○巾1mm当りの平均研削条痕数に関しては 万一∫r{;(1錦4y……・・……・…(57) U2がッにより変化しないときには 万’一☆∫rP(“・ y)dY…・…・…・(・8) したがつて、その場合には (A)万一篭・…………・………一・・(・9) (B)万一万曙,/、一…・………(6・) 9/ッ《1のとき (A)fi≒・89(音+嘉)−1/4(票)1/㌻…(61) (B)万≒認(去+毒)’仰(」芸ア/蒜…(62) 一),=0のとき (A)元一」爵(÷+嘉)−1/3(巴)2/3…(63) (B)h・一認(音+毒)−1/4(一裟y/2・一(64) ○連続切れ刃間隔に関しては m= n w2 = n/C ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (65) したがつて (A)吻一一2GC…・……・・…・………・・(66) (B)勿一万、謬、、。一…・・…・………・(67)9/2《1のとき
(A)m≒・89(☆+嘉)−1/4(是)1/㌻(68) (B)m≒怨(去+;㌶)一’−1/6(ぴ楡方(69)7・研削仕上面あらさ
前章において研削における幾何学的関係に関する諸式 を導くにあたつては3つの基本的仮定を設けている。第 一にv砥粒切れ刃の通つた幾何学的形状がそのまま削ら れる切屑並びに研削条痕の形状となることを仮定してい る。切れ刃の通るときその通路にあたる加工物の一部が 切屑とならずに単にかきわけられることもあろうし、切 れ刃の通つたあとより若干深いところまで傷の入る可能 性もあろうが、現在のところこの基本的仮定は止むを得 ないものと考えられる。第二に、砥粒切れ刃先端位置は 平面的にはアトランダムに分布していると仮定した。第 5章に述べたように、実測した切れ刃の分布はアトラソ ダムにかなり近い分布であるので、この仮定を第一近似 として用いることは妥当であろう。第三の仮定として、 砥粒切れ刃先端の高さは揃つていて理想的な円筒面内に 配置されていると考えて計算を行つた。この仮定は一寸 問題である。砥石を構成する個々の砥粒の靱性には若干 の差があるし、個々の砥粒の切込み深さの大きさにもば らつきがあることなどのために、ドレッシソグ並びに研 削の進行に際し、砥粒の努開および磨耗は個々の砥粒に よりその大きさがかなり異る筈である。その上、砥粒切 れ刃に構成刃先類似のものが溶着する可能性のあること も考えれば、砥粒切れ刃先端の高さにミクロソオーダー の不揃いが生ずることが予想される。その意味でこの第 三の仮定には問題があり、前章の理論式が実測値と定性 的並びに定量的に符合しないとすればこの仮定を再検討 する必要があろう。 尚、砥石と加工物との間の相対的な振動は、先に一寸 触れたように砥粒切れ刃の状態(例えば先端位置の立体 的分布等)の変化に大きな影響を及ぼすが、その直接の 幾何学的影響は砥粒切込み深さの大きさのばらつきを一 層大きくすること(第8章参照)並びに研削方向の真円度 乃至平坦度を悪くすることである。因に、研削方向のあ らさと研削方向に直角のあらさとは測定する長ささえ十 分長ければ理論的に言つて同一のものである筈である。 さて、前章に示した研削仕上面あらさに対する理論式 が実際の値と合うかどうかを確めるために次の実験を行 つた。1の17) 7.1実験方法 三井精機工業K・K・東京工場において同社製円筒研削 盤を使用し研削実験を行つた。 その研削条件は次の通りである。 (1)砥 石 種 類直 径 Dmm
巾 B mm
回転数 r.P.m.砥石速度 Vm/min
(2)ドレツシング条件 切込み量 μ 横送り速度 mm/min 砥石1回転当りの送り 横送り回数 (a)WA60K
413
41 1,226 1,590 mm/rev (b)W A46M
480 43.5 1,226 1,850 125 75∼354 0.061∼0,289 1往復砥粒切れ刃の分布に基く研削の幾何学的考察
(3)加工物 材 質 硬 度直 径 Dωmm
回転数 r・p・m. 加工物速度S50C(半硬鋼) 水焼入
Hv=571∼579, Hs=70∼71 37∼35 72∼162 vm/min テーブルストローク mm テー…一ブル送り巌㎜/min醐向の送り㎜/rev
84∼18.5 30∼36 164∼777 1.Ol∼6.11 1ストロークにおける同一点研削回数 5.9∼296 (4)研削液 ヴアーデソヴアニソール 100∼120倍稀釈 さて、研削仕上面のあらさは中央計量検定所において 山本式触針型粗さ試験機を用い、縦倍率5,000倍、横倍率100倍のかフィルをとり、測枝さ2㎜(顎では
v M 喜念o 表 さ さ ↑ 21 二 1.s .巴 cEl t. o § ¢ 芸 ひ㌃05
工00
10 20 30 Fre・Buen・,7 40 すO Fig.6 Histogram for !‘Roughness Distribution Curve,, of F inished Surface 200mm)においてHma‘n(表面から測つた最大深さ)を測るとともに、顎で1㎜間隔(加工物上では001㎜
間隔)に縦の平行線を引きプロフィルとの交点の基準線 からの距離を測定し、その200コの値からあらさ分布曲 線に対応するヒストグラムを描いた。 7・2実験結果 研削仕上面のあらさ分布曲線に対応するヒストグラム は研削条件の如何に拘らず数十コのヒストグラムの何れ も同様の傾向を示す。 Fig・6に一例を示すように、そ の形状は大体正規分布に近いが深い方に若干尾を引いて いる。しかるに・前章で計算したあらさ分布曲線は(A) 砥粒先端の尖つているとき(23)式(Fig.7)で(B) 砥粒先端の丸いとき(27)式(Fig・8)で表わされ、 Fig・6と比べるとその形状がかなり異る。これらの中 では砥粒先端の尖つているときの(23)式(Fig・ 7)の 方が実測値に近く一応あらさの分布もわかり従来の理論 式で与えられる単なる平均あらさよりは遙かに意味の大〉
と4
0.904(C。”espendi・g re陥) O.4. 8t((・rresp・ndieg re Ye) o.t a.3☆fてY戊
Fig・7 Roughness Distribution Curve in Non・Dimensional Expression for Abrasive Grains with Sharp Tips Arranged Exactly on Cylindrical Surface of Wheel山梨大学工学部研究報告
第10号
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3」
k2
(a)Re・tah3・1・r三
:↑ ∩ D輌5tザib“tr。ηf(綱一青〆H
ミ 5“γfd‘e of レぴ6 eel , O O.’α20,3040虜α6α70se・9’0・ナf‘Y仁
Fig.8 Roughness Distribution Curve in Non・Dimensional Expression for Abrasive Grains witll Spherical Tips Arranged Exactly on Cylindrical Surface of Wheel きいものであろうが、あらさ分布曲線の形状が実測値と は反対に表面の方に尾を引いていることが問題である。 このように、砥石表面における砥粒切れ刃の分布を一 様とは仮定せずに、実際の切れ刃の分布に近くアトラソ ダムに分布していると仮定して計算しても、研削仕上面 あらさの理論式が実際にできた研削仕上面あらさとかな り異る原因は、本章冒頭に記したように第三の仮定即ち 砥粒切れ刃先端の高さが揃っていて理想的な円筒面内に 配置されているという仮定が無理なためと考えられる。 7・3砥粒切れ刃先端の高さが不揃いであるとき の研削仕上面あらさの理論式 そこで、砥粒切れ刃先端の高さは不揃いである筈だと 考え、その高さの分布型を色々に仮定してみた。即ち Fig・9に示すように(a)矩形分布(b)三角形分布および (c)拗物線分布の三っの分布型を仮定した。 これらの P・…τ/・fGr・・;nTiis f(H) (b)T・ i’ans・1・・Di・t・16・τr・η …↑這
D・n・it/・fa・・;n Tips f(H) (C)Panbol;‘bi5 tr: bu ti。n …↑ぎ
D・・叫・f6ふ下P・f(川
Fig・9 Types of Distribution in Depth for pos三tion of Grain Tips on Wheel Surface. (a)Rectangular Distribution (b)Triangular Distribution (c) Parabolic Distribution )分布型の意味するところを定性的に言えば、例えば(a 矩形分布の場合には砥粒のごく表面にもかなりの数の砥 粒切れ刃があるのに対して(c)拗物線分布の場合には 極めて突出した砥粒切れ刃がごく僅か存在することを意 味している。それぞれの分布に対応する研削仕上面あら さの理論式を算出する考え方および計算方法の詳細は別 報15)に譲り、ここには計算結果のみを掲げる。 (a)砥粒切れ刃先端の高さの分布が矩形分布のとき (A)カ:盤1㌶:㌻三㌫一(y.一 H。 )、/,}〕}一…一一一・……(7・)
㈲に㌘蕊㍍蕊二←_一_}一⑳
ここに(A)K・一゜芸3(☆+嵩)−1/2写γ………一…・………(72) (b)砥粒切れ刃先端の高さの分布が三角形分布のとき (A)