土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔I〕
深 田 伊 佐 夫
は じ め に わが国では、雨期を中心に多数の地すべりと斜面崩壊が発生し、人命的 にも物質的にも多くの被害がもたらされている。 1985年7月に長野市で発生した地すべり災害もその典型であり、記憶に 新しいところである。 しかし、このような災害が発生するたびに、「人災か天災か」「保全か開 発か」という論議がくり返されているにもかかわらず、具体的な対応策や 防止策も明確にならない状態となっている。 また、ひとつの傾向として、大規模な人身事故につながるような地すべ りと斜面崩壊が、大都市周辺の丘陵地帯で常習的に発生していることも見 のがせないことである。 こうした背景には、わが国の国土条件(自然的・社会的な諸環境要因) の特殊性の存在があげられると考える。 それは、火山性の軟弱地盤と急傾斜地形、国土の有効的な利用可能面積 に対する産業と人口の不均衡な分布、土地利用のための計画化と体系的な 利 用 技 術 や 災 害 予 知 体 制 の 不 備 等 の 複 合 し た も の を 示 す 。 本 報 で は 、 土 地 利 用 と 地 す べ り ・ 斜 面 崩 壊 と の 関 係 に つ い て 、 そ の 発 生 機構・対応策・防止策等を、事例に基づいて考察する。 rRq, 、 リ リ ノI ・ 地 す べ り ・ 斜 面 崩 壊 の 類 型 と 発 生 機 構 1.類型 地すべりと斜面崩壊の類型についてのくることにする。 地すべりは、自然条件としての地形・表層地質・土質等の素因と、気象 条件(降雨・降雪)、および人為的な誘因(切り土・盛り土等による地形・ 地質・土質等の応力の変化)によって発生する地盤の移動のことを示す。 地すべりは比較的ゆるやかな速度で地塊の移動から起動し、種々の変化 をみる性格のものを示す。 また、地すべりのひとつの分類例として、①第三紀層地すべり、②破砕 l) 帯地すべり、③温泉地すべり(小出博による分類)等があげられる。 斜面崩壊とは、一般的にいわれている崖崩れ(自然斜面崩壊)や、ノリ 面崩壊(人工斜面崩壊)のことを示す。 そして、これらが人工的な構築物、例えば住宅・農地・道路・人工造林 地等に被害をおよぼした時に、「災害」として位置づけられる。 従って、地すべりと斜面崩壊の発生地点は、それぞれ全国的な分布をも つが、災害として大規模な人身事故をひきおこすものの地点の分布は、限 定されてくる。 2.発生機構 つ ぎ に 、 地 す べ り と 斜 面 崩 壊 の 発 生 機 構 に つ い て 、 そ の 素 因 ・ 誘 因 と 特 色をまとめることにする。 (1)素因 まず、地すべりの素因と特色についてみれば、 ・地形;過去に地すべりなどの経歴をもつ「地話すべり地形」の場所で 現在の地すべりの発生する確率が高い。 ・地質;地すべりの発生する地点の地質は、大別して第三紀層地帯。
土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔正 破砕帯・温泉余士地帯に属する。 また、斜面崩壊についてみると、 ・地形;河岸段丘面と海岸段丘面での斜面崩壊が主となる。 ・地質;花コウ岩やギョウカイ岩の崩積土、風化した表土、火山性砕 屑物の堆積地帯が中心である。 地 す べ り ・ 斜 面 崩 壊 発 生 の 主 な 素 因 は 、 上 記 に あ げ た が 、 誘 因 と 密 接 に 関連すると考えられる素因は、誘因の項目の後にのべる。 (2)誘因 誘 因 と し て は 、 地 す べ り ・ 斜 面 崩 壊 の 両 者 に 共 通 す る も の を 次 に あ げ る。 ・気象条件;地すべり・斜面崩壊の直接の誘因に、降雨や隔雪水があ げられる。 も う 一 つ の 主 た る 誘 因 と し て 、 地 震 に よ る 影 響 が 考 え ら れ る 。 つぎに、誘因と密接に関連する素因について述べると、 ・ 地 表 水 ・ 地 下 水 ; 地 表 水 ・ 地 下 水 の 状 態 は 、 そ れ ぞ れ 土 中 の 浸 透 と 地 下 水 位 ・ 地 下 水 圧 の 状 態 の こ と を 示 す 。 こ れ ら の 状 態 は 、 降 雨 ・ 降 雪によって変化する。 ・植生;樹木の根の大小などにより、保水作用や、表層地質内部の応 力の変化に関連する。 ・ 人 為 的 要 因 ; 地 域 開 発 に よ る 人 工 的 な 開 発 行 為 を 示 す 。 宅 地 造 成 や 道路工事にともなう切り士・盛り土・土木機械による表層地質の撹乱 等がこれにあたる。 以上、地すべりと斜面崩壊の発生機構について概説したが、これらに共 通 し て い る こ と は 、 素 因 と し て の 地 形 や 地 質 の 状 態 と 誘 因 、 お よ び そ れ に 誘 因 と 密 接 な 関 連 性 の あ る 素 因 の 地 表 水 ・ 地 下 水 の 状 態 ・ 植 生 や 人 為 的 要 素の複合するところに、発生がみられる。 また、地すべり・斜面崩壊の多発地帯についてみれば、およそ以下のよ (55)
うな地域分布があげられる。
まず、地すべりについては、全国的にみられるが、主として日本海側の
東北・北陸・山陰・九州北部の各地域と和歌山から四国北部にかけての2 2) つの地域に分布がみられる。(図−1参照)そして、前者は主に第三紀層・後者は結晶片岩地帯に分布しているため富
それぞれ第三紀層地すべり・破砕帯地すべりともよばれている。 斜面崩壊については、発生地帯が一応全国的な分布としてみることがで きる。 とくに発生頻度の高い地域は、関東(東京都・神奈川県・千葉県)・東海 (静岡県伊豆地方)・関西・中国・南九州の各地域と日本海側の第三紀層の 3) 分布地帯があげられる。(図−2参照) 11.地すべり・斜面崩壊災害の事例 前章で、地すべりと斜面崩壊の基本的な特性について概説した。 つぎに、事例に基づきながら、本報の主旨である地すべり・斜面崩壊と 土地利用の関連性、およびその対応策・防止策についてのくる。 1.事例調査の概説 (1)1965年6月の川崎市の地すべり災害 同地点の災害は、1965年6月27日、神奈川県川崎市高津区久末の新興住 宅地で発生した。(図−3参照) 災害の規模は、移動土砂量10万m3,死者24名、負傷者14名、到壊家屋15 棟である。 同災害の発生原因をまとめると、 ①同地点は、俗称「谷戸」「谷津」とよばれる谷の地形であり、かなりの 湧水がみられていた。 ②その谷に、宅地造成のために不安定な性質をもつ不良質土壌(撹乱さ汁苦望詔鮮時玲入雪・謹回証璃汽﹄ず八s雌綱︹己 │)急 〃 建設省。.砂防課による(1964) 、1J/ ︷J烏一 戸会﹂﹄、 図−1全国地すべり分布
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& ざ 図−2崖崩れ危険地域の分布 ※山田剛二,渡正亮,小橋澄治(1971):地すべり 斜面崩壊の実態と対策より土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔1コ れた関東ローム居土や第三紀層の砂)や石灰がら等による大規模な埋め 立てが行われた。 ③埋め立てに際して水路の確保がなされず、上述①の湧水の作用により、 埋土の状態が最高に不安定な性質になった。 ④梅雨期の長雨を誘因に災害が発生した。 4) 以上の4点である。 (2)1971年9月の千葉県東部地方各地の崖崩れ災害 同地方の災害は、1971年9月7日∼8日にかけて、関東地方南部を通過 した台風25号の影響によって発生した。
災害は、千葉県東部地方の銚子市ほか50の市町村で合計7760箇所の崖崩
れが発生、死者56名、負傷者98名、到壊家屋4492棟である。(表−1参照) これらの災害の発生原因をまとめると、①同地方の地質は、主に第三紀層の風化したギョウカイ岩・砂岩・泥岩
等と、それに互層をなす同時代の砂というように不安定であった。②台風による降雨(300mm/day以上)を誘因に災害が発生した。
③また、同地方は平地面積が少ないため、崖下にまで家屋が密集してお
り、災害規模も大型化した。 5) 以上の3点である。 (3)1971年11月の川崎市での崖崩れ実験災害 同地点の災害は、1971年11月11日、神奈川県川崎市生田区生田緑地公園 内で発生した。(図−4参照)災害は、建設省と科学技術庁が共同で行った「人工雨による関東ローム
層崩壊実験」でのできごとである。いわば、「斜面崩壊」の発生機構を明確
にするための実験中のことであり、重大な意味あいをもつ。 災害の規模は、移動土砂量300m3,死者15名、負傷者10名である。 同災害の発生原因をまとめれば、①同地点は、1960年の伊勢湾台風の際に斜面崩壊による家屋到壊の経歴
(59)図−3事例−1の現場(神奈川県ノ││崎市高津区久末) ※国土地理院5万分の1地形図「東京西南部」より
土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔I〕 表1.1974年台風25号による崖崩れ一覧(千葉県) *千葉県土木部(1974):台風25号災害報告書より (61) 市町村宅 千 弾 ’ 才 一一、 市 , 船 雁 館 Ⅱ 木更甘 松 F 野 圧 佐 原 茂 腺 成 圧 佐 倉 東 金 八日市場 h 習 志 閏 勝 僻 ÷ r ; = 巾 豚 流 u 八 千 代 我 孫 子 鴨 , 君 降 富 鴬 鎌 ケ も 市 計 ケーれ ガ些朋 一 曝 州 宮 ■ 、 、 二 ・ 1刀TIL 3 20 1q エ 』 14 5 { 182 11? 556 家屋被 害カケ 崩れ 力 n n jと 98 17 上 I ワー 10入 死者 市町村‘ 浦 2 関 『 沼 P 四 街 i − 酒 為 井 八 ●にと一 壱口田 印 # 白 チ 印 ロ 本 堂 丹オ 下 I 神 Ⅲ 大 今 小見 山 、西 木 多 正 干 # 東 E 海 」 飯 、 光 野 大綱白唱 九十九且 成 F 山 面 蓮 # L〃ノー↑冴州 ガ当朋 11 161 361 28( 11’ 141 491 19 I I)可 d d J 51 10更 51 18: fJ 屋ガれ 家害崩 i ), 』J1 ●J 。 【 9 ︲l旧 9 死者 15 市町村名 松 尾 横 芝 芝 山 一 宮狸 睦 沢 長 生 白 子 本 ) 長 柄 長 南 大多計 夷 I 御 1 大 I ' 1 富 浦 富 u 鋸 南 白 浜 ユ ニ , ’ ノ 丸 ’ 和 I 天津小湊 袖 ケ 1 町 村 計 当﹂一宮I 谷口 IノJ1心汀勾 ガ些朋 251 25 10( | ( 785 ’ ’ 11 11 124 51量 538 1 100 ︲4 11 ワ O n I4U 776 冒塵カホ ︷承宝巳朋 506 682 死ラ ‐ 4 53
を有す。
②実験は、関東ローム層の崖に3日間にわたり合計500mmの降雨に相
当する水をポンプ散水して行われたが、現地での実験に至るまでの小規 模な室内実験が全く行われなかった。 ③水を含んだ土壌は実容積が増加するという初歩的な法則がわすれられ ていた。 ④同地点、および周辺地域(とりわけ川崎市を指す)の地形・表層地質・ 斜面崩壊等の状態性の把握が不充分であった。また、それらが現地での 実験施行のための基礎データとして考慮されていなかった。 6) 以上の4点である。 (4)1985年7月の長野市の地すべり災害 同地点の災害は、1985年7月26日、長野県長野市久松(通称地附山)の 新興住宅地で発生した。(図−5参照) 災害の規模は、移動土砂量500万m3,被害両積25ヘクタール、死者25名、 負傷者4名、到壊家屋64棟である。 災害発生後2年以上経過した現在も復旧工事が推進されている。そのよ うな状況下で、新たな宅地造成が災害地点周辺で進められており、危険な 事態を招く可能性も高い。 同災害の発生原因をまとめれば、 ①同地点は、過去にも地すべり発生の経歴をもつ「地すべり地形」であ る。 ②地質的には、風化した基盤岩層の上に、上述①の「地すべり地形」の 崩壊土が複雑に推積し、軟弱で不安定な地盤を形成している。 ③人為的な要素としての宅地造成や、道路建設により、表層地質内の応 力に変化がおこった。 ④梅雨期の長雨(計500mm程度)を誘因に災害が発生した。 7)8) 以 上 の 4 点 で あ る 。上地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔I〕
図−4事例−3の現場(神奈川県ノ││崎市生田区生田緑地公園
内)
※国土地理院5万分の1地形図「東京西南部」より
︵の↑︶
土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔正 2 . 事 例 調 査 の 総 括 つぎに前述の災害事例によって、各事例に共通する事項のまとめを行う ことにする。 ①発生地点は、大都市・中都市周辺の新興住宅地等の居住空間が主であ る。これは、かつて人間の居住体験がなかった土地への、人間の生活圏 の拡大化を意味している。 ②上述の①に関連して、地すべりや斜面崩壊と人間の居住空間とが交点 をなすところに「災害」が発生する。 ③発生地点の基本的な地形・表層地質の状態の把握がなされていない。 または、状態把握がなされていても、それが、実際の土地利用の上に活 用 さ れ て い な い 。 ④発生は、雨期の降雨を誘因とするケースが主である。これは、表層地 質と水との相互関係の理解の欠如に問題がある。 ⑤事例(2)のように「災害の発生機構」を明確にする実験が、ついに大災 害につながることがあり、その発生機構をめぐる問題は複雑なものが存 在する。 以上のことから判断して、地すべり・斜面崩壊の発生は、土地利用に関 わる自然的・社会的な諸環境要因を充分把握していないと高い確率で、災 害が発生するということになる。 111.地すべり・斜面崩壊の防止策 つぎに、これまでの考察から、地すべり・斜面崩壊防止のための対応策 について、①発生の素因・誘因にあたる、自然的・社会的な諸環境要因把 握、②土地利用の適正化の両面からのべることにする。 1.諸環境要因の把握 (65)
諸環境要因は、自然的環境要因と社会的環境要因に2大別できる。 それぞれの要因に含まれる個有の要素と、その把握すべき点をまとめる ことにする。 (1)自然的環境要因 ①地形:地形は、地表面の高度および起伏、その基本的な性状のことを 示す。 その中で、地すべり・斜面崩壊に関連する項目としては、形状・傾斜 角度・標高・比高・地すべりまたは斜面崩壊の経歴の有無等の把握が必 要となる。 ②表層地質:表層地質は地層の表層部分を構成している。ここでは、層 序関係・層厚・土性(粒度・含水比・比重・コンシステンシ−・セン断 応力・一軸圧縮応力・三軸圧縮応力・圧密状態)等の把握が重要となる。 ③地表水:地表面に存在する陸水のことを示す。ここでは、表層地質に 対して侵食等の影響をもたらす水の流れをとらえなければならない。同 時に、地表面を流れる湧水や、降雨時の水の流れがどのような場所へ集 中しているかという把握も必要である。 ④地下水:地中の間げきに保たれる陸水のことを示す。前項の地表水と も深く関連し、地表水が地中へ侵透して地下水となる。地下水は、表層 地質内の帯水層での水圧、そこへ浸透するまでの水みち等の面で、さま ざまな影響をもたらす。 ⑤植生:表層地質に生育する植物の総称である。植生によって表層地質 の安定性が保たれている一面もある。表層地質と植生の関係の一例とし て「このような地質には、このような植生がみられる。」というとらえか たも必要である。 ⑥気象条件:地すべり・斜面崩壊に関連する気象条件は、地形の風化や 9) 侵食につながる気温・湿度の状態や、降雨量があげられる。 (2)社会環境要因
土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔正 社会環境要因には、社会制度・人口・立地条件・文化・交通条件が含 まれる。自然環境要因とならんで、その地域の特性を示す要因として重 10) 要である。 以上の要因を把握し、実際の新しい地域開発行為が行われようとする地 域の、基礎調査や、地すべり・斜面崩壊の発生する確率が高いとされてい る 地 域 で の 防 災 対 策 資 料 と し て 応 用 す る こ と に 有 用 性 が あ る と 考 え ら れ る。 2 . 土 地 利 用 の 適 正 化 前項でふれた、諸環境要因の把握とともに、土地利用の適正化のための 基本理論について、つぎにのべることにしたい。 その理論の性格は、合理的で秩序ある土地利用をもって地すべり・斜面 崩壊の発生が制御されることを目標とし、さらに土地利用・地域開発行為 の主体者は、関係地域の住民となることが第一条件である。 11) そ の た め の 手 順 を ま と め れ ば 、 つ ぎ の 5 点 に 集 約 で き る 。 ①計画の決定 ここでいう計画とは、ある地域の現状を将来、よりすぐれた状態に改 良することが前提条件である。 そのためには、計画内容の選択には、関連地域住民の主体的な意志の 反映が中心となる必要がある。 ②計画案の作成 こ の 段 階 で は 、 関 連 各 専 門 分 野 の 技 術 者 の プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム に よ っ て行われる。 しかし、その中に、①に示したような関連地域住民の主体的な意志の 反映をさせるために、地域住民の代表者の参加を原則としなければなら ない。 ③計画内容 / ′ も 局 、 〔b/ノ
①.②の要件をふまえるところに、適正な計画内容が完成する。 この段階では、基本計画(マスタープラン)および、実施計画が立案 される。 ④資金 適正な計画内容を実施していくためには計画に相当する資金の確保が 必要である。 ⑤計画理論 資金とならんで計画理論の確立が必要となる。 ここでいう理論とは、土地利用・地域開発行為に関わる全ての要素と 知識・事象を一体化して把握、さらに体系化して、地域の開発の上に応 用していくというものである。 同時に、そのための調査体制も個々の部問のわく組みを外した総合体 11) 制へ移行していくことが大切である。 なお、このことが前項「諸環境要因の把握」のところでのべた諸項目 に相当する。 以上のような手順と要件が、土地利用の適正化と、それを通しての地す べり・斜面崩壊による災害の防止への対応策につながると考える。 また、ここにあげた手順は、土地利用をめぐる諸問題、例えばスプロー ル 化 や 、 過 密 と 過 疎 の 問 題 等 へ の 対 応 に も 関 連 し て い る と 考 え ら れ る 。 ま と め 以上の考察を通して考えられることをまとめれば、つぎのようになる。 ①地すべり・斜面崩壊の発生機構を明確にする。 ②地形・表層地質を中心とした自然環境要因、さらに社会環境要因の状 態把握を強化し、実際の土地利用面へ応用する。 ③土地利用のための基本理論の確立を図ることが基本問題である。 なお、本報では土地利用と地すべり・斜面崩壊の関連性と、地形・表層
土地利用と地すべり・斜面崩壊についての考察〔I〕 地質を中心とした諸環境要因の状態把握の重要性を強調した。 さらに、これらの問題に関わる各論的な問題も求められるが、次報以下 にとりあげることにしたい。 おわりに、本報作成にあたり終始ご指導を賜った、日本大学農獣医学部 教授井東澄雄先生、各種資料を提出して下さった、川崎市公害局・長野市 防災対策本部・千葉県庁総務部に対して厚く御礼申しのべる。 文 献 1)山田剛二・渡正亮・小橋澄治(1971):地すべり・斜面崩壊の実態と対策: 山海堂:p、p、4∼6. 2)前掲書:p、p、14∼26. 3)前掲害:p,p、394∼401. 4)川崎市公害局(1965):久末大谷戸災害報告書:pp.l∼3. 5)千葉県土木部(1974):台風25号災害報告書:p、p、l∼39. 6)清水馨八郎(1975):多摩丘陵の二つの人災崖崩れについて:日本大学地理学 科50周年記念論文集:日本大学文理学部:p、p,181∼196. 7)長野県土木部(1985):地附山地すべり災害:p、p,4∼9,18∼19. 8)長野市災害対策本部(1985):長野市地附山地すべり災害:p,p、l∼3. 9)・10)深田伊佐夫・中西勉・井東澄雄(1982):開発計画における自然環境調 査:拓植学研究No.18.:日本拓植学会:pp、12∼20. 11)室島鋒一郎(1973):地域計画手法の学習:地球社:p,7. (69)