弘前大学教育学部紀要 第
9 7
号:6 9 ‑7 5( 2 0 0 7
年3
月)Bul l . Fac. Educ. Hi r os akiUni v , 9 7:6 9 ‑7 5 ( Ma r . 2 0 0 7 )
6 9
学校における食教育 と栄養教諭のあ り方について
‑青森県における学校栄養職員の栄養教諭制度に対する意識か ら‑
S u g g e s t i o no nf o o de d u c a t i o na n dar o l eo f n u t r i t i o n ‑ t e a c h e r i n s c h o o l
斎 藤 尚 子*
Hi s akoSAI TO*
【論文要 旨】
学校 にお ける食教育お よび栄養教諭のあ り方 について検討す るために,青森県の学校栄養職員 に対 して, 食 に関す る指導の現状な らびに栄養教諭 に対す る意識調査 を実施 した。
その結果,以下の ことが示 された。(彰栄養教諭制度施行後の食指導回数 は増加 したが,単発 の授業が多 く 継続的な指導は行われていなかった。②指導は学校栄養職員単独の場合が多 く,子 どもの実態 に応 じた指導 ができてい るか不明である。③学校栄養職員 と栄養教諭では指導の効果 に違いがある と回答 した ものが多 く, 栄養教諭制度 に対す る期待が高かった。④栄養教諭 の職務の うち,学校栄養職員の職務 に新たに加わ った内 容 に対す る認識が不足 しているものが多かった。
学校 にお ける食教育の充実のためには,(彰学校が食 に関す る指導の年間指導計画 を策定す ること,(塾学校, 栄養教諭免許状取得予定者の双方が栄養教諭制度の趣 旨を理解す ること,が重要である と示唆 された。
【キー ワー ド】
学校栄養職員,栄養教諭制度,食 に関す る指導,食教育
1
.は じめに近年の社会や家族のあ り方の変容,お よび科学 技術の発達 は, 日本人の食生活 を変化 させ1),肥 満や生活習慣病な ど食事内容が原 因 と考 えられ る よ うな疾病 の擢患者数が増加 した。 さらに,それ らの疾患が子 どもにも同様 に見受 けられ るよ うに な り,子 どもに対す る 「食 に関す る指導」の重要 性が叫ばれ るよ うになった。 これ までに,厚生労 働省が国民栄養調査の実施結果 を踏 まえ,健康づ くり施策 として 「健康 日本
2 1 」( 1 9 9 8
年)計画を スター トさせ, 国民の健康増進お よび疾病予防の ための到達 目標値 を示 してきた2)。 さらには,厚 生 労働省 ・文部科 学省 ・農林 水産 省 が 「食生 活 指針」 (対象特性別,2 0 0 0
年) を策定 し,一般の 人々にもわか りやすい科学的根拠 に基づいた食生 活 のス ローガ ン3)を掲 げてい る。 しか しなが ら, 先 に述べた よ うに現状 における食生活や健康状態 に改善がみ られていない, もしくはます ます悪化 す る傾向にあることが推測 され る。そ こで,文部科学省が
2 0 0 5
年 に栄養教諭制度 (以下,制度 とす る) を制定 した。 この制度 の 目 的 は, 学校 にお ける 「食 に関す る指 導」 を充実 し,子 どもが将来正 しい食生活を送れ るよ うにす ることである。栄養教諭 とは,<食 に関す る専門的 な知識 >とく教員 としての資質 >を兼ね備 え、義 務教育課程 にお ける食教育の充実 を職務 とす るも の4)としてい る。 しか し, そ の配置 は地方 自治 体 に委ね られているため,栄養教諭が配置 されな い 自治体 においては義務教育課程 の児童 ・生徒で あって もその制度の恩恵 を受 けられない こととな る。すなわち,その よ うな学校 においては現行通 り, 「食 に関す る指導」は学級担任,家庭科教諭, 養護教諭,学校栄養職員 (主 に給食実施校)な ど が行 うしかない。2 0 0 6
年度 にお ける青 森県 の栄 養教諭配置数 は 0名であ り,弘前大学教育学部附 属学校園に2
名配置 されたのみである。そ こで本 研究では,学校栄養職員 (栄養士 ・管理 栄養士) の意識調査 よ り,学校 における食教育お よび栄養*弘前大学教育学部家政教育講座
De pa r t me nto fHo meEc o no mi c s , Fa c ul t yo fEduc a t i o n, Hi r o s a ki Uni v e r s i t y
7 0
Jm 藤 IYl') (.教諭のあ り方 について検討す ることとした。
2.
方法( 1 )
調査対象および調査時期対象者は,平成
1 7
年度青森県栄養教諭育成講 習 を受講 した青森県内の学校栄養職 員5 5
名 とし た。調査時期は
,2 0 0 5
年1 2
月か ら2 0 0 6
年1
月の 同講習実施期間 とした。( 2 )
調査方法および調査 内容調査 は,無記 名,任意 回収 による質問紙調査 を 実施 したC うち回収数 は
5 4
部( 9 8 .
2%),有効回 答数は4 2
部( 7 6 .
4%)であった。調査内容は, これまでに実施 した食 に関す る指 導の有無,栄養教諭の職務 に関す る項 目な どで構 成 した.調査項 目の概要 を表 1に示すC対象者は, 同講習 によ り栄養教諭免許状 を取得す る予定であ るため,栄養教諭 に関す る項 目では,栄養教諭の 職務 に対す る理解,制度‑の期待な どを調査,分 析 したC
3.
結果および考察( 1 )
回答者の基本 的属性回答 者 の基本 的属性 (年 代, 勤務 地域, 学校 種) を図 1に示す。国 中の数値は人数 を示 してい る。 なお,対象者の
9 5
%は女性であった。また, 図 1 【学校種】 の 「その他」お よび 「不 明」は,解答欄 に給食セ ンターの項 目を設 けてい なかったため,給食セ ンター勤務者が該 当す る と 思われ るo
(2) これ までに実施 した食に関する指導について (む指導の有無 と年間指導 回数
対象者の大部分が これ まで に 「食 に関す る指導 を した ことがあ る」 と回答 した (図2)。制度 が 施 行 された
2 0 0 5
年 (平成1
7年) とそれ以前 にお ける指導の有無 に有意な差 はみ られなか った0‑万で,指導経験が 「ある」対象者 に制度施行前後 の年間指導回数 を調査 した ところ,若干ではある が変化がみ られた (図
3 ) C2 0 0 5
年の年間指導回 数 で は,2 0
回以 上実施 した対象者 が増加 し, 坐 体的 に年間指導回数が増加傾 向にある と考 え られ た。制度お よび同年 に制定 された食育基本法の影 響 によ り, 「食 に関す る指導」 に対す る関心が高 まったため と推察 され る。②指導形態 と指導内容
実施 した食 に関す る指導の内容 (授業内容,対
1.平成
1 7
年度および平成1 6
年度以前における食に関する指導の 有 無2.
食に関する指導の年間実施回数3.
実施 した場合の共同授業者4.
食に関する指導の年間指導計画の策定について5.
栄養教諭の職務で重要 と考える内容6.
栄養教諭の職務に対する認識表
1
質問紙調査内容の概要【勤 務 地域 】
上北.6
図
1
回答者の基本的属性その
他 ,
養護学 校,5
【学 校 種 】 不明.4
甘
中学校. 1 小fo7
学校における食教育と栄養教諭のあり方について
0 0 0 0 0 0 5 4 3 2 1 (Y )点 Y
ある ない
図2食に関する指導の実施の有無
■ H17
□ H16以前
71
5 0 5 0 5 2 2 1 1 (Y )W Y
6 ‑1 0
回11 ‑1 5
回1 6 ‑20
回2 0
回以上 図3食に関する指導の年間実施回数6
4 2 0 8 6
420(Y )
意Y
r クラス担任 家庭科教諭 保健体育教諭 養護教諭 その他図4共同で授業を実施 した場合の共同授業者
象学年,実施教科 ・時間,共同授業者の有無) に ついて
3
つ まで 自由記述 にて回答 した ものを分析 した。 そ の結果,制度施 行 以 前では学級担 任 が 共 同授 業 者 で あ る場 合が 多か ったが,施 行後 の2005
年 では前年 と比較す る とそ の数 は半数以下 に減少 していた (図4
)。 ここでの共 同授業 者 と は,チームテ ィーチ ング (以下,TT とす る) と 授業計画参画の どち らか, もしくは両方 に携わっ た教員を指す。 この ことよ り,学校栄養職 員が授業計画か ら指導までを単独であたった り,授業を 単独で行った りす る場合が比較的多い ことが示唆 された。特 に制度施行後 にはその傾 向が強まった といえる。学級担任以外の共同授業者では,家庭 科教諭がわずか に多い ものの,保健体育教諭や養 護教諭 とほぼ同数であった。 また,指導を行 った 教科 ・時間は,特別活動,家庭科,総合的な学習 の時間が多かった。
表
2
に2005
年度 (平成1 7
年度) に行われた授7 2
餅 藤 尚 イ業 内容 を示 したO 食 に関す る指 導 の 内容 と して, /ト ・中学校 ともに家庭科 で学習す る内容 が多 い こ
とが示 され た。 しか し,小学校 の実施 学年 ごとに 分析す る と
,5・6
年生 に偏 って い る ことはな く, 低学年か ら高学年 まで平均 的 に これ らの指導が行 わ れ て い る こ とが わ か った。 特 に,2 0 0 5
年 度 は 低学年対象 の授業数 の増加 が顛著であった。デー タは示 さないが,学校種別 の指 導延べ人数な らび に指導延べ 回数 を比較す る と, どち らも小学校 で の指導が圧倒的 に多 く, 中学校では学校栄養職員 による食 に関す る指導 はあま り行われ ていなかっ た。小学校 と比較す る と, 中学校 は食 に関す る指 導 にあま り積極的で ない こ とが うかが えた。以上 よ り,食 に関す る指導 は小学校 において実 施 され る ことが多 く,食教 育‑ の関心が高 まった 制度施 行後 において実施 回数 の増加,対象学年の 低学年 化がみ られた。 ただ し,指導 内容は家庭 科 の学習 内容その ものか関連す る内容が多 く
,5・6
年 次の家庭科 学習 との乗複が懸念 され る。 さらに, 指導形態では,制度施行以降 で学校 栄養職員単独あまり望
どち らで まない.
もない,‑ 1
図
5
栄養教諭による指導が年間指 年計画への策定を希望するかで行 って いる傾 向が高 い ことが示 され,食 に関す る指導 において学校 栄養職員 の職務 を超 えた働 き を期待 され てい る ことが示唆 され た。 しか しなが ら,教諭 でない学校栄養職員単独 の授業 で,子 ど もに応 じた指導 が可能か, さらには指導 に よる子 どもたち‑ の効果 は どの程度 であ るのかは疑問で あ るo
(3) 栄養教諭 に関す る項 目につ いて
① 栄養教諭制 度に対す る期待
図
5
に示す よ うに,約9
割 の対象者が栄養教諭 に よる食 に関す る指 導 が年 間指 導 計 画 へ 策 定 さ れ る ことを希望 していた。 その理 由 として,現在, 食 に関す る指導 を行 って も単発 の授業や 時間数が 少 ない場 合が多 く,継続的 な指導がで きない こと をあげて いた。また,指 導す る教科 ・時間 として は,家庭科や 総合的 な学習の時間,給食 の時間な どが適 当であ る, と して いた (図
6
)。給食指導 は特別 活動 の 学級 活動 の ひ とつ5'と して学級 担 任 が主 と してその他
学級活動
給食の時間
総合的な学習の時間
道徳
社会科
保健休す料
家庭科
図
6
栄養教諭が職に関する指串を行 うのに適当な教科(複数回答)小 ・竪墓庄2り工・好き嫌いについて .他産地梢について.おやつについて .食事 .運動 .休養.生活習慣病
・壁塵且つ上土三 .牛乳 (カル シウム)について ,食生活を考えよう 学 ・食物繊維について .魚の名前や栄養について .献立作成
校 ・食べ物の体内での働き .よりよい発育 .ご飯 とみそ汁の調理実習
・栄養について .バランスの良い食事 .朝食作 りの調坤実習
・食事のマナー
.3
つの食品群 .ファース トフー ドについて 中 ・朝食について .バランスの良い食生活 .親子ふれあいクッキング 学 ・スポーツと栄益 .丈夫な骨 とカル シウム*下線の項目は回答数が特に多かったもの。
表
2
平成1
7年度に行われた授業内容一覧学校における食教育と
・
栄避教諭のありノバこついて図
7
学校栄養職員と栄養教諭の指導に効果の差はあるか7 3
効果の差 理 由
ない ・現在、特別非常勤講師により授業ができるため,現状で満足o・やるべきことは同じだと思 うo
・地域や家庭 との連携も本人の意欲 しだいo
ある ・子どもを知ることで献立が変わると子 ども .家庭が変わる○
・他の教職員の意識が変わることが期待できる○
・年間を通 して継続的な指導ができる.
・教諭 として教育的な指導が可能O
・責任をもって主睦迫に指導できるO
・̲土臥弘造型が可能O
・年間計画に食に関する指導が位置づけられ,管理職が変わる
行 うものであるが,学校栄養職員はその補佐 にあ た り充実 した給食指導 をで きるよ うにす る とい う 職務 がある。 しか しなが ら,衷 2よ り給食 に関す る指導はほ とん どな されていなかった。 この こと よ り,学校栄養職員は 自らが管理 した給食 を有効 活用 し,積極的 に食指導 に関わ りたい と考 えてい ることが示 された。学校栄養職員,栄養教諭 とも に職務 として給食管理お よび給食指導が含 まれ 6) てお り,給食 は学校 において有効な食教育の ツー ルである7)。 今後 の食教育の充実のために,給食 を活用 した指導の展開 を期待 したい。
栄養教諭 の指 導 は学校 栄養職 員 よ りも効 果 が
「ある」 と
8
割の対象者が回答 した く図 7)。その 理 由 として 「子 ども知 る ことがで きる ・個別対応 ができる」,「教職員のひ とりとして教育的な指導 が 口J能 とな る」 な どが挙 げ られ,職種が 「教諭」となることによ り学校や地域 における立場が確立 され,指導効果 があが るのでは と期待 していた。
この ことよ り,現在,学校栄養職員 として食 に関
(Y)やY 050
す る指導 を しつつ も, 「教諭 でない こ と」が学校 に対 す る遠慮や 学校側 ‑ の不 満 を抱 え る一 因 と なっていることが推察 された。職種が変わ って も 指導効果 に差は 「ない」 と回答 した ものの巾には, 現在か ら特別非常勤講師 として指導 を しているも のもいた。 この よ うに学校 内での立場が確立 され てい る対象者 には上述 の よ うな感情 はみ られず、
職種 による差はない と考 えていることがわかった。
以上 よ り,食 に関す る指導の重要性 が理解 され 授業 を実施 している学校 において も,継続的でな い単発的な授業 内容が多 く,学校栄養職員は学校 に遠慮や不満 を抱 えなが ら指導 を担 当しているこ とがわかった。栄養教諭 の参画 によ りこれ らの改 善が期待 され るが,同時 に栄養教諭非配17号校 にお いて も食 に関す る指導 を行 う学校栄養職員の立場 の確保や年間指導計画の策定が必要である と思わ れた。
(塾栄養教諭の職務に対す る認識
図
8
に示す項 目は,栄養教諭 の職務 とされ るもその他
食に関する相技への対応
衷庭との連携
地牧との連携
学級担任との連携
食指斗計画の春画策定
暮排教諭との連扶
保健体書との連携
#屈指との連携
食文化
食事マナー
食事計画は斗
食品業暮相中
食品衛生の指斗
生活習≠病予防の相中
食物アレルギーの指斗
拾食管理
図
8
ll王要 (棟数回答)
ロ矧こt羊(単
数
回答)栄養教諭の職務として重要なこと
7 4
繍 藤 尚 子子
食音に力をいれられる
地域に貢献できる
忙しくなる
能力発揮
楽しくなる
大変になる
土佐が重くなる
図
9
栄養教諭の職務に対する認識(複数回答)のである。職務の うち 「重要」 と考 えるものを複 数回答で選択 して もらった ところ,対象者の大部 分がほはすべての項 目について重要 ととらえてい ることがわかったO‑方,同項 目の中で 「特 に重 要」 と考 えるものでは,選択項 目に偏 りがみ られ た。半数以上が 「生活習慣病予防の指導」や 「給 食管理」な ど,現在の学校栄養職員で も対応可能 な知識面や職務 に関す るものをあげ,栄養教諭の 職務 に新たに加わ った 「食指導計画の参画策定」
や 「学級お よび教科教諭 との連携」な どを 「特 に 重要」 としたものは少数であった。
学校栄養職員 と栄養教諭の職務で大き く異なる ことは,家庭科,保健体育,社会科,道徳な ど複 数の教科等 との連携 を図 り 「食 に関す る指導」 を 計画 ・実践することである。 また,学校における 食教 育 を担 うだけでな く,家庭や地域 との連携 を図 る ことに よ り,充実 した食 の指導 を行 うこ とが期待 され てい る6) 8)。つ ま り, 栄養教諭 に は, 「食の専門家」 として学校 内外での連携 を通 し, これまでの学校教育では困難であった充実 し た食教育を実践できるよ う教師や学校 を補佐 した り調整 した りすることが求め られている。 (3)
①
において対象者の多 くが 「教諭」 となること‑の 期待 をあげていたが, 「教諭」‑ 「授業を主体的・効果的に実践する ヒ ト」 とい う認識が強 く,栄養 教諭の職務 に対す る認識が不足 していると思われ た。
図
9
は,学校栄養職員か ら栄養教諭 となること で職務は どのようになるか, を尋ねたものであるoほ とん どの対 象者が 「責任 が重 くな る」 と回答 し, 「忙 しくなる」,「大変 になる」 と負のイ メー ジを持 っていることが示 された0‑万, 自身の<
食に関する専門的な知識 >を活かせ ることでの仕 事の充実を示す 「楽 しくなる」, 「能力を発揮でき る」を選択 したものは少数であった。また,多 く は 「食青に力をいれ られ る」 としていたが,地域
‑の貢献 に対す る意識は低かった。 このこともま た,前述同様,栄養教諭に対する認識不足 を推察
させ る結果 となった。
以上 より,対象者は栄養教諭に対す る期待は高 い ものの職務お よび制度 に対す る認識不足が示唆 された。栄養教諭 には,学校教職員のひ とりとし て子 どもの教育に携わるだけでな く,子 どもを通 して家庭や地域 を指導 した り,教員 ・家庭 ・地域 の連携 を図った りす ることが要求 され る。ゆえに, 栄養教諭養成 において,栄養教諭の職務は何かを 明確 にし理解を促す こと,な らびに食に関する指 導の年間計画策定能 力お よび学校内外の連携能力 を育成することの重要性が示唆 された。
4.
まとめ学校栄養職員に対する意識調査の結果か ら,学 校 における食教育お よび栄養教諭のあ り方 につい て述べ る。
学校栄養職員による現在の学校 における食に関 す る指導は,制度施行後 に実施回数が増加 し,特 に小学校低学年での実施が増加 していることが明 らか となった。指導内容は家庭科の内容に関連す
学校における食数台と栄溝教.諭のありノJについて
るものが多いが,単発的な授業が多 く継続的な指 導 はな されていなかった。 また,指導形態は学校 栄養職員単独の場合が多 く,子 どもの実態 に応 じ た適切な指導がな されているか疑問であ り,食教 育の機会 は増加傾 向にあった として も必ず しも充 実 した食教育 となっている とは限 らない ことが示 唆 された。 これ には,学校管理職 によって指導体 制が変わ り食教育の方針が転換す ることや,学校 栄養職員が教員でないがための遠慮 も影響す る こ
とが推察 された。
この ことよ り,学校 にお ける充実 した食教育の ためには,子 ども ・家庭 ・学校 ・地域 の現状 を踏 まえた食に関す る指導 を年間計画 として策定で き る 「栄養教諭制度」は非常 に期待 され る ものであ る。ただ し,今回の調査 によ り栄養教諭免許取得 予定の学校栄養職員で さえ,栄養教諭 の職務 に対 す る認識不足が判明 した。栄養教諭養成 において, 制度制定の経緯な らびに職務の理解,実践的な実 務能 力の育成が重要であるこ とを提案 したい。 さ らに,受 け入れ側 の学校 において も,学校栄養職 員 と栄養教諭の職務 の相違 を認識 した上で栄養教 諭 を活用す ることが求め られ る と考 える。
現在の子 どもや家庭 の実態 を考慮す る と,栄養 教諭配置校 と同様 に非配置校 において も同等の食 に関す る指導はな され るべ きである。非配置校 の 場合 には,学校が子 どもの食生活の実態 を把握 し, 学級担任,家庭科教諭,養護教諭な どが連携 して 食に関す る指導 を段階的,継続的 に行っていかな くてはな らないであろ う。その うちの く食 に関す る専門的な知識 >を必要 とす る内容 において,学 校栄養職員や地域 の栄養士を活用す ると充実 した
7 5
食教育が望める と思われ る。
将来的な子 どもお よび地域社会の健康 の維持 ・ 向上のためには,学校 にお ける食教育は重要であ
り,食 に関す る指導が年間指導計画 として継続的 に策定 され ることが望ま しい と考 える。その実現 のために,栄養教諭制度 は効果 を発揮す ると思わ れ るO‑方で,学校 と栄養教諭の双方が栄養教諭 の職務 を理解 していなか った り,栄養教諭 自身に 職務執行能力が備わ っていなか った りす る場合 に は無意味な制度である と思われ る。以上 よ り,学 校 と栄養教諭,両者の体制が整 うことが 「栄養教 諭制度」制定の趣 旨実現のために もっ とも重要で あることが′」ミ唆 され た。
参考文献等
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, 南江堂,1 9 89
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,南江堂,1 989
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1‑ 8
,アイ ・ケイコーポレーション,20 05 8)
女子栄養大学 ・栄養教諭研究科編,栄養教諭とはなにか