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雑誌名 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

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Academic year: 2021

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H大学男子バスケットボール部員の最大筋力の変化

著者 千葉 直樹

雑誌名 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

巻 7

ページ 131‑132

発行年 2016

URL http://id.nii.ac.jp/1136/00002528/

(2)

─  ─ 131

H 大学男子バスケットボール部員の最大筋力の変化

Transitions of Maximum Strength for Menʼs Basketball Players in H University

千 葉 直 樹 Naoki CHIBA

キーワード:バスケットボール,最大筋力,ウェイト・トレーニング

Ⅰ.はじめに

 バスケットボールのルールでは,身体接触をファウル として明確に禁止している。しかし,リバウンドや1対 1の攻防の中で少なからず身体接触はあり,筋力に優れ る選手の方が有利になる場面が多い。また筋力の向上が 怪我の予防や試合後半での粘り強いプレーにつながると 考えられる。

 こうした理由から,全国レベルを目指す男子の大学バ スケットボールでは,ウェイト・トレーニングが練習の 一環として行われている。たとえば,東海大学湘南校で は4年間を通して男子バスケットボール部の選手にウェ イト・トレーニングを行い,ベンチプレスの最大筋力は 4年間で平均で22.8キロ,スクワットは平均43.8キロ向 上させている

1)

。さらに,関東大学バスケットボール連 盟では,2003年にトレーナー部会を設置し,選抜合宿な どで一流選手のフィジカル測定を行い,測定結果をホー ムページに公表している

2)

。上位5名の測定結果は,ガー ドでベンチプレスが平均107キロ,スクワットが152キロ であった。

 北海道大学バスケットボール連盟では,数年前からト レーナー部会を設立し,男女の北海道選抜合宿において,

筋力測定を行い,ウェイト・トレーニングを積極的に行 うようになった。トレーナー部会の平野(2014)は,イ ンカレ常連校のS大学と関東の強豪大学の選手の筋力,

アジリティ,体格などを比較し,北海道の選手が体格と 筋力の面で劣っていることを指摘した

3)

。北海道の大学 バスケットボールチームは,過去10年間にわたり,男女 ともインカレで初戦を突破することができない結果に終 わっている。この結果は,道内の有望選手が関東や関西 の強豪大学に進学する傾向にあることともに,筋力レベ

ルの違いも要因の一つになっていると指摘されている。

 H大学男子バスケットボール部は,北海道大学バス ケットボールの1部リーグに所属し,2014年から3年続 けて5位という成績であった。リーグ戦の反省の中で,

インカレ出場校との筋力レベルや当たりの違いを指摘す る意見があり,筋力の向上は重要な強化ポイントの一つ になってきた。男子バスケットボール部では,学内のト レーナー部と連携し,学生トレーナーや外部のトレー ナーからの指導を受け,定期的に筋力測定とウェート・

トレーニングを行ってきた。

 本研究では,H大学男子バスケットボール部員の筋力 の変化を測定し,競技力の向上に生かすことを目的とし た。

Ⅱ.研究方法

1.被験者

 本研究の被験者は,2012年から2016年に入学したH大 学男子バスケットボール部の選手17名であった。被験者 が所属するチームは,北海道大学バスケットボール連盟 の1部リーグで下位に位置していた。

2.測定方法

1)測定期間

 測定期間は,2012年から2016年の5年間であり,大学 入学時,1年次,2年次,3年次,4年次の5回とし,

測定は4月に行った。体力測定の最大筋力の項目は,筋 力トレーニング種目のベンチプレスとスクワットとし,

測定は年間2回(4月と11月)の頻度で行い,各種目そ の学年内の最大値を測定値として採用した。

2)統計処理

 測定値はすべて平均値±標準偏差で示した。各年次の

2017年3月 March,2017 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 第7号  (131 〜 132)

Bulletin of the Northern Regions Lifelong Sports Research Center Hokusho University Vol.7

北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科

(3)

─  ─ 132

H 大学男子バスケットボール部員の最大筋力の変化

平均値について,前年次の平均値との比較(対応のある t 検定)を行った。統計処理の有意水準は5%未満とした。

Ⅲ.結果及び考察

1.1RM の測定

 表1に大学入学時から4年次までの1RM の測定結果 を示した。ベンチプレスとスクワットの1RM は,スク ワットの2年次と3年次の比較以外は,学年が上がるご とに有意に増加した。ベンチプレスは,4年間で平均 22.9kg 増加し,4年次には82.5kg ±10.6であった。スク ワットは4年間で47kg 増加し,4年次の平均は132.7±

11.2であった。

 入学時のベンチプレス平均は59.6kg ±12.0で,スク ワットは85.7kg ±9.3であった。この数値は,インカレ 優勝経験のあるT大学の測定結果と比較すると,ベンチ プレスで18kg,スクワットで20.4kg 少なかった。H大 学の男子バスケットボール部では,高校時代に全くウェ イト・トレーニングを行ったことのない学生も入学して おり,高校時代に練習の一環としてトレーニングを行っ ていた学生との格差があった。そのために,入学時の時 点でT大学とは大きな筋力差があったと考えられる。一 方で,4年間の変化を比較すると,H大学の結果は,T 大学と比べて遜色のない増加を示しており,効果的に筋 力を増加させたことを示している。

 スクワットの最大筋力は,2年次から3年次にかけて それほど向上していなかった。この理由は,この時期に スクワットのトレーニングを怪我のために積極的に行え なかった選手が数名いたことが影響したと考えられる。

 H大学のベンチプレスとスクワットの最大筋力は,学 年が上がるごとに順調に向上したことが明らかになっ た。しかし,関東のトップレベルの選手に比べると,大 きな筋力差があり,この格差を埋めるための地道なト レーニングが必要であることがわかった。

Ⅳ.まとめ

 本研究では,H大学男子バスケットボール選手を対象 に,ベンチプレスとスクワットの最大挙上重量について 4年間の縦断的な変化を測定した。その結果は以下の通 りである。

 最大挙上重量は,学年が上がるごとに有意に増加し,

ベンチプレスは4年間で平均22.9kg,スクワットは平均 47kg 増加した。

付 記

 本研究は,平成27・28年度北方圏生涯スポーツ研究セ ンター・センター選定事業として実施された。

文 献

1)小山孟志,陸川章,山田洋他:バスケットボール選 手における大学4年間の形態および最大筋力の1年 ごとの変化について.東海大学スポーツ医科学雑誌 ,  26:31−38,2014.

2) 関 東 大 学 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル 連 盟 ホ ー ム ペ ー ジ.

[http://www.kcbbf.jp]2016年11月1日参照.

3)平野充:北海道選手の体力・運動能力測定の試み.

平成26年度北海道大学バスケットボール連盟主催講 習会資料,2014.

表1 H大学男子バスケットボール部員の最大挙上重量 の測定結果)

ベンチプレス 1RM

(㎏)

スクワット 1RM

(㎏)

入学時    59.6±12.0    085.7±09.3 1年次 ** 68.2±11.1 ** 101.0±13.6 2年次 ** 71.1±10.2  * 115.0±12.5 3年次 ** 78.1±08.4  N.S. 119.5±11.9 4年次 ** 82.5±10.6  * 132.7±11.2

4年間の変化 22.9 47

  ** p < .01 * p < .05

参照

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