vol. 34
第34 号
September 2020
News Letter
公立大学法人奈良県立医科大学 女性研究者・医師支援センター
~ Center for Diversity and Inclusion ~
「奈良県の男女共同参画」 講師:奈良県こども・女性局女性活躍推進課 西橋奈穂 課長 医学科および看護学科 1 年生を対象とした必修授業である「次世代医療人育成論」に、9 月 7 日(月)奈良県こども・女性局 女性活躍推進課の西橋奈穂課長をお招きしました。当日は、女性研究者・医師支援センターの須﨑康恵マネージャーが司会を務 め、西橋奈穂課長から男女共同参画社会の理念や日本における男女共同参画の歴史、奈良県の男女共同参画の現状についてご講 演をいただきました。今回の授業は学生参加型の形式も取り入れられ、学生達が身近な話題から男女共同参画について考える良 いきっかけになったと思います。
本学は、県が主催する「なら女性活躍推進倶楽部」に登録し、須﨑康恵マネージャーが奈良県男女共同参画県民会議委員およ び奈良県男女共同参画審議会委員を務める等、奈良県と連携して女性活躍推進に向けた様々な活動を行っています。今後も県と 協力して、医学科と看護学科の学生が男女共同参画社会の実現を担う良き医療人に成長できるよう、男女共同参画に関する教育 に取り組んでいきたいと思います。
男女共同参画に関する授業の実施
Report
Report1 男女共同参画に関する授業の実施
Report2 本学教員・研究者・学生および医師の女性割合
Report3 「令和元年度職員満足度調査」集計結果(ハラスメント編)
講師:西橋奈穂課長
司会:須﨑康恵マネージャー
授業の様子
本学教員・研究者・学生および医師の女性割合
医学部女性教員および医学科女性教員の割合は、平成 26 年以降も着実に増加しています (図 1) 。令和 2 年度の医学科女性教 員割合は 19.8% となり、第 3 期中期目標・中期計画(令和元年度~令和 6 年度)の最終目標である 20.0%に近い値となっています。
令和 2 年度の医学科助教に占める女性割合は 25%を越え、講師の女性割合も 23%を越えています (図 2) 。しかしながら、医学 科教員の女性割合(19.8%)と医学科学生の女性割合(27.6%)の間には明らかな差を認めます。女子学生のロールモデルを増やし、
男女共同参画の理念に基づく質の高い医学教育を提供するためにも、さらなる女性教員の増加が望まれます。とりわけ医学科 では、全国的にも教授・准教授に占める女性の割合が低く、本学においても指導的立場に就く女性教授・准教授の増加が今後 の目標と考えます。
医学科学生、臨床研修医、医員の指導に携わる臨床系女性教員も着実に増加しています (図 3) 。令和 2 年度の臨床系女性教員 数は第 2 期中期目標・中期計画(平成 25 年度~平成 30 年度)の最終目標(35 人)を大きく上回る 48 人となっています。令和 元年度の臨床系女性教員の採用割合は 35.1%となり、平成 26 年度の採用割合と比べて 2 倍以上となっています (図 4) 。しかし、
臨床研修医や医員(専攻医、医員、病院助教、診療助教)と比べると、臨床系教員の女性割合は未だ低い状況です (図 5) 。今後も 女性の臨床系教員を増やすためには、候補者となる常勤(本学では週 5 日勤務)の女性医師を積極的に採用し、臨床・研究・
教育の各分野で適切なキャリア支援を提供することが重要と考えます。本学では、常勤女性医師数を令和 6 年度に 140 人とする 第 3 期中期目標・中期計画を掲げていますが、令和 2 年度は年度目標を下回る 123 人にとどまっています (図 6) 。本学において も医師の働き方改革を積極的に進め、女性医師が適切なワークライフバランスを保ちながら常勤で働ける環境をより一層整え ていきたいと思います。
Report
図2 医学科学生・教員の女性割合 図3 臨床系女性教員数の推移
6.2% 8.6%
18.2% 23.3%
17.9%
25.1%
14.3%
19.8%
29.1%
27.6%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2
医学科学生 助教 講師 教員全体
教授・准教授
今後の目標
26 24 28 31 37 38
47 48
25 27 29 31 33 35
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 実績 第2期中期目標・中期計画
(平成25年度~平成30年度)
(人)
図 1 女性研究者割合の推移
14.3%14.9%16.1%16.4%16.9%
19.4%19.8%
17.5% 18.0% 18.5%19.0% 19.5% 20.0%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
22%
H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 医学科女性教員 第3期中期目標・中期計画
(令和元年度~令和6年度)
48人 53人 55人 58人
67人 69人
45人
0%5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2
女性研究者・医師支援センター設立前 ※研究者…教員 + 研究員(医員、寄附講座教員、特任教員、
共同研究講座教員、研究助教、特別研究員、URA)
医学部女性教員 女性研究者
18.0% 19.5%20.2%22.0% 21.3% 21.6% 23.3%22.2%23.0%25.4% 25.8%
23.1%23.8%23.6% 24.6% 24.5%24.8%27.7% 27.6% 27.8%29.4%
27.7%
【医学部女性教員・研究者割合】 【医学科女性教員割合】
図4 女性教員採用割合 図5 医師の職位別女性割合(令和2年度)
医学部女性教員 医学科女性教員 臨床系女性教員
注)女性教員採用割合(%) = 女性教員採用数 男女教員採用総数 ×100 H26 H27 H28 H29 H30 R1 18.2% 26.7% 30.2% 23.1% 31.4% 33.3%
12.8% 23.3% 22.9% 22.2% 22.6% 28.9%
16.1% 21.6% 22.7% 20.0% 24.0% 35.1%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
研修医臨床 27.6%
専攻医 24.6%
医 員 28.3%
病院助教 35.4%
診療助教 33.3%
臨床系教員 18.0%
■女(人) 29 35 10441 34 15 48
■男(人) 76 107 62 30 219
全体(人) 105 142 145 96 45 267
図6 女性医師数(週 5 日勤務)の推移
84 93
109 121 125 136 123
125 128 131 134 137 140
0 20 40 60 80 100 120 140 160
H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6
実績
第3期中期目標・中期計画
(令和元年度~令和 6 年度)
(人)
令和 2 年 5 月1日現在、臨床系女性教員 48 人の所 属内訳は図7の通りです。本学で最も多く臨床系女 性教員が在籍するのは、産婦人科学講座(7人)で、
次が病理診断学講座(5人)となっています。臨床医 学講座の中で、講師以上の上位職に女性が在籍す る講座は、全25教室中10 教室(病理診断学、小児科 学、皮膚科学、消化器・総合外科学、眼科学、放射線 医学、脳神経内科学、放射線腫瘍医学、循環器内科 学、消化器内科学)あり、このうち8教室では、複数 の女性教員が在籍しています。上位職に女性が在 籍する教室では、後進の女性医師の育成も進んで いると考えます。
一方、女性教員がゼロである臨床医学講座は、令 和元年度の9教室から減少はしていますが、未だ6 教室あります。これら6教室の中には、女性教員は 在籍しないものの、女性診療助教が在籍する教室 が2教室(耳鼻咽喉・頭頸部外科学、感染症センター)
あり、そのうち感染症センターでは、今年6月に女 性教員が採用されています。今後、その他の女性教 員ゼロの5教室にも新たな女性教員が就任するこ とを期待したいと思います。
当センターでは、女性研究者・医師への研究支援を中心に、ワークライフバランス推進やハラスメントの防止、医学科学生へ のキャリア教育などを通して、今後も女性の活躍を応援していきたいと思います。
図7 臨床系女性教員の所属内訳
●
女性教員及び女性診療助教がゼロの4医局
脳神経外科学、胸部・心臓血管外科学、救急医学、腎臓内科学
講師以上の上位職に女性が在籍する教室
病理診断学 5人 放射線腫瘍医学 2人
小児科学 4人
皮膚科学 4人 産婦人科学 7人
消化器・総合外科学 3人 眼科学 3人
放射線医学 3人 麻酔科学 3人 脳神経内科学 2人
精神医学 2人
糖尿病・内分泌内科学 1人 その他 2人 泌尿器科学 1人
総合医療学 1人
循環器内科学 1人 消化器内科学 1人 呼吸器内科学 1人 整形外科学 1人
口腔外科学 1人
[編集後記]
今年の夏は最高気温が 40℃を超える地域もあり、猛暑で身体に疲れが溜 まっている方も多いのではないでしょうか。季節はそろそろ食欲の秋。栄養価 が高く、免疫力アップにも効果的な旬の食材を意識的に取り入れ、夏の疲れを 解消して、秋冬に備えましょう。新型コロナの影響でまだまだ予断を許さない 状況が続いていますが、季節の移ろいを感じながら、一人一人が元気に毎日を 過ごせますように。
[編集・発行]
奈良県立医科大学 女性研究者・医師支援センター「まほろば」
〒634-8521 奈良県橿原市四条町840 奈良県立医科大学 基礎医学棟5階 TEL:0744-23-8011(直通)
0744-22-3051(代) 内線:2525 E-mail:[email protected]
にこにこ
Report
3 「令和元年度 職員満足度調査」集計結果(ハラスメント編)
本学では第 3 期中期目標・中期計画(令和元年度~令和 6 年度)において、全教職員が働きやすい魅力ある職場環境づくりに 向けた働き方改革を推進し、職員満足度の向上を図ることを目標としています。令和 2 年 2 月、職員の意識の変化、事業の進捗状 況等を把握し、一層の業務の効率化・合理化への検討・取り組みを行うことを目的に、全教職員を対象としたアンケート調査が 実施されました。当センターでは、本学人事課および働き方改革推進委員会と連携し、調査票の作成や結果の分析を行っていま す。今回はハラスメントに関するアンケート結果をご紹介します。
令和元年度と平成 27 年度のアンケート結果を比較すると、全職種において、この 1 年間に所属する職場で「ハラスメントを見 聞きした割合」、 「自身がハラスメントを受けていると感じた経験の割合」ともに増加しています。平成 24 年度と平成 28 年度に 実施された厚生労働省委託事業『職場のパワーハラスメントに関する実態調査』でも、過去 3 年間に「自身がパワハラを見たり、
相談を受けたことがある」が 28.2%から 30.1%に、 「パワハラを受けたことがある」が 25.3%から 32.5%に増加したという結果が 出ており、本学に限らず全国的にもハラスメントに対する意識が高まっています。また、今年 6 月より、事業主には職場のパワー ハラスメント防止措置(相談体制の整備、相談したことに対する不利益取扱の禁止等)が義務付けられ、セクシャルハラスメン トやマタニティハラスメント等の防止対策の強化も合わせて求められるようになり、本学においてもハラスメントの防止は喫 緊の課題となっています。
当センターでは、大学・附属病院の全部署を対象に各部署が抱える個別の課題やニーズに沿った受講者参加型の研修会を実 施できるよう、オリジナルのケーススタディやシナリオ作成もお手伝いします。相談業務に加えて、教職員の皆さまが自分たち で課題を解決するための支援も行っていますので、希望される部署がありましたらご相談ください。
職員満足度調査集計結果
調査期間:令和 2 年 2 月 17 日~ 28 日 配布数:2,759 調査方法:自記式調査法(質問紙調査・インターネット調査) 回収数:2,247 調査対象:奈良県立医科大学に所属する教職員 回収率:81.4%
27.6 24.7
40.2 43.8 25.2
71.9 75.3
58.4 53.8 73.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
教員全体(n=199)
医師全体(n=283)
看護師(n=659)
医療技術職員(n=251)
事務・技術・
看護補助職員(n=445)
(平成27年度)
34.9 38.8 44.6
56.4 30.7
64.8 60.9
54.9 43.6 68.9
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
教員全体(n=318)
医師全体(n=399)
看護師(n=858)
医療技術職員(n=307)
事務・技術・
看護補助職員(n=505)
(令和元年度)
ある ない 無回答この 1年間に所属する職場でハラスメントを見聞きしたことがありますか
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
教員全体(n=199)
医師全体(n=283)
看護師(n=659)
医療技術職員(n=251)
事務・技術・
看護補助職員(n=445)
(平成27年度)
82.1 80.5 73.1
68.4 80.6
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
教員全体(n=318)
医師全体(n=399)
看護師(n=858)
医療技術職員(n=307)
事務・技術・
看護補助職員(n=505)
(令和元年度)
ある ない 無回答15.6 15.2 24.0 22.7 16.0
83.4 84.5 75.3 75.7 82.7
25.9 30.9 19.2 18.8
17.3