• 検索結果がありません。

背景

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "背景"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 濱

ハ マ

タ ニ

雅子

マ サ コ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

179

号 学位授与の日付 令和

2

3

25

課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 足病変のケアを目的とした訪問看護師の療養者との関わり 論 文 審 査 委 員 主査 教授 河原 加代子

委員 教授 西村 ユミ 委員 教授 山本 美智代

【論文の内容の要旨】

背景

自宅で暮らす療養者の自分らしい生活を支える上で、足病変を改善させる

/

悪化させない ためのケア(足病変のケア)は重要である。そのケアは主に訪問看護師が担っている。そ して、訪問看護師が対象者の足に直接施す行為に着目し、その実態や効果を明らかにした 研究はいくつか報告されている。一方、筆者は「足病変のケア」の通称である「フットケ ア」の概念分析を行ない、その属性を明らかにした。その結果、看護師はフットケアを足 に直接施す行為としてだけでなく、療養者との関わりも含んだ概念として捉えていた。し たがって、看護師による足病変のケアの全体像や本質を理解するためには、看護師と療養 者の関わりを検討することが必要である。

看護師は、足病変を患う患者

/

療養者との関わりにしばしば難渋しながら、ケアを行なっ ている。それにも関わらず、足病変のケアにおける両者の関わりに着目した先行研究は、

病棟や外来において検討された、患者の視点からみた看護師との関わりのプロセスや、ケ アを行なう看護師の体験を描いた記述の提示に留まっている。看護師が自らの実践を理解 し、ケアの質を高めていくためには、看護師の視点から、患者

/

療養者との関わりのプロセ スを明らかにする必要がある。さらに訪問看護は、療養者の生活の場で、療養者と

1

1

の 関わりが求められるという、病棟や外来とは異なる特徴を有している。それ故に、自宅で 暮らす療養者により良いケアを提供するためには、訪問看護において看護師の療養者との 関わりを検討しなくてはならない。

目的

(2)

本研究の目的は、足病変のケアのために訪問した看護師が、療養者とどのように関わり ケアを行なっているのか、そのプロセスを明らかにすることである。

方法

足病変のケアを日常的に実施している、訪問看護経験

5

年以上の看護師

17

名を対象とし、

半構造化インタビューにてデータを収集した。対象者には、足病変のケアを目的に訪問し た療養者

1

名に対する実践を想起してもらった。分析には修正版グラウンデッド・セオリ ー・アプローチ(

M-GTA

)を用い、分析焦点者は「経験を積んだ訪問看護師」とした。そ して、「訪問看護師が足病変をケアできる関係を療養者と築いていくプロセス」及び「訪 問看護師が足病変のケアを療養者の生活に位置づけていくプロセス」という

2

つの分析テー マを設定し、それぞれのテーマに対して理論を生成した。

なお、本研究は平成

29

年度首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会の承認を得 て実施した(承認番号:

17087

) 。

結果

研究対象者である訪問看護師

17

名は全員女性であり、年齢の内訳は、

40

歳台

11

名、

50

歳 台

5

名、

60

歳台

1

名であった。対象者の訪問看護師経験を含む看護師経験は平均

25

年(

15

37

年)、訪問看護師経験は平均

14

年(

5

27

年)であった。一方、語られた療養者

16

名は、

50

歳台から

90

歳台で、男性

10

名、女性

6

名であった。足病変は、潰瘍や褥瘡といった創傷が 最も多く、次いで、白癬、浮腫、爪の変形、蜂窩織炎、壊疽などであり、したがって、創 傷処置を目的とした訪問が最も多かった。

「訪問看護師が足病変をケアできる関係を療養者と築いていくプロセス」は、

3

つの<カ テゴリー>、

2

つの【サブカテゴリー】 、

14

個の[概念]でまとめられた。訪問看護師は、

療養者に安心して訪問看護を受けてもらえるようにするという<安心感の保障>をした上 で、足病変の<ケアを慎重に試みる>ことで、足病変をケアできる関係を療養者と築いて いる。<ケアを慎重に試みる>の中核は、 [探りながらのミッション遂行]及び[日常でで きる戦術の提案]をする一方で、療養者の訪問看護に対する抵抗感や拒否感に繋がりそう だと感じたら、一旦潔く引く([拒否感予防の一時退避])という、看護師が療養者に近づ いたり遠ざかったりしながらケアを遂行するプロセスである。さらに、 [他者との関わりの 困難性]及び[暮らしぶりからの連想]で構成される<療養者の特徴を集める>が、<安 心感の保障>及び<ケアを慎重に試みる>を支えている。

「訪問看護師が足病変のケアを療養者の生活に位置づけていくプロセス」は、

1

つの≪コ

アカテゴリー≫、

3

つの<カテゴリー>、

3

つの【サブカテゴリー】 、

15

個の[概念]でま

とめられた。足病変をケアできる関係を療養者と築いた訪問看護師は、<専門家としての

サポート>をしながら、<療養者の継続できるやり方への変換>及び<治したい気持ちの

発掘・強化>をすることによって、そのケアを療養者の生活に位置づけようとしている。

(3)

このプロセス全体を貫くコアカテゴリーは、≪療養者らしい生活の確保≫である。<専門 家としてのサポート>は、看護師が[任せて見守る]と【改善/悪化を防ぐアクション】を 行き来しながら、バランスを取ることで成り立っている。看護師はこのような<専門家と してのサポート>を通して【見えてくる個性】に合わせ、 [療養者の継続できるやり方への 変換]を行なっている。このプロセスの進行に大きな役割を果たしているのが[心地よい 時間の提供]である。つまり、療養者は心地よい気持ちになると看護師に心を開き、自ら のことを積極的に語るようになる。看護師は、こうして促進されたコミュニケーションを 通して、療養者のことを理解できるようになっていた。

考察・結論

本研究が示した「訪問看護師が足病変をケアできる関係を療養者と築いていくプロセス」

は、<安心感の保障>及び<ケアを慎重に試みる>という大きく

2

つの基本構造から成り立 っているという点において、先行研究における「訪問看護師が療養者と関係性を築いてい く一般的なプロセス」と合致している。その一方で、<ケアを慎重に試みる>の中核概念 の

1

つである[拒否感予防の一時退避]は、本研究で初めて示された概念である。足は普段 人目に触れることが少なく、清潔と不潔の区別が明確に表れやすいため、他人に見せるこ とを躊躇されやすい部位である。本研究では、そのような部位における病変に着目したが 故に、[拒否感予防の一時退避]という新たな概念を抽出できたと考える。

本研究では、足病変のケアにおける関わりを検討したにも関わらず、「訪問看護師が足 病変のケアを療養者の生活に位置づけていくプロセス」のコアカテゴリーは、≪療養者ら しい生活の確保≫であった。これは経験を積んだ訪問看護師が、ケアの対象を「患者」で はなく、「生活者」として捉え、その「生活者」である療養者の自分らしい生活を最優先 に考え、足病変のケアを実践しているからであろう。

そして、「足病変のケアを療養者の生活に位置づけていくプロセス」において最も重要 なことは、療養者の個性が見えてくる(【見えてくる個性】)まで、さらにその後も、<

専門家としてのサポート>を継続することである。看護師は基本的に療養者に[任せて見 守る]一方で、医療職として病態を改善させる

/

悪化させないために必要な行為をしている

(【改善

/

悪化を防ぐアクション】)。病態悪化のリスクを見極めながら、療養者に[任せ て見守る]ことは、看護師だからこそできる重要なケア(サポート)であると考える。さ らに、看護師が療養者理解を深めていくためには、ただ時間を共有するだけでなく、足湯 や足浴、マッサージといった[心地よい時間の提供]が有用であることが示唆された。

このように、経験を積んだ訪問看護師は、足病変を改善させる

/

悪化させないために、 「潔

く引く」 「焦らずじっくり向き合う」といった姿勢で、一見遠回りのように見えるプロセス

を辿りながらも、足病変をケアできる関係を療養者と築き、そのケアを療養者の生活に位

置づけている。

参照

関連したドキュメント

する愛情である。父に対しても九首目の一首だけ思いのたけを(詠っているものの、母に対しては三十一首中十三首を占めるほ

次に、第 2 部は、スキーマ療法による認知の修正を目指したプログラムとな

・HSE 活動を推進するには、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、造船所で働く全 ての者及び来訪者を HSE 活動の対象とし、HSE

前項で把握した実態は,国際海上コンテナ車の流

しかしながら,式 (8) の Courant 条件による時間増分

また,この領域では透水性の高い地 質構造に対して効果的にグラウト孔 を配置するために,カバーロックと

区内の中学生を対象に デジタル仮想空間を 使った防災訓練を実 施。参加者は街を模し た仮想空間でアバター を操作して、防災に関

鋼板中央部における貫通き裂両側の先端を CFRP 板で補修 するケースを解析対象とし,対称性を考慮して全体の 1/8 を モデル化した.解析モデルの一例を図 -1