所 得 税 と 物 價
︵ 二
・ 完
︶
松 野 賢 吾
要 田 節 一 編 序 論
︵1
︶静 態の 与件
︵2︶物価水準と貨幣価値
︵3
︶租 税と 物価
︵4︶租税作用の分析に取りての方法論的出発点︵5︶租税収入使用方法
前号掲載 第
二 編 本
. 諭
︵ 1︑
︶ 所 得 税 の 価 梅 に 及 ぼ す 作 用 1 租 税 収 入 が 消 費 財 購 入 の 為
に 安 田 せ ら る ゝ 場 合
︵ 2
︶ 静 態 に 於 け る 所 得 税 の 非 転 掠 性
︵ 3
︺ 其 他 の 租 税 収 入 使 用 方 法 の 場 合
︵ 4
︶ 質 易 の 及 ぼ す 作 用
︵ 5
︶ 賠 償 金 支 払
︵ 6
︶ 租 税 収 入 と 貨 幣 の 流 通 速 度
︵ 7
︶ 結 論
本号掲戟 所
待 税 と 物 価
四九
経 営 と 経 済
主
O (1
)
所 得 税 の 価 格 に 及 ぼ す 作 用 租 税 牧 入 が 消 費 財 購 入 の 翁 に 支 出 せ ら る
︑ 場 合
従来租税の課税を受くる'事のたかった静態的経済に対し︑一般所得税が
P︒ ハ
1 セ
Y
F の犬きさを以て︑純所得忙対
して諜せられ︑所得牧得に際じて此の所得税の計算が可能であるものと仮定する口
右の場合︑個︑々の所得者は︑賊買カを
P︒ ハ
1
セγ干丈奪はれ︑治費財市場に於て此の程度丈低下したる需要を展開
する口従って国家が英の徴牧したるん所符税牧入を以て︑治費財需要一者として市場に現はれない限り︑凡ての価格は平
均
P︒ ハ
1
セシト丈低下する筈である︒此の条件は前に掲げたる和税牧入使用方式︿
a)
に該当するのであるが︑此の
場合︑間家は︑個人が
P︒ ハ
1
セ y
f の購買力を剥奪せられて︑共の泊費を断念したると同一の商品を需要する事が要
詰せられる︒故陀均衡は次の事情に依って︑主礁に到達せられる︒質的並に量的に不変友る商品販売が行はれ︑其の
個々の商品の価格も亦不変であるとすれば︑金物価水準も亦変化しない口仮令租税収入の国家に依る支出が従来の需
要体系に変化を生ぜしむる場合と殿︑金古川諸要素の構成に技術上の変化の生じたい限りは︑(第一編﹁
2)
を見よ)︑同
一の結果が涜ちされる︒則ち売買せられる商品と商品との問に増減を生じ︑そして個々の価格に転位を生やる事があ
っても︑金物価水準は是 K 依って影響を受けたい︒何と怒れば価格の勝貴と下落とは︑第一一編に於て述べた様に相互
に補正し合うからである︒
リッチュルは︑個人需要が共なれる性質を有する共同需要に変化する場合に生宇ベき摩擦を重要況している︒(岡山‑
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田町
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口問2
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ロ叫)︒協かに此の摩擦は大友る撹乱を生ぜしめる場合があるであろう
けれ共︑乍然結局に於ては均衡状態の実現せられ得るものである事を考える時は一此の摩擦乃至撹乱は之を無祝する事
が出来る︒個人需要上り共同需要に変化したる当初に於ては︑明かに物価水準は変化
!i
恐らく上昇の方向
k a l l
e
す
るであろう︒生産が新たる需要状態に完全に適合せざる限り︑需要の滑加したる生産部門に於ては犬たる価格
苛が
m w現はれ︑需要の低下したる生産部門に於ては価格が低下して損夫が現はるふであろう白此のこっの方向への価格上の 振幅は︑理論的には相殺し合うべき筈であるが1
実際に於ては価格勝貴が侵勢となるであろう︒何とたれば損失を受 くべき企業は生産を停止すべく︑旦又従来遊休し来クた生産手段を急速に起用する事は図難であり︑斯くして過渡期
に於て・は生産減少が生守るであろうからである︒
終局的危均衡状態に於ては︑金物価水準は変化しないのであるが︑価格問の関係は需要の変化に依クて変化を受け る︒価格聞の関係を考察する場合︑共の価格が不変なりや︑騰貴するや︑低下するやに従クて︑商品を三クの型に分 類する事が出来る︒第一の価格不変なる商品に於ては︑個人需要に弾力性無く︑共の為に泊費者は租税に因る購買力
の喪失にも拘はらや7
︑従前と同額の購買力額を支出するか︑或は個人泊費者の需要低下が国家需要の増加に依クて補
填せらるふかである口第二の価格騰貴する商品に於ては︑国家需要の増加の大さは︑個人需要の低下の大さよりも工り
大であり︑第三の価格低下する商品に於ては︑其の反対である︒
右の個人需要より共同需要への変化は︑泊費財の介野内に於て生じたる事を仮定したものであクて︑泊費財の質的 組合せを変化せしむるに止まり︑泊費財の分量の絶対的大さや全生産量に対する泊費財分量の割合に変化を生ぜしめ
るもので唱はたい︒乍然若し国家が泊費財の代りに生産財や前生産物を需要し︑共の為に市場
km
Aらせらる
‑A
所の泊費
財の分量が減少する時は︑事情を具にする︒此の場合同時に治安財市坊に於ける購買力総額を減少するが故に︑泊費 財の分量と賠買力額との減少の大さが正確に正比例する限りに於ては︑泊費財の価格水準は何等の影響も受けたい事
とた
る︒
(註
)口
︑ ︑
註︑より正確なる解決は︑個々の売買段階を考察する事に依つてのみ達せられ得る
D
E口
等は
之を
省聞
社し
︑只
此処
には
︑消
費財
より
前生産物への需要変化が売買段階の数を低下せしめる事を指示して置くに止め度い︒従って従来商品の移動の為に拘束せられ℃ゐた貨幣宣が自由となり︑此の自由となりたる貨幣量は︑消費財と前生産物との価格勝賞を生ぜしめる口
所 得 税 と 物 価
五
経 蛍 と 経 済
五
( 2 )
静態に於ける所得税の非時嫁性
所得税の少く北二部分は︑前転せられ得るものであり︑従・クて価格騰貴を溺らすとする主張は︑一般に行はる
tA所
であるが︑主口等は掛る主張を更に検討して見ょうと思う︒転嫁は個々の所得範鴎別ち賃銀・企業所得・地代に区分し
て研究せられて長り︑守
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∞
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・∞・∞)租税の為に供給減少が生じ︑他方︑需要不変
企SM0Sであるか︑叉は少く共相対的に需要減少小であるかに依り︑価格騰貴の必然的たる場合︑転嫁可能性が与えられるも
︑のとせられている︒
所得税の惹起する所の所得低下は︑労働供給の低下を溺らし得るであろうか?賃銀のみを以て唯一の所得として
いる所の個々の労働者は︑其の労働供給を縮小し得ない事は明白である︒(特に﹀
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斯る労働者に取クては︑従来の程度に於ける完全労働か︑又は完全たる所得喪失か︑二者択
一の問題が存するのみであるが︑毎日の労働過程は伝統的並に
i技術的に確定して長り︑継続して行はる
Lものである
事を考慮する時は︑労働供給を窓意的に加減するが如きは︑不可能の様に思はれる︒殊に前述の議論は自由職業の労
働給付に当後らざるのみなら示︑実質的なる所得の低下の為に︑却クて労働供給の増加の生宇る事無きやの問題すら提
起せられるであろう︒各労働者が共の供給する労働給付の分量を自由
r加減し得る様︑な︑完全に自由なる労働市場左
前提として︑実質賃銀の引下げらる
L場合︑労働供給は減少するか︑不変であるか︑増加するかと云う事を考えねば
た ら
な い
︒
y
個々の賃銀と伝統的労働時間との積止しての労働者の全所得が︑租税の賦課に依クて肉体的最低生活費以下に低下
する時は︑必然的に︑そして共の他の労働供給機椅とは無関係に︑供給せらるふ労働量は正比例的に増加する筈である︒
此の増加は労働者自らの給付増加又は従来労働市場に現はる
L事の無かクた家族の労働の新な供給に依クて生宇る︒
設低生活費以上の所得に在クては︑事情は著しくより複雑である︒一部の労働者は︑賃銀を増額して貰い︑従クて租
税に依クて何等の作用を受くる事無く︑従来と同程度の労働を供給し︑引上げられたる賃銀を実質所得の増加と考え
るであろう︒或は一部の労働者は賃銀引上の影響左受けて︑附加的たる労働量を供するであろう口斯種労働者は増加し たる所得単位の利用左︑従来亨受し来りたる自由時間の利用ふれも︑より大であると評価しているのである︒或は又一
部の労働者は従来よりも
bh
少く労働するであろう口斯種労働者に取っては︑不変危る実質所得︑叉は僅少に上昇す
る宍質所得を収得する場合︑自己の自由時間の大である事が︑所得の増加よりもより大たる利用を供するのである︒
労働供給総量の内︑後の二者は︑第一の種類の労働者の固定的なる労働供給に対して︑補償的作用を及ぼすのである
が︑此の補償は事実に於て完全で印ないであろう︒右の各種類に属する労働者の数量と弾力性とに従クて︑精確たる中
間的状態よりの背離が現はれるけれ共︑此の背離は常に微細なものであると考えられる︒何となれば第一並 K 第二の
種類に属する労働者の供給曲線は︑垂直紘より著しく背離するものではないからである︒(註)︒斯く賃銀の大さに対
する労働供給の不変位を是認する時は︑賃銀に認せられたる一般所得税の非転嫁性が論結せられ得る口
註︑より正確に解明する為には︑分析的方法を旅る討中が必援でるるけれ共︑之を分析する事は︑本稿の節囲外であるから︑之を省
日 告
す る
口
企業所得は企業者賃銀と差額地代より成立クものであるが︑企業者給付の減少は︑限枠生産者が企業者賃銀を牧得
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ある限りに於ては︑所得税が限界生産者をして生産の縮小又は停止を行はしめる場合︑現はれる︒乍然此の為
に生十る所の所得喪夫の事実は︑限界生産者の斯る離脱を防止する︒一の限界生産者の離脱に依クて生やる所の生産
不足は︑他の限界生産者に取クて︑利潤獲得の機会となる‑則ち一の限界生産者は経営手段を放棄し︑労働者を解雇
し︑賃銀を引下げるに反し︑物価は供給減少の影響を受けて騰貴するが故に︑共の他の競争経営は生産を拡張し︑結
局従前の均衡が一品び到達せられるであろう︒
同様なる思考過程は︑地代にも亦当成る︒只此場合注意すべき事は︑地代は自由競争の存する限り︑供給減少に依
クては決して回避し得ない所の純然たる差額利潤を示すものである事是である︒
以上論やる所に依り︑所得税の一般的なる非転嫁性を明かにした'のであるが︑此の理論は静態に取ってのみ当蹴る
所 得 税 と 物 価
五
経 蛍 と 経 済
五 回
事を注意したければたらない︒動的前提のアに於ては︑直夜間接の転嫁の機会が存するであろう︒例えば所得税は主
として納税者の貯蓄資金より負担せられる事がある︒(︒・
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供給の低下は利子率の上昇を賀らし︑従クて新投資はより犬︑なる費用を負担せねぽならやノ︑新に生産せらる
tA所の商
品の価裕も亦問問責するであろう︒此の価格勝貴は静援の場合とは典︑にして︑仮定的に構想せられねばなら怠い︒展開
せらると附の劫設は多くの不確実なる一要凶を包含するから︑正絡なる結論に到達する事は困難である︒
(3
﹀
共他の租税牧入使用方法の場合
(一)国家は租税牧入に依クて︑商品購入を行は十して︑直援に生産的目的を有しない所の同家の行政的活動の為
に︑従来商品生産に従事し来タた労働者を佑入れる事がある︒
吾等は生産・賃銀・伺絡の三者間の関係主一の例に伏ヲて解明しよう︒金生産は垂直的に合同している所の多くの
株式会社の学中に在クて︑是等株式会社は利潤を挙げ守して活動し︑所得は凡て賃銀であると仮定する︒そして毎日
一百人の労働者に対して一千円の賃銀額が支給せられ︑此の賃銀績は同時に国民経済に於ける貨幣流通量を形成する
ものと仮定する︒毎日生産せらる
L商品は︑一個に付き一円の価格にてー千単位となるものとする︒今︑国家は凡ての
所得に対し一
Oパlセシ?の租税を課し︑此の租税は所得(賃銀)支払に際して︑企業者より国家に支払はれる︒同
時に国家は第一日に収納すべき租税収入を期待して︑十人の労働者を生産より引抜いて︑此の労働者に対して租税収
入を以て俸給を支払う︒従クて第一回の租税関課の日に於て︑生産的労働市場に在つては九十人の労働者が︑従来百
人にて占められたる労働場所に於て働く事と在る︒他方︑企業者は依然として一千円の金員を賃銀支払の為に保有す
る︒然るに供給せらるふ労働萱は︑従来の賃銀を以てすれば九百円を以て屈入れ得る筈であるが︑労働供給不足の為︑
賃銀は一一・一一円に騰貴して︑残存労働者に対して競争が生やるであろう︒此の賃銀の内の一
O︒ ハ
1セン
T ︑則ち
合計百円は国家の租税牧入左怒り︑残り九百円は名目的純所得
T
どして労働者の手中に残る︒今芳じ同家は収得した.る
租税収
λを直ちに国民経済内に支出し︑之を受領したる者は同じ日に消費財市場に於で消費財を需要するとすれば︑
恐らく一
O︒ ハ
1セ
γ干減少したる労働者数に依って生産せられたる九百単位の生産物に対して︑一千円の名目的障買
力が対応する事にたるであろう口従って生産物の価格は︑賃銀の勝賞と正確に比例して︑一円工り一・一一向に騰貴
する筈である︒
以上論じたる所を要約すれば︑次の如く怠る︒所符税に依って
λ
生産的労働力を公的用役に転位せしむる事は可能
となるのであるが︑共の為に生産量の比例的減少を生じ︑従って賃銀水準と物価水準も亦︑是に伴って上昇する︑
左口此の場合租税の挿入に依って︑貨幣流通の凍一度に変化を与えられたいけと一式ろ重要怒る前提が必要であり︑此前提
は華寛︑生産的労働に従事する者が所得税として共の所得を同家に移動すると同時に︑公的用役に従事する者が共の
所得を泊費財市場に支出する事を意味するに外なら注い︒吾等の所論に於て出発点となるべき此の前提が事実上実現
するや否やは︑全く計算技術的友問題にして︑是に関しては後述する口只此処に重要注事は︑企業者より国家に︑又
留家より公的労務者に対して行はる
LA技術的なる支払行為が︑
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・3 59
同) 日間 同丘 町円 程内
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83︑若し長時日を必要'とする時は︑物価は従来の水準の上に停止するものたりや︑叉は低下する
ものなりやと云う事是である︒
右の様に著しく秩序ある推論を︑より複雑なる実際の現象に当蹴める為には︑若干の修正を加える必要がある︒主口
等 は
一
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︒ ハ
1
セγ﹁の労働者が生産より引抜かれる場合︑生産減少の犬さも亦正確に一
O︒ ハ
1
セY
T であると仮定し
た︒乍然実際に於ては︑此の生産減少は上り小であろち口何と在れば凡ての経営は︑平等に労働者減少の打墜を受く
るものでは伝く限界生産者又は限界生産手段のみが打撃を受くるものであり︑叉他方に於て生産界に残存する者は︑
より犬なる限界牧誌を以て活動するに至るからである︒故に生産減少は生
J障的労働者数の減少の何割かであり︑従ク
て物価水車の勝賞も亦︑右に述べたる程度には達しないであろう︒
fそして又︑凡ての商品の価格は必やしも平等に騰貴するものでは訟い︒賃銀の生産費総額︑に於て占める割合は︑生
所 得 税 と 物 価
五五
経 営 と 経 済
主六
産部門に依クて具友るものであるから︑賃銀の変動に依クて受くる作用も亦商品に依クて呉友り︑生産に於て大たる 労働量ミ必要とする商品に於ては︑然らざる商品に比して︑価格騰貴はより犬である筈である口斯る方法に依クて従 来の価格問の関係が変化するものとすれば︑間接に需要体系も亦影響を受け︑生産に於て犬怒る野本を必要とする商 品は︑相対的陀原価と左り︑其の商品に対する需要は増加する︒
以上の様な︑一方に於ては相対的に騰貴したる賃銀︑他方に於ては物的生産手段の休・止︑従って生産財の価格低下
と云う租税の作用は︑生産に於ける一般的浜本集約化を勧奨するであろう︒技術的過程に於ける斯る変化は︑.最早動 態的怒るものであり︑斯る変化の物価水準に及ぼす所の終局的作用は︑工り以上に明かにする事は出来怠いロ只漠然 乍らも云い得る事は︑生産に於ける資本集約化則ち技術的進歩に依クて︑物価水準の低下と云う反対の傾向も惹短せ
ちるtAであろう事是である︒
更に考えねば怠ら怠い事は︑国家は賃銀其の他の報償を与
f ・え守して︑強制的に用役の給付を受ける場合の存する事 是である口徴兵制度の布かるふ場合が英の著しき例である︒斯る場合︑労働力に対する国家の需要は︑従来用役給付 の購入せられ来クた場所則ち労働市場に現はれるロ芳し軍人に対し俸給の支払はる
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時は︑其の結果は官吏に対する 俸給の支払の場合と異左ち訟い︒(註)D
註︑コルムは少しく異なった結果に到達してゐるロ(の
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軍人に対する俸給の支払の偽に所得税を徴収する場合︑物価水準は影響を受けないと論結してゐる︒斯く結論に差異を生じたの
は査前提を具にするからである口コルムは国家を通じて行はるL所の︑企業者上り官吏の家計への購買力移動は長時日そ要するか︑叉は貨幣量が商品取引量の獄少に比例して被少する事を前提として吹諭してゐる︒是に反して吾等は異った前提より出発す
るものであり︑京何故に異った前提より出発するかは︑既に述べた如くであるロ斯る前提の相違よりして︑コルムに対するメー
リングの論難
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以上取扱いたる租税牧ス使用の二つの場合の差異は︑此処に於て明白ξなった訳である︒即ち国家が所得税収入を以て消費財を
購入する場合に於ては︑国家は社会的生産物に対する要請に依って︑経済に負担を課する事になる︒然るに生産界より労働力を
剥脅する場合に於ては︑二章一の負担が生ずるのである︒即ち一方に於ては生産要素たろ労働の剥奪に因って生照量が誠少し︑他
方に於ては同家より給与を受くる者が︑既に被少したる社会的生産物に対して其の需要を遂行するのである︒
(二
) ( a )
国家が用役の給付を徴牧せやして︑官吏の俸給を引上げる時は︑物価水準は影響を受けゑい︒従来の泊 費者の需要が減少し︑其の代りに官吏の需要が増加する口商品取引量と物価とは不変である︒
( b )
生活扶助料の交付は多くの場合に於て前記
( a )
の場合に等しい︒但扶助料受領者が生産能力を有するにも拘は ら十︑従来の生産的活動を離脱する場合に於ては︑具たる結果とたる口則ち此の限度に於ては︑労働力が公的用役に
転位する場合に等しい︒
( c )
生産的補助金︒凡ての補助金の内︑此処忙関係のあるのは︑静態的経済組織に於て存在し得るものふみである が︑特に同家が経済的に摩擦ある過程に介入する事を目的として交付せらる
L補助金と︑一定商品の価格引下を目的
として交付せらるふ補助金とが先づ重要である︒
例えば一経済部門に於て︑一の企業又は多くの企業が自由競争に於て従来の限界生産者を排除しよう左する事態に 在る場合︑叉或は一経済部門に於て︑限界生産者が排除せらる
L程度に大怒る需要変化の現はるふ場合︑国家は此の 排除せられんとする限界生産者の保護を必要たりと考え︑是に補助金を交付する事があるであろう︒
補助金の作用に取クては︑突附の方式と基準とが著しく重要である︒生産量を翻酌する事怠くして︑生産者に補助 金を突附する時は︑生産増加への刺戟とはならない︒補助金受領者は補助金をば負担を課せられない純利潤と同様
K
取扱い度い為に︑損失を生ぜしむる様た生産を成る可く縮小し工うとするであろうロ従って此の場合の縮助金は前記
(axb)
の場合企同様に︑全く泊費的な性質を帯びる事にたる︒
然るに生産量に依クて焚附せらる
L補助金は︑商品一個宛の生産費シ一収益との関係を変化せしめ︑従クて一般に生
岸地加を苅らす︒補助金受領者は︑独占者の計算方式に従って︑一方に於ては牧入則ち一生産単位に付ての価格並に 補助金と︑他方に於ては生産費と︑此二つの要素よりして牧栓最滴度に到達する土うに︑計算を行はねば怒ら紅い︒
所 得 税 と 物 価
五 七
経 営 と 経 済
五 Y¥
叉国家は階段率を採用する主に依って︑最大の生産増加を生やる工うに補助金を算出する事も出来るであろう︒一定
商品の生産量は斯くして増加するか︑又は補助金の安附なき場合に生じたであろう所の生産減少
l
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例えば需要低下
に依クて症やる生産減少!ーが少くて済むであろぅ‑
そして所与の仮定の下に在つては︑物価水準は低下する︒﹂般的には凡ての商品の価格は低下するけ一口である︒何と
なれば名目的需要は所得税として徴牧せられたる金額丈減少し︑而かも此の所得税牧入は購買力として治費財市場に
再び現はる
tA事がないからである︒(註)口総
rての生産部門に於て生産手段︿土地・労働・資本)は遊休するに至り︑
補助金を受くる生産が之を獲得する︒何と怠れば補助金を受くる生産は︑脱落したる需要に相当する金額を牧符する
に至るからである︒
註 ︑ 故 に 補 助 金 の 場 合 は ︑ 公 的 用 役 の ︑ 為 に 労 働 力 を 剥 奪 せ ら る
L場 合 と は ︑ 其 の 作 用 に 於 て 全 く 逆 で あ る ︒ 私 終 消 の 賠 買 力 減 少 に 対して︑他方︑不変なる生照量が存在ナるから︑価格低下が必然的となろ︒斯くして国内全生産の外国に対する価格上の侭位が
商 ら
さ れ
る ︒
( d )
公債の利子支払と償還とは︑公債応募を前提とする︒公債発行の時点に於ては︑物価水準は流動的なる所得
工り応募せられたか︑非流動的たる貯蓄手段より応募せられたかに依クて︑異・なクた影響を受ける︒そして重要た事
は︑公債牧入が生産的目的に支出せらるふか︑不生産的目的に支出せらる
tAかである︒反之︑利子支払叉は償還の時
点に於ては︑凡て是等の要素は与件の星座陀醍列せられて語り︑従クて所得税の徴牧と共の収入の使用方法のみが主
要注問題と友る︒
利子支払
ξ償還とは︑英の木賃上︑岡市上り乙への購買力転位の一方式である事は︑既に補助金の箇所で述ペーた通り
である︒︹註)︒購買力は甲上り乙に移動し︑然かも生産の犬さと物価水準とは影響を受ける事は怠い︒精え利子牧得者
が生産的労働より退く限りに於て︑第二次的作用としての影響が現はる
tAのみであるロ則ち生産的労働の減少に依り︑
生産減少が生じ︑物価水準の上昇が鷲らされるであろう︒
ピグーは利子支払を以て︑典型的なる移転的経費
MA
H)
D
( c )
外国への貰納金の給付︑関されたる経済を前提としては取扱はれ得ないから︑国際的なる経済関係の作用が
研究せられたる後に之を取扱はねばならない︒
( f )
国家の投治的活動︑吾等は静態を前提とするものであるから︑此処にも亦動態的現象を除外しなければたらな
い︒従クて同︿誌が市場的生産者として現はれ得る場合は︑従来の生産者中︑排除せらる可き生産者をば︑強制的に(
経営の買牧)又は市場経済上の行為(自由競争)に依クて排除する場合に限られる口例外として考え得る場合は︑国一
家が市場の為に生産を行うのではなくして︑・現存の市場経済的生産が不充分である為︑附加的なる国家自らの需要の
充見の為に生産を行う場合是である︒此処には斯る特殊の場合は之を除外して︑国家が一生産部門の若干の経営を停 止せしめたる場合を考察しよう︒斯る公用徴牧の為に賠償の行はる
L場合に於ては︑租税牧入は経営施設と経営手段
の賠償の為に支出せらるべき事は勿論である︒如何なる価格を以て此の賠償が行はるふやと一式う困難なる問題は本稿
の範囲外の事であるから之を措き︑国家が投資の目的の為に市場経済より租税として徴牧したると同一の購買力額が︑
経営を買牧せられたる生産者を通じて︑再び市場経済に支出せられるの事実を注目しよう︒此の場合賠償金額が課税 せられたる所得の使用せられたであろう年度と同一の年度に支出せらる
限りに於て︑物価水準は不変である︒‑ L
右の場合は︑継続的なる租税牧入使用に関係ある場合ではなく︑一時的なる租税収入使用に関係ある場合である日
同家が自己の経営の為に︑詮常的により大なる貨幣手段を必要とする時は︑価格引下の目的を以て補助金を交附する 場合と同一に考えてよい︒斯る場合は明かに既に取扱いたる
( C﹀補助金の場合と全く一致し︑全物価水準は︑前述の
理由よりして低下する︒
国家の企業者的話勤は︑差額地代の獲得を目的とする事が出来る︒此の場合︑物価水準は何等の影響を受けたい︒何
となれば個唱えの場合︑地代は之を国家が牧得するや︑個人企業者が牧得するやは︑地代牧入の使用方法に差具︑泣き限
り︑全く重要性なき問題であるからである
D
註
所 得 税 と 物 価
(同HHH
ロ叩 内角 川町
︒一円句作ロ弘文ロ叫印)
ず一
色・
・
匂
‑ H11︒
と解
して
ゐる
︒(
﹀・
︒・
2 9
p
五 九
経 蛍 と 経 済
O 最後に国家が自らの需要の為に生産を行ラ特殊の場合に就て簡単に述べよう︒例えば国家は自己の軍隊の衣服製造 の為に繊維工場を経営し︑金租税収入を此の工場の経営の為に支出するに至クたと仮定する︒此の場合市場経済に於 ける物価水準はニクの側より決定せられる︒則ち一方に於ては︑市場経済の商品量は一定割合丈減少し︑国家企業の
生産物は市場には現はれない︒他方に於ては︑所得額︑は同じ割合丈低下する︒是等ニクの側は相互に補償し令い︑物
価水準は最初の出発点と異なる所はないえ註)ロ
註︑右のごつの側に於て︑被少する商品量の割合と所得額の割合とが同一であると一広う事は︑容易に明かにする事が出来る口租税
牧入の金額は繊維工業に於ける生産費を支弁し得る程度に大でなければならないD若し市場価格と生産費価格とが一致するもの
と仮定すれば︑国家は同一金額を以て︑市場経済に於て自己の需要を充足し得た筈である︒若し公企業に於て︑例えば企業者賃銀の節約又は差額地代の排除に因って︑生産費価格を引下げる事に成功するとすれば︑課
税に因る所得低下は小額にて足り︑従って物価水準は同じ程皮に騰貴するであろう︒同地に反して︑若し公企業の生産的活動力が
桟存する私企莱の活動力よりもより小であるとすれば︑市場経済的物価水準は低下するであろうD
︿4﹀貿易の及ぽす作用
以上の論述は次のニクの制限的仮定の下に行われたものである︒(イ)︑外国貿易友き関されたる経済︑(ロ)︑
個人所得に対する租税徴牧と同一時期に国家より支出の行わるふ事︑是であ句︒此処には是等の制限を共に撤去して︑
国民経済を国際的関係の中に置いて論を進めようと思う︒此場合に於ても︑推論は抽象より出発する︒五日等は関税共 他の障害のない全く自由怠る取引を仮定し︑そして貿易差額は︑出発時点に於て均衡状態に在る事を仮定する︒然ら ざる支払差額は︑解明すべき事態に関係が怠く︑吾等の研究
K
取クて主要ではない︒最初に貿易は均衡の状態に在る︒換一日一目すれば租税の賦課せらるL
以前に於ては︑吾等の国民経済んは︑一群の商品 を外国
B
に輸出し︑金額に於て同額の他麗商品を輸入し来クたものとする︒此場合輸出商品と輸入商品との価格は︑
運賃の差異を不問に附する限り︑(註
1 1 園内と外国に於て一致すべき筈である︒価格に差具の現わる
. tλ
限 り
︑ 直 ち
に附加的怒る輸入又は輸出の流れを生ぜしめ︑此流れは反対の方向への金の流れを生ぜしめる︒(註2)︒畢寛金の配介 状態の変更に悶クて︑﹁国際商品﹂︐(註8)
の価格は再び同一水準の上に止まるに至るのである︒
註
L
運賃
と云
う障
害は
︑ A 両B
国が
Eの
ちプ
を以
て輸
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aご
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CO
B5
22
ヲ
Hm wM
∞ ・ 日 }
・ 目 白 ∞
) ︒ 註Z此処には純然たる金本位制又は金塊本位制を前提とする︒註&継続的に国際貿易の目的物たる商品を﹁間際商品﹂(古なさ急S
回目
︒(
町宮
町)
と名
付け
る︒
( J A P E ‑ m l J 2 H 1
¥ 5 8 同
庁内 庁同 古同 日・
E巳Oロ 目
H O ロ当町
s o r t s ‑
﹂O
Nt rg mo ps Mg o
此種商品に対立的なものは国内商品であって︑国内商品は其本質上国内市場に限定せられ︑社会的又は経済技術上の理由よりして輸出輸入の可能性が存しないか︑又は専ら国内の需要の充足に役立つに過ぎないも
ので
ある
︒ 租税の作用主分析するに当つては︑世界市場に於ける価格形成は︑国内租税の価格に及ぼす作用左左右するや︑若し 左右するとすれば如何たる程度に左右するやの問題が主要である︒若し園内の物価水準は変化しないものと仮定す
Z
時は︑租税は国際貿易の均衡には関係がないと云う事が出来るのであるが︑乍然此命題は﹁租税牧入が支出せられても
倫国際商品と圏内商品との聞に需要転位も生︑産転位も生じたい﹂と云う制限的前提を加えてのみ是認し待る事である︒
国家が納税者とは具︑なクス︑専ら国内商品を需要するものと仮定する時は︑国内商品の価格は騰貴し︑国際商品の
価格は直ちに低下の傾向を示す︒(註)︒従て国内産業は外国に対して価格上の優位を保有する事とたり︑外国産業が輸
出に全力を尽しても更に英効果は現われ怠い口貿易差額の均衡は
R国よりA
国への金の輸入に依クて生じ︑結局
A国
の物価水準の上昇とB
国の物価水準の低下とに依クて︑国際貿易の新なる均衡が達せられる事とたる︒
註︑凡ての生産部門は牧益逓載の法則の下に生産を行ふものと仮定する口︑
より正確たる解明の為には︑貨幣側と共に国内の商品取引量の変化を考慮に入れたければならたい︒此処には次の
実例に依って︑発展過程を明かにしよう︒
国内に於て最初一経済年度に次の如く生産せられたるものと仮定する︒
所 得 税 と 物 価
‑‑‑4
/
、
経 蛍 と 格 治
ー..L・
/
、
国内商品
a五
O
O
単
位 一 個 に 付 価 格 一 円 合 計 金 額 五
O
円
O国際商品
b一
000単 位 一 個 に 付 価 格 一 円 合 計 金 額 一
000
円
国際商品
bの内半数は図的の販売に供せられ︑残りの半数は輸出せられ︑更に第三の商品cが五
O
O
単位丈︑一個
に付価格一円を以て輸入せられるものとする︒貿易差額は従クて均衡化する事になる︒関内の販売高合計は次の通り
となるであろうロ
a
商品五
O
O
単
位 価 格 一 円 計 五
O
O
円
b
商品五
O
O
単
位 同 右 五
O
円
Oc
商品五
O
O
単
位 同 右 五
O
O
円
総計一五
00
唱 位
︑ 一 五
O
O
円
右の金額は同一経済年度に於ける所得総額
Jに等しいものと仮定する︒
一
Oパ1
セシTの所得税の認せらるふ事に依クて︑個人需要は右の各市場に於て各々平均四五
O円に低下する︒
然るに仮定によれば︑国家の需要は専ら
a商品に集中するのであるから︑
a商品に対する需要は一五
O円の租税牧入
の大さ丈︑大となクて︑総計六
O
O
円となる︒専ら と
bとを生産して︑之を販売する所の関されたる国民経済に於
aて は
︑
b.
よ り
aへの生産転位︒が生宇るであろう事は︑既に述べた通りである口今迄
b商品の一
000単位が生産せら
れていたのであるが︑一百円の需要低下に相応じて︑生産量も九
O
O
単位に低下するであろう口然る時は
b商品の価
格は︑供給の弾力性の如何に依り一円と九十銭の間に於て決定せられ︑反之
a商品の価格は︑一円&一円廿銭の間に
於て決定せられる事になる︒(註)口国際貿易の影響が加わる時は︑生産の変化はより復雑になる︒従来
b商品の五
OO単位が五百円の価格にて輸出せられたのであるが︑今や輸出の大さは此程度を越えるに至るであろう︒何となれば
b
商品の価格の低下は附加的輸出を可能ならしめるに至るからである︒此理由よりして︑生産手段が直ちに
a商品の
生産の為に移動すると速断する事は出来ない事になる
0・ .
他 方
︑
c
たる輸入商品に対しては︑仮定に依り︑一個一円の
価格にて四五
O単位の需要が存するに過ぎたい︒此椛想に依れば︑貿易差額︑は五十円以上のプラスとたり︑此金額は
外国主りの金の提供に依クてのみ支払われ得る事となる︒
註 ︑
a
商
品 と
b
商
品 と
の 価
格 の
上 部
限 界
と 下
部 限
界 と
は ︑
次 の
如 く
な る
︒
白b
商 品
に 於
て
一円
H
U
絶対的に弾力性ある供給の坊合の上部限界(水平線的なる供給曲線)
九十銭
H1
絶 対 的 に 抑 力 性 な き 供 給 の 場 合 の 下 部 限 界 ( 垂 直 線 的 な る 供 給 曲 線 )
a
商
品 に
於 て
は 右
と 逆
で あ
る ︒
終局的友均衡状態を考えんに︑
B国に於ては二方︑貨幣手段の流出の為に生産費水準は低下し︑他方︑
A国に於ける
販売の減少に依り生産の犬さが縮小すると云う事情の為に
A国の
c商品輸入量は低下し︑
c商品の世界市場に於ける
価格は低下する︒如何怒る程度に
c商品の輸入が低下すべきかは︑供給の弾力性と需要の弾力性並に金の令量の及ぼ
す作用を知クてのみ決定せられ得る︒乍然
A国に輸入せらる
L
c
商品の令量は︑四五
O単位と五
OO
単位との問に存
す る
商品の価格は殆んど不変である口何となれば二つの傾向が互に補償じ合うからである口即ち前述の如く︑
B国の
b︒
購買力は低下し︑是に対し
A国の生活費水準の上昇に基く相対的友る物価騰貴が反対の方向に作用する︒凡ての場合
tk
於 て
︑
b
商品と
G商品との聞に自ら生やる突換関係は︑
A国が英輸出商品
bの一単位に対して
c商品の一単位工り
もより多くを受取る様な方式にて
E b
商品の有利の方向に向う筈である口(従来の突換関係は一対一であったのであ
るが﹀︒斯くして
A国に於ける国内の取引量は増加する︒乍然他方に於ては︑金の流入の為に︑
A国に於ける流通手
段の八刀量も亦増加し︑此為に物価騰貴の傾向が生やる︒貨幣流入量は犬であり︑其結果差引して此場合貨幣側が有力
に 作
用 し
︑
A
国の生産費水準は上昇し︑
R国にては低下する︒従クて結局
A国の物価水準も亦上井するであろう口
l仮令此上昇の程度は貨幣手段の増加の程度には達し紅いにしてもス註)︒
所 得 税 と 物 価
...L. / 、
経 蛍 と 経 済
ノ、
四 註︑従来吾等は取扱はるL
所の
aよ
り cに至る凡ての商品は︑直ちに消費に供せられ得るが如き精製品である事を前提し来った︒此結論は︑貨幣流通量を増憶に入れて僅少なる修EKK加へる時は︑原綿と精製品との閏際的交換に本当搬める事が出来るD
此場
合考慮に入る可き事は︑前生産物の価格の騰貴する場合︑価格のより大となれる精製品の通過すべき販売段階の数に応じて︑相
対的により大なる貨幣量が要求せられる菖是である︒従って国内の価格的差異そ必要なる程度に惹起する為には︑金の移動量は
増加
する
であ
ろう
︒ 次に吾等は国家が英租税牧入金額を以て︑間際商品を需要する場合を芳察し土う白此国際商品は外国の競争の下に 於て国内に於て生産せらる
Lか︑又は外国土り輸入せられるかであると仮定する︒
国家の需要の為に︑国内の生産物の価格は騰貴し︑従来不利稔たる状態に在った所の生産は此需要の充足の為の生 産に向ろであろう︒乍然此場合注意すべき事は︑
b
商品の価格形成は︑自由競争の下に於て︑世界市場の物価水準に 関聯する事是である︒従って附加的怒る需要は︑僅かに英一部介のみが国内に依クて充足せられ︑其残りは外国より の輸入増加に依って
li
外国が間際競争に於て︑A
国の物価騰責主り獲得する所の慢越の程度に応じて
l l
充足せ
られるロ斯る輸入増加は僅かに英一部令のみが輸出増加に依クて補償せられ得るに過ぎやして︑貿易差額の均衡の為 には︑金の移動が必然的である口終局的友る均衡状態に於ては︑A固に於ては︑取引量の減少に伴い︑貨幣量が減少す
る︒是に類似する場合に関して前に解明した様に︑此場合に於ても亦︑貨幣側の影轡が強勢・どたり︑物価水準は低下
する︒換言すれば国内商品
aの価格低下に因クて︑物価水準は低下する︒
右と同様なる推論は︑仮令世界市場価格が従来の水準左越える場合と雄︑国家の需要が国内に於ては生産せられた
い様
︑な
λ輸
商品に向う場合に適用する事が出来る︒貿易支払差額のマイナスは︑従来認められたる程度を越えて増加
し︑金の流出は増加し︑商品取引量は従来よりも更に低下するであろうえ註)︒
註︑序に国家の需要が︑国内にて独占的に生産せられ︑そして国内並に世界市場の双方にて販売せらるL様な商品に向ふ特殊の場
合を考えて見ょう︒需要の僧加の為︑独占者は価絡の引上をなすに至るであろうが︑此場合考えねばならない事は︑此価格引
k
が国内市場に対してのみ行はるLか︑或は同時に外国への販売に対しても行はるLか︑
であ
る臼
三一
定の
条件
の下
に在
つて
は︑
国内
価格のみを引上げ︑世界市場に対しては従来の価格を以て供給する方が︑独占者に取って有利である︒此場合に於ては︑間際貿
易の
均衡
は従
来通
り維
持せ
られ
る︒
A国内に於ては︑取引監は変化する事無く︑物価水準のみが上昇するであろうロ 若し独占者が独占商品の外国市場に於けろ価格そ引上ぐる時は︑需要に弾力性ある菖や一前提とする限りに於て︑利益の滅少が生ずるであろうD
貿易
差額
は A固に取ってマイナスとなる︒其他の結果は前︑述の解明より知る事が出来るD
幼稚産業保護と云う見地工り行わる
tA国家の発註政策の重要性は︑国家が外国生産者の生産費の上に於ける傍一越的
地位を齢的せやして︑従来輸入せられ来クた商品を国内生産者に生産せしめんとする様紅場合に最も良く現われるロ
期る場合︑従来の輸入商品は国家需要に依クて純然︑たる国内商品とたる︒国内商業と間際貿易の受ける作用は既に述
べた所であるが︑国家需要を充足する所の産業が既に国内に存在するもの
ε
して吾等の仮定を修正する時は︑若干の 複雑性が生やる︒乍然此複雑性は適当たる国家の方策に依クて超克する事が出来る口産業が拡張すると共に︑外国生 産者は生保安上の優越性を獲得する︒乍然此場合若し国家が其購入価格を決定するに当り︑各国内生産者の生産費に 従クて︑生産者に依り差別を設けて決定するの方法を採るとすれば︑生産上不利溢た立場に在る生産者も︑自 J
由怒る市 場価格を従来の水準以上に上昇せしめる事ゑくして︑そして附加的輸入の機会を外国生産者に与える事たくして︑市
場取引に加わる事が出来る様になる訳である︒
産業保護政策の作用に関する一般的解明は︑従来の世界市場価格に対し所得税と同一率の保護関税を想定する事に 依って可能である口斯る保護関税は英作用に於て所得税と全く一致する口他の事情にしで同一怒る限り
λ
註て 関 税 は国内治費者の有効需要を︑共関税率の程度丈引下げる︒是は同一の高さの所得税の作用と異たる所はたい口但此場 合関税又は所得税より生宇る国家収入が︑両租税の場合金く同じ方法を以て支出せらる
L事を前提とする︒此結論は
吾等に取クて主要たるが如くである︒何となれば是に依クて閏際貿易の受くる影響に関する比較的広汎なる解明は容
認せられるからである口
所 得 税 と 物 価
六五
経 れ 営 と 経 済
六六
誌︑﹁他の器情にして同一なる限り﹂と云う場合︑需嬰の弾力性が不変である耳︑即ち租税を控除した残額が不変である事が考え
られてゐるのである︒従ってP
パー
セン
トの
関税
は︑
B国の輸出手取金を同様にいAパーセント丈低下せしめる事になる口
此処に簡単に考察し工う去田むろん事は︑A国LLB
国とに於て具怒った貨幣制度の存する場合︑間際貿易の受くる作用 如何である︒両国に於て紙幣本位制度が存し︑此貨幣流通量は不変であクて︑国家に依って統制管理せられているも
のε
仮定しよう︒此場合是等二クの経済領域に取クては︑貨幣側の変動は抑制せられており︑物価水準は専ら取引量¥
の犬さの変化に依って左右せられる︒
此処にも前掲の数字を例として解明し工う︒理解を容易にする為に︑元来国内貨幣と外国貨幣
E
は一対一の平侃の 上に在るものと仮定する︒国家の需要が国内商品に向う前掲第一の場合に従クて︑貿易差額がプラスであるとすれば︑
A国の貨幣の為替相場は騰貴する︒A
国の輸出業者は少く共五
OO
の外悶貨幣の単位を牧得し︑反之内輸入業者はc
商品の輸入代金の支払の為に︑四五O単位を需要する︒従クて外同貨幣は本来の為替相場の十八?の九に下落するであろ
う︒乍然此為替相場は何時迄も継続する訳では友い︒何となれば今や輸出商品b
の外間に於ける価格は九介の一丈勝賢 し︑輸入商品
cの国内に於ける価格は十令の一丈下落するに至るからである︒斯くして貿易差額は終局的た均衡に近 づき︑主り少量の
bがA
国より輸出せられ︑工り多量のcが
A
闘に輸入せられる様に友り︑革党︑為替相場はめ而と
9m
との聞に定まるであろうが︑常に
A
国の為替相場は従前の平価以上の所に定まる︒此場合に於ても︑自然の交換 関係は
A闘の有利に勤き︑A
国内の取引量は増加し︑従って其物価水準は結局下落する︒
需要が国際商品に転位する場合は︑終局の均衡に於て︑
A
国の為替相場は平価以下の所に止り︑同内取引査は
bと
cwどの間の自然の交換関係に依って減少し︑従って物価水準は上昇するであろうゴ註)︒
¥ 、
註︑物価水準の低下又は上丹は︑金本位なりや紙幣本位なりやに依って︑異なる結呆を生ずる革︑既に論述した一地りであお口金本
位制度の下に於ては︑物価騰貴の場合︑名目所得が噌加し︑個人と同家の実際の購買力を上昇する︒紙幣木位制度の下に於ては︑物価騰貴の場合︑名目所得は不変であって︑突際の購買力は従って低下十る︒物価下落の場合は︑是と反対の結果が生ずる︒