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費用・収益の対応概念について(1) −1940年代の動向−−

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(1)

費用・収益の対応概念について(1)  

−1940年代の動向−−  

田 中 嘉 穂  

1.はじめに.−一展開の方法  

われわれほ,この小論で,費用・収挙の対応の恩考が,1940年代の主として   アメリカの学界でどのような展開の経緯をたどるかについて考察しようとし   た。対応概念ほ1940年前後に.理論的紅整備することが試みられたけれども,わ   れわれのこのような展開によって,それがその後どめように変遷するかを観察  

しようとしたのである。その歴史的経緯を見ることによって,何らかの形で全   部原価計算に.よる対応と直接原価計算による対応の是非をめぐる論争に参与す   ることができれば幸いである。まず本論に入る前に,ここで採った研究の方法  

を明らかに.するこ.とが適切であろう。−・般に.,研究方法のいかん把.よって結論   が大きく左右されるからである。  

1940年代の文献紅よると,費用・収益の対応に.関する事柄は,学界としても   個人に.おいて−もあまり議論されず,いきおい−・般的な会計の議論やその中で散   見する対応思考紅ついての論述から,当時の考え方を推患せざるをえなかっ   た。ところで1940年前後に行なわれた対応思考の展開は,企業会計原則を成文   化する社会的任務の達成に・寄与するこ.とを意識するものであった。・そこで,わ   れわれは,その後の対応思考の一腰的な動呵を見出すために,企業会計原則の   改正をめぐるアメリカ会計学界での議論を中心に.検討することが適切であると   考えた。そのようなA.A.A.の活動の中で,費用・収益の対応思考が意識的   ないしは.無意識的にどのように.受入れられているのか,その様相を見出すこと   が重要であると考えたのである。周知のように,A.A.A.の会計原則のスデ   ー・トメソトは,1940年代には1941年と1948年の2回公表されている。そのうち   

(2)

費用・収益の対応概念について.(1)   ・−− 7 −  

107  

(1)  (2)  

1941年ゐ報告「 会社財務諸表会計原則.」とその前に公表された予備的報告につ  

(31  

いてほ別に論評する機会を得たのそ,ここでほそれ碇譲りたい。したがって拙   論では,1941年報告書の公表以後,A.A.A.めステートメシトをめぐって行   なわれた議論を中心に換討を進めたい。このような方針に.より取上げた文献  

(4)  

は,Vicfor H.Stempfの「『会社財務諸表会計原則』の批判」,1941年のステー  

(5)  

トメソトに.関連してA.A.A.のシンポジュクムで公表された一・連の論文,  

(8)  

GeoIIge R.Husbandの「会計原則の改訂版に対する批判」,1948年のスデq・ト  

(7) メソトの予備的報告として公表された・−・遵の論文,1948年ね公褒されたA.A.  

(8)  

A.の「会社財務諸表会計諸概念および諸基準」;そ・のスター・トメソトを論評し  

(9)  

た一・連の論文である。  

(1)A..A.A.,㍑AccountingPrinciplesUnderlyingCdrporateFinancialStatements ,    theAccounting Review,Vol山ⅩVI,No.衰,June,194=1い中島省召訳編,「増訂A。  

A.A小会計原則」,昭和44年。  

(2)A.Cu Littleton,㍑Suggestions for the Revision o董the Tentative Statement   Of Accounting Principles ,the Accounting Review,Vo王。Ⅹ王Ⅴ,No..1,Mar.,  

1939.  

(3)拙論,「成立当初の『費用・収益対応』の概念」,香川大学経済学部研究年報14,昭  

和49年。  

(4)Victor H.Stempf,㍑Critiqueof AccountingPrinciplesUnderlyingCorporate    FinancialStatements ,theJournalof Accountancy,Vol小72,No・2,Aug・,  

1941.  

(5)以A6counting PIinciples UnderlyingCorporate FinancialStatements・−一叫・A  

Symposium ,E.Lり Kohler,化Foreword ,Walter A.Staub,郎The Cost   Principle ,W.Au Paton,㍑Discussion ,James L。I)ohr,りThe Revenue and   hcome Principles the Accounting Review,Vol‖ⅩⅤⅠⅠ,No‖1,Jan.,1942.  

(6)George RいHusband,㍑A CIitique of the Revised Statement of Accounting  

Principles ,the Accounting Review,Vol.XVII,No.3,July,1942.  

(7) ReportofCommitteeonRevision of the St卑tement Of Principles ,ZIale  

L.Newcomer,以Introductory Statement〃,PaulJ。Graber, Assetsけ,Thomas   W.Leland,以Revenue,Expense andIncome〃,the Accounting Review,Vol.  

XXIII,No.1,.Janリ1948.  

(8)ノA.A。A,.砧AccountingCocnepts andStandards Underlying Corporate Finanー   cialStatemel)tS−1948Revision〃,the Accounting Review,Vol.XXIII,No.   

4,Oct.,1948.  

(9) The1948 Revisionof the American Accounting Association>s Statement   

Of Principles〃,Herbert E.Miller,以A GeneralAppraisalわ,W.A.Paton,   

Com甲entSOnItem5under Expense ,,Herbert Fb Taggart, A Critique   and Comparison with the1941Statement〃,the Accounting Review,Vol.  

XXIV,No.1,Janり1949.   

(3)

第49巻 第2号  

− β 一一  

108   

会計原則に関するこのような動きと同時に.,1940年代後半に.ほ原価計算原則   の成文化への活動が開始されて\いた。費用・収益の対応思考に原価計算が著し  

く貢献したことほ周知のことであり,われわれは,対応恩考の−・般的動向を検   討する素材として,このような原価計算側の動静を知ることも有益であると考   えた。これに.関してここで扱った文献は,1951年に公表された「原価概念およ  

(10)  

び基準委員会報告書」の予備的報告として,1948年紅「原価会計原則のスデー  

(11)  

トメソトに㈲する委員会」のメンバーによっ七公表された−・連の論文である。  

1946年のN.A.C.A.のリサ」チ・シリーズ策7号「原価の利用日的および分  

(12) 類」ほ.,これを補足するものとして参照した。  

(13)   

最後に,Blocke工・に.よる誤った対応の実務紅ついての調査も対応思考の趨勢   をうかがわせるものとして欠かせないであろう。   

上記のような諸文献の検討から,1940年代のおよその動向といくつかの特色   を引き出しうると期待したけれども,結果的にはそれはど目新しい変化を見出   すことほ.できなかった。おそ・らく,1940年前後に成立した対応概念が,大きな   抵抗もなく受入れられたものと推察されるが,なおわれわれの研究方法の不備   や洞察力の不足は今後の研究を待つはかほない。こ.こでほひとまず検討した限  

りでの成果をまとめることに.したい。  

2.会計原則の設定に関連して  

A.A.′A.の会計原則の公表は,前述のように.算ⅠⅠ次大戦をはさんで2回行な  

(10)A.A.A.., Reportof theCommitteeonCost Concepts and Standards ,the   Accounting Review,Vol ⅩⅩVIINo.2,Apr.,1952.  

(11) Cost Accounting Concepts ,W・Hl・Read, Introductory Statement ,    ClementL..Stanford,以CostMinimization and Controlas aFunctionof Cbst    Accounting〃,H..W.Kendrick,㍑The Relationship of Cost Accounting to   Income Determination〃,Robert L.Dixon, Cost Concepts;SpecialProblems    andDefinitions〃,the阜CCOunting Review,Vol..XXIII,No。1,Jan。,1948.  

(12) T埠eUsesandClassificatio甲OfCosts ,ResearchSeIies No:7,N.A.C.  

A.Bullettin,VolりⅩⅩVII,No.18,SectionII,May15,1946.  

(i3)JohnG∴Blocker, Mismatchingof Costs and Revenues ,the 

Review,VolりⅩⅩⅠⅤ,.Tan.,1949 

(4)

費用・収益の対応概念に.ついて(1)  

ー 9 −   109  

われた。公表されたスデー・トメソトに・対する反響では,およそ次のような問題   儀域での支持または不支持の意見が表明されている。会計原則は,本来財務会   封全般にわたる基本的な諸問題を含むから,それに対する意見の陳述も当然に  

多岐にわたっている。それほ次のような問題領域に分れるであろう。すなわ  

ち,(1)「会計原則.」観,(2)資産の取得時の原価の測定とそれ以後の消費額   への配分,(3)収益の認識と測定,(4)費用・収益の対応による利益の測定,  

(5)負債の当初の測定とそれ以後の増減,(6)払込資本と留保利益への資本   の区分および資本の当初の測定とその後の増減,(7)財務諸表の表示の問題で   ある。   

このように多岐にわたるA.A.A.のステ−トメソトに対する反響の中で,  

費用・収益の対応概念に・触れる論議ほ案外に少ない。もちろん費用・収益の対   応思考が,全体の会計理論の中では部分的な問題であり,それに相応しい取上   げ方が行なわれていると見ることもできるであろうが,それにしても1940年頃   対応概念が盛んに.強調されて,期間損益計簸の重要性が認識された割には,議   論が意外に少ないという印象である。   

それはともかくとしても,われわれほ,そこでの対応思考に.関する議論を追   跡しながら,いくつかの様相を拾い上げることに努めたい。   

(1)「収益原則および利益原則」について  

1941年のスデートメソトに対する反響から論を起すよりも,1939年の予備的   報告およ.び1941年のスター・トメソトから開始する方が適切であるが,それらは  すでに別に.冨∴及しているので,ここでほ必要な限り軋留めたい。1941年の報告   でほ,利益の測定に関して「対応」の用語が用いられ,費用・収益対応の概念   の重要性がますます容認されていく動向をうかがうことができた。しかしそれ   に.対する反響ははとんどDobr・の論説に見られるだけであった。DoIlrは,1941   年のステー・トメソトが利益の測定紅ついて述べている箇所紅ついて次のように 

論評している。A.A.A.ほ,利益原則の冒頭で,「利益(income)は,実現収  

益を,原価原則紅したが・らて,消費した原価額またほ.費消した原価額に対して  

対応させることに.よって(by matching revenues realized against costs   

(5)

第49巻 第2弓  

110   ーヱ♂ −  

COnSumed or expired,in accordance with the cost principle)測定され  

(14)  

る。」と述べているが,Doh工 は,この文章に関して4つの論点を指摘してい   る。そのうち「対応」に関連するのほ第2と第3の論点である。算2点でほ次   のように述べてrL,、る。「……・眉頑の文章ほ,Paton と Littletonが彼等の著書  

『会社会計基準序艶』で展開したのと同じうまいやり方で,原価に関するA費  

(15)  

と収益紅関するB章とを結びつけるという点ですぐれた接近法である。」 これ   ほ,19各1年の報告書が「原価」,「収益」,「利益」,「資本」の諸尊から構成され   ており,「対応」の概念は,原価原則と収益原則の諸基準に対して目標を与え,  

原則を体系化する重要な視点であることにDobf・が同意したものと思われる。  

この点ほステ−トメソトの意図をそのまま評価しており,われわれも,その報   告薯檻・おける「対応」概念の重要な役割と,対応思考の重要性が−・般紅認識さ   せていく傾向とを認めてきた。DohIのこのような論述は,対応概念の重要性   を基本的に認めるものであると推察される。さらにDobrの指摘する第3点は次  

のようである。「この文章の表現に.見られるように,著者は『対応』を利益原   則の山・部と考えているのか,原価原則の鵬・部と考えているのかがほっきりして  

いない。末尾の語句は,『対応』を修飾しているのか,それとも『消費した原   価額または費消した原価観』を修飾しているのだろうか。『対応』ほ商品の販   売の場合のように,収益に対する原価の対応であるかもしれないし,あるいは   長期の建設契約の場合のように,原価に.対する収益の対応であるかもしれない  

けれども,上記の修飾の問題は重要ではないかもしれない。したがってわれわ   れは単紅,コンマを『決定される』という亭菓に置き替えて,∴その表現が,『実   現収益を,原価原則に・したがって決定される消費した原価額またほ費消した原   価額疫対して対応させること紅.よって』と読めるようにする方がよりすぐれて  

(18)  

いることになるのかどうか尋ねるに過ぎない。」Doh工ほ,「対応」に.対する間  

(14)− A。AいAい,仙Accounting Principles Underlying Corporate FinancialState・   

ments ,Op。Cit。,p.136.中島省吾訳編,前掲苔,48ぺ・−i7。  

(15)James L。Dohr,Op.Cit。,pい24  

(16)Ibid 

(6)

111 ′  

費用・収益の対応概念について(1)    JJ−−   

題提起を,むしろ控え目に.行なっているが,基本的な問題提起が含まれている    ように思われる。「原価原則にしたがって」が「対応する」を修飾するとすれ    ば,対応ほ原価原則に.もとづいて行なわれるから,原価原則が対応のプロセス    をも含む広い概念として理解されることになるであろう。他方,その語句が  

「消費した原価額または費消した原価額」を修飾するとすれば,対応ほ利益原    則にもとづいて行なわれ,対応以前の原価額の算定は原価原則にもとづくもの   

と理解されることに.なり,対応過程と原価の計算とほ区別されることになる。   

実際にほ,特に製造活動の原価額の配分・集討と利益の算定と曙計算技術的に   密接であるが,A.A.A.のスケートメソートほ,収益ないしほ特定期間の成果   

と原価額との対照関係によって利益を軌足する過程とそれ以前の計算とを期間    損益計静止概念的に区分しているのであろう。1941年の報告でも,「A.原価」   

の葦と「C.利払」の章とを分けたのほ,原価原則と利益原則とを別個の原則    と考えていることによるものと思われる。期間損益計算目的上このような・概念    的な区別ほ重要であるから,対応思考を原価原則に含めるぺきでないと考え.る    のであろう。DohI・自身が,対応概念が原価原則と収益原則とを結びつける   役割をほたすと評価しているのもこのよう狂者えるからでほなかろうか。しか   

しDohT・ほ,上記の問題提起を対応問題の基本的な位置づけに/関わる問題とし    て提起しているというよりは,むしろ表現上の問題提起にとどめて,実質的に  ほ藷句の修飾にかかわらず,利益の測定結界に相違が生じないと考えるから    か,あるいは前後のコンテックストから明瞭であると考えるからか,重要な問    題でほないとしている。したがって,なお,対応ほ収益に.原価を対応させるの  

か,原価軋収益を対応させるあかの表現上の問題ほ残るけれども,ひとまず  

「原価原則た・もとづいて」の語句を「消費した原価額または費消した原価執」   

にかからせることの適否を問題紅したのであろう。   

利益の測定に酪して論評したもう一人の論者に GeorgeR.Husband がい   

る。彼の論文「会計原則の改訂版に対する批判」ほ,A.A..A.の原則に対して    理論的紅反論することを意図したものでなく,原則が,−一層首尾一・賞した表現    で徹底すること,および歴史的な会計が果す限定的な役割を明示するような用   

(7)

、−Jク ー  

第49巻 第2号  

112  

語法の通用を促すためのものであった。1そのような趣旨・で書かれた論稿の中   で,やはり表現上の問題として,利益の測定の問題にも言及している。「B章   では,『収益ほ,財または用役である企業の製品の,現金またほ現金等価物に   もとづく実現可能価値に・よって測定される。』としている。C章では,『利益ほ,  

実現収益を,…消費した原価額または費消した原価額に対して一対応させるこ  

とによって測定される。』としている。(通常は,利益ほ,ここ軋述べられるよ  

りは,むしろ原価を収益に対して対応させることによって測定される。)最初   の論述でほ.,収益は何か別のものとの比較(COmparison)によって測定されて   おり,それは,たとえその何かが標準尺度(astandard)でないに.しても,測   定にあたって採られる通常の手続きである。籍二の論述では,比較によってで   はなくて−,数学的引算に・よって測定されている。われわれはこのようなやり方   で利益額を決めているかもしれないが,このようにして利益は測定されるので   あろうか,それとも依然として様々な勘定の左側に影響するある『実現可能価  

(17) 値』紅よって利益は測定されるのであろうか。」つまり直接的にほ,利益は,  

「実現可能価値」.尺度による測定なのか,すでに測定されたものの数学的な差   額計算の結果なのか,明白な表現法を要請しているのであるが,延いてはこれ   ほ利益の定義に関わる問題提起がなされているといえよう。しかしいずれにし   ても基本的には,対応概念の重要性そのものは容認されるという態度であると  

思われる。  

以上,1941年のスデートメソトに対する反響では,対応概念に関する言及は  

多くほないが,そのこと自体の中に基本的にほ対応概念の重要性が容認されて   いることが推察される。対応思考に関して,部分的にはいくつや、の問題提起も  

なされているが,殻極的なものではなぐて,一腰的な動静に従うものであると   思われる。たとえば会計理論に・おける対応概念の位直っけに関して基本的な問  

題提起もなされて小るが,理論的な反論を提唱するというよ、−りは,文章表現の  

問題にとどまって−,最終的に・は対応原則の原価原則からの独立を受入れている  

(17)George R.Husband,Op.Cit。,p.287い   

(8)

費用・収益の対応概念に.ついて(1)  

113    一 エ3 −−・  

と思われる。   

(2)「諸原則のステ」−・トメソトの改訂に.関する委員会の報告」′に.ついて   1941年の報告書の改訂紅関連して,1946年の10月紅,特別委員会(特別委員  

の任命による検討は,過去2回の方式と異ならている。それまでほA.A.A.  

の執行委員が中心紅なって検討していた。)が任命された。当初委員会の任務   は全く明記されず,改訂を必要とするかどうかさえ委員会に判断を委ねられて  

(18)  

いたようである。結局委員会は,A.A.A.の会員や改訂に関心のある会計士   に広く意見をもとめ,それの分析と検討を通じて−,基本的に.は1941年報告書は   健全であるとしながらも,次第に改訂をすることに.意義を認めるように.なった   ものと思われる。改訂紅先立つて−委員会は,1948年1月に.「\諸原則のスデート   メソトの改訂に.関する委員会の報告」と題する予備的報告を公表した。その報   告は4人の委員が分担する形で公表されているが,内容ははば委員会として合   意を得たものを公表しているようにり監われる。委員の改訂匿対する基本的な態   度ほ次のようであった。「当委員会は,1941年のステートメソトほ.基本的把.は   健全であること,すなわちこれから何らかの改訂が行なわれるとすれば,それ   は,会計の墓礎にあり,またその報告書で解説される原価の概念を精緻化し,  

入念紅作成し,明白化する努力であるぺきこと,および多分,次発に・重要性を   増してきたと思われ,この数年間に著しい注目を浴びるように.なった項目を含   む追加を行なう努力をすべきであることを前盛として,その作業を開始した。  

最初のステートメントは,原価の概念を取巻く会計思想を具体化すること把役   立ったのであり,改訂が行なわれるとすれば,それは,原価,財(resources),  

費用,収益などに関する考え方を一・層明らかにする要請を実現すべきであると   考えられていた。当委員会の意図は,1941年のスデー・トメソトの変更をできる   限り少なぐすることであった。しかし,言い表わし方が変更され,新しい考え   方が合体されるにつれて,従来の語句が変更または除去され,いくつかの葦が   置かれ(reposited),定義が明示され,たとえ基本的に.はそれらのステートメ  

(18)委員会の採った作業手順は,Hale L.Newcomer,Op..Cit.紅述べられている。   

(9)

寛49巻 第2号  

−JJ−−−   114  

ソトほ同じでも,古いステートメソF・が消えて,新しいものが登場したかのよ   うに見えるかもしれない。1941年のステートメントから著しく遊離するスデー  トメソトを,最終報隻として執行委員会に.提出することほ,当初の委員会の意   思でほなかったし,現在もその意思はない。何か月間か熟考した結果,当委員   会は当初の前提の正当性,つまり1941年報告書ほ,基本的かつ概念的には健全   であったし,現在も健全であることを得心した。しかし当委員会ほ,用いられ  

(19)  

た言葉を所々変更した方がいいと考えている。」   

委員会は改訂の姿勢をこのように表明するとともに.,たとえば原価概念ほ  1941年の報告書からそっくり引継いていると次のように述っている。「A・A.  

A.の原則の以前・のステートメント(statpments)の基礎にある基本概念は,  

原価概念であった。諸勘定の原理は,生産要素は原価によって測定されるこ 

と,会討上の原価(accounting costs)は消費される(費用または損失)か,  

または未消費のま女である(資産)かであること,消費した原価は収益紅対し   て対応され,それから回収されること,という思考にもとづいて展開された。  

(20) 当委員会はその概念を健全であると考え,それをそっくり採用した。」原価の  

測定,廉価の消費,収益との対応という会計思考をそのまま引継ぐという委員   の基本的姿勢の表明は,対応概念の重要性の認識がそのまま引継がれることの  

−・つの証左であるといえよう。さらに・こ・のこ・とほ,後に∴述べる1948年の′スデー   トメソトの解釈のためにも重要である。   

また委員会は,会計原則の展開鱒順序紅ついて吟味しているが与 そこにも対   応思考重視の考え方を伺うことができる。「原価概念の採用は,論理的にい.く   つかの提示(presentation)の順序のうちからIqつを採らせることになるであ   ろう。そのような一つの順序は,事業を通過するデータの理論的な流れに従う   ものであり,それは消費および未消費の会計上の原価に・ついての議論を生ぜし   め,次紅消費原価,収益,最後に債権者と株主の権利へと敷術していぐであろ  

う。支持することのできるもう一つの順序は,資産,負債および原価・収益を  

(19)Hale L,Newcomer,OpいCitハ,ppい8〜9。  

(20)Ibid,.,pい11..   

(10)

費用・収益の対応概念について(1)  

ーH ヱ∂・⊥ 

115  

含む株主持分の順序であろう。当委員会は様々な配列を実験し,いくつかの暫   定的な結論に.到達した。L……是非はともかくとしても,当委員会は差当たって−,  

基本的仮定,資産,利益(収益と費用に細分される),持分および財務諸表表示  

(21)  

の基準の順序を,ステートメントの提示のために.採用した。」結果的には,負   債・持分関連の取引の洩れというよりほ,むしろ原価のデータの流れあるいは   事業活動の流れを中心にした展開の順序が採用されているが,挙げられた二つ   の順序のうちいずれに.しても,原価・収益の対応関係は分割することのできな   い重要な視点紅据えていること,しかも最終的にほ事業活動にもとづく原価デ   ータの流れによる順序を採用しているととから,対応思考を重視する概念的整   備を行なって,一層その方向を明示するよう努力していると思われる。   

また委員令ほ,1941年の報告書における基本的な提案を理解するのに必要な   会計用語を定義することを提案している。Lelandほ,「改訂版の利益およびそ  れに関連する諸節では,当委員会は,収益,費用および利益の定義と解説を提  

(22)  

示したい。」と述べている。Lelandに・よると,費用は次のよぅに・定義されてい  

る。当委員会は,「費用を,利益の測定において収益に対して課されるあらゆ  

る製品配分額および期間配分額(product and period chargeS)を包括するも  

(23) のとして用いる。」「当委員会は,損失とは異なる項目および製造原価としての  

費用の一般的な狭い用法かあることを知っているが,同時に費用は,収益から   のあらゆる控除額および収益紅対するあらゆる嘩記額に対する最もすぐれた用  

(蝕)  

語としての選択の基礎を提供する!広い用法を持っている。」1941年のステート   メントでは,「費用と損失」とを並記する表現法に.見られるように.,費用は概ね   営業費用を意味する用法として用いられていた。他方収益は,19姐年報告でほ,  

「収益ほ,財または役務の企業の製品への,現金または現金等価物による実現  

(25)  

価値によって測定される。」′という規定にも見られるよう紅,主として営業活動  

(21)Ibid.  

(22)Thomas W.Leland,Op Cit巾,pい16.  

(23)Ibid.,p。17 

(24)Ibid.  

(25)A.A。A小,以AccountingPrinciplesUnderlyingCorporateFinanCialStatements〃,  

Op一ノ Citい,p〃136.中島省吾訳最 前掲書,47ぺ−汐。   

(11)

第49巻 第2号  

−J6 −   116  

面に.重点をおいて定義しているけれども,その用語法で必ずしも首尾一思して   いるわけではなく,営業外利得を含める用語法も見受けられる。どちらかとい   えば営業収益に.クエ・イトをおく用語法が中心であるように思われる。しかし予   備的報告では収益の範囲を広げることを提唱しているようである。つまり「収   益は,製品の販売,役務の提供,財の利用,資産の交換,または純資産を増加   または減少させる取引を含む負債の清算っ に.対する対価として−,受儀される資  

(26) 産または.清算される負債の額に対する一・般的用語として用いられるであろう。」  

と述べて−いる。1941年のステートメントでは.,明らかに「負債をその帳簿額以  

(27) 上または以下の額で償還したことから生ずる利得または損失.」は営業外損益区  

分に.含めていたが,その利得は委員会の定義では収益の中紅含まれている。上   記の定義の趣旨は包括的損益計算でのすべての貸方項目を包括することにあっ   たのでは.ないかと思われる。営業取引に限定する費用・収益の−・般的用法に・も   かかわらず,A.A.A.が独自に.概念を拡大して包括的損益討算におけるすべ   ての借方項目と貸方項目を意味するように変更すると,たとえば対応関係に関   していえば,利益の測定で対応されるペき収益と収益控除額が含む範囲は,明   らかに営業項目のみならず,営業外損益項目をも含むことになる。もちろん   1941年のステ・−・トメソトでは,前述に引用した利益の測定の原則に.あるよう   に,すでに.「対応」に利得および損失をも含んだものとして定義されていたと   思われるが,明白に費用・収益の広義の概念を用いることによってそのような   概念の広い範囲が一層銘記されるであろう。それまでは,対応関係の根拠にっ   いて−の議論ほ,営業損益項目を中心に.論じられていて,営業外損益項目につい   ては相対的に漠然と対応思考の中に含めていたと考えられる。しかし対応思考   の中で利得および損失がどのように.理論的に位置づけられるかほ必ずしも明白  

(28)  

でなかったことは否めないであろう。しかし会計理論をリードする立場のA.  

A.A.が,−・般的用法に先駆けて費用および収益の概念的拡大を行なうとする  

(26)Thomas W.Leland,Op…Cit。,p..16 

(27)A..A。Au,パAccountingPrinciplesUnderlyingCoIpOrateFinancialStatements〃,  

Op.Citl.,p.137い中島省吾訳編,前掲苔,49ぺエージ。  

(28)この間の事情は,拙論,前掲論文を参照されたい。   

(12)

費用・収益の対応概念濫.ついて(1)  

ーー j7 −  

117  

と,対応恩考の申で一層明白把・営業外損益項目の扱い方を整備すべきことを提   唱する効果をもつであろう。対応選考の患的拡張とともに,対応概念の質的な   整備,つまり対応の論拠を準備することが一層迫られるからである。このよう   な提唱が今後の対応思考の動向にどのような影智をもたらすのか,あるいはも   たらさないのかを注視すべきであろう。   

さらにLelandほ,費用の認識について次のように論述しているが,対応の   根拠に関わるものとして興味深いであろう。1941年の報告では,原価の茸に含   めで貿用の問題を扱っていたが,委員会ほ新た紅費用の章を起して,そこで費   用の認識を扱うことを提唱している。「本委員会は,(a)雇客に配給される商   品の場合のように.,特定の期間の収益と資産の消費との適接的な符合またほ直   接的な結合(a directidentification orassociation),(b)事務職眉給与およ   び賃借料の場合のよう紅,特定期間の収益と控除額または借記額との間接的な  

結合またほ適用可能性(anindirectassociation withorapplicability to),  

あるいほ.(C)曲水またほ火災による損失の場合のように,たとえ過去,現在   またほ将来の生産と必ずしも結合しないとしても,測定可能な財の消費,これ   らのうちのいずれかが生ずるそ・の期間の盟用紅,会計上の認識を与えるであろ   う。当委員会は,特定期間の費用ほ.,それ以前に・ほ収益から控除されたことが   なく,かつ将来の期間に合理的に適用できないあらゆる会計上の原価を含むぺ  

(29)  

きであると考える。」こ.こで(a)ほいわゆる売上原価として処理される項目を  

(糾) 含み,(b)ほ販売費および一姫管理費の諸項目を指しているものと解される0  

(b)の例示である事務教員給与および賃借料からだけではこのことほ必ずし   も明日でないが,(a)における収益と「直接的な符号または直接的な結合」を   もつ項目をそれぞれ製造潰接費または間接費のことを指すものと考えると,  

(b)の「間接的な結合または適用可能性」をもつ項目はやほり販売費・−・般管   理費を指すものと理解するのが自然であろう。このような解釈が正しいとすれ   ば,(b)の販売費・一般管理費ほ,収益との関連が「間接的な結合または適用  

(29)Thomas W Leland,Op。Cit。,pp‖18−19・  

(30)中島省膏教授もこのように解釈されている。中島省吾訳編,前掲=畜,70ぺ一汐。   

(13)

葦49巻 第2号  

ー ブβ−・   1]j8  

可能性」でつながっていると述べる点が,販売費・−・般管理費の対応の論拠を   暗示させている。現在と同様,当時も販売費・−・般管理費ほ,特定期間の発生   額を期間対応させていたが,PatonおよびLittletonによれほ,そのような対   応ほ「便宜的ないしほ代替的な方法」であると見倣されていた。本来ほ販売費・  

一・般管理費といえども,製造原価と同様に収益と「直接的な符号または結合」  

をもつべきものであるが,そのような関係を客観的に認識することが難しいか  

¢1)  

ら,一・歩退いて収益と関連させる単位を期間にせざるをえないとされていた。 

このような期間対応でほ,販売費・−・般管理費と収益との本来あるべき直接的、  

な関連は潜在的なものであって−,費用の把握に計算上影響しない。おそらくと   のような考え方が委員会の報告書にも踏襲されてし、て,販売費・一・般管理費は   収益と「一間接的な結合またほ適用可能性」をもつ項目であるとして説明される  

のであろう。要する紅製造原価,販売費,一・般管理費の対応の根拠は.,Paton   およびLittleton以降の考え方が−、般紅引耗がれていて,そのことを裏付ける   ものとしてこの説明は意義があるといえよう。   

しかしとのような収益との潜在的ないしほ「間接的な結合または適用可能性」  

の指摘だけでほ,特定期間の費用を把握することほできないから,これを費用   認識の基準として奉げるだけでは不十分であろう。しかしこ.こでほそのことほ   直接の関心事でほない。   

総じてし、えば,1941年の報告以来6〜7年を経過している委員会の予備的報   告でほ,費用・収益の対応概念についてほ,会計理論紅おけるその重要性の認   識についても,その根拠および方法についても大きな変更はなく,従来−・般に  認められた見解が引継がれているといえるであろう。むしろ対応思考の重要性   の認識は一層定着した感がある。ただ,費用・収益概念の拡大の提唱とともにi   対応思考における利得・損失の位置づけ紅どのような影響があるのか今後の動   向に・注意すべきことがやや新しい点であろう。  

(31)拙論,前掲論文,108〜11ぺ一−・  汐。   

(14)

費用†収益の対応概念について(1)   ーJ9 −h    119  

(3)「会社財務諸表会計諸概念および諸基準軸1948年改訂版」につ い  

て   

予備的報告にもあったように,1948年改言了版ほ,19姐年の報普と較ぺて,寮   の変更および各章の構成の入替え,・−・部の項の追加および削除,表現および用   語の変更,資産・利益・収益・費用・負債・株主持分等の基礎的用語の定義の  追加などが主な改正点であり,基本的な変吏ほ行なわれなかった。   

全体の構成は,序文,資産,利益,負債および株主持分,財務諸表,結語の   6牽から成り,さらに利益の章ほ収益と襲用の節に細分され,負債および株主   持分の章ほ負債と株主持分の二つの節紅細分されている。全体の章の構成でい   えば,概念的に整備されたということがでキるであろう0   

利益に.関連する事柄を1941年の報告と較ぺると次のような相違が見られる。  

まず収益に関して言い.えぼ,1鎚8年報告でほ収益の広い定義が明示された点およ   び1941年の報告で発見価値および自然増価に関する言及がなされたが,今回の   改訂で∴それが削除してある点が主な相違点である。、費用に・ついては.,今回の改   訂でほ費用の章が新たに独立したこと,費用の広義鱒定義がなされたこと,費   用の認識・無形資産の費用化・棚卸資産の流れに.ついての仮定と棚卸資産評価   額の回収可能額までの引下げ・過年度の費用の修正について−の各項の追加が主   要な改訂点であった。糞用の定義および費用の認識についての論述ほ,はば予   備的報告であらかじめ予告された趣旨で改訂写れた。委員会が予備的報告をh  

るがえすはどの反論がなかったというこ.とであろうか。   

利益に関しては,利益の定義が明示されたこと,および19姐年の利益の章で   述べられた項の多くが,改訂版の利益以外の章に屑編されたことが主な改訂点   である。利益の定義は次のように述べられている。「企業の利益ほ,費用を超え   る収益の超過額によって測定される,純資産(資産マイナス負債)の増加分で  

(32) ある。」ここでは利益の資産面を強謝する定義が行なわれるとともに,利益の測  

(32)} A..A.,Aり,粥AccountingConceptsandStandardsUndeIlyingCorporateFinancial   Statements−1948Revision〃,Opu Cit,p.340..中島省吾訳鼠 前掲寄,61ぺ一  

汐。   

(15)

第49巻 第2号  

ー・2ク ー   120  

定が説かれている。利益の測定についていえば,1941年と1948年とでは費用・  

収益概念の異同があったに.もかかわらず,ここ.では実質的に同じであると思わ   れる。ここでやや注意を引くのは,1948年のステートメントではどこに.も「対   応」 

定に関して「対応」の用語が使われていためは前述の引用の通りであるが,今   回の改訂では使われていない。その理由ほ全く明らかでは.ないが,実質的に会   計理論における対応思考の重要性の認識が後退したことな意味するのでほない  

と思われる。それは,」予備的報告においてNewcomeIがそれまでの廉価概念   延いては対応思考をそのまま引継ぐと述べている点,そ・の他の論述からもはぼ   明らかであろう。  

1948年のステー・トメソトほ,全体的に概念的な整備が行なわれて:いるため,  

かえって∵対応思考ほ希薄になった印象をうけるかもしれないが,実質的紅は対   応思考の定着を表わしているめではなかろうか。概ね予備的報告で表明された   特色をそのまま引継いでい昂といえるであろう。   

(4)「批判および1941年版との比較」について  

19弧年のステ∵一トメソトが公表されると,間もなくそれに対する反響が寄せ   られた。「A.A.A.の諸原則のスデートメソトの1948年の改訂」という主題で   公表された−・連の論文がそれである。その中で対応思考紅関連すると思われる  

論述はむしろ少ないといえるが,HeIbertF.Taggartが1941年の報告との比  

較で次のように.述べている点が挙げられる。1941年の報告では大体において費   用と収益は」取引の営業活動面に.重点をおいた使い方がなされたが,1鋸8年の改   訂版では,費用と収益の定義は営業外の取引に.まで拡大されたことほ前述の通  

りである。Taggartほ次のようにそのような定義の拡大に.同意を示していな   い。「−『収益』および『費用』という用語を企業取引のいわゆる営業活動面に.限   定し,営業外の利得および損失を別個の現象として認めることは,大抵の慎重   な著者や実務家に.おいて−は非常紅広く容認されて「いるから,この区別を放棄す   る理由が全く予想し難い。用語が特定のよく確立された意味で限られた目的の   ため紅うまく役立っている場合に,その意味に追加的な分野を含ませるこ.とに 

(16)

費用・収益の対応概念について(1)  

−一 三リ ー   121  

(8$)  

よって得る所は少なく,失う所は大であると思われる。」今後の費用・収益概念   の行方と対応思考の動向との関連が注目される所である。   

(5)会計原則をめぐる議論における動向   

以上,われわれほ,A.A.A.の会計原則をめぐる議論の中から,1940年代   の対応思考の動静を精察しようとした。会計原則の条文をめぐる議論が中心で   あったということもあって,「対応概念」の性質や根拠が正面から議論されるこ   とほなかったから,具体的な対応思考の動向を引き出すこ.とは難しかった。し   かしひるがえって考えれば,対応思考に対する言及が少ないという状況ほ.それ   なりに対応思考紅対する一つの動向を示唆するものであるということができよ  

う。ここでの検討結果ほ次のように.まとめられるであろう。  

1)1940年前後にほ,対応概念の理論的な検討が行なわれ,また1939年の   Littletonに.よる予備的報告で吼,費用・収益の対応思考が強謁されたけれど  

も,その後,対応思考に関する言及ほ比較的少なく,しかも対応思考の何らか   の変遷をうかがわせるような抵抗や論述もあまり見られなかった。むしろ全体   的状況としては.PatonおよびLittletonに,より表明された対応思考を容認し   て,そ・れを一層押進めるために.,原則を体系的・概念的に.整備するような動向   さえうかがわれた。−・般には.1940年頃の対応思考ほ,広く受入れられて,1940   年代はむしろそ・のような思考が定着していった時期であるといえるのでは.なか   ろうか。対応の根拠においても方法においても,基本的な点はそのまま引継が   れているものと思われる。   

2)対応思考の変化に必ずしも直ちに.結びつくわけではないが,A.A.A.ほ   1948年の報告で公式に.費用・収益概念を営業外損益項目をも含む広い概念に.拡   大した。それまでもA.A.A.でほ対応思考の中に.ほ営業利得・損失を含めて   定義していたけれども,このような概念的拡大に.よって,このことが一層強く   印象づけられることに.なるであろう。しかしこのような用法は/むしろ少ない用   語法であ って−,今後このような用語法が−・般的になるのか,あるいは′A.A.A.  

(33)He工■be工・t F.TaggaIt,Opl.CitりpⅥ57く   

(17)

算49巻 寛2号  

− 22 −  122  

に.よる広義の概念の使用が,それまで対応思考の中で漠然と扱ってきた利得・  

損失の在り方を一億明らかにするような契機紅なるのかどうかほこの時期にほ   判断できない。ともかくここは,対応思考を構成する要素である費用・収益概   念のA.A.A.に.よる変更が注目されるであろう。   

3)1941年報告で用いられた「対応」の用語が1948年報告では見当たらなか   ったが,このことほ対応思考のなんらかの実質的な後退を意味するものとは思   われない。しかし「■対応」の用語が用いられなくなったのは,対応思考が普及  

したため,原則が概念的に.整備されたこととあわせて,敢えて対応を強調する   必要がなくなったのか,また対応概念が普及したため,かえって当初の新鮮な   響きが薄らいで,自然に「対応」の用語が消えたのか,あるいはその他の理由   があるのかないのか不明である。この点も今後の動きとともに,多少とも意に   留めて∴おく必要があるであろう。   

参照

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