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飽和変異導入による環状糖合成酵素の機能改変 生物資源科学専攻

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019 年,2 月 8 日

飽和変異導入による環状糖合成酵素の機能改変

生物資源科学専攻 応用分子生物学講座 分子酵素学 白水 優一郎

1.背景と目的

Bacillus sp. NRRL B-21195 由来の isomaltosyltransferase(IMT)は,オルタナン(グルコー スがα-1,6 結合とα-1,3 結合で交互に連結した直鎖多糖)に作用して,CNN(4 分子のグルコース がα-1,6 結合とα-1,3 結合で交互に連結した環状四糖)を合成することが報告されている.本研 究ではこれと相同なタンパク質(hIMT)を見出したので,hIMT が同様の反応を触媒するかを調査す るとともに,飽和変異導入によって生成物特異性を改変して CNN とは異なる糖を合成させること を目的とした.

2.方法と結果

IPTG によって発現を誘導する既報の方法を用いて hIMT を大腸菌組換え酵素として生産・

精製し,オルタナンに反応させ経時的に TLC で解析した結果,反応 10 分で CNN およびイソマ ルトース(IG2)の生成が確認された.また反応1時間では,CNN が開環した四糖(LNN)の生成も 確認された.CNN および LNN は反応 1 日まで増加したが,その後は減少した.一方 IG2 は反 応 9 日目まで増加した.反応 9 日においても,基質のオルタナンは残存していた.以上の結 果から,hIMT がオルタナンを基質として CNN を合成することが明らかとなった.また,IG2 および LNN が生成したことから,hIMT が加水分解反応も触媒することが明らかとなった.

飽和変異体ライブラリーのスクリーニングを効率化するために,hIMT の新たな発現系を 検討した.誘導培養には自動で発現誘導が開始される ZYP 培地を用い,菌体の破砕には超音 波破砕に変えてリゾチームによる溶菌を用いた.条件検討の結果,ZYP 液体培地で 12℃で 48 時間培養を行い,2 mg/mL リゾチームで 30℃で1時間処理することで hIMT を効率良く調製 できることが明らかとなった.この方法で得られた hIMT をオルタナンに作用させて TLC によ り解析した結果,反応 16 時間で CNN の合成が確認された.

hIMT の相同タンパク質である

Listeria monocytogenes

EGD-e 由来 IMT の立体構造を参考 に,活性ポケットを形成することが予想されたいくつかのアミノ酸を変異導入の標的とした.

これら残基に同時に飽和変異を導入するようにプライマーを設計し,PCR によって飽和変異 プラスミド DNA を合成した.合成された DNA 断片を大腸菌 DH5αに形質転換して混合プラスミ ド DNA を増幅させた後,これらで発現用大腸菌宿主を形質転換することで飽和変異体ライブラリ ーを作製した.得られたクローン(合計 60 個)から組換え酵素を調製してオルタナンと作用させ た.生成物を TLC で解析した結果,CNN とは異なる移動度にスポットが見られる変異体が存在し た.

参照

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