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女子高校生

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【キーワード】

月経,女子高校生,セルフケア,月経教 育,プログラム

menstruation,female high school students,self-care,menstrual edu- cation,program

【Correspondence】 桑名佳代子 宮城大学看護学群 [email protected]

【Support】

本研究は「平成22年度〜平成24年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) 思 春期の「性の健康」に対する認識とセル フケア行動を高める支援方法の開発」か らの助成を受けた。

【COI】

本論文に関して開示すべき利益相反関連 事項はない。

Received 2020.12.9 Accepted 2021.2.7

抄録

女子高校生 を 対象 として ,5 回 シリーズの 「月経 セルフケア 講座」 を 課外 で 実施 し ,基礎体温 測定行動 と 4 回 の 質問紙調査 により 健康教育 プログラムの 効果 を 評価 した 。質問紙 は ,健康・月 経 への 関心度,月経 の 状態 と 対処行動,月経 への 認識・ イメージで 構成 した 。「健康」「性 の 健康」

「月経」 への 関心度 は VAS 尺度,「月経」「基礎体温測定」 に 対 するイメージは SD 法 で 測定 した 。14 名 が 参加 し ,全員 が 基礎体温測定 を 希望 したが ,継続 できたものは 5 名 であった 。受講 後 に 月経 への 対処行動 が 改善 したものは 3 名 にとどまったが ,自身 の PMS 症状 の 気 づきが 促 された のが 11 名(78.6%) であった 。受講後 の 「健康 への 関心度」 と 「性 の 健康 への 関心度」(r=.86,

p <.001), 「健康 への 関心度」 と 「月経 への 関心度」(r=.91,p <.001) は 強 い 相関 が 示 された 。 プログラム 実施 により ,月経 への 関心度・認識 と 対処行動 に 明 らかな 変容 は 認 められなかったが ,月 経 の 健康教育 は 女性 の 健康 への 関心 につながることが 示唆 された 。

Abstract

We conducted a five-part extracurricular “menstrual self-care course” for female high school  students and then assessed its efficacy as a health education program by evaluating the  results of student basal body temperature monitoring and their responses to four question- naire surveys. The questionnaire consisted of three parts: (1) level of interest in health and  menstruation; (2) menstrual condition and coping behaviors; and (3) awareness and per- ceptions of menstruation. Levels of interest in “health,” “sexual health,” and “menstruation” 

were evaluated using the Visual Analog Scale (VAS), and perceptions of “menstruation” and 

“basal body temperature monitoring” were evaluated using the semantic differential (SD)  method. A total of 14 high school students participated in the study and all students initially  consented to have their basal body temperature monitored but only 5 students continued  the monitoring to completion. While only 3 of the students indicated that their menstrual  coping behaviors had improved after taking the course, 11 students (78.6%) stated that they  had a greater awareness of their own pre-menstrual syndrome (PMS) symptoms. There was  a strong correlation between the studentsʼ levels of interest in “health” and “sexual health” 

(r=0.86, P<0.001) and between their levels of interest in “health” and “menstruation” (r=0.91,  P<0.001) after taking the course. Although the program did not lead to a significant change  in the studentsʼ levels of interest in and awareness of “menstruation” and “coping behaviors”,  the study results suggest that menstruation health education generates increased womenʼs  interest in health.

桑名佳代子

1)

,鹿野裕美

2)

,三井幸恵

3)

Kayoko KUWANA

1)

 Hiromi SHIKANO

2)

 Sachie MITSUI

3)

1) 宮城大学看護学群 2)元宮城大学看護学群 3)尚絅学院高等学校

1) School of Nursing, Miyagi University 2) Formerly, School of Nursing, Miyagi University 3) Shokei Gakuin Senior High School

女子高校生 に 対 する 月経 セルフケアへの 健康教育 プログラ ムの 効果 の 検討

Evaluating the efficacy of a menstrual self-care health education program for female high  school students

Miyagi

University

Research

Journal

(2)

緒言

 月経 が 開始 し 性成熟 の 過程 にある 思春期女性 にとって ,月経 を 理解 し 月経 に 対 してよりよいセルフ ケアを 実践 していくことは 重要 な 健康課題 である 。泉澤,山本,宮城(2008) は ,中学・高校女 生徒 を 対象 に 質問紙調査 し ,月経 のメカニズムの 知識 は 「知 らない 」 ものが 77.6%,月経痛緩和 方法 の 知識 がないものは 65.2% であることを 報告 している 。 また ,蛯名,松浦(2010) は 高校生女 子 を 対象 として 月経 の 実態 と 月経教育 について 調査 し ,月経 の 記録 をしているものは 40.2% であること , 今後 の 思春期後期 における 月経教育 の 重点課題 として ,月経随伴症状 の 理解,月経 の 観察 と 記録,

基礎体温 の 測定 と 記録 であることを 提示 している 。

 月経教育 のプログラムについての 実践報告 は 諸年代 を 対象 に 散見 されている 。服部,皆川

(2000) は ,看護系短期大学 の 学生 20 人 へのダンベル 体操 とカウンセリングを 導入 した 4 か 月 間 のプログラムを 行 い ,月経時・月経前 の 不定愁訴 は 低減 したが , ライフスタイルには 変化 が 認 めら れなかったことを 報告 している 。福山,山川,佐藤(2009) は ,専門学校生 34 名 に 6 か 月間 に 渡 る 月経痛緩和 プログラムを 実施 した 結果,「症状 の 改善 または 消失」 は 64.7% であったとしている 。 渡邊 ら (2010) は ,月経周辺症状 の 軽減 に 向 けた 教育 プログラムを 26 歳〜 42 歳 の 25 名 を 対 象 として 実施 し ,実施後 では 自尊感情 の 高揚 とストレスの 軽減 が 有意 に 認 められたこと ,月経体験 の 質的分析 により ,肯定的 な 月経 の 受容 とセルフケアの 実行 による 症状 への 対処行動 の 変化 が 認 めら れたことを 報告 している 。 また ,甲斐村,上田(2015) は ,女子大学生 を 対象 に 月経随伴症状 へ の 対処行動,肯定的月経観,自己効力感, ストレス 対処行動 に 焦点 を 当 てた 包括的 モデルを 開発 し ,健康教室 を 2 回,3 か 月間実施 しランダム 化比較試験 を 用 いて 検証 した 結果,行動 の 変容及

び 自己効力感 の 向上 が 認 められたとしている 。

月経教育 の 満足度 が 高 いことに 関連 する 因子 に 「高等学校 での 月経教育 を 受 けた 経験 があるこ と 」 が 示 されている (坂木,笹野,長谷川,2018)。 しかし ,高校生 を 対象 とした 月経教育 の 報告

は 少 ない 。長津,長鶴(2018) は ,月経 ヘルスケアプログラムの 公開講座(90 分 1 回) に 参加 した 高校生 8 名 を 対象 に ,参加後 1 か 月以内 と 6 か 月前後 の 2 回 にわたり 半構成的面接 を 行 い , プログラム 参加者全員 に 月経 への 肯定感 の 高 まりがみられたことを 報告 している 。池田,鈴木,前田

(2013) は ,高校 2 年生 28 名 に 対 し ,性教育授業 の 一環(選択) として 実施 した 月経教育(90 分 1 回,助産師 1 名担当) について 受講前 と 受講 2 か 月後 で 比較評価 し ,鎮痛剤 の 使用 が 月経 痛対策 に 必要 なことであると 認知 の 変化 がみられたとしており , さらに 学校関係者 と 医療専門職者 が 連携 した 教育的支援 が 有効 であると 報告 している 。

本研究 では ,女子高校生 を 対象 として 月経 のセルフケアへの 包括的 な 健康教育 プログラムをシ リーズで 実践 し , プログラムの 効果 を 検討 することを 目的 とした 。 これにより ,高校生 における 月経 のセ

ルフケアの 育成 を 目指 した 月経教育 のあり 方 を 考察 したい 。

Ⅱ.研究方法 1. 研究目的

女子高校生 を 対象 として 月経 のセルフケアへの 健康教育 プログラムを 実践 し , セルフケア 行動,

基礎体温測定行動,月経 への 認識・ イメージ ,健康・月経 への 関心度 の 変化 から 健康教育 プログ ラムの 効果 を 検討 する 。

2. 調査対象

 高等学校 1 校 において ,健康教育 プログラムへの 参加 と 調査研究 への 参加 に 本人 および 保護 者 の 同意 が 得 られた 3 年生 の 女子生徒 14 名 とした 。

3. 調査期間

 平成 23 年 12 月〜平成 24 年 2 月 4. 調査方法

 月経 の 理解 とセルフケア 行動 に 関 する 健康教育 プログラム 「月経 セルフケア 講座」 を 5 回 シリー

Miyagi

University

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(3)

ズで 実施 し ,4 回 の 質問紙調査 を 行 った (表 1)。

1)健康教育 プログラムの 作成

プログラム 内容 は ,月経機序 の 理解,正常・異常月経,基礎体温法 の 測定・記録,月経前症 候群(premenstrual  syndrome;以下,PMS とする ) の 解説,月経中・月経周辺期 のセルフケ アで 構成 するプログラムとし , セルフケアは 松本(監)(2004) の 報告 により ,効果 が 公表 された 対 処法 を 取 り 入 れ ,体験学習 とした 。 また ,子宮頸 がんワクチン 接種 に 関 する 希望 があり ,最終回 に DVD 視聴 と 解説 を 取 り 入 れた 。 これらの 内容構成,対象者 の 学年,期間・回数,課外 での 実施

(場所 は 教室)等 は ,大学教員 2 名,高校養護教諭 1 名,保健体育教諭 1 名 によって 実現 の 可能性 を 重視 して 決定 した 。以上 の 検討 から ,高校 3 年生 を 対象 に 第 1 回 から 第 5 回 まで 2 か 月 余 りの 期間 で ,1 回 90 分 で 実施 することとした 。

      表1 月経セルフケア講座内容

回 講座内容 *質問紙調査 第1回

12/13

*1回目

1. 月経のしくみの理解 2. 正常月経・異常月経

3. 月経痛へのセルフケア(基本)

4. 月経期間のセルフケアⅠ(基本)

第2回 12/20

*2回目

1. 基礎体温法の解説

2. 基礎体温測定方法・記入方法の説明 3. PMS(月経前症候群)の解説 4. PMSへのセルフケア(基本)

第3回 1/26

*3回目

1. 月経周期と私のからだ(自分の月経の理解)

2. 基礎体温測定に関する疑問の解決 3. 月経期間のセルフケアⅡ

    快適な月経用品の選択 4. 個別相談

第4回 2/9

1. 月経セルフケアの積極的な実践

    食生活、マンスリービクス、指圧・マッサージ     アロマオイル・ハーブの利用

2. 基礎体温測定表のみかたと判断 3. 個別相談

第5回 2/23

*4回目

1. 女性のライフサイクルと月経 2. 子宮頸がんの予防 3. フリートーキング

   月経に対する思い、自分のセルフケア体験    新たな疑問などを自由に話す

4. 個別相談

2)使用媒体 の 作成

  プログラム 構成後,全体 を 通 して 使用 する 冊子 を 作成 した 。内容 は ,①月経 の 基礎知識(月経 の 正常範囲 と 異常,月経 のメカニズム ,PMS を 含 む 月経随伴症状),② PMS のセルフケア (症 状 リスト ,食生活,運動, ストレス 解消法),③月経痛 の 対処方法(鎮痛剤 の 使用方法,身体 を 温 める 方法, マンスリービクス ),④月経時 のセルフケア (月経用品,清潔,指圧・ マッサージ , アロマ オイル ・ ハーブの 活用,食生活,睡眠 と 休息) とし ,高校教諭 らの 確認 を 得 た 。

5. 調査内容 1)質問紙内容

【第 1 回調査】−第 1 回 プログラムで 実施−

①年齢,②自分 の 「健康」「性 の 健康」「月経」 への 関心度,③月経 の 状態・月経随伴症状,

④月経 に 関 するセルフケア 行動(月経 の 記録,月経痛 への 対処,月経中 の 対処),⑤月経 への 認識 と 「月経」 へのイメージ

Miyagi

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(4)

【第 2 回調査】−第 2 回 プログラムで 実施−

①基礎体温測定 の 経験 の 有無,②基礎体温測定 に 対 するイメージ ,③基礎体温測定実行 の 意志

【第 3 回調査】−第 3 回 プログラムで 実施−

 ①基礎体温測定 に 対 するイメージ ,③基礎体温測定実行 の 意志

【第 4 回調査】−第 5 回 プログラムで 実施−

①自分 の 「健康」「性 の 健康」「月経」 への 関心度,②月経 の 状態・月経随伴症状,③月経 に 関 するセルフケア 行動(月経 の 記録,月経痛 への 対処,月経中 の 対処),④基礎体温測定 に 対 するイメージ ,⑤月経 への 認識 と 「月経」 へのイメージ ,⑥ プログラム 受講後 の 意見・感想(自由 記述)

「健康」「性 の 健康」「月経」 への 関心度 は VAS(Visual Analogue Scale)尺度(0: まっ たく 関心 がない − 100: とても 関心 がある ) を 用 いた 。

また ,「月経」「基礎体温測定」 に 対 するイメージは SD 法(Semantic  Differential  Meth- od; 意味微分法) で 測定 した 。「月経」 は 15 項目(川瀬,2004),「基礎体温測定」 は 12 項目

(木村,桑名,小野,2006),各項目 は 7 段階 で 最 もネガティブなイメージ 1 点 から 最 もポジティブ なイメージ 7 点 である 。

月経 への 認識 は ,肯定的(素晴 らしいもの ・女性 にとって 大切 なもの ・尊 いもの ・女性 の 特質・健 康 の 証・女性 としての 喜 び ),否定的(面倒 くさいもの ・煩 わしいもの ・必要 ないもの ・汚 らわしいもの ・ 憂 うつなもの ・我慢 するもの ),中間(仕方 がないもの ・ なくてはならないもの ・女性 であるから 当然 のも の ・自然 のもの ・子 どもを 産 むためのもの ) から ,複数回答 で 選択 とした 。

2)基礎体温測定記録

 基礎体温(basal body temperature ; BBT) の 測定 を 希望 したものには ,第 2 回 の 健康教 育 において 基礎体温計・PMS メモリー (記録冊子) を 渡 し ,第 3 回〜第 5 回 に 持参 してもらい , 測定 の 継続状況 を 確認 した (測定日数)。 また ,月経状態 の 判定 に 使用 した 。対象者 には ,個別 に 読 み 取 りを 一緒 に 行 い ,自分 の 月経状態 の 把握 を 支援 し ,必要時 には 個別相談 に 応 じた 。

6. 分析方法

  データの 分析 には IBM  SPSS  Statistics  ver21 を 用 い ,基本統計 の 算出,t検定, ピアソンの 積率相関係数 の 算出 を 行 った 。

7. 倫理的配慮

 学校長 の 研究同意書 を 得 て ,生徒向 けの 説明会 を 開催 して 参加希望者 を 募 り ,希望者 と 保護 者 に 対 して 文書 による 説明 を 行 い ,生徒・保護者 からの 同意書 が 揃 ったものを 対象 とした 。宮城大 学看護学部・看護学研究科倫理委員会 の 承認 を 得 て 実施 した (承認番号 2011011)。

結果

1. 対象者 の 特性

初経平均年齢 は 11.7 ± 0.9 歳(10 − 13 歳),月経 が 規則的 6 名(42.9%) で 「分 からない 」 2 名(14.3%),月経痛 があるもの 12 名(85.7%)(軽度 5 名,中等度 6 名,重度 1 名),月経周 期 は 全員 が 不整周期 か 無回答・不明 であった (表 2)。

Miyagi

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(5)

         表2 対象者の月経状態

実数 %

初経年齢( 歳) 平均±SD(範囲)

規則的 6 42.9

不規則 6 42.9

分からない 2 14.3

正常周期 0 0

不整周期 4 28.6

無回答・不明 10 71.4

開始日のみ 5 35.7

月経期間 3 21.4

記録なし 5 35.7

無回答 1 7.1

無し 2 14.3

軽度 5 35.7

中等度 6 42.9

重度 1 7.1

無し 1 7.1

有り 11 78.6

分からない 2 14.3

月経の記録

月経痛の程度

PMS症状

11.7±0.9(10-13)

月経の規則性

月経周期

2. 月経 に 関 するセルフケア 行動 の 変化

 月経痛 への 対処 として ,第 1 回調査 では 「鎮痛薬」「下腹部 を 温 める 」 が 各 7 名,「寝 る ・横 になる 」4 名 であったが ,「我慢 する ・何 もしない 」 が 7 名 であり ,第 4 回 においても 「鎮痛薬」 の 使用 が 1 名増 えたものの 「下腹部 を 温 める 」 は 4 名 に 減 じ ,「我慢 する ・何 もしない 」 が 8 名 と 7 割 を 占 めていた 。

月経中 を 快適 に 過 ごす 対処 として ,第 1 回 では 「身体(下腹部) を 温 める 」5 名,「 ナプキンの こまめな 交換」4 名,「十分 な 睡眠」3 名 であったが ,「積極的 にはしていない 」4 名 であり ,第 4

回 においては 上位 3 つの 対処 を 行 う 人数 は 減 じていた (表 3)。

 月経 の 記録 は ,第 1 回 では 「記録 なし 」5 名,「開始日 のみ 」5 名,「月経期間」3 名,無回 答 1 名 であった 。第 4 回 では 「記録 なし 」8 名 と 増加 し ,「開始日 のみ 」 に 変化 がなかったもの 2 名,記録方法 に 基礎体温 を 挙 げるなど 向上 したもの (「記録 なし 」→「月経期間」,「開始日 のみ 」

→「月経期間」,「月経期間」→ BBT 測定,「不明」→ BBT 測定) は 4 名 であった 。

         表3 月経痛への対処と月経中の対処

人数 月経痛への対処  n=12 第1回 第4回

 鎮痛薬 7 8

 下腹部を温める 7 4

 寝る・横になる 4 4

 軽い運動 2 1

 マッサージ 2 2

 安静にする 1 2

 我慢する・何もしない 7 8

月経中の対処   n=14 第1回 第4回  身体(下腹部)を温める 5 4  ナプキンのこまめな交換 4 2

 十分な睡眠 3 1

 食事に気をつける 2 2

 指圧・マッサージ 1 1

 身体の清潔 1 1

 体操(軽い運動) 0 1

 気分転換 0 2

 積極的にはしていない 4 5

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(6)

 対象者 を 個人 ごとに 第 1 回 と 第 4 回 の 対処 を 比較 すると ,受講後 にセルフケア 行動 が 明 らかに 改 善 したものは 3 名 にとどまった 。生徒 A は ,重度 の 月経痛 に 鎮痛薬 と 我慢 を 中心 とした 対処 から ,食 事・清潔・月経用品 に 配慮 し , マンスリービクス ・指圧 を 取 り 入 れるようになっていた 。生徒 B は 鎮 痛薬 と 我慢 の 対処 から ,鎮痛薬 のほか 温 める ,睡眠・安静・気分転換 などの 工夫 をしていた 。生 徒 C は ,温 めるだけから 鎮痛薬 を 効果的 に 服用 し , ストレッチを 取 り 入 れていた 。 これらのものは ,受 講 に 強 い 動機 を 持 っていたという 特徴 が 示 された (表 4)。

       表4 セルフケア行動が改善した者の記載内容(第1回調査)

生徒A 月経痛が重度(日常生活に大きな支障あり)

  まともに歩けない.月経中に熱が出たり,吐気がひどい.どう やって対処すればいいのか分からない.PMS(身体・精神・社会 症状)には,特に何もしていない.

生徒B 月経痛は中等度.腹痛,腰痛,子宮が痛くなる.

  なるべく薬なしで過ごしたいけど,痛すぎてうまくいかない.

もっとたくさん対処法を知りたい.PMS(身体・精神・社会症状が多 数)については,考えないようにする.

生徒C 月経痛は軽度だが,腹痛とともに下痢になる.

  PMSに悩まされている(身体症状・精神症状).月経前だという ことを意識して,抑えるようにしている.

  また ,PMS の 症状 について ,第 1 回・第 4 回 ともに 「 ない 」 が 1 名,症状 への 気 づきに 変化 がないもの 2 名,「分 からない 」 としていたが 気 づきがあったもの 2 名,症状 の 気 づきが 増加 してい たものが 9 名 であり ,自分 の PMS 症状 への 気 づきが 促 されたと 判断 できるものが 11 名(78.6%)

であった 。

3. 基礎体温測定行動

 基礎体温測定 は 全員 が 希望 したが ,測定 しなかったもの 6 名,1 週間以内 で 中止 3 名,中断 し ながらの 継続 4 名(全期間 の 40%,57.5%,63.6%,75% の 測定),全期間 の 継続(100%)1 名 であった 。

測定 の 継続状況 と 基礎体温測定 に 対 するイメージとの 関連 をみると ,継続群 は 未測定・中止群 に 比較 し ,測定前 に 「役立 つ 」,継続中(第 3 回調査) に 「能動的 な 」「分 かり 易 い 」(図 1),

最終回 には 「単純 な 」 イメージを 持 っていた ( いずれも p< .05)。

3.6 3.6

5.6

4.2 4.2 4.6 5

6 5.2

6

4.6 4.8

3.4 3.9

5

4.1 4.2 4 3.8

5.2

4.1 4.4

3.8 4

0 1 2 3 4 5 6 7

継続群(n5 未測定・中止群(n9

p<.05

     図1 基礎体温測定に対するイメージの比較

4. 月経 に 対 する 認識 とイメージの 変化

 第 1 回 と 第 4 回 の 月経 に 対 する 認識 にはほとんど 変化 が 見 られなかった (表 5) が ,「女性 であ るから 当然」 が 5 名 から 9 名 に 増加 した 。

Miyagi

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(7)

      表5 月経に対する認識の変化

受講前 → 受講後 人数

肯定的 → 肯定的 4名

中間・両価的 → 中間・両価的 6名

否定的 → 否定的 1名

中間・両価的 → 否定的 1名 否定的 → 中間・両価的 1名

不明 1名

変化なし

変化あり

 月経 に 対 するイメージは ,第 1 回 に 比較 し 第 4 回 では ,「生 きた 」「親切 な 」「公平 な 」 イメージ が 高 くなる 傾向 がみられた (図 2)。

3.8 3.7

3.6 3.6

4.3 4

4.5 4.5 4.4

4.1 4.1

3.9

4.1 4.2 4.1

3.9 3.9 3.9 3.9

4.5

3.9 4.6

4.2 4.2

4 4.2

3.8 3.8 3.9

4.5

2 2.5 3 3.5 4 4.5

51回 第4

     図2 月経に対するイメージの比較

5.「健康」「性 の 健康」「月経」 への 関心度 の 変化

 第 1 回 に 比較 して 第 4 回 は ,「健康」 への 関心度 と 「性 の 健康」 への 関心度 の 平均値 はやや 高 まったが ,「月経」 への 関心度 はやや 低下 した (図 3)。第 4 回 の 「健康」 への 関心度 と 「性 の 健康」 への 関心度(r= .86,p < .001), 「健康」 への 関心度 と 「月経」 への 関心度(r= .91,

p < .001) には 強 い 正 の 相関 があった 。

0 10 20 30 40 50 60 70

「月経」への関心度

「性の健康」への関心度

「健康」への関心度

52.8 56.2

65.4

57 51.9

61.21回(受講前) 第4回(受講後)

     図3 プログラム実施前後の関心度の比較

6. 受講後 の 健康教育 プログラムへの 意見・感想

 第 4 回質問紙調査 の 最終項目 に , プログラムへの 意見・感想 を 自由記載 により 求 めた 。全員 が 記載 しており , すべて 肯定的 な 意見・感想 であった (表 6)。月経 への 理解,月経痛・PMS への 対処,月経用品 に 関 する 記載 が 多 かったが ,基礎体温測定 については 2 名 のみの 記載 であった 。

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(8)

表6 プログラム受講後の意見・感想(自由記述)

・たくさんのことが学べてよかった(2人)

・セルフケアについてよく知ることができてよかった

・説明が丁寧で分かり易くてよかった

・分からなかったこと、深く知らなかったことを知ることができてよかった

・親しみやすく月経に対する対応の仕方を教わってよかった

・今まで体験したことがないことができてよかった

・とても参考になった

・とても楽しかった

・今後はもっと深く知りたい

・これを機に学んだことにチャレンジしてみたい

・私たち女性にとっては月経は大切なもので、大変なものでもある

・私たちにとって月経はとても大切なので、しっかりセルフケアしていきたい

・からだの仕組みが学べてよかった

・月経について詳しく知ることができた

・PMSに悩まされていたのでPMSを理解することで気持ちが軽くなった

・月経前から症状があるのは自分だけと思っていたが、他にもいることを知った

・月経前後にどのように過ごせばいいか分かり役立った

・月経痛の対処の仕方が学べてよかった

・月経痛が楽になる体操を母、姉、私でやっていきたい

・月経痛はないが、大学寮に入るので、同室の人が困っていたら助けたい

・PMSへの対処法を学ぶことができ役立った

・PMSがアロマやストレッチ等で良くなることを学んだので、活かしていきたい

・PMSやアロマなど自分のためになることを聞くことができた

・アロマオイルで自分の月経に関心が生まれた

・アロマを使ってマッサージしたい

・ナプキンの種類がたくさんあることが分かってよかった

・ナプキンを実際使用して比べてみることができ勉強になった

・自分に合ったナプキンを選ぶことができた

・自分に合ったナプキンがみつかればいいなと思う

・タンポンの使い方は自分が使う時に役立つ

・基礎体温計の機能がすごいもので驚いた

・基礎体温測定で、以前より自分の月経に関心が生まれた

基礎体温測定

プログラム全体

月経への理解

月経随伴症状への対処

月経用品

考察

1. 対象者 の 特性

対象者 の 初経平均年齢 は 11.7 ± 0.9 歳,月経 が 規則的 42.9%,月経周期 は 不整 と 答 えたもの 4 名(28.6%),無回答・不明 が 10 名(71.4%) であり ,月経痛 があるもの 12 名(85.7%) であった 。 松竹,永橋(2020) は 高校 2 年生 123 名 の 月経状況 について ,平均初経年齢 の 平均 は 11.8 ± 3.6 歳,異常周期 が 約 2 割,不整周期 が 約 1 割,月経痛 があるものは 約 8 割 と 報告 しており ,今回 の 対象者 は 異常周期 と 不整周期 が 多 くみられた 。 プログラム 参加 を 自 ら 希望 した 生徒 であることが 影響 していると 思 われるが ,月経 の 規則性 を 「分 からない 」2 名,月経周期 を 無回答・不明 が 7 割 と 多 かった 。女子中高生 481 名 への 調査(横田 ら ,2016) では ,月経周期 が 「分 からない 」 と

回答 した 者 が 約 1 割 であることから ,月経 の 基本的理解 に 課題 がある 対象 であると 考 えられる 。

2. 健康教育 プログラムの 効果

1) プログラム 作成(対象者,内容構成,実施形態)

坂木,笹野,長谷川(2019) は ,看護系女子学生 へ 自己 の 経験 をもとに 月経教育 の 内容 への 要望 を 調査 し ,小学校 では 月経 の 準備教育,中学校 では 月経 の 適応 に 関 する 内容,高等学校 で は 疾患,月経痛 の 対処法,薬 に 関 する 知識 であったと 報告 している 。 また ,山本(2019) は ,月経 痛 がある 女子大学生 15 名 の 半構造化面接 により ,月経時 のセルフケア 方法 を 具体的 に 理解 できて おらず , その 原因 として ,月経教育 が 小学校以来 ないため 鎮痛剤 や 月経異常 の 知識不足 があると 指 摘 している 。蛯名,松浦(2010) は ,第 1 〜 3 学年 の 高校生 335 名 が 月経教育 の 内容 として 受 けたことがない 割合 が 高 かった 項目 として ,「月経前症候群」26.9%,「月経 の 記録 と 観察」23.0%,

「基礎体温 の 測定 と 記録」20.9%,「月経中 の 生活」20.3%,「月経異常」17.6% であったと 報告 している 。 これらを 踏 まえ ,今回 のプログラムは ,大学教員 2 名,高校 の 養護教諭,保健体育教諭

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での 話 し 合 いで 作成 した 。

プログラムは ,高校 1 〜 3 学年 を 対象 とし ,保健体育教諭 の 授業進行 との 検討 を 行 い ,内容・

回数 を 構成 した 。受講希望者 が 多 い 場合 は 学年 ごとに 日程調整 することで 校長 の 同意 を 得 ていた 。 しかし ,実際 には 高校行事,課外 での 実施 による 部活動 との 重 なり ,進路指導等 から 1・2 学年 を

対象 とすることは 難 しく ,高校側 から ,部活動 を 引退 し 進路 がほぼ 決定 した 3 学年 を 対象 とし ,開催 時期 を 12 月〜 2 月 とする 提案 があった 。

受講希望者 は 16 名 であったが ,生徒 と 保護者 の 同意 が 得 られ ,1 回目 に 参加 したものは 14 名 であり ,14 名 は 全 てのプログラムに 参加 した 。生徒 14 名 での 90 分間 の 体験学習 とグループワー クは ,5 回 とも 大学教員 2 名 と 養護教諭 の 運営 のもとで 円滑 に 実施 することができた 。

当初 は ,社会人 への 3 か 月間 の 継続的 な 看護介入(講和・実践・ ピアグループ 形成) により , セルフケア 行動 の 増加,月経 への 肯定的 イメージの 増加,自尊感情 の 高揚 が 認 められた (渡邊,

喜多,2007) との 報告 により , このような 実施形態 を 目指 して 計画 したが ,部活動,進路指導,通 塾 など 時間的制約 が 大 きい 高校生 に ,授業終了後 の 課外 で 実施 することは 予想以上 に 困難 であっ た 。教室 での 体験学習 も 準備 に 時間 を 要 した 。最終的 に , プログラムは 2 か 月余 りで 5 回 シリーズ の 包括的内容 としたが ,参加 への 動機 が 強 かった 生徒以外 は ,多彩 な 内容 に 対象者 の 関心 が 散 漫 になったことが 推察 された 。 しかし ,受講後 の 感想 は 全 て 肯定的 であり ,実践 の 意義 はあったと 認 められる 。高校生 では ,基礎体温測定 は 動機 を 強 くもつもの 以外 では 行動継続 は 難 しいことが 明 らか となり ,基礎体温測定 と 子宮頸 がん 予防 を 除 く 3 回 シリーズでのプログラムが 実現性 を 高 めると 思 わ

れた 。

2)月経 に 関 するセルフケア 行動

月経痛 への 対処 として ,受講前 では 「鎮痛薬」「温 める 」 が 各 7 名 と 多 かったが ,「我慢 する ・ 何 もしない 」 が 7 名 であり ,受講後 も 対処 の 人数 には 変化 は 見 られず ,「我慢 する ・何 もしない 」 が 7 割 をしめていた 。月経中 を 快適 に 過 ごす 対処 についても ,受講前 は 「下腹部 を 温 める 」「 ナプキ ンのこまめな 交換」「十分 な 睡眠」 が 挙 げられたが ,受講後 はこれらの 対処 の 人数 はむしろ 減 じて いた 。

月経 が 発来 している 高校生 1,014 名 の 月経随伴症状 の 頻度 と 対処行動 に 関 する 実態調査(藤 岡 ら ,2018) では ,腹痛(59.0%),腰痛(46.0%), イライラ (43.0%) が 最 も 多 く ,痛 みの 頻度 と

「温 める 」「寝 る 」「我慢 する 」「痛 み 止 め 服用」「 さする 」「体操 をする 」「指圧・ ツボ 押 し 」「病 院 に 行 く 」 の 8 項目 の 対処行動 の 頻度 に 正 の 相関 を 認 め ,適切 な 対処方法 の 保健指導 が 必要 と 指摘 している 。今回 は ,一般的 な 対処法 のほか 「 マンスリービクス 」「指圧・ マッサージ 」「 アロマ オイル ・ ハーブの 利用」 について 実演 をし ,体験学習 を 取 り 入 れたが 対処行動 に 効果 は 認 められ なかった 。松竹,永橋(2020) は ,124 名 の 高校生 に 対 し ,保健体育 の 授業(45 分 1 回) とし て 月経痛 の 対処法( マッサージ ・ ツボ 押 し ・ アロマセラピー ・生活習慣 の 改善・薬物療法・月経記 録) の 教育 を 行 い ,3 か 月後 のセルフケア 項目 の 実施状況 を 調査 すると ,「月経痛」 あり 群 がなし 群 に 比 べ 新 たに 実施 したセルフケアが 有意 に 多 かったと 報告 している 。 これにより ,鎮痛薬 の 適切 な 使 用方法 など ,月経痛 への 対処 を 強化 した 教育 がより 効果的 であると 考 えられた 。 また ,月経痛 を 有 す る 女子大学生 の 実態調査(福山,2017) では ,半数以上 が 行 っている 対処法 は 「横 になって 休 む 」「痛 いところを 温 める 」「暖 かい 服装 を 心 がける 」「市販 の 鎮痛薬 を 服用 する 」 であり ,鎮痛薬 を 服用 しても 横臥 している 状況 から ,対処 の 方法 に 課題 があると 指摘 している 。今回 の 調査 では , マ ンスリービクスやアロマオイルの 利用,指圧等 は 積極的 に 取 り 入 れられていなかったが ,受講後 の 感 想 では 月経随伴症状 への 対処 に 興味 を 持 ったことが 認 められており ,1 回 の 体験 では 行動 へ 繋 がら ないことが 示 された 。 しかし ,受講後 にセルフケア 行動 が 明 らかに 変容 した 3 名 は , マンスリービクス , ストレッチ ,指圧,鎮痛薬 の 使用 などを 取 り 入 れていた 。 これらのものは 「月経痛」「PMS」 に 悩 む という 受講 への 強 い 動機 が 示 されており ,受講希望者 のニーズを 把握 したうえでプログラムを 構成 す る 必要性 も 認 められた 。

また ,長津,長鶴(2018) は ,月経 ヘルスケアプログラムに 参加 した 高校生 8 名 の 半構成的面 接 により ,参加後 6 か 月前後 までに 「自 らに 関心 を 向 け ,自 ら 気 づき ,自 ら 納得 できた 上 で ,自己効

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力感 を 感 じながらセルフケア 行動 を 継続 し ,自分自身 の 心 と 身体 の 変化 を 実感 する 」 というプロセス がみられたと 報告 している 。 これにより ,自己効力感 が 得 られるよう 工夫 をしながら ,生徒自身 が 心身 の 変化 を 実感 できるような 長期的 な 継続支援 の 検討 も 必要 であることが 示唆 された 。

月経 の 記録 についても 向上 したものは 4 名 と 少 なかった 。携帯 アプリの 利用 を 勧 めることが 効果的 と 考 えられ , また 「月経記録 をつける 」 は 「看病 や 気 にかけてくれる 人」 のあり 群 で 有意 に 実施者 が 増加 した (松竹,永橋,2020) との 報告 から ,母親 や 養護教諭 などの 身近 な 存在 からの 声掛 け が 有効 と 思 われる 。

今回,自分 の PMS 症状 への 気 づきが 促 されたと 判断 できるものが 11 名(78.6%) であった 。女 子大学生 の 認知度調査(佐藤 ら ,2018) において ,月経困難症,PMS および PMDD(月経前 不快気分障害) について 6 割以上 の 学生 が 「知 らない 」 としていた 。一方 で ,女子大学生 に 月 経前 の 不快 な 症状 に 対 しポジティブな 認知 をしている 者 も 約 10%存在 することが 見出 され (香川,

北村,二宮,寺嶋,2010),大学生 では PMS を 月経開始日 の 予測 として 自己管理 している 者 がいる ことが 報告 されている (植村,榮,松村,2014)。 そこで ,高校生時代 から 自己 の 月経随伴症状 を

理解 できる 支援 は 重要 であると 考 えられる 。 3)基礎体温測定行動

基礎体温測定 は 全員 が 希望 したが ,中断 しながらの 継続 が 4 名,全期間 の 継続 は 1 名 のみで あった 。看護系大学 の 2 年生 における 基礎体温測定 の 継続動機 の 調査(木村 ら ,2006) では , 過去 に 基礎体温測定 の 経験 があるものは 10.1% にすぎず ,約 2 周期 の 80%以上 を 測定 できた 継 続群 は 48.1% であり ,継続 には 測定 の 利益・自己効力・負担 の 認識 が 影響 し ,継続群 では 測定前 に 「軽 い 」,継続中 に 「楽 しい 」「明 るい 」 イメージであったことが 報告 されている 。今回対象 となっ た 高校生 は ,自己 の 月経周期 について 無回答・不明 が 7 割 と 多 く ,測定 の 利益 の 認識 は 難 しく ,早 朝 の 生活 に 測定 を 組 み 込 む 負担 があり ,自己効力 の 認識 には 至 らなかったと 考 えられ ,継続 できた のは 3 割 であった 。 しかし ,今回 の 継続群 は 測定前 のイメージが 「役立 つ 」,継続中 に 「能動的 な 」「分 かり 易 い 」,最終回 には 「単純 な 」 イメージを 持 っていた 。形容詞 は 異 なるが , いずれもポ ジティブなイメージであり ,測定前 には 役立 つことを 意識 づけ ,分 かり 易 く 解説 して 読 み 取 りを 援助 し , 主体性 を 支持 することにより ,日常生活 での 基礎体温測定 を 煩 わしくなく 感 じられることが 継続 への 意 志 に 繋 がると 考 えられた 。

4)月経 に 対 する 認識 とイメージ

受講前後 の 月経 に 対 する 認識 にはほとんど 変化 が 見 られなかったが ,「女性 であるから 当然」 が 5 名 から 9 名 に 増加 した 。 また ,月経 に 対 するイメージは ,受講前 に 比 し 受講後 では , 「生 きた 」「親 切 な 」「公平 な 」 イメージが 高 くなる 傾向 がみられた 。 これらより , プログラム 受講 によりポジティブな イメージの 変容 には 至 らなかったものの ,月経 の 役割 を 冷静 に 捉 える 機会 になったと 考 えられる 。伊 藤,杉浦(2010) は 看護大学生 の 月経 のイメージについて ,月経時 のネガティブな 変化 により 否定 的 イメージが 惹起 されているとし ,福山(2018) は 質問紙調査 の 内容分析 により ,月経 のたびに 「女 性 であることや 月経 の 嫌悪感」 を 抽出 している 。 これらより ,月経中 のセルフケアへの 支援 が 重要 と 考 えられ ,今回 のプログラムに 「快適 な 月経用品 の 選択」 を 取 り 入 れ ,実物紹介 をした 際 に 対象者 は 大 きな 関心 を 示 しており ,受講後 の 感想 においても ,自分 に 合 ったナプキンを 選 ぶことの 大切 さが 記載 されていた 。

5)「健康」「性 の 健康」「月経」 への 関心度

「健康」 と 「性 の 健康」 への 関心度 の 平均値 は 受講前 に 比 して 受講後 にやや 高 まったが ,「月 経」 への 関心度 はやや 低下 した 。 しかし ,受講後 の 「健康」 への 関心度 と 「性 の 健康」 への 関 心度,「健康」 への 関心度 と 「月経」 への 関心度 には 有意 な 相関 が 認 められた 。

宮崎(2017) は ,文献 レビューから ,月経教育 は 月経 のポジティブな 変化 についての 知識 を 与 え , 月経 イメージを 肯定的 にする 教育 が 必要 としている 。 また ,月経教育 は 医師 や 助産師 などの 専門家 か らの 教育 を 望 んでいる (宮崎,加城,塚本,2020) とされる 。健康 と 月経 への 関心度 の 変化 から ,月 経教育 は 単 に 対処法 の 教育 ではなく ,健康教育 の 一環 として 捉 え ,性 の 健康 につながるものとしてポジ ティブな 印象 を 伝 える 必要性 が 認識 され ,健康教育 として 医療専門職 が 担 う 意味 があると 考 えられた 。

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3. 高校 の 月経教育 における 大学 と 学校 の 連携

 今回 の 健康教育 プログラムは ,性成熟 の 過程 にある 思春期女性 の 健康 へのアプローチを 構想 す る 大学教員 と ,保健室 を 訪 れる 女子高校生 に 月経問題 が 多 い 現状 を 危惧 する 養護教諭 により 検討 を 開始 した 。 さらに 保健体育教諭 による 授業 との 整合性,保護者 への 周知,校長 への 橋渡 しなどの 支援 により 実践 に 至 ることができた 。 

 今後 は ,進路 が 定 まる 時期 の 3 年生 を 対象 とした 集団 のプログラムのほか ,生徒 のニーズを 把握 し ,月経痛 や PMS へのセルフケアに 焦点 をあてた 小 グループの 継続支援 プログラムの 実践 が 考 え られる 。 このような 実践 にあたり ,今回作成 した 冊子 のような 教育媒体 は ,大学教員 と 高校教諭 の 協 働 で 作成 することができ , また 大学教員 は ,生徒 に 身近 な 養護教諭 が 主体的 にプログラム 展開 できる よう 支援 することが 重要 であると 考 えられた 。

結語

女子高校生 14 名 を 対象 とした 月経 のセルフケアへの 健康教育 プログラムを 実践 し , セルフケア 行 動,基礎体温測定行動,月経 への 認識・ イメージ ,健康・月経 への 関心度 の 変化 からプログラム の 効果 を 検討 した 。 その 結果,受講後 にセルフケア 行動 が 改善 したものは 受講 に 強 い 動機 を 持 つ 3 名 にとどまったが ,自分 の PMS 症状 への 気 づきが 促 されたものが 全体 の 8 割 であった 。基礎体温 測定 は ,継続 できたものは 5 名 であり ,継続群 は 測定前 に 「役立 つ 」,継続中 に 「能動的」「分 か り 易 い 」,受講後 には 「単純 な 」 イメージを 持 っていた 。受講前後 の 月経 に 対 する 認識 に 大 きな 変 化 はなかったが , 「女性 であるから 当然」 が 5 名 から 9 名 に 増加 し , 「生 きた 」「親切 な 」「公平 な 」 イメージが 高 くなる 傾向 があった 。受講後 の 「健康」 への 関心度 と 「性 の 健康」 への 関心度, 「健 康」 への 関心度 と 「月経」 への 関心度 は 強 い 相関 が 認 められた 。以上 より , プログラムの 効果 は 限定的 であったが ,高校生 への 月経教育 が 女性 の 健康教育 の 基盤 として 重要 であることが 示唆 さ れた 。

謝辞

 本研究 に 参加 いただいた 高校生 の 皆様, ならびに 学校長,保健体育教諭,養護教諭 の 皆様 に 深 く 感謝申 し 上 げます 。

 本研究 の 一部 は ,第 17 回北日本看護学会学術集会 においてポスター 発表 した 。

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