• 検索結果がありません。

report_v04_08

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "report_v04_08"

Copied!
236
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

重要課題解決型研究 事後評価

「地球観測データ統合・情報融合基盤技術の開発」

責任機関名:東京大学

研究代表者名:柴崎亮介

(2)

目次 Ⅰ.研究計画の概要 1.課題設定 2.研究の趣旨 3.研究計画 4.ミッションステートメント 5.研究全体像 6.研究体制 7.研究運営委員会について Ⅱ.経費 1.所要経費 2.使用区分 Ⅲ.研究成果 1.研究成果の概要 (1)研究目標と目標に対する結果 (2)ミッションステートメントに対する達成度 (3)当初計画どおりに進捗しなかった理由 (4)研究目標の妥当性について (5)情報発信 (アウトリーチ活動等)について (6)研究計画・実施体制について (7)研究成果の発表状況 2.研究成果:サブテーマ毎の詳細 (1)サブテーマ1 (2)サブテーマ2 (3)サブテーマ3 (4)サブテーマ4 (5)サブテーマ5 (6)サブテーマ6 Ⅳ.実施期間終了後における取組みの継続性・発展性 Ⅴ.自己評価 1.目標達成度 2.情報発信 3.研究計画・実施体制 4.実施期間終了後における取り組みの継続性・発展性 5.中間評価の反映 Ⅴ.付録(非公開)

(3)

Ⅰ.研究計画の概要 ■プログラム名: 重要課題解決型研究 (事後評価) ■課題名:地球観測データ統合・情報融合基盤技術の開発 ■責任機関名: 東京大学 ■研究代表者名(役職):柴崎亮介(東京大学空間情報科学研究センター 教授)平成 18 年 2 月∼終了 高木幹雄(芝浦工業大学大学院工学研究科 教授)開始∼平成 18 年 2 月 ■研究実施期間: 3年間 ■研究総経費: 総額 百万円 (間接経費込み) 1.課題設定 研究開発活動を支える知的基盤整備 2.研究の趣旨 2.1 研究の目的 地球観測データを利用して,地球システムの理解を深め,その変動に対する予測能力と対応能力を高 めていくことが国際的に求められている.地球観測は,自然系および人間系の地球サブシステム,さらに それぞれの相互作用や変動を対象としており,様々な情報源から得られる極めて多様なデータの取り扱 いが必要である.また衛星観測の活用機会が増大し,数値モデル出力の急増加を考慮すると,地球観測 で取り扱うデータは必然的に超大容量となり,2010 年に数 10 ペタ(ペタは 10 の 15 乗)バイトにも達すると 考えられている. このように非均質情報源からの超大容量で多様な地球観測データから,科学的に有用な知見を引き 出すとともに,得られる情報を危機管理や資源管理等の政策や意思決定のために効果的に利用するた めには,データへのアクセスと解析,利用を容易にするシステムの構築が必要である.そこで,体系化的 にデータを収集し,データのライフサイクルを考えて戦略的に管理し,データを効果的に統合し,得られ る情報を融合することによって,科学的・社会的に有用な情報へと変換して,それを国際的に共有するた めのシステムの構築が求められている.また,比較的容量の小さいデータに関しては,将来のデータ統 合・集中管理を考慮し,データ形式・プロトコル(利用手順)の統一化を図りつつ,ネットワークで結びつい た分散型データシステムを整備することが肝要である. 本研究の目的は各種データの再配布サービスを行なうシステムの開発ではなく,いわば「地球観測デ ータの調理場」の機能をもつシステムの開発である.多種多様で膨大な量の食材を適正に貯蔵し,必要 なときに必要な量だけ即座に取り出して日常の食卓に供したり,特別な日のために腕を振るったり,ある いは不意の来客にも応えることのできる,データが食材であり,データ統合,情報融合,データ同化シス テムなどが調理用具といえよう.もちろん出来上がった料理を暖かいうちにテーブルに運ぶ機能がなけれ ばならないし,客の要望に応えて味加減を調整することのできる機能,すなわちネットワークを用いた情報 配信,ユーザニーズの発掘機能の実装も肝要である. 本研究では,情報科学技術分野,地球観測分野,災害や農業などの公共的利益分野を,それぞれ担

(4)

それを国際的に共有できるデータシステムの実証的なプロトタイプの開発を目的とする. 2.2 研究の必要性,国家的・社会的重要性,緊急性について ■研究の必要性 地球システムの理解を深め,その変動に対する予測能力と対応能力を高めて公共的利益につながる 政策や意思決定を支援していくためには,地球観測データの有効利用が不可欠であるが,現状では以 下の問題点がある. (1)地球観測データの公開性,流通性,統一的利用性が十分ではない. 現業的な観測データについては気象や海洋等など国際的枠組みの下に相互利用性が図られている分 野もあるが,水資源管理や農業などデータの共有化が遅れている分野もある.研究的な観測データにつ いては,計測方法やデータフォーマットが多様で,データの品質にも格差があり,統合的利用のボトルネ ックになっている.予測などに必要なオンラインでのリアルタイム利用も遅れている. (2)地球観測データの統合的利用が図られていない. 点観測と面もしくは3次元観測,連続観測とスナップショット観測など,時空間的特徴の違いが,観測デ ータ相互の統合的利用を困難にしている.また,膨大なデータの取り扱いと解析のための人的資源の投 入とソフトウエア開発が不十分で,観測データの有効利用が図られないばかりか,データの収集,アーカ イブすらできない可能性が懸念される. (3)危機管理や資源管理等の政策や意思決定のための情報が共有されていない. 危機管理や資源管理では広域的変動に関する情報とローカルな情報,たとえば社会インフラの情報や, 人文・社会経済情報などとの結合が不十分なために,実際の管理ニーズにあわせた有用な情報が提供 できていない.現在この結合システムの開発が致命的に遅れている. これらの解決には,国際的合意の下に,データの収集ネットワークの構築,品質管理,データフォーマット の統一化を進め, データ提供側とユーザ側がともにデータ統合化,情報の融合化のメリットを共体験でき るシステムが必要である. ○国家的・社会的重要性 2004 年 12 月 27 日第 42 回総合科学技術会議にて,わが国の『地球観測の推進戦略』(以降,我が国の 観測戦略)が決議された.この中では「地球観測システムの統合化」が特筆され,とりわけ「体系的な収集, 合理的な管理,データの統合,情報の融合によって,観測データを科学的,社会的に有用な情報へと変 換しそれを国際的に共有するシステムの構築が必要」と述べられている.本研究提案は,我が国の観測 戦略を具現化する第一歩として国家的に重要な研究と言える. また,米国ワシントンにて 2003 年 7 月 31 日に開催された第1回地球観測サミットに引き続き,2004 年 4 月 25 日には第2回サミットが小泉総理出席のもと東京にて開催され,『地球観測 10 年実施計画』(以降, 10 年実施計画)の策定のフレームワークが決められ,さらに 2004 年 11 月 29-30 日の第5回政府間作業 部会(GEO-5)では, 53 の参加国,29 の国際機関の協議を経て 10 年実施計画が合意され,2005 年 2 月 16 日にブリュッセルで開催される第3回サミットにて決定される予定である.この国際合意に達した 10 年実施計画では,下記のとおり推進すべき3つの研究項目が特筆されている. (1)地上,航空機,衛星による長期観測のための既存システムの改善と新規システムの構築 (2)ライフサイクルデータ管理,データ統合と情報融合,データマイニング,ネットワーク強化,設計最適化 研究

(5)

(3)地球,地域規模のプロダクト作成のための,数値モデル,データ同化,アルゴリズム開発 本研究提案は,(2)のデータシステムに重点を置き,関連する主要な研究,現業機関の協力に基づい て既存の地球観測システムからのデータの流通性,相互利用性を向上させ,社会的に有用な情報へと 変換させるための予報モデルや同化システムの高度化を目指すことにより,上記項目の(1),(3)をも達成し ようというものである.これらの 3 項目を有機的につなげる研究は単独の研究機関では実施できず,データ システム開発,相互利用のための機能整備,データ提供,データ利用の各機関の研究協力が不可欠で ある.つまり包括的(comprehensive)であることに意義があり,それによって観測されたデータを公共的利 益分野における政策決定に資する情報へと翻訳するための一貫したシステムの構築がはじめて可能とな る.そこで本研究では,府省連携の下,情報科学技術分野,地球観測分野,農業や水管理などの公共 的利益分野を担うわが国の中心的な機関や研究グループが相互に協力する研究体制を提案する.した がって参画機関数が5機関を超えるのは必然であり,これはいわゆる総花的な研究を意味するものでは ない. 10 年実施計画は,2003 年エビアンで開催された先進8カ国首脳会議(G-8 サミット)での小泉総理のイ ニシアティブで発案され,わが国は共同議長国として一貫して政府間作業部会を牽引してきた.また 10 年実施計画の執筆においてもわが国の専門家が中心的役割を担ってきた.本研究提案は,これまで払わ れてきた努力に応え,わが国の強みを活かし,国際的リーダシップを発揮して我が国のプレゼンスを示す 国際的,国家的に重要な研究提案である. ■緊急性 地球規模の環境問題が政治・社会・経済問題として重要視され,調整され包括的で持続的な地球観測 及び情報によって政策決定や行動が行えるようにすることが,地球観測サミット開催の各国の共通した動 機であった.ワシントンサミット宣言文では,「地球の状態を継続的に監視し,地球の動態過程に関する理 解を高め,地球システムの予測の精度を上げ,国際的な環境に関する条約義務をさらに実行すること」と いう目標を定め,「健全な意志決定の基礎となる,適時で,高品質の,長期にわたる,全球的な情報」の 必要性が規定された.東京サミットで採択された枠組み文書には,原理から実行へ移ること,すなわち, 「包括的,調整的,及び持続的な」ものでなくてはならない 10 年実施計画が必要である旨が書き加えられ た.そして,わずか7カ月で 10 年実施計画の案文が政府間で合意に達し,2005 年 2 月のブリュッセルサミ ットでの決定を受けて,実施に移されようとしている. 小泉総理がエビアンで発したイニシアティブから数えてもわずか1年8カ月で実行段階に移るための合 意が整った背景には,深刻化する地球環境問題の解決,影響緩和,被害回避の方策を見出すことが, 国際的共通の喫緊の課題として認識されていることが挙げられよう.国内においても,議論を開始してか ら1年3カ月で我が国の観測戦略が総合科学技術会議で決定され,関係大臣に意見具申されたのは, 地球環境問題に対する国際的共通の危機感とともに,国際的リーダシップを担う意気込みの現われとみ てよかろう. 国内外の準備は整えられた. 10 年実施計画のスタートともにその中核を担うべき本研究を実施に移す ことは,科学技術的意味からも,国際的,公共的利益分野のニーズからも,科学技術立国としての国家的 戦略からも緊急の課題である. ■5年間の研究期間の必要性 (採択時のコメントにより,3 年間に短縮し,ミッションステートメントを変更

(6)

本研究の推進においては,国際的な枠組みで進められる 10 年実施計画の進捗状況と同調して進める のが適切である.10 年実施計画では,10 年間を最初の 2 年間,6 年間,10 年間の三段階に分けてター ゲットを設定しており,2 年ターゲットは計画・立ち上げ,6 年ターゲットは実行段階あるいは運用段階への 移行を基本としている. そこで本研究はコアとなるデータシステムのプロトタイプの構築,すなわちデータ統合・情報融合システ ムの開発研究,相互利用性・情報サービス機能の開発研究を先行させ,国際的チャネルを有する国内の 地球観測機関と協力して各観測機関とコアシステム間のデータフローの確立,メタデータ管理システムの 研究を進め,まず前期3年間で既に流通している地球観測データを国内の公共的利益分野に適用する ための実証研究を実施し,その後の2年間に国際的に統合されていく地球観測の実施にあわせて, 地球 観測データの国際的な流通の促進,統合化,情報融合に貢献していく.後期2年では,観測密度が比較 的疎なアジア域の半乾燥地域や熱帯モンスーン地域においてシステムの実証研究を行い,その成果を 国際的にアピールし,データ統合化,情報の融合化のメリットを共体験する場を提供する. このように3年+2年の研究戦略は,10 年実施計画の参加各国,国際機関が,計画・立ち上げ段階か ら実行・運用段階へスムーズに移行するために大きく貢献できる. 2.3 政策目標(研究基盤の強化による国力の充実)の達成への寄与,経済社会への波及効果につい て 地球の状態や変化に関する基礎的なデータを地球の将来の状態を予測する情報に変換し,包括的に 地球を理解する基礎として意思・政策決定に反映させることに対する社会からの要請が近年益々高まり つつある.地球観測に対する社会的要請に応えるために,現在の地球観測の諸問題に鑑み,地球観測 データの収集・提供システムなどの整備と維持・管理,また観測技術の高度化に向けた研究開発を,包 括的,効果的,効率的に整備することが求められている. また,国際的にも地球観測の新たな展開が求められ,国際協力による,包括的で調整された持続的な 地球観測システムの構築を目指した行動が進められている.2004 年 4 月に東京で開催された第 2 回地 球観測サミットでは国際協力による地球観測 10 年実施計画の枠組文書が採択され,現在,2005 年 2 月 に開催されることが予定されている第 3 回地球観測サミットでの合意を目指し,地球観測に関する 10 年実 施計画の本文が合意されたところである. 本研究の推進と成果は,国際協力による地球観測システムの構築を推進し,各国・地域との連携の下 に効果的,効率的な地球観測を推進することに多大な貢献を果たす.我が国の持つ技術や総合力の強 みを生かすこと,また,戦略的に重要な研究技術開発項目について重点的に取り組むことにより,我が国 の独自性を確保するとともに国際的リーダシップを発揮できる. 2.4 採択コメント 採択時に下記のようなコメントをいただき,研究期間を 3 年間に見直すと共に,ミッションステートメントを 変更した.修正後のミッションステートメントについては,「4.ミッションステートメント」を参照されたい. ○地球観測データ統合の基盤技術として、政府の方針に沿った重要な貢献を果たすことが期待される優 れた研究である。 (条件) ○研究終了後の継続性(データベースセンターの設立、維持や後継者育成)を確保すること。

(7)

○5年間の研究として提案されているが,政府として速やかに取り組むべき課題であることに鑑み,3年間 で成果を出すこと. ○まずデータベースの仕様設計等を固め、試験的にデータを入力するなどして,その有効性を評価する こと。その上で、本格的なデータベース構築に移行すること。 ○ミッションステートメントには,アウトリーチ活動について記載するとともに,修正したミッションステートメ ントを提出すること. 3.研究計画 本研究は,データシステム開発,相互利用のための機能整備,データ提供,データ利用に関して,そ れぞれ下記の4つのサブテーマを設定している. (1)大規模地球環境データ統合・情報融合システムの開発 (2)相互利用性・情報サービス機能の開発研究 (3)地球観測データの収集・品質管理に関する技術の開発研究 (4)高度情報適用技術の開発研究 以下に,各サブテーマの研究内容を記述する. (1) 大規模地球環境データ統合・情報融合システムの開発 地球環境データの統合アーカイブと柔軟な情報融合機構の構築は地球環境分野における研究基盤と して極めて重要な役割を果たす.21世紀の地球環境研究は膨大且つ多様なデータの統合庫を自在に 探索するツールが独創的研究の成否を決める時代になると考えられる.本サブテーマでは,種々の研究 ニーズに対しタイムリーに対応可能な強固なデータ基盤を構築しようとするものである.このデータ基盤開 発研究は,超巨大アーカイブ,データ同化,高度可視化マイニング,進化に追従するXMLスキーマ,高 次ネットワーク,センサ融合のコア技術の開発から構成される. ①大規模データアーカイブ・ストレージシステムの開発とデータ統合基盤の構築 観測データ,シミュレーションデータを統合管理するペタバイト級超大容量ストレージシステム自身の 構築も容易では無く,近年のストレージコンソリデーション技術,SMIS標準化動向を睨んだ最新鋭の システム設計を目指す.当該システムにおいては,データのライフサイクルに適合したティアードストレ ージに格納領域が確保され,記憶の効率化を図るなど,大規模ストレージ空間の管理の自動化を試み る.更には,ユーザ挙動把握に基づく個人化検索インタフェースを始めとする,最新のデータベース技 術を駆使したデータ抽出機構を実現する. ②データ同化・高度可視化マイニングシステムの構築 地上および衛星による観測データと,衛星観測原理である放射伝達モデル,地球システムを記述す る数値モデルとを組み合わせることによって,観測データの空間的,時間的な代表性の限界を補うこと のできる4次元データ同化手法を開発する.また爆発する量と多様性をもつ情報を研究者が巨視的に 把握することが可能な大規模ディスプレイウォールを用いた最新鋭の可視化マイニングツールを開発 する. ③XMLを用いたデータベーススキーマの設計・進化管理機構の実現 多様な地球観測データを長期に渡り継続的に収集,管理するために,特定のプラットフォームに依 存しないデータ記述言語として広く普及し始めているXMLを利用し,データベーススキーマの開発を 行う.収集データの品質を確保するためには,データ作成機関,作成時刻などの認証体系を構築する ことが重要である.さらに,データ収集および利用機関の多様な権利が交錯するため,データのアクセ ス権制御は必須であり,認証,権利情報をメタデータとして持つスキーマ進化型XMLデータベースシ ステムの基盤技術を開発する. ④大規模データ収集・発信のための高次ネットワーク基盤の構築

(8)

最大化するために,実際に利用できるネットワーク帯域と遅延時間に応じた QoS 機能を有するネット ワーク基盤技術の構築を行う.また,国際的に共有するために統合化情報を単一の情報発信システム で提供することは,アクセスが集中することになり,発信システムの性能の高度化だけでは対応できな い.高度な情報発信システムは,CDN 技術によるネットワークを跨いだ分散データ提供機構の開発が 不可欠であり,システムの運用状況に応じて詳細な検討を進める. ⑤アクティブデータベース型センサデータ格納融合基盤の構築 分散的な多数のサイトからのデータを効率よく取得し,必要な操作をリアルタイムに駆動するパブリッ シュ・サブスクライブスシテムを開発する.センサデータベースは従来の古典的データベースとは異なり, むしろ双対関係にある構造となる.旧来形の処理系では扱うことが容易でないことから,センサ指向の データ収集,格納記述に関しての研究・開発を進める.ルール記述により多様なサービス基盤の構築 が可能となる. (2)相互利用性・情報サービス機能の開発研究 農業,災害,生態系,生物多様性など多くの分野では,データの構造化はおろか用語や分類体系の 共通化,場所の記述方法の標準化なども進んでおらず,これらのデータの相互利用や分散的利用の障害 となっている.また衛星観測データについてもさまざまな利用ニーズに柔軟にしかも比較的手軽に対応で きる分散的な利用システムの開発が望まれている.そこで本研究では,データ辞書,分類体系,シソーラ スなどのオントロジー関連情報を収録・管理・比較できるオントロジーレジストリを開発し,それを用いたメ タデータデザイン支援,データコンテンツの構造化支援,テキストマイニング支援,時空間データ解析な どの高次データ処理・解析支援などの各種情報共有・利用支援サービスを構築する.そして,農業分野 のデータや衛星観測データをケーススタディとして取り上げ,その適用性を検討する. ①オントロジー関連情報の収録・比較・編集システム(オントロジーレジストリ)の構築 情報共有化のキーとなる情報として,メタデータのデザインやデータコンテンツの解析などにあたり頻 繁に参照されるデータ辞書や分類体系などのオントロジー関連情報を収録・比較・編集できるシステム を開発するのと同時に,農業,水管理分野を中心として,実際のオントロジー関連情報を収集・蓄積す る. ②オントロジーレジストリを利用した情報共有・利用支援サービスの構築 上述のオントロジーレジストリを利用し,メタデータのデザイン,個別データ所有者によるメタデータ作 成支援,データ品質評価支援,テキストマイニング支援,データ解析・高次処理支援などの各サービス を開発する. ③農業分野における分散型データ利用システムの構築 農業分野におけるデータの効率的共有・統合利用を目的として,気象情報,土壌情報,生物情報, 水利・水文情報,植生情報,農業情報など多種多様で比較的小規模な地上観測データ群を分散した まま統合利用可能とする小規模分散データ利用技術の開発を,既存の気象データ仲介技術や,柔軟 で拡張性の高いメタデータベース記述やオントロジー構築技術と融合して行う. ④衛星データの分散型データ利用システムの構築 地球観測衛星データはその扱いが難しい場合が多く,フォーマットやデータ構造,さらには必要な 付加情報(衛星軌道情報や姿勢などの情報)についての説明やサポートが不足している.本システム の試作においては,そうした衛星データの利用サポートに力点をおいて,各衛星データ保有機関とも 連携しながら分散環境で保管管理されている衛星データと,関連した利用数値モデルデータ,また地 上観測データ,データ検索・表示,簡易処理・表示などが可能な分散型データ利用システムの試作を 行う. (3)地球観測データの収集・品質管理に関する技術の開発研究 地球観測によって供給されるデータは,衛星観測データおよびその高次処理プロダクツ,地上(陸域, 海洋)観測データである.衛星観測データに関しては,宇宙航空研究開発機構の衛星データ,衛星機関 間の国際協力で収集される衛星データに加え,長期間に渉る衛星データのアーカイブを重要視する.地

(9)

上観測データとして本研究では,洪水観測データ,海洋観測データ,研究地上観測データを対象として, 個別の機関で作成されているこれらのデータを収集し,データベース化することにより統合的に利用出来 る環境の開発研究を行う. ①衛星観測データの収集・処理手法の高度化 長期間の利用が可能な NOAA 及び GMS データを収集し,品質管理し,幾何補正等の一次処理を 施し,利用目的に応じて植生指標図,温度図等を作成すると共に,重ね合わせ画像,雲マスクを作成 する.さらに衛星観測データを有効に用いるためは,地上観測データを用いてその地点の衛星観測デ ータの精度を検証し,その結果を用いて衛星データの2次元的利用精度を改善する. ②衛星観測データセットの作成 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する地球観測衛星の観測データから,公共的利益分野への データの流通性,相互利用性の向上を目指したデータセットを作成する.本研究では先ずメタデータ の共通化を目指すとともに,データのエンドユーザが汎用で利用できるようなフォーマット変換システム 等の検討を合わせて実施する.また国際調整による衛星観測データ相互利用体制の構築を目指して, IGOS 水循環観測テーマ(IGWCO)を通じて,国際的合意の下に,データの収集ネットワークや,品質 管理,データフォーマットの統一化を進める体制の構築を目指す. ③洪水観測データの統合 水害は,ほとんどの場合,豪雨により河川が増水し,氾濫することにより発生する.豪雨や河川の水 位や流量は組織別に,施設管理者別に観測され,氾濫域や浸水深は必要に応じて観測されている. 洪水現象の分析のためには,これらの地上データを統合し利用する必要があるが,そのような統合化 システムは存在しないため,実質的にデータが活用されていない状況にある.そのため,日本国内お よびアジア域におけるケーススタディを通して諸データを統合的に扱う統合データベースのプロトタイ プを開発する. ④海洋観測データの統合 地球観測データフローのためのフォーマットやメタ情報の記載方法を整合させ,コアデータシステム へのテストデータセット投入試験,品質管理方法などの検討を踏まえて,海洋観測データのフローを確 立する.また,研究観測者によるデータ提供における品質管理,フォーマット統一,メタ情報の最適化を 検討し,国際的にも相互交換性の高いデータセット構築についての実証開発を行う.また既存の海洋 データの国際交換システムを基盤とし,流通の遅れている研究観測データや生物化学的観測データ の統合化に関する設計および観測データ統合化の効果検証を行う. ⑤研究地上観測データの統合 研究的な観測データについては,計測方法やデータフォーマットが多様で,データの品質,加工度 のレベル,精度にも格差があり,統合的利用のボトルネックになっている.そこで,本研究では先ずはメ タデータの共通化を目指し,その上でデータ提供側のインセンティブを促すようなサービス(品質管理 支援やデータフォーマット変換支援を行うシステム等)を提供することによって,アジア域でのケーススタ ディを通して,データ提供側とユーザ側がともにデータの統合的利用のメリットを共体験して,研究サイド が積極的にデータを提供するインセンティブ作りを行う. (4)高度情報適用技術の開発研究 地球システムの包括的な理解には,大気,陸域,海洋の物理系,生物系,化学系のプロセスと人間圏 の応答に関する観測データ,社会経済データを統融合し,データ同化やデータマイニングなどの新たな 手法の導入によって複雑系を解析する能力をつけることが不可欠であり,得られる包括的理解によってよ り精度の高い予測が可能となる.また,公共的利益分野(災害,健康,エネルギー,気候,水資源,気象 予測,農業,生態系,生物多様性など)の政策や意思決定における地球観測分野からの貢献に対するニ ーズの高さに鑑み,地球観測データを実際の管理ニーズにあわせた有用な情報へ翻訳し,地域的な特 性に依存したローカルな将来動向に関する情報を提供するための適用化技術を,特に日本国内とアジ ア域を対象として開発する.

(10)

地球観測統合データ・融合情報によって数値気象予報モデルの物理過程の精度を体系的・総合的 に検証する手法を開発し,検証によって得られた情報を数値気象予報モデルの高度化に反映させる 仕組みを構築する. ②水管理のための地球観測統合データ,融合情報の利用研究 実務への適用を念頭に,衛星データ等による流域情報や衛星データ等の利用により精度向上が期 待される降水量予測情報を活用した分布型モデルによる流出量予測手法の開発を行う. ③農作物の適正管理のための地球観測統合データ,融合情報の利用研究 これまで主に比較的単純な地上観測データに基づいて開発された農作物適正管理のためのモデ ルを,衛星データを含む多様な情報取り込みながら高度化する.とくに,アジア・モンスーン地域をター ゲットエリアとして,フィールドサーバ・リアルタイムマルチセンサ情報など多様な地上観測情報と衛星 情報を統合するシステムを構築し,これを用いて地域内の河川が供給する農業用水量や根群域土層 全体の土壌水分量,作物生育量,外来害虫飛来時期などをこれまでより高精度に推定可能なモデル を開発し実装する. ④気候情報の高度化のための地球観測統合データ,融合情報の利用研究 収集される各種の地球観測データ(気象観測・洪水観測・衛星観測・研究地上観測)を利用して, JRA-25 長期再解析データおよび気候同化データ,温暖化予測結果の検証を行う.また,他参画機関 からのデータを用いて,他参画機関と共同で世界における農業分野などへの気候情報の利用可能性 を調査する. 4.ミッションステートメント 4.1提案時のミッションステートメント 本研究は,地球観測データから科学的に有用な知見を引き出すともに,危機管理や資源管理等の政 策決定に資する情報を提供するために,前期3年間でコアデータシステムのプロトタイプの構築,すなわ ちデータ統合・情報融合システムの開発研究,相互利用性・情報サービス機能の開発研究と,国際的チ ャネルを有する国内の地球観測機関とコアシステム間のデータのフローの確立,メタデータ管理システム の研究を進め,地球観測データを国内の公共的利益分野に適用するための実証研究を行う.後期2年 間で,構築されたコアデータシステムのプロトタイプを用いて国際的な地球観測データの流通の促進,統 合化,情報融合を行い,観測密度が比較的疎な半乾燥地域や熱帯モンスーン地域におけるシステムの 実証研究を行う. 4.2変更後のミッションステートメント 採択時,以下2点のコメントを受けたため,提案段階の後期2年で行う予定であった目標を除き,アウト リーチ活動について追記した. ○5年間の研究として提案されているが,政府として速やかに取り組むべき課題であることに鑑み,3年 間で成果を出すこと. ○ミッションステートメントには,アウトリーチ活動について記載するとともに,修正したミッションステートメ ントを提出すること. その結果,以下のようにミッションステートメントを変更した. (変更後のミッションステートメント) 本研究は、地球観測データから科学的に有用な知見を引き出すともに、危機管理や資源管理等の政 策決定に資する情報を提供するために、コアデータシステムのプロトタイプの構築、すなわちデータ統

(11)

合・情報融合システムの開発研究、相互利用性・情報サービス機能の開発研究と、国際的チャネルを有 する国内の地球観測機関とコアシステム間のデータのフローの確立、メタデータ管理システムの研究を進 め、地球観測データを国内の公共的利益分野に適用するための実証研究を行い、その成果を国内外で 紹介する。

(12)

5.研究全体像 研究の全体像を図- 1 に示す。既に述べたように研究は大きく、4 つのサブテーマからなっている。 (サブテーマ 1)大規模地球環境データ統合・情報融合システムの開発 (サブテーマ 2)相互利用性・情報サービス機能の開発研究 (サブテーマ 3)地球観測データの収集・品質管理に関する技術の開発研究 (サブテーマ 4)高度情報適用技術の開発研究 「1.大規模地球環境データ統合・情報融合システムの開発」は、21世紀の地球環境研究を支える膨 大且つ多様なデータの統合庫、すなわち、種々の研究ニーズに対しタイムリーに対応可能な強固なデー タ基盤を構築するものである.「2.相互利用性・情報サービス機能の開発研究」はデータ統合・情報融合 に不可欠なデータ・情報の定義や意味の共通化、といった観点から相互運用性を確保し、統合・情報融 合システムの開発を支援するのと同時に、分散的にばらばらに蓄積・管理されているデータ・情報をも統 合的に扱える環境を提供する。サブテーマ1と 2 は一体となって、「3.地球観測データの収集・品質管理 に関する技術の開発研究」において作成される多様なデータセットを集積・管理しつつ品質管理機能な どを提供し、品質の高いデータプロダクトの生成や統合を支援する。一方、統合データセットや高次デー タ同化機能の提供を通じて「高度情報適用技術の開発研究」が、地球観測データを実際の公共的利益 分野の政策や意志決定に資する有用な情報へ翻訳するための技術開発を支援する。 図- 1: 研究の全体構成

(13)

6.研究体制 図- 2 に研究体制をまとめた。また、研究参加者の一覧は表- 1 の通りである。 「大規模地球環境データ統合・情報融合システムの開発」や「相互利用性・情報サービス機能の開発 研究」のように先端的な情報技術を必要とする研究開発は、東京大学が主として実施し、「地球観測デー タの収集・品質管理に関する技術の開発研究」においては,主なデータ生産者である宇宙航空研究機構 を品質管理手法や統合化手法の開発という側面から東京大学が支援する。また、地球観測データの統 合の公共利益分野への還元を目的とした技術開発を進める「高度情報適用技術の開発研究」において は、気象庁を始めとして国土技術政策総合研究所(国土交通省)、農業・生物系特定産業技術研究機構 (農林水産省関連の独立行政法人)といった現業機関、あるいは現業機関の政策企画や決定、実施を支 援している公的研究機関が主たる役割を果たし、それを東京大学が支援する体制となっている。このよう に公共利益分野における社会貢献をターゲットとした研究体制としては非常に強力なものとなっている。 “ Œ‹ ?‘ åS w ƒ Iƒ “ƒ gƒ ?ƒ W? [ƒ Œƒ Wƒ Xƒ gƒ S, Æ? î• ñ— ˜— pƒ T? [ ƒ rƒ X, Ì? \’ z ” _‹ Æ? E? ¶• ¨Œ n“ Á’ è? Y‹ Æ‹ Z? pŒ !‹ †‹ @? \ ” _‹ Æ• ª– ì, É, ¨, , é• ª? UŒ ^ƒ f? [ƒ ^— ˜— p ƒ Vƒ Xƒ eƒ !, Ì? \’ z ‰ F’ ˆ? q‹ óŒ !‹ †S J” -‹ @? \ ‰ q? ƒ f? [ƒ ^, Ì• ª? UŒ ^ƒ f? [ƒ ^— ˜— pƒ Vƒ Xƒ e ƒ !, Ì? \’ z • ª? U“ I — ˜— p , P? D‘ å‹ K– Í’ n‹ …S ‹ «ƒ f? [ƒ ^“ ?? ‡? E? î• ñ — Z? ‡ƒ Vƒ Xƒ eƒ !, ÌS J” -— \‘ ª ƒ j? [ƒ Y “ ?? ‡‰ » ? î• ñ “ ?? ‡‰ » ? è– @ ƒ f? [ƒ ^ “ ?? ‡‰ » ? î• ñ , Q? D‘ SŒ Y— ˜— p? «? E? î• ñƒ T? [ƒ rƒ X‹ @” \, Ì S J” -Œ !‹ † ? ʼn Y? H‹ Æ‘ åS w ‰ q? S Ï‘ ªƒ f? [ƒ ^, Ì‘ ?? ŸŒ ?ƒ f? [ ƒ ^“ ?? ‡‰ »? è– @, ÌS J” -“ Œ‹ ?‘ åS w ‰ q? ? E‹ C? Û? …• ¶? ES C— m?E’ n? ãS Ï‘ ª ƒ f? [ƒ ^, ̃ A? [ƒ Jƒ Cƒ u• i? ¿S Ç— ?? è – @, ÌS J” -‰ F’ ˆ? q‹ óŒ !‹ †S J” -‹ @? \ ‰ q? S Ï‘ ªƒ f? [ƒ ^ƒ Zƒ bƒ g, Ì? ì? ¬ ƒ Rƒ Aƒ Vƒ Xƒ eƒ ! “ Œ‹ ?‘ åS w ‘ å— e— Ê, ©, ‘ ?— l, ȃ f? [ƒ ^, Ì“ ?? ‡ƒ Vƒ Xƒ e ƒ !, Ì? \’ z ” _‹ Æ? E? ¶• ¨Œ n“ Á’ è? Y‹ Æ‹ Z? pŒ !‹ †‹ @? \ ƒ Aƒ Nƒ eƒ Bƒ uƒ f? [ƒ ^ƒ x? [ƒ XŒ ^ƒ Zƒ “ƒ T? [ƒ f? [ ƒ ^S i” [— Z? ‡S î” Õ, Ì? \’ z , R? D’ n‹ …S Ï‘ ªƒ f? [ƒ ^, Ì? û? W? E• i ? ¿S Ç— ?, ÉS Ö, , é‹ Z? p, ÌS J” -Œ !‹ † !"#$%&'()*+ ,-./012345678 9:;<= >?@A ‘ å‹ C? E— !– Ê? E‰ Í“ ?Œ ‹? ‡ƒ ,ƒ fƒ ‹, ¨, æ , Ñ“ y? ë-? A? ¶Œ nƒ ,ƒ fƒ ‹“ ?? ‡? è– @ , ÌS J” -? C“ ?— Z? ‡? î• ñ, É, æ, é’ n‹ … ‰ ’ g‰ »Œ »? Û, ̉ "? Í ” _‹ Æ? E? ¶• ¨Œ n“ Á’ è? Y‹ Æ‹ Z? p Œ !‹ †‹ @? \ ” _? ì• ¨S Ç— ?, Ì, ?, ß, Ì“ ?? ‡“ I, ȃ f? [ ƒ ^“ ‰ »?E“ ?? ‡? è– @, ÌS J” -‹ C? Û’ ¡ ? ”’ ll‹ C? Û— \• ñ, Ì? ,? ¸“ x, ©, Æ‹ C Œ ó“ ‰ »ƒ f? [ƒ ^, ÌŒ Ÿ? Ø? E— ˜— p , S? D? ,“ x? î• ñ“ K— p‹ Z? p, ÌS J” -Œ !‹ † ƒ Tƒ uƒ e? [ƒ }, Å’ †? S, Æ, È, éŒ !‹ †S J” -‹ @S Ö , », Ì‘ ?, ÌŒ !‹ †S J” -‹ @S Ö 図- 2: 研究体制 また、図- 3 にはデータ同化システムの開発(サブテーマ1)が、検証用データの提供(サブテーマ3)、 データの管理・提供サービス(サブテーマ1と2)を利用して、どのように開発され、サブテーマ4において 公共的利益分野(水資源管理・洪水防御)にどのように適用され成果を生んでいるのかを、研究グループ 間の連携の例として示している。また、この過程で東京大学や現業機関、公的研究機関の成果が統合さ れている。上記のような研究体制を組んだ結果、こうした連携が実現したことは特筆できる。

(14)
(15)

表- 1: 実施体制一覧 (凡例 ◎:代表者,○:サブテーマ責任者,☆:研究グループリーダ ー) 研 究 項 目 担当機関等 研究担当者 1.大規模地球環境データ統合・情報融合システ ムの開発 (1) 大規模データアーカイブ・ストレージシステ ムの開発とデータ統合基盤の構築 (2) データ同化システムの構築 (3) 高度可視化・マイニングシステムの構築 (4) 大規模データ収集・発信のための高次ネ ットワーク基盤の構築 (5) アクティブデータベース型センサーデータ 格納融合基盤の構築 2. 相互利用性・情報サービス機能の開発研究 (1) オントロジー関連情報の収録・比較・編集 システム(オントロジーレジストリ)の構築 (2) オントロジーレジストリを利用した情報共 有・利用支援サービスの構築 (3) 農業分野における分散型データ利用シス テムの構築 (4) 衛星データの分散型データ利用システム の構築 東京大学 生産技術研究所 東京大学 大学院工学系研究 科 東京大学 空間情報科学研究 センター 東京大学 生産技術研究所 東京大学 情報基盤センター (独) 農業・食品産業技術総合 研究機構 東京大学 空間情報科学研究 センター 東京大学 空間情報科学研究 センター (独) 農業・食品産業技術総合 研究機構 (独) 宇宙航空研究開発機構 地球観測利用推進センター ○☆喜連川 優 根本 利弘 安川 雅紀 絹谷 弘子 ☆小池 俊雄 Yang Kun 筒井 浩行 藤井 秀幸 長谷川 泉 Mirza Cyrus Raza Lu Hui ☆生駒 栄司 喜連川 優 根本 利弘 安川 雅紀 ☆中山 雅哉 ☆二宮 正士 平藤 雅之 深津 時広 田中 慶 ◎○☆柴崎亮介 小口 高 高野 誠二 織田 竜也 吉田 英嗣 ◎○☆柴崎亮介 小野 雅史 ☆木浦 卓治 岩田 洋佳 法隆 大輔 ☆三浦 聡子 相澤 研吾

(16)

3. 地球観測データの収集・品質管理に関する 技術の開発研究 (1) 衛星観測データの収集・処理手法の高度 化 (a) 衛星観測データの多次元データ統合化手 法の開発 (b) 衛星観測データの自動収集、品質管 理、アーカイブシステムの開発 (2) 衛星観測データの収集・処理 (3) 気象水文データの統合 (4) 海洋観測データの統合 (5) 研究地上観測データの統合 4. 高度情報適用技術の開発研究 (1) 数値気象予報の高精度化のための地球 観測統合データ、融合情報の利用研究 (2) 水管理のための地球観測統合データ、融 合情報の利用研究 (a) 水管理実務における活用システムの 開発 (b) 大気、陸面、河道結合モデルの開発 芝浦工業大学 大学院工学研 究科 東京大学 生産技術研究所 (独)宇宙航空研究開発機構地 球観測研究センター 東京大学 大学院工学系研究 科 東京大学 海洋研究所 東京大学 大学院工学系研究 科 東京大学 空間情報科学研究 センター 東京大学 生産技術研究所 気象庁 予報部数値予報課 国土交通省 国土技術政策総 合研究所 東京大学 大学院工学系研究 科 ☆青木 義満 ☆安岡 善文 竹内 渉 沖 大幹 鼎 信次郎 大吉 慶 赤塚 慎 ☆松浦 直人 梅沢 加寿夫 ○☆小池 俊雄 谷口 健司 ☆道田 豊 ☆谷口 健司 小池 俊雄 太田 哲 生駒 栄司 喜連川 優 絹谷 弘子 根本 利弘 ☆小泉 耕 岡本 幸三 大和田 浩美 平井 雅之 江河 拓夢 ☆柏井 条介 多田 智和 土井 修一 ☆小池 俊雄 BOUSSETTA

(17)

(3) 農作物の適正管理のための地球観測統 合データ、融合情報の利用研究 (a) 農作物管理のための統合的なデータ 同化・統合手法の開発 (b) 土壌-植生系モデル・統合手法の開 発 (4) 気候情報の高度化のための地球観測統 合データ、融合情報の利用研究 (a) 気候同化データの検証および利用の 研究 (b) 統融合情報による地球温暖化現象の 解析 5. 研究運営委員会 6. アウトリーチ (独) 農業・食品産業技術総合 研究機構 東京大学 大学院農学生命科 学研究科 気象庁 地球環境・海洋部気候 情報課 東京大学 気候システム研究セ ンター 東京大学 空間情報科学研究 センター 東京大学 空間情報科学研究 センター ○☆二宮 正士 木浦 卓治 岩田 洋佳 渡邊 朋也 松村 正哉 大塚 彰 冨久尾 歩 増本 隆夫 ☆溝口 勝 大政 謙次 吉田 貢士 沖 一雄 伊藤 哲 ☆釜堀 弘隆 大野木 和敏 原田 やよい 石水 尊久 太田 行哉 高谷 祐平 竹内 綾子 藪 将吉 ☆中島 映至 鶴田 治雄 井上 豊士郎 井口 享道 ◎○☆柴崎亮介 ◎○☆柴崎亮介

(18)

7.研究運営委員会について 下記のような研究運営委員会を設立し、研究の進捗管理、各サブテーマ、課題毎の連携確保を実現し た。特に採択コメントとして指摘を受けた「まずデータベースの仕様設計等を固め、試験的にデータを入 力するなどして,その有効性を評価すること。その上で、本格的なデータベース構築に移行すること」に留 意し、データ統合の利用機関とシステム開発担当機関との間の情報交換、共有化を重点的に推進した。 また、アウトリーチ活動のあり方や、研究開発作業の進捗管理と平行した「研究終了後の継続性(データ ベースセンターの設立、維持や後継者育成)を確保すること」(採択コメント)についても成果とりまとめなど と併せて重点的に議論された。 表- 2: 研究運営委員会委員一覧 (◎:研究運営委員長) 氏名 所属機関 役職 ◎柴崎 亮介 東京大学 空間情報科学研究セ ンター 教授 喜連川 優 東京大学 生産技術研究所 教授 二宮 正士 (独) 農業・食品産業技術総合研 究機構 研究管理監 小池 俊雄 東京大学 大学院工学系研究科 教授 湯本 修一 文部科学省 地球・環境科学技 術推進室 専門官 大谷 敏郎 農林水産省 農林水産技術会議 事務局 企画官 山田 邦博 国土交通省 河川局河川情報対 策室 室長 福島 芳和 国土地理院 地理調査部 部長 永田 雅 気象庁 予報部数値予報課 課長 中静 透 東北大学 生命科学研究科 教授 運営委員会等の開催実績及び議題 (a) 運営委員会 第一回(平成 17 年 8 月 10 日) 議題:キックオフ会議 第二回(平成 18 年 3 月 28 日) 議題:初年度の研究成果について 第三回(平成 18 年 8 月 9 日) 議題:グループ間の連携について 第四回(平成 19 年 3 月 26 日) 議題:国際的な展開、アウトリーチについて 第五回(平成 19 年 7 月 30 日)

(19)

議題:最終成果の取り纏めの方向性について 第六回(平成 20 年 2 月 25 日) 議題:本課題の総括、実施期間終了後の取り組みについて (b) 研究成果報告会 第一回(平成 17 年 8 月 10 日) 第二回(平成 18 年 3 月 28 日) 第三回(平成 18 年 8 月 9 日) 第四回(平成 19 年 3 月 26 日) 第五回(平成 19 年 7 月 30 日) 第六回(平成 20 年 2 月 25 日)

(20)

Ⅱ.経費 1.所要経費 (直接経費のみ) (単位:百万円) 所要経費 研 究 項 目 担当機関等 研 究 担当者 H17 年度 H18 年度 H19 年度 合計 1. 大規模地球環境データ統合・ 情報融合システムの開発 (1) 大規模データアーカイブ・スト レージシステムの開発とデータ 統合基盤の構築 (2) データ同化システムの構築 (3) 高度可視化・マイニングシステ ムの構築 (4) 大規模データ収集・発信のた めの高次ネットワーク基盤の構 築 (5) アクティブデータベース型セン サーデータ格納融合基盤の構 築 2. 相互利用性・情報サービス機 能の開発研究 (1) オントロジー関連情報の収録・ 比較・編集システム(オントロジ ーレジストリ)の構築 (2) オントロジーレジストリを利用し た情報共有・利用支援サービ スの構築 (3) 農業分野における分散型デー タ利用システムの構築 (4) 衛星データの分散型データ利 用システムの構築 東京大学 東京大学 東京大学 東京大学 ( 独 ) 農 業 ・ 食 品 産 業技 術 総 合 研 究機構 東京大学 東京大学 ( 独 ) 農 業 ・ 食 品 産 業技 術 総 合 研 究機構 (独) 宇宙航空研 究開発機構 地球 観 測 利 用 推 進 セ ンター 喜連川優 小池俊雄 生駒栄司 中山雅哉 二宮正士 柴崎亮介 柴崎亮介 木浦卓治 三浦聡子 12.5 6.2 5.0 5.3 9.8 20.1 11.7 4.8 10.3 78.1 27.8 4.6 3.0 11.6 19.2 13.1 2.0 11.2 72.6 41.4 4.8 5.0 8.3 12.5 17.4 4.6 8.9 275.9 75.4 14.4 13.3 29.8 51.8 42.1 11.4 30.4 3. 地球観測データの収集・品質 管理に関する技術の開発研究 (1) 衛星観測データの収集・処理 手法の高度化 ①衛星観測データの多次元データ統 合化手法の開発 芝浦工業大学 青木義満 8.1 5.6 5.1 18.8

(21)

②衛星観測データの自動収集、 品質管理、アーカイブシステム の開発 (2) 衛星観測データの収集・処理 (3) 気象水文データの統合 (4) 海洋観測データの統合 (5) 研究地上観測データの統合 4.高度情報適用技術の開発研究 (1) 数値気象予報の高精度化の ための地球観測統合データ、 融合情報の利用研究 (2) 水管理のための地球観測統 合データ、融合情報の利用研 究 ①水管理実務における活用システムの 開発 ②大気、陸面、河道結合モデルの 開発 (3) 農作物の適正管理のための 地球観測統合データ、融合情 報の利用研究 ①農作物管理のための統合的なデータ 同化・統合手法の開発 ②土壌-植生系モデル・統合手法 の開発 (4) 気候情報の高度化のための 地球観測統合データ、融合情 報の利用研究 ①気候同化データの検証および利用の 研究 ②統融合情報による地球温暖化現 象の解析 東京大学 (独)宇宙航空研 究開発機構地球 観測研究センタ ー 東京大学 東京大学 東京大学 気象庁 国土交通省 東京大学 (独) 農業・食品 産業技術総合研 究機構 東京大学 気象庁 東京大学 安岡善文 松浦直人 小池俊雄 道田豊 谷口健司 小泉耕 柏井条介 小池俊雄 二宮正士 溝口勝 釜堀弘隆 中島映至 9.5 9.7 1.5 2.9 6.6 11.9 5.0 7.8 4.0 3.4 3.1 8.1 19.8 12.2 3.0 2.9 10.8 14.5 8.0 4.3 3.5 2.3 9.3 18.0 0.5 2.9 2.0 9.3 15.1 6.6 4.6 2.8 2.3 26.9 47.5 14.2 8.8 11.5 32.0 34.5 22.4 12.8 9.7 7.6

(22)

5. 研究運営委員会 6. アウトリーチ 東京大学 東京大学 柴崎亮介 柴崎亮介 0.0 0.0 0.0 5.5 0.0 0.0 0.0 5.5 所 要 経 費 (合 計) 278.0 280.0 262.0 820.1

(23)

2.使用区分 (単位:百万円) サブテーマ1 サブテーマ2 サブテーマ3 サブテーマ4 サブテーマ5 サブテーマ6 計 設備備品費 233.0 9.3 18.8 7.5 0.0 0.0 268.6 試作品費 0.0 0.0 0.0 1.9 0.0 0.0 1.9 消耗品費 (H17,18 年のみ) 24.7 1.5 14.2 7.3 0.0 0.0 47.7 人件費 78.8 52.0 44.1 27.0 0.0 0.0 201.9 その他(H17,18)/ 業務実施費(H19) 72.3 72.9 62.3 87.0 0.0 5.5 200.1 間接経費 122.6 40.7 41.8 39.2 0.0 1.7 246.0 計 531.4 176.4 181.2 169.9 0.0 7.2 1,066.1 ※備品費の内訳(購入金額5百万円以上の高額な備品の購入状況を記載ください) 【装置名:購入期日、購入金額、購入した備品で実施した研究テーマ名】 ①地球環境データアーカイブストレージファイバーチャンネルスイッチ:2005 年 12 月,15.1 百万円,サ ブテーマ1 ②データ統合・情報融合サーバ゙:2006 年 2 月,93.5 百万円,サブテーマ1 ③地球環境データアーカイブストレージデスクアレイユニット:2006 年 2 月,11.3 百万円,サブテーマ1 ④オントロジー参考情報蓄積システム:2005 年 9 月,5.7 百万円,サブテーマ2 ⑤地球環境データアーカイブステージングストレージ:2007 年 2 月,53.5 百万円,サブテーマ1 ⑥地上観測データ格納装置゙:2007 年 12 月,6.9 百万円,サブテーマ1 ⑦シミュレーションデータ格納装置:2007 年 12 月,6.9 百万円,サブテーマ1 ⑧衛星データ格納装置:2007 年 12 月,6.9 百万円,サブテーマ1 ⑨解析処理データ格納装置:2007 年 12 月,15.8 百万円,サブテーマ1 ⑩可視化処理データ格納装置:2007 年 12 月,14.0 百万円,サブテーマ1

(24)

Ⅲ.研究成果 1.研究成果の概要 本研究の成果は以下のようにまとめられる。 1.大規模地球環境データ統合・情報融合システムの基盤技術が開発され、これらを有機的に結合しデ ータ統合・情報融合システムのプロトタイプを開発した。具体的には、①汎用性の高いセンサネットワーク システムを実現する Web センサノードであるフィールドサーバ、収集した観測データの品質管理のための データ品質管理システムなどのデータ収集関連技術、さらに、②地球観測データに対するデータマイニ ングシステム、陸面および雲微物理過程のデータ同化を行うシステムなどのデータ解析技術、③大規模 で多様なデータを集中して管理する大規模アーカイブストレージシステム、および多種多様で不斉一な センサデータを分散管理し、動的に処理するエージェントシステム、メタデータ管理システムなどのデータ 管理技術、③TCP コネクションを中継ノードにより分割することでデータ転送のスループットを向上させる ネットワーク技術などである。 2.多様な地球環境データ・情報の相互利用性・情報サービス技術を開発した。 さまざまな分野等でそれぞれ作成された多様な地球環境データ・情報は、各専門分野特有の用語定 義、概念、分類体系、場所記述体系などに基づいて作成されており、分野間の「文化的違い」がデータ・ 情報の統合的な利用にとって大きな障害となる。データ名称や定義,裏付けとなる専門用語とその定義 などについて、他との関連も含めて明示的に整備・公開し,緩やかな共通化とオープン化をすすめながら、 統合的利用を支援するオントロジーレジストリ技術と利用技術を開発した。さらにオントロジーも必要に応 じて利用しながらさまざまな場所,分野で分散的に蓄積・管理されている情報を横断的に利用する技術を 開発した. さらに、他国語(タイ語)翻訳機能と連携した他国語情報の利用支援サービスや、その翻訳機能そのも のをオントロジー情報(専門用語辞典)により強化することなども実現し、その成果がタイ国の情報技術専 門家や農業専門家の協力、本サブテーマの他の課題担当者(農業分野)との協力を通じて、タイの農業 ポータルサイトという具体的な形を取ることができた。また、分散情報の管理・利用技術を、さらに水循環 テーマに特化して発展させ、ベトナム・フォン川を対象として 2004 年洪水の例を利用した被害状況を把握 できるシステムとして利用実験を行うことに成功し、被害軽減や復旧活動に役立つ、また危険度の認知が 上がったなどの評価をベトナム側から得られた。 なお、メタデータのデザイン・管理・利用の側面で、成果1によるデータ統合・情報融合システムのプロト タイプを、成果2の地球環境データ・情報の相互利用性・情報サービス技術が支援することが実現し、コ アデータシステムの全体構想が実現した。 3.国内外の地球観測機関とコアシステム間のデータのフローの確立およびメタデータ管理システムの開 発を実現し、品質が保証された地球観測データをアーカイブした。そのデータはデータ統合・情報融合シ ステムを通じて、水循環変動や気象予測などの各公共的利益分野に地球観測データを適用するための 実証研究を推進した。またこうした実証研究の成果が、アジアにおける水問題関連の研究者や実務者、 政策担当者を動かし、アジア水循環イニシアチブ(AWCI)が構築され、アジア 17 カ国が各国の河川流域 データを協力して統合化する実施計画の合意形成が成し遂げられた。

(25)

4.大規模地球環境データ統合・情報融合システム上にアーカイブされている多様な地上観測データ、 超大容量の衛星観測データ、さまざまな地球規模データセットを用いて、各公共的利益分野に資する実 証研究を実現し、成果を挙げた。具体的には、気象モデルの改良、気候同化データ(JRA-25)や気候形 成と温暖化現象のモデルシミュレーション結果の検証、降雨予測値から流出を予測する分布型流出モデ ルの開発と多目的ダムの洪水調節最適化システムの開発、融雪流出への適用(パキスタン、インダス川 支流)や河川管理最適化システムの適用(フィリピン、アンガットダム)、水稲の大害虫であるウンカ類の飛 来予測モデルの精度向上、地上観測情報と土壌-植物系モデルのよる農作物管理支援システムのプロト タイプを開発等である。 (1)研究目標と目標に対する結果 ミッションステートメントに記載された各目標について、その達成状況、成果を整理する。 ①目標:データ統合・情報融合システムの開発研究 結果:大規模地球環境データ統合・情報融合システムの基盤技術が開発され、これらを有機的に結合 しデータ統合・情報融合システムのプロトタイプを開発した。具体的には、①汎用性の高いセンサネットワ ークシステムを実現する Web センサノードであるフィールドサーバ、収集した観測データの品質管理のた めのデータ品質管理システムなどのデータ収集関連技術、さらに、②地球観測データに対するデータマ イニングシステム、陸面および雲微物理過程のデータ同化を行うシステムなどのデータ解析技術、③大 規模で多様なデータを集中して管理する大規模アーカイブストレージシステム、および多種多様で不斉 一なセンサデータを分散管理し、動的に処理するエージェントシステム、メタデータ管理システムなどのデ ータ管理技術、③TCP コネクションを中継ノードにより分割することでデータ転送のスループットを向上さ せるネットワーク技術などである。この点において当初の目標を達成したと判断する。 さらに、データ統合・情報融合システムのプロトタイプを地球観測データ利用研究者に供し、早い段階 で農業データの分散管理(サブテーマ 2)や農作物管理支援システム(サブテーマ 4)に対してフィールド サーバのデータを提供することが出来たと共に、地球環境データマイニング統合環境を用いた処理実験 による水循環研究に関する新たな知見を得ることが出来た。これは当初の目標以上の成果である。 ②目標:相互利用性・情報サービス機能の開発研究 結果:多様な地球環境データ・情報の相互利用性・情報サービス技術を開発した。すなわち、データ名 称や定義,裏付けとなる専門用語とその定義などについて、他との関連も含めて明示的に整備・公開し, 緩やかな共通化とオープン化をすすめながら、統合的利用を支援するオントロジーレジストリ技術と利用 技術を開発した。さらにオントロジーも必要に応じて利用しながらさまざまな場所,分野で分散的に蓄積・ 管理されている情報を横断的に利用する技術を開発した.この点において当初の目標を達成した。 なお、メタデータのデザイン・管理・利用の側面で、成果1によるデータ統合・情報融合システムのプロト タイプを、成果2の地球環境データ・情報の相互利用性・情報サービス技術が支援することが実現し、コ アデータシステムの全体構想が実現した。 さらに、他国語(タイ語)翻訳機能と連携した他国語情報の利用支援サービスや、その翻訳機能そのも のをオントロジー情報(専門用語辞典)により強化することなども実現し、その成果がタイ国の情報技術専

(26)

門家や農業専門家の協力、本サブテーマの他の課題担当者(農業分野)との協力を通じて、タイの農業 ポータルサイトという具体的な形を取ることができた。また、分散情報の管理・利用技術を、さらに水循環 テーマに特化して発展させ、ベトナム・フォン川を対象として 2004 年洪水の例を利用した被害状況を把握 できるシステムとして利用実験を行うことに成功し、被害軽減や復旧活動に役立つ、また危険度の認知が 上がったなどの評価をベトナム側から得られた。これらは当初の目標以上の成果である。 ③目標:国際的チャネルを有する国内の地球観測機関とコアシステム間のデータのフローの確立 結果:国内外の地球観測機関とコアシステム間のデータのフローの確立およびメタデータ管理システム の開発を実現し、品質が保証された地球観測データをアーカイブした。そのデータはデータ統合・情報 融合システムを通じて、水循環変動や気象予測などの各公共的利益分野に地球観測データを適用する ための実証研究を推進した。この点において、当初の目標は達成された。 またこうした実証研究の成果と積極的なアウトリーチ活動が、アジアにおける水問題関連の研究者や実 務者、政策担当者を動かし、アジア水循環イニシアチブ(AWCI)が構築され、アジア 17 カ国が各国の河川 流域データを協力して統合化する実施計画の合意形成が成し遂げられた。これは当初の目標以上の成 果である。 ④目標:メタデータ管理システムの研究 結果:XML による地上観測データや衛星画像データなどのメタデータを定義するとともに、定義したメタ データの管理に必要とされる機能を明確化し、メタデータ管理システムの設計を行った。同時にメタデー タの設計成果であるスキーマを、用語定義などのオントロジー情報と関連づけて登録し、検索・比較を可 能とするプロトタイプシステムをオントロジーレジストリの一環として開発した。また、メタデータ登録支援シ ステムのプロトタイプを開発した。この点において、当初の目標は達成された。 加えて、メタデータ登録支援システムとデータ品質管理システムとの連携を実現するなど、当初目標以 上の成果を得ることができた。 ⑤目標:地球観測データを国内の公共的利益分野に適用するための実証研究を行う 結果:大規模地球環境データ統合・情報融合システム上にアーカイブされている多様な地上観測デー タ、超大容量の衛星観測データ、さまざまな地球規模データセットを用いて、各公共的利益分野に資す る実証研究を実現し、成果を挙げた。この点において当初の目標は達成された。 これらの成果に加え、数値気象モデルの改良が予想より早く進み、シミュレーションデータを 地球環境データ統合・情報融合システムに提供でき、データ統合基盤の拡充に貢献した。 また、分布型流出モデルと連動した多目的ダムの洪水調節最適化システムについては、パキス タンにおける融雪流出へ適用や、フィリピンにおける河川管理最適化システムの適用が実現した。 ウンカの飛来予測については、データの統合的な分析を通じて、飛来源の分布やウンカの飛来 特性について、本研究以前にはなかった新知見が得られた. 農作物管理支援システムについては、本システムの導入により農作物管理と気象・土壌水分等 の状況の関連付けが容易になり、農地と作物管理に関する新しい発見があった。また、元となる 観測されたデータ(気象・土壌データと画像データ)は地球環境データ統合・情報融合システム

(27)

に投入され、データ統合基盤の構築に貢献した。さらに,プロトタイプ開発にとどまらず地元農 民による実評価にまで至った。 以上の成果は当初の目標以上の成果である。 ⑥目標:成果を国内外で発表する 結果:既に述べたように、本研究における実証研究の成果と積極的なアウトリーチ活動が、アジアにお ける水問題関連の研究者や実務者、政策担当者を動かし、アジア水循環イニシアチブ(AWCI)が構築さ れ、アジア 17 カ国が各国の河川流域データを協力して統合化する実施計画の合意形成が成し遂げられ た。それら以外にも、シンポジウム(3回)、一般公開への参加(4回)、原著論文(査読付き。筆頭著者:14 報、共著者:37 報)、上記論文以外による発表(国内誌:12 報、国外誌:17 報、書籍出版 1)、口頭発表 (招待講演:18 回、主催講演:17 回、応募講演:148 回)、受賞件数(4 件)、プロモーションビデオの作成 など、国内外での成果発信を行った。目標を達成したと判断した。

(28)

(2)ミッションステートメントに対する達成度 ミッ ション ス テート メン ト 主な達成内 容 当初目標 以上 の成 果 未達成 達成度 ◎○ △ ①データ統合・情報融 合システムの開発研究 大規模地球環境デー タ統合・情報融合シス テムの基盤技術が開 発され、これらを有機 的に結合しデータ統 合・情報融合システム のプロトタイプを開発 した。 データ統合・情報融合システム のプロトタイプを地球観測デー タ利用研究者に供し、早い段階 で、フィールドサーバのデータ を提供することが出来た。、 地 球環境データマイニング統合環 境を用いた 処理実 験による 水 循環研究に関する新たな知見 を得ることが出来た。 該当無し ◎ ②相互利用性・情報サ ービス機能の開発研究 多様な地球環境デー タ・ 情 報 の 相 互 利 用 性 ・ 情 報 サ ー ビ ス 技 術を開発した。 他国語( タイ語) 翻訳機能と連 携した他国語情報の利用支援 サービスなどを実現した。デー タの分散利用技術を、水循環テ ーマに特化して発展させ、洪水 被 害 軽 減 や 復 旧 活 動 に 役 立 つ、また危険度の認知が上がっ たなどの評価を得た。 該当無し ◎ ③国際的チャネルを有 する国内の地球観測機 関 と コ ア シ ス テ ム 間 の データのフローの確立 国内外の地球観測機 関とコアシステム間の デ ー タ の フ ロ ー を 確 立 し 、 品 質 が 保 証 さ れた地球観測データ をアーカイブした。各 公共的利益分野に地 球観測データを適用 するための実証研究 を推進した。 ア ジ ア 水 循 環 イ ニ シ ア チ ブ (AWCI)が構築され、アジア 17 カ国が各国の河川流域データ を協力して統合化する実施計 画の合意形成が成し遂げられ た。 該当無し ◎ ④ メタ デ ータ 管 理シ ス テムの研究 メタデータ管理システ ムの設計、メタデータ スキ ー マの 管理 シ ス テムのプロトタイプ開 発を実現した。また、 メタ デ ー タ 登 録 支 援 システムのプ ロトタイ プを開発した。 メタデータ登録支援システムと データ品質管理システムとの連 携を実現した。 該当無し ◎

参照

関連したドキュメント

: 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用す る。 :

全国の 研究者情報 各大学の.

医学部附属病院は1月10日,医療事故防止に 関する研修会の一環として,東京電力株式会社

データなし データなし データなし データなし

第4 回モニ タリン グ技 術等の 船 舶建造工 程へ の適用 に関す る調査 研究 委員 会開催( レー ザ溶接 技術の 船舶建 造工 程への 適

助成者名 所属機関:名称 所属機関:職名 集会名称 発表題目 開催国 助成金額.

海洋技術環境学専攻 教 授 委 員 林  昌奎 生産技術研究所 機械・生体系部門 教 授 委 員 歌田 久司 地震研究所 海半球観測研究センター

島根県農業技術センター 技術普及部 農産技術普及グループ 島根県農業技術センター 技術普及部 野菜技術普及グループ 島根県農業技術センター 技術普及部