• 検索結果がありません。

風力発電機の設置場所と地形

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "風力発電機の設置場所と地形"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

岡山理科大学紀要第35号App35-42(1999)

風力発電機の設置場所と地形

-先の丸い半無限長の山(三次元)

向川静隆・大亀衛*

岡山理科大学大合邦鯉学研究科応用物理学専攻

*岡山理科大学総合情報学部シミュレーション物理学科 (1999年11月4日受理)

摘要

山の周辺の風速と流線を表わす式がストークスの流れの関数と速度ポテンシャルから求められ,風の状況 がこれらの式を用いて調査された.風力発電機の最適な設置場所は尾根の前方部分にあり,設置された風力 発電機の風速の変化による位置の調整は不要である.そして,この位置での風速は山に向かって吹いて来る 風の速さの1155倍を越えない.又,この場所は大型風車の設置に適している.さらに,設置場所の風速を 求める観測所は山裾に広がる平地でもよい.

1.はじめに

一様な風が山に向かって吹いてきても,山の付近の風速はところによって異っている.そして,この風速 の最大となるところが風力発電機の最適な設置場所である.最近になって,この場所が流体の運動を支配す る式を用いてさがし求められている’)'21`aL4)'51,6).ここでも,新たな地形での風の状況がこの理学的方法

によって調べられる.

2基礎式と数値解 a)基礎式

先の丸い半無限長の山と山裾に広がる地平面からで きている地形を考え,座標系O-Xrを図1のように とる.ここで,6は山の高さである.次に一本の流線 を考える.この流線上の任意の点(X,y)での風速をQ とし,山から遠く離れた前方の点(Xo,yo)での風速を Q・とする.ここで,Uは山に向かって吹いて来る一 様な風の速さである.又,風車の中心に向かっている

流線上で風速が最大値QCMとなる点の座標を(XCM, 図1使用した主な記号 ()Yb,)'6)

γ

(ノM)')-口

00 10

丙=’

6 + J

(2)

向川静隆・大亀衛 36

YcM)とする.更に,doは山から離れた前方での境界層の厚さであり,Lは風車の半径である.

流れを渦なしとして速度ポテンシャルを用い,更に非圧縮流体の軸対称流れとしてストークスの流れの関数

を用いると,この場合の風速と流線を表わす式が求められる.

b)数値解

山より+分はなれた前方から数値計算を始める(|xolは大きいQ、=U、).

U≦1000×10m/s 2.000m/s

3000×102m

6≦1.500×l03n1 Jo ≦9.000×10m

1.000×10m

】'6≦1500×103m

5000×10m

5.000m

L≦2.500×10m

とする.ここで,X・の値は-1000×104mとする(図2).更に,パラメタ_しハ

そして,計算の範囲は

6と50とYoとしのうち

パラメターUと いくつかを変化させるとき,他のものの値は

〃=6.000m/s 69.000×102m J。= 5.000×10m 昭=1500×102m

L=1500×10m とする.

図3と図4は求められた数値解である.

(m/, 。

0 01234γ

()IVO〕)

図2風速I

(しE=6000m/S,b=1500×103m)

可 IIIII

-4-5-10

lll

1 Z 3

(ルウ X

(3)

風力発電機の設置場所と地形 37

m/s) 。

( 8 (

150

4 25

20 15 10

5)/b ()IVO)

0 -4-202X

()IFO)

図3風速Ⅱ

(し眉=6000m/S,bE9ⅡO×102m)

-4-ZOZX

GWoリ

図4流線I

([邑6000m/S,bE9000×102m)

3.考察

a)結果の妥当性とその限界

ここでの結果は流体の運動を支配する式から得られたものである.即ち,ストークスの流れの関数(状態 方程式の解である密度一定を使用して,軸対称流れのときに得られる関数.)と速度ポテンシャル(密度一定 で渦なし流れのときに,連続の式から得られるラプラースの式の解.)が使用されている.なお,オイラーの 式は圧力を求めるときに用いられる’1.2),3LJL5’

ここでのレイノルズ数は大きい(3697×108程度)から,得られた結果は境界層等の渦の領域を除いたとこ ろで使用できる71.山から離れた平野部における境界層の厚さdoが大きくても,風力発電機を設置するあた りの境界層の厚さは小さい(図4).従って,風速の大きい地表面近くまで,結果の利用が可能である.いま の場合,密度一定は許されるであろうけれども,山の形を単純化していることや山に向かって吹いて来る 風の流れを一様流としたことは,理学的方法を用いるときに受ける結果の妥当性の限界である.

b)風力発電機の設置場所

風速の大きいところが尾根の前方部分にあり(図3),この部分が風力発電機の最適な設置場所である.

流れの状態を表わす流線の式が山に向かって吹いて来る一様な風の速さUに関係していないから,一度設置 した風力発電機は山に向かって吹いて来る一様な風の速さUが変化しても移動させなくてよい山の高さ6 や風車の半径Lや山から遠く離れた平地での境界層の厚さdoがどのような値のときでも,このことは成立す

る(図5,図6,図7,図8,図9,図10).

(4)

向川静隆・大亀衛

38

)lV0) XM

( (

10

(WS) ひ

olF5-7S-7三一万

(野0つ ()'102)

図6風車の位置Ⅱ

(J・ミラ000×10m,L=1500×10m)

図5風車の位置I

(Jo=5000×10m,L=1500×10m)

XM

Xiloリ

( (

rl

Z~10

I U

(mだ) 0

o1Fr-I-Z (囚。)

(HVO)

図8風車の位置1V

(b=9000×102m,do=5000×10m)

図7風車の位置Ⅲ

(b=9000×102,,Jo=5000×10m)

(5)

風力発電機の設置場所と地形 39

( (

0 02468.

(,l1Io)

図9風車の位置V

(6=9000×102mと1500×10m)

02468.

(野。)

図10風車の位置VI

(6$.000×102m,Z声1500×10m)

c)得られる風のエネルギー

計算の範囲内において,風車の中心部に当たる風の速さQCMは山に向かって吹いて来る ̄様な風の速さU のほぼ1150倍である.このことは山の高さ6や風車の半径Lや山から遠く離れた平野部の境界層の厚さJo

にほとんど関係していない(図,,,図,2,図,3)(山の高さbを1000×10mから5000×103mまで変化さ せて,QcM/Uが求められた.1155を越えることはない)又,得られる風のエネルギーは風速の3乗に比例 するから,山から遠く離れた平地に設置した風車から得られるエネルギーのほぼ1540倍の量がこのような

山の最適地に設置したものから得られる.

( (

O510156

図11風車に当たる風の速さI GWo)

(do=5.000×10m,L=1500×10m)

()F1。)

図12風車に当たる風の速さⅡ

(6=9000×102m,do=5.Ⅲ×10m)

(6)

向川静隆・大亀衛 40

QⅧ m/s) 10ひ s)

10

O ̄---

oz468つ、b

(肋)

図13風車に当たる風の速さⅢ (6=9.000×102m,L戸1500×10m)

d)風車の大きさ

風車の最適なこの設置場所での上下方向の風速変化 は小さい(図,4).従って,大型風車の設置が可能で ある.更に,エネルギー比QCM/Uがあまり大きくな いことを考えると,ここで使用する風車の型は大型で ある.

(品 3.54.0

4 2.02.53.0

X川

0 7.0 7.5 8.Oy

GWo)

図14風圭Ⅲ

(しE=6000m/S’1戸9000×102m)

e)風j主の観測所

風速Qは山に向かって吹いて来る一様な風の速さUに比例している(図15).そして,流線はこの風速U に関係していないから(図16),山の周辺の風の状況は常に幾何学的相似である.これらのことは風速と流 線を表わす式からもわかる.従って,風速の観測所は山裾に広がる平地(多くの場合,生活条件がよい)で

もよい.

(7)

風力発電機の設置場所と地形 41

(m/§ 。 (

15

10

0 -4-ZOZX

(XVoウ

図16流線Ⅱ

(歩9DOC×lo2m,】帝1500×102m)

-4-202X

(》IVoツ

図15風速1V

(6E9000×102m】帝1500×102m)

f)その他

ここでの結果と二次元的な先の丸い半無限長の山での結果41を比較すると,ここで得られる風のエネルギ ー量は二次元的な山で得られるそれよりも少ない又,ここでの山の最適なところに設置できる風力発電機 の台数は勿論二次元的な山でのそれよりも少ない.従って,先ず二次元的な山に風力発電機を設置し,次に

ここでの山を利用すればよい.

4.むすび

次に,ランキンの卵型の山(三次元)を考え,この山での風力発電機の設置場所をさがしたいそして,

この結果と二次元的な山でのそれ」’を比較したい

参考文献

1)大亀衛・三宅幸治・キ仕耕一:日本風力エネルギー協会誌,通巻32,Vb117,N01,pp、69-72.1993.

2)大亀衛・上畑耕二:日本風力エネルギー協会誌,通巻34,Vbll8,pp、46-50,1994.

3)大亀衛・北111勉:第16回風力エネルギーシンポジウム,pp95-98,1994.

4)大亀衛・岩田洋・清田知弘:岡山理科大学紀要,第31畳A,pp、91-97,1996.

5)大野朋美・西111嘉範・大亀衛:岡山理科大学紀要,第31号,A,pp、99-105,1996.

6)大亀衛・馬袋蔚己・秋山倫範:岡山理科大学紀要,第33号,App、71-79,1997.

7)今井功:流体力学(前編)qⅢ裳華房,東京)12版.pp、2-5,1984.

(8)

向川静隆・大亀衛 42

TheSettmg-P1aceo壬theWind'IUrbineandItsNaturalFeatures -AMountamwithRoundOne-SidedSlopeandlnfiniteFlat'Ibp

(Three-D血ensions)-

ShizutakaMUKOGAWAanClMamomOIIRARm*

G'だ?dtjE3妬&ロノhoo/MSIdtncEA DAzU己maDh/v巴'帥vo/K5bjty]cE

Dqpa,広memo/KSZmLmaLjb,]Zlhりぷjb,,肋αzノb,o/Yhh3mah'b3 OAzUそImaLhノリ'Er飢yQ/K5bEncP

RmhjLchoI-LOAzYl'iama7りWW5M2メスan

(ReceivedNovember4,1999)

FYDmStDkes,sstTeamfilnctionandvelocitypotcntiaLtheequatlonswemeobtainedmwhjchwmdspeedandstYpamhne amundthemountainweTeshownandtheconditionsofwindwelPmvestigatedfiDmtheseequations・nxQmostsultable setIingplaceofthewmdturbinewasmtheliDntpaltofthMdgeandadiustmentofsettingplaceofthewmdturbineto chan深smwmdspeedwasnotnecessanWnlewmdspeedmthisplacedidnotexceedll55timesofthewmdthatblows tDwaIdagainstthemountain・Inadditionthlsplacewasfbundtobesuitablelbrsc廿mgthelarg巴-sizemndtulbine・

FulthennolP,theObsewatorvtomeasu“windspeedcouldbelocatedontheHatgmundthatslQrPadtothelbotofthe

mountaln

参照

関連したドキュメント

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

現在、電力広域的運営推進機関 *1 (以下、広域機関) において、系統混雑 *2 が発生

凡例及び面積 全体敷地 2,800㎡面積 土地の形質の変更をしよ うとする場所 1,050㎡面積 うち掘削を行う場所

3000㎡以上(現に有害物 質特定施設が設置されてい る工場等の敷地にあっては 900㎡以上)の土地の形質 の変更をしようとする時..

○事業者 今回のアセスの図書の中で、現況並みに風環境を抑えるということを目標に、ま ずは、 この 80 番の青山の、国道 246 号沿いの風環境を

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

敷地と火山の 距離から,溶 岩流が発電所 に影響を及ぼ す可能性はな

敷地と火山の 距離から,溶 岩流が発電所 に影響を及ぼ す可能性はな