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「第 1 次 探 究 活 動

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Academic year: 2021

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ボランティア活動等社会奉仕体験活動の促進に関する研究 

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3  学習活動の展開モデル

中 間 報 告 会

ま と め [ 喜 び 合 う 会 ]

( 活 動 成 果 を 共 に 喜 び 合 う ) 振り返り 

計画 体験  課題設定

計画

体験 

振り返り  第2次探究活動

右図は、都内の先進的な事例をもとに作成 した学習活動の展開モデルである。

大 き く は 、 「ガ イ ダ ン ス 」→ 「第 1 次 探 究 活 動 」→ 「 中 間 報 告 会 」 → 「 第 2 次 探 究 活 動 」

→「まとめ」に整理できる。都内の先進的な 事例では、体験の振り返りを十分に行い、よ か っ た こ と や 改 善 点 を 次 の 体 験 に 生 か す と い う 学 習 活 動 を 繰 り 返 し 行 う 方 法 を と っ て いた。

前章でも述べたが、何度も繰り返すこの体 験 の 振 り 返 り は 、 児 童 ・生 徒 の 内 省 を 促 し 、 思いやりの心をはぐくみ、社会や地域の一員 であるという意識を高めていくことになる 。 しかし、多くの学校では、時数との関係や学 校外部との連絡調整の難しさ等から、この図 で い う 「 第 1 次 探 究 活 動 」 で の 成 果 を 発 表 す ることで終了する傾向にあると 考えられる 。 そこで、限られた条件や時間でも十分に児 童 ・生 徒 の 思 い や り の 心 や 社 会 や 地 域 の 一 員 で あ る と い う 意 識 を は ぐ く む こ と が で き る 学習活動の展開を構想した。

≪ガイダンス≫ 

「ガイダンス」は 、児童 ・生徒がこれから の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 等 社 会 奉 仕 体 験 活 動 の 学習を進めるにあたって、どのような課題が あるか、どのような 活動を行うかのイメージ をもち、主体的に取り組めるようになるため に行う。具体的な進め方としては、外部講師 を招いての講演会や前年度の活動報告会、車 い す や ア イ マ ス ク 体 験 な ど の 擬 似 体 験 を 取 り入れる方法が考えられる。その際、児童・

生 徒 に は 様 々 な 活 動 の 話 や 体 験 が 伝 わ る よ うにする。学校によっては、最初に児童・生 徒の興味・関心や地域の実態から体験の課題 を設定しておき、その課題別の外部講師の話 を 聞 く な ど の 取 り 組 み を し て い る と こ ろ も

  ガイダンス

・上級生からの話  ・擬似体験

・外 部 講 師 の話   ・活動 の 説 明

課 題 設 定   計  画   体  験   振り返り

第1次探究活動

グ ル ー プ ワ ー ク ト レ ー ニ ン グ

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分に適した課題を選択できるようにすることを考えると、児童・生徒全員ができるだけ多様な 分野の話を聞く機会を設けるなどの工夫を行うことが望ましい。このガイダンス では、児童・

生徒が興味・関心を高め、「高齢者施設の人はどんな生活をしているのだろう」「近くの幼稚 園へ行って幼稚園児と遊ぼう」といった人とかかわることの大切さに気付くことや地域に目を 向けることがねらいである。

また、「第1次探究活動 」からの体験に備え 、グループでの役割分担 をはっきりさせ活動を 円滑に進めるために、児童・生徒の実態に応じてグループワークトレーニングをロールプレ イ ング等の形式で事前に学習しておくことも工夫の一つである。

 

≪第1次探究活動≫ 

  「第1次探究活動」では、ガイダンスによって得た情報から「これをやってみたい」という 課題を設定し、計画、体験、振り返りの学習が展開される。ここでは、課題を基にして同じよ うな意識をもっている児童・生徒同士でグループを編成して活動する。

児童・生徒が課題の 設定 や計画を立てる段階 では 、活動のめあてがは っ き りしていて継続し ていける体験であることが求められる。そのために児童・生徒は、具体的な活動計画を立てる とき、場合によっては事前に調査をしたり 、活動場所の人と打ち合わせをしたりする作業が必 要となる。その支援として、ガイダンス時にもお願いした講師や地域の人、学習支援ボランテ ィアにも積極的に加わってもらいアドバイスをいただくことは効果的である。

体験では、誰が、い つ、 何を、どこで、なぜ 、どのようにするのかを 児童 ・生徒一人一人が きちんと把握して臨むことができるようにすることが大切なポイントとなる。児童・生徒はこ れらの作業を通して、自ら活動をする意味を理解すると同時に実際に活動していく上での様々 な基本的スキルを身に付けていくことになる。

また、より自分にあった 課題を見付ける た め に、 他の活動を試してみ る時 間を設定する工夫 も必要である。

振り返りでは、体験 をしただけで終わ ら せ な い た め、できたことや困 ったことをクラス全体 で話し合い、それぞれのグループが次の活動に生かせるようにすることが極めて重要である。

その際、教師は、今回の体験が「その子にとって、どんな意味があるのか」ということに十分 考慮し、児童・生徒の立場に立ち、児童・生徒の内面に寄り添って一緒に考えていく姿勢が大 切である。そして、児童・生徒が求めているものを一緒に求めながら、児童・生徒に社会や地 域の一員であるという意識付けをしていくことが「第1次探究活動」でのねらいとなる。

 

≪中間報告会≫ 

  実際、多くの学校では、十分な時間がとれないため、この「第1次探究活動」での成果の発 表の段階で終了しているものが 多い。しかし「第1次探究活動」までの児童・生徒の思いやり の心の育ちや次の活動への意欲に視点を当ててみると、「次はもっと喜ばれることをやってみ たい」「他のグループのやり方でやってみよう」と思い始めている。また、地域や施設の方も、

「第1次探究活動 」での児童・生徒へのかかわりから「今度は別なことを教えて、一緒にやっ てみよう」「子どもたちの力はすごいなあ 」と、児童・生徒との活動を楽しみにしてくれるよ

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うになっている。それゆえ、「第1次探究活動」で終わらせず、さらに思いを生かしていく「第 2次探究活動」が必要となって くる。その意味で「中間報告会」は、「第1次探究活動」での 成果を発表し合い、次の探究活動を質の高いものにしていく視点に気付いていくことがねらい となる。児童・生徒は友達の様々な活動の発表や意見を聞き、その成果を共有化することがで きる。そのために 、子どもたち 一人一人の体験を数多くの人と分かち合えるような方法を工夫 する必要がある。

実際、先進的な事例を検討してみると、「第1次探究活動」や「中間報告会」をきっかけと しながら、さらに継続的な体験活動を繰り返し、自分たちができることは何かを主体的に発見 し活動していく「第2次探究活動」に取り組んでいる。

 

≪第2次探究活動≫ 

  「第2次探究活動」は、「第1次探究活動」や「中間報告会」からの新たな気付きをもとに、

計画・体験・振り返りの積み重ねを行う。ここでは、「第1次探究活動」の時より、目的や活 動の内容やその方法をより明確にさせ、活動を進める。そのために 、教師は、講師や地域の人 や学習支援ボランティアと課題を深める方向性や活動から得られる満足感、達成感、成就感に ついての打ち合わせをし、「第1次探究活動」に続き計画・体験・振り返りの活動に加わって もらいながら、課題についての 考えを深めさせていく。そして、これまで以上に課題を意識し て活動が継続・発展していくように助言・指導する。たとえば、計画に行き詰まっているよう であれば、課題に関係する人の話を聞くように促したり新たな視点を指し示したりする。また、

「活動したことが 本当に目的に合っていたか」と問いかけてみて、方向の修正を勧める。活動 が、地域の人に認められたり褒められたりしたときは全体の場で賞賛し、さらに活動を促す。

これらの教師と児童・生徒のやりとりを繰り返し、一つ一つの体験から、社会や地域に役立つ という目標へ深めさせていくことが「第2次探究活動」でのねらいとなる。

児童・生徒同士で活 動の 質を高めていくためには 、お互いが自分た ち の活 動への誘い合いを し、他のグループ の活動のよさを自分たちの活動に生かしていく時間を設定する。また、各グ ループの活動の様子が常に全体に分かるように、教室にそれぞれの 掲示コーナー (コミュニケ ーションパネルなど)を設置するなどの工夫がある。

 

≪まとめ≫ 

年間の活動の「まとめ」として、やり遂げた活動 について、児童・生 徒 同 士 でお互いの活動の 成果について話し合い、振り返りを行う。ここでは、試行錯誤しながらもやり遂げた達成感や「自 分のやってきた活動が地域の方に喜ばれたんだ」という成就感、「地域の方々と一緒に活動して よかった」という連帯感、人との出会いの素晴らしさを確認できるようにする。そのためには、

活動にかかわってくれた人、支えてくれた人、児童・生徒が一同に介して、「活動の成果を共に 喜び合う会」にする。

この 「喜 び 合う 会 」(1)は、 児 童・生徒 の 代表 に よ る 報告 会 形 式 で は な く、 活 動 の記 録や 写 真、

作品等を持ち寄るなど、それらを共通の素材にして、時々の様子や気持ちを一人一人が振り返 ることのできる方法を工夫することが必要である。このような方法を用いることにより、児童・

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生徒は、自らの心の変化に気が付いていく。

また、実際にかかわってくれた 人からも励ましや成果、「一緒に活動にかかわってよかった 」 という思いを聞くことができる 形にすることで、児童・生徒は、自分が感じた達成感や成就感が 地域の中でも意味があったのだということを改めて強く感じる。「まとめ」のねらいは 、このよ うに、互いの支え合いと存在を確認していくことで、児童・生徒の満足感、成就感を地域の一 員であるという自覚へと導くことにある。

さらに「まとめ」は、 児 童・生徒に、今まで 続けてきた活動をここで終 わらせず、「もっと役 に立つことはないかなあ」「今度は、違う人と一緒にやってみよう 」「よし、やろう」という 新しい課題のきっかけをもたらす。培われた深い思いやりの心は、日常生活の中で自然に周り の人を気遣い、ボランティア活動等社会奉仕体験活動に向かう原動力となっていく。

〈注〉

(1)「喜び合う会」とは、イギリスの「市民性を育てる教育」において提唱された考え方である。この教育で は 、「地 域 で 意 義の あ る サ ー ビ スを 提 供 す る こ と と 学習 と を結 び つ け た授 業 」が 重 視 され 、以 下 の よ う な 過 程が想定されている。

  ①他 の 市 民 が何 を 考 え 、何 を欲 し て い る か を 理 解す る ② 地 域 の 人た ち に 学 校に 来 て も ら う 。又は 、学 校 の外に出て市民からの聞き取りなどをする ③地域の住民や地域づくりのためになるサービスや課題を探 ④実際にサービスを提供し、課題の解決や実現に取り組む ⑤教師や市民の協力を得ながら、そのため に 必要 な 学 習 をし 、デ ー タ の 収集 を 行 う ⑥ 要 所 で それ ま で の 活 動 を 振り 返 り、お 互 いに 意 見 交 換し た り 話 し 合っ た り す る ⑦ 振 り 返り に よ っ て 軌 道 修 正 し た り変 更 を加 え た り し て 、よ り 良い サ ー ビ ス の 提 供に 努 め ⑧終わった段階でお祝いの会を開き、世話になった人たちに感謝する。

「喜び合う会」は、⑧に該当し、Celebrationの訳である。

参照

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