• 検索結果がありません。

掛川市飛鳥に見られる大日層と宇刈層について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "掛川市飛鳥に見られる大日層と宇刈層について"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

著者 白井 久雄

雑誌名 静岡地学

巻 100

ページ 61‑65

発行年 2009‑11‑21

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00024766

(2)

1 0 0

号 (

2 0 0 9  ) 

1 1

  鳥に られ

井 久 雄

1 .はじめに

「小学校第6学年理科

C

地球と宇宙」では,野外での地層の直接観察を重視してい る(白井,

2 0 0 0 ) .

掛川・菊川地域は,野外での地層観察には最も適した地域である.既

が見学できる漉切な (白井,

1 9 9 7

, 

1 9 9 9

, 

2 0 0 0

, 

2 0 0

 ,1

2 0 0 2

, 

2 0 0 3 b

, 

2 0 0 4 b

, 

2 0 0 5 b

, 

2 0 0 6 b

, 

2 0 0 7 c

, 

2 0 0 8 b )

や,露頭観察に基づいた授業実践(白井,

1 9 9 8 a

, 

1 9 9 8 b

, 

2 0 0 3 a

, 

2 0 0 4 a

, 

2 0 0 5 a

, 

2 0 0 6 a

, 

2 0 0 7 a

, 

あ す か

2 0 0 7 b

, 

2 0 0 8 a

, 

2 0 0 9 )

を報告している.今回は掛川高飛鳥で観察できる掛川層群大住層と宇刈層の特徴 を記載するとともに,地層観察の視点を述べ,

地層観察指導時のー資料を提供する.

2 .

露頭の記載

(1 )露頭位置:本露頭は国1に示すように,

掛川市飛鳥に位置する.走向は

N50

W

,南西 に

1 0

度前後傾斜する.本露頭を「飛鳥露頭」と 呼ぶ.飛鳥露頭は,高さ約

10m

,幅約

2 0m

で ある(図

2 ) .

飛鳥露頭は,森・柴(1

9 9 2 )

が記

した「金谷池④

J

の東側に位置する.

(2) 地層の特徴:飛鳥露頭の模式柱状図を国 3に示す.飛鳥露頭で観察できる地層の層位的

おおいけ

は大池火山灰層(柴ほか

2 0 0 0 )

の約

4 0m 

下位に当たる.

飛鳥露頭の最下部,

1m

で観察できる のは,黄褐色 茶褐色を呈し,ハンモック状斜 交成層(徳、橋,

1 9 9 8 )

が発達する絹粒砂層であ

る(図4).ハンモック状斜交成層は波長1m,  波高5

cm

程度で、あり,ハンモック状斜交成層 の葉理には貝化石やその破片が並んで、いる.ハ ンモック状斜交成層は,暴風時波浪限界(水深

5 0 ‑ ‑ 8 0  m)

から静穏時波浪限界(水深

1 5 ‑ ‑ 3 0

掛JIl市立桜木小学校

国上飛鳥露頭位置関(顕土地理観発行2万5千分の 1地形関

f

山梨

J i

掛JI¥J). 

国2.飛鳥露頭金景.スケールは1

m .  

(3)

団 生 物 翻b

t ; ; 国民間

臼浸食

;1) I・ ¥ @

白ノ 困氷料

covred1m 

暢¥綿

il ia

K

/

J /

J

i '  

p

・ ︐

••

m

i n U

Ti

l

4

 

溺移

シルト様

図4.ハンモック状斜交成層が発達する紹粒砂層,

間3.飛鳥露頭模式柱状図箇模式柱状図の在最lt.に ハンモック状斜交成震は波長1m,波高5cm 示した① ⑧の説明拡本文参照臨 ハンモック状斜交成麗の薬理には異化石やその 破片が並んでいるa 本躍は掛

J I I J

覆群大日層であ

る隠スケー)vは25cm

ffi) の堆積環境を示す示相堆積構造であり,ス トーム堆積物認定の際の重要な特徴とされてい る(徳橋,

1 9 9 8 ) .

本絹粒砂層に重なる上位の地 との境界は蕗頭状況が悪く確認できない.本 細粒砂層は,掛J11層群大日層である.

この細粒砂層の上位では,黄褐色 茶褐色の 極細粒砂層と暗灰色 暗青灰色の砂質シルト

(一部シルト層)の砂泥立層が観察できる@本砂、

は掛J11層群宇刈層である.次に,図

3

に 示した① ⑧のI}I震に本砂泥五層につい

る.①極細粒砂層,層厚1.2ffi, シ ル ト 細 磯 中擦が散在している(密5),下底面状態は露頭 状況が悪く確認できない.②極細粒砂層,

10 Cffi,シルト縮機 中磯が密集している(国 6),下位の極細粒砂層から漸移する.③極細粒 砂層,層厚50Cffi,生物擾乱が観察できる(図 6),下位の極縮粒砂層から漸移する@④極細粒 砂層,層淳

3 2

Cffi,シルト細磯 中磯が散在し ている,下位の極細粒砂層から漸移する.⑤砂 費シルト層,層厚1.4ffi,生物擾乱が観察でき

る,木片を含む(図7),下位の極細粒砂層から 漸移する.⑥シルト層,層厚5Cffi,塊状,下位 の砂質シルト層との境界は明瞭で、ある.⑦極綿

図5.シ

) v

ト錨磯 中磯が散をしている寵縮粒砂層 (摸式柱状図①)舗スケールは30cr

図6.シルト翻磯 中磯が密集している擢縮粒砂層 (讃式柱状回②),生物援活Lが観繋できる掻細粒 語

j欝(模式柱状図③).スケールは20cm

(4)

100号 (2009 ) 

間7.生物擾話Lが観察できる砂質シルト鰭(摸式詮状 国号縛生物擾乱が観察できる砂質シルト層(模式柱状 図⑤)樋木片を含む.スケールは23cm. 関⑧).ニ枚貝@巻異化石を含みニ枚貝は殻が 揃って産する型木片を含む橿スケーんは15cm.

粒砂層,層厚25cm,塊状,下位のシルト層を る.③砂質シルト層,層厚2.5m,生物 擾乱が観察できる,二枚員・巻貝化石を合み二 枚貝は殻が揃って産する(国 8),木片を合む (図8),ノジュールが観察できる(閤9),下位 の極細粒砂層から漸移する.

r

⑧砂質シルト

の上位に層摩約

6

m,極細粒砂層を挟む砂質シ ルト層が重なるが詳細は不明で、ある.

飛鳥露頭周辺地域の大日層 宇メリ層の堆積環 は,外浜 大陸棚へと変化する (Sakaiand  Masuda, 1995). このことは,前述した飛鳥露 頭の地層の特徴にもよく表れていると考えられ る.つまり,飛鳥露頭では下位から上位へ海進 断面を観察できる (Sakaiand Masuda, 1995). 

(3)地 層 観 察 の 視 点 : 飛 鳥 露 頭 で は 綿 粒 砂

,砂質シルト層中に貝化石を観察できる.ま た砂泥五層が観察でき,縞模様がわかりやすい.

砂,粘土(砂質シルト),貝化石,木片の採取が 可詣である.このようなことから,

r

水の働きで

できた地層

J

ということが児童に理解しやすい だろう.飛鳥露頭は「大地のっくりと変化

J

の 学習での観察に適していると考えられる.

なお,飛鳥露頭の北西約150mの地点には,

層厚1mの大日層の上位に,大日層を最大50 cm削り込んで、層摩2 mの段丘磯層が重なる,

国9鋼生物擾乱が観察できる砂質シ){.tト罵(模式柱状 図⑧).ノジュールが観察できる鏑スケールは 20cm. 

函10.大自層と段丘磯層調スケールは1

m .  

(5)

れば磯の採取が可能で、ある.

3阻まとめ

(1 )掛川市飛鳥で観察できる掛川層群大野

,宇刈層の特徴を記載した.

(2) 飛鳥露頭は「大地のっくりと変化

J

での観察に適した露頭である. 11盾段丘磯j毘 段 丘 磯 層 の 磯

' 1

,翻磯 大磯型基質

は砂質シJ[.tトであるa スケーんは20cm

引用文献

森 通 済 ・ 柴 (1992)  : 23.掛川の化石ーかつての海岸線をたずねて一.地学団体研究会静岡支 部編,静岡の自然をたずねて…日曜の地学.13 ‑,  157‑160,築地書館.

Sakai, 

T .  

and Masuda, 

F .  

(1995): Seuencestratig phyof the Plio♂leistocene Kakegawa Group,  Shizuoka, ]apan. 

Memoirs o f  t h e  G e o l o g i c a l  S o c i e t y  o f  ] a p a n

, 45, 154‑169. 

柴 正博・渡透恭太郎・横山謙二・佐々木昭仁・有働文雄・尾形千里 (2000):掛)11層群上部層の火 山灰層.海・入・自然(東海大博研報), 2,53108.

井久雄(1997):五百済凝灰岩層に見られる乱堆積について.静岡地学,76,21‑34.

白井久雄 (1998a):小学校第6学年理科「土地のっくり」における地層観察の実際…五百済凝灰岩 層露頭を観察して一.静岡地学,77,11‑20. 

白井久雄 (1998b):小学校第6学年理科「地層はどのようにしてできたのか

J

(土地のっくり)の授 業実践…掛川層群堀之内層の観察@地層をつくろうの実践を通してへ静開地学, 78,1728. 白井久雄(1999):東名高速道路掛JlIインターチェンジ周辺の地層について.静岡地学, 80,11‑18.  白井久雄 (2000):大東町小貫(土方層)と掛川市西郷(大日層・宇刈層)に見られる地層について.

静岡地学, 82,1320.

白井久雄 (2001):掛川市千羽に見られる地層(満水層・堀之内層・白岩火山灰層)について.静関 地学, 84,37‑42.

井久雄 (2002):化石を取り出そう! ‑ 12002桔梗が丘@科学の祭典」での取り組みへ静岡地学 86.39‑44. 

白井久雄 (2003a):小学校第G学年理科「大地のっくりと変化」の授業一掛川 日層・宇刈層 の観察を通して….静岡地学,87,63‑70.

白井久雄 (2003b):大東町大坂(小笠層群小笠山層)と菊川町堀之内(掛川層群堀 )に見ら れる地層について.静問地学,88,37‑42.

白井久雄 (2004a):小学校第6学年理科「大地のっくりと変化」の授業一子どもの授業後の感想を 中 心 に 静 問 地 学 ,89, 5‑11. 

(6)

100号 (2009 ) 

白井久雄 (2004b):掛川市桶 られる五百済火山灰層について.

白井久雄 (2005a) :  「大地のっくりと変化

J

91. 15‑22.  られる

白井久雄 (2006註):小学校第6学年理科「大地のつく与と変化j 出した地層と地層観察についてへ静開地学, 93,5‑12.

90. 1321.

単元終了後

について.静岡地学, 92,1‑9.  掛川市立第一小学校に

自井久雄 (2006b):掛川市南西部に見られる曽我層について.静両地学, 94,13‑18. 

白井久雄 (2007a):掛111層群を対象とした小学校第5学年

f

大地のっくりと変化

J

の と 6033‑40. 

白井久雄 (2007b):小学校第6学年

f

大地のっくりと変化

J

の授業‑小学校に隣接する露頭および学 区内に分布する露頭観察を通して静岡地学, 95,5‑12.

白井久雄 (2007c):掛川市倉真(倉真層群松葉層)と森町大久保(掛

1 1 1

層群大詰層)に見られる地 について,静岡地学, 96, 1‑6. 

白井久雄 (2008a):小学校第 6学年「大地のつくちと変化jの授業‑倉真層群松葉層露頭および掛 111層群宇刈層露頭の観察を通して….静岡地学, 97,1‑7. 

白井久雄 (2008b):掛川市小市(大日層)と菊川市西方(堀之内層)に見られる地)習について.静関 地学, 98, 3‑9. 

白井久雄 (2009):小学校第 6 日 徳橋秀一(1998):斜交層理

24,地学団体研究会.

「大地のっくりと変化

J

の授業 を通してへ静岡地学, 99,1‑9. 

‑立石雅昭編,新版砕屑物の研究法,

よび、掛JII

29

  ω 6

参照

関連したドキュメント

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

本プログラム受講生が新しい価値観を持つことができ、自身の今後進むべき道の一助になることを心から願って

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

風が弱く、地表が冷えていると冷たい 大気が、地表付近にとどまる現象(接 地逆転層)が起こり、各物質が薄まり にくくなる

(Yc) 、有楽町層砂質土層(Ys) 、埋没段丘堆積層(Bts)、東京層第一粘土層上部層(Tcu) 、東京

地下水の揚水量が多かった頃なの で、地下水が溜まっている砂層(滞

微小粒子状物質( PM2.5 )とは、大気中に浮遊している粒子状物質のうち、粒径 2.5μm (マイクロメートル、 1μm は 1mm の千分の