1.
情報の流通から見た図書館の位置(機関の内/外)
2.
機関リポジトリ
3.
共同リポジトリ
◦
サブジェクト・リポジトリ4.
リポジトリをめぐるトピック(現状, CSI 委託事業,著作 権処理など )
5.
共用リポジトリ
6.
IR を構築することで幸せになる
7.
図書館の新たな役割
2
大学
外部で流通する(から提供される)情報資源に
機関リポジトリ( Institutional Repository : IR) とは?
◦
リポジトリ(Repository
):保存庫◦
大学等学術機関によって生産された学術成果・知的生産物(論文,授業資料等)を電子的に無料公開・発信する仕掛け
目的
◦
学術雑誌価格高騰問題に端を発するオープンアクセス運動 の拠点となる◦
機関の諸活動の成果を社会に還元,当該機関の活動の可 視性を高める◦
公的資金による研究成果の社会への還元(納税者意識の高 まり)4
現状
◦
国内で185のリポジトリが稼働している(2012.8
現在) 国立情報学研究所のリポジトリ・リストで確認することができる。
http://www.nii.ac.jp/irp/list/
◦
世界で2950
以上(2012.8
現在) ROAR (Registry of Open Access Repositorries)で確認す ることができる。
http://roar.eprints.org/
学術論文にインターネットを介して無料で誰でもアク セスできるよう公開をすること。
OA 実現への二つの道
◦
セルフ・アーカイビング:著者が論文原稿を機関リポジトリ等 に登録し,無料公開する(権利処理に関し,出版社との合意 が必要)◦
オープンアクセス誌による公開:読者からは購読料を取らな い学術雑誌(による公開)。費用は著者,または助成団体な どが支払う。6
共同リポジトリとは
◦
複数の機関が共同して構築・維持・発展させる形態のリポジ トリ
[ 例 ] 埼玉県の共同リポジトリ
◦ Saitama United Cyber Repository of Academic Resources (SUCRA)
埼玉大学の機関リポジトリとしてスタート(Saitama University Cyber Repository of Academic Resources)。その後,地域 共同リポジトリとしての運用を開始(2008.11.21)。
現在の参加機関:
埼玉大学,文教大学,城西大学,埼玉女子短期大学,跡見学園女子大学,国立女性教育会館,
駿河台大学,淑徳大学国際コミュニケーション学会,埼玉純真短期大学,埼玉県立大学,共栄大 学,埼玉東萌短期大学
埼玉県大学・短期大学図書館協議会(SALA)との共同事業
共同リポジトリに関する調査報告書『共同リポジトリプ ロジェクト:国内の地域共同リポジトリの分析』
[2010.3] ( NII の CSI 委託事業の Share( 共同リポジト リモデルの構築と普及)プロジェクトによる)
http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/share/seika/ShaReReport.pdf
◦ ホスト機関:すべて国立大学(地域貢献,地域活性化を狙う)
◦ 共同リポジトリ参加の理由:安価(または無料)で構築可能,サーバ管 理が不要
◦ 「46機関中34機関が,共同リポジトリがなければ機関リポジトリを構 築していないと答え…共同リポジトリが機関リポジトリの構築およびオ ープンアクセスの裾野拡大に大きな役割を果たしているといえる。」
◦ 一方,「共同事業として継続できる人的・経費的環境が維持できるか 不安である」といった意見も見られた。
8
■運用中
山形(9)・群馬(21) 埼玉(12)
新潟(21)・福井(10) 岡山(4?)・広島(15) 愛媛(5)
山口(10)・鹿児島(6) 沖縄(5)
-かっこ内:共同への参加 機関数
■構築中
弘前(青森)(6)
■共用リポジトリ中に構築 長野
2012.8現在
SUCRA : Saitama United Cyber Repository of Academic resources 埼玉大学
文教大学
○○大学 △△大学
地域連携リポジトリ概念図(SUCRAのケース)
メタデータ・ハーベスティング
JAIRO
OAISter Google
Google Scholar
文教大学リポジトリHP
埼玉大学リポジトリHP
コンテンツ登録 アクセス・検索
検索
結果の取得
結果の取得
越谷 湘南
CiNii Articles
ある主題に特化したリポジトリ
教育系サブジェクトリポジトリ・ポータル ( 東京学芸大 学)
◦
東京学芸大学,大阪教育大学,兵庫教育大学,奈良教育大 学,愛知教育大学,上越教育大学,文教大学(7
大学)
沖縄地域学リポジトリ(琉球大学)
◦
沖縄県内に所在する学術成果物等を、電子的に蓄積・保存 し、広く世界へ発信する(
トップページより)◦
沖縄大学,沖縄県看護大学,名桜大学,沖縄農業研究会,琉球医学会 等 (琉球大学は幹事役)
http://www.nii.ac.jp/irp/archive/system/irdb_harvest.html 12
2012.8
14
2012.8
学部紀要,研究所紀要に掲載された論文
今後の展望
◦
学会誌に掲載された論文◦
公開講座の資料・レジュメ◦
さまざまな発表資料◦
広報資料etc
◦
授業資料→ オープンコースウェア( OCW)
化16
灰色文献
「機関リポジトリ担当」
◦
専任1
名(兼務) 広報(学内,学外)など,登録・利用促進のためのプロモーション
他機関等との渉外・連絡調整
全国組織(DRF)の運営委員
◦
契約職員1
名 登録作業
著作権処理に係る諸業務
ほか,付随する作業(教員との連絡など)
「紀要の電子化」から機関リポジトリへ
◦
同じ電子的公開だが…
半永久的に不変のULRのもとに公開され続ける
識別子としてのDOI(Digital Object Identifier)→JaLCの始動
(2012.4)
Googleなどの検索エンジンで検索されやすくなる
メタデータをきちんと作るので,検索の精度が高い。またメタデー タ収集のためのプロトコルとしてOAI-PMH (Open Archive Initiatives Protocol for Metadata Harvesting)が存在する。
ダウンロード統計がとれる(どれくらい使われたかがわかる)
世界的な運動として展開されているため,国際的活動の一翼を 担っているというやりがいを感じられる
そのためのコミュニティの情報交換がおもしろい,刺激になる
18
CSI(Cyber Science Infrastructure) 委託事業
◦
国立情報学研究所(NII)
では、「最先端学術情報基盤整備(CSI
)」の一環として、機関リポジトリの構築と連携を促進する ために、平成17
年度から次世代学術コンテンツ基盤共同構 築に向けた委託事業を実施しました。これまで,この事業により契約を締結した大学等は
110
機関 以上に達し,平成24
年1
月末時点で機関リポジトリ数は156
(共同リポジトリによる設置を含めた機関数は
224
),本文コ ンテンツ数は94
万件を突破するなど,着実な成果を上げて います(「機関リポジトリ一覧」)。http://www.nii.ac.jp/irp/rfp/◦
第3
期(平成22-24
年) 文教大学を代表機関としてSUCRAが資金を獲得(今年度が最終 年度)
20
日本の学術機関リポジトリに蓄積された学術情報を 横断的に検索できるサービス(無料)
著作権処理
◦
コンテンツの著作権を著者が持っている場合(紀要,研究報 告書,講演資料など)→
著者との交渉により複製権,公衆 送信権について権利者の権利を制限することを了承してもら う。◦
学会等の団体,出版社が発行する媒体に掲載されたもの→
団体・出版社のポリシーを確認する◦
確認のためのデータベース(
サイト) SHERPA/RoMEO(ジャーナル別または出版社別の著作権ポリ シーを調べられるサイト)
SCPJ: SHERPA/RoMEOを参考にして作られた,日本国内の学 協会の著作権ポリシーを調べるデータベース(サイト)
22
DRF: Digital Repository Federation (だーふ)
◦
日本の機関リポジトリ構築機関の連携組織。2012
年6
月現 在で144
機関が参加。◦
リポジトリ普及のためのワークショップ等の活動を全国で展 開◦
現在は,研修への講師派遣事業等も行っている。◦
「リポジトリの今が分かる」『月刊DRF
』の発行
国立情報学研究所( NII )が立ち上げた,クラウド型の リポジトリ・プラットフォーム提供サービス(2012年度 より)
(当面)個別機関ではリポジトリの立ち上げが難しい 機関に対して,構築環境を提供する
ソフトウエアは WEKO
参加機関のメリット → サーバのメンテナンスの負荷 から解放され,コンテンツ収集等の活動に集中できる
24
IR によって幸せになれる人
◦
ユーザ 学術的文献が無料で入手できる絶対数が増えた(しかも無料)
入手が難しい灰色文献の視認性が高まったことで,容易に入手 できるようになる
◦
図書館(員) 灰色文献の視認性を高め,利用者に提供することができるよう になる
従来ILLによって提供していた文献を利用者自らの手によって入 手できるようになる(業務負担の軽減)
機関内における図書館の地位を高めることが可能となる
図書館のサービス
◦
外部資源に付加価値をつけて提供することで,コミュニティ構 成員の諸活動を支援するサービス(これまで)◦
コミュニティ構成員の諸活動を外部に向けて発信する。その ための大学からの情報発信のノード(結節点)となるサービス(これから)
機関リポジトリの業務(活動)の本質の一つは教員と のリエゾン活動である。
◦
小樽商科大学,聖学院大学等で行っている,切り番インタ ビュー26
外部で流通する(から提供される)情報資源 に付加価値をつけて学内のユーザに提供す る
学内(機関)で生産された知的生産物を 世界に向けて発信する
+
1.
共同で作り,性格としてはサブジェクト・リポジトリ
2.
ポータルサイトの構築(検索機能)
3.
他のデータベースとの連携
28
B病院図書館 A病院図書館
D病院・・・ C病院・・・
病院図書館リポジトリ(仮称)概念図(私見)
OAISter Google
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SUZUKI Masanori [email protected]
参考文献
◦ 時実象一「オープンアクセス運動の歴史と電子論文リポジトリ」
『情報の科学と技術』55(10), 421-427(2005)
◦ 「無料で公開 学術論文:リポジトリ導入機関が急増」朝日新聞, 2008.4.11
30