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炭坑跡地の トンネルの施工にお ける穿孔探査法の活用

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Academic year: 2021

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西松 建設技報 voL.24

炭坑跡地の トンネルの施工にお ける穿孔探査法の活用

石井 洋司* 小倉 仁志 容 Yojilshii HitoshiOgura 岩瀬

博* 梅 田 先史*

Tadahirolwase KatsushiUmeda

§ 1. は じめに

歌志 内 トンネルは炭坑跡地 に位置す るため,旧坑道が 近接 ・交差 し, また,脆弱 な石炭層 を通過す る計画 とな っている.施工時 には, これ らの近接物や脆弱地 山に起 因す る問題が発生す る可能性があ り,その位置 と状況 を 把握す ることが必要である.そ こで,調査 ボー リングの 補助手法 として,穿孔探査法 を活用 してい る.

以下 に穿孔探査法の活用状況 を報告す る.

$2.穿孔探査法概要

穿孔探査法 は,山岳 トンネルで行 われ る探 り削孔時 に 削岩機か ら得 られるフィー ド圧 ,打撃圧 ,回転圧 , ダ ン ピング圧 な どの油圧 デー タや穿孔速度 な どの機械挙動情 報お よび

,

湧水や くり粉 の性状 な どの 目視情報 を総合 し て穿孔 区間の地 山性状 を定量的に評価す る ものである.

本探査法では,①穿孔速度,②穿孔エ ネルギー,③ ダ ンピング圧 を定量的な地 山評価 の可能 なパ ラメー タとし てお り,当 トンネルにおいては穿孔エ ネルギーに着 目し た穿孔探査 を行 った.各パ ラメー タの変動傾 向 と地 山状 況の関係 の概念 を図‑1に示す.

§3.坑道調査への利用

切羽が坑道 に近接す る前 に,図‑2に示す ように想 定 されていた坑道直上か ら鉛直 コアボー リングを数本実施 して位置 を確認す る とともに,ボー リング孔 間の情報 を 補 間す るために切羽か ら3方向に穿孔探査 を実施 した1). 図‑3にH‑3(L‑31m)を穿孔 した際の穿孔エ ネルギー の挙 動 を示 す.穿 孔 エ ネルギ ーが120J/cm3程 度 の 区 間 は,穿孔 中の くり粉 の性状 お よび回転圧 の変動等か ら判 断 して平均地山強度の低 い頁岩優勢層である と推定 され た.深 度6‑8m区間 にお いて60J/cm3程 度 まで穿孔 エ ネ ルギーが低下す る区間は, くり粉か ら判断す る とさ らに 強度が低 い石炭層 である と推 定 された.また,深 度26.7‑

30.2mの区間で は石炭層 の穿孔 時 よ りも穿孔 エ ネルギー

*

札幌 (支) 歌志 内 (也)

抄録

、榊

美 幸

〜( 玉野

童欝 軸

勝 野孝轡郷 転d

図‑1 穿孔探査概念図

‑2坑道探査概要図

予想位置

董拓 賀I託鷲.メ一.

3

0

20 10 TD,

図‑3

坑道調査

( H‑ 3 )

で得 られた穿孔エネルギー

95

(2)

抄 録

値が低 く,値の変動 も特徴的に小 さくなっている. この 区間の穿孔時には,削孔水の逸散, くり粉への木片の混 入,硫黄臭の湧水等 も認め られたことか ら,空隙の多い 充填物が存在す る可能性 が強 く示唆 された.H‑1,H‑2に おいて も同様 な穿孔エネルギーの挙動 を示す区間が確認 され,最終的にこれ らを結ぶ線上 に坑遺跡があるもの と 判断 した.坑遺跡近傍 を トンネルが通過す る場合の対策 として,影響 を与 える範囲の坑道跡 にシリカレジンによ る流 出止 を設置 した後,セメン トミルク注入 を実施 した.

隻4暮AGFエ法の適用基準への利用

旧坑道が近接 ・交差す る箇所や脆弱 な石炭層 を通過す る部分では,施工時の切羽の安定や先行変位 による坑道

‑トンネル間の地 山のゆるみ を低減す る 目的で,AGF工 法 を採用 した.

本工法の採用の適否の判定については,穿孔探査 を用 いた定量的な地山評佃Hこ基づ くもの とした.判定方法 に ついては,表‑1に示すAGF採用実績の うち,1‑3シフ トのAGF適用 区間の探査 デー タお よび地 山性状 を参考 に策定 した.1シフ トにおける穿孔エネルギーの挙動 を 図‑4で示す。 ここで得 られた所見 をまとめる と以下の

ようになる.

① 石炭層で60J/cm3程度,石炭層が狭在す る頁岩で 100J/cm3程度の穿孔エネルギーを示す.

② 施工時には石炭層 と互層 をなす頁岩で も切羽の崩 壊が見 られ,ファイバーボル トによる鏡 ボル ト工 を 併用 して掘削 を行 った.

また,AGFの検討 区間以前 に実施 した穿孔探査結果 によると,DIIパ ター ン相 当の地 山であって も平均的な 穿孔エネルギーが200J/cm3を下回 らない2). したがって, 1‑3シフ ト区間 にお いて得 られた100J/cm3程 度 の穿孔 エ ネルギー を示す ような地 山で は,一般 的 なNATMの 適用範囲をT回 り補助工法が必要 となると予想 さjtた.

以上の結果か ら,当 トンネルでは図‑5に示す フロー に従 い平均穿孔 エ ネルギーが100J/cm:5以下 の範 囲が連 続する場合,補助工法が必要 と判断 し,その結果 をもと に最終的な適否 を企業先 と協議することに した.この後, 4‑21シフ トのAGFをこのフローに基づ き実施 した.

AGFの開始位置の決定 は,事前 の地質調査 や先行 ボ ー リングで切羽の安定が懸念 される区間における穿孔探 査 の結果 に基づ いて行 い,その後,連続 してAGFを施 工する場合 は次 シフ トとのラップ部分で探査 を実施 し, 採用の適否 を判断 した.

§5.おわ りに

これ までの施工時の適用か ら穿孔探査の特性 をまとめ ると次の ようになる.

(ヨ トンネル近傍の坑道の位置推定に穿孔探査 を使用

96

西松 建設 技報 VOL.24

表‑1 AGF採用実績 シフ ト 地lJJ条件,近接条件

1‑3 石炭狭在屑 4 坑道① 直下 5‑7 払い跡,坑道⑩交差 8‑10 脆弱頁岩層

炭 層 炭層

'''‑aA∫ 字崇 ≡

8 6 4 2

TD,m

図‑4 AGFlシフ トで得 られた穿孔エネルギー

図‑5 補助工法適用判定 フロー

することによ り, コアボー リング調査 と比較 して1/ 10の工期 と1/3のコス トで行 なうことがで きた.

(む 穿孔エ ネルギー とい う定義値 を地 山評価 に使用す ることによ り,補助工法適否の判定 を迅速かつ客観 的に行 なうことがで きた.

穿孔エ ネルギーを利用 した地山評価 は, フィー ド圧や ビッ ト形状 などの不確定要素 を含んでいる.ただ し,同 一岩種のデー タであれば,ある程度の定量的な評価 は可 能 と考 える.この不確定要素 を小 さ くしてい くためにも, 今後更 に多 くのデー タ収集 を行 うことが望 まれる.

参考文献

1)石 山,引間,石井 :油圧削岩機 を利用 した切羽前方 の旧坑道調査,土木学会第55回年次学術 講演会講演 概要集,pp.614‑615,2000.

2)引間,石 山,壕 臥 石井 :堆積軟岩地 山における油 圧式削岩機 を用いた切羽前方探査 とボー リングコア との比較,第30回岩盤力学 に関す るシ ンポジウム講 演論文集,pp.238‑242,2000.

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