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提案方式

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Academic year: 2021

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(1)

アドホックネットワークにおけるストロングビジートーンの 導入とバックオフアルゴリズムの修正の効果についての検討

080425105

鬼頭 充

渡邊研究室

1.

はじめに

アドホックネットワークの課題として、隠れ端末問題に よるパケット衝突がある。IEEE802.11では、この課題を解 決するためにRTS(Request to send)/CTS(Clear to send) 方式が採用されているが、パケットの衝突を完全に防ぐこ とができない。

そこで、我々はストロングビジートーン(SBT:Strong Busy Tone)[1]と呼ぶ特殊な制御信号を使用する解決方法 と、CSMA/CAのバックオフアルゴリズムの修正により送 信待ち時間を減少する方法を提案している。

本稿では、シミュレーションによりこれらの解決方法の 効果を確認したので結果を示す。

2.

既存技術の課題

RTS/CTSは、CSMA/CAによりデータ送信を行う前 に送信予約を行うためのシーケンスである。全てのノード がこのシーケンスを監視することにより、隠れ端末に対し ても通信ノードの状態を知らせることができる。しかし、

RTS/CTSが一種のパケットであることから、シーケンス

自体が衝突する可能性がある。

また、再送時のバックオフ時間は、スロットタイム( :Δt)と、CW(Contention Window)の範囲内で発生し た乱数の値を掛け合わせたものである。CWの範囲は再送 回数が増えると指数関数的に増加し、トラフィックが増加 した時は送信を控え、さらにトラフィックが増加すること を防ぐことができる。しかし、バックオフによる待ち時間 が大きいとスループット低下の要因になる。

3.

提案方式

提案方式では、RTS/CTSの送信と同時にストロングビ ジートーン(以下:SBT)[1]と呼ぶ単一周波数の信号を広範 囲に送信する。SBTは送信状況を瞬時に周辺端末に伝える ことができる。周辺端末はSBTの受信を感知している間 送信ができない。また、SBTは単一の周波数であることか ら、SBTどうしの衝突を考慮する必要がない。そのため、

スループットを改善することができる。

また、バックオフアルゴリズムの修正としてΔtの値を 小さく変更することにより、スループットを改善すること ができる。IEEE802.11gでは、Δt9.0µsと定義されて いるが、これには、無駄な時間が含まれている。SBTを適 用した場合Δtの値は伝搬時間とハードウェアの送受信切 り替え時間のみを考慮すればよいため、3.0µsまで短縮す ることができる。

4.

シミュレーションの結果と評価

シミュレーションでは、提案方式で述べたSBTの効果 とバックオフアルゴリズム修正の効果を規則的に並べた端 末で確かめた。

シミュレーションの条件を表1に示し、結果を図1に示 す。表2は衝突回数を示している。

ここで、条件1RTS/CTSによる既存技術である。条 2は、条件1SBTを使用している。条件3は、条件 2に加えてΔtの値を小さくしている。条件4は衝突回数 を減らすため条件3CWの値を大きくしたものである。

また、このシミュレーションはアドホックネットワークを 使用し、ノード数を37台、電波到達範囲を100m、端末間距 離を90m、測定時間を330秒、アクセス方式をIEEE802.11g シミュレーション回数を50回としている。

1より、スループットは条件1、条件2、条件4、条 3の順によくなっていることがわかる。各条件について 見ていくと、条件2は条件1よりもよくなっているがこれ は、SBTを使用したことによってデータの衝突回数が減少 したためである。条件3SBTを使用し更に、Δtを小 さくしたことによって待ち時間が減ったため条件2よりも スループットが良くなっている。条件4では、SBTを使用 し、Δtを小さくしさらにCWの値を小さくしたため衝突 回数が大幅に減少している。しかし、CWを大きくしたた め結果的に無駄な待ち時間が生じてしまい最終的には条件 2と同じくらいになってしまっている。

1: シミュレーションの条件の値 Δtの値 CWの値 SBT 条件1 9.0µs 15-1023  無 条件2 9.0µs 15-1023  有 条件3 3.0µs 15-1023  有 条件4 3.0µs 45-3069  有

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90100 110

120 130

140 150

160 170

180 190

200 210

220 230

240 250

260 270

280 290

300 310

320

(M bps))))

時間(秒)

時間(秒)

時間(秒)

時間(秒)

条件4 条件3 条件2 条件1

1: シミュレーション結果

2: 衝突回数 条件1 135462 条件2 13289 条件3 15268 条件4 5093

このことより、結論としてSBTを使用し、CSAM/CA のバックオフアルゴリズムの修正を行った場合が一番スルー プットが良くなる。また、衝突回数を減少させるスループッ トを良くすることにつながるわけではない。

5.

まとめ

アドホックネットワークの課題である隠れ端末問題を解 決するために、SBTを使用し、バックオフアルゴリズム修 正を行いその効果についてシミュレーションを行った。

今後の課題として、多数の条件に対してシミュレーショ ンを行っていくことによってさまざまな状況でも対応でき ることについて確認しなくてはならない。

参考文献

[1] アドホックネットワークにおけるストロングビジ-トー ンの導入とその拡張方式の検討と評価マルチメディア、

分散、協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム 論文集,Vol.2012,No.1,pp.1973-1980,Jul.2012.

(2)

渡邊研究室 B4

鬼頭充

(3)

無線 LAN 技術の普及が急速に進んでいる

無線端末間で通信を行うアドホックネットワークが注 目されている

端末の増加に伴いパケット衝突によるスループットの

低下が問題となっている

(4)

アドホックネットワーク

アクセスポイントを必要としない無線で接続できる端末のみで構成 されたネットワーク

電波が届かない端末はマルチホップ

問題点

:

隠れ端末問題が大きい

A

DATA

DATA B

C

衝突

(5)

RTS(Request to Send)/CTS(Clear to Send) 方式

◦ RTS/CTS

による送信予約によって隠れ端末問題を解決している

課題 : RTS/CTSもパケットなので衝突してしまう可能性がある

A

RTS

CTS

待機状態

C

B

A

RTS

RTS

C

衝突

B

RTS/CTS RTS/CTS

方式の課題

(6)

RTS/CTS 方式の課題を解決するためにビジートーンを用 いる技術がある

ビジートーンとは

単一周波数の制御信号

パケットではないので素早く伝わる

周波数帯域が狭いため電力消費が少ない

ビジートーンを受信した端末は送信をできなくする

課題点

隣接端末しか制御できないため隠れ端末問題を完全には解決でき

(7)

SBT (Strong Busy Tone)とは

ビジートーンの電波到達範囲を拡大させた制御信号

SBTの適用

各端末が

RTS

および

CTS

を送信するときに、電波強度を拡大した

SBT

を同時に送信することにより遠隔端末を制御する

RTS

CTS

DATA A

B C D

待機状態

(8)

CSMA/CA のバックオフアルゴリズム

バックオフ時間

衝突が発生し再送を行う際に発生

再送のタイミングをずらすための待機時間

バックオフ時間は以下のように計算できる

Δt × randam(0,CW)

 CW

Contention Window

CW

はデータが衝突し再送すると2倍づつ増加していく

(9)

Δt (スロットタイム)

発生した乱数が衝突しない値

現在は

9.0μs

バックオフアルゴリズムの修正

Δ tの値は SBT を使用することにより小さくすることができる

 SBT

はパケットではないため

Δtの値は3.0μsとすることができる

(10)

SBT の適用とバックオフアルゴリズムの修正の効果を 調べるためにシミュレーションを行った

スループットの計測

衝突回数の計測

(11)

ネットワーク構成

試行回数

50回

アドホックネットワーク

台数

37台

電波到達範囲

100m

端末間距離

90

測定端末

台数

2台

トランスポートプロトコル

TCP

背景負荷端末

トランスポートプロトコル

UDP

シミュレーション環境

2 3 4

1

8

7 9

11

5 6

12 13 14 15

10

16 17 18 19 20 21 22

28 27

26 25

24 23

29 30 31 32 33

34 35 36 37

90m

(12)

全てのシミュレーションの条件は以下のものになっている

測定条件

条件

1

:既存の

RTS/CTS

方式

条件

2

SBT

の適用

条件

3

SBT

Δ

tの最適化

条件

4

SBT

Δ

tの最適化と

CW

の値の変更

SBT Δt(μs) CWmin/CWmax

条件

1

9.0 15/1023

条件

2

9.0 15/1023

(13)

SBT Δt(μs) CWmin/CWmax

条件

1

9.0 15/1023

条件

2

9.0 15/1023

条件

3

3.0 15/1023

条件

4

3.0 45/3069

0.501 1.52 2.53 3.54 4.55 5.56

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 310 320

ス ル ー プ ッ ト (

Mbps

時間(秒)

衝突回数 条件

1 135462

条件

2 13289

条件

3 15268

条件 3 条件 2

条件 1

条件 4

(14)

2 3 4 1

8

7 9

11

5 6

12 13 14 15

10

16 17 18 19 20 21 22

28 27

26 25

24 23

29 30 31 32 33

34 35 36 37

50m

試行回数

50回

アドホックネットワーク

台数

37台

電波到達範囲

100m

端末間距離

50

測定端末

台数

2台

トランスポートプロトコル

TCP

背景負荷端末

トランスポートプロトコル

UDP

(15)

SBT Δ

(μs) CWmin/CWmax

条件

1

9.0 15/1023

条件

2

9.0 15/1023

条件

3

3.0 15/1023

条件

4

3.0 45/3069

衝突回数 条件

1 128390

条件

2 9289

条件

3 10839

0.501 1.52 2.53 3.54 4.55 5.56 6.57 7.58 8.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 310 320

ス ル ー プ ッ ト (

Mbps

時間(秒)

条件 1 条件 2

条件 4

条件 3

(16)

90m

2 3 4

1

11

10 1

2 17

8 9

18 1

9 2

0 2

1 1 6 25 2

6 2

7 2

8 2

9 3

0 3

1 41 40 39 38 37 36

47 5

5 1 4 0 4 9 8

57 5

5 9

8 6

0

5 6 7

13 1

4 1

5 22 2

3 2

4 32 3

3 3

4 42 4

3 4

4 4

3 5 5

46 5

2 5

3 5

4 5 5

56 6

1 6

2 6

3 6

4 72 71 70 69 68 67 66 65

7 7 7 7 7 7 7

試行回数

10回

アドホックネットワーク

台数

79台

電波到達範囲

100m

端末間距離

90

測定端末

台数

2台

トランスポートプロトコル

TCP

背景負荷端末

トランスポートプロトコル

UDP

(17)

SBT Δ

(μs) CWmin/CWmax

条件

1

9.0 15/1023

条件

2

9.0 15/1023

条件

3

3.0 15/1023

条件

4

3.0 45/3069

衝突回数 条件

1 238081

条件

2 113282

条件

3 136872

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 310 320

ス ル ー プ ッ ト

(Mbps)

時間(秒)

条件 3 条件 4

条件 2

条件 1

(18)

どの場合においても SBT を適用し Δt を最適化した時 が一番スループットに対して効果がある

CW の増加は衝突回数の減少につながるが、スルー

プットは SBT を適用し Δt の値を最適化したほうが良い

(19)

SBT の適用とバックオフアルゴリズムの修正の効果を 確かめるためにシミュレーションを行った

Δtの値の最適化によるスループットの向上

衝突回数の減少よりも待ち時間の減少

SBT の適用と Δt の値の最適化がスループットの向上

に対してどのような場合でも効果的

(20)
(21)

B

C

D A

RTS

CTS

DATA

待機状態

(22)

最適化する前の Δt の値

端末の状態判定時間:4.0μs

伝搬時間:1.0μs

送受信間往復時間:2.0μs

MACの処理時間:2.0μs

合計の

9.0μs

最適化した後の Δt の値

伝搬時間:1.0μs

送受信間往復時間:2.0μs

合計の

3.0μs

(23)

伝搬時間

SBTは100m先に対して0.3μs

 3

ホップ先に対して届かせるため

1.0μs

送受信間往復時間

端末の送信及び受信状態のスイッチに用いる時間

実装側に依存した値

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