卒業研究論文
微分方程式を用いたビール業界主要各社間の販売力の分析
学籍番号
12D8102012K櫻井 大陸
中央大学理工学部情報工学科 田口研究室
2016
年
3月
あらまし
本研究では,ビール業界大手三社を対象とし,各社の売り上げデータを用いて,日本全体 と地域ごとにどの会社が優位に立っているかを調べる。そして、翌年の売り上げを最大化 するために、どの地域に営業資源を投下するか考えるモデルを導く.
キーワード:ビール,ランチェスターモデル,線形計画法
i
目次
第1章 序論 ... 1
第2章 酒類データ ... 2
2.1 お酒,ビールの全体データ ... 2
2.2 キリンビールのデータの説明 ... 4
2.3 アサヒビールのデータの説明 ... 5
2.4 サントリービールのデータの説明 ... 6
第3章 ランチェスターモデル ... 7
3.1 ランチェスターモデルの説明 ... 7
ランチェスター第1法則「一騎打ちの法則」 ... 7
ランチェスター第2法則「集中効果の法則」 ... 9
3.2 マーケットにおけるランチェスターモデルの適用方法 ... 11
パラメータ推定の方法 ... 11
回帰分析とは ... 11
最小二乗法 ... 12
固有値,固有ベクトルの解析 ... 13
第4章 ランチェスターモデルのパラメータがあらわす三社の力関係 ... 16
4.1 全国データ ... 16
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 17
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 17
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 18
4.2 地域データ ... 19
4.3 北海道データ ... 20
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 21
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 21
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 22
4.4 東北データ ... 22
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 23
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 23
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 23
4.5 関東甲信越データ ... 24
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 25
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 25
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 25
4.6 首都圏データ ... 26
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 26
ii
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 27
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 28
4.7 東海データ ... 29
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 30
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 30
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 30
4.8 北陸データ ... 31
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 32
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 32
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 32
4.9 近畿データ ... 33
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 34
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 34
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 35
4.10 中国データ ... 36
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 37
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 37
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 37
4.11 四国データ... 38
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 39
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 39
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 39
4.12 九州データ ... 40
Xがキリン,Yがアサヒの場合 ... 41
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合 ... 41
Xがキリン,Yがサントリーの場合 ... 41
5章 線形計画法を用いた翌年の売り上げの最大化 ... 43
5.1 線形計画法のモデルの説明 ... 43
5.2 線形計画法を用いた翌年の最高売り上げ ... 45
第6章 結論 ... 47
6.1 まとめ ... 47
6.2 今後の課題 ... 48
謝辞 ... 49
参考文献 ... 50
1
第
1章 序論
私は小売酒屋に産まれ,小さい頃からビール業界において、どこの会社が力を持ってい るのか,地方ごとによって力関係は変わるのか,どうすれば売れ行きがよくなるのか知り たいという好奇心をずっと持っていたので本研究を始めた.
本研究では,売り上げデータをランチェスターモデルに当てはめてパラメータを導き,三社の 力関係を考える。そして,推定したパラメータを用いて翌年の売り上げが最大化するにはどの 地域に営業資源を投下すればいいか考える.論文の前半では,データの紹介,ランチェスター モデルの説明をする.後半ではモデルを適用して各社の日本全体と地域ごとの力関係を推測 し,線形計画法を用いてどの地方に営業資源をより多く投下すればいいかを導く.
2
第
2章 酒類データ
2.1
お酒,ビールの全体データ
図 2.1 一人当たりのお酒,ビールに使う値段
図2.2 消費量が伸びた酒類
表2.1は,2001年から2013年までのお酒全体,ビールの消費金額をそれぞれ年度ごとの 20歳から64歳までの日本の人口で割ったものである.お酒全体は一度下がったもののま たじわじわと上がってきているのがわかる.しかしビールは年々じわじわと落ちているの が表からよくわかる.
お酒全体として挙がった原因は果実酒,リキュール,またウイスキーやスピリッツ等の商 品の影響も強いと考えられる.
ビールの消費金額が年々下がっている原因として若者のビール離れやいままで飲んでいた 0
10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000
円
ビール 円 お酒全体 円
0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000
kl(キロリットル)
果実酒 リキュール ウイスキー スピリッツ等
3
人たちが年を取りビールから離れていったことなどが考えられる.
4
2.2
キリンビールのデータの説明
キリンは2014年に5年連続でビールの販売数量が前年を下回った.時価総額でアサヒグル ープホールディングス(HD)に抜かれ,初めて飲料業界首位の座から陥落.売上高でもサ ントリーHDに抜かれ2位に.営業利益ではアサヒ,サントリー両社に抜かれて一気に3位 へ転落した.そこでてこ入れを行い事業会社であるキリンビール社長・磯崎功典氏が,2015 年3月からHD 社長に就任した.磯崎新社長は,これまでの利益重視の経営をやめ,マー ケティング投資や広告費,量販店・外食店への販促費を増やし,販売数量を追う方針への転 換を打ち出した.その結果,グラフにはまだないがキリンは業界で唯一,ビール類の2015 年上半期出荷数量がプラスとなる”独り勝ち”で折り返した.
近年,ビール市場は客の嗜好の多様化により,味の違いや個性を楽しめるビールへの飲用意 向が高まっていることから,キリンは主力ブランド「一番搾り」を都道府県ごとに合わせた 一番搾りを発売し当初予定の三倍の売り上げを記録するなど,ニーズに合わせた販売戦略 をとった.それによって,アサヒの主力商品である同価格帯のスーパードライは,その影響 を大きく受けビール市場の縮小よりも落ち込み幅が多くなってしまった.現在のビール市 場は需要が伸びないゼロサムなので,他社の戦略は当然スーパードライからいかにシェア を奪うかというのが課題となっている.この好調を維持して上記のようにアサヒからシェ アを奪っていきたい.
0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 1,800,000
kl(キロリットル)
キリン ビール類売り上げ
ビール 発泡酒 新ジャンル
5
2.3
アサヒビールのデータの説明
1987年に消費者アンケートを取り従来の“苦い”,“濃い”の概念にとらわれない「キレ」
「生」「辛口」という味の差別化を徹底的に追求したスーパードライの発売により2001年 にキリンから首位を奪った.その後,今日までキリンと壮絶な首位争いをしてきたアサヒ であるが近年のビール不況の煽りや他企業の戦略の影響を受け年々下がっているのが現状 である.
近年のビール事業は目標値には届かないが,ドラマの影響でウイスキー事業の好調や,キ リン,サントリーに遅れるも清涼飲料の海外展開を東南アジアなどで開始したりなどアサ ヒHDとしての売り上げは伸びている.
そしてビール事業も首位を維持できている理由として一点集中戦略といわれるスーパード ライに集中的に投資して(消費者に届くまでの期間を短くしてよりおいしいものを飲んで もらう等)より消費者にアサヒのビールはうまいというイメージを植え付けることや,
TVCMや店頭販売,工場見学といった消費者との質の高いコミュニケーションを行うこと でより商品をよりしってもらうことに成功したところにあると考えられる。.
0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000
kl(キロリットル)
アサヒ ビール類売り上げ
ビール 発泡酒 新ジャンル
6
2.4
サントリービールのデータの説明
不況が続くビール業界において唯一といっていいレベルで売り上げが伸びているサントリ ー,万年ビール事業においては最下位の四位で,サントリーのアルコール商品と言ったら ウイスキーであったが2005年にプレミアムモルツ(プレモル)がモンドセレクションのビー ル部門から日本勢初の最高金賞を受賞しその三年後にビール業界参入してから初の黒字に 転換した.
またその間に日本のビール市場がビールと第三のビールの二極化状態が進んだ.
サントリーは「金麦」がヒットして第三のビール市場でもシェアを伸ばしプレモルと金麦 の二枚看板で好調を堅持した.
好調の理由としてプレモルだけで言えばブランド力の向上があるといえ,2商品に共通し て言えることは消費者との接点を拡大に取り組むなど,マーケティング事業に力を入れた からといえる.また表にはないがノンアルコールビール市場でも「オールフリー」が堅調 に伸びている.
近年のサントリーHD,そしてビール事業が好調なこともあり今までウイスキー事業の売 り上げに寄りかかっていたビール事業を分社化して事業の独立性,自覚を持たせ,ういた ウイスキー事業はM&Aに使っていくという作戦である.
飲料業界全体で見ればキリンを抜いて業界一位に躍り出るなど企業努力がしっかりと結果 につながっている.
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000
kl(キロリットル)
サントリー ビール類売り上げ
ビール 発泡酒 新ジャンル
7
第
3章 ランチェスターモデル
3.1
ランチェスターモデルの説明
このモデルは1914年にイギリスのフレデリックランチェスターによって作られた.もと もと軍事作戦用に作られたモデルで第二次世界大戦中に連合国側で軍事作戦や攻撃効果の 分析と決定に応用され,大きな成果を挙げた.ランチェスターが発表した法則は二つあ る.
ランチェスター第
1法則「一騎打ちの法則」
X軍対Y軍が古代の戦闘のように一人一人が一騎打ちで戦う場合,戦闘能力が同じ人 間同士30人対20人で戦いを行うと,30人側は10人残り20人側は全滅する.お互 い列になって戦っていると想像してもらうとわかりやすい.
X 軍が一回の戦闘で減る人数=∆x
Y 軍が一回の戦闘で減る人数=∆y
戦闘中の単位時間=∆t
実際の戦闘ではあるときでは激しく,あるときは休むという状態になる.このような 状態を平均化して考えたときに戦闘はほぼむらなく行われていると見たときに,∆t 時 間内に生じる X 軍,Y 軍の減少数∆x,∆yはそれぞれ敵の持つ武器の性能に比例すると 考える.したがって,正の定数α,βをうまく選べば,
∆x = −α∆t, ∆y = −β∆t (3.1)
と表すことができる.ここでα,βはそれぞれ X 軍,Y 軍の武器の性能によって決まる 定数であるとする.(3.1)より
∆x
∆t = −𝛼 (𝛼 > 0), ∆y
∆t = −𝛽(β > 0) (3.2)
を得る.
(3.2)を両者ともに時間tの連続関数で,tについて微分可能であると仮定した dx
dt = −𝛼
,
dydt = −β
(3.3)
と書き換えることができる.
戦闘開始の時点をt = 0とし,そのときの X 軍,Y 軍の戦闘員数を
x(0) = 𝑥0, 𝑦(0) = 𝑦0 (3.4)
とする.戦闘の時間的推移を見るためには,初期条件(3.3)をみたす(3.2)の解x(t), y(t) を求めればよい.解は求積法を用いて求める.どちらの式も別々にtについて積分すれ ば
x(t) = −αt + 𝑐1, 𝑦(𝑡) = −𝛽𝑡 + 𝑐2
8 を得る.ただし𝑐1, 𝑐2は積分定数である.
ここでt = 0とおけば,𝑐1 = 𝑥0, 𝑐2 = 𝑦0,ゆえに
x(t) = −αt + x0, 𝑦(𝑡) = −𝛽𝑡 + 𝑦0
(3.5) これでx(t), y(t)が解けた.そしてxとyの関係を直接求めるためには,(3.5)を
x0− x(t) = αt, 𝑦0− 𝑦(𝑡) = 𝛽𝑡
と変形し,第 1 期を第 2 式でわってtを消去すれば良い,すなわち x0−𝑥(𝑡)
𝑦0−y(t) = α/β (3.6) ここで
E = α/β
とおくと
x0− x(t) = E(𝑦0− 𝑦(𝑡)) (3.7)
を得る.この式が一騎打ちの法則である.この式からわかるように個人個人の戦いの ときは
(戦闘力)=(武器の性能)×(戦闘員数)
といえることがわかった.したがって,お互いに同じ性能の武器をもっているときは 人数に比例して強さが決定されるといえる.
9
ランチェスター第2法則「集中効果の法則」
一騎打ちの戦いとは違い近代戦では武器の主力が火砲--マシンガン,大砲などに変 わり一対一から集団的に,確率的に行われるようになった.
特に近代戦では陸軍でも海軍でも主要戦力を戦場の一点に集中させて戦況を有利に展 開するための努力が払われる.これを集中効果と呼ぶことにする.そこでの戦闘は特 定の戦闘員を目標にするわけではなく,まったくランダムに各戦闘員が狙われると考 えてよいだろう.最初に確率的といったのはこういう意味である.
このような違いを踏まえて集中効果の場合の戦闘の時間的推移をモデル化していく.
現在 X 軍の戦闘員数は x 人,Y 軍の戦闘員数は y 人とし各戦闘員の資質・戦闘力はすべ て等しいものと仮定する.戦闘は時間的に一様に行われるものと仮定する.
近代戦では戦場の一点に兵力を集中し,戦闘は集団的に行われるから,∆t時間内に生 じる X 軍,Y 軍の戦闘員の減少数∆x, ∆yはそのときの敵の戦闘員数x, yと武器の性能にも 比例すると考えられる,したがって
∆x = −αy∆t, ∆y = −βx∆t
(
α, β > 0)
両辺を∆tでわると
∆x
∆t = −𝛼𝑦 (𝛼 > 0), ∆y
∆t = −𝛽𝑥(β > 0)
ここで(3.3)と同様に考えれば,近似的に次の微分方程式系 dx
dt = −𝛼𝑦
,
dydt = −βx
(3.8) で置き換えることができる.
ここで,戦闘開始時の時点 t=0 で,X 軍,Y 軍の戦闘員数がそれぞれ
x(0) = 𝑥0, 𝑦(0) = 𝑦0
(3.9)
であったとする.これが初期条件である.そして戦闘の時間的推移を見るには初期条 件を満たす(3.8)の解を求めればよいが,ここでは x と y の関係を直接導入してみる.
(3.8)の第一式に2βxをかけ次に第二式に−2αyをそれらの式を足すと
β2x (dx
dt) − α2y (dy dt) = 0
を得る.これを dt について積分すれば,
βx2− 𝛼𝑦2 = 𝑐
ここでt = 0とおけば,初期条件(3.8)よりc = βx02− 𝛼𝑦02これを上の式に代入して,整 理すると
β(x02− x2) = α(y02− y2)
(3.10)
10
を得る.ここでx, yは戦闘中の任意の時点の X 軍と Y 軍の生存者数を表すから,
x02− x2
,
y02− y2は戦闘中の戦死者が戦闘員数の二乗の割合で生じることを表して いる.α, βはそれぞれの軍の武器の性能を表す定数と考えているから(3.10)より近似的 に,(戦闘力) = (武器の性能) × (戦闘員数)2であると考えてよい.一騎打ちの戦いとの違いは戦闘力が戦闘員数の二乗に比例する点である.
11
3.2
マーケットにおけるランチェスターモデルの適用方法
ランチェスターモデルは第二次世界大戦以降マーケティングの戦略の一つとして活用 され始める.
日本におけるランチェスターの法則は経済的な関心から知られており,ランチェスタ ーの理論を競合する大企業に対して中小企業がとるべき経営戦略,営業戦略に応用し たものがランチェスター経営などと呼ばれるようになる.
3.1に示した式を見ると初期の人数を変えることができないとしたら,勝つためには性 能のよい武器を使うことが重要であることがわかる.しかしそれ以上に大切なのが,
3.1で示したように第二法則で攻めたときに人数差があると戦力差が二乗になるといっ たことがあるので,性能や人数を見て第一法則と第二法則のどちらが適用されそうか を見極めて,性能と人数に基づいた戦略をたて,戦闘を行うかを決めるということで ある.
パラメータ推定の方法
三企業ともそれぞれに相手の売り上げ分を奪う努力,自分の売り上げを伸ばす努力を して,それぞれの影響が結合されて売り上げになったと考えられる.
したがって三企業が絡んだ式を作り売り上げデータを当てはめてモデル推定をするこ とが望ましい,しかし,データの量が限られていて,安定した結果が得られないので 二企業同士のモデルを作成することを考える.ここで,
X 社の単位時間当たりに増えるもしくは減る売り上げの値=∆x = dx
Y 社の単位時間当たりに増えるもしくは減る売り上げの値
=
∆y = dy単位時間
=
∆t = dtX 社のその年の売り上げ= x
Y 社のその年の売り上げ= y
とし,二社の売り上げの推移を見るためにランチェスター第二法則を拡張し,以下の
微分方定式としてモデル化する.
dx
dt = ax + by, dydt = cx + ey (3.11)
パラメータa, b, c, eは売り上げと,地域の売り上げデータを基にして企業の自社売り 上げに対する能力,他社売り上げに対する影響力(3.1でいうところの武器の性能)を表 している.このパラメータの推定は回帰分析を使って行う.
回帰分析,最小2乗法について説明する.
回帰分析とは
回帰分析とは,原因となる説明変数(独立変数)x1,x2,…,xpによって,その結果である目的
12
変数(従属変数)yを推定する式を導く統計処理のことである.目的変数と説明変数の関係 は
,
Y=𝑏1x1+ 𝑏2𝑥2+ ⋯+𝑏𝑝𝑥𝑝 + 𝑏0 (a)
が回帰式と呼ばれる.ここでは一次式を仮定する.ここで,Yとは実測値をyとしたとき の予測値のことであり,𝑏0を切片,𝑏1, 𝑏2,…,𝑏𝑝を偏回帰係数という.
(a)式を導くことによって,x1,x2,…,xpからyの予測を行い,p個の説明変数のうち,どの
説明変数xiがyともっとも関係が強いのかを調べることができる.
最小二乗法
最小次乗法とは回帰式のような,説明変数と目的変数の関係を仮定したとき,各変数の 実測値の組から,切片と偏回帰係数を推定する方法である.この方法では説明変数の差の 二乗の和を最小にするように,係数を推定する.
説明変数が一個のときに説明するN組のデータ
(x1, y1), (x2, y2), … , (xn, yn)
についてyiとxiの間に一次の関数関係
yi= 𝛼 + 𝛽𝑥𝑖, 𝑖 = 1,2, … , 𝑛
があるものとする.この係数α,βの値をn組のデータ(xi, yi)から推定するため,次のよ うに考える.
仮にα,βの推定値が求まったとして,それらの値をa,bで表す.このときyi
の予測値
Yiは,
Yi= 𝑎 + 𝑏𝑥𝑖, 𝑖 = 1,2, … , 𝑛 となる.この予測値Yi
と
この実測値yiとの差を
ei= 𝑦𝑖− 𝑌𝑖, 𝑖 = 1,2, … , 𝑛 とおく.eiは残差と呼ばれる.この残差の平方和
S = ∑ 𝑒𝑖2
𝑛
𝑖=1
= ∑(𝑦𝑖− 𝑎 − 𝑏𝑥𝑖)2
𝑛
𝑖=1
が最小となるようにα,βの推定値a,bを求める.
13
式(3.10)のパラメータa,b,c,eを推定するには次のような工夫が必要となる.
データにはdx
dt,dydtに対応するものがなく,x社,y社の各年の売り上げx1, 𝑥2, … 𝑥𝑛
と
y1, 𝑦2, … 𝑦𝑛のみがある.そこでdxdt,dydtの変わりに前年との売り上げの差
dxi = xi− 𝑥𝑖−1, dyi = yi − 𝑦𝑖−1
を用いる.
((dx1, dy1), (dx2, dy2), , , , (dxn, dyn))を目的変数のサンプルとし,
((x1, y1), (x2, y2), , , , , (xn, yn))を説明変数のサンプルとして,回帰分析を用いて二つの回帰式
dxi = axi+ byi dyi = cxi+ eyi
からa,b,c,eを推定することができる.
固有値,固有ベクトルの解析
微分方程式(3.10)においてa,b,c,eが求まったので,係数行列の固有値,固有ベクトルを 求めて微分方程式の解の性質を調べる.まず
dx
dt = (𝑎 𝑏𝑐 𝑒) (𝑥𝑦)
(1)
を解く.そして
(𝑦𝑥) = (𝑐𝑐1
2) 𝑒𝜆𝑡
(2)
と置き(1)の両辺に代入してみると
λ
(𝑐𝑐12) 𝑒𝜆𝑡 = (𝑎 𝑏𝑐 𝑒) (𝑥𝑦) = (𝑎 𝑏𝑐 𝑒) (𝑐𝑐1
2) 𝑒𝜆𝑡
(3)
となり
(𝑎 𝑏𝑐 𝑒) (𝑐𝑐1
2) =
λ
(𝑐𝑐12)
(4)
が得られる.λが固有値であり(𝑐1, 𝑐2)tが固有ベクトルである.固有方程式
𝜆2− (𝑒 + 𝑎)𝜆 + 𝑎𝑒 − 𝑏𝑐 = 0
を解くと,固有値
𝜆1 =(𝑎+𝑒)+√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐
2
(5)
𝜆2 = (𝑎+𝑒)−√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐
2
(6)
が求まる.
14 𝜆1の固有ベクトルは
(𝑐𝑐11
12) = ({(𝑒−𝑎)+√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
)
(7)
𝜆2の固有ベクトルは
(𝑐𝑐21
22) = ({(𝑒−𝑎)−√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
)
(8)
となる.
これらを(2)に代入することで二つの微分方程式の解が得られ,これらの線形結合
(𝑥(𝑡)𝑦(𝑡)) =
ω
1({(𝑒−𝑎)+√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
) 𝑒𝜆1𝑡+
ω
2({(𝑒−𝑎)−√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
) 𝑒𝜆2𝑡 (9)
が一般解になる.更に初期条件(𝑥(𝑡)𝑦(𝑡)) = (𝑥𝑦0
0)から (𝑥𝑦0
0) =
ω
1({(𝑒−𝑎)+√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
) +
ω
2({(𝑒−𝑎)−√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐}1 2𝑏
)
(10)
をω1,ω2について解くと
ω
1 =𝑥20 +{2𝑏𝑦0−𝑥0(𝑒−𝑎)}2√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐
(11)
ω
2 = 𝑥20 +{𝑥0(𝑒−𝑎)−2𝑏𝑦0}2√(𝑎−𝑒)2+4𝑏𝑐
(12)
が得られる.
ここで得られた微分方程式の解の性質は固有値が実数の場合と虚数の場合で異なる.
(ⅰ)固有値が実数の場合
λ1> 𝜆2の場合(9)の一項に比べて二項は急速に減少する.十分に時間が経過すると第
一項のみが残ると考えられる.ω1𝑐11,ω1𝑐12の値が正の場合には(7)のc11, 𝑐12の比が将来 的なシェアの比となる.ω1𝑐11,ω1𝑐12の符号が異なる場合には正の係数を持つほうが勝 ち,他方は衰退する.
(ⅱ)固有値が虚数の場合
(5),(6)よりλ1と𝜆2は複素共役となり,更に(7),(8)よりc11とc12も,c21とc22も複素共
役である.(11),(12)よりω1とω2も複素共役の関係にある.
15
λ
1 = 𝛼 + 𝛽𝑖 (13)(𝜔𝜔1𝑐11
1𝑐12) = 𝛾⃗ + 𝑖𝛿⃗ (14)
と置き.これらを(9)に代入すると
(𝑥(𝑡)𝑦(𝑡)) = 2eαt( 𝛾⃗ cos 𝛽𝑡 − 𝛿⃗ sin 𝛽𝑡) (15)
となる.三角関数が現れたので周期的に上がったり下がったりするので,その二社間で シェアを争い勝ったり負けたりしていることがわかる.
𝛾⃗ = (𝛾1, 𝛾2)𝑡と𝛿⃗ = (𝛿1, 𝛿2)𝑡と置く.シェアの比が𝛾1: 𝛾2の時と𝛿1: 𝛿2の時の間を周期的に行 き来する.もし𝛾1> 𝛾2かつ 𝛿1> 𝛿2ならばX社が勝っており,もし𝛾1> 𝛾2かつ 𝛿1< 𝛿2なら ば二社間で勝ち負けが周期的に入れ替わる.
16
第
4章 ランチェスターモデルのパラメータがあらわす三 社の力関係
4.1
全国データ
3章で説明したランチェスターモデルに対して,回帰分析によって,二社間のパラメータを 推定し,そこから求めた固有値,固有ベクトルを用いて各社間の力関係を見ていく.
大手三社の年間売り上げを(図 4.1)に,その年の売り上げから前年の売り上げを引いたもの を(表 4.1)に示した.キリン,アサヒは年々売り上げが落ちているのに対し,サントリーが 上がっているのがわかる.
図 4.1 ビール類(ビール,発泡酒,新ジャンル)の三社の消費量合計
表 4.1 前年との消費量の差 (単位:kl)
ビール類全体(KL) キリン アサヒ サントリ
ー 2006-2005 108,265
-79,96216,105 2007-2006 1,120 1,365 10,107 2008-2007
-97,680 -75,11968,673 2009-2008
-20,112 -64,805 -23,6092010-2009
-118,967 -63,02113,015 2011-2010
-104,974 -57,946 -9162012-2011
-55,404 -42,31039,832 2013-2012
-64,492 -18,19018,893 2014-2013
-116,0445,347 25,390
0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000
2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
kl(キロリットル)
キリン アサヒ サントリー
17
三社のうち二社を選んで三章で述べたランチェスターモデルへの回帰分析を行う.
X
がキリン,
Yがアサヒの場合
今回は,線形回帰の切片がないとして,二社の互いの影響に注目して議論を進める.𝑣1, 𝑣2 は固有ベクトルである.固有値に虚数が出たので,二社間で勝ち負けを繰り返しているとい える.このとき,シェアの値が0以下になるときがあり,会社がなくなっていると思われる が,切片を考慮すれば即座に 0 以下にならないはずである.一方が他方を圧倒するのでは なく,周期的に成長,衰退が入れ替わるような力関係をあらわしていると考えられる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (−0.00215 0.376647
−0.33434 0.428652) (𝜆1
𝜆2) = (0.213251 + 0.2820116𝑖 0.213251 − 0.2820116𝑖) v1= (0.7278408 + 0.0000000𝑖
0.4162456 + 0.5449654𝑖) v2= (0.7278408 + 0.0000000𝑖
0.4162456 − 0.5449654𝑖) (𝜔1
𝜔2) = (1553821 − 1071874𝑖 1553821 + 1071874𝑖)
図4.2 キリンとアサヒ 二社間の実測値と予測値
X
がアサヒ,Y がサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてサントリーの勝ちとわかる.
0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000
kl(キロリットル)
キリン 実測値 アサヒ 実測値 キリン 予測値 アサヒ予測値
18 (𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.044359 0.377679 0.240077 0.720785) (𝜆1
𝜆2) = (0.83540759
−0.07026359) v1= (−0.4308532
−0.9024220) v2= (−0.9569017
0.2904121 ) (𝜔1
𝜔2) = (−1364874
−1958143)
図4.3 アサヒとサントリー 二社間の実測値と予測値
X
がキリン,
Yがサントリーの場合
固有値が虚数となり,二社は勝ち負けを繰り返す.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (−0.06352 − 1.309230.160241 0.781807) (𝜆1
𝜆2) = (0.3591435 + 0.1764876𝑖 0.3591435 − 0.1764876𝑖) v1= ( 0.9439032 + 0.0000000𝑖
−0.3047237 − 0.1272406𝑖) v2= ( 0.9439032 + 0.0000000𝑖
−0.3047237 + 0.1272406𝑖) (𝜔1
𝜔2) = (1198147 + 5474790𝑖 1198147 − 5474790𝑖) 0
500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000
kl(キロリットル)
アサヒ 実測値 アサヒ 予測値 サントリー 実測値 サントリー 予測値
19
図4.4 キリンとサントリー 二社間の実測値と予測値
4.2
地域データ
大手三社を合計した地方ごとの売り上げを(図 4.5)に示した.各都道府県を 10 個の地域に 分けて,それぞれの地域のビール消費量を求めそれを三社の地域ごとのシェアをかけて,三 社の地域ごとの売り上げを求める.
東北は青森,岩手,宮城,秋田,山形,福島.
関東甲信越は茨城,栃木,群馬,山梨,新潟,長野.
首都圏は千葉,東京,埼玉,神奈川.
東海は岐阜,静岡,愛知,三重.
北陸は富山,石川,福井.
近畿は滋賀,京都,大阪,兵庫,奈良,和歌山.
中国は鳥取,島根,岡山,広島,山口.
四国は徳島,香川,愛媛,高知.
九州は福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島と分けた.今回沖縄県のデータが取れ なかったので除く.また全国だとデータが2014年まであるが地方だとデータが2013年ま でしか取れなかった.首都圏,近畿での売り上げが非常に大きい.
0 500000 1000000 1500000 2000000 2500000 3000000
kl(キロリットル)
キリン サントリー
キリン 予測値 サントリー 予測値 キリン 実測値 サントリー 実測値
20
図 4.5 地域別 ビール類消費量
4.3
北海道データ
各社の北海道での各社の消費量を(図 4.6)に示し,単位時間当たりの消費量を(表 4.2)に示 した.今回含めなかったサッポロビールのお膝元で,データには載せてないが売り上げは高 かった.キリンが年々売り上げを落とし,アサヒは一回落ちたものの少しずつ盛り返して,
サントリーは微増している.
図 4.6 北海道のビール消費量 0
200000 400000 600000 800000 1000000 1200000
kl(キロリットル)
地域
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 50000
2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年
kl(キロリットル)
北海道 キリン 北海道 アサヒ 北海道 サントリー
21
表 4.2 前年との消費量の差 (単位:kl)
北海道
キリン
北海道 アサヒ
北海道 サントリー
2006-2005 1,065 118
-1732007-2006
-1,712 -1,183938 2008-2007
-5,238 -5,2982,170 2009-2008
-1,484 -1,084 -1,7362010-2009
-319172 591
2011-2010
-1,483569 320
2012-2011
-759119 912
2013-2012
-942858 656
Xがキリン,Yがアサヒの場合
固有値に虚数が出たので,二社間で勝ち負けを繰り返す.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (−0.28431 0.589862
−0.59809 0.829721) (𝜆1
𝜆2) = (0.2727055 + 0.2062142𝑖 0.2727055 − 0.2062142𝑖) v1= (0.6608221 − 0.2446447𝑖
0.7095513 + 0.0000000𝑖) v2= (0.6608221 + 0.2446447𝑖
0.7095513 + 0.0000000𝑖) (𝜔1
𝜔2) = (30327.31 + 794.01𝑖 30327.31 − 794.01𝑖) Xがアサヒ,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてサントリーの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.004459 − 0.14618 0.25329 0.811778 ) (𝜆1
𝜆2) = (0.76296362 0.05327338) v1= ( 0.1892390
−0.9819311) v2= (−0.9485124
0.3167399 ) (𝜔1
𝜔2) = (−29778.30
−51314.86)
22 Xがキリン,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてサントリーの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (−0.31081 − 1.51306 0.342486 1.397852) (𝜆1
𝜆2) = (1.0036075 0.0834345) v1= ( 0.7549234
−0.6558130) v2= (−0.9676902
0.2521424 ) (𝜔1
𝜔2) = (−51255.29
−81807.41)
4.4 東北データ
各社の東北での消費量を(図 4.7)に示し,単位時間当たりの消費量を(表 4.3)に示した.三社 とも2005年から2010年まで売り上げが毎年落ちていたが,2011年から売り上げが上向き になった.震災復興の影響もあると考えられる.
図 4.7 東北のビール消費量
表 4.3 前年との消費量の差 (単位:kl)
東北
キリン
東北 アサヒ
東北 サントリー 2006-2005 1,745
-5,665170 2007-2006
-1,057 -2,75975
0 20000 40000 60000 80000 100000 120000
2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年
kl(キロリットル)
年
東北 キリン 東北 アサヒ 東北 サントリー
23
2008-2007
-6,805 -7,3481,263 2009-2008
-2,060 -5,186 -1,6062010-2009
-6,743 -9,729 -1,8312011-2010 3,221 2,383 2,719 2012-2011 2,091 3,163 2,634 2013-2012
-1,213 -247963
Xがキリン,Yがアサヒの場合固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてアサヒの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (3.971137 − 2.46188 4.514948 − 2.96875) (𝜆1
𝜆2) = ( 1.4630915
−0.4607045) v1= (0.7005083
0.7136443) v2= (0.4856046
0.8741786) (𝜔1
𝜔2) = (45157.93 86779.84) Xがアサヒ,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてサントリーの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (−0.08031 1.532978
−0.00467 0.568762) (𝜆1
𝜆2) = (0.55753832
−0.06908632) v1= (−0.9232677
−0.3841573) v2= (−0.999973199
−0.007321294) (𝜔1
𝜔2) = (−53105.48
−59058.79) Xがキリン,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてキリンの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (1.70388 0.695162 0.005781 0.572474) (𝜆1
𝜆2) = (1.7074209 0.5689331)
24 v1= (0.999987028
0.005093564) v2= (−0.5223159
0.8527521 ) (𝜔1
𝜔2) = (86266.67 23915.32)
4.5
関東甲信越データ
各社の関東甲信越での消費量を(図 4.8)に示し,単位時間当たりの消費量を(表 4.4)に示し た.キリン,アサヒ共に年々売り上げを落としており,サントリーは微増といったことがわ かる.
図 4.8 関東甲信越のビール消費量
表 4.4 前年との消費量の差 (単位:kl)
関東甲信越
キリン
関東甲信越 アサヒ
関東甲信越 サントリー 2006-2005
-4,990 -6,7761,014
2007-2006
-4,851 -4,340632
2008-2007
-8,024 -10,5791,253
2009-2008
-52 -14,329 -4892010-2009
-8,024 -3,782601
2011-2010
-1,411 -2,158454
2012-2011
-1211,788 1,838
2013-2012
-3,635 -2,185 -1,3620 20000 40000 60000 80000 100000 120000 140000
2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年
kl(キロリットル)
関東甲信越 キリン 関東甲信越 アサヒ 関東甲信越 サントリー
25 Xがキリン,Yがアサヒの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてキリンの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.483169 − 0.38022
−1.04046 0.516488) (𝜆1
𝜆2) = ( 1.1290194
−0.1293624) v1= ( 0.5073254
−0.8617546) v2= (−0.5273910
−0.8496227) (𝜔1
𝜔2) = ( 30744.02
−184535.76) Xがアサヒ,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてアサヒの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.146332 3.53433 0.076459 0.718704) (𝜆1
𝜆2) = ( 1.0259266
−0.1608906) v1= (−0.9703996
−0.2415050) v2= (−0.99624327
0.08659872 ) (𝜔1
𝜔2) = (−113773.28
−19961.43) Xがキリン,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてキリンの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.136317 1.760961 0.161229 1.030417) (𝜆1
𝜆2) = ( 1.278904
−0.112170) v1= (−0.8388869
−0.5443058) v2= (−0.9901904
0.1397245 )
26 (𝜔1
𝜔2) = (−62899.34
−60750.22)
4.6
首都圏データ
各社の首都圏での消費量を(図 4.9)に示し,単位時間当たりの消費量を(表 4.5)に示した.地 域の中で一番売り上げが高く,各社ともここでの勝敗がその年の利益に直結すると考えら れるのが首都圏である.キリン,アサヒ共に売り上げを少しずつ落とす中,サントリーが 年々微増しているのがわかる.
図 4.9 首都圏の三社のビール消費量
表 4.5 前年との消費量の差 (単位:kl)
首都圏
キリン
首都圏 アサヒ
首都圏 サントリー 2006-2005
-19,693 -47,583 -17,9012007-2006 37,119 33,686 23,177 2008-2007
-22,937 -18,7934,441 2009-2008
-13,556 -6,981 -3,6292010-2009
-11,7512,537 8,894 2011-2010
-17,075 -11,1861,421 2012-2011
-12,222 -3,5616,310 2013-2012
-5,529473 5,405
Xがキリン,Yがアサヒの場合固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてアサヒの勝ちとわかる.
0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 400000
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 首都圏 キリン 首都圏 アサヒ 首都圏 サントリー
27 (𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = ( −0.598 2.271992
−1.36523 3.772022) (𝜆1
𝜆2) = (2.8802555 0.2937665) v1= (−0.5468696
−0.8372178) v2= (−0.9308633
−0.3653678) (𝜔1
𝜔2) = (−321782.4
−182805.1)
図4.10 首都圏でのキリンとアサヒ二社間の実測値と予測値
Xがアサヒ,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてアサヒの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (1.382611 1.146644 0.745397 0.618791) (𝜆1
𝜆2) = (2.0009810837 0.0004209163) v1= (0.8801677
0.4746629) v2= (−0.6384802
0.7696382 ) (𝜔1
𝜔2) = (350046.08
−44001.07) 0
50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 400000
2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
kl(キロリットル)
キリン 実測値 アサヒ 実測値 キリン 予測値 アサヒ 予測値
28
図4.11 首都圏でのアサヒとサントリーの二社間の実測値と予測値
Xがキリン,Yがサントリーの場合
固有値が実数となり,ω1𝑐11,ω1𝑐12の値を比べてサントリーの勝ちとわかる.
(𝑎 𝑏
𝑐 𝑒) = (0.54677 0.724979 0.388312 0.930176) (𝜆1
𝜆2) = (1.3026255 0.1743205) v1= (−0.6922126
−0.7216936) v2= (−0.8894857
0.4569630 ) (𝜔1
𝜔2) = (−287859.8
−165128.5) 0
50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000
2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年
kl(キロリットル)
軸ラベル
アサヒ 実測値 サントリー 実測値 アサヒ 予測値 サントリー 予測値