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居住収縮斜面住宅地における住宅・宅地の更新特性に関する研究 [ PDF

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35-1 の傾向が続くことが予想される(図1)。 2-2.調査概要  本研究では地域まちづくり協議会や自治会の協力の もと、表1に示す調査を実施した。まず、住宅・宅地 の現況調査を行い、地区の土地利用の状態、居住世帯 の有無を画地レベルで把握した。また、地区内に居住 する世帯に関しては自治会資料をもとに分析用のデー タを作成し、聞き取り調査で補足を行った。これらの 現況調査と既往研究による経年的な調査結果をもとに 住情報データベースを用いた分析用データを作成し、 H15年~H25年の住宅・宅地の変容を分析した。  分析に当たっては、住宅・宅地の基本単位は画地と する。また、エリア別の傾向を捉えるため、地区を構 成する20町会をもとに、地形や道路条件から5エリア (平地、中腹A、中腹B、中腹C、山手)に区分した。 3.期間内における住宅・宅地の変容 3-1.地区全体における住宅・宅地の変容  まず、表2よりH15年~H25年における住宅・宅地 の画地数と面積の推移をみる。住宅数は10年間で約 10%減少し、反対に空宅地数は約42%ほど増加して 1.研究の背景と目的  人口減少社会を迎えたわが国において、郊外住宅地 では、空家・空宅地の増加とともに住民の高齢化や不 在住化による住宅ストックの管理停滞が住環境の悪化 を招くこと(居住収縮現象)が危惧される。こうした 問題は早期に形成された斜面住宅地では既に顕在化し ており、増加する空家・空宅地の保全管理を図りつつ、 居住密度の低下に応じた住宅地の再編を誘導する仕組 みづくりが課題となっている。  これについて、既往研究では、斜面住宅地における 宅地の立地条件や高齢世帯の不在住化が空家・空宅地 の発生と残留の大きな要因となっていることを指摘し ている。一方、居住収縮の進行する斜面住宅地におい ても住宅ストックの継承や更新の動向は一様ではなく、 高齢単身世帯の増加や周辺開発等による住宅地環境の 変化に影響されながら変化する。そのため、ストック の維持・管理と住環境保全を検討する上で、住宅地の 経年変化を分析し、空家・空宅地の発生から利活用に 至るまでの更新過程とそれに関連した居住世帯の動向 を捉えることは重要である。  そこで本研究では、居住収縮が進行する斜面住宅地 を対象に、H15年~H25年の間の住宅・宅地に関する 情報を蓄積した地域住情報データベースを利用し、居 住収縮斜面住宅地における住宅・宅地更新の実態を追 うことで、今後の住宅地の保全・再編のあり方に関す る知見を得ることを目的とする。 2.研究の方法 2-1.研究対象地区の概要  本研究では、北九州市八幡東区枝光一区(平成22年 人口3,168人、世帯数1,533世帯、高齢化率39.0%)を 調査対象地区とする。地区のグロス面積は約45.1ha、 標高5m~110mにかけて戸建て住宅を中心に約1,200 棟が立地している。当地区は八幡製鐵所の操業以降、 工場労働者の住宅需要を受けて形成された斜面住宅 地であるが、1966年~1975年にかけての製鉄所の再 編・合理化によって労働人口が流出し、その後もモー タリゼーションの進展や郊外住宅地の拡大に伴い居住 世帯の減少や高齢化が著しく進行しており、今後もそ

居住収縮斜面住宅地における住宅・宅地の更新特性に関する研究

北九州市枝光一区における平成 15 年~平成 25 年の経年変化

-中田 達也 表1.調査概要 図1.枝光一区の人口・世帯推移 2020年 2030年 (推計) (推計) 43.6% 45.9% 2,290 1,585 2.39 2.07 1.74 1.42 年号 2000年 2010年 人口 平均世帯人員 高齢化率 4,022 3,168 33.2% 39.0% 0 500 1,000 1,500 2,500 世帯 2,000 0 1,000 2,000 3,000 5,000 人口 4,000 凡例 人口 世帯数 ※ 人 口 、 世 帯 数 、 平均世帯人員は国 勢調査の人口集計 に基づく。 ※2020年、2030年 の将来推計は2000 年と2010年の人口 推移を元にコーホ ート変化率法を用 いて算出した。 調査名 調査時期 調査内容 住宅・宅地現況調査 2013年9月 町会長同行で地区を踏査し、入居世帯の有無 の判断、空宅地の現況用途と従前の空家への 入居経緯等を把握した。 空家・空宅地確定調査 2013年11月 町会長を対象に空家の位置・転用状態等に関 するアンケート調査を実施し、現地で入居世帯 の有無を確定した。 空家・空宅地老朽度調査 2013年12月 空家は主要部位(屋根、基礎・柱、擁壁)につい て、空宅地は擁壁について外観目視により劣 化状態を把握した。 高齢世帯調査 2013年 11~12月 H15~H25の高齢世帯について名簿を作成し、 民生委員・町会長への聞き取りにより不在住化 後の従前住宅の現況等を把握した。

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35-2 いる。特に戸建てと長屋の減少傾向が強いが、前半5 年と後半5年では減少量にほとんど変化はみられない。 空宅地の中では未利用地が最も増加しており、画地数 はH15年から約2倍に増加している。また、事業所用 地がやや増加しているが、これは比較的平地に位置す る立地条件の良い画地にある住宅や駐車場が用途転換 したものが多い。このように、住宅系建物では戸建て と長屋が滅失し、一部事業所用地となっているが、多 くは未利用地化し、建物が除却された後の利活用はあ まり進んでいない。さらに、ここ5年間では駐車場と 菜園の画地面積が減少しており、これらの地区内での 需要が減退しつつあることがわかる。  次に、地区内の住宅系建物の空家数の変化を表3 に示す。10年間では、空家総数が58棟増加しており、 H15年時の約1.5倍となっている。特に戸建てと長屋 は空家数が大きく増加し、空家率が高くなっている。 また、戸建てと長屋は空家の既存減より新規増が約2 倍となっている。以上のことから、住宅の減少量は前 半5年と後半5年でほとんど差はみられないが、空家 数は後半5年の方が増加率は小さく、近年は地区内で の空家の除却が以前よりも進んでいることがわかる。  図2より期間内での画地利用動態の変化をみると、 前半5年と後半5年ともに約10%の転入居および新規 入居がみられ、一定量の新規居住世帯がいることがわ かる。後半5年では残留空家と残留空宅地の割合が増 加しており、地区内で空家・空宅地が累積しているが、 その中でも新築や事業所用地となったものが一定量み られ、立地条件の良い画地は用途転換されている。 3-2.エリア別の空画地面積・世帯密度の推移  次に、図3よりエリア別、車両アクセス条件別の空 画地面積の変化と世帯数の推移を車両進入別にみる。 地区全体では、H15年時には車両進入困難画地で世帯 密度が高くなっているが、減少量が大きくH25年時で は車両進入可能画地での世帯密度が高くなっている。 また、空画地構成比もH15年時にはほとんど同じだが、 H25年時では車両進入困難画地での空画地構成比が大 きく増加している。エリア別では、車両アクセス条件 の違いによって空画地の割合や増加量、居住密度の変 化量に違いがみられるが、車両進入可能画地では空家 数が中腹C以外であまり増加していなく、空画地構成 比も山手と中腹Aはほぼ横ばいとなっている。車両進 入困難画地では、中腹Bで空家、中腹Cで未利用地の 割合が大きく増加し、世帯密度は中腹Cを除いて後半 5年で減少傾向が強まっている。これらから、車両ア クセス条件の違いが世帯当たりの空画地面積の増減に 違いを生むことがわかる。また、空画地の用途転換率 は空画地構成比の高いエリアで割合が低く、特に中腹 Bと中腹Cの車両進入困難画地でその傾向が強い。以 上より、未利用画地の割合および増加量はエリア別で 大きく違い、近年は中腹Bや中腹Cで空家と未利用地 の増加がみられることから、これらのエリアでは世帯 2003年 2008年 2013年 (A) (B) (C) (C-A)/A 既存減 新規増 1513 1502 1488 -25 -1.7% 221 196 26.00 25.96 25.77 -0.23 -0.9% 3.61 3.39 1264 1202 1134 -130 -10.3% 164 34 20.94 20.27 19.46 -1.47 -7.0% 2.30 0.83 953 918 882 -71 -7.5% 98 27 14.91 14.59 14.19 -0.72 -4.9% 1.20 0.47 157 138 112 -45 -28.7% 45 0 2.85 2.57 2.12 -0.73 -25.5% 0.72 0.00 92 87 82 -10 -10.9% 14 4 1.53 1.46 1.40 -0.12 -8.1% 0.27 0.15 54 54 53 -1 -1.9% 4 3 1.55 1.61 1.69 0.14 9.2% 0.07 0.21 8 5 5 -3 -37.5% 3 0 0.10 0.06 0.06 -0.04 -40.1% 0.04 0.00 249 300 354 105 42.2% 57 162 5.07 5.68 6.31 1.24 24.5% 1.31 2.56 駐車場 123 135 143 20 16.3% 24 44 2.97 3.20 3.13 0.16 5.4% 0.64 0.80 菜園 49 61 59 10 20.4% 12 22 0.72 0.92 0.84 0.13 17.6% 0.22 0.34 未利用 77 104 152 75 97.4% 21 96 1.38 1.56 2.33 0.95 69.2% 0.46 1.41 72 72 78 6 8.3% 14 20 2.61 2.66 2.85 0.24 9.2% 0.25 0.49 52 47 49 -3 -5.8% 11 8 2.02 1.98 2.05 0.03 1.3% 0.20 0.23 20 25 29 9 45.0% 3 12 0.59 0.68 0.80 0.21 36.1% 0.05 0.25 1585 1574 1566 -19 -1.2% 235 216 28.62 28.62 28.62 3.88 3.88 2003年 2008年 2013年 (A) (B) (C) (C-A)/A 既存減 新規増 953 918 882 -71 -7.5% 98 27 空家数 89 115 133 44 49.4% 46 90 空家率 9.3% 12.5% 15.1% 157 138 112 -45 -28.7% 45 0 空家数 11 17 20 9 81.8% 9 18 空家率 7.0% 12.3% 17.9% 92 87 82 -10 -10.9% 14 4 空家数 5 5 6 1 20.0% 3 4 空家率 5.4% 5.7% 7.3% 54 54 53 -1 -1.9% 4 3 空家数 2 5 6 4 200.0% 1 5 空家率 3.7% 9.3% 11.3% 1256 1197 1129 -127 -10.1% 161 34 空家数 107 142 165 58 54.2% 59 117 空家率 8.5% 11.9% 14.6% 合計 長屋 併用住宅 共同住宅 画地数・面積 2003-2013年 増減(C-A) 増減の内訳 戸建て 事業所系 建物あり 建物なし 総計 住宅形式 建物あり 戸建て 長屋 併用住宅 共同住宅 住宅系 倉庫 建物なし 住宅系 宅地利用状態 画地数・面積 2003-2013年 増減(C-A) 増減の内訳 0% 20% 入居のある住宅 ※数字は全体面積(28.63ha)に対する割合[%] H15年 ~ H20年 H20年 ~ H25年 入居のない住宅 空宅地 事業所用地 入居のある住宅 入居のない住宅 空宅地 事業所用地 40% 60% 80% 100% 継住 画地利用面積H15-H25年 対象期間 凡例 転入居 新規 入居 新規 空家 残留 空家 新規 空宅地 残留 空宅地 事業所 用地化 既存 事業所用地 55.2 5.7 2.23.9 3.43.2 16.3 0.7 9.4 51.7 5.9 1.73.8 4.6 3.1 18.3 0.6 10.3 図2.期間内での画地利用動態の変化 ※凡例は画地利用動態の変化パターンであり、「継住」:期間内に居住世帯に変化のないもの、「転入居」:  期首時点で入居がありかつ世帯に変化のあるもの、「新規入居」:空家や新築への入居、「新規空家」:  新たに空家化したもの、「残留空家」:期間内に継続して入居のないもの、「空宅地化」:新たに空宅地  となったもの、「残留空宅地」:期間内に継続して空宅地のもの、「事業所用地化」:新たに事業所用地  となったもの、「既存事業所用地」:期間内に継続して事業所用地のもの ※利用状態に応じた境界または物理的境界によって区切られたひとまとまりの宅地を画地とし、GISを 用いて求積した画地の水平投射面積を画地面積とする。またH15年からH20年、H25年と全体の画地数 が減少しているのは同一地主による複数画地の一体的利用が生じたことによる。 表2.宅地用途別の画地数・面積の変化 表3.住宅形式別の空家の推移 上段:画地数、下段:画地面積[ha] 単位:棟

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35-3 縮減と合わせて未利用画地の管理不全を引き起こす可 能性が高い。 3-3.期間内における空家・空宅地の変容  ここで、表4より期間別の空画地の宅地用途変化 について分析を行う。前半5年では空家の新規入居 が22.8%であったが、後半5年では新規入居の割合が 14.9%に減少している。駐車場と菜園は期間別でほと んど変化がないものの、未利用地は前半5年では新規 住宅や菜園等に用途変化が起きているが、後半5年で はほとんどが未利用地のままとなっている。これらは 世帯減少と空画地の増加から利活用が停滞しているた めと考えられ、今後の空画地の管理不全が危惧される。  そこで、空画地の利活用が停滞しつつある後半5 年の空画地の劣化状態別宅地用途変化を表5よりみる。 空家は、劣化小のものでは新規入居の割合が高く、空 宅地となることは少ないが、劣化大のものは空宅地化 や事業所用地化するものの割合が高く、住宅ストック としての市場性が低いものは用途転換が進んでいる。 未利用地は劣化小のものは他の用途への変化がみられ るが、劣化大のものはほとんど変化がなく、今後は劣 化した空宅地の累積が予想される。 4.住宅系画地の居住更新 4-1.エリア別の住宅利用の変化  ここで、地区内の住宅系建物1134画地を対象に、 H15年度からH25年度のエリア別居住動態を表6より 分析する。地区全体で転入居、新築・建替え入居が約 15%程を占めており、特に共同住宅が多く立地する平 地と中腹Aでその割合が高い。新築・建替え入居はど のエリアでも車両アクセス条件の良い画地で発生しや すくなっているが、転入居は中腹Aと中腹Cで車両ア クセス条件の悪い画地でその割合が高くなっており、 車両アクセス条件の悪い画地でも中古物件の需要が一 定量みられる。 4-2.地区内での住替え行動  ここで、期間内で地区内転居を行った23世帯に関 図3.エリア別の空画地面積変化と世帯密度の推移 入居あり 入居なし 駐車場 菜園 未利用地 26 67 2 1 15 1 2 114 22.8% 58.8% 1.8% 0.9% 13.2% 0.9% 1.8% 100.0% 2 110 1 1 5 4 123 1.6% 89.4% 0.8% 0.8% 4.1% 3.3% 100.0% 42 7 49 85.7% 14.3% 100.0% 5 2 13 57 77 6.5% 2.6% 16.9% 74.0% 100.0% 33 67 114 57 80 6 6 363 9.1% 18.5% 31.4% 15.7% 22.0% 1.7% 1.7% 100.0% 22 92 8 2 18 6 148 14.9% 62.2% 5.4% 1.4% 12.2% 4.1% 0.0% 100.0% 4 121 4 6 135 3.0% 89.6% 3.0% 4.4% 100.0% 52 9 61 85.2% 14.8% 100.0% 1 2 3 95 3 104 1.0% 1.9% 2.9% 91.3% 2.9% 100.0% 27 92 131 57 122 10 9 448 6.0% 20.5% 29.2% 12.7% 27.2% 2.2% 2.0% 100.0% 空家 駐車場 未利用地 計 菜園 H20 ~ H25 空画地用途変化 計 住宅系建物 空宅地 事業所 用地 その他 期間 H15 ~ H20 空家 駐車場 菜園 未利用地 計 従前 空画地 入居あり 入居なし 駐車場 菜園 未利用地 22 92 8 2 18 6 148 14.9% 62.2% 5.4% 1.4% 12.2% 4.1% 100.0% 20 53 4 2 4 1 84 23.8% 63.1% 4.8% 2.4% 4.8% 1.2% 100.0% 2 39 4 14 5 64 3.1% 60.9% 6.3% 21.9% 7.8% 100.0% 4 121 4 6 135 3.0% 89.6% 3.0% 4.4% 100.0% 4 107 3 4 118 3.4% 90.7% 2.5% 3.4% 100.0% 14 1 2 17 82.4% 5.9% 11.8% 100.0% 52 9 61 85.2% 14.8% 100.0% 34 8 42 81.0% 19.0% 100.0% 18 1 19 94.7% 5.3% 100.0% 1 2 3 95 3 104 1.0% 1.9% 2.9% 91.3% 2.9% 100.0% 1 2 2 63 2 70 1.4% 2.9% 2.9% 90.0% 2.9% 100.0% 1 32 1 34 2.9% 94.1% 2.9% 100.0% 27 92 131 57 122 10 9 448 6.0% 20.5% 29.2% 12.7% 27.2% 2.2% 2.0% 100.0% H20年度 空画地 H25年度画地利用 計 住宅系建物 空宅地 事業所 用地 その他 空家 劣化小 劣化大 駐車場 計 劣化小 劣化大 劣化小 劣化大 菜園 未利用地 劣化小 劣化大 10 20 30 40 50 60 70 空家 未利用地 未利用画地 転用画地 空画地 [世帯/ha][%] 世帯密度 駐車場 菜園 転用 空家 10 20 30 40 50 60 70 空家 未利用地 未利用画地 転用画地 空画地 [世帯/ha][%] 駐車場 菜園 転用 空家 車両進入可能画地 H15年 年 エリア 区分 山手 中腹C 中腹B 中腹A 平地 全体 H20年 H25年 10.33 5.74 5.27 3.69 28.62 3.59 0.65 24.2% 68.76 35.32 0.65 33.1% 58.07 57.05 0.61 39.8% 41.13 96.86 1.06 17.0% 69.84 24.32 1.06 26.0% 63.23 41.05 1.06 28.4% 51.96 55.80 3.05 18.0% 52.45 34.36 3.05 22.2% 49.17 45.19 3.04 32.7% 41.07 79.60 3.03 27.9% 48.27 57.76 3.03 37.2% 41.28 90.02 3.01 43.1% 37.86 113.84 1.80 35.8% 30.61 116.82 1.80 40.2% 27.82 144.65 1.78 46.2% 24.17 191.03 9.60 24.8% 50.08 49.45 9.60 31.5% 44.85 70.15 9.50 38.5% 38.00 101.28 1.79 31.7% 50.1% 50.1% 49.6% 34.58 91.55 1.79 35.4% 32.35 109.32 1.81 32.7% 30.92 105.66 [㎡/世帯] 空画地面積 居住世帯数 準グロス 面積[ha] 空画地 構成比 居住密度 [世帯/ha] [㎡/世帯] 空画地面積 居住世帯数 準グロス 面積[ha] 空画地 構成比 居住密度 [世帯/ha] 2.70 23.7% 54.39 43.61 2.70 29.1% 50.32 57.85 2.72 32.2% 41.51 77.49 2.22 23.9% 43.64 54.76 2.22 27.8% 41.84 66.37 2.23 31.1% 36.33 85.58 2.63 26.1% 39.12 66.63 2.63 22.5% 37.98 59.12 2.63 24.2% 36.46 66.34 9.67 18.8% 55.64 33.80 9.67 21.5% 52.94 40.55 9.72 23.1% 50.60 45.67 19.02 22.3% 49.79 44.82 19.02 24.7% 47.26 52.34 19.12 26.4% 43.83 60.19 準グロス 車両進入 面積[ha] 困難画地率 49.3% 49.3% 49.0% 57.9% 57.9% 57.7% 28.7% 28.7% 28.7% 6.2% 6.2% 5.8% 32.9% 32.9% 32.5% 車両進入可能画地 車両進入困難画地 車両進入困難画地 H15年 H20年 H25年 H15年 H20年 H25年 H15年 H20年 H25年 H15年 H20年 H25年 H15年 H20年 H25年 世帯密度 ※空画地面積構成比は空画地面積を準グロス面積(グロス面積より公園・道路・自然緑地を引いたもの)を除したもの ※H15年の居住世帯に関する情報は得られていないため、H20年の居住世帯から推定した。両時点で居住世帯のある画地はH20年の世帯数を採用し、H15年に居住世帯があり、H20年に空家である画地は住戸数だけ  居住世帯が存在するとした。 表4.期間別の空画地の宅地用途変化 表5.H20年度空画地の劣化状態と宅地用途変化 単位:画地 単位:画地 ※H25年度画地利用のその他は画地の合筆・分筆により画地数が変化したものを指す。

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35-4 5.まとめ  本研究では以下のことが明らかになった。 1)H15年からH25年の間の地区の画地利用の変化は、 戸建てや長屋等の建物の多くが滅失し未利用地となっ ており、駐車場や菜園への用途転換は近年は停滞しつ つある。また、地区内での空家の蓄積が目立ち、10 年間残留したものはH25年時の空家の約3割を占める。 2)エリア別では、車両進入困難画地で未利用空画地の 増加と世帯数の減少が大きく進んでおり、宅地利用の 更新が進んでいない。中腹Bと中腹Cは空家、未利用 地の増加傾向が強く、用途転換率も低いため、空画地 の累積が管理不全を引き起こし、今後は居住収縮の進 行が早まっていくことが予想される。 3)近年では、劣化した空家の除却が進んでいる一方で、 劣化した空宅地は用途転換が行われることは少なく、 劣化した空宅地ストックの累積が危惧される。 4)対象地区での地区内転居は、立地条件改善型、居住 空間改善型、同居目的型の3種類に分離でき、それぞ れ世帯型によって転居の動向が変わる。また、全体で は従前住宅よりも標高の低い画地への転居が多く、今 後はより立地条件の良い画地へと居住世帯が移ること が予想される。  今後の研究課題としては、地区内の空家・空宅地の 管理及び利用の動態と空画地ストックの物的状態の推 移を追跡することで、居住収縮の変容を捉え、住宅・ 宅地の再編手法を検討することが挙げられる。 して分析を行う。表7より期間内に地区内転居を行っ た世帯の世帯型の変化をみると、従前世帯から変化が みられなかった世帯は15世帯あり、車両進入可能画 地へと転居している世帯の数が多い。一方、親族同居 がみられた世帯は8世帯あり、車両進入困難画地へと 転居している数が多い。ここで、高齢単身世帯と高齢 夫婦のみ及び高齢者を含む複合世帯は同居目的での転 居が多く、親族同居を行った世帯の9割以上を占める。 高齢者を含む普通世帯と高齢者のいない世帯では、転 居後も世帯変化のなかったものが大半であり、高齢者 のみで構成される世帯とその他の世帯で転居目的に違 いがみられる。  そこで、高齢者のみ世帯とその他世帯の地区内転居 の動向を捉えるため、地区内転居を行った世帯の従前 住宅と現住宅との標高と属性の変化を図4より分析す る。従前住宅よりも標高の低い画地に転居した世帯は 14世帯、高い画地に転居した世帯は9世帯となってお り、比較的標高の低い画地への転居がみられる。続い て、転居にあたって従前住宅から住宅形式を変更した 世帯は、従前住宅の標高よりも高い場所に位置する住 宅への住替えを行っているものが多い。これらの転居 は住宅の立地条件ではなく、居住空間の改善を目的と した転居と考えられ、車両進入困難画地への転居もみ られる。また、標高の高い画地へと転居した世帯では 親族との同居目的の転居と住宅形式を変更したものが ほとんどであり、これらのことから対象地区での地区 内転居は、立地条件改善型、居住空間改善型、同居目 的型の3種類に分類でき、それぞれ世帯型によって転 居の動きが変わる。 謝辞 本研究にあたり、枝光一区民生委員、枝光一区第一自治区会ならびに枝光一区地域ま ちづくり協議会の皆様に多大なご協力を頂きました。記して深謝いたします。 参考文献 1)居住収縮の進行する斜面住宅地における住宅・宅地の利用動態  橘孝司 H20年度人間環境学研究修士論文梗概集 2)斜面住宅地における地域住情報データベースの構築・活用手法に関する研究  西崎拓郎 H21年度人間環境学研究修士論文梗概集 80(3) 42(2) 38(1) 1 1 12(2) 10(2) 2 3 3 22 9 13 118 67.8% 35.6% 32.2% 0.8% 0.8% 10.2% 8.5% 1.7% 2.5% 2.5% 18.6% 7.6%11.0% 100.0% 159(1) 87(1) 72 2 2 18(1) 7 11(1) 5 4 1 33 7 26 217 73.3% 40.1% 33.2% 0.9% 0.9% 8.3% 3.2% 5.1% 2.3% 1.8% 0.5% 15.2% 3.2%12.0% 100.0% 145 51 94 3 3 14(4) 7(1) 7(3) 3 2 1 36 6 30 201 72.1% 25.4% 46.8% 1.5% 1.5% 7.0% 3.5% 3.5% 1.5% 1.0% 0.5% 17.9% 3.0%14.9% 100.0% 88 53 35 0 15(2) 8(1) 7(1) 3(1) 3 10 5 5 116 75.9% 45.7% 30.2% 0.0% 12.9% 6.9% 6.0% 2.6% 2.6% 8.6% 4.3% 4.3% 100.0% 169(1) 145(1) 24 2 2 19(8) 15(8) 4 8 8 32 22 10 230 73.5% 63.0% 10.4% 0.9% 0.9% 8.3% 6.5% 1.7% 3.5% 3.5% 13.9% 9.6% 4.3% 100.0% 641(5) 378(4) 263(1) 8 5 3 78(17) 47(12) 31(5) 22(1) 20 2 133 49 84 882 72.7% 42.9% 29.8% 0.9% 0.6% 0.3% 8.8% 5.3% 3.5% 2.5% 2.3% 0.2% 15.1% 5.6% 9.5% 100.0% 車両 進入 可 車両 進入 不可 継続居住 新規居住 計 継住 中古入居 新規入居 車両 進入 可 車両 進入 不可 継住建替え 中腹A 平地 計 空家 車両 進入 可 車両 進入 不可 山手 中腹C 中腹B 車両 進入 可 車両 進入 不可 車両 進入 可 車両 進入 不可 エリア 区分 4 1 3 4 2 2 8 50.0% 12.5% 37.5% 50.0% 25.0% 25.0% 100.0% 2 1 1 3 1 2 5 40.0% 20.0% 20.0% 60.0% 20.0% 40.0% 100.0% 2 2 2 100.0% 100.0% 100.0% 7 5 2 1 1 8 87.5% 62.5% 25.0% 12.5% 12.5% 100.0% 15 9 6 8 3 5 23 65.2% 39.1% 26.1% 34.8% 13.0% 21.7% 100.0% 高齢者のいない世帯 計 世帯型 高齢単身世帯 高齢夫婦のみ及び 高齢者のみ複合世帯 高齢者を含む普通世帯 車両進 入可 車両進 入不可 計 車両進 入不可 世帯変化なし 親族同居 転入居先での世帯変化 車両進 入可 表7.地区内転居者の世帯変化 表6.エリア別の住宅利用の変化 ※()内の数値は地区内転居のあった画地数を示す。 ※継住での地区内転居は親族への同居を示す。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 [m] 10 20 30 40 50 60 現住宅の標高 従 前 住 宅 の標高 70 80 90 100 110 120 [m] 従前住宅での世帯型住宅形式の変更の有無 変更あり 車両アクセス条件 車両進入 可 車両進入 不可 変更なし 変更あり 変更なし 高齢者のみ世帯 凡例 その他世帯 ※同居目的の転居は太字で表す 例) 図3.エリア別の空画地面積変化と世帯密度の推移 単位:画地 単位:世帯

参照

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