平成12年度東海・北陸地区国立学校等技術専門職員 研修(電気電子コース)報告
著者 本堂 義記, 林 庄司, 辻 正晴, 山田 隆昇
雑誌名 技術報告集
巻 6 (2000年度)
ページ 97‑100
発行年 2001‑04
URL http://hdl.handle.net/10098/7549
平成 1 2 年度東海・北陸地区国立学校等
技術専門職員研修(電気電子コース)報告
研修受講者 本堂義記、林庄司、辻正晴(第三技術室〉
山田隆昇〈第二技術室〉
1. はじめに
平成 1 2 年 7 月 2 5 日から 28 日までの 4 日間、標記研修が金沢大学において開催され東海・北陸 地区 1 5 機関より 3 2 名の技術職員が受講した。本大学からも 4 名の技術専門職員が受講し、所定 の課程を修了した。本報告では研修日程における講義および分科会コース別の内容を簡単に紹介す る。また、報告は代表して本堂が行うため、報告者の主観が含まれる。
2. 研修日程
今年度研修は文部省と東海・北陸地区国立学校の主催で、初日は富山大学が担当した機械コース受 講者 (3 2 名)との合同で、金沢大学において 2 0 機関 64 名が同じ講義を受講し、 2 日目以降は それぞれのコースに別れ、電気電子コースは金沢大学で、機械コースは富山大学において研修日程 課程を受講した。研修日程を表1.に示す。
[
1 日目講劃*学術行政上の諸問題
文部省学術国際局講師の資料を基に、学術審議会より答申を受けた「科学技術創造立国」を目指 すために 2 1 世紀の学術研究がどうあるべきか、学術振興のための科学研究費補助金などの講義。
*人事行政上の諸問題
*人事実務上の課題
国家公務員の服務制度、平成 1 1 年度における懲戒処分状況、国家公務員の災害による死傷者数 などの資料を基に、それぞれの講師が技術職員の処遇問題、セクシュアル・ハラスメント問題、職 場の安全管理などの実例をあげて講義。
*セクシュアル・ハラスメントの防止
金沢大学や他大学におけるセクハラをなくすための資料を基に、職場における教職員がこの問題 防止のために認識すべき事項や職場全体としてどう取組むべきかなどの講義。
[2 日目講義・先輩の講和] 2 日日以降は金沢大学で作成した研修テキストが資料
*情報通信技術の現状と展望
1 T ( I n f o r m a t i o n
Technology) 社会の現状、現在のインターネットの普及状況、高速ネットワー ク技術、インターネット・携帯電話・ CATV 等のメディアは融合・統一されるなどの講義。‑97‑
*ディジタル信号処理概説
アナログ量のディジタル化、ディジタルでのサンプリング周波数の求め方や取り扱い方法などの 講義。
*電子材料薄膜の最近の動向
1
T 革命の基となる Computer に用いる半導体の微細加工技術、光ファイパ一通信や太陽電池な どに用いるアモルファス半導体などの講義*ダイヤモンド、薄膜合成と電子デバイス
合成ダイヤモンドの特色・合成手法、薄膜形成による半導体への応用技術などの講義。
*教育研究における技術職員の役割について
「教育における技術職員の役割」と「研究における技術職員の役割」の 2 つに分けて体験談を先 輩として講和。
[3 日目:分科会コース別研修]
*コース 1 、 VLSI 設計入門 (本堂、辻 2 名受講〉
VDEC(礼SI
D e s i g n and E d u c a t i o n
Center) を利用した VLSI(VeryL a r g e S c a l e I n t e g r a t i o n )
チップの設計実習。内容は HDL(Hardware
D e s c r i p t i o n
Language;ノ\ードウェア記述言語)を用い て加算器、タイマ一、 CPU の設計を行い、それらの制御回路、論理合成、配置配線を行う実習。つぎに、できあがった回路を実際に FPGA(Field
Programmable G a t e
array) へ書き込み動作確 認を行う実習。*コース 2 、やさしいフィードパック制御系設計 (林、山田 2 名受講〉
フィードパック制御系設計の基礎について学習し、制御系設計ソフト MATLAB と SIMULINK、
ディジタル制御装置 dSPACE を使用して磁気浮上システムを用いた制御実験の実習。
*コース 3 、 DSP によるディジタル信号処理入門 (本大学受講者なし〉
D S P ( D i g i t a l
Signal.Processor) を用いた、ディジタル信号処理の実験・実習で DSP 本体の使用方 法、測定器との接続方法やプログラムの作り方などを実習。[4 日目の講義・特別講和・企業見学]
*極低周波磁界環境と高磁界による実験的生体影響評価
送電線や家電製品などからの電磁界と生体影響への関連を、居住環境での実測や線虫 C.elegans を用いた生体への影響などを実例として講義。
* 2
1 世紀の科学技術と技術職員の役割について大学・科学技術を巡る背景、 2 1 世紀の科学技術、 2 1 世紀の科学発展に向けてなどに関連して、
その中で技術職員がどうあるべきかなどを特別講和。
*企業見学
金沢市内にある渋谷工業株式会社を見学、事業内容はボトリング、製缶包装、物流搬送、医薬品 製造、環境設備、レーザ加工、ウォータジェット加工、半導体製造などのシステムおよび医療機器 製作などを行っている。見学コースとして、事業内容の各システムおよび研究開発の様子などを詳 細に見学、その後質疑応答の場を設定していただいた。
表 1. 平成 1 2 年度東海・北陸地区国立学校等 技術専門職員研修〈電気電子コース日程〉
7 月 27 日(木)
会場:金沢大学工学部秀峯会館・工学部 7 月 28 日(金)
~
7 月 25 日{火) 7 月 2 6 日(水)9:00‑
10:00・、
10:30‑
電気電子コース・機械コース {金沢大学工学部秀峯会館)
戸..
.:1<‑ 付
電気電子コース (金沢大学工学部秀峯会館)
... (90 分) f情報通信銭術の現状と展望j 金沢大学工学部教授
岩原正吉
I~. (90 分) fディジタル信号処理概脱j 金沢大学工学部教授
松浦弘放
y一修ス部一研)一学一別習コ工一ス実子学ご・竃大一コ験気沢一会実亀金一科({-分
電気電子ョース {金沢大学工学部秀集会館)
協議 (90 分),
1極低周波磁界環境と高磁界に 三つの分科会コースが同時進行する,- 1 よる実験的生体影響.,価j
盛g
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L S 1 12: 1十入門 J 東京大学天規模集積システム設計教育研究センター 助教授北川寧失 金沢大学工学部
助手深山正幸
金沢大学工学部教綬 山田外史 特別情話 (90 分) 金沢大学工学部長(技術 部長)
畑期延
12:00‑
開練式 (30 分) (恨む J-~ ・鰍l-Ã町銅
線畿 (90 分)
『学術行政上の緒問題 J 文部省学術国際局 研究助成課課長補佐
木下
I I
昼食・休憩 (60 分)
13:00‑
I
1律援 (60 分) f 人事行政上の諸問題 J 文部省大臣官房人事課審査班主査松本次好 休憩 (1 5 分) 14:00‑
14:15 ....
15:15 .... 15:30 ....
16:30‑
17:00 ....
18:30
総務 (60 分)
t繁華皇 (90 分)
『電子材料薄膜の最近の動向j 金沢大学工学部教授
清水立生
医霊ヨ
I やさしいフィードパッ ク制御系政計 J
金沢大学工学部 教授藤田政之 助手滑川徹 f人事実務上の錬題 J 114:30- 続続 (90 分)
I
助手東剛人 文節省大臣官房人事操審査班I
r ダイヤモンド薄膜合成審査第二係長松田典明|と貯デバイス J I 図亙
休憩 (1 5 分) |金沢大学工学部教綬
講緩 (60 分)
I
波過一郎rDS P によるディジタ ル信号処理入門 j 金沢大学工学部
教授西川清 助教授八木谷聡 助手平野晃宏
「セクシュアル・ハラス
メントの防止 J 1 16:0ト先輩の縦 (60 分) 金沢大学セクシュアル・ 1 r教育研究における技術 ハラスメント相絞員 |職員の役割について j
名古道功
潜備 (30 分)
金沢大学工学部後術専門官 (伎術部技術畏)
竹内忠雄
(企業見学) 渋谷工業稼式会社
(1 20 分)
往復パスで移動 見学は 13:30‑15: 30
16:30‑
閉鰐式 (30 分)
思親会 (90 分)
‑99‑
3. 研修日程を修了して
4 日間の研修を修了して、報告者の思いつくまま感想を報告させていただく。
*文部省関係講義
服務関係、セクハラ問題、安全上の管理などは、いままでに多々の研修で受講しており、あまり 興味の持てる内容ではなかった。ただ、職務遂行上いつも意識しておく必要があり講義の一端に加 えるものと考えますが、技術研修として必要なのかどうかは疑問を持ちました。
学術研究の講義の中では、大変感銘を受けた事がありました。それは「学術研究は直接的経済的 効果はないが、基盤となり新しい芽がでる可能性がある J 、 「最先端、独創的な研究は誰も評価で きない。誰にでも分かる研究は独創的研究とは言えない」の講義内容で、まさに大学などで働く技 術職員にとり研究を技術に置き換え、常に意識しておく必要があると感じました。
*専門講義
今までに遂行してきた技術分野に関連した講義は大変興味深く受講できましたが、分野の違う講 義については分からない専門用語などがあり、ほとんど実になっていないのが真実です。対象受講 者の専門分野の違いもあり仕方ない事と考えますが、講師の方々のわかり易い説明で、少しでもそ の分野を垣間見る事ができた事は大変有意義なことでした。
*実験・実習
最先端の技術と考え VLSI 設計入門コースをまったく予備知識のない報告者が受講させていただ きました。知らない専門用語とポリュウムのある内容で最初はどうなる事かと思いましたが、なん とか他の受講者や講師の方々にご迷惑をおかけして無事に修了し、少しでも理解することができま した。なお、つぎに他のコース受講者の感想を報告します。
第 3 日目の分科会コース別研修は 3 コースあり、私は第 2 分科会コースの「やさしいフィードパ ック制御系設計 J に参加した.実験・実習は、電気電子システム工学科実習室(
3
F) に移動して行 った。実験・実習は 3-4 人グループに分かれて、1 ‑
MATLAB ソフトを用いて、鉄球を非接触で浮かせる
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「磁気浮上システムの制御設計」を行い、且つそ の実験を行った。テキストの準備も十分整い、
実習のためのコンピュータも十分準備されていて 大変やり易かった。実験・実習には時間的に十分 余裕があったとはいえないが、その都度、講師の 方々にアドバイスを受けながら進めることができ、
大変有意義であった。(受講者林庄司記)
4. おわりに
色々な分野の講義を含め新しい技術を今回の 研修で体験できた事は、報告者にとって大変有意 義な 4 日間でありました。本研修を、お世話下さ った関係機関の方々並びに講師の諸先生方に深く 感謝いたします。
修了証書
福井大学
本堂義記
あなたは文部省並びに東海・北陸地区 国立学校主催の平成 12年度東海・北陸地区 国立学校等技術専門職員研修において 所定の課程を修了したことを証します
平成 12年 7 月 28 日