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軟弱地盤上の橋台側方移動に関する遠心模型実験

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Academic year: 2022

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(1)III-A207. 軟弱地盤上の橋台側方移動に関する遠心模型実験 大成建設技術センター. ○石井裕泰. 堀越研一. 福島勇治. 稲垣太浩. 日本道路公団試験研究所. 1.. はじめに. 背面盛土の構築に伴う軟弱地盤上の橋台の安定性に関して,著者らは,短期的,長期的な橋台変位. に着目した検討を行なっている. 1),2). .検討にあたっては,実施工における計測結果が重要な資料となるが,通常変. 形を考慮せずに設計される橋台については,建設当初から詳細な動態観測が行なわれることが少ない.また,共用 後の長期に渡る連続したデータは容易ではなく,模型実験による検討が必要であると考えられる.一方,遠心模型 実験は,実地盤の応力状態を小型の模型地盤内に再現することが可能であり,地盤を対象とした多くの研究で利用 されている.また,時間に関する相似側を活用し,短期的な実験で長期に渡る挙動を把握するには特に有効である. 短期的及び長期的挙動の把握,ならびに別報 2)に示す橋台側方変. (遠心加速度場で構築). 105m. 位予測手法の検証を目的に遠心模型実験を行なった.なお,こ 3). 盛土. ※表示の数値は 実換算スケール. }. と考えられる.そこで,本報告では軟弱地盤上の橋台に関して,. 上部排水層. 橋台. 4). 軟弱粘土地盤. の種の遠心模型実験については,Stewart ら ,渡部ら による. (正規圧密地盤). 報告が既に見られるが,本検討では,実際の橋台に近い有限幅 の背面盛土を構築し,実換算で 50 年に渡る挙動を把握するべく. 支持・排水層. 基礎杭. 52.5m. (支持層に根入れ). 12.5m. モデル化している. 2.. 実験方法・条件. 6.25m. 実験は,図‑1,写真‑1 に示すような模型. 橋台を実験土槽中心に位置したモデルで行なった.粘土層はカ. 摩擦低減のための テフロンシートを 容器全面に設置. 盛土断面 31.3m. 図‑1. オリン粘土,支持排水層はケイ砂 6 号,上部排水層・盛土は豊. 実験モデル. 浦砂を使用し,杭は,アルミ製パイプ(φ10mm,t=1mm または 0.5mm) , 模型橋台は硬質アルミにより作成した.表‑1 にカオリン粘土の基本特性 を示す.粘土地盤は,実際の堆積過程を想定して,スラリー状に高含水 比で練り混ぜた粘土を 10kPa の上載圧で圧密し,これを遠心加速度 125g で圧密することで,自重による正規圧密地盤を作成した.その後,模型 杭,橋台を設置した上で再度遠心載荷を行い,125g の遠心加速度のもと, ホッパーにより砂を降らせ,橋台背面盛土を構築した.その後,実スケ 写真‑1. ール換算で 50 年(模型スケールで約 28 時間)にわたり放置し,地盤や 構造物の長期的な変状を観察した.実験は,基本ケースに加えて軟弱層 厚,杭剛性を変えた表‑2 の合計 3 ケースを行なった.計測は,盛土載荷 から放置中までの地表面沈下,粘土地盤中の間隙水圧,橋台の側方変位 量等について行なった.また,盛土載荷前後の地盤性状の変化をコーン 貫入試験で把握し,遠心載荷停止後に含水比分布,ベーンせん断強さの 分布,地表面高さを計測し地盤の変状を詳細に調べた. 3.. 実験結果. 図‑2 は,各実験における橋台前面の一般部にあたる地点. 表‑1. 台側方変位量,過剰間隙水圧,背面地盤地表面沈下についての経時変化. カオリン粘土の基本特性. 土粒子密度(g/cm3) 液性限界 wL(%) 塑性限界 wp(%) 圧縮指数 Cc e0(at 1kPa) 強度増加率. 表‑2 ケース. でのコーン貫入抵抗と含水比の深度方向分布である.いずれも高い再現 性が得られていることが確認できる.図‑3 は,基本ケースについての橋. 実験終了時の橋台. Case1 Case2 Case3. 2.60 83.4 34.0 0.428 2.38 0.23. 実験条件(実スケール換算) 軟弱 層厚 (m) 25.6 20.0 26.0. 杭の曲げ 剛性 (kNm2) 2844 2844 4882. 備考 基本ケース 軟弱層厚小 杭剛性大. キーワード:遠心模型実験,橋台,軟弱粘性土,盛土,側方移動量 〒245-0051 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町 344-1 大成建設技術センター. -414-. TEL045-814-7236. FAX 045-814-7253. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) III-A207. を示している.ただし盛土完成までを線形軸で,その後は対数軸として 50 年放置後までを示している.橋台は,盛 土完成後も変位が増加する傾向にあり,変位に関しては放置後の挙動も設計上考慮する必要があると言える.また, 発生した過剰間隙水圧は,5000 日(約 14 年)経過時点でほぼ消散しており,橋台の変位がクリープ変形的に生じ ていると考えられる.なお,盛土構築中に地表面沈下の急増点が見られるが,無処理の正規圧密地盤に対して,実 橋台事例に基づいた比較的速い速度で載荷を行なったためと考えられる.. 0. 表‑3 に,各ケースでの盛土載荷速度と橋台側方変位量を示す.一連のケ. Case1 Case2 Case3. 5. 圧密試験 からの 計算値. よりホッパーを稼動させたためである.側方変位量は,軟弱層厚の薄い Case2 で最も大きくなっているが, 杭下端の支持層における固定度が低い. 深度 (m). ースで見られる載荷速度の差は,遠隔操作によるスイッチの ON-OFF に 10 15. 可能性がある.載荷速度の違いはあるが,基本ケースに比べて Case3 で. 20. は側方移動量が小さく,杭剛性の違いが現れている.図‑5 は今回の実験. 25 0. 2). 結果について, 別報 に示す無次元量で両対数軸上に示したものである. ここで,縦軸の K は杭剛性,地盤強度に関する無次元量,Y は杭剛性,. 20 40 60 貫入抵抗(N). 80 50. 55 60 65 含水比 (%). 70. 図‑2 貫入抵抗,含水比の深度方向分布. 盛土圧,橋台側方移動量に関する無次元量である.図中に示した直線は, 表‑3 橋台側方移動量の実測結果. 2 次元平面ひずみモデルによる橋台縦断面解析結果について近似式を取 ったものであるが,今回の実験結果は近似式に近い分布となることが分 かった.図‑4 は,基本ケースにおいて,実験終了後に測定したベーンせ ん断強さの分布を示したものである.ここでは, 3 深度×30 箇所の測定. の変状が確認された. 4.. まとめ. 有限幅を有する背面盛土構築に伴. う橋台の側方移動に関する実験を行ない,実際 に近い 3 次元的な変形場における橋台および周 辺地盤の挙動を把握した.今回の実験では,盛. 【参考文献】1) 石井ら, 「軟弱地盤上の橋台側方移動. 29 39 112. ※橋台前面側変位を正とする. 0 1000 2000 3000. ↓50年後. Case1. 100 75 50 25 0 0. Case1. 橋台背面約20m 軟弱層中心深度付近. 盛土完成↓. ↓50年後 100. 300 1000 経 過 日 数. 200. 2 )福島ら, 「無次元量による橋台. 10. の側方移動量予測手法の適用性について」 ,第 56 回土. 1. CENTRIFUGE MODELLING OF PILED BRIDGE ABUTMENTS ON SOFT GROUND, SOILS AND. 0.1. 0. 4) 渡部. 0.01. ら,裏込め荷重を受ける軟弱粘土地盤中の杭基礎橋台. 0.001. Case1. 近似式. 5. Case2. 10. Case3. properties with some basic engineering properties of soils, Canadian Geotechnical Journal, Volume 15, Number 2,. 0.0001 0.001 0.001 0.01. 25 0.1. 1. 10. 100. K. 図‑4. 1978.. -415-. ○:盛土中心下 □:盛土法肩下 △:盛土法尻下 ×:橋台前面. 15 20. の長期挙動,土木学会論文集 No.568/III-39,227-240, 5) C. P. Wroth ら, The correlation of index. 100000. 図中の曲線はWrothら5) の方法による計算値 実線:自重による 正規圧密状態 点線:盛土中心下の 盛土荷重による 増分を考慮. 50年放置後. Y. 木学会年次学術講演会,投稿中. 3) D. P. Stewart ら,. 1997.. 10000. 図‑3 橋台側方移動量,過剰間隙水圧,地表面沈下の経時変化. する一考察」 ,第 55 回土木学会年次学術講演会概要集. FOUNDATIONS, Vol. 34, No. 1. 41-51,1994.. 橋台背面約20m 盛土中心下. 盛土完成 ↓. に対するプレロードの影響およびその判定手法に関 III-A205,2000.. ↓50年後. 盛土完成↓. 0. 過剰間隙水圧 (kPa). る予定である.. Case1 Case2 Case3. 橋台側方変位(mm) 盛土 50 年 完成時 放置後 310 420 388 455 167 267. 200. 土横断面,橋台縦断面について計測を行なって おり,今後,有限要素解析による検証を実施す. Case1. 400. 平均載 荷速度 (mm/day). Depth(m). 土中心下まで強度増加が見られ, 3 次元的な地盤. 沈下量(mm). れぞれの平均値で示している.橋台前面から盛. 橋台側方移動量 (mm). 値を,橋台前面,橋台背面盛土中心下・盛土のり肩下・盛土のり尻下そ. ケース. 無次元量 K〜Y の関係 (50 年後放置). 0. 10 20 30 40 ベーンせん断強さ (kPa). 図‑5. 実験終了後の 軟弱地盤含水比. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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