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低廉化有道床弾性まくらぎによる保守軽減効果について

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅳ-293. 低廉化有道床弾性まくらぎによる保守軽減効果について JR 九州. 正会員. 神尾 義孝. 正会員 伊達 和寛. 1.はじめに 低廉化有道床弾性まくらぎは、保守周期の延伸と鉄道沿線における振動・騒音などの環境問題への対策、 かつ、低コストのものとして開発された。 当社においても、低廉化有道床弾性まくらぎの試験敷設を行い、その結果、保守の軽減に大きな効果を確 認したので以下に報告をする。 2.弾性まくらぎ投入の経緯 当社では、平成 5 年 2 月より弾性体にブチルゴムを用いた有道床弾性まくらぎを試験的に敷設した。その 結果、保守軽減に関して良好な結果が得られた。しかし、弾性体を PC まくらぎに取り付けるボルトの折損 や、材料が高価という課題が残されていた。その後、鉄道総合技術研究所により既設 PC まくらぎに型枠を 組んで弾性体(無発泡ウレタン)を流し込んで製作する「低廉化有道床弾性まくらぎ(以下「弾性まくらぎ」 と示す)」が開発されたので、平成 8 年 2 月より試験敷設を行っている。表−1に試験敷設の概要を示す。 線名 鹿児島本線 鹿児島本線. 敷設箇所 水巻駅構内 博多〜竹下. 表−1 低廉化有道床弾性まくらぎ敷設箇所 列車速度 通トン キロ程 敷設延長 130km/h 23.4 百万トン 33k016〜33k216 100m 130km/h 23.2 百万トン 81k162〜81k802(B▲488m) 152m. 敷設年月 H8.2.7 H9.10.29. 3.弾性まくらぎの効果 3−1 軌道狂い はじめに、鹿児島本線水巻駅構内の弾性まくらぎ敷設効果を把握するために、当該区間のσ値を用いて敷 設前後の軌道状態の推移を調べた。 試験敷設区間のσ値の推移を図−1に示す。この図より比較区間(PC3 号まくらぎ)及び弾性まくらぎ敷 設前と比較して、全体的には敷設後の軌道状態は良好であるが、常に良好であるとはいえない。これは、水 巻駅地下道橋梁(33k216〜33k223)付近の影響(排水不良による噴泥)を受けているものと考えられる。 そこで、水巻駅地下道橋梁の影響を取り除いて弾性まくらぎの効果を確認するため、50m 区間のσ値の 推移を図−2に示す。この図より、弾性まくらぎ敷設区間では軌道狂いの進行がほとんど見られず、良好な 軌道状態が維持できていることが明らかである。 100mロットσ値の推移:水巻駅構内( 上). 50mロットσ値の推移: 水巻駅構内(上) 4.0. 3.0. 比較区間 ( 33k016〜 33k116). 2.5 2.0. 弾性まくらぎ ( 33k116〜 33k216). 1.5 1.0. 50mロットσ値. 3.5. 3.5 3.0 2.5 1.5 1.0. H7:1/4 H7:2/4 H7:3/4 H7:4/4 H8:1/4 H8:2/4 H8:3/4 H8:4/4 H9:1/4 H9:2/4 H9:3/4 H9:4/4 H10:1/4 H10:2/4 H10:3/4 H10:4/4 H11:1/4 H11:2/4 H11:3/4 H11:4/4. H11:3/4 H11:4/4. H10:4/4 H11:1/4 H11:2/4. H10:2/4 H10:3/4. H9:4/4 H10:1/4. H9:1/4 H9:2/4 H9:3/4. H8:3/4 H8:4/4. 0.0 H8:1/4 H8:2/4. 0.5. 0.0 H7:2/4 H7:3/4 H7:4/4. 比較区間 (33k016〜 33k066) 弾性まくらぎ (33k141〜 33k191). 2.0. 0.5 H7:1/4. 100mロットσ値. 4.0. 軌道狂い検測日. 軌道狂い検測日. 図−1 100m ロットσ値の推移. 図−2. 50m ロットσ値の推移. Key Words:有道床軌道、有道床弾性まくらぎ、軌道保守周期延伸 〒811-4303 福岡県遠賀郡遠賀町今古賀 1224 番地 〒849-1311 佐賀県鹿島市大字高津原 4119-2. JR 九州折尾保線区遠賀川管理室 TEL 093-293-0186. JR 九州佐賀保線区肥前鹿島管理室 TEL 09546-2-2935.

(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅳ-293. 次に、同一種類の弾性まくらぎを敷設している、鹿. 博 多 − 竹 下 間 弾 性 ま くらぎ敷設区間σ値の推移. 児島本線博多−竹下間のσ値の推移を検図−3に示. 4.0. す。この区間においても敷設前後で比較して、敷設後. 3.0. 区間σ値. は軌道狂いの進行がほとんど見られず、良好な軌道状. 3.5. 2.5. 弾性まくらぎ. 2.0 1.5 1.0. 態が維持できていることが分かる。. 0.5. の維持に効果を発揮しているといえる。. H11:4/4. H11:3/4. H11:2/4. H11:1/4. H10:4/4. H10:3/4. H10:2/4. H9:4/4. H10:1/4. H9:3/4. H9:2/4. H9:1/4. H8:4/4. H8:3/4. H8:2/4. H8:1/4. H7:4/4. H7:3/4. H7:2/4. H7:1/4. 0.0. 以上のことから、弾性まくらぎは、良好な軌道状態. 軌道狂い検測日. 図−3. 弾性まくらぎ敷設区間のσ値の推移. 3−2 保守周期 水巻駅構内では、弾性まくらぎ敷設前は平均して 94 日に 1 回の割合で MTT による軌道保守作業を行って いたが、敷設後は最長で 841 日、平均して 365 日に 1 回の割合まで保守周期の延伸がはかれている(表−2 参照)。ただし、この区間においては、水巻駅地下道橋梁付近の影響を受けて MTT による軌道保守作業を行 っているため、弾性まくらぎ区間のみの保守周期とはいいがたい。 そこで、先に延べた博多−竹下間の MTT 投入実績を調べてみると、敷設前に比べて敷設後の保守周期が 伸びていることが分かる(表−3参照)。 これらのことから、弾性まくらぎは軌道保守周期の延伸に対して効果を発揮しているといえる。 表−2 MTT投入実績(水巻駅構内). 年度 H7. H8 H9 H11. 保守日 H7.4.28 H7.5.31 H8.2.2 H8.2.3 H8.2.7 H9.2.24 H9.7.29 H11.11.16 H12.2.5. 経過日数 ― 33 247 1 (敷 設) ※383 155 841 81. (※は弾性まくらぎ敷設からの経過日数). 表−3 MTT投入実績(博多−竹下間). 年度 H7. H8. H9. H10 H11. 保守日 H7.5.29 H8.1.19 H8.3.12 H8.9.3 H8.11.6 H8.12.5 H9.5.30 H9.10.29 H10.3.11 H10.11.3 H12.1.26. 経過日数 ― 112 53 175 64 29 176 (敷 設) ※133 237 449. 4.まとめ 以上の結果から、 「低廉化有道床弾性まくらぎ」の敷設は、一般軌道に比べて良好な軌道状態を長期間維持 でき、保守周期の延伸に効果があるといえる。また、環境問題への取り組みとしても、保守周期の延伸によ り、夜間作業時の振動・騒音対策にもつながるといえる。 また、今後の課題として、弾性体の劣化などについての調査および軌道支持ばね定数を徐々に低減させる ことによる乗り移り部の軌道狂い進み良化法など、構造物付近における弾性まくらぎの敷設条件を検討して いく。 最後に、低廉化有道床弾性まくらぎ敷設に関して御協力を賜った(財)鉄道総合技術研究所軌道・路盤担 当ならびに日清紡(株)の担当者に感謝の意を表し本稿の結びとする。 <参考文献> ○堀池,柳川,半坂,安藤,伊達:低廉化有道床弾性まくらぎの開発、鉄道総研報告,Vol12,№ 3,1998.3 ○伊達,木下:低廉形有道床弾性まくらぎの敷設効果、日本鉄道施設協会誌,第 37 巻第 3 号,1999.3 ○油布,泉,千家,堀池:低廉化有道床弾性まくらぎの試験敷設について、土木学会第 51 回年次学術講演会 ○伊達,木下,柴田:低廉形有道床弾性まくらぎの敷設効果について、土木学会第 54 回年次学術講演会.

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