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目次 I II III 欧州洋上風力市場の現況 COE (Cost of Energy) 低下の主要因 洋上風力発電コスト低減のために欧州から学べること 2 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会 ( 第 3 回 ) 2

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(1)

再生可能エネルギーの大量導入時代における

政策課題に関する研究会(第3回)

欧州洋上風力発電事業入札価格の動向・背景と

そこから日本が学べること

(2)

目次

I

欧州洋上風力市場の現況

II

COE (Cost of Energy) 低下の主要因

(3)

洋上風力発電とは

• 風車とその基礎、変電所などの洋上設備、陸上とそれらをつなぐケーブルから構成。

• 陸上に比べて一般的に風況が良い。土地制約が少ないため大型タービンを導入しやすく大規模プロジェ

クト開発が可能。

• 一方、建設・運転保守とも洋上作業は困難でコストが高く天候に左右されるため、 これをいかに克服で

きるかがコスト低減の鍵となる。

デンマーク Horns Rev1の事例

洋上変電設備

洋上ウィンドファーム

(V80-2.0MW x 80基)

(4)

洋上風力発電とは |2016年欧州実績

(5)

欧州 11,034 91% アジア (日本、中国、韓国) 1073、9% 北米 0.02

地域別導入状況

(単位:MW 2015年末までの累計 出典:GWEC)

上位5か国は、順次競争入札制度を導入し、事業者の投資意欲を掻き立てながら着実にCoE低減を

実現しており、今後さらなる導入規模の拡大が見込まれる。

英国 : CfD(固定価格買取制度)がスタート、第1回入札の結果、2015年2月、2プロジェクトが採

択された。2017年4月に第2回の入札実施。(4/21締め切り。 9月までに発表となる見込み)

ドイツ:FITからオークション方式に移行し、オランダ同様CoEの低減を図る。2017年に第1回移

行期入札の結果、4プロジェクトが採択。うち3プロジェクトは補助金ゼロで落札。

93 318 349 614 931 816 1,171 1,606 1,452 3,013 1,558 801 1,119 1,468 2,082 3,013 3,829 5,000 6,606 8,058 11,071 12,629 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 ~2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

欧州 年別導入状況

(MWベース 出典:WindEurope) 単年 累計 - 累計導入実績は約12.6GW 欧州10か国、81の洋上ファームが操業中 - 現在建設中 4.8GW 建設許可済みのものもあわせると、2020年には累計24.6GWに達する見通し UK 5,156 41% Denmark 1,271 10% Netherlands 1,118 9% Belgium 712 6% Sweden 202 2% Others, 62, 0%

欧州 国別導入状況

(MWベース 2016年末までの累計 出典:WindEurope)

欧州が世界の洋上風車の90%以上を占め、1-2GW/年で成長。

英国、デンマーク、ドイツ、ベルギー、オランダの5か国が欧州の

98%を占める。

欧州洋上風力市場|現況

(6)

英国、ドイツ、オランダが牽引し、従来の政府計画では3GW/年 前後の新設市場が

見込まれている。

(7)

近年の落札価格低下を受けてWindEuropeは2017年6月、2030年までに欧州で

60GWまで導入が進むとのベース・シナリオを発表。

(8)

2017年6月6日、ベルギー、ドイツ、デンマーク政府部局と風力関連25社との間で、官

民一体で 2020年~2030年に大規模な洋上風力を導入しコスト削減に努力すること

を宣言した。産業界としては累計で60GWもしくは最低4GW/年の市場規模があれば

発電原価€65/MWh未満(系統接続含む)が可能だと主張した。

欧州洋上風

市場 |最新のトピック

Source: WindEurope

(9)

目次

I

欧州洋上風力市場の現況

II

COE(Cost of Energy)低下の主要因

(10)

欧州洋上風力市場 事業入札動向

2015年からの2年間で落札価格が大幅に下落。セントラル方式のオークションの導入により事業者間の競

争が激化したことが主因だが、25年以上の経験を通じて産業界全体が経験と実力を積み上げてきたことが

背景にある。

2015.2

デンマーク

Horns Reef 3

(406MW)

104 EUR/MWh

(Vattenfall)

2016.6

オランダ

Borssele 1+2

(350MW x 2)

72.7 EUR/MWh

(DONG)

2016.9

デンマーク

Danish Nearshore

(350MW)

63.7 EUR/MWh

(Vattenfall)

2016.11

デンマーク

Kriegers Flak

(600MW)

49.9 EUR/MWh

(Vattenfall)

2016.12

オランダ

Borssele 3+4

(350MW x 2)

54.5 EUR/MWh

(Shell, Van Oord, Eneco,三菱商事)

2017.4

ドイツ

Gode Wind III

(110MW)

60.0 EUR/MWh

(DONG)

ドイツ

Borkum Riffgrund West II + OWP West

(240MW + 240MW)

市場価格(補助金ゼロ)

(DONG)

ドイツ

He Dreiht

(900MW)

市場価格(補助金ゼロ)

(EnBW)

COEの推移と予想レンジ

Source: BVG Associates for WindWurope MHI Vestas

(11)

1)

制度的要因:長期的かつ野心的な導入目標の設定と政策・制度面での事業環境整備

大規模な導入目標を打ち出し、FITによる立上り期を経て周到なセントラル方式の入札を行うことで事

業者の開発リスクを低減、有効な競争環境を創出

2)

技術的要因:風車や建設インフラの大型化と信頼性向上、規模の利益によるコストダウン

3)

経済的要因:洋上風力産業、サプライチェーンの成熟によるリスクの低下

長年のプロジェクト経験により、プロジェクトマネジメント、契約スキーム、ファイナンススキームも

確立し、完工リスク、 運用リスクが大幅に低下、Financialなコストも低減

欧州洋上風力市場 | COE低下の主要因

CoEが大幅に下落

さらなる導入拡大の

好循環プロセス

欧州での25年以上の官民の経験の上に、競争効果があいまってCOEが下落、洋上風

力の競争力が大きく高まり、導入規模のさらなる拡大が見込まれている

巧妙な入札制

度による競争

の激化

(12)

UK

Germany

Denmark

The Netherlands

Belgium

政策目標 *1 英国政府: 10GW by 2020 ドイツ連邦政府: 6.5GW by 2020 デンマーク政府: 1.3GW by 2020 オランダ政府: 4.45GW by 2020 ベルギー政府: 0.5GW by 2018 3GW by 2020 助成スキーム 助成期間等 *1, *2, *3, *4, *5 2014年よりCfD入札に移行。 落札時の申出電力価格 (Strike price)と卸売価格と の差額を国が15年間負担す る。 (卸売電力価格の方が高 い場合は事業者は差額を国 に返還) 2016年に改正された再生可 能エネルギー法に基づき、FIT 方式から、現在は移行期入 札実施中。2021-25運開の プロジェクトが対象で、落札発 電価格で買取(20年間)。入 札は2017年と2018年の2回、 1.55GW規模で実施。 2026年以降運開予定のプロ ジェクトに対しては、デンマーク やオランダと同様のセントラル オークション方式に移行。 エネルギーに関する基本方針 (DK Energy Agreement, March 22 2012)に基づき、 政府がプロジェクトを開発し事 業者入札を実施。プロジェク トの事前調査や環境アセスは TSO(Energinet.dk)が行 う。定格出力50,000時間分 (約10-12年分に相当)の発 電電力に対し、落札発電価 格と市場価格との差分を補 填。 かつては一貫性・長期的視 野に欠ける政策で再生可能 エネルギーの導入で後れを 取ったが、2013年の基本政 策(Agreement on

Energy for Sustainable Growth)に基づき政府がプ ロジェクトを選定して入札を実 施する方式に見直し。各回の 入札規模の大規模化、標準 化を図り、事業者の競争を促 す。落札発電価格と市場価 格との差分を政府が最大15 年間補填。 CfD方式(発電価格は入札 ではなく政府が公示)。 デンマークやオランダと同様の 入札スキームへの見直しを検 討中。 系統への接続 *5 デンマーク・オランダ ベルギー・ドイツ* 英国** *ドイツの場合は各ウィンドファームで変電所を設置し、系統運用者が設置する洋上変電所まで接続を要す *“ただし、変電所から陸上グリッドまでの間は洋上系統運用者(OFTO)に売却する

1) COE低下の主要因|制度的要因

出典: *1 MAKE consulting: Global Offshore Wind Power Market, 14 Dec 2016 *2 蘭 Borssele公募資料 http://offshorewind.rvo.nl/file/download/44692942

*3 Bloomberg 13 Apr 2017, https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-04-13/germany-gets-bids-for-first-subsidy-free-offshore-wind-farms

*4 Project Finance International December 14 2016, Watson Farley & Williams, http://www.wfw.com/wp-content/uploads/2017/01/[email protected]

*5 offshorewind.biz http://www.offshorewind.biz/2015/01/19/offshore-wind-support-schemes-current-status-of-european-support-schemes/

洋上風車導入主要国は戦略的、野心的な目標を設定して民間の投資を促してきた他、互いの政策に学

び、切磋琢磨しながら効果的な施策を導入してきた。

発電事業者 系統運用者

(13)

1) COE低下の主要因|制度的要因(オランダの事例)

事業者にとって最も好ましい条件を政府が周到かつ入念に用意し、低価格での落札につなげている。

1.オランダ政府が大規模(3.5GW)な洋上風力を2023年までに導入する

ことを発表

2.系統接続とその設備はTSOが供給

3.国が開発に責任を持ち、環境アセスなどを行う。

4.建設許可と補助金の助成のプロセスが一体化している。

5.各入札350MW x 2のプロジェクト規模。規模の利益が得られやすい。

6.個々のプロジェクトが類似な条件のため、標準化しやすい。

7.水深16-38m、離岸距離22kmと現在の技術で十分対応できる条

件。

事業者の開発

リスクを最小化

1.長期の明確な導入計画

2.系統接続に政府が責任を持つ

3.政府がプロジェクトを開発

4.建設許可と補助金助成の一元化

5.巨大なプロジェクト規模

6.プロジェクトの標準化

7.恵まれたプロジェクト条件

(14)

2) COE低下の主要因|技術的要因 – 風車の大型化

プロジェクトの大型化と、プロジェクト条件の困難化(水深・離岸距離大)に伴い風車の大型化が進み、

現在は7-8MW機が主流になっている。

Source:

WindEurope

MHI Vestas

V39-500kW

(1995 Tunø Knob)

V80-2.0 MW

(2002 Horns Rev 1)

V112-3.0 MW

(2013 Karehamn)

V90-3.0 MW

(2005 Kentish Flats)

V164-8.0 MW

(2017 Burbo Bank Extention)

MHI Vestasの事例

(15)

2) COE低下の主要因|技術的要因 –

モノパイル基礎の大型化

• ジャケットに比べて安価なモノパイル基礎で、7-8MWクラスの風車で水深40mにも対応可能な大口径

のものが開発されている。

• 同時にメーカの淘汰が進み、現在では10m径クラスのモノパイルを供給可能な主要3社に絞られて来て

(16)

2) COE低下の主要因|技術的要因 – 据付船の大型化

• 当初はOil & Gas向けSEP船の転用やバージ利用からはじまった据付船も、市場の拡大につれて大

型化や風力専用船化が進展。

• 7-8MWのタービンを使用したプロジェクトが主流となっている現在では、これまで3-4MWクラス向けに

(17)

2) COE低下の主要因|技術的要因 – 建設工法・インフラの整備

陸上でできる作業は極力洋上から陸上にシフトする:洋上作業時間

の短縮によるコスト低減、天候リスク・品質リスクの低減

洋上風車仮組立・出荷基地でのタワーの全組立、ナセルの試運転な

どを実施

(Plug & Play Operation)

100日間で100基の洋上風車を建設

一日に最大2基の洋上風車を据付

船舶およびクレーンの大型化や専用船化の進展、メーカ側も合わせた建設工法の

改良により建設期間が着実に短縮されている。

(18)

2) COE低下の主要因|技術的要因 – タービン信頼性(稼働率)の

向上 (MHI Vestasの実例)

LPF(Lost Product Factor)

(発電可能量-実際の発電量)

発電可能量

※MHI Vestasがサービス契約中の

洋上案件が対象

MHI Vestas Fleet Lost Production Factor (LPF)

2.31%

(19)

2004年買収 JV設立 2015年 2001年以降 1980以降 2007年買収 1981年以降 1979以降 1980以降 JV設立 2014年 2017 Q1 統合 Siemens 67.8% MHI Vestas 16.4% Senvion (REpower) 6.2% Adwen 5.2% BARD, 3.2% GE 0.3% Other 0.9% MWベース 2016年末までの累計 出典:WindEurope 2017年 Areva撤退 現在は陸上にほぼ特化

3) COE低下の主要因|経済的要因– タービンメーカの集約

欧州 メーカ別市場シェア

MWベース 2016~2020年末までの各年見通し 出典:MAKE

プロジェクト規模の大型化に伴い、事業者は技術や実績のみならずメーカの財務体力

を重視。近年、重電大手を軸とした統合が急速に進んでいる。

(20)

3) COE低下の主要因|経済的要因 –BOPメーカの集約

タービンのみならず、基礎、ケーブルのサプライヤーも淘汰が進み競争力のある数社に

絞られてきた。

タービン基礎

2016年 年間施工実績

インターアレイケーブル

(風車-洋上変電所間のケーブル)

エクスポートケーブル

(洋上変電所-陸上グリッド間のケーブル)

Source: WindEurope

(21)

3) COE低下の主要因|経済的要因 洋上風力産業の成熟

• 洋上初期はEPCI契約もあったがあまりにコスト高かったため、次第に事業者がとりまとめる複数契約に移

行。多数の経験でプロジェクトリスクが明確になり、複数契約でもリスク管理が十分可能になりコンティン

ジェンシー・コストも低減。

• 特に大手の事業者(DONG, Vattenfall)などは大量の人員を抱えてプロジェクト、契約をコントロール

することで契約を細分化しコストの低減を図っている。

• 今後建設されるプロジェクトの60%は6個未満の契約で組成されている。

( K2 Management社調べ)

(22)

目次

I

欧州洋上風力市場の現況

II

COE(Cost of Energy)低下の主要因

(23)

洋上風力発電コスト低減のため

に欧州から学べること

タービンの大型化とプロジェクトの立地条件(水深、離岸距離)が厳しくなったことが建設コストを押し上げる

要因となったが、設備利用率の向上、規模の経済と習熟効果、さらに激しい競争効果により発電コスト

(COE)は大幅に下落。

デンマーク

英国

COEの

推移

2014~現在

競争時代

⑤競争効果

デンマーク・オランダ・ドイツ

2012~2014

成熟期

④サプライチェーンの成熟と規模

の経済

2005~2012

拡大期

③プロジェクトコストの増

大と設備利用率の改善

2000~2005

成長期

②タービンとプロ

ジェクトの大型化

1990-2000

実証機~実用化初期

①習熟効果

タービン出力(MW) ~0.5 1.5-3.0 2.3-3.6 3.3-8.0 CAPEX (EURm/MW) 2.3-4.6 1.5-2.3 2.3-5.0 3.0-4.5 水深(m) 7 10 19 27

-水深が浅く、離岸距離も短い

-厳しいプロジェクトの立地条件

-より厳しいプロジェクトの立

-規模の経済で建設費低

-タービンの大型化

(24)

1. 大規模で長期的かつ明確な導入計画

洋上風力発電の導入への明確なコミットメント

一定以上の年間新設規模を中長期的に明示することで民間の投資意思決定を促進

2. 法制度、環境の整備と障壁のクリア

系統インフラの整備、合理的で競争的な接続ルールの設定

一般海域利用に関する根拠法・フレームワーク・利害関係者との調整・ゾーニングの推進

透明で合理的かつ迅速な許認可プロセス(含む環境アセス)

将来的に公平で競争効果の高いセントラル方式による入札の導入

3. 欧州の最新知見の積極的な導入

風車の信頼性評価、建設工法、据付船の活用

プロジェクトマネジメント手法の導入

契約・リスク管理スキーム、ファイナンス手法の導入

O&M(技術、運営手法、船舶の運用等)

洋上風力の自立化に向けて必要なこと

「洋上風力は一日にしてならず」 ただし、過去25年以上の欧州での試行錯誤の経験と

教訓に最大限学べば、日本なりに短期間でのコスト低減は可能

(25)

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