第二部 講演会・ワークショップ講演録
大学院生の就職支援活動で得た知見紹介と
これからのキャリア教育
株式会社アカリク 取締役
長井 裕樹
皆さん、初めまして。株式会社アカリクの長井と申します。アカリクという会社で すが、アカデミー・アンド・リクルートメントの略で、大学院をはじめとするアカデミー と産業界をつないでいこうというコンセプトで社名にしております。コーポレート・
ミッションが3つありまして、一つ目は「社会変革」を掲げています。知識も有して いて、思いもあって、しかも優秀な人材が分け隔てなく社会に出ていって活躍できる 状況をつくりたいという考えから、「社会変革」を掲げています。二つ目が、私自身 が気に入っているコーポレート・ミッションですが、「知恵の流通と最適化」という ことに取り組んでいます。知恵という言葉は、私自身の定義としては知識と知恵をわ けて、知識は本にできたり、カタログにできるものですが、そういうものを持ってい る人たちがフィールドに到達して、フィールド内で稼働して初めて生まれてくるもの、
それが知恵だと考えています。その意味あいでの知恵を流通させることを二つ目に挙 げております。3つ目が「豊かさ追求」というミッションです。どういう状態が豊か なのかを常に考えながら仕事をしようと。人それぞれに豊かさのイメージがあると思 います。自分自身の知的な好奇心が満たすことができれば豊かだと考える人もいれば、
経済的な面が強い方もあれば、いろんな豊かさの定義があると思いますが、いろんな 人がいろんな豊かさを感じている中で、自分はどういう豊かさをつくっていくかを追 求していこうと考えております。
「大学院生の就職支援活動で得た知見の紹介とこれからのキャリア教育」と題しま して、普段の活動とか、今、感じていることを大学側とは違う企業側の視点から紹介 させていただきます。
キャリア関連、就職関連の話としては、私自身、大学生、大学院生を中心としたセ ミナーを開催して、そこで話をしていますが、これまでに約1万人の院生、ポストド クターの方に会いまして、セミナーやガイダンスを実施しています。会社自体は年間 1500人くらいのペースで個別の面談もして、こういう企業、こういう可能性があるの ではないかとお話をさせていただいています。「アカリクWEB」という院生人材、若 手研究人材を対象とした就職情報サイト、情報系のインフラを運営しています。特に
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求してじっくり取り組むことによって、試行錯誤もしながらやっていくことで、大学院生のコア能力、さらにいろんな分野に対応しうる能力、大きな土台が育つのではな いかと考えています。自分自身、研究課題を設定して解決のところまで持っていく。
課題設定、解決能力、論理的な思考能力、プラスαを生み出していく思考力、アウトプッ ト能力、調査能力、評価能力、自己管理能力、自分自身のテーマ、専門への思いを持 つことが、しっかりと成長すると考えられます。自分自身の研究テーマという頂点部 分の☆印だけで、その人のアイデンティティではないという話、自分の能力の中には コア能力もあるだろうし、台形+三角形全てが自分自身の研究に関して培われる能力 だろうし、自分自身の性格、キャラクター、生い立ち、コミュニケーション能力その他、
いろいろな経験があって自分自身の総体ではないかという話をしております。よくこ の話を就職活動のはじめの段階でするんですが、専門に関する技術や知識、自分自身 のテーマだけをアイデンティティと考えないこと、全部が自分自身、その上での社会 への自分の活かし方を考えましょうと話しています。
企業側が大学院生や博士に求める能力はどういうところか。概して大手であったり、
中堅、中小でも共通して言えることは、トータルとしての人物を絶対に見ます。どこ かが一個秀でていても、人物がだめであれば採用できません。博士のスキルを求めて 採用する、例えば情報学の分野でIT系の企業はありますが、多くの会社、企業は院生 のコア能力と呼ぶ部分をしっかりと持っているかどうかを重要視するといえると思い ます。社会に出ていってから自分自身が専門分野外で仕事をすることになって、新し く自分自身のその場面での専門性、プロフェッショナルとしての立ち位置、部署が変 わったり、転職することになっても、違う三角形をつくっていくことができる。これ ができるのは土台があるからこそできる。土台がないとできないことだと思われます。
横つながりで、自分が想像もしていなかった有機的な結合が行われて、人によっては イノベーションとも呼べるものも達成できる可能性がある。それが博士人材ではない かと思います。
大前研一さんの『洞察力の原点』を読んでいて、こういう場面で博士に伝えたいな と考えた抜き書きを資料に載せています。大前さん自身も博士で、マッキンゼーに入 られて、経営コンサルタントとして世界的なコンサルタント会社のトップをされてい た方ですが、その著書の中で「ビジネスインパクトのある人材とは何か。それは「自 分で物事を見て分析し、考え、構築でき、また新しいものを構想し、それを事業とし て生出していける人材」である」。さらに「論理的な思考を持って世の中の事象を腑 分けし、本質的な問題を見つけ出す。その上で本質的問題を解く解決策を立案し、責
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任を持って実行する。企業で、いや我々の国で今、切望されているのはこうした人材 である」と述べられています。これはコア能力と非常に重なるのではないかと考えて います。
もう一つ紹介させていただきますと、多少、理系よりと聞こえるかもしれませんが、
内容としては文理を分けて考えるべき内容ではないのですが、1990年にブタペスト宣 言がブタペストの会議で出されています。今から20年以上前に世界の科学者がブタペ ストに集まり、世界のトップの科学者が1週間、合宿しながら、21世紀の科学はどう あるべきか、ということを話し合った。21世紀の科学のあり方としては、20世紀型の 知識の生産に重点をおいて知識の活用を使う側に任せている姿勢では科学に対する信 頼と支持は得られないという強い危機感があって、この宣言が出されました。技術を どう使うか、政治も同じかもしれません。ここで述べられているのでは、20世紀型の 知識のための科学、Science for Knowledgeに加えて、平和のための科学、Science for Peace、そして開発のための科学、Science for Development、そして社会における社 会のための科学、Science in Society、Science for Society。私はScience for Societyが 好きなんですが、それが責務ですよと述べられています。つまりこの中には、今の日 本の博士人材、ポストドクター、高学歴の人材層が直面している、そして社会といか に接点を持つかという視点が、この4つのところに含まれているのではないかと感じ ております。文部科学省は産学官を問わず、社会のあらゆる場で活躍できる社会シス テムを構築することが急務だといっています。
こういうような状況の一方で、大学院生自身、ポストドクター自身はどんな状況か。
大学院生は、研究室に所属して専門テーマを持っていますので、自分のアイデンティ ティを☆印の研究・論文テーマのみに求める傾向が結構、ございます。そして、どう しても視野が狭くなってしまっている。「自分自身の能力=研究能力」と考える傾向 がありまして、自分自身の能力定義と人物定義の部分の範囲が狭い部分があるかな、
と。研究テーマが社会とつながっていないというのは、つながっていなくてもいいん ですが、気持ちの上でどういうふうに自分を活かすかということが、あるか、ないか のところだと思います。研究テーマと専攻で、企業の方からも狭い人材としてカラー リングされてしまう。色眼鏡で見られてしまう部分がございます。特に博士、ポスト ドクターは、博士ということでもカラーリングされるバイアスがかかります。自分の 中で、自分自身の興味の占める割合の優先度が高くなって、世の中で相手にあわせて サービスする場面への親和性が、自分の興味の度合いが固くある人は、難しくなって くる部分もあります。社会への視線、社会との関わりをどのように持つかについては、
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非常に個人差が出ているといえます。コア能力の中で論理的思考と言いましたが、その方法論を理解していない。実際、本当に論理的思考ができているかと話しています と、実際のところは、そうじゃないなという人も結構、存在していることを感じてい ます。
以上を含めて、前半の話と実際の部分には多少ギャップがあって、企業からどう見 られるかというハードルもあるというところを感じています。そこで人磨きをする、
教育、活動が大きな価値を生み出す可能性があるなと感じているところです。
博士に話している内容としては、6点。まず、視野を広く持って自分の定義を広く する。博士ならではの哲学、世界観を持てるくらいまで高めてもらいたい。そして自 分の才能、キャリアは人物がすべてなので、「人物」を売り込んでください。マーケティ ング思考も重要ですよと。自分の何を売り込めるのか、どういうふうに売り込んでい くのか、どういうふうに相手と関係をつくるのか。そういう思考ですね。研究を行っ ていく上でも、自分の研究テーマをどう設定すれば、どうインパクトが出せるのか。
他の人はどういう研究をやっているのかというマーケティング視点、マーケティング 思考は結構、重要ですよと。
あとは就職活動の話ですが、就職活動という視点で紹介させていただきますと、世 間一般の常識的なイメージのみで考えない。学校基本調査での数字ですが、博士はそ もそも大卒者の中で文理あわせて3%しか存在しません。その上で、中小企業振興機 構のデータで、こういうグラフがある。日本に存在する個人事業者を除いた事業者数 は150万社。大手の新卒の2大サイトに載っている会社数は2万社。つまり、1.3%の みが通常の新卒のサイトに載っており、残りの98.7%は載ってないわけです。特に博 士くらいの自分自身の色がついていて、特殊な能力を持っていて世界観もそれなりに 持っている人材層は、えてして濃い内容をやっている小規模の事業所、会社が求めて いる。こちら側、98.7%の方にもチャンスはありますよ、という話をしています。そ れが1.3%の中で、熾烈に40万人の人がどこかに行こうというところに博士が混ざる。
そこだけで勝負しなくても、98.7%の方にもありますよ、という話をしております。
これからのキャリア教育。米山先生のお話と重なる部分があると思いますが、その 取組みは先進的で素晴らしいなと感じたんですが、日常的な異分野、異文化との交流 活動が、かなり有効なのではないかと感じています。立命館大学では、異分野の研究 交流で予算が10万円だと。もっと10倍くらいつけてもいいのではないかと思いました が、これは効果が出るのではないかと考えています。就職活動の場面でも、自分自身 が何をしてきたかを異分野の人に必ず伝えないといけない。自分の面白さを伝える。
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それを、瞬発力を持って伝えないといけない。大学の教育、特に研究活動はじっくり と物事を考えて進めていくところは教育されていたり、時間があるんですが、社会の 場面で相手とやりとりする際には、瞬発力を持って考える力が必要です。しかも相手 にあわせて。そういうことを訓練することでは、異分野、異文化交流の活動はいいか なと思います。
また、社会問題を解決するビジネスワークも一ついいのではないか。社会への視点 を持ちながら、自分はどういう意見を述べられるかということですね。これは博士と しての哲学、博士としての世界観を持った上で意見を言ったり、自分はどう関われ るかというところの訓練になると思います。Science for Peace、Science for Society、
自分自身の問題意識を紹介して、課題設定して、この社会、こういう不具合があるよね、
というところの本質を皆で議論して、ワークして調査をして、ということは、博士が 集まってやると面白いのではないかと感じています。
マーケティングのワークショップ、京都大学で2回開催しておりますが、これもま た面白いのではないか。マーケティングの方法論は、自分自身の研究テーマの設定、
予算を取っていく上でも有効なものでもあります。他のものと自分自身のものを比較 して、その上でどう見せるか、また市場は何を求めているか、社会は何を求めているか。
また、就職活動の場面だと、企業は何を求めていて、だから自分は何を表現しないと いけないのか。そういうところもマーケティングに含まれますので、一生ものとして 使えると考えられます。
また、日常的、草の根的な社会との交流、就業訓練というようなものも、4つ目と して挙げられるかと思います。インターンシップが行われていますが、これはアルバ イトでもいいのではないかと思っています。インターンシップという形式が評価され るわけではなく、実質的に学外の人と知的な作業において場を一緒にして、物事を取 り進めることができれば、アルバイトでもいいと思っています。
これはアカリクの事例の紹介ですが、経済産業省にアジア産業人材育成調査という 案件がありました。今、ホットなミャンマーの民主化という話題で、日本としては地 勢学的にもミャンマーという国は非常に重要であり、そこと友好な関係をつくってい くためにミャンマーの人と一緒にアジア産業の人材育成をどういうふうにするかとい う調査案件ですが、これにアカリクと連携している博士がやっている小規模のシンク タンクがありまして、一緒に応募しようとなりました。その際にアカリクに登録して いる累計3万人の大学院生、博士のデータベースを検索して、最適な人はいないかと 探しました。なんと、ミャンマーから日本に留学してきて9年間日本にいて、日本語
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ペラペラのミャンマー人の博士がいまして、その方にお願いして一緒にこの入札に応募しませんかと入札しましたら、経済産業省の案件なのに、経済産業省の外郭団体を 破って、この調査案件をもらえて、今、ミャンマーに行って調査しています。そこに アルバイトとして入っていただいているんですが。他に理科実験教室の企画運営とか、
母校の大学で、こんな面白いことをやっているよ、という出前授業をやってもらった り、NPOの手伝いとかもやっていくと、生きた現場、面白いことができるのではない かと考えています。以上がご紹介となりますが、ご清聴どうもありがとうございまし た。
風間:
ありがとうございました。大学院教育というと、特に博士課程ですと、キャリアと いっても研究職を養成するというイメージで捉えられてきがちですが、今日のお話の 中にありましたように、社会に出ていくという時に、民間企業でどういう能力が評 価されるか。コア能力というキーワードが出てきたと思いますが。それをどうやって 大学院の課程で養成するかを意識して考える必要があるのではないかと感じました。
キャリア教育について最後に実践的な話が出てきたかと思います。本学におきまして も、こういう形を意識して検討していったらいいのかなというアイデアがたくさん含 まれていたと思います。
この後、質疑応答に入り、フロアの皆さんから質問等を受け付けたいと思います。
〔質疑応答〕
フロア:
長井さんに質問します。博士に話していることとして、マーケティング視点、マー ケティング思考が重要だというお話がありましたが、これからのキャリア教育につい て、特に「マーケティングワークショップ」について教えていただければと思います。
長井:
マーケティングのワークショップですが、全員参加型で30名、1班5人で分かれて 行います。マーケティングとは何をするのか、どのような方法でやるかといった導入 を30分、方法論を使ってこのケースについて考えてみようと。例えば、ツタヤの事業 展開を読んで自分たちだったら経営課題にどう取り組むかを、ネットを使ってでもい
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いから調べて、コンセプトを立てて、キャッチフレーズをつけて、最後は経営者への 提言まで出していく。そのサービスの競合関係にあるのはどういうところか、自分た ちのサービスの売り先はどういうセグメントなのか。若い人なのか、日本人か、作戦 まで作っていくようなツールを使って、最後は自分たちで発表する。自分たちの研究 活動を使えるよ、というつなぎこみを行い、その後解散となります。それも面白くて、
そういう場に来る学生の、学生同士のネットワークが続いて、さらにできていくと面 白くできるのにな、と思いながら、単発のセミナーなんですが、行っています。大体 3時間〜4時間ですね。
フロア:
所属の大学では大学院を担当しています。各研究科から意見聴取して、志願者が減っ ているということに対しての意見を聞いたんですが、社会情勢として少子化、不況で あるとか、進路先・就職の不安があるとかが共通して意見が出されました。進路につ いての具体的な方策もなく、キャリア開発になりますと、大学院に進学すると就職が 悪くなるという説明で、学内で矛盾を起こしている状況です。立命館大学では、進路 の把握に努めておられるということですが、どういうところに進路があるのか、お教 えいただきたいと。大学院に進学したらこのような路が開けるということについての 説明を、お願いしたいと思います。
風間:
実感として、修士は学部生に比べて男女の違いがあって、女性の大学院生の就職が 民間については極めて厳しいという実感がありますが、それも合わせて長井さんから お願いします。
長井:
女性の修士と文系の学部生では、全体的に就職活動生の中で、女性の方が基本的な 部分、身なりや挨拶とかは男性よりも気を使っているわけですね。そういうところで は差がつかない。女性の学部生は、そういう意識を入学当初から持っていますので、
そういう人たちと修士は競争しないといけないところがありますので、レベルとして は男性と比べると及第点だけど、競争環境を考えると厳しいという面がある。外交的 か、内向的か、大学に残っていると、多少内向的になってきてしまう部分がある。能 力は育っているが、自信を持ってもらう必要があります。初めての場面では引っ込み
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思案になることが出てしまうのかなと思います。ご質問の件については、大学院に進んだからこういう職種にいけるとかは多少あり ますが、総論として、大学院に進むメリットとデメリット、メリットとリスク。何か を選択する時には、必ずメリットもあれば、選ぶことによってリスクも発生する。そ このバランスを考えて選択していかないといけない。その上で修士まで進むか、博士 まで進むのか、その後、研究者に進むのか。その都度、自分がどれだけ投資して、ど ういうメリットを得るために投資するか。その時に発生するリスクはどういうものか を、マーケティング的な視点も持ちながら選択する。どんなリスクが発生するか、マー ケティングな観点から把握しておけば、リスクに対しても、保険的に、こういう活動 を学外でもやっておこう、こういう能力を身につけようとか、そういうことができる。
研究室に行こうとか、自分自身の組み立てができてくると思います。今はリスクが見 えない状態で進学してしまう人もいるということで、リスクをどこまで見せていいか、
研究室運営もあるのに、という悩みがあったりする状況だと思いますが。まずはすべ て見せて、自分で考えて、リスクを認識してもらった上で、リスクに対してどうする かというところまで選択してもらう。そのリスクがある中でも、自分はこんなメリッ トを享受できる、こういう能力もあなた次第だけど成長できるチャンスもあるよ、と いうふうに持っていけるといいのではないかと感じています。
風間:
大学院博士課程でキャリアをどうするかということで、私たちの世代では考えもし なかったことですが、社会のニーズもあり、そういう状況になっている。ある程度、
発想や考え方から大学院のあり方まで転換する必要がある一方で、そうはいってもア カデミズムの範囲で守らないといけないところもありまして、それを峻別してやって いかないといけないという、今日のお二人のお話を伺いながら感じました。本日はあ りがとうございました。
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第二部 講演会・ワークショップ講演録
大学院生の就職支援活動で得た知見紹介と これからのキャリア教育
長井 裕樹
株式会社アカリク 取締役
1.アカリク紹介
コーポレートミッション・社会変革
・知恵の流通の最適化
・「豊かさ」について考え、その実現に取り組む
講師:年間60回程度、大学院生・PD対象のセミナーやイベントを担当。キャリアプ ログラム作りにも取組む。
2.博士の能力とは?(企業の求めるもの)
・専門能力のみではない
・研究に取組む中で培われるコア能力が重要
・ コア能力:課題設定能力、調査能力、評価・分析力、論理的思考力、解決力、ア ウトプット力、自己管理力
・博士ならではの哲学、世界観
3.博士、科学者への期待
・1990年 ブダペスト宣言
従来の「Science for Knowledge」のみでは不足 Science for Peace
Science for Development
Science in Society、Science for Society という責務が重要
4.大学院生、ポストドクターの状況
・視野の狭さ(個人差が大きく存在するが、狭い人が多い)
・「自身のID ≒自身の研究テーマ」化
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・自身の能力把握が不十分
果たして(能力開発)意識、問題意識が漫然としている状態で能力は育つか?
・企業からも「狭い人材」としてカラーリングされる傾向
・「自身の興味・関心」の追求と社会の一員としての責務とのバランス
・論理的思考とはどうするか?という教育の必要性
5.博士に話している内容
・視野を広げ、自身の定義を広げる
・博士ならではの哲学、世界観
・「人物」を売込む
・マーケティング視点、マーケティング思考
・コミュニケーションの決定権
・常識的イメージで就職活動(キャリア構築)を捉えない
6.これからのキャリア教育について 〜やりたいこと、していただきたいこと〜
Science for Peace Science for Development
Science in Society、Science for Society という点の拡充と、そのための教育 1.異分野、異文化交流
2.社会問題を解決するビジネスアイデアワーク 3.マーケティングワークショップ
4.日常的、草の根的な社会との交流、就業訓練
※本来は交流ではなく一体化しているべきだが、まずは交流から
※Facebookを行っていますのでよろしければご覧ください。
参考:博士に推薦したい図書
1.イシューからはじめよ〜知的生産のシンプルな本質〜 ヤフー株式会社COO室室長 著:安宅和人(脳神経科学博士)英治出版 2.考える技術 著:大前研一 講談社
3.人生と仕事について知っておいて欲しいこと 述:松下幸之助 PHP研究所 4.超訳 ニーチェの言葉 翻訳:白取春彦 ディスカバー21