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公立 中学校 における法教育 の実際

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Academic year: 2021

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公立 中学校 における法教育 の実際

はじめに

アメ リカで盛ん に行 われて きた法教育 が,戟 が国で広 ま り始 めたのは最近 の こ とで あ る。 司 法制度改革 が法制化 され,裁判 員裁判 をは じめ として さまざまな展 開 を見 せ る中で,成熟 した 市民社会 を迎 えるにあた り,特 に学校現場 での 法教育 の要請が高 まって きたか らで あ ろ う。 な お,各 国 の法教 育 の実 態 等 につ い て は,平 成 16年11月に ま とめ られた法教育研究会 の報告 書 に詳 しい1)0

こ う した一 連 の流 れ の 中で,私 は,平 成16 年 ごろか ら横浜弁護士会 の弁護士 の方 々 と連携 す る よ うにな り, これ までい くつかの実践 を し て きた。 そ こで その実践 の概要,成果 と課題等 につい てそれぞれの実践 ご とに ま とめ,今後 の 研究 に向けて一旦整理 をつ けたい と思 う。

1 社会科での実践 (1)社会科学習 と法教育

学校 現場 で法教育 を実践す る とな る と, その 主 な舞 台 とな るのが社会科 の授業 で あ るこ とは 間違い がない。 ところが,教科担任制 で社会科 が あるのは, 中学校 の三年 間だけで あ る。小学 校 は学級担任制,高校 は地歴 と公民 に分 かれ る ので,社会科 として社会科 の教師が授業 をす る のは中学校 だけで あ る。 そ うい う意味で も, 中 学校 の果 たす役割 は非常 に大 き くな って きてい る。 また,子 どもの発達段 階か ら考 えて も, あ る程度抽象 的,概念 的 な知識 を用い て もの を考

鈴 木 浩

え られ る ス タ ー トの時期 に当 た る中学 校 段 階 で,法教育 に取 り組 む こ との意義 は大 きい。

法教育 について,法教育研究会 『は じめて の 法教 育』2)で は4つ の教 材 を示 し,現 場 の実践 に提 供 した。 しか し, こ こに示 され た教 材 は

「た った4つ」 で あ って,現場 の社 会科 教 師 が この例 に流 れ るエ ッセ ンスを汲 み, 多 くの実践 を増 や してい く必要 が あ るので あ る。

ところで, 中学校 の学習 内容 の中で, もっ と も法教育 に関係 が深い のが公民 的分野で あ る。

公民的分野 の学習 内容 は, ほ とん どが法 と関 わ って くる。公民的分野 の半分近 くの内容 が憲法 学習で あ る。 また,経済分野 におい て も,独禁 汰,消 費者保 護 法,PL法, クー リングオ フな ど, さまざまな法 的 内容 にふれ る し, そ もそ も 契約 とい う概念 が,法教育 の柱 の一つ にな るの で,法教育 に関 わ る内容 が多い とい うこ とにな る。 また, 国際社会や福祉 の増 大 についての分 野 も, 国際法, 国連 な ど法教育 に関 わ る内容 と い うこ とがで きよ う。

こ うしてみてみ る と,公民 的分野 の学習 ‑法 教 育 と言 えそ うで あ るが,決 して そ うで は な い。授業 とい うものは,単元 ご とに 「ね らい」

が あ って, その 「ね らい」 を達成す るために意 図的計画的 に営 まれ る もので あ る。 その 「ね ら い」 に法教育的 な視 点が あ るか どうかが, その 授業 を法教育 と呼ぶ こ とがで きる授業 で あ るか ど うか の違い とな って くる。 そ うしない と,社 会科 の学習 内容 は相互 に関連 してい るので,全 てが法教育 で あ り,全 てが金融教育 で あ り,人

(2)

権教育 で あ り, 国際理解 で あ り,何 で もあては ま って しま う。つ ま り,「法教育」 で あ るか ど うか を授業者 が意識 して取 り組 む こ とが, ポイ ン トとな るので あ る。

(2)公民的分野での授業実践

これ まで私が実践 した公民的分野で の 「法教 育」 の授業 は,次 の2つで ある。

ア も うす ぐは じまる裁判 員制度

この授業 は, これ まで さまざまな場面 で発表 し, また紹 介 もされてい る実践 で あ る3)

平成17年,今 か ら3年 ほ ど前 の実 践 で,今 日ほ ど裁判 員裁判 についての社会 の関心 が高 く なか った ころの実践 で あ る。授業 の流 れ を簡単 に示す と,

(∋ 裁判 員制度 の概要 を学ぶ。

(∋ 保護者 に裁判 員制度 について の ア ンケ ー トを作成 し実施 す る。

(勤 ア ンケー ト結果 の分析。

④ 自分 た ちが,大人 に何 を, ど う,伝 えれ ば よいか考 える。

G) 地域 の懇談会 や,横浜市 の発表会で発表 す る。

で あ る。

授業 の社会科的 な視点でのね らいや, この実 践 が全 中社横浜大会 の研究発表 で あ った関係 か ら, その研究理論 との整合性 な どの部分 は除い て,法教育 的 な視 点か らこの実践 を分析 しなお

してみたい。

まず, この実践 の ポイ ン トは,地域 に 自分 た ちの学習 した こ とを伝 える とい う視 点 を もって い るこ とで ある。 そ こで,生徒 が 「なぜ, この 制度 を導入 したか」 とい う導入 の意義 を最 も重 視 した事実で あ る。 そ して,実際 の授業 で は, 裁判 員制度 の根幹 には司法制度改革 が あ り,成 熟 した市民社会 の形成 のた めには ど うして も必 要 な制度 で ある等 の こ とを生徒 がつかみ取 り, その こ とを地域住民 に訴 える とい う展 開 にな っ た。

なお, この中で③(彰の段 階,つ ま りア ンケー トづ くりとその分析 だけで も,非常 に中味 のあ る法教育 の実践 がで きる と思 われ る。実際 に(令

④ だけ を実践 した こ ともあ った。 ア ンケー トづ くりは1時間の授業 で可能で あ る。生徒 が各 自 2名 の大人 を見 つ けて ア ンケ ー トに回答 して も らい, 回収,集計,分析 す るだ けなのだが,各 家庭 で裁判 についてい ろい ろ話 し合 う機会が持 て る とい う副産物 もあ る。 こん な こ とで もなけ ればなか なか司法制度改革 について家庭 で話 し 合 うこ ともないで あ ろ うし,い ろい ろな意味 で 価値 の あ る実践 だ と思 ってい る。

イ 弁護士 さん に聞いてみ よう

この授業 は,弁護 士 の出前授業 として非常 に 取 り組 みやすい もので あ るので紹介す る。

(1時間 目)

(D ク ラス内 に班 を作 り,弁 護 士 へ の質 問 を 20個 考 え る。 そ の際,弁 護 士 とい う仕 事 につい て の質 問10個 と法律 や裁 判 に関す る質 問10個 の計20個。

(∋班 の中で,実際 に質 問 してみたい質 問 を1 つずつ (計2つ) に絞 り, ど うして その質 問 なのか, その理 由 を考 える。

(参グル ープご とに黒板 に出て,1つずつ質 問 事項 を書 く。他 の班 と重 な った場合 は調整 す る。

( 2

時間 目)

④弁護 士 に来 てい ただいて,質 問 に答 えて も ら う。

G)この授業 で学習 して わか った こ とを ワーク シー トに記入す る。

実際 の授業 で は,生徒 か ら非常 に素直で鋭い 質 問 が 出 され た。 なか で も,私 が 印 象深 い の は,「弁護 士 の先 生 は,悪 い人 の弁護 も します か?」 とい う質問で あ った。弁護士 の先生 は, 少 し困 った よ うな顔 をされ 「基本的 には弁護 し

ません」 と言 われた ので あ る。 その時 の生徒 の 表情 が また,実 に印象的 な もので あ った。 もち ろん当番 の時 は一生懸命 や る し,悪い人 とい っ

(3)

で も, その人 と話 してい る ときに, この人 の弁 護 を引 き受 け よ うと納得 で きる部分 が あれ ば弁 護 します と説 明 され,生徒 も納得 した様子 で あ

った。

この授業 は,誰 で もす ぐに取 り組 む こ とがで きる実践 で あ る。 もち ろん弁護士会 に出前授業 を依頼 して とい うこ とにはな るが, 出前授業 の 一 つ の よい モデル なので はない か と,密 か に思

ってい る。

2

選択社会での実践

選 択 社 会 で今 年 取 り組 ん でい る授 業 は,「裁 判 員 マ ス コ ッ トとキ ャ ッチ コ ピーを考 え よ う」

と,「裁判 劇 を作 って み よ う」 で あ る。

各地検 等 が,裁判 員 のマ ス コ ッ トキ ャラを考 案 し,裁判 員制度 の普及 に努 めてい る。 その こ との是非 は ともか く, 自分 た ちの学校 で も裁判 員 マ ス コ ッ トキ ャラを作 って み よ うと投 げか け た。 さ らに, みん なが裁判 員制度 に関心 を もっ て もらえるキ ャ ッチ コ ピーを考 えてみ よ うとい

うこ とで取 り組 んでい る。

生徒 は マス コ ッ トを考 えなが ら,裁判 員制度 の本 質 につい て考 え る よ うに な る。「そ もそ も なんで こん な制度 す るん だ っけ?」 と,いつ も 原 点 に回帰 しなが ら考 えてい く。「一 般 の市民

の意 見 が大事 なん だ よな」「自分 た ちの町 で起 きた事件 につい て, 自分 た ち も考 えてみ るん だ よな」 な ど と会 話 しな が ら考 えて い るの で あ る。 これ を も し,教 師 が一方 的 に 「裁 判 員制度 とは」 と,講 義 を し板書 して それ を生徒 が写 す 授 業 を した ら,先 の よ うなつぶ や きは生 まれ な い。 マ ス コ ッ トや コ ピーを作 るこ とに意義 が あ るので はな く,常 に原 点 に回帰 しなが ら考 えな けれ ばで きない 内容 で あ るこ とが,法教育 的 な ので あ る。

裁判劇 につい て は,選択社会 で は よ く行 われ てい るてい る実践 で あ る4)。私 が ここで試 みて い るのは,裁判劇 よ りも, その前提 とな る事件 を作 るこ とで あ る。裁判 員裁判 に よって裁 か れ る事件 は,殺人 ,放 火 な どの重い罪 で あ る。 そ

うい う事件 を想像 で作 るこ とは,一歩 間違 えば マイナ ス効 果 も予想 で きるので,教 師 の適切 な 支援 が あ って成 立す る もので は あ るが, うま く 支援 す る と非常 に深 い授 業 にな る。

残念 なが ら,今後選択授 業 の実施 幅 は大 き く 削減 されて しま うので,選 択 で の扱 い その もの はな くな るが,手法 を工夫 してい くこ とで必修 授業 に も応用 で きる と思 う。

3 道徳 での実践 「街 でみか けるルール 違反,マナー違反」

この実践 も,い ろい ろな ところで紹 介 されて い る もので あ る5)o法 と道 徳 とい う,法 学 的 な 内容 の実践 は,法教 育 の新 た な視 点 を提示 で き た と思 ってい る。

(1時間 目)

① 街 で見 か け るル ール違反 とマ ナ ー違反 を付 隻 紙 に書 い てい く。 (一人2‑5枚程度)

② 書 い た付篭 を,次 の よ うな象 限が書 かれた 模造 紙 に貼 ってい く。

(丑似 た よ うな内容 の付 築紙 を張 り合 わせてい く。

( 2

時間 目)

(彰それ ぞれ の付隻 の位 置 をみん なで検 討 して い く。

6)ど うした ら違反 が少 な くな るか意見交換 す る。

この授 業 は, その そ も 「法 とは何 か」 あ るい は 「法 は何 のた めに あ るのか」 とい った 「法 と 道徳 」 とい う法学 の基 本 テ キス トに書 かれてい

る内容 に関 わ る よ うな実践 で あ ろ う。

まず, 自分 た ちの身 の回 りを見渡 してみ る。

そ こに あ る,非道徳 的 な行為 を思い浮 かべ てみ て,果 た して それがル ール違反 なのか マ ナ ーに 属 す る問題 なのか を考 える。 そ うす る と, マ ナ ー とル ール の基準 が きわ めで微妙 な もので あ る こ とに気づ くし, マ ナ ーがル ール化 した り, ル ール をマ ナ ーに 「格下 げ」 す るこ とも可能 な こ とが見 えて くる。「そ うか, マ ナ ーで す めば そ

(4)

れの方 がいいね」 な どと話 す生徒 も出て くるの で あ る。「ル ール は誰 か が決 めて くれ る もの」

で あ り, そ して違反者 を捕 まえた り処罰 した り す るの も,誰か に任せておけばいい とい う意識

を 「自分 た ちの問題 は 自分 たちで解決す る」 と い う意識 に変 えるのに,非常 にいい授業 だ と思

ってい る。

4

特別活動としての実践

私 た ち教 師は, ル ール作 りの授業 を 日々の特 別活 動 で た くさん実践 されてい る6)。 しか し, 残念 なが らそれ らが 「法教育」 として意識 され てい ない ために,十分 な教育効果 を発揮 してい ない場合 も多い。学級会,生徒会 の各委 員会, 生徒総会 な どは, まさに法教育 の実践 の場 で あ

る。

さて, ここで紹介す るのは, 自然教室 とい う 宿泊行事 で の取 り組 みで あ る。

校外学習 に行 くとき,学校 で は必ず とい って よい ほ ど,「きま り」 を作 って しお りに記 入 さ せ る と思 う。 この場面 を とらえて,「法 教育」

の視 点 を入 れた実践 を行 うとよい。

ここで,大事 に した こ とは 「0か らの出発」

とい うこ とで ある。全 クラス同時 に学級担任 に 指導 させた。 白紙 か らル ール作 りをす るので あ

る。

① 自然教室 に行 くに当た って,必要 な決 ま りを全部書 き出 させ る。

② aそ もそ も法律違反 の もの b社会常識 的 なマナー C校則 と変 わ らない もの d 自然教室 だか らこそ必要 な もの eその他 に分類 をさせ る。

(参 aしお りに 「きま り」 として書い たほ う が よい もの を残す。

bお小遣い の金額 や持 ち物 (お菓子 の量 や種類 も含 む) につい て は,理 由 をつ けて クラス として の見解 を決 め る。

こ うして, 自然教室委 員が, それぞれの クラ スの よ うす を持 ち寄 って,学年 としてのル ール

を作成 した。教 師 は何 も指示的 なア ドバ イスは せず,議論 が混乱 した ときに介入す る程度 に し た。結果 として非常 に驚 きもし, また感動 した

こ とがお きた。 自然教室 を終 えて各 クラスの代 表 が感想 を述べ た とき,全 クラスの代表 がル ー ル作 りの こ とにふれて, 自分 た ちでル ール を作

った こ とが よか った と述べ た こ とで あ る。「自 分 た ちの こ とは 自分 た ちで」 とい う姿勢 は, そ の後 の生活指導等 に も非常 に有意義 に展 開 して い った。

5 キャリア教育としての実践

弁護士会 の出前授業 を, キ ャ リア教育 の一環 として位置づ けた実践 で あ る。法律 に携 わ る仕 事 で あ り, あ る意味 で は人 間 の陰 の部分 (犯罪 や ら争い ご とや ら) を引 き受 けて解決 してい く 職業 について学 ばせ るこ とに した。

生徒 に,事前 に クラスで話 し合い を持 たせ, クラスか ら二つ の質 問 に絞 って代表者 が弁護士 に質 問 をす る。

各 クラスか らの質 問 1組

○ 日本語 が話 せ ない人 の弁護 は ど うす るの ですか ?

〇人 を弁護 してつ らか った こ とはあ ります か ? あ る と した ら, どん な と きで す か ?

2組

○ なぜ,犯罪者 を弁護 す るのですか ?

○ 弁護 士 とい う仕 事 のや りがい は何 で す か ?

3組

○弁護 士 にな るた めに, どれ くらい勉強 し ま したか ?

○弁護 士 に欠かせ ない ものは何 ですか ?

4組

○法律 は どれ くらい覚 えてい ますか ?

〇人 を助 け る仕事 を ど うい う気持 ちでや っ てい ますか ?

(5)

(生徒の感想 〜印象にのこったこと)

○印象 に残 った ことは,「相手の話 を しっ か り聞 く」 ということです。 しっか りと 聞かないと.本当は犯人 じゃなかった, なんていうことになって しまうかも しれ ません。人の話 (思 っていること)を し っか り聞かないと.話がまとまっていか ない し,本当のことがわか らないと感 じ ま した。

○印象に残 ったことは 「自分な りの正義」

という言葉です。なんか弁護士 さんはか っこよかったです。僕 は正義の基準を知 らない し,自分の正義なんて考えたこと がなかったので,印象に残 りま した。

○ 印 象 に残 った こ とは

,

や りが い」で

す。依頼者か らの 「あ りがとうございま した」の言葉 がや りが いだ と言 う言葉 が,かっこよかったです。

(生徒の感想 〜学んだこと)

○弁護士の仕事のことはもちろん,この先 の職業体験の ことについても,とても参 考 にな りま した。そ して私の予想以上 に たいへんな,でもや りがいのある仕事な んだなということがわか りま した。とて もよい時間にな りま した。

○仕事にはいろいろな仕事があって,例え ば大変な仕事もあれば人の役 に立つ仕事 もある ということがわかってきま した。

わた しは絶対に人の役 に立てる仕事に就 きたいと思いま した。

それほ ど意図的に仕組 まな くとも,子 ども達 は授業の本質 をとらえ,法律家の仕事 について 充分理解 した と思 う。

6

地域事業として

3で示 した道徳 の授業 を,地域 の懇談会で, 地域住民 と共に作 った こ とがある。 これは非常

に有益 な実践である。大人か ら見て中学生のマ ナーを語 り, 中学生か ら見た大人 のマナーを語 る。そ して,お互いに協力 して,住 み よい街 に す るには どうした らいいか を考 える とい う実践 であ った。

さらに,私の住む 自治会で も 「法教育」 を実 施 してみた。教育 の プロである教師 と法律家で ある弁護士が協力 して裁判 員制度 についての研 修会 を行い,非常に好評であ った。

教師は 「授業作 りの プロ」であることが, こ うした実践 をす ることで よくわか る。教師が積 極的にその能力 を活か してい くことの必要性 を 強 く感 じる経験であった。

7

新学習指導要領での位置づけ

ところで,平成24年完全実施 とな る新学習 指導要領では,公民的分野 の内容 の取 り扱いで

「法 に基づ く公正 な裁判 の保 障 に関連 させて, 裁判 員制度 について も触れ ること」 とし, さら

に,「国民 の司法 参 加 の意 義 につい て考 え さ せ,国民が刑事裁判 に参加す るこ とに よって, 裁判の内容に国民の視点,感覚が反映 されるこ とにな り,司法 に対す る国民 の理解が深 まり, その信頼が高 まるこ とを期待 して裁判 員制度が 導入 された こ とに気付 かせ るこ とが大切 で あ る」 としてい る。 これか ら,各校 において教育 課程が編成 されてい くところであ り,法教育 の 実践が数多 く示 され,具体的な授業 イメージを もって教育課程上 に位置づけ られ ることが重要 とな って くる。

8

今後の可能性〜まとめにかえて

現在,私は,学校が 「法教育」に真剣 に取 り 組む ことで,地域 の関心が学校 に向 き,共 に学 ぶ場 として,学校が再生 してい く可能性 を感 じ てい る。実 は学校が崩壊 しかけてい る ところは

「地域」 も崩 れてい るので あ るo その地域 をつ なぎ とめるには,住民がみんなでル ール を作 っ た り,マナーについて話 し合 った りしなければ な らない。 そ うい うことを繰 り返 しなが ら,節

(6)

しい世 代 の地域 社 会 を再構 築 してい く必 要 が あ るので あ る。 これ まで の経 験 か ら私 は,学校 が 地域 に開い た形 で法 教 育 の実践 をす る こ とに よ って, 地域 再構 築 の営 み の 中心 に学校 が座 る こ とが で きる と考 え る よ うに な ってい る。 それ は 学 校 と地 域 の 関 係 に お い て 「よい 方 向」 で あ り, よ って地域 も学校 も存 在感 を示 してい くこ とに な るので,大 勢 の支持 を得 る こ とに な る こ とを実感 してい る。

今 , 学校 教育 の 中に 「○○教育 」 とい うもの が, ま さに洪水 の ご と く押 し寄 せ て きてい る現 状 が あ る。 それ ぞれ の分 野 の人 た ちや監 督 官庁 が, 自分 た ちの都 合 で学校 教 育 に期 待 を して く る (実 際,無料 で学校 に送 りつ け られ る冊 子類 の 数 は膨 大 で そ の処 理 に 非 常 に手 間 取 って い る)。「法教 育 」 もそ うした 「○○教 育 」 の一 つ に は違 い ない が,教 科 内容 と深 い 関連 が あ り, 何 よ り地域 をつ な ぐ ソール と して有 効 で あ る と い うこ とか ら,各 学校 で幅広 く実 践 され る こ と が期 待 したい し, 重 要度 も高 い と私 は思 う. こ うした思い か ら, これ まで の私 の実践 の ま とめ をす る とともに,法教 育 の実践 が広 く行 われ る こ とを願 って,比 較 的取 組 みやす い授 業 実 践 を 並 べ て みた次第 で あ る。

1)法教育研究会 「我が国における法教育の普及 ・ 発展 を目指 して」 2004

2)法教育研究会 『は じめての法教育』 ぎ ょうせい 2005

3)大杉昭英 『法教育実践の指導 テキス ト』 明治 国書 2006

4)横浜市教育委 員会 『よこは まの法教育』2007 年には二つの実践例が紹介 されてい る。

5)同上書

6)森康昭 「東京校外学習 の きま りを考 えよ う」

(『よこはまの法教育』所収)

参照

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