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鈴木, あずさ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

骨芽細胞における FGF シグナルと NF/?B シグナル の相互作用に関わるPP2A 調節サブユニットについて の研究

鈴木, あずさ

https://doi.org/10.15017/4060088

出版情報:九州大学, 2019, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式3)

氏 名 : 鈴木 あずさ

論 文 名 : 骨 芽 細 胞 に お け る FGF シ グ ナ ル と NF-B シ グ ナ ル の 相 互 作 用 に 関 わ る PP2A 調 節 サ ブ ユ ニ ッ ト に つ い て の 研 究 区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

骨芽細胞で活性化される線維芽細胞増殖因子 (FGF) シグナルは、細胞増殖を促進させながら骨形成に 関わる極めて重要なシグナル伝達経路である。一方で、細胞分化に対する FGF の影響については確立し た見解がなく、不明な点が多い。また、 FGF シグナルは様々なタンパク質キナーゼにより活性化されるが、

これに対してタンパク質ホスファターゼによる制御機構も存在する。このうち、タンパク質脱リン酸化酵素 2A

(PP2A) は FGF シグナルとの関連性が示唆される主要なホスファターゼの一つであり、骨芽細胞においても

重要な役割を担うと考えられる。PP2A は足場サブユニット、触媒サブユニットの他に、基質特異性や細胞局 在、酵素活性の機能を規定する調節サブユニットにより構成され、この調節サブユニットの役割が重要となる。

しかしながら、骨芽細胞における FGF シグナルの活性化と関連する調節サブユニットについては明らかに なっていない。そこで、本研究ではマウス骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 (E1) 細胞において主要な FGF で ある FGF2 刺激で活性化した FGF シグナルにおける PP2A 調節サブユニットの発現様式について検討を 行った。まず FGF2 (6.2 ng/mL~100 ng/mL ) および骨形成タンパク質 2 (100 ng/mL) で刺激を行ったとこ ろ、アルカリホスファターゼ活性測定において FGF2 は高濃度の刺激では酵素活性を抑制した。しかし低濃 度の FGF2 刺激では逆に酵素活性を促進した。FGF2 刺激での細胞数の増加は低濃度と高濃度刺激で差 はなかった。一方で、細胞形態は低濃度 FGF2 刺激により策状の変化が認められた。次に、定量的リアルタ イムポリメラーゼ連鎖反応法では、 Ppp2r2b 遺伝子の発現量が増加した。また、ウエスタンブロット法による 解析においても翻訳産物であるタンパク質脱リン酸化酵素 2A 調節サブユニット 55β (PR55β) の発現量が 増加したことを確認した。E1 細胞に低分子干渉性リボ核酸を遺伝子導入し骨芽細胞分化に対する影響を検 討したが、有意な差は認められなかった。

骨芽細胞における FGF シグナルは炎症反応時にも治癒促進作用として機能する。FGF シグナルと主要 な炎症性シグナルである核内因子カッパー B (NF-B) シグナルの関連性が示唆されるものの、その作用機 序は不明な点が多い。そこで、 PR55β を介した FGF シグナルと NF-B シグナルの関連性について検討 した。NF-B サブファミリーの RelA/p65 は 腫瘍壊死因子 α (TNF-α) 刺激によってリン酸化されるが、

FGF2 刺激によってその効果が減弱した。また siPpp2r2b 遺伝子導入も同時に行うと、その減弱作用が解

除された。さらに RelA の細胞内局在を検討した場合も、 FGF2 刺激により TNF-α 誘導性の RelA の核 内移行が阻害され、 siPpp2r2b 遺伝子導入がこれを解除した。NF-B 転写活性測定においても FGF2 刺 激は転写活性を抑制し、 siPpp2r2b 遺伝子導入によりこの効果は減弱された。RelA と PR55β の相互作 用では、免疫沈降実験において RelA と PR55β の結合が認められ、さらにリコンビナントタンパク質を用い た結合実験からトランスアクチベーション 2 ドメインを介した直接的な結合が明らかになった。

以上のことにより、骨芽細胞において FGF2 誘導性の FGF シグナルの活性化により発現量が増加した PR55β は、 NF-B の RelA サブファミリーと相互作用することで NF-B シグナルを負に制御する介在分 子である可能性が示唆された。本研究により、 PR55β が FGF シグナルと NF-B シグナルを結ぶ機能調 節分子としての役割を担うことが考えられた。

参照

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