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中国語の「主題」とその統語的基盤

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

中国語の「主題」とその統語的基盤

陳, 陸琴

http://hdl.handle.net/2324/2235998

出版情報:九州大学, 2018, 博士(文学), 課程博士 バージョン:

権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (2)

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氏 名 :陳陸琴

論 文 名 :中国語の「主題」とその統語的基盤

区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

中国語は、しばしば主題優性言語(topic-prominent language)であると言われる。これは、

文頭に(いわゆる「主語」に加えて)「主題」が出てくることが多いからであり、中国語の統語 論の研究においても、「主題」という概念が言及されることは少なくないが、実は、この「主題」

の定義ははっきりと決まっているわけではない。この概念は、どのようにとらえるべきだろう か?本博士論文では、「主題」という概念にまつわる語用論的側面と、その解釈の基盤となる統 語論的側面を峻別し、統語論的側面のみを形式的に定義するという方策をとる。そこで中心的 な働きをなすのは、SubjectとPredicateの間に成り立つPredication関係と呼ばれる統語関係 である。Predicationとは「陳述」の意味であり、Subjectは「主部」、Predicateは「述部」で あることを考えると、この関係は意味的なものだという印象を持つかもしれないが、これらの 名称は、統語論の中では単なるラベル以上の何者でもない。統語論の中でしるしづけられた関 係が語用論において様々に評価され、解釈されているだけなのである。本博士論文では、統語 論においてこの Predication 関係というものを仮定することによって、さまざまな現象が説明 できるということを主張する。

2章ではまず、動詞連続構文(serial verb construction)を取り上げ、Predication関係とい う概念を仮定する必要性を示す。先行研究において、中国語の動詞連続構文にはいくつかのタ イプがあるということは指摘されてきたものの、何を手がかりにして分類するべきかは明示的 に述べられてはこなかった。本章では、「怎么样」テスト、「不/没」テスト、「只」テストなど、

具体的なテスト方法を複数あげ、動詞連続構文がはっきりと3つのグループに分かれるという ことを明らかにする。その上で、その中の1つはPredication関係に基づいていると仮定する ことによって、3つのタイプの動詞連続構文のさまざまな特性がうまく説明できることを示す。

典型的なPredication関係とは、Subjectが名詞句のものである。3章では、Subjectが名詞 句の場合について、どのような特性が見られるか記述し、理論的に説明する。また、Subject

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が多重に生起する場合に、どのような操作が関わるかについても論じる。

2 章でもふれたように、動詞句が名詞化されて Subject になる場合もあるが、動詞が句を形 成する前に単独で名詞化されて Subject になる場合もある。ただし、その場合には、主動詞と なるものが繰り返され、「A是A」という形になることが最も多い。4章では、この構文を中心 に議論していく。この構文では、同じ動詞が 2回現れているように見えるが、最初のものは名 詞化されており、Subjectになっていると考えることによって、この構文の特徴的なふるまいが すべてうまく説明できることを示す。特に注目されるのは、この構文は、後続する文に逆接の 内容を期待させるという特徴があるということである。本論文では、何ら新しい仮定を追加す ることなく、このことを語用論において導き出した。このような考察が可能になるのも、この

構文にPredication関係が含まれていると仮定したからこそである。

動詞が繰り返される構文としては、(動詞単独ではなく)動詞句が名詞化されたものがSubject となっているパターンもある。この場合、4章で扱った構文とは異なる特性を示すため、5章で は、その特徴を記述し、分析を提示した。

Predication関係というものは、構文ごとに固定したものではない。どのようなものがSubject

になれるか、Predicateになれるかは統語的に定義されているため、その条件を満たしている限 り、さまざまな要素がこの関係に入ることができる。また、派生のどの時点で名詞化が起こる かによっても、異なった特徴が導かれることを示した。このように、本博士論文は、Predication 関係という統語関係を仮定し、それが語用論的に解釈されると仮定することによって、従来「主 題」という曖昧なままの概念で言及されてきた多くのことが明示的に説明されるということを 論じたものである。

参照

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