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オーストラリア アデレードの緩和ケアの実際と緩和ケアチームの活動 (活動と資料)

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Academic year: 2021

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(1)人間看護学研究. 153. 3:153-157(2006). 活動 と資料 オ ー ス トラ リア ア デ レー ドの 緩 和 ケ ア の 実 際 と緩 和 ケ ア チ ー ム の活 動 前 田美 和 子1)、豊 田久 美 子2) 1)彦根 市 立 病 院 、2)滋賀 県 立 大 学 人 間 看 護 学 部. は じめ に. 本 稿 に お いて は そ の緩 和 ケ ア コ ー ス を通 じ、 ま た現 地 の ホ ス ピス見 学 に お い て学 ん だ こ と を 中心 に ま と め、 報. オ ー ス トラ リア は人 口約1億9200万 人 、 イ ギ リス、 ア イ ル ラ ン ド、 イ タ リア、 ドイ ツな ど ヨー ロ ッ/¥° 諸国、 ま. 告 を行 う。 現 地 の緩 和 ケ ア チ ー ムが 根 拠 とす る理 念 、 法 ま た 目的 を述 べ 、 次 に チ ー ムが どの よ うに各 施 設 と連 携. た 中 国、 イ ン ド、 ベ トナ ムな どの ア ジ アの 国 々 か ら移 民. を と り、 ネ ッ トワー クを むす び、 多 様 な患 者 、 家 族 の ニ ー. した 民 族 で 成 り立 っ て い る移 民 国 家 で あ る1)。移 民 た ち. ズ に応 えて い る のか を ま とめ て い きた い と思 う。. は そ の独 自の 文化 を 持 ち 込 み、 そ して 現 在 の 多 様 で 色 彩 豊 か な オ ー ス トラ リア社会 形 成 に貢 献 して い っ た。 筆 者 は2002年 に サ ウス オ ー ス トラ リア州 立 ブ リ ンダ ー ス大 学 コ ンバ ー シ ョ ンコ ース 修 了 後 、 サ ウ スオ ー ス トラ. 1.緩. 和 ケ ア の 基 本 理 念 と法 律. オ ー ス ト ラ リ ア は 連 邦 制 で あ り、 そ の 州 ご と の 独 自 の 法 律 、 シス テ ム を元 に ヘ ル ス ケ アを 展 開 して い る。 サ ウ. リア州 看 護 師 免 許 を 取 得 、 翌 年 に は アデ レー ド大 学 に て. ス オ ー ス ト ラ リア 州 に お い て は 、WHOの. 緩 和 ケ ア の概. ガ ン看 護 を学 び、 ま た現 地 の病 院 にお い て研 修 を修 め た。. 念 、 そ して 、Palliative. い う法 律 を 元. ま た プ リン ダー ス大 学 に て 、乳 ガ ン患者 の サ ポ ー トシス. に、 医 師 、 看 護 師 を含 む医 療 従 事 者 は患 者 に対 して ケ ア. テ ム の 日豪 比 較 を修 士 論 文 と した。 文化 が い か に人 々 の. を 提 供 す る(表1,2参. 死 生 観 、病 気 、 治 療 に対 す る考 え に影 響 につ いて 考 察 し、 看 護 師 を含 む 医 療 従 事 者 に そ の 気付 きが 必 要 で あ る こ と を提 言 した。 また 実 際 に公 立 病 院 の ガ ン病 棟 にお いて 看. Palliative. Care. Care. Act. 1995と. 照) Act. 1995は 、1995年. よ り施 行 さ れ て. い る サ ウ ス オ ー ス トラ リア の緩 和 ケ ア に関 す る法 律 で あ る 。 緩 和 ケ ア に お け る 医 療 上 の 事 項 と 別 に 、6つ. の条項. 護 師 と して2年 勤 務 した 。 様 々 な 文 化 、 バ ック グ ラウ ン. 中4項 目 は 患 者 の 自 己 決 定 を 保 障 す る も の で あ り、 ま た. ドを もつ患 者 、 ス タ ッフ と働 くこ とを 通 じ、 自分 の文 化. 医 療 従 事 者 が そ の権 利 を尊 重 しな けれ ば な らな い 義 務 を. を もち、 そ れ を誇 り と し、 主 張 す る こ との 重 要 さ、 ま た. もつ こ と を 述 べ て い る2)。 ケ ア に 関 し て 患 者 と 機 会 を も. そ れ を受 け入 れ るオ ー ス トラ リア とい う国 の 寛 大 さ に強. ち議 論 を行 う こと、 そ の意 思 を表 明 す る権 利 、 医 療 従 事. く感 銘 を受 け た 。. 者 が そ の 全 て を 尊 重 す べ き で あ る と 強 調 す る2)。 緩 和 ケ. ガ ン病 棟 に は完 治 す る もの もい れ ば 、 再 発 にて 再 入 院 す る患 者 もあ る。 病 状 の 進 行、 ま た は治 療 上 の 副 作 用 に て様 々 な症 状 に苦 しむ患 者 を 目の 当 た りに し、民 族 によ っ. ァ を 受 け る 患 者 の 権 利 を 保 障 す る と共 に 、 医 療 従 事 者 の. て は告 知 を受 けい れ ず 、 また 感情 を 表 現 す る こと を好 ま. 定 し、 患 者 、 家 族 に ア プ ロ ー チ を 行 っ て い る(表3)。. な い患 者 もあ り、 臨床 の現 場 にお いて困 惑 す る場 面 もあ っ た。 そ の よ うな経 緯 を経 て、 現 在 ブ リン ダー ス大 学 パ リ. 表1. ケ ア に対 す る あ るべ き姿 勢 を示 した もの で もあ る。 以 上 の理 念 、 法 を もと に、 緩 和 ケ ア チ ー ム は ケ ア の 目的 を 設. WHOに. よ る 緩 和 ケ ア の 概 念7). ア テ ィブ ケ ア学 部 の 提供 す る通 信 コー ス に て 、 緩 和 ケ ア の場 面 に お け る症 状 マ ネ ー ジメ ン ト、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ. 緩 和 ケ ア は、 生 命 に危 機 を 及 ぼ す 病 気 、 ま た 関 連 し. ン論 な ど を勉 強 中 で あ る。. た 問題 に 直面 して い る患 者 、 家 族 のQOLを. 改善す. るた め に、 痛 み、 他 の身 体 的 、 精 神 的 、 ス ピ リチ ュ 2005年9月30日. 受 付 、2006年1月6日. 連 絡 先:前. 美和子. 田. 滋 賀 県 立 大 学 人 間看 護 学 部 住. 所:彦. 根 市 八 坂 町2500. 受理. ア ル の 問題 の早 期 発 見、 ア セ ス メ ン トと治 療 を 行 う ア ブmチ. で あ る。.

(2) 1 5 4. 前田美和子、豊田久美子. 2 . 緩和ケアチームのアプローチーS o u t h e r nA d e l a i d e P a l l i a t i v eS e r v i c eの活動を中心に S o u t h e r nA d e l a i d eP a l l i a t i v eS e r v i c e ( S A P S )はアデ レード南地区での緩和ケアの中心的存在であり、各施設、 スタッフと共同で患者、家族にケア、サポートを提供す る。このチームは、 R e p a t r i a t i o nG e n e r a lH o s p i t a l (RGH)という総合病院内にある DawHouse(ホスピス) を拠点とし、緩和ケアナーススペシャリスト、医師、ソー シャルワーカ一、牧師、悲嘆ケアチーム、またトレーニ. a l l i a t i v eC a r eAct1 9 9 52) 表2 P 1.医療従事者は、医療行為、治療の予測される結 果、リスクについて、治療を行わないことで起 こりうる結果、代わりとなる治療法について説 明する義務がある O. 2 . 医療従事者は、同意を得て、信頼、誠実さを持つ て、患者を無視することなく専門職としての適 切な基準に則り、 QOLの維持、改善に向けて 医療行為を行っている場合、法の下の保護を受 ける O. 3 . 患者は、もし自分が判断できなくなった場合に、 自分の代わりに治療について判断してくれる代 表を指名することができる O. 4 . 患者は、自分が判断できなくなった状況に備え て、自分の受けたい治療、受けたくない治療に ついての意思を残すことができる O 上記の代表者がこの文書を使って、治療に同意、 または拒否を符うことができる O. ングを受けたボランティアなど他職種から成り立ってお り、患者の身体的、精神的、スピリチュアノレ、社会的ニー ズに応じたケアを提供している。 -アプローチの開始 SAPSによる緩和ケアアプローチは、プライマリー ケアチーム、または患者、家族から電話、書面による依 頼によって開始される九患者、家族に複雑な身体的、 社会精神的問題が発生し、緩和ケアが必要と考えられた 場合、また現在のケアに加え更なるサポートが必要と判 断された場合に、プライマリーケアチームは緩和ケアチー ムに依頼を行う 4) 九依頼を受けた緩和ケアチームから 医師、または看護師が外来、患者の入院している施設、 自宅などを訪れ、患者、家族のニーズをアセスメントす る の o RGHのほかに、アデレード南地区には F l i n d e r s e a l t hC e n t r e という公 M e d i c a lC e n t r e,Noalunga H 立総合病院が緩和ケア外来を設置しており、自宅療養中 の患者も訪れ、医師、看護師がアセスメント、ケアの提 供を継続的に行っているの o. 表3 緩和ケアの目的 6). • QOLを高め、患者を最期の時まで可能な限り活 動し、生活できるよう、サポートを提供する O ・患者の闘病中、また死後で悲嘆の中にいる家族が 受容できるようにサポートを提供する O -痛み、他の苦痛な症状の緩和 -死を自然なプロセスとしてみなし、患者の残され た生活を支援する -死を早めたり、引き伸ばすことを目的としない ・心理的、またスピリチュアルな側面を組み込み、 ケアを行っていく. 5 . 医療従事者は、ターミナル期にある患者に治療、 ケアを行う場合、ある状況の下で法の保護を受 ける O 痛み、苦痛をとる治療を行った場合、それが偶 発的に死を早めることになっても、その治療が 同意、同意を得て、信頼、誠実さを持って、患 者を無視することなく、専門職としての適切な 基準に則ったものであれば法の保護を受ける。. 6 . もし患者がターミナル期にあり、代表を立てず、 治療に対する希望を表現しておらず、治療が、 回復の望みがなく、檀物状態の状態で、ただ生 命を引き伸ばすものであるなら、医療従事者は 生命維持の措置を販る義務を負わない。. 表 4 緩和ケアに関わる他職種 5) 7). • RDNS(RoyalD i s t r i c tN u r s e s ):訪問看護師チー ム. •R e s p i t eC e n t r e :休息介護センター • GP:かかりつけの町医者 -器具のレンタルサービス .ボランティア ・ビリーブメントケア:悲嘆ケアチーム、全ての家 族対象にカウンセリングサービスを提供している。 悲嘆のリスクアセスメントを行い、地域ともネッ トワークを結び、悲嘆に対するケアを提供してい る 。.

(3) 1 5 5. オーストラリアアデレードの緩和ケアの実際と緩和ケアチームの活動. -他施設、職種との連携 患者の状態、地域の有効な資源、サポートシステムを 含めた初期の包括的アセスメント後、緩和ケアチームド クタ一、ナースはプライマリーケアチームと患者の予後、 治療のゴールについて話し合いを行う。同時にケアをう ける患者、家族ともゆっくりと話し合う時聞を持つ O そ して病状や経過、現在の状況をどのように理解している かを明確に捉え、今後の希望、症状のコントロールにつ いて話し合い、ゴールを確認する O その後必要に応じて 他の専門分野のスタッフ(表のにも介入を依頼し、チー ムアプローチを展開していく。 地域においても同様で、緩和ケアチームが患者の入所 施設、または家庭を訪れてアセスメントした後、地域の 訪問看護チーム、または施設のスタッフとディスカッショ ンし、患者、家族が適切なケアを受けられるようにコー ディネートしていく。その際には現在受けているケアを 入れ換えたり、変更したりするのではなく、患者、家族 のニーズに見合ったサービスが何かを判断した上で、必 要な分をさらに提供、手配するという形を取っているヘ このような訪問、アセスメント、コーディネートは状況 に応じて継続的に行われている O このような様々な職種による共同アプローチが可能で. あるのは、各々の施設、職種の役割が明確であり、また 緩和ケアチームがそれぞれを結ぶ役割を行っているから だと思われる。病院、地域の役割、そのネットワークの 状況を以下の図に示す(図 1)。ネットワークを結ぶこ とで、緩和ケアチームはプライマリーケアチーム、患者 の施設のスタッフに治療に関するサポートを提供でき、 また逆に施設、プライマリーケアチームが患者、家族の 情報を緩和ケアチームに伝えることで、状況がタイムリー に把握でき、迅速なアセスメント、対応へとつなげるこ とができる O 患者、家族にとってもサポート、サービス に関する情報を得ることが出来、結果としてこの共同ア プローチ、ネットワークは QOLによい影響を及ぼすこ とが出来る。. 3 . ホスピスにおけるケア ホスピスに入所する理由には大きく分けて以下の 3つ があげられる。 ・患者、家族の休息介護 -症状コントロール -ターミナノレケア 7) 患者の身体的症状が複雑で、緩和ケアチームのアドバ イスだけでは改善がみられない場合、また、捜雑な精神. プライマリーアセスメント、患者、家族 へのケア、症状マネージメント、緩和ケ アの概念、ホスピスについて紹介、社会. 直接的ケア、資源、コン サルトサービス、急変に 対しての迅速な対応、社 会精神的サポートの提供 患者、家族の休息介護 複雑な症状コントロール ターミナルケア. 図 1 各施設の役割とネットワーク.

(4) 1 5 6. 前田美和子、豊田久美子. 的、社会的、スピリチュアノレの問題が発生し、集中的ケ アが必要な場合にホスピスへの入所がすすめられる。. これは死に誼面している患者の精神面にケアの重点が置 かれているためであり、看護師たちは患者、家族とじっ. にかなっているものかを審査する倫理委員会も RGH 内に設置されており、内外の厳しい姿勢でリサーチに取 り組んでいる。そのように行われた研究は病院内で発表 される以外に、国内外で開かれる学会において発表が行 われている O 緩和ケアに携わる様々な医療従事者が活発 に意見交換を行なし¥リサーチの成果を具体的にケアの 質向上へとつなげている。 アカデミックユニットはまた、スタッフ教育にも力 を入れており、適宜フィジカルアセスメント、スピリ. くりと話をする時間を持ち、必要なケアを提供してい る のo. チュアルケアなど、臨床実践に関する講義を行ってい る。このユニットは、サウスオーストラリア州立フリン. Daw Hospiceは RGH内に位置し、個室、二人部屋 で構成される全 15床のホスピスである 8)0 3 0人の看護 スタッフがパートタイムで、三交代で勤務しており(フ 人分)、一人の看護 ルタイムスタッフに換算すると 23.4 師につき患者数は 3人を越えないようになっているの。. 広いラウンジは患者、家族がくつ ろげるような空間になっており、キッ チンでは家族が患者の好きな食事、 飲み物がつくれるように開放されて. DawHouseH o s p i c eF l o o rP l a n. いる O また中庭やホスピスのすぐ外 にある閑静な庭では、患者、家族が ゆっくりとした時間をすごすことが できる(構造については図 2参照)。 病室は患者が自宅にいるような雰囲 気がでるように、私物をもってきた り、写真、絵を飾れるなど、できる だけリラックスして過ごせるような 配慮がされている。その他にこのホ スピスでは患者、家族のニーズ、要 望に応じて、医療、看護ケア以外に も、表 5に示すように様々なサポー トサービスを提供している。 オーストラリアのホスピス、緩和. ToAdmin.Wing. 帽 圃. . . . . .. ケア病棟は基本的に急性期ケア病棟 であり、もし患者が長期にわたるケ アを必要とするか、または状態が安 定している場合には、連携している. C o u r t y a r d Garden しi v i n g Room. 施設に転科するなどの形を取るヘ しかし他の施設、または自宅に移っ た後も緩和ケアチームのサポートは 提供され、アセスメントも継続され るため、患者、家族は必要なケア、 資源サービスを受けることが出来る。. ~. ik 比chen. T oH o s p i c eGarden. 4 . リサーチ・教育の実践 エビデンスに基づいたケア、より よいケアの実践のため、 SAPS独 自のリサーチ部門が医学、看護研究 を行っている。また大学と連携した アカデミックユニットも設立されて おり、その講師陣と共同で研究が進一ー められている O またその研究が倫理. 図 2 ホスビス半面図 8).

(5) 1 5 7. オーストラリアアデレードの緩和ケアの実際と緩和ケアチームの活動. 表 5 ホスビスにおけるサポートサーピス 3) -コンブ。ワメンタリーセラピー:リラクゼ、ーション、 マッサージ、音楽療法、アートセラピーなど ・ビリーブメントケア(悲嘆に対するケア) :家族 へのカウンセリングサービスの提供 -ボランティアサポート:トレーニングを受けたボ. て過ごしておられたのだろうか」と考えさせられること もしばしばである O 日本、オーストラリアでのガン看護、 緩和ケアにおける経験、学びから、オーストラリアのシ ステム・実際のケアから学び、導入できる点は多数ある と筆者は考える O 例えば緩和ケアチームの存在、チーム. ランティアが、要請に応じてホスピス内、または. を中心とした各施設の連携とケアの継続性は日本の緩和 ケアにおいても有用であると思われる。今後さらにニー ズやサービ、ス、システム、各職種のネットワークなど様々. 患者の家庭を訪問し、話し相手、また本の朗読や 音楽、マッサージなどのサービスを提供している O. が必要である。. な点で比較、考察を行い、導入すべき点を検討すること. 最後になりましたが、本稿執筆にご協力いただいた皆 ダ ー ス 大 学 と 提 携 を 結 ん で い る 。 こ の 大 学 は 、 The Departmento fP a l l i a t i v eandS u p p o r t i v eS e r v i c eと し 、 う緩和ケア学部を設立し、緩和ケアに携わる世界中の医 療従事者を対象にその緩和ケアにおける知識、技術を深 めるための通信教育コースを提供している。 Webサイ トを通じ、教材にアクセスすることが出来、また講師、 他の生徒とコミュニケーションをとることも出来る O あ らかじめ日時を設定し、インターネット上でディスカッ ションも行われ、活発に意見交換もされている O そして そのコース内容は多岐にわたり、死にゆく患者、家族と のコミュニケーション、症状マネージメント、リサーチ 法、小見、老年期患者の緩和ケア、など様々なニーズに 見合うものとなっている。. まとめ 本稿において、アデレードの緩和ケアチーム、 SAPS がどのように各施設と連携をとり、ネットワークをむす び、患者・家族のニーズに対応しているのか概説を行っ た。終末期には様々な症状、ニーズが出現するため、患 者、家族が安心して自宅で過ごすには、病院、地域、そ して緩和ケアのチームが連携して、患者、家族、そして チームでケアのゴールを設定し、継続して関わることが 不可欠である。 SAPSはそのネットワークの中心的存 在、役割を担い、患者、家族の希望に応えるべく、活動 を行っている。日本ではまだそのような地盤となるチー ムも少なく、システム、またネットワークも不備である ために、終末期における患者、家族のニーズに対応しき れていないのが現状である O そのため緩和ケア病棟に入 院し、症状コントロールを行い状態が安定しても、社会 的資源、サポート、ネットワークが充分でないために、 自宅に戻るタイミングを逸し、なくなられてゆく患者も あった。「この方にとって、このような最期の迎え方は よかったのだろうか。終末期において、この方は何を恩っ. 様に深く感謝申し上げます。. 引用・参考文献 1 ) A u s t r a l i a n Bureau S t a t i s t i c s, 2 0 0 5, v i e w e d1 5 August2 0 0 5,www.abs.gov.au 2 ) Departmento fH e a l t h,Ane x p l a n a t i o no ft h ekey p r o v i s i o no ft h ec o n s e n tt om e d i c a lt r e a t m e n tand p a l l i a t i v ec a r ea c t1 9 9 5 : Guide f o rh e a l t hp r o fSouthA u s t r a l i a,Adef e s s i o n a l s,Government o l a i d e .1 9 9 5 . 3 ) R e p a t r i a t i o nG e n e r a lH o s p i t a l, Southern Adel a i d eP a l l i a t i v e S e r v i c e s, R e p a t r i a t i o n G e n e r a l d e l a i d e,2 0 0 4 . H o s p i t a l,A 4 ) P a l l i a t i v eCareA u s t r a l i a,A g u i d et op a l l i a t i v e c a r es e r v i c e d e v e l o p m e n t : ap o p u l a t i o n b a s e d a p p r o a c h,P a l l i a t i v eCareA u s t r a l i a,ACT,2 0 0 5 . .2 0 0 5, e m a i l, 1 4 August 2 0 0 5, 5 ) P r i t c h a r d, C P r i t c h a r d .C h r i s t i n e @ n w a h s .s a .g o v .a u . 6 ) G l a e t z e r,K .2 0 0 5,e m a i l,7August2 0 0 5,K a r e n . g l a e t z e r @ r g h .s a .g o v .a u . 7 ) G l a e t z e r,K,'Whati sp a l l i a t i v ec a r e ? :Programo f e x p e r i e n c ei nap a l l i a t i v ea p p r o a c h ',p r e s e n t e da tt h e d e l a i d e,2 0 0 5 . m e e t i n ga tRGH,A 8 ) Southern A d e l a i d e P a l l i a t i v e S e r v i c e, I n f o r mationb o o k l e tf o rp a t i e n t sandv i s i t o r s :Dawhouse e p a t r i a t i o nG e n e r a lH o s p i t a l,A d e l a i d e . h o s p i c e,R 9 ) Swetenham,K .2 0 0 5,e m a i l,1September2 0 0 5, K a t e [email protected] a .g o v .au.

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