日本 にお け る児 童 の トラ ンス脂 肪 酸 摂 取 の 実 態 【
第1報
】
一 嗜好 食 品の摂取 頻度 か らみ た摂 取量 の推定∼
松 岡 広 恵
(大学院発達教育学研究科 児童学専攻)大 野 雅 樹
(児童 学 科 教授) 1.は じめ に トラ ンス 脂 肪 酸 に は,牛 な ど反 甥 動 物 の 胃内 で 生 成 され る天 然 の もの と,油 脂 の加 工 過 程 に お い て水 素 添 加 等 に よ っ て 生 成 さ れ る 人 工 の も の が あ る 。 トラ ンス 脂 肪 酸 と は,国 際 食 品規 格 を作 成 し て い る コー デ ッ クス 委 員 会 に よ る と, 「少 な く と も1つ 以 上 の メ チ レ ン基 に よっ て 離 さ れ た 非 共 役 型 の トラ ンス 配 位 の炭 素 一 炭 素 二 重 結 合 を もつ,単 価 不 飽 和 脂 肪 酸 と多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 の す べ て の 幾 何 異 性 体 」 と定 義 され て い る。 この トラ ンス 脂 肪 酸 が 心 疾 患 の発 症 リス ク を高 め る1)と して,近 年 話 題 に な っ て い る。 2003年 に は,食 事 ・栄養 ・生 活 習慣 病 に 関 す るWHO/FAO(世 界 保 健 機 関/国 際 連 合 食 糧 農 業 機 関)合 同 専 門 家 会 議 に お い て,「 トラ ンス 脂 肪 酸 か ら の エ ネ ル ギ ー 摂 取 目標 を1日 当 た り の総 摂 取 エ ネ ル ギ ー量 の1%未 満 とす べ き」 と 勧 告 され た 。 また,2004年,デ ンマ ー クが 食 品 中 の トラ ンス脂 肪 酸 量 を全 脂 質 の2%未 満 とす る規 則 を施 行 した の を は じめ,米 国,カ ナ ダ, イ ギ リス,オ ラ ン ダ,韓 国,台 湾 で も,食 品 中 の トラ ン ス脂 肪 酸 含 有 量 の 表 示 義 務 化 や 摂 取 量 の基 準 が 設 け られ て い る。 日本 に お い て,ト ラ ンス脂 肪 酸 に 関 す る情 報 は イ ン ター ネ ッ ト上 で は多 くみ られ る もの の,研 究 論 文 や 著 書 は ま だ 少 な い 。 日本 で は,1999年 報 告 の 日本 入 の トラ ンス脂 肪 酸 摂 取 量 は1日 当 た り平 均1.56g(摂 取 エ ネ ル ギ ー の0.7%)と い う結 果 を も とに,2004 年 に 食 品安 全 委 員 会 が 「諸 外 国 と比 較 して 日本 人 の トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 が 少 な い 食 生 活 か ら み て,ト ラ ンス 脂 肪 酸 の 摂 取 に よ る健 康 へ の 影 響 は 小 さ い と考 え られ る」 とフ ァ ク トシー トに て発 表 して い る。 そ の後,2006年 度 に 行 わ れ た 調 査 で は,日 本 人 一 人 当 た りの トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 は,食 品 群 別 摂 取 量 か らの推 計(積 み上 げ 方 式)で は1日 平 均0.70g(摂 取 エ ネ ル ギ ー の約0.3%),食 品加 工 油 脂 の 生 産 量 か らの 推 計 で は 平 均1.32g(同 約0.6%)と い う結 果 が 出 て お り,2006年6月 に フ ァク トシ ー トが 更 新 さ れ て い る。 しか し,食 品 中 の トラ ンス脂 肪 酸 含 有 量 の 表 示 義 務 化 や 摂 取 基 準 な ど に つ い て は言 及 され て い な い 。 この 日本 の調 査 に お け る1日 の トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 平 均 値 だ け で 考 え る と,WHO/FAOの 勧 告 す る総 摂 取 エ ネ ル ギ ー 量 の1%未 満 を満 た して い る。 しか し,日 本 人 の 食 生 活 が 欧 米 化 し て きて い る こ と は周 知 の 事 実 で あ り,と りわ け 若 者 で は摂 取 カ ロ リー に お け る脂 質 の 割 合 が 高 い2)こ と,偏 っ た 食 事 を す る者 が 増 加 して い る こ と を考 慮 す る と,ト ラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 に は 年 齢 差 お よび 個 人 差 が 大 き い と考 え ら れ る。 特 に 中 高 生 は 食 欲 旺 盛 の 時 期 で あ る 上,フ ァー ス トフ ー ド店 等 で の 間食 も 目立 つ 。 また,小 児 は 体 重 も少 な く,代 謝 も未 熟 で あ る た め,成 人 の 摂 取 基 準 をそ の ま ま 適 用 し て も よい の か 明 らか で な い。 さ ら に,日 本 で は児 童 を対 象 と した ト ラ ンス脂 肪 酸 摂 取 の 実 態 さ え調 査 され て い な い 。 以 上 の こ と を踏 ま え,本 研 究 で は 日本 に お け る児 童 の トラ ン ス脂 肪 酸 摂 取 の 実 態 につ い て 調 査 を行 う こ と と した 。 皿.方 法 1.調 査 対 象 児 お よび 実 施 時 期 被 験 者 は鳥 取 県 お よ び滋 賀 県 在 住 の 幼 児 ∼ 高校生
4
6
7
名(男児2
3
7
名・女児2
2
8
名・不明2
名) とし,質問紙調査を2
0
0
8
年6
月に実施した。被 験者の属性は表1の通りである。 表1.被験者属性(人数) 男 女 不 明 合 計 幼児 小学生 中高生-一
O
一
1
1
6
3
4
3
2
6
1
8
7
7
5
2
1
2
2
1
2
9
1
3
1
2
.
調査内容 質問紙の調査項目は下記の通りである。回答 方法は記述法および評定法を用い,幼児の場合 はその保護者が,小学生以上は本人が回答する ものとした。(
1
)
自己申告による身長・体重,年齢 (2) 家族形態(一緒に暮らしている家族。単身 赴任中の家族は含めない。)(
3
)
両親の就業状況(
4
)
部活動の頻度(中高生のみ) (5) 習い事の頻度 (6) アレルギー疾患の有無 (7) 外食の頻度 (8) ファーストフード庖の利用頻度 大手ファーストフード庖5
庖の利用頻度につ いて質問した。 (9) 噌好食品の摂取頻度 内閣府食品安全委員会の平成1
8
年度食品安全 確保総合調査「食品に含まれるトランス脂肪酸 の評価基礎資料調査報告書」よりトランス脂肪 酸が比較的多く含まれる晴好食品11項 目 (① ケーキ,②シュークリーム・ドーナツ, ③クッ キー・ビスケット・パイ, ④クラッカー, ⑤ チョコレート, ⑥スナック菓子, ⑦食パン, ⑧ 菓子パン・そうざいパン, ⑨牛乳, ⑩チーズ, ⑪アイスクリーム)について, 1週間に食べる 個数を質問した。そして,それぞれの食品のト ランス脂肪酸含有量の平均値3)を用いて, 1日 のトランス脂肪酸推定摂取量を算出した。 (10) 家庭で使用している油脂類 トランス脂肪酸の多く含まれる植物加工油脂 が家庭でどれくらい使用されているかをみるた め,家庭でよく使用する泊を 2種類および家庭 で使用しているマーガリン,バター,マヨネー ズ, ドレッシングについて,商品名とメーカー 名を質問した。3
.
統計学的分析 晴好食品による 1日のトランス脂肪酸推定摂 取量と1)家族形態, 2) 両親仕事状況, 3) アレルギー, 4) 外食頻度, 5) 身長および体 重から算出した肥満度との関係をそれぞれ検討 した。幼児の肥満度はカウプ指数,小中高生の 肥満度はローレル指数を用いたヘ 噌好食品による 1日のトランス脂肪酸推定摂 取量と1)および4) との関係は一元配置分散 分析によって有意差を検定したO 有意差が認め られた場合は,さらに多重比較を行った。2)
および3) との関係はt
検定を用いた。5) との 関係は相関関係により有意差を検定した。いず れの場合も有意水準は両側検定5%
未満とした。4
.
倫理的配慮 調査紙の回答は無記名自記式で個人名は同定 されない。また,調査依頼機関には著者らが直 接出向き,担当者に調査の目的,方法などを説 明し,また調査を拒否された場合でも何ら不都 合が生じないことを伝えた。機関内で調査の諾 否を検討してもらい,後日了承を得た機関を対 象に調査を行った。回収した調査紙は研究室の 施錠できる保管庫に保管し,得られた情報は全 てデータ化し,以後の分析にはこのコード化し たデータのみを使用した。i
l
l
.
結果 1 .質問紙項目1
)自己申告による身長・体重,年齢 表2
に自己申告による校種別の身長・体重, 年齢を示した。 表2.被験者の身長・体重,年齢 │身長(cm) 体重(kg) 幼児1
1
0
5
.
2
:t9
.
1 1
7
.
2
:t3
.
2
小学生1
1
4
2
.
6
:t7
.
6 3
5
.
9
:t6
.
7
中高生1
1
5
9
.
2
:t7
.
8 4
7
.
8
:t8
.
1
(平均値±標準偏差) 年齢(才)4
.4:tl.1
1
0
.
9
:t0
.
8
1
3
.
6
:tl.1
-42-発 達 教 育 学 部 紀 要 日が
2
5
名(
8
%),週5
日が1
8
名(
6
%),週6
日が8名 (3%),週7日が4名 (1%)であっ た。6
)アレルギー疾患の有無 アレルギー疾患があると答えた者は9
1
名(
2
0
%
)
, ないと答えた者は3
6
5
名(
8
0
%
)
であった。 7 )外食の頻度 外食が月1
日以下の者は1
4
1
名(
3
1
%),月2
~4 日が232名 (50%),週1
日が5
4
名(
1
2
%
)
, 週 2~3 日が25名 (5 %),週 4~5 日が 5 名(
1
%),週 6~7 日が 0 名 (0%),未回答が6
名 (1%)であった。8
)ファーストフード庖の利用頻度 結 果 を 表3
に示した。未回答には,1
度も 行ったことがないため答えられなかった者も含 んでいる。 マクドナルド以外の4庖はほぼ同様の利用頻 度であった。マクドナルドは他の4庖と比べ, 利用頻度が高い傾向であった。2
)家族形態 片親の核家族が3
2
名 (7%),両親のいる核 家族が3
1
1
名(
6
7
%
)
,片親+祖父母,おじ,お ば等の拡大家族が1
4
名 (3%),両親+祖父母, おじ,おば等の拡大家族が1
0
1
名(
2
2
%
)
,両親 以外の大人と子どもの家族が1
名(
0
.
2%)
,大 人と暮らしていない者が3名 (1%)であった。 きょうだい数は,1
人が7
3
名(
1
6
%
)
,2
人 きょうだいが2
5
0
名(
5
4
%
)
,3
人きょうだいが1
1
0
名(
2
4
%
)
,4
人きょうだい以上が29名(
6
%)
であった。3
)両親の就業状況 共働きが2
5
2
名(
5
5
%
)
,共働きではない者が2
0
0
名(
4
3
%
)
,未回答が1
0
名(
2
%)であった。 校種別にみると,幼稚園では共働きでない者が8
割以上を占め,それ以外の校種では共働きが 多かった(図1)。 表3.ファーストフード利用頻度 月 1回 未回答 以下 2!
2
4 旧│ 週2
回 週1回 以上2
7
(6%)
2
7
4
(
5
9
%
)
1
2
6
(
2
7
%
)
3
1
(7%)
5(人) (1%)
O(人)1
2
0
3
6
1
8
1
(
0
%) (
0.2%
)
(
4
.
3%)
(
7
8
%
)
(
1
7
.
5
%
)
ロ ッ テリア -共働き 朱回答 -共働きでない1
1
3
(
2
4
%
)
3
3
2
(
7
2
%
)
1
4
(3%)
4 (1 %) O(人) (0%)
マ ク ド ナ ル ド 一 モ ス パ 1 ガ l 側 飢 脱 飢 側 側 w m 附 倒 防 脱 n u 内凶 d o o噌 ,
E o r 3 H 崎 令 3 、 , & 4 4 4A S中 S幼 s保 τ祖E T中 T/J、
T幼6
3
(
14%
)
1
0
1
(
2
2
%
)
3
5
4
(
7
6
%
)
3
5
5
(
7
7%
)
1 (人) 24
3
(
0.2%
)
(
0
.4%)
(
9
%)
7
(1 %) 0 (0 %) O(人) (0%)
ドミlス
ナタ
ツl
ケンタッキー4
)部活動の頻度 被験者の中高生のうち,部活動をしている者 は2
3
5
名(
9
2
%
)
,していない者は2
1
名(
8%)
であった。部活動をしている者の頻度は,週1
日以下が3
名(
1
%),週2
日が3
名(
1
%), 週3
日が3
名(
1
%),週4
日が3
名(
1
%), 週5
日が2
8
名(
1
2
%
)
,週6
日以上が1
9
2
名(
8
2
%
)
, 未回答が3
名(
1
%)であった。 5 )習い事の類度 習い事をしている者は3
0
2
名(
6
5
%
)
, してい ない者は1
6
0
名(
3
5
%
)
であった。習い事をし ている者の頻度は,週1
日が9
4
名(
3
1
%
)
,週2
日が8
8
名(
2
9
%
)
,週3
日が6
5
名(
2
2
%
)
,週4
図1.校種別両親就業状況9 )曙好食品の摂取頻度 晴好食品の
1
週間の平均摂取頻度を校種別に 表4
に示した。さらに,それぞれの食品のトラ ンス脂肪酸含有量平均値3)をもとに,日香好食品 による 1日のトランス脂肪酸推定摂取量を校種 別に算出した (表5,図 2)。 噌好食品の1週間の摂取頻度の平均値は,ど の項目も目立って高値を示すものはないが,最 大値と最小値をみると個人によって,ぱらつき が大きかった。 晴好食品による 1日のトランス脂肪酸推定摂 取 量 は , 全 校 種 の 児 童 に お け る 平 均 が0.63::!:: 0.37gで,WHO
/
FAO
およびFDA
(米国食品医 表4. 1週間の曙好食品摂取頻度 シュークリーム ケーキ クッキー類 クラッカ』 チョコ (個) ド』ナツ (枚) (枚) (粒) (個) 薬品局)が勧告している総エネルギー摂取量の1%
未満(約2g
)
より低値であった。しかし, 個 人 差 が 大 き く , 中 に は 噌 好 食 品 だ け で 1日 4.09gのトランス脂肪酸を摂取していると推定 できる者もいた。また 校種聞に大きな差はな く,幼児が0.62::!::0.30g/ day,小学生が0.62::!:: 0.32g/day,中高生が0.64::!::0.43g/dayという結 果であった。幼児については体重当たりのトラ ンス脂肪酸推定摂取量を算出した。幼児の体重 当たりの噌好食品による 1日のトランス脂肪酸 推定摂取量は,平均0.037::!::0.0 18g/kg/ dayとな り,この値を50kgの成人で、換算すると 1.84::!:: 0.88g/dayとなった。 (平均値±標準偏差) スナック 食パン 菓子 牛乳(杯)チーズ アイス 菓子 (枚) パン 1杯 (袋・個) (個) =~OÖ~l (個・枚) (個) 幼児 0.2:t0.4 0.3:t0.63.1:t4.50.4:t1.4 4.3:t6.21.4:t1.3 2.3:t1.9 1.8:t2.4 6.4:t5.01.7:t2.01.8:t2.0 小学生 0.2:t0.5 0.3:t0.51.5:t2.2 0.6:t1.9 3.5:t6.01.7:t1.4 2.1:t2.12.5:t2.2 6.7:t4.71.5:t2.52.2:t2.5 中高生 0.2:t0.5 0.5:t1.0 2.5:t4.8 0.4:t1.8 4.1:t6.91.3:t1.5 3.0士2.61.9:t2.16.3:t6.41.1:t1.7 2.5:t2.8 全校種 0.2:t0.4 0.4:t0.82.6:t4.50.4:t1.7 4.1:t6.61.3:t1.4 2.7:t2.4 2.0:t2.26.3:t5.81.3:t1.9 2.2:t2.5 平均 最大値 3 10 50 20 50 10 18 20 40 14 20 最小値。 。
。 。
G。 。 。 。 。 。
表5
.
曙好食品摂取によるトランス指肪酸推定摂取量(
9
)
1週間合 計 1日平均 最大値/日 最小値/日 幼児 4. 35::!::2.00 O.62::!::0.30 l. 70 0.01 小学生 4. 36::!::2. 24 0.62::!::0.32 l. 79 0.08 中高生 4.51::!::2.98 0.64::!::0.
4
3 4.09 0.08 全体平均 4.
4
3::!::2.60 0.63::!::0.37-44-発 達 教 育 学 部 紀 要 年齢(才) 図2.嗜 好食 品による1日 の トランス脂肪酸推定摂取量 10)家 庭 で 使 用 し て い る 油 脂 類 家 庭 で よ く使 用 す る 油 を2つ 質 問 し た と こ ろ, メ ー カ ー は 日清 オ イ リ オ が158名(27.3%),花 王 が101名(17.4%),味 の 素 が78名(13.5%) で よ く使 用 さ れ て い た 。 油 の 種 類 は よ く 使 用 さ れ て い る 順 に,キ ャ ノ ー ラ ベ ー ス 油 が172名 (29.7%),サ ラ ダ 油 が117名(20.2%),エ コ ナ 製 品 が95名(16.4%),ご ま 油 が81名(14%), オ リ ー ブ オ イ ル が51名(8.8%)と い う 結 果 で あ っ た 。 マ ー ガ リ ン の 使 用 率 の 高 い メ ー カ ー は 雪 印131 名(28%),明 治68名(15%),コ ー プ30名(6%) で あ っ た 。 未 使 用 お よ び 未 回 答 は177名(38%) で あ っ た 。 バ タ ー の 使 用 率 の 高 い メ ー カ ー は 雪 印93名 (20%),明 治25名(5%),よ つ 葉23名(5%) で あ っ た 。 未 使 用 お よ び 未 回 答 は289名(62%) で あ っ た 。 マ ヨ ネ ー ズ は キ ュ ー ピ ー が313名(67%)と 圧 倒 的 に 多 か っ た 。 続 い て,味 の 素 が52名(11%), コ ー プ が12名(3%)で あ っ た 。 未 使 用 お よ び 未 回 答 は66名(14%)で あ っ た 。 ド レ ッ シ ン グ は キ ュ ー ピ ー が120名(26%), ピ エ トロ が46名(10%),コ ー プ が28名(6%) と多 か っ た 。 未 使 用 お よ び 未 回 答 は144名(31%) で あ っ た 。 2.統 計 学 的 分 析 1)家 族 形 態 と 嗜 好 食 品 に よ る トラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の 関 係 片 親+祖 父 母,お じ,お ば の い る 家 庭 の 者 の 嗜 好 食 品 に よ る ト ラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が 0.99±1.04g/dayで,片 親 の み の0.63±0.48g/day, 両 親 の み の0.62±0.30g/day,両 親+祖 父 母, お じ,お ば の い る 家 庭 の0.63±0.369/dayと 比 べ, 有 意 に 高 値 で あ っ た(そ れ ぞ れp<0.05,p<0.Ol, p<0.05)0 2)両 親 就 業 状 況 と 嗜 好 食 品 に よ る ト ラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の 関 係 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た が,幼 児 で は 共 働 き家 庭 の 嗜 好 食 品 に よ る ト ラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の0.58±0.26g/dayが 共 働 き で な い 家 庭 の 0.65±0.30g/dayよ り低 い 傾 向 を 示 し た 。 一 方, 小 ・中 高 生 に お い て は,共 働 き 家 庭(そ れ ぞ れ 0.64±0.31g/day,0.69±0.47g/day)が 共 働 き で な い 家 庭(そ れ ぞ れ0.59±0.34g/day,0.58± 0.33g/day)よ り高 い 傾 向 を 示 し た 。 3)ア レ ル ギ ー と 嗜 好 食 品 に よ る ト ラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の 関 係 す べ て の 校 種 で 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た が, 中 高 生 に お い て,ア レ ル ギ ー の あ る 者 の 嗜 好 食 品 に よ る トラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量0.74±0.42g/day が,ア レ ル ギ ー の な い 者 の0.62±0.42g/dayよ り 多 い 傾 向 を 示 し た 。 4)外 食 頻 度 と 嗜 好 食 品 に よ る ト ラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の 関 係 幼 児 で は,月2∼4日 外 食 す る者 の 嗜 好 食 品 に
よ る トラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の0.67±0.31g/day が 週1日 外 食 す る 者 の0.47±0.16g/dayと 比 し有 意 に 高 値 を 示 し た(p<0.Ol)。 小 学 生 で は 有 意 差 は 認 め られ な か っ た 。 中 高 生 で は,週1日 外 食 す る 者 の0.91±0.81g/dayが 週4∼5日 外 食 す る 者 の0.21±0.12g/dayお よ び 外 食 が 月1日 以 下 の 者 の0.55±0。30g/dayと 比 し,有 意 に 高 値 を 示 し た(い ず れ もp<0.05)。 5)肥 満 度 と 嗜 好 食 品 に よ る トラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 の 関 係 す べ て の 校 種 に お い て,肥 満 度 と トラ ン ス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 と の 問 に 有 意 な 相 関 は 認 め ら れ な か っ た 。 ].V.考 察 本 研 究 に お け る質 問紙 に よ る 嗜好 食 品 摂 取 状 況 か ら推 定 した 児 童 の1日 の トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 は,平 均0.63±0.37gで あ り, WHO/FAO お よ びFDAが 勧 告 して い る総 エ ネ ル ギ ー摂 取 量 の1%未 満(約2g)よ り低 値 で あ っ た 。 しか し, 幼 児,小 学 生,中 高 生 の 間 に トラ ン ス脂 肪 酸 摂 取 量 の 大 きな 差 はみ られ ず,幼 児 にお い て は, トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 を体 重50kg当 た りに換 算 す る と平 均1.84±0.88g/dayと な り,嗜 好 食 品 の み の 摂 取 状 況 か ら推 定 した トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 が,WHO/FAOお よびFDAが 勧 告 す る約2g に近 い 値 とな っ た。 こ の こ とか ら,幼 児 は他 の 年 齢 の 児 童 と比 較 し,身 体 の大 き さ に対 して 嗜 好 食 品 か ら多 量 の トラ ンス 脂 肪 酸 を摂 取 して い る こ とが 示 され た。 幼 児 期 は発 育 が 活 発 な 時 期 で あ り,体 重1kg当 た りの エ ネ ル ギ ー 必 要 量 や 各 栄 養 素 量 は,成 人 の 数 倍 に も な る た め,間 食 に よ って エ ネ ル ギ ー お よ び栄 養 素 の 補 給 を 行 う 必 要 が あ る5)。 しか し,保 育 園 児 が お や つ で 摂 取 した もの の55%が ス ナ ック菓 子 で あ っ た と い う結 果 や6),間 食 に 市 販 の 嗜 好 食 品 を用 い る こ とが 多 い とす る 報 告7)も あ り,幼 児 に与 え るべ き間 食 の 内容 は,今 回 の 結 果 か ら も早 急 に 見 直 す 必 要 が あ る。 また,児 童 の 嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 に は個 人 の ば らつ きが 大 き く,平 均 値 が 基 準 値 よ り低 値 で あ る とは い え,中 に は 嗜 好 食 品 だ け で,成 人 の 一 日摂 取 基 準 と され る 約2gを 大 き く超 え る 者 もい た。 児 童 期 に身 につ い た 望 ま し くな い食 習 慣 は,そ の 後 も継 続 さ れ,さ ら に悪 化 す る場 合 もあ る8)9)。また,近 年 で は子 ど もで も肥 満 が 増 加 して い る'°)。小 児 肥 満 は 成 人 肥 満 につ な が る11)だけ で な く,高 脂 血 症 や糖 尿 病,動 脈 硬 化 な ど に もつ なが っ て くる'2)。今 回 の調 査 で示 され た よ う な,嗜 好 食 品 の み で トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 量 が2gを 超 え る よ うな 児 童 は, 将 来 こ の よ うな 病 気 を発 症 す る可 能 性 が よ り高 い と考 え られ る。 ま た,ト ラ ンス 脂 肪 酸 は 心 疾 患 の 発 症 リス ク を高 め る1)こ とが 明 らか とな っ て い る もの で あ り,日 本 で も摂 取 基 準 を示 し, 一 般 へ の啓 発 活 動 を さ ら に推 し進 め る こ とが 必 要 で あ る 。摂 取 基 準 に つ い て は,諸 外 国 の 基 準 をみ て も,成 人 と子 ど もの 区 別 は さ れ て い な い が,子 ど もの 身 体 の大 き さや,成 長 して か ら後 の 影 響 を 考 慮 す る と,子 ど も と成 人 は 区 別 し て 基 準 を考 え な け れ ば な らな い と考 え られ る。 フ ァ ー ス トフ ー ド店 の 利 用 は,モ スバ ー ガ ー, ロ ッ テ リア,ミ ス タ ー ドー ナ ツ,ケ ン タ ッ キ ー フ ラ イ ドチ キ ン の4店 は ほ ぼ 同様 の 利 用 頻 度 で あ っ た が,マ ク ドナ ル ドは他 の4店 と比 べ,利 用 頻 度 が 高 か っ た。 こ れ はマ ク ドナ ル ドの 店 舗 が他 の もの に比 べ 多 く,商 品が 安価 で,メ ニ ュー も豊 富 な た め 利 用 しや す い とい うこ とが 考 え ら れ る。 本 研 究 で 取 り上 げ た 大 手 フ ァー ス トフ ー ド店 の 商 品 の トラ ンス 脂 肪 酸 に 関 して は,ミ ス ター ドー ナ ツが ホ ー ム ペ ー ジお よび 商 品 コマ ー シ ャ ル に お い て,「2007年12月 か ら全 店 で トラ ンス 脂 肪 酸 値 を大 幅 に 抑 え た オ イ ル を採 用 して い る」 と して お り,「 ドー ナ ツ1個 当 た り平均1 ∼1 .5g含 まれ ていた トラ ンス脂肪酸 を,平 均約 0。25gま で 低 減 させ る こ と に成 功 した 」 と報 告 し て い る13)。モ ス バ ー ガー,ロ ッテ リア,ケ ン タ ッキ ー フ ラ イ ドチ キ ン に 関 して は,商 品 の ト ラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 につ い て言 及 され て い な い 。 しか し,「 食 品 と暮 ら し の 安 全 」 の ア ンケ ー ト 調 査14)に よ る と,モ ス バ ー ガ ー の揚 げ 油 は 「水 素 添 加 し な い代 わ りに,常 温 で も固 ま りや す い パ ー ム 油 を 使 い,ビ タ ミ ンEの 添 加 で 酸 化 を抑 え てお り,ト ラ ンス脂 肪 酸 の 含 有量 は3%以 下 」 一46一
発 達 教 育 学 部 紀 要 と い う こ とで あ る。 ま た,同 じ調 査 で,ロ ッテ リ ア は 「水 素 添 加 して い な い パ ー ム 油 を使 用 し, トラ ン ス 脂 肪 酸 の 含 有 量 は 微 量 」 な揚 げ 油 を 使 っ て お り,ケ ン タ ッキ ー フ ラ イ ドチ キ ン は, 「従 来 の 揚 げ 油 か ら トラ ン ス脂 肪 酸 含 有 量 を半 分 に低 減 した もの に 変 更 した か,近 く変 更 予 定 で あ るJと い う 回答 が 得 られ て い る。 マ ク ドナ ル ドに 関 して は,ア メ リ カ の店 で は トラ ンス 脂 肪 酸 へ の 対 策 が 取 られ,含 有 量 も消 費 者 が 分 か る よ う に な っ て い る15)が,日 本 で は対 策 が さ れ て い な い 。 「食 品 と暮 ら しの安 全 」 の2005年7月 発 表16)の調 査 で は 「マ ック フ ラ イ ポ テ トMサ イ ズ(135g)に は4.55gの トラ ンス脂 肪 酸 が含 まれ て い る」 と してお り,2007年 の ア ンケ ー ト調 査14) で も 「揚 げ油 も ミル クポ ー シ ョン も対 策 を検 討 して い な い」 と の 回 答 を得 て い る。 マ ッ ク フ ラ イ ポ テ トMサ イ ズ に含 ま れ る4.55gと い う トラ ンス 脂 肪 酸 量 は,食 品 安 全 委 員 会 の い う 日本 人 の 平 均 値 を は る か に超 え,こ の 商 品 の み で, W且0/FAOの 勧 告 す る 総 摂 取 エ ネ ル ギ ー 量 の 1%未 満(約2g)の2倍 以 上 の トラ ンス 脂 肪 酸 を摂 取 す る こ と に な る 。 こ の こ と よ り,マ ク ドナ ル ドの 利 用 頻 度 が 高 い と い う こ と は トラ ン ス 脂 肪 酸 の 摂 取 量 も高 くな っ て い る こ と が想 定 され る 。今 回 は,フ ァー ス トフ ー ド店 の利 用 状 況 を把 握 し た の み で,ど の よ う な もの を食 し, そ こか ら摂 取 して い る トラ ンス 脂 肪 酸 量 は検 討 して い な い 。 今 後,フ ァー ス トフ ー ドに よる ト ラ ンス脂 肪 酸 量 も推 定 し,児 童 の トラ ンス脂 肪 酸 摂 取 の 実 態 を よ り明確 に して い く必 要 が あ る。 家 庭 で 使 用 され る油 は,日 清 オ イ リ オ や花 王 の 健 康 志 向製 品 が 多 くみ ら れ た 。 これ らの 製 品 は,健 康 効 果 が 期 待 で き る 「特 定 保 健 用 食 品 」 や 「栄 養 機 能 食 品 」17)に認 定 さ れ て い る もの で あ る 。 大 橋18)の調 査 に よ る と,家 庭 に お け る食 用 油 脂 の 購 入 時 の 重 視 す る条 件 で は81%が 「健 康 効 果 」 と して い る結 果 が 出 て い る。 特 定 保 健 用 食 品 に認 定 され て い る油 の トラ ン ス脂 肪 酸 含 有 量 は,日 清 オ イ リオ は ホ ー ム ペ ー ジ にて,「 ヘ ル シ ー ラ イ ト」 が100g当 た り1.Og,「 ヘ ル シ ー リ セ ッ タ」 が100g当 た り1.5g,「 ヘ ル シー コ レス テ」 が100g当 た り1.6gと 公 表 し て お り19),全 植 物 性 油 脂 の トラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 の 平 均 値100g当 た り1.39593)と 近 い 値 と な っ て い る。 一 方,花 王 の エ コ ナ 製 品 につ い て は,ト ラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 が5.2%で,他 の 市 販 され て い る植 物 油 の トラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量0.4∼2.3%と 比 べ,高 濃 度 で あ る こ とが 示 され て い る 報 告2°)があ る 。 「特 定 保 健 用 食 品 」 や 「栄 養 機 能 食 品 」 に 認 定 され て い る油 は,食 後 の血 中 中 性 脂 肪 の 上 昇 を防 ぐ, あ る い は 血 中 コ レス テ ロ ー ル 値 を下 げ る とい っ た効 果 が あ る もの の,ト ラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 に 関 して は 少 な い とい う わ け で は な い 。 本 研 究 の 結 果 か ら は,健 康 効 果 を期 待 し て油 を選 択 して い る こ と は伺 え た が,日 常 使 用 す る 油 脂 類 か ら の トラ ンス 脂 肪 酸 の 摂 取 は 多 い 者 もい る こ とが 推 測 され る。 マ ー ガ リ ン とバ ター に お け る トラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 は,マ ー ガ リ ンの方 が 圧 倒 的 に高 値3)で, マ ー ガ リ ン100g当 た りの トラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 平 均 値 が7.004g,バ タ ー100g当 た りの トラ ンス 脂 肪 酸 含 有 量 平 均 値 が1.951gで あ る。 今 回 の 調 査 で は,マ ー ガ リ ン の使 用 者 が 多 か っ た。 これ は マ ー ガ リ ンの 方 が 安 価 で 種 類 も豊 富 に あ り, 利 用 しや す い こ と と,ト ラ ンス脂 肪 酸 の情 報 を 消 費 者 が 認 知 して い な い こ とが 考 え られ る 。 一 方,バ タ ー は 生 活 習 慣 病 を引 き起 こす 一 因 で あ る コ レス テ ロ ー ル の 含 量 が100g当 た り210∼ 230mgで,マ ー ガ リ ンの100g当 た り4∼5mg21) と比 べ 非 常 に 多 く,バ ター を よ り積 極 的 に 食 す る根 拠 も少 な い 。 片 親+祖 父 母,お じ,お ば の い る家 庭 の 者 の 嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が, 他 の家 族 形 態 よ り も高 値 を示 した 。 お や つ の 摂 取 頻 度 に は 祖 父 母 の存 在 が 関 連 して い る可 能 性 が 示 され て い る調 査 結 果6)が あ り,今 回 の 結 果 は,同 居 して い る祖 父 母,お じ,お ば 等 が,子 ど もの 親 が 片 親 で あ る こ と もあ り,余 計 に子 ど も に甘 く,お や つ と して 嗜 好 食 品 を多 量 与 え て い る の で は な い か と考 え られ る。 幼 児 で は,共 働 き家 庭 の 者 が,共 働 きで な い 家 庭 の 者 よ り嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が 低 値 を示 した 。 間 食 は,お 腹 が 空 く ・泣 く ・機 嫌 が 悪 くな る な ど に対 処 す る た め,
つ い 決 め られ た 時 間 以 外 に与 え て し ま う こ とが 多 くな る22)が,共 働 きで な い家 庭 の 者 は,幼 稚 園 や保 育 所 か ら早 い 時 間 に帰 宅 す る た め,帰 宅 途 中 また は帰 宅 後,夕 食 まで の 問 等 に嗜 好 食 品 を 間 食 と して 与 え られ る こ とが 多 い の で は な い か と考 え られ る。 一 方,小 ・中 高 生 で は,共 働 き家 庭 の 者 が 共 働 きで は な い 家 庭 の 者 よ り嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が 高 値 を示 し た。 小 ・中 高 生 で は,自 ら欲 しい もの を購 入 で きる よ う に な る 。 共 働 きだ と親 が 帰 宅 す る 時 間 が 遅 くな り, 夕 食 も遅 くな るの で,お 腹 の す い た 子 ど もが 嗜 好 食 品 を買 っ て 食 べ て い た り,親 も嗜 好 食 品 を 自宅 にス トッ ク して い た りす る状 況 が 考 え られ る。 母 親 の就 労 して い る 家 庭 で は,間 食 を 買 い 食 い す る割 合 が 高 く,市 販 品 の 間 食 が 中心 と な り,母 親 の勤 務 形 態 が 児 の 肥 満 に 結 びつ く生 活 習 慣 を悪 化 させ て い る23)とい う報 告 もあ り,今 後 さ ら な る調 査 が 必 要 で あ る。 小 学 生 以 下 で は ア レル ギ ー と嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 に 関係 は認 め られ な か っ た が,中 高 生 で は,ア レル ギ ー の あ る 者 が ア レル ギ ー の な い者 よ り嗜 好 食 品 に よ る トラ ン ス脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が 高 い 傾 向 を示 した。 トラ ンス 脂 肪 酸 は 血 管 の 内皮 細 胞 膜 に 取 り込 まれ, 内皮 接 着 分 子 を増 や す こ と に よ り,内 皮 細 胞 機 能 不 全 を うな が し,炎 症 を誘 発 す る24)25)26)27)28) とい う報 告 が あ る。 また,ヨ ー ロ ッパ の13∼14 歳 の 子 ど もに お い て,ト ラ ンス 脂 肪 酸 の摂 取 が 多 い ほ ど ア レル ギ ー疾 患 を引 き起 こ して い る と い う調 査29)も あ る。 これ らの こ と よ り,近 年 の トラ ン ス脂 肪 酸 の 摂 取 状 況 と,ア レ ル ギ ー 疾 患 の増 加 と が 関 連 して い る可 能 性 もあ り,今 後 も 検 討 が 必 要 と され て い る課 題 で あ る。 外 食 の頻 度 と嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 に,一 定 の 傾 向 は 認 め られ な か っ た。 今 回 の 調 査 で は,外 食 の 内 容 や 摂 取 時 間 に つ い て は 検 討 して い な い。 前 述 した よ う に,フ ァ ー ス トフ ー ドに は トラ ンス 脂 肪 酸 が 多 く含 まれ て い る場 合 が あ る。 今 後 は,外 食 の 内 容 も調 査 し, 外 食 か ら摂 取 して い る トラ ンス 脂 肪 酸 に つ い て も検 討 が 必 要 で あ る。 V.ま とめ 本 研 究 に お け る児 童 の 嗜 好 食 品 に お け る1日 の トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 は,WHO/FAO お よびFDAが 勧 告 して い る総 エ ネ ルギ ー摂 取 量 の1%未 満(約2g)よ り低 値 であ った 。 しか し, 個 人 に よっ て ば らつ きが 大 き く,中 に は 嗜 好 食 品 の み で2gの 基 準 値 を大 き く超 え る者 も い る 。 平 均 値 を も と に 「健 康 へ の 影 響 は小 さい 」 と考 え,ト ラ ンス 脂 肪 酸 の摂 取 基 準 を 設 け な か っ た り,商 品 に トラ ンス脂 肪 酸 含 有 量 を 表 示 す る こ と を義 務 化 し なか っ た り対 応 を しな い の は,す べ て の 国 民 の た め とい え な い。 ま た,幼 児 に 関 して は,成 人 体 重 に換 算 し た場 合 の 嗜 好 食 品 に よ る トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 が基 準 値 近 くな り,他 の 食 品 か ら も トラ ン ス脂 肪 酸 を摂 取 す る こ と を 考 え る と,早 急 に詳 細 な調 査 が 必 要 で あ る。 今 回 の 調 査 は質 問紙 に よ る もの で あ り,実 際 の 食 事 か ら も摂 取 して い る トラ ンス 脂 肪 酸 を全 て 算 出 した わ け で は な い 。 ま た,今 回 検 討 した トラ ンス 脂 肪 酸 推 定 摂 取 量 は,嗜 好 食 品 に よ る もの に 限 定 され て い る。 フ ァー ス トフー ドや 外 食 か らの トラ ンス 脂 肪 酸 の 摂 取 は少 な くな い こ とが 想 定 され,こ れ ら も含 め る と,さ ら に児 童 が 摂 取 す る 一 日の トラ ンス 脂 肪 酸 量 は 増 加 す る 可 能 性 が 高 い 。 今 後 は,食 事 調 査 に よ り実 際 に 摂 取 して い る トラ ンス 脂 肪 酸 量 を算 出 し,児 童 の トラ ンス 脂 肪 酸 摂 取 の 実 態 を よ り明 確 に して い く必 要 が あ る。 V[.謝 辞 本 研 究 の 遂 行 に あ た り,調 査 に ご協 力 い た だ き ま した 鳥 取 県 か もめ 幼 稚 園,滋 賀 県 竜 が 丘 保 育 園,滋 賀 県 草 津 幼 稚 園 の保 護 者 の 皆 様 な らび に先 生 方,鳥 取 県 米 子 市 立 加 茂 小 学 校,鳥 取 県 境 港 市 立 第 二 中学 校,滋 賀 県 大 津 市 立 瀬 田北 中 学 校,鳥 取 県 立 米 子 東 高 等 学 校 の 児 童 お よ び生 徒 の皆 様,保 護 者 の 皆 様 な らび に 先 生 方 に厚 く 御 礼 申 し上 げ ます 。 .・
発 達 教 育 学 部 紀 要
〈参考 文献 〉
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