Information-technology Promotion Agency, Japan S o f t w a r e R e l i a b i l i t y E n h a n c e m e n t C e n t er
重要インフラ分野のシステム障害への対策
に関するIPA/SECの取組み
～経験を共有し，みんなの力でIT社会の安全・安心を築くしくみに向けて～
２０１３年１１月２２日（金） 独立行政法人情報処理推進機構（ＩＰＡ） 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター（ＳＥＣ） 山 下 博 之 ET2013 [併催セミナー] IPAセミナー 基調講演 【IPAの今後の取組み】 ～経験と教訓の共有に基づく製品機器・ITサービスの信頼性向上に向けて～IPA/SECの活動
大学 研究機関・ 研究団体連携の場
・ ベスト・プラクティスの収集・普及 ・ 開発手法・技術の開発と実証実験 ベンダ企業 ユーザ企業 業界団体 学会 SEC 産業界重点：生産性・信頼性向上から
安全・安心
へ
対象：企業・業界レベルから
国民レベル
へ
・ 現場課題に基づく共同研究，など 開発競争力強化 から高信頼化へ昨年度まで：ソフトウェア・エンジニアリング
今年度から：情報処理システム・ソフトウェア障害の対策，教訓共有等
ITシステムの高信頼化等に向けたIPA/SECの取組み
＜今期の取組み＞
重要インフラ分野
*等のシステム
障害の事例を分析
し，
それにより得られた
教訓と対策
を整理・体系化
した上で，
再発防止策を，
業界を越えて
横断的に広く
共有
する
仕組みの構築
を目指す．
* 情報通信，金融，航空，鉄道，電力，ガス，政府・行政サービス，医療，
水道，物流．
障害に基づく教訓の共有による信頼性向上のしくみ 現状（教訓の共有なし） 製品機器/ ITサービス (Ａ社) 社会 社会 より高い安全・安心な 製品機器/ITサービスの提供 製品機器/ ITサービス (Ｂ社) 製品機器/ ITサービス (Ｃ社) 信 頼 性 信 頼 性 信 頼 性 原因分析 対策検討 対 策 実 施 教 訓 Ａ 原因分析対策検討 対 策 実 施 教 訓 Ｂ 原因分析対策検討 対 策 実 施 教 訓 Ｃ 製品機器/ ITサービス (Ａ社) 製品機器/ ITサービス (Ｂ社) 製品機器/ ITサービス (Ｃ社) 信 頼 性 信 頼 性 信 頼 性 原因分析 対策検討 体系的整理 教 訓 Ａ教訓 Ｂ教訓 Ｃ 対策実施 対策実施 対策実施 障害 障害 障害 障害 障害 障害 重要インフラ等 重要インフラ等
取組みの目指す方向
IPA/SECや業界団体等が担う （専門家/有識者のご協力を得つつ） 教訓 教訓 教訓背景
1事業者に囲われた経験と情報を幅広く社会全体で共有し、
障害対策などに有効活用できることが重要．
私たちの生活や社会・経済活動は
重要インフラに大きく依存し，ソフト
ウェアを含むITサービスや製品機器
によって支えられている．
ひとたび障害が発生すると，多大
な影響を及ぼす．
障害の発生源
ＩＴシステム 企画 ＩＴシステム 設計開発 ＩＴサービス 開始・更改 IT潜在 Fault （直接原因） ITｻｰﾋﾞｽ Error （事象） 発生 ＨＷ ＳＷ トラブルに発展 ｻｰﾋﾞｽ Failure （重大障害） に発展 重要インフラ事業者企業（通信，金融，決済等），機器製造企業等 2次的Fault (影響拡大の要因) ベンダ企業 マネジメント/アーキテクチャ系リスク源 （注）Fault-Error-FailureによるシステムModel（南野「フォルトトレラント・コンピュータ」オーム社, 1991) をＩＴを活用する重要インフラ・サービスのDependabilityモデルに応用。障害の原因元
教訓の分類例（１／２）
1. ID 2. 格言（タイトル） 3. カテゴリ 4. 説明（背景，内容） 5. 教訓が効果を上げる ための環境 6. 対応する障害事例 7. 対策例 8. 対応時の副作用 9. 未対応時のリスク 10.その他情報＜教訓の構成＞
コンテキスト
に基づく
業務・システムの
類型化
適用可能な教訓
高い効果の見込まれる教訓
教訓の分類例（２／２）
【教訓の適用領域】 • システム利用 ・ プロセス ・ システム要素調達 ・ システム企画 ・ システム開発 ・ システム保守 ・ システム運用 ・ マネジメント ・ 人材 ・ 組織 • ガバナンス • アーキテクチャ 【対策の難易度】 ・ コスト ・ 技術的要素 教訓が適用できる領域 予算有無や技術的な制限による教訓適用の難しさ 【ステークホルダ】 ◆経営層（トップマネジメント、ＣＩＯ） ◆業務部門 ◆調達部門 ◆品質管理部門 ◆人事部門 ◆情報システム企画部門 ◆情報システム開発部門 ◆情報システム運用部門 ◆エンドユーザ ◆外部ベンダ 等 教訓の利用部門共有する教訓・対策を取りまとめ，展開するプロセス
企業等への 個別ヒアリング 公開情報 の分析 事例情報・ 教訓素材 事例情報・ 教訓素材 事例情報・ 教訓素材 部会 SEC蓄積 教訓 教訓の整理 体系化方法 教訓の活用・ 展開方法 事例に基づく“教訓”集 （製品・制御システム編） 事例に基づく“教訓”集 （ITサービス編） 教訓の一般化・ 抽象化の処理 (A)製品・制御 システム高 信頼化部会 (B)重要インフ ラITサービス 高信頼化部 会 教訓 業界団体等への アプローチ 対 策 手 法 へ 展 開 情報共有のため のルール整備 （機密保持等）障害事例の分析・整理体系化の結果として導かれた「教訓」
を業界・分野を越えて幅広く共有し、類似障害の再発防止・
影響範囲の縮小につなげる仕組みの構築を目指す．
＜2013年度の活動概要＞
製品・制御システム高信頼化部会の委員構成 主査 平山 雅之 日本大学 安達 和孝 日産自動車株式会社 天嵜 聡介 公立大学法人岡山県立大学 岩崎 新一 日本電気株式会社 小泉 忍 株式会社日立製作所 五味 弘 一般社団法人 電子情報技術産業協会（JEITA） /沖電気工業株式会社 高木 徳生 オムロンソーシアルソリューションズ株式会社 中岡 邦夫 三菱電機株式会社 野本 安栄 株式会社日立情報制御ソリューションズ 長谷川 賢一 株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ 久住 憲嗣 国立大学法人九州大学 細谷 伊知郎 トヨタ自動車株式会社 三浦 邦彦 矢崎総業株式会社 薬袋 正和 横河電機株式会社 門田 浩 一般社団法人 組込みシステム技術協会（JASA） 吉田 徹 富士電機株式会社 参考
製品・制御システム高信頼化部会の委員構成
本日の講演
重要インフラITサービス高信頼化部会の委員構成
主査 中村 英夫
日本大学
今井 元一
株式会社オリジネィション
川名 康雄
東京電力株式会社
繁野 高仁
株式会社情報システム総研
澁谷 裕以
東京海上ホールディングス株式会社
鈴木 義伯
株式会社日本取引所グループ
林
泰樹
内閣官房情報通信技術総合戦略室
松本 雅行
東日本旅客鉄道株式会社
浜田 達夫
*一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会
情報処理振興課
*経済産業省
高橋 聖
*日本大学
*オブザーバ
参考重要インフラITサービス高信頼化部会の委員構成
本日の講演
ご清聴，ありがとう
ございました
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Illustration by れい©Crypton Future Media, INC.
