• 検索結果がありません。

(ブック)久留米大学健康スポーツ科学センター研究紀要.indb

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(ブック)久留米大学健康スポーツ科学センター研究紀要.indb"

Copied!
52
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

久留米大学健康・スポーツ科学センター

研 究 紀 要

第 20 巻

久留米大学健康・スポーツ科学センター

http://www.mii.kurume-u.ac.jp/kenspo/

ISSN 1346-3055

《目 次》

原著論文 自転車駆動運動時における異なるペダル回転数に対するペダル踏力と酸素摂取量の応答 右 田 孝 志・得 居 雅 人・平木場 浩 二 … ………   1 集団輸送災害の心理的影響からの長期経過:症状経過グラフ化の試み 大 江 美佐里 … ………   9 ラット褐色脂肪組織に対する後肢ギプス固定の影響 辻 本 尚 弥・鈴 木 英 樹 … ………  13 研究資料 2ヶ月間の持久性トレーニングが女子サッカー選手の最大酸素摂取量に及ぼす効果 川 原 彩 乃・原   賢 二 … ………  19 高校女子ハンドボール選手に対するストレッチおよびウォーミングアップの意識調査… ―教育的介入前後の比較― 武 川 絵 美・原   賢 二 … ………  25 小学1~3年生の生活リズムと食生活 柴 田   彰・廣 畑 一 代・眞 谷 智 美・髙 松 幸 子 … ………  31 研修医と新人看護師の仕事ストレスと余暇活動の関係について 豊 増 功 次・河原田 康 貴・福 留 英 明・岡 田 裕 隆… 今 村 桃 子 … ………  37 短  報 男性長距離ランナーにおける体水分量の turnover にみられるシーズン内(1年間)の変動 滿 園 良 一 … ………  43

2013 年 3 月

(2)

   文 理 論 叢   第1輯    (1949)    文 理 論 叢   第2輯    (1949)    久留米大学論叢   第3輯    (1950) 久…留…米…大…学…論…叢(人文・社会科学)第4巻 第1号(1951) 同        (白 然 科 学)第4巻 第1号(1951) 同        (人文・社会科学)第4巻 第2号(1952) 同        (自 然 科 学)第4巻 第2号(1952) 同        (人文・社会科学)第5巻 第1号(1953) 同        (自 然 科 学)第5巻 第1号(1953) 同        

人文・社会科学済 学

第5巻 第2号(1953) 同        (自 然 科 学)第5巻 第2号(1954) 同        

人文・社会科学済 学

第6巻 第1号(1955) 同        (自 然 科 学)第6巻 第1号(1955) 同        (人文・社会科学)第6巻 第2号(1955) 久…留…米…学…会…記…要(人文・社会科学)第  1  号(1956) 同        (人文・社会科学)第  2  号(1957) 久留米理学会記要         第  1  号(1957) 久留米文学会記要(人文・社会科学)第  3  号(1957) 久留米理学会紀要         第  2  号(1957) 久留米文学会紀要(人文・社会科学)第  4  号(1958) 久留米理学会紀要         第  3  号(1958) 久…留…米…大…学…論…叢         第7巻 第1号(1958)        ~ 同      第40巻 第2号(1991) 久留米大学保健体育センター研究紀要 第1巻 第1号(1993)        ~ 同      第7巻 第1号(1999) 久留米大学健康 ・ スポーツ科学センター研究紀要 第8巻 第1号(2000)        ~ 同      第19巻 第1号(2011)

(3)

1 =原著論文=

自転車駆動運動時における異なるペダル回転数に対する

ペダル踏力と酸素摂取量の応答

右 田 孝 志

1)

  得 居 雅 人

2)

  平木場 浩 二

3)

Pedal Force and Oxygen Uptake Responses to Different

Pedal Rates during Cycling.

Takashi MigiTa

1)

, Masato TOkUi

2)

and kohji HiRakOba

3)

緒  言 自転車運動における物理的な仕事量(外的出力: EP)は、脚筋の仕事量を反映し、動輪に加えられる 負荷とペダルの回転数との積として評価される。動 輪に加えられた負荷は脚筋の発揮張力に等しいと考 えられ、ペダル回転数を一定にして、負荷を増加さ せた場合の EP の増加は脚筋の発揮張力に依存する ことが示されている 1, 2)。一方、ペダル回転数は脚筋 自体の回転(収縮)速度に依存すると思われる。し abstract

The purpose of this study was to investigate pedal force and physiological responses to different pedal rates during a constant-load cycling exercise. Ten healthy male volunteers (mean ± SD: age, 21.1 ± 0.3 years; height, 169.6 ± 3.9 cm; weight, 66.7 ± 8.4 kg) performed a load-incremental cycling exercise and three different constant-load cycling exercises. The load-incremental exercise test started at 0.5 kp for 2 min, followed by an increase of 0.5 kp every 2 min until exhaustion. After the test, the subjects performed three different pedal rates (40, 80, and 120 rpm) during a constant-load exercise (1.0 kp) for 6 min. The order of the three pedal rates was randomized. Oxygen uptake (V˙O2) and pedal force (PF) were measured during all exercise tests. Blood lactate accumulation above rest

([ΔLa]) was measured during the three pedal rates of the constant-load exercise. External power for the cycling

exercise, not surprisingly, increased according to the increase in pedal rate. As a result, V˙O2 and [ΔLa] also increased

with an increase in pedal rate. Furthermore, despite the same load to the wheel of the cycle ergometer, pedal force also increased with an increase in pedal rate. These results suggest that an extremely high pedal rate is dependent on muscle contraction velocity and affects the exerted tension of the muscle and metabolic stress during cycling exercise.

key words:External power, Internal power, load to pedal, metabolic stress, contraction velocity

たがって、負荷一定で異なるペダル回転数における 脚筋自体の回転速度の増加は、筋の発揮張力に関連 するのかどうか、また、回転速度の増加がペダルに 加えられる力(ペダル踏力)に影響を及ぼすのかど うかは興味あることである。なぜならば、同一水準 の EP であっても、高負荷・低回転数から低負荷・ 高回転数まで様々な組み合わせの設定が存在し、そ の設定条件によって生体に与える影響も異なってく ると想定されるからである。我々は 3)、負荷漸増お よび頻度漸増運動という仕事量設定の異なる自転車 1)久留米大学健康・スポーツ科学センター 2)九州共立大学スポーツ学部 3)九州工業大学大学院生命体工学研究科

(4)

運動時の生体応答を検討した。その結果、ペダル回 転数に依存した脚自体の運動(内的仕事量)を加味 した総仕事量として評価した場合、低負荷・高速回 転の自転車運動であっても高負荷・低速回転の条件 と同一水準の代謝ストレスの得られたことを報告し た 3)。したがって、疾病や加齢のために脚自体の張 力発揮に制限がある場合であっても、ペダル回転数 を代謝ストレス設定の変数として用いることによっ て、十分な生体への負担を課す可能性を示唆した。 しかしながら、その研究 3)において、実際の脚筋の 発揮張力の変数としてのペダル踏力は測定していな かった。 そこで本研究では、動輪に加わる負荷を一定とし て、ペダル回転数のみを変化させて EP を増加させ た場合、ペダル踏力は変化しないのか、ペダル踏力 が筋収縮速度に依存して変化するのかどうかを検討 した。さらに、同時に生体ストレスの指標として評 価した酸素摂取量との関連性についても検討を加え た。 方  法 被験者 健康な男子大学生10名が本実験に参加した。彼ら の年齢、身長および体重は、それぞれ21.1±0.3歳、 169.6±3.9 cm、66.7±8.4 kg であった。実験の手順、 考えられる危険性および恩恵に関して詳細な説明を 行い、自らの意思で実験への参加を承諾した者を被 験者とした。すべての被験者は実験に参加する前に 書面にて承諾書を提出した。なお、本実験は九州工 業大学大学院生命体工学研究科の人を対象とする研 究倫理委員会の承認を得た。 実験デザイン 被験者は最初に最大負荷漸増自転車運動テストを 実施し、その後、日を変えて2週間以内に負荷一定 で異なるペダル回転数の3種類の自転車運動を行っ た。すべての運動は自転車エルゴメータ(モナーク 818、CresentAB, Varburg, Sweden)を用いて実施し、 サドルの高さは全ての試行で同一とした。また、被 験者は踏み込み局面におけるペダル踏力のみを評価 するために、ペダルのストラップを取り外して自転 車駆動を実施した。 最大負荷漸増運動 3分間の座位安静時の測定の後、最初の負荷を0.5 kpに設定して運動を開始した。それ以後、2分間毎 に0.5 kp ずつ負荷を漸増して疲労困憊に至るまで実 施した。ペダル回転数は60 rpm の一定とした。 異なるペダル回転数による一定負荷運動 被験者は3分間の座位安静時の測定の後、40、 80、および120 rpm の3種類の異なるペダル回転数 で6分間の一定負荷運動を行った。ペダルへの負荷 はすべての試行において1.0 kp の一定負荷とし、ペ ダル回転数の試行はランダムな順序で実施した。 測定項目 呼気ガスは両運動テストを通して代謝測定装置 (A-E 300S、ミナト医科学社製)を用いて breath-by-breathで測定された。吸気および呼気ガス量は、熱 線流量計を用いて測定された。呼気の酸素濃度と二 酸化炭素濃度はそれぞれダンベル型永久磁石式の酸 素濃度計および赤外線吸収式二酸化炭素濃度計を用 いて分析された。この装置は仕様書に従い測定前に 較正された。酸素および二酸化炭素濃度の分析装置 は、テスト前に既知濃度のガスを用いて較正され た。Breath-by-breath の呼気ガス変量が測定され、そ の後の解析のためにハードディスに保存された。

心 拍 数 は Polar S610i 心 拍 計(Polar Electro Oy、 Finland)を用いたテレメトリー法、および自動呼気 ガス分析装置に装備された心電計(EBP-300、ミナ ト医科学社製)にて ECG の信号を有線で導出され、 5秒毎に測定された。 指先の毛細血管から運動前および運動終了直後に 全血の乳酸濃度(〔La〕)を求めるために血液が採取 された。血液サンプルは半自動の乳酸分析装置(YSI 1500 Sport、Yellow Springs Ins.、Ohio、USA)を用い て分析された。この装置は仕様書に従って5mmol・ L-1の標準液を用いてテスト前に較正された。 ペダル踏力は張力センサーを右側のペダルに取り つけ、ペダルに加わる張力をデジタル力量計(特注 のため型番なし、竹井機器工業)で測定した。各測 定の前に較正用の基準電圧を入力した。運動中の正 確なペダル回転数を得るために、駆動輪に小型で薄 い磁石(1.8×2.0 cm)を取り付け、その磁気信号を IC-hall センサーを用いて測定した。ペダル踏力およ び回転数のデータは、アナログ・デジタル変換(A/D 変換)した後(PowerLab/8s, ADinstruments, Castle Hill, Australia)、パーソナルコンピュータのハード ディスクにその後の解析のために保存された。

(5)

3 自転車駆動運動時における異なるペダル回転数に対するペダル踏力と酸素摂取量の応答 データの算出 呼気ガスパラメータ(V˙O2、V˙CO2、V˙E)のデータ は、最大運動においては2分間の各ステージの後半 の1分間、一定負荷運動においては30秒毎の平均値 として算出した。最大運動時のペダル踏力は、各ス テージ後半の1分間に測定されたサイクル毎のピー ク値の平均値として求めた。一定負荷運動では各サ イクルのピーク値の30秒間毎の平均として求めた。 そして、呼気ガスパラメータおよびペダル踏力の一 定負荷運動時の5分から30秒間の値を各試行間の比 較検討の対象とした。血中乳酸濃度(〔⊿ La〕)は、 一定負荷運動前後の血中乳酸の増加分として求め た。一定負荷運動時のペダル回転数は、IC-hall セン サーの信号から得られた駆動輪の周波数とギア比 (3.64)から算出し、30秒間毎の平均として求め、以 下の外的出力(EP)および内的出力(IP)の算出に 用いた。 仕事量の算出 総出力(TP)は EP と IP の和として求めた。EP は、自転車エルゴメータになされた仕事として、ペ ダル回転数と負荷から算出した。IP は、活動筋自体 の動きに伴う重力および慣性力に打ち勝つためにな さ れ る 仕 事 量 と 考 え ら れ、 本 実 験 に お い て は、 Minetti et al. 4)が示した式(IP (W・kg-1) = 0.153×

ペダル回転数(Hz) 3 )より評価した。 統 計 全てのデータは平均±標準偏差で示した。3種類 の異なるペダル回転数の酸素摂取量、ペダル踏力お よび血中乳酸濃度の差の検定には、繰り返しのある 一元配置の分散分析を用い、有意な F 値が得られた 場合に試行間の多重比較検定を実施した。有意性の レベルは5%に設定した(P < 0.05)。 結  果 最大負荷漸増運動時の動輪に加わる負荷と酸素摂 取量(V˙O2)の関係、およびその負荷とペダル踏力 の関係を図1に示した。V˙O2およびペダル踏力とも 負荷の増加に対して直線的な増加を示した。両変数 のピーク値の平均はそれぞれ2855 ± 337 ml/min お よび452.4 ± 62.7 N であった。そして、ペダル踏力 と V˙O2も直線関係にあった(図2)。 自転車駆動運動時における一定負荷での3種類の ペダル回転数で出力された各種仕事量を図3に示し た。各ペダル回転数におけるパワーは回転数の増加 とともに大きくなった。しかし、発揮された内的パ ワー(IP)、外的パワー(EP)およびトータルパワー (TP)は、それぞれ6分間の運動中に一定であった。

Fig. 1.‌‌Oxygen uptake response (V˙O2: upper

panel) and pedal force (lower panel) responses to load during maximal load-incremental exercise.

Fig. 2.‌‌Relationship between pedal force and oxygen uptake (V˙O2) during maximal

(6)

一定負荷運動時の40および80 rpm における V˙O2 は、運動開始後上昇を示し、2~2.5分程度で定常状 態に達した(図4)。一方、120 rpm における V˙O2は 運動開始直後急激に上昇した後、定常状態に達する ことなく緩やか増加を示し、緩成分の出現が認めら れた(図4中の水平線以上の成分)。各ペダル回転数 での運動開始後5分から30秒間の V˙O2の平均値は、 ペ ダ ル 回 転 数 の 増 加 に 伴 い 有 意 に 増 加 し た  (P < 0.01)。 ペダル踏力の1名の測定例を図5に示した。回転 数の増加にともないペダル踏力のピーク値は増加す る傾向が認められた。 被験者全員のペダル踏力のピーク値の平均値を検 討した図6に示す通り、運動開始5分後から30秒間 のペダル踏力は動輪に加わる負荷が一定(1.0 kp)で あるにもかかわらず、回転数の増加に伴って増大し

Fig. 3. Power output (IP: Internal Power, EP: External Power, TP: Total Power) changes at three different pedal rates during constant-load exercise.

Fig. 4. Oxygen uptake (V˙O2) responses at three

diferent pedal rates during constant-load exercise.

Holizontal line is VO2 at 3 min in 120 rpm exercise.

a: Significantly different from 40 rpm. b: Significantly different from 80 rpm.

(7)

5 自転車駆動運動時における異なるペダル回転数に対するペダル踏力と酸素摂取量の応答 た(P < 0.05)。また、最大負荷漸増運動における動 輪に加えた負荷が1.0 kp 時のペダル踏力は198.8± 22.3 N であり、40および80 rpm の一定負荷運動時の ペダル踏力の中間の値に相当した(40 rpm:190.5± 14.0 N、80rpm:218.4±29.1 N)。 異なるペダル回転数におけるペダル踏力と V˙O2の 関係を図7に示した(5分から30秒間の平均値)。ペ ダル踏力の増加に対する V˙O2増加の比は、40 rpm か ら80 rpm へのペダル回転数の増加よりも80 rpm か ら120 rpm への方がより顕著であった。 運動後の血中乳酸の増加分を検討してみると、40 rpm では運動後の値が安静値よりも減少する被験者 がいて、ほとんど増加を示さなかったが、運動後の 血中乳酸濃度の増加分はペダル回転数の増加に伴い 有意に高値を示し(P < 0.01)、特に120 rpm では大 きな値となった(図8)。 考  察 最大負荷漸増運動に対する応答 自転車エルゴメータにおける物理的な仕事量(外 的出力、External Power:EP)と全身の代謝ストレ スの指標としての酸素摂取量(V˙O2)が直線関係に あることは、良く知られた事実である。本研究にお ける最大負荷漸増運動は、速度を一定(60 rpm)と して動輪に加わる負荷を漸増させることによって EPを増加させた。その結果、EP の増加にともない V˙O2が直線的に増加したことは、上述の事実を反映 している。この場合の負荷増加の要因となる脚筋の 仕事量は、発揮される筋の張力を反映していると考 えられる。そこで本研究では、さらに、ペダルに及 ぼす脚筋の張力(ペダル踏力)を測定した。予想通 り、ペダル踏力は負荷の増加に伴い直線的に増加し た。したがって、自転車エルゴメータにおける動輪 に加わる負荷の増大は運動時の脚筋の発揮張力を反 映することを本研究によって実証することができ た。また、本研究におけるペダル踏力と V˙O2との間 にも線形の関係が認められた。このことは、動輪に 加わる負荷を変数に用いて自転車エルゴメータの EPを設定する場合、全身の代謝需要量と主働筋の 発揮張力の関係が一次関数となることも示してい る。 一定負荷運動時のペダル踏力 本研究では、動輪に加わる負荷を同一(1.0 kp)に して、異なるペダル回転数で6分間の一定運動を実 施した。自転車エルゴメータの負荷設定は、動輪に

Fig. 6. Pedal force changes at three different pedal rates during constant-load exercise.

a: Significantly different from 40 rpm. b: Significantly different from 80 rpm.

Fig. 7. Relationship between pedal force and oxygen uptake (V˙O2) at three different pedal rates

during constant-load exercise.‌

Fig. 8. Comparison of blood lactate accumulation (⊿la) avobe rest at three different pedal rates during constant-load exercise.

(8)

加わる負荷とペダル回転数の積として評価されるの で、結果的に自転車エルゴメータになされた仕事量 (IP、EP および TP)は回転数の増加に伴って増大し た(図3)。しかしながら、同一負荷(1.0 kp)なの で脚筋の張力発揮は同一である可能性が考えられ る。そこで、脚筋の発揮張力を反映するペダル踏力 を実際に測定することが本研究の主たる検討課題で あった。我々は、自転車への出力が増大したとして も動輪に加わる負荷が同一であれば、脚筋自体のペ ダルに及ぼす張力は同一であり、結果的にペダル踏 力も同水準となることを仮説とした。もしくは、回 転数の増加にともなう慣性によって脚筋の発揮する 張力自体が軽減され、ペダル踏力も低下する可能性 も仮定した。しかしながら、これらの仮説とは逆に、 同一負荷であるにも関わらず、ペダル回転数の増加 とともにペダル踏力のピーク値は有意に増大した。 自転車エルゴメータ運動は、身体の一部が自転車 の構造によって規定された経路に従って動く一種の 拘束運動である 5)。そして、ペダル踏力がその中核 となる動作であり、そこで発生した駆動力が動輪に 伝達されることによって物理的な仕事量として評価 される。したがって、ペダルに加えた踏力のうちク ランクを回すために有効に使われた力の割合が重要 となることが示唆されている 2)。村岡ら 2)は、ペダ ル回転数を一定(90 rpm)として、負荷を変えて異 なる仕事量(150W、200W、300W)での自転車運動 をサイクリストと非サイクリスト間で検討した。そ の結果、150W の自転車運動時のペダル踏力にサイ クリストと非サイクリスト間に違いはなかったが、 250W の場合、ペダル踏力のピーク値がサイクリス トで有意に低値であったことを報告した。この背景 として、ペダル回転時の脚引き上げ相の影響が推測 されている。つまり、ペダル駆動力は脚の踏み込み 時に発生するが、逆脚はその時に引き上げ局面にあ る。脚引き上げ局面において、脚はそれ自体の重さ や回転における慣性のために、クランクの回転とは 逆向きの力をペダルに及ぼしている。したがって、 その逆向きの力を補償するために踏む込み脚が力を 発揮しなければならない。サイクリストの場合、引 き上げ局面において脚が有効に引き上げられる結 果、踏む込み脚のペダル踏力が有意に小さくなった 可能性を指摘している。長谷川ら 1)も高速回転の自 転車運動では、脚の引き上げの応答が遅れ、脚の引 き上げ不足の結果、脚が回転負荷となっている可能 性を指摘している。本研究において、負荷が一定で あるにもかかわらず、ペダル回転数の増加にともな うペダル踏力の増大の背景には、引き上げ脚のクラ ンク回転と逆向きに生じる力の影響が考えられる。 特に本研究では、踏み込み脚のペダル踏力への引き 上げ局面における脚のクランク回転方向の力の影響 をなくすために、ペダルに直結したストラップを外 して自転車運動を行った。このことは、引き上げ脚 の負のペダル踏力をより顕著にしたと推察される。 一定負荷運動時のペダル踏力と代謝応答(V˙O2) 自転車運動時の EP はペダルに加わる負荷と回転 速度に依存し、負荷の増加のみならず、回転速度の 増加に伴う V˙O2の増加も報告されている。ペダルに 加わる負荷を一定にして、異なるペダル回転数を用 いた本研究においても、回転数の増加にともない V˙O2は増加し、我々の先行研究 6, 7)と同様な結果が 得られた。さらに、この回転数の増加に伴う V˙O2の 増加には、上述の通りにペダル踏力を生じる脚筋の 張力発揮も一部関与している可能性が示唆された。 しかし、40から80 rpm への回転数の増加に伴うペダ ル踏力の増加に対する V˙O2の増加率に対して、80 rpmから120 rpm へのペダル踏力に対する V˙O2の増 加率が急峻である。同様に、ペダル回転数の増加に 伴う血中乳酸の応答も、120 rpm の高速回転で急激 な増加を示した。サイクリストの場合、90~110 rpmあたりが至的なペダル回転数だと言われてい る 8, 9)。しかし、本研究の被験者は非サイクリストで あり、彼らにとって本研究の120 rpm は不慣れな高 速回転であったと推察される。星川ら 10)は、高速回 転の自転車運動では、クランク回転のタイミングに 筋を協調的に作用できないことによる無駄な筋力発 揮の可能性のあることを示唆している。したがっ て、本研究の120 rpm における著しく高い V˙O2およ び血中乳酸値は、不慣れな高速回転のための余剰の エネルギー消費量に起因する可能性が考えられる。 あるいは、筋の収縮速度自体に依存する要因の可能 性も考えられる。高速回転の運動時に高い血流量と 十分な酸素供給の得られること、あるいは、刺激頻 度の上昇に伴ってグルコースの取り込みが上昇した ことなどが報告されている 11-12)。また、高速回転で の運動時に糖質利用の向上したことも報告されてい る 13)。したがって、本研究の120 rpm の自転車運動 時に認められた代謝ストレスの急激な増加は、これ ら先行研究 6, 7, 11-13)で報告されている張力発揮に依 存しない筋の運動(筋収縮)自体の生体の代謝応答

(9)

7 自転車駆動運動時における異なるペダル回転数に対するペダル踏力と酸素摂取量の応答 特性へ及ぼす影響を反映している可能性も示唆され る。 要約すると、本研究では同一負荷で異なるペダル 回転数での自転車運動中のペダル踏力および生体の 代謝応答について検討した。当然のことながら、EP はペダル回転数の増加にともなって増加し、V˙O2お よび安静以上の血中乳酸値も同様に増加した。一 方、動輪に加わる負荷が同一レベルであるにもかか わらず、ペダル回転数の増加に伴いペダル踏力が増 加したことが、本研究の主要な結果であった。これ らのことから、自転車運動の仕事量を決定する要因 のうち、筋の収縮速度に依存するペダル回転数を増 加させることは、主働筋の発揮張力に影響を及ぼす 可能性が示唆された。本研究では大腿筋を構成する (外側広筋、大腿直筋、大腿二頭筋等)筋群の活動水 準を検討していなかったが、ペダル回転数の上昇に よるこれらの筋群の活動水準も変化している可能性 も指摘されるので、今後、大腿筋群の活動水準も合 わせて検討してゆく必要があるだろう。また、ペダ ル回転数に伴う筋の発揮張力が生体の代謝ストレス に一部関与するが、張力発揮以外の筋の収縮速度自 体に依存する要因も全身および局部の代謝ストレス に関与する可能性も示唆された。 付  記 本研究は文部科学省科学研究費補助金基盤研究 C (研究代表者:平木場浩二)により部分的に支援を 受けて行ったものである。 引用文献 1) 長谷川光彦,百相繁,塩野谷明.生体筋力特性 による自転車エルゴメータ駆動シミュレーショ ン.日本機械学会論文集(B 編) 60(579): 142-50, 1994. 2) 村岡 功,青木純一郎,形本静夫,内藤久士, 三重野寛治,海村昌和,中村好男,長沢純一, 横関利子,湊久美子,玉木啓一.自転車駆動に おけるペダリング技術評価の検討.日本体育協 会スポーツ科学研究報告集 No.5 自転車競技: 70-6, 1992. 3) 右田孝志,得居雅人,平木場浩二.自転車駆動 における負荷漸増および頻度漸増運動に対する 酸素摂取量の応答.久留米大学健康・スポーツ 科学センター研究紀要 19:1-7,2011. 4) Minetti AE, Pinkerton J and Zamparo P. From

bipedalism to bicyclism: evolution in energetic and biomechanics of historic bicycles. Proc R Soc lond B 268: 1351-60, 2001. 5) 青木純一郎,形本静夫,村岡 功,西野美智子, 右田孝志,岡田純一,中村好男,玉木啓一.自 転車競技選手の体力(12)およびペダリングに おける上体の関与に関する基礎的研究.日本体 育協会スポーツ科学研究報告集 No.22 自転車 競技:325-40, 1990.

6) Migita T and Hirakoba K. Effect of switching pedal rate model on slow component of oxygen uptake during heavy-cycle exercise. Biol Sport 24: 191-207, 2007.

7) Tokui M and Hirakoba K. Effect of internal power on muscular efficiency during cycling exercise. Eur J Appl Physiol 101: 565-70, 2007.

8) Hagberg JM, Mullin JP, Giese MD and Spitznagel E. Effect of pedaling rate on submaximal exercise responses of competitive cyclists. J Appl Physiol 51: 447-51, 1981.

9) Patterson RP and Moreno MI. Bicycle pedaling forceces as a function of pedaling rate and power output. Med Sci Sports Exerc 22: 512-6, 1990. 10) 星川秀利,玉木啓一,藤本浩志,木村裕一,斎

藤浩一,佐藤吉朗,中村好男,村岡 功.ペダ リング運動時の下肢関節トルクにおけるサイク リストと非サイクリストの比較.体力科学 48: 547-58,1999.

11) Ferguson RA, Ball D, Krustrup P, Asgaarg P, Kjaer M, Sargeant AJ, Hellsten Y and Bangsbo J. Muscle oxygen uptake and energy turnover during dynamic exercise at different contraction grequencies in humans. J Physiol 536: 261-71, 2001.

12) Ihlemann J, Ploug T, Hellsten Y and Galbo H. Effect of stimulation frequency on contraction-induced glucose transport in rat skeletal muscle. Am J Physiol Endocrinol Metab 279: E862-7, 2000. 13) Kang J, Hoffman JR, Wendell M, Walker H and

Hebert M. Effect of contraction frequency on energy expenditure and substrate utilisation during upper and lower body exercise. Br J Sports Med 38: 31-5, 2004.

(10)
(11)

9 =原著論文=

集団輸送災害の心理的影響からの長期経過:

症状経過グラフ化の試み

大 江 美佐里

Longitudinal Psychological Trajectories after a Transportation Disaster:

Plotting Course of Symptoms.

Misari Oe

はじめに 災害は、「突然に生じ、多くの人々を恐怖に陥れ、 多数の人々に一度に大きな損失を与える出来事」と 定義される 1)。このような災害の被害には、身体的 なものと心理的・精神的なものがある。心理的影響 のうち、急性期にはフラッシュバック、悪夢、と いった再体験症状、現場を避けるといった回避症 状、意識が変容する解離、驚愕反応で代表される覚 醒亢進症状などが出現する。こうした急性期症状は 災害被害者の多くが体験するが、時間の経過ととも に多くは回復し、一部のみが慢性化し回復が遅れる ことが示されている 2)。災害に限らず、心理的な外 傷体験からの回復には、「疾病の改善」という側面だ けではなく、もっと積極的な意味があるといわれて いる。例えば、Sense of Coherence という概念は、 ヨーロッパ大戦で強制収容所から生還した人々を調 査 し、 約 3 割 が 健 康 を 維 持 し て い る の は な ぜ か? という問いから研究がスタートし、compre-hensibility, manageability, meaningfulnessなどが主要 な要素として挙げられている 3) 本論では、1996年に発生したガルーダ航空機事故 被害者を対象とし約10年後に実施した調査結果のう ち、事故後からの10年の症状経過をグラフとして表 記した結果を示し、災害後の回復を被害者本人がど のように感じているかについて、考察を加える。 事故および事故直後のケア・調査の概要4, 5) 1996年6月13日正午過ぎ、乗客260名を乗せたガ ルーダ・インドネシア航空865便はエンジントラブ 久留米大学健康・スポーツ科学センター abstract

The Garuda Indonesia air disaster in Japan occurred in 1996. Three passengers died and 108 were injured. This study was carried out at ca. ten years after the disaster. The research received approval from the ethics review board at Kurume University. Among 87 survivors who had lived in Fukuoka Prefecture in 1996, five male participants agreed with plotting their course of symptoms as a graph with symptom severity and time course. The results showed that all five graphs were on downside. Symptoms seemed to start decreasing at 2-4 years after the accident. At ten years, all cases showed recovery, however, none reported the complete remission. Fifty to Eighty percent of subjective symptoms were shown at five years. Uniformity of the graphs might result from high PTSD symptoms among participants. Delayed recovery had also shown, partially because of its legal processes.

(12)

ルから離陸に失敗し、滑走路を大きくオーバーラン したのち、大破炎上した。乗客3人が死亡し108名が 負傷した。事故時の状況からすると、奇跡的と思え るほど死亡者は少なかった。事故被災者の精神的影 響に対しては、事故半年後および1年後に、福岡県 在住の被災者87名に対して実施され、GHQ (General Health Questionnaire)28項目を用いた場合、1年後 に約40%がハイリスク群に分類された。当時、県下 の保健所および精神保健センターの保健師が被災者 を戸別訪問し、また電話相談等によるケアを行っ た。2006年に長期追跡調査が計画され、質問紙を用 いた調査が実施され、その後に希望者に対して面接 調査が行われた。 方  法 対象は福岡県在住のガルーダ航空機墜落事故被災 者87名のうち、2006年時点で面接調査に同意し、か つ面接時に回復過程のグラフを描くことが可能で あった、5名である。調査は、文部科学省、厚生労 働省が作成した疫学研究に関する倫理指針に従い、 久留米大学医療に関する倫理委員会の承認を得て 行った。 グラフを描いてもらうにあたり、教示として図1を 示し、Y 軸が症状(特定の症状ではなく、全体の精 神的な調子を示す)、X 軸が年数であり、点線部分が 約5年であることを説明した。そのうえで、回復が どのように経過したかを記載するよう指示した。面 接調査の前に質問紙調査を行っており、外傷後スト レス障害(Posttraumatic Stress Disorder; PTSD)の スクリーニングとして用いられる、改訂出来事イン パクト尺度 6, 7)の結果を対象者の年齢、性別ととも に調査した。本尺度は信頼性、妥当性が既に検証さ れており、カットオフポイントは24/25である。 結  果 調査対象者の年齢、性別と IES-R 得点を表1に、 5名の結果をまとめたものを図2-6に示す(図に 載せるにあたりトレース作業を行っている)。回答 者は全員男性であった。5つのグラフとも、事故後 に調子は悪化の方向に上昇したのち、右肩下がりに 減少しており、10年後である調査時点では、完全に

Age Gender IES-R score

case 1 81 M 42

case 2 51 M N/A

case 3 56 M 13

case 4 N/A M N/A

case 5 67 M 25 図1 プロット前のグラフのひな形 表1 ‌‌対象者5名の年齢および調査時(事故後10年) の IES-R 得点 図2 症状経過、事例1 図3 症状経過、事例2 100 Symp to m Se ve rity 0 Time 10Years Case No.1 2年 Case No. 2

(13)

11 集団輸送災害の心理的影響からの長期経過: 症状経過グラフ化の試み 症状が0になってはいないものの、かなりの改善が みられるよう描かれていた。一方、5年の時点での自 覚改善度は、当人の描いた最高点の約50-80% 程度と なっていた。2-4年程度が減少開始点であった。 考  察 近年、外傷体験後に個々人がどのような症状経過 をたどったのかを、縦断的な症状評価をもとに growth mixture models(成長混合モデル、解説は清 水 8))等で解析する研究が盛んになっている。例えば、

Norris et al. 9)は semi-parametric group-based modeling を

用いて、メキシコでの洪水やニューヨークでの September 11, 2001 attacks 等における症状経過を検 討している。本調査は、10年後に過去を回想すると いう手法を用いている点で異なるものの、個人の回 復過程を追うという意味で目的とするところは共通 していると考える。 外傷体験者の経過は、1)最初から症状が生じな い群、2)最初症状が生じ、その後改善に向かう群、 3)改善と悪化を繰り返す群、4)最初症状はない が、後に出現する群、5)最初症状が出現し、慢性 に悪化したままの群、に分類することができる 9) これに症状程度を加味すると、さらに分類数は多く なる。しかし、今回のグラフは、5名いずれも最初 に症状が悪化(または出現)し、そののち改善する というパターンを示した。単一パターンとなった理 由を既出論文 5)も参考にしつつ推測すると、調査の 回答率の低さと、回答者の IES-R 点数の高さの2点 が問題となる。外傷的出来事(traumatic events)体 験後に治療を求める予測因子に精神病理的症状があ ることは既に報告されており 10)、そのようなバイア スが存在したことは想像にかたくない。さらに、質 問紙調査の回答者のうち8割が負傷者であった 11) ことからも、回答者がより身体的・心理的苦痛を抱 えていることが推察される。 次に、傾向として事故後2年ほどの間の症状程度 の高さ(Y 軸の高さ)について考察する。面接での 発言(未発表)によれば、事故後の補償交渉や操縦 士に対する裁判の存在が、症状改善を阻んでいた可 能性がある。補償交渉や裁判場面では、出来事に関 する詳細な陳述を見聞きする、あるいは自身が証言 するなど、出来事そのものを思い出させる機会が頻 回に存在する。こうしたことを契機に、再体験症状 や覚醒亢進症状の悪化が生じることは稀ではない。 本調査は個別面接で、互いに連絡を一切とらない状 況であったことも考慮すると、複数人で同時期に回 復過程が働き始めた背景としてはまず、共通要因で ある司法の動きを挙げるのが妥当である。 最後に、10年後である調査時点での症状程度の高 図4 症状経過、事例3 図5 症状経過、事例4 図6 症状経過、事例5 Case No. 3 Case No.4 Case No.5 90

(14)

さについて考える。5例中、残遺症状の存在を思わ せるものは1例であったが、残りの4例も症状が0 には至っていなかった。これは全くの推測にすぎな いが、症状が完全に回復した、と示すことは、被害 者にとっては「この出来事は私の人生の中で既に何 の意味も示さない」、あるいは、「人生の中に出来事 が完全に組み込まれた」ことを示すこととなってし まうのではないだろうか。だとすれば、容易には症 状程度を0と書き込むことはないことが理解でき る。 おわりに 本論では、被災後10年の時点で自身の回復過程を 振り返ってグラフ化する試みについて、少数例の結 果を報告した。統計解析をする例数ではないことか ら、あくまで個別の結果について傾向をまとめた。 グラフ化の利点としては、簡単な線を描くことだけ で時系列に沿って経過を振り返ることができるとい う一覧性にあると考える。しかし、もし IES-R 等症 状尺度も縦断的に調査できていれば、主観的回復と 客観的症状回復との相同性が確認できたかもしれな い。今後もこうした取り組みを通じて、外傷体験後 の心理的回復過程への理解を深めていきたい。 本報告のもとになった調査研究は、平成17年度厚 生労働科学研究費厚生労働科学特別研究事業「集団 交通災害における救急医療および精神保健活動のあ り方について」(主任研究者:加藤寛)分担研究助成 金により行われた。 謝  辞 本調査にご協力いただいた久留米大学医学部心理 カウンセリングセンターの当時関係者だった皆様、 および調査全体の御指導を賜りました、久留米大学 医学部神経精神医学講座 前田正治准教授に感謝申 し上げます。 文  献

1) Kessler RC, Sonnega A, Bromet E, Hughes M, Nelson CB: Posttraumatic stress disorder in the national comorbidity survey. Arch Gen Psychiatry 52: 1048-1060, 1995.

2) Norris FH: Psychosocial consequences of disas-ters. PTSD Research Quarterly 13: 1-7, 2002. 3) アントノフスキー,A.健康の謎を解く―スト レス対処と健康保持のメカニズム.有信堂高文 社,2001. 4) 前田正治,中原功,富田伸,松岡稔昌,前田久 雄:ガルーダ機事故が被災者に及ぼした精神的 影 響 に つ い て. 精 神 科 治 療 学 13:981-985, 1998.

5) Oe M, Maeda M, Uchimura N: Longitudinal Psychological Effects of the Garuda Indonesia Air Disaster in Japan. Kurume Medical Journal 55: 1-6, 2008.

6)  Asukai N, Kato H, Kawamura N, Kim Y, Yamamoto K, Kishimoto J, Miyake Y, Nishizono-Maher A.: Reliability and validity of the Japanese-language version of the Impact of Event Scale-Revised (IES-R-J): Four studies on different traumatic

events.

7)  Weiss DS: The Impact of Event Scale-Revised. In: Wilson JP, Keane TM eds., Assessing Psychological Trauma and PTSD, second edition. The Guilford Press, New York, pp.168-189, 2004.

8) 清水和秋:混合成長モデルによる熟達パターン の探索 ― プロ野球選手の熟達の軌跡を例と して―.関西大学社会学部紀要 40: 17-37, 2008. 9) Norris FH, Tracy M, Galea S: Looking for resil-ience: Understanding the longitudinal trajectories of responses to stress. Soc Sci Med 68: 2190-8, 2009.

10) Gavrilovic JJ, Schutzwohl M, Fazel M, Priebe S: Who seeks treatment after a traumatic event and who does not? A review of findings on mental health service utilization. J Trauma Stress 18: 595-605, 2005. 11) 加藤寛,前田正治,大江美佐里:ガルーダ航空 機事故10年後調査:心理的影響と有効な精神保 健的援助のあり方について.平成17年度厚生労 働科学研究費(厚生労働科学特別研究事業)「集 団交通災害における救急医療および精神保健活 動のあり方について」(主任研究者:加藤寛)分 担報告書,83-95, 2006.

(15)

13 =原著論文=

ラット褐色脂肪組織に対する後肢ギプス固定の影響

辻 本 尚 弥

1)

  鈴 木 英 樹

2)

effects of Cast immobilization on brown adipose Tissues in Rats.

Hisaya TSUjiMOTO

1)

and Hideki SUzUki

2)

緒  言

褐色脂肪組織(Brown Adipose Tissue:BAT)は、 非ふるえ熱産生や食餌誘発性体熱産生の主要な熱産 生器官で、体内の余剰エネルギーを消費する役割を 持っており、肥満を考える上で重要な器官であ る 1)- 4)。BAT は多房性の脂肪小滴とミトコンドリ アや鉄分に富む組織で 5)、内因性や外因性の脂肪お よび糖を分解して熱産生を行う 1)- 4)。そのため BAT の熱産生量の変化は、組織を構成している物質の量 的変化をともなう。BAT の熱産生を亢進させるため 寒冷刺激をした場合、BAT の中性脂肪含量の低下や グルコースおよび脂肪酸の取り込み増加が報告され abstract

 We studied the effects of hind limb cast immobilization on brown adipose tissues in 14 male mature Sprague– Dawley rats (8 -weeks -old). The animals were divided into the following two groups: sedentary control (S; n = 7) and cast -immobilized (CAS; n = 7) groups. Animals in the CAS group were immobilized at the knee and foot joints for 10 days. Interscapular brown adipose tissue (IBAT) was isolated after 10 days of immobilization and weighed. In addition, IBAT lipid and protein content were measured.

 IBAT weight and relative IBAT weight in the CAS group were not significantly different from those in the S group. No statistical differences were found between the two groups for protein concentration or protein content of IBAT. However, significant correlations were observed among IBAT weight, protein concentration (negative, r = -0.702) and protein content (positive, r = 0.863). IBAT lipid concentration did not differ significantly between the two groups. However, IBAT lipid content was significantly lower in the CAS group than in the S group. A significant positive correlation was observed between IBAT weight and the lipid content (r = 0.904).

 These results indicate that the amount of lipid decreased in IBAT independent of protein content during cast immobilization.

key words:Sprague-Dawley rat, Interscapular brown adipose tissue, Lipid content, Protein content

ている 6) 7) 8) これまで我々は、肩甲骨間 BAT(Interscapular BAT;IBAT)に対する後肢ギプス固定による影響を 報告してきた 9)-11)。その結果、IBAT の組織重量は 対照群に比べて低値を示した。これは後肢ギプス固 定により引き起こされた不活動やストレス状態が、 IBATの熱産生あるいは代謝に影響したことにより、 組織を構成している物質量が変化したためと考えら れる。しかし、先の研究では IBAT 構成物質の量的 変化については検討していない。 そこで本研究では、ラットの IBAT を用いて、構 成物質であるタンパク質と脂質の量に着目し、それ に対する後肢ギプス固定の影響について明らかにす 1)久留米大学 健康・スポーツ科学センター 2)愛知教育大学 保健体育講座

(16)

ることを目的とした。 方  法 実験動物には、生後8週齢の Sprague-Dawley 系雄 性ラットを用いた(日本 SLC)。実験群として対照 群(Sedentary control;S 群,n=7 )とギプス固定群 (Cast-immobilization;CAS 群,n=7 )の2群を設け た。ラットはステンレス製ワイヤーケージにて、昼 夜逆転した12時間の明暗サイクルで室温23±1℃、 湿度60±5% の環境下で飼育した。飲水は自由摂取 とした。摂餌については CAS 群を持続的な自由給餌 とし、S 群は pair-feeding とした(餌, CE-2:日本ク レア)。CAS 群には8週齢時に麻酔下にて、後肢を 弛緩させた状態で、膝関節および足関節を包帯式ギ プス(スコッチキャスト;住友スリーエム社)で10 日間固定した 12)。固定終了後、ラットを麻酔下にて 頚動脈より放血し屠殺した。その後、IBAT を摘出 し重量を測定した後、液体窒素により冷却したイソ ペンタン中でただちに凍結し、生化学的分析を行う まで-60℃の冷凍庫で保存した。生化学分析では、 まず IBAT を二分し一方をタンパク定量に、他方を 脂質定量に用いた。タンパク定量には市販のタンパ ク質抽出試薬(PRO-PREP;コスモバイオ)を用い てホモジナイズした後、タンパク定量キッド(プロ テ イ ン ア ッ セ イ; バ イ オ・ ラ ッ ド ) を 用 い て、 Bradford 法によりタンパク質の濃度を測定した。タ ンパク質の濃度測定後、IBAT の重量を乗じてタン パク含量を求めた。IBAT 中の脂質含量指標として、 本実験では IBAT 中トリグリセライド量を定量し た。まず Folch らの方法 13)により IBAT より脂質を 抽出した後、測定キット(トリグリセライド E テ ストワコー;和光純薬)を用いて定量した。IBAT 中の脂質含量もタンパク質と同様に脂質濃度を測定 した後、IBAT 重量を乗じて求めた。なお飼育およ び屠殺でのラットの取り扱いについては、「実験動 物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」 に沿って行った 14) 15)。ギプス固定群では、後肢固定 部に異常な浮腫や壊死が観察されたものは、事前に サンプルより除外した。 各測定値は群ごとに平均値及び標準偏差を求め統 計学的な検定を行った。体重では1要因に対応があ る2要因の分散分析を用いた。IBAT の組織重量、 タンパク及び脂質それぞれの濃度と含量では、各群 の比較に、分散の検定には F 検定法を用い、分散が 等質であった場合は t 検定法を、分散が等質でな かった場合は Aspin - Welch 法を用いた。また IBAT の組織重量とタンパク質および脂質それぞれの濃度 と含量について相関係数(r)を求めて有意性の検定 を し た。 全 て の 検 定 に お い て 有 意 水 準 は 5% (p<0.05)とした 16) 結  果 表 1 に は 飼 育 開 始 時 の 初 期 体 重 と 最 終 体 重、 IBAT重量および相対的 IBAT 重量を平均値と標準偏 差により示した。ギプス固定開始時より体重は、S 群では有意に増加したのに対し、CAS 群では有意に 減少し、そのためギプス固定期間終了後の最終体重 で両群間に有意な差が認められた。IBAT 重量およ び相対的 IBAT 重量では、CAS 群が S 群に比べ低値 を示す傾向にあるものの、両群間で有意な差は認め られなかった。 次に、IBAT のタンパク濃度及びタンパク含量を 平均値と標準偏差により図1に示した。IBAT タン パク濃度は、CAS 群が S 群に比べ高値を示す傾向に

Table 1. body weight, and brown adipose tissue weight of rat in each groups.

Sedentary (n=7)

Cast-immobilization (n=7) Initial body weight (g) 254±6 254±9 Final body weight (g)   265±8 †    237±20 *†

IBAT weight (mg)  147±28  120±24

Relative IBAT weight (mg/g BW)   0.55±0.09   0.52±0.13

Values are expressed as mean ± SD

IBAT ; Interscapular brown adipose tissue  BW ; Body weight * : Significant difference from the value in sedentary group (p<0.05) † : Significant difference from the value in initial body weight (p<0.05)

(17)

15 ラット褐色脂肪組織に対する後肢ギプス固定の影響 あったが有意な差は認められなかった。IBAT タン パク含量においては、CAS 群が S 群に比べ低値を示 す傾向が見られたが、タンパク濃度と同様に有意な 差は認められなかった。一方、IBAT 組織重量とタ ンパク質の濃度および含量との相関関係について は、タンパク質濃度において有意な負の相関 (r= -0.702) が、タンパク質含量においては有意な正の 相関(r=0.863)が認められた。 図2には IBAT の脂質濃度及び脂質含量を平均値 と標準偏差により示した。IBAT 脂質濃度は、両群 間で有意な差は認められなかった。一方、IBAT 脂 質含量は、CAS 群が S 群に比べ有意に低値を示し た。IBAT 組織重量と脂質の濃度および含量との相 関関係については、脂質濃度において相関 (r= -0.027) は認められなかった。一方、IBAT 組織重 量と脂質含量においては、有意な正の相関(r=0.904) が認められた。 考  察 本研究では、IBAT を構成するタンパク質と脂質 の濃度及び含量に対する後肢ギプス固定による影響 について検討し、以下の主な結果を得た。タンパク 質の濃度と含量に有意な差は認められなかったが、 組織重量との関係では、タンパク濃度とは正の、タ ンパク含量とは負の有意な相関が認められた。脂質 では、含量において、CAS 群で有意に低値を示し、 組織重量との間に有意な正の相関が認められた。こ れらのことは、IBAT では後肢ギプス固定により、 内在するタンパク量に変化が見られなかったもの の、脂質含量が減少したことを示している。 これまで我々は、本研究と同様な10日間の後肢ギ プス固定により IBAT 組織重量が低値を示す、ある いはその傾向にあることを報告してきた 9)-11)。本研 究の結果から、この一因は IBAT の脂質含量の減少 であることが示された。BAT はその内部に多数の脂

Fig. 1. Protein concentration and content of ibaT in each group.

Fig. 2. Lipid concentration and content of ibaT in each group.

* :   Significant difference from the value in sedentary  group (p<0.05)

(18)

肪小滴やグリコーゲンを含み 5)、外因性のグルコー スおよび脂質とともに、食事誘発性や非ふるえによ る 体 熱 の 産 生 時 に エ ネ ル ギ ー 源 と な る 1)- 8) 17) Senaultら 7)および Porter ら 8)は、非ふるえによる IBATの熱産生が高まるようにラットを寒冷に暴露 した場合、IBAT の脂質含量は低値を示したと報告 している。これらのことから、BAT は熱産生が亢進 する状況下では、エネルギー源のひとつとして内因 性の脂質を用いて熱産生を行い、その結果として BATの脂質含量が減少すると考えられる。本研究で IBATの脂質含量が低値を示したことから、後肢ギ プス固定時には、一時的あるいは慢性的であるか不 明ではあるが、IBAT による体熱の産生が高まって いたと推察される。 後肢ギプス固定により IBAT の熱産生が引き起こ される要因の一つとしては、固定およびそれに伴う 不活動等のストレスが考えられる。ラットを用いた 不活動の実験において、副腎重量の増加が報告され ており 18)。我々も先の研究で副腎重量の増加を報告 している 11)。副腎重量は、ストレスにより増加する 事が知られている 19) 20)ことから、後肢ギプス固定に よる不活動は、ラットをストレス状態にしていると 考えられる。これまで身体拘束などの方法により ラットをストレス状態に曝した場合、BAT の熱産生 が上昇することが報告されている 17) 21) 22)。Nozu ら 22) は、ラットに拘束ストレスを負荷した場合、BAT の 酸素消費量が増加し、さらにノルアドレナリンやグ ルカゴン刺激による BAT の熱産生が上昇していた ことを報告している。このストレスによる熱産生の 上昇には、BAT を支配する交感神経が関与している と報告されている 1)-5) 17) 23)。交感神経に対する刺激 は、熱産生の亢進を引き起こすだけではなく、BAT 内の脂質分解と合成に対しても影響をする 23)。これ らのことから、本研究の結果は、後肢ギプス固定あ るいはそれによる不活動のストレスにより、BAT を 支配する交感神経活性が亢進し、脂質分解が促進さ れ、それをエネルギー源とした熱産生の上昇が生じ ていた可能性が考えられる。 さらに BAT の熱産生が引き起こされる他の要因 としては、ラットの活動期における相対的な体温低 下が考えられる。ラットの体温は、活動期には高値 を、休息期には低値の日内リズム示す 24) 25) 26)。ラッ トの活動期における体温上昇の一因としては、活動 量増加の寄与が考えられる。また、ラットを含む小 齧歯動物は、体重当たりの体表面積が大きく、体温 は外気温に影響を受ける。そのため、外気温を一定 にした飼育条件であっても、活動量が減少し体温上 昇が少ないと、活動期には相対的な体温低下を引き 起こす。ラットの後肢ギプス固定モデルは、不活動 あるいは不使用による骨格筋の萎縮を引き起こす動 物モデルとして開発され 27)、探索や摂餌、給水とな どの活動を、固定前に比べて制限してしまう。本研 究で用いた後肢ギプス固定は、活動期の相対的な体 温低下を誘発し、IBAT の熱産生を引き起こした可 能性が考えられた。本研究では、IBAT の熱産生量 を直接的あるいは間接的な方法で測定していない。 またラット体温の経時変化についても計測していな い。そのため、IBAT において、いつどの程度の熱産 生が起こり、体温の変化がみられたかについては、 今後さらに詳細に検討する必要があると考えられ る。 引用文献

1)  Cinti S. Between brown and white: novel aspects of adipocyte differentiation. Ann Med. 2011; 43 (2): 104-15.

2)  McCance RA, Widdowson EM. Fat. Pediatr Res. 1977; 11 (10 Pt 2): 1081-3.

3)  Himms-Hagen J. Regulation of metabolic pro-cesses in brown adipose tissue in relation to non-shivering thermogenesis. Adv Enzyme Regul. 1970; 8: 131-51.

4)  Himms-Hagen J. Brown adipose tissue metabolism and thermogenesis. Annu Rev Nutr. 1985; 5: 69-94.

5)  Enerbäck S (2009). The origins of brown adipose tissue. N Engl J Med 360 (19): 2021–2023. 6)  Ouellet V, Labbé SM, Blondin DP, Phoenix S,

Guérin B, Haman F, Turcotte EE, Richard D, Carpentier AC. Brown adipose tissue oxidative metabolism contributes to energy expenditure during acute cold exposure in humans. J Clin Invest. 2012; 122 (2): 545-52.

7)  Senault C, Hlusko MT, Portet R. Effects of diet and cold acclimation on lipid composition of rat inter-scapular brown adipose tissue. Ann Nutr Aliment. 1975; 29 (2): 67-77.

8)  Portet R, Beauvallet M, Solier M. Variations of rat brown adipose tissue composition during cold acclimatization. Arch Int Physiol Biochim. 1976;

(19)

17 ラット褐色脂肪組織に対する後肢ギプス固定の影響 84 (1): 89-98. 9)  辻本尚弥,佐藤章悟,鈴木英樹,立屋敷かおる, 白土 健,今泉和彦.ギプス固定によるラット 褐色・白色脂肪組織における β -アドレナリン 受容体,グルココルチコイド受容体,脱共役タ ンパク質発現の応答.体力科学 2011;60(6): 104.

10)  Sato S, Tsujimoto H, Suzuki H, Tachiyashiki K, Shirato K, ImaizumiK. Effects of casted-immobili-zation on the expressions of b-adrenergic recep-tors, glucocorticoid receptor and uncoupling proteins in brown and white adipose tissues of rats. The 7th Congress of Federation of Asia and Oceania Physiolgical Societies abstrct. 2011; P31: 275. 11)  辻本尚弥,鈴木英樹.ラットの臓器及び脂肪組 織重量に対するギプス固定による不活動の影 響.久留米大学健康・スポーツ科学センター研 究紀要 2011;19(1):15-21. 12)  鈴木英樹,辻本尚弥.ラットの後肢骨格筋にお ける固定とサスペンションの影響.愛知教育大 学研究報告 芸術・保健体育・家政・技術科 学・創作編 2010;59:43-6.

13)  Folch J, Lees M, Sloane Stanley GH. A simple method for the isolation and purification of total lipides from animal tissues. J Biol Chem. 1957; 226 (1): 497-509. 14)  総理府内閣総理大臣官房管理室.実験動物飼育 保管研究実験動物飼育及び保管等に関する基準 の解説.1版.東京:ぎょうせい,1980. 15)  前島一淑,江崎考三郎,篠田元扶,山内忠平, 光岡知足,菅野茂,辻 茂,土井邦雄.新実験 動物学.1版.東京:朝倉書店,1988. 16)  森敏昭,吉田寿夫.心理学のためのデータ解析 テクニカルブック,1版,京都:北大路書房, 1990.

17)  Kuroshima A. Brown adipose tissue thermogene-sis as physiological strategy for adaptation. Jpn J Physiol. 1993; 43 (2): 117-39.

18)  Shirato K, Motohashi N, Tanihata J, Tachiyashiki K, Tomoda A, Imaizumi K. Effects of two types of inactivity on the number of white blood cells in rats. Eur J Appl Physiol. 2006; 98 (6): 590-600. 19)  Yokogoshi H, Takase S, Goda T, Hoshi T. Effects of

suspension hypokinesia/hypodynamia on the body

weight and nitrogen balance in rats fed with various protein concentrations. Agric. Biol. chem. 1990; 54: 779-89.

20)  Hayase K, Yokogoshi H. Effect of suspension hypokinesia/hypodynamia on tissue protein turn-over in rats. Jpn J Physiol. 1991; 41 (3): 473-82. 21)  Murazumi K, Yahata T, Kuroshima A. Effects of

cold and immobilization stress on noradrenaline turnover in brown adipose tissue of rat. Jpn J Physiol. 1987; 37 (4): 601-7.

22)  Nozu T, Okano S, Kikuchi K, Yahata T, Kuroshima A. Effect of immobilization stress on in vitro and in vivo thermogenesis of brown adipose tissue. Jpn J Physiol. 1992; 42 (2): 299-308.

23)  Minokoshi Y, Saito M, Shimazu T. Sympathetic denervation impairs responses of brown adipose tissue to VMH stimulation. Am J Physiol. 1986; 251 (5 Pt. 2): R1005-8.

24)  Fioretti MC, Riccardi C, Menconi E, Martini L. Control of the circadian rhythm of the body tem-perature in the rat. Life Sci. 1974; 14 (11): 2111-9. 25)  Benstaali C, Mailloux A, Bogdan A, Auzéby A,

Touitou Y. Circadian rhythms of body temperature and motor activity in rodents their relationships with the light-dark cycle. Life Sci. 2001 4; 68 (24): 2645-56.

26)  Mailloux A, Benstaali C, Bogdan A, Auzéby A, Touitou Y. Body temperature and locomotor activ-ity as marker rhythms of aging of the circadian system in rodents. Exp Gerontol. 1999; 34 (6): 733-40.

27)  Booth FW, Kelso JR. Production of rat muscle atrophy by cast fixation. J Appl Physiol. 1973; 34 (3): 404-6.

(20)
(21)

19 =研究資料=

2ヶ月間の持久性トレーニングが女子サッカー選手の

最大酸素摂取量に及ぼす効果

川 原 彩 乃

1)

  原   賢 二

2)

The effect of Two Months endurance Training on V˙O

2

max of

Female Football Players.

ayano kaWaHaRa

1)

and kenji HaRa

2)

緒  言 サッカー競技は、広いコート内を長時間にわたり 激しく動き回る競技であり、ゲーム中の移動距離も 長く、さまざまな局面に応じて有酸素および無酸素 的な運動能力が要求される。このようなサッカーの 競技特性から、サッカー選手の全身持久力は最も基 本的かつ重要な体力要素といえる。スポーツ選手の 全身持久力の評価には最大酸素摂取量が一つの指標 として用いられることが多い 1~3)が、どのような持 久性トレーニングをどのくらいの頻度、強度で行え ば最大酸素摂取量がどの程度増加するのかを調査し た研究は少なく  4, 6)、日本人女子サッカー選手に対 する持久性トレーニングが最大酸素摂取量に与える 影響を検討した報告はみられない。また、持久性ト レーニングを行う際は、安全かつ効果的なトレーニ ング効果を得るためだけでなく、オーバートレーニ ング症候群の予防のためにも、同一のメニューを継 続し続けるのではなく、一定の期間ごとにメニュー を変更する期分けが重要とされている。 そこで本研究では、これまで同一の持久性トレー ニングメニューを長期間継続してきた女子サッカー 選手を対象に、期分けを考慮した持久性トレーニン グメニューを実施することで、最大酸素摂取量がど key words:  最大酸素摂取量、女子サッカー選手、持久性トレーニング のように変化するかを調査することを目的とした。 方  法 1)対象 対象は、九州女子サッカーリーグに参戦している 女子サッカークラブチームに所属する女性選手で、 本研究の目的や測定内容などに関する説明を受けた のちに研究参加に同意し、すべての測定に参加した 7名とした。対象者の平均年齢は20.6±7.0歳、平均 身長は154.7±8.3cm、平均体重は46.1±5.7kg、平均 競技歴は7.6±5.3年であった。 今回対象とした女子サッカークラブチームの通常 の練習内容は、週1回のランニングによる持久性ト レーニングと週4回の技術練習であった。また、週 1回おこなわれていた持久性トレーニングの内容 は、1km の持続走を休息をとりながら5セット程 度実施する内容であり、シーズンを通して継続して いた。 2)測定項目および測定方法 各対象者はそれぞれ20分程度のウォーミングアッ プを行った後、文部科学省新体力テストの20m シャ トルラン(往復持久走)テスト 5)を実施し、20m シャトルランで測定した折り返し回数をもとに最大 1)久留米大学経済学部文化経済学科 2)久留米大学健康・スポーツ科学センター

(22)

酸素摂取量を推定した。 20m シャトルランテストは、20m区間の往復走 (シャトル走)で、8.5km/h から1分ごとに0.5km/h ずつ20m 区間の平均走速度を増加させ、参加者が設 定走速度を維持できなくなるまで続け、20m区間の 折り返し回数が全身持久力の指標となるテストであ る。 測定は文部科学省新体力テストの実施要項に沿っ て以下の通りに行った。電子音が次に鳴るまでに 20m 先の線に達し、足が線を越えるか、触れたら、 その場で向きを変える。電子音の前に線に達してし まった場合は、向きを変え、電子音を待ち、電子音 が鳴った後に走り始める。CD によって設定された 速度を維持できなくなり走るのをやめたとき、また は、2回続けてどちらかの足で線に触れることがで きなくなったときに、テストを終了し、最後に足が 線を越えるか触れた時の折り返し回数から最大酸素 摂取量推定表を用いて最大酸素摂取量を推定した。 3)研究の手順 研究期間は、2012年6月17日から2012年8月14日 の合計57日間とした。その期間中に介入開始前の1 回目の測定を2012年6月17日に実施し(測定①)、介 入期間中の2012年7月15日に2回目の測定(測定 ②)を実施した。介入終了後に3回目の測定(測定 ③)を2012年8月14日に実施した。 介入に関しては測定期間を3つに期分けし、それ ぞれを介入①、介入②、介入③とした。本研究期間 中に実施した持久性トレーニングの回数は、介入① では9回、介入②では8回、介入③では7回だった (図1)。 4)介入内容 浅 見 ら 6)は 健 康 な 男 子 大 学 生 を 対 象 に90 % VO2max強度に相当する走スピードでのトレッドミ ル走を1回5分、週2・3・4・5回の4群に分け トレーニングを実施した結果、最大酸素摂取量の変 化率に頻度の差は見られなかったが、漸増負荷法に よる作業時間及び5分間の走行距離において週2回 群が最低値を示したことから、週3回以上のトレー ニングが持久性競技力向上に有効であると報告して いる。本研究では、この報告 6)を参考に2012年6月 18日~2012年8月14日までの間、原則週3回のラン ニングによる持久性トレーニングを行った。 また、本研究では期分けを考慮し、トレーニング 期間を大きく3つに分けそれぞれの目的に応じた強 度設定をした(表1)。 最初の介入①の期間は、全身持久力の基礎となる 末梢循環の改善を目的とした。この期間の前半2週 間は、試合時間を考慮して40分間走る持続法を中心 介入① 2012年6月18日~7月8日 (21日間中9回実施) 介入② 2012年7月9日~7月31日 (23日間中8回実施) 介入③ 2012年8月1日~8月13日 (13日間中7回実施) 測定① 2012年6月17日 測定② 2012年7月15日 測定③ 2012年8月14日 図1 研究の手順 表1 介入内容 期    間 介入日数 目    的 具体例 総走行距離 介入① 2012年6月18日~7月8日(21日間) 9回 末梢循環の改善 40分間持続走 約51km 1000m 走 介入② 2012年7月9日~7月31日(23日間) 8回 乳酸除去能力の獲得 800m 走 約35km 300m 走 介入③ 2012年8月1日~8月13日(13日間) 7回 無酸素性エネルギー供給能力の獲得 50m 走 約19km 20m 往復走

Table 1.  body weight,  and brown adipose tissue weight of rat in each groups.
Fig. 1.   Protein concentration and content of ibaT in  each group.

参照

関連したドキュメント

• A programmable voltage regulator to supply the power amplifier of the radio (VDDPA): This regulator is used only for the +6 dBm output power case or if we want to transmit at +3

VIN 1 Power input to the linear regulator; used in the modulator for input voltage feed−forward PVCC 25 Power output of the linear regulator; directly supplies power for the

The Tokyo Electric Power Company, Inc... The Tokyo Electric Power

When higher power daughter cards (listed below) are attached to the baseboard, external supply either using the power shield or direct is required.. Higher Power

• Depending upon the power increase or decrease, the FB levels at which the controller changes valley are different =&gt; valley lockout.. Laux

  総合支援センター   スポーツ科学・健康科学教育プログラム室   ライティングセンター

In the two−phase operation mode, the two output power rails are connected together by an external switch and current−sharing control is enabled to balance power delivery

At minimum line input voltage and maximum output power the inductor peak current is at the maximum, which causes the greatest stress to the power components.. The components