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study のデータベースを使用した このデータベースには 2010 年 1 月から 2011 年 12 月に PCI を施行された 1918 人が登録された 研究の目的から考えて PCI 中にショックとなった症例は除外した 複数回 PCI を施行された場合は初回の PCI のみをデータとして用いた

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Academic year: 2021

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学位論文の内容の要旨

論 文 提 出 者 氏 名 小西 裕二

論 文 審 査 担 当 者 主査 荒井 裕国

副査 小川 佳宏、下門 顯太郎

論 文 題 目 Comparison of outcomes after everolimus-eluting stent implantation in diabetic versus non-diabetic patients in the Tokyo-MD PCI study

(論文内容の要旨) <要旨>

糖尿病の内、特に治療にインスリンを使用している糖尿病は、第一世代の drug-eluting stent (DES) を用いた percutaneous coronary intervention (PCI) 後の心血管イベント発生のリスク 因子であることが知られている。しかし、第二世代の DES である everolimus-eluting stent (EES) 留置後の成績に対する糖尿病の影響はあまり知られていない。

本研究ではインスリンを使用している糖尿病群 (insulin requiring diabetics: IRDM) とイン スリンを使用していない糖尿病群 (non-insulin requiring diabetics: NIRDM) の両者と非糖尿 病群間で EES 留置後の成績について比較した。All-comer の多施設共同観察研究である Tokyo-MD PCI study のデータベースを元に 199 人の IRDM、575 人の NIRDM、1092 人の非糖尿病群のデータ を解析した。主要エンドポイントは全死亡と心筋梗塞と脳梗塞の複合である major adverse cardiovascular events (MACE) と target lesion revascularization (TLR) とした。IRDM は非 糖尿病群と比較して有意に TLR の発生が多かった。MACE に関しては有意差がみられなかった。 NIRDM は非糖尿病群と比較して MACE も TLR も有意差はみられなかった。

<諸言>

糖尿病は PCI 後のステント内再狭窄やステント血栓症などの有害事象の強力な予測因子であ る。Sirolimus-eluting stent (SES) 等の第一世代の DES を用いた研究では血糖コントロールに インスリンを用いている糖尿病患者は、非糖尿病患者だけでなくインスリンを用いていない糖尿 病患者と比較しても PCI 後の心血管イベントが多いことが報告されている。第二世代の DES であ る EES は第一世代の DES と比較して、PCI 後の生命予後を含む成績が良いことが分かっている。 しかし、糖尿病患者に対して EES 留置後の中期から長期の成績については十分に評価されていな い。この研究の目的は EES を使用した PCI 後の成績について、IRDM と NIRDM の両方に関して非糖 尿病群と比較することである。

<方法>

(2)

- 2 - study のデータベースを使用した。このデータベースには 2010 年 1 月から 2011 年 12 月に PCI を 施行された 1918 人が登録された。研究の目的から考えて PCI 中にショックとなった症例は除外し た。複数回 PCI を施行された場合は初回の PCI のみをデータとして用いた。糖尿病の罹患歴が不 明な症例と PCI 施行時に悪性腫瘍を有する症例は除外した。最終的に 1866 症例が解析の対象とな った。主要エンドポイントは全死亡と心筋梗塞と脳梗塞の複合である MACE と TLR とした。 PCI 施行時とその後の臨床データ、冠動脈造影のデータ、PCI の手技上の情報は各施設の担当の 医師によって医療情報から収集された。フォローの冠動脈造影とその際に治療を行うかどうかは 各医師の決定に委ねられた。死亡、心筋梗塞、脳梗塞の判定は各施設に委ねられた。 糖尿病は経口血糖降下薬もしくはインスリンの使用、または薬物治療を受けていないが空腹時 血糖が 126 以上または OGTT2 時間値もしくは随時血糖が 200 以上、HbA1c が 6.5 以上の患者。高 血圧、脂質異常症、喫煙、家族歴などは血液検査結果や問診で得られた。

Stent thrombosis (ST) は definite と probable を併せたものとした。MACE は全死亡、心筋梗塞、 脳梗塞の複合とした。 <結果> 1866 症例の内、774 人が糖尿病群で 1092 人が非糖尿病群であった。糖尿病群の内 199 人が IRDM で 575 人が NIRDM であった。IRDM は非糖尿病群と比較して腎機能障害、末梢動脈疾患の有病率が 高かった。また、三枝病変や高度石灰化病変が多かった。NIRDM は非糖尿病群と比較して腎機能 障害が多かった。IRDM と違って、NIRDM は非糖尿病群と比較して高血圧、脂質異常症の有病率が 高かった。イメージングデバイスの使用率は 95.4%であった。フォローの冠動脈造影の施行率は 77.4%であった。 平均観察期間は 957.5 日で最長の観察期間は 1785 日であった。3 年時点での MACE の発生率は 非糖尿病群、IRDM、NIRDM でそれぞれ 10.9%、18.2%、12.6%であった。TLR の発生はそれぞれ 4.9%、 16.4%、7.8%であった。 MACE と心筋梗塞については、IRDM は非糖尿病群と比較して有意に多かった(HR は 1.97 と 3.17)。 NIRDM は非糖尿病群と差はみられなかった。多変量解析では、IRDM は MACE に関して非糖尿病群と の差はなかった(HR は 1.18)。心筋梗塞については HR2.30 で有意に多かった。 TLR については IRDM と NIRDM いずれも非糖尿病群より多かった(HR は 3.43 と 1.65)。多変量 解析において IRDM は HR1.92 で非糖尿病群より多かったが、NIRDM は非糖尿病群と統計学的有意 差はみられなかった(HR は 0.06)。ステント血栓症の発生については IRDM と NIRDM のいずれも非 糖尿病群と差は無かった。多変量解析において脂質異常症が存在しないこと、人工透析、人工透 析をしていない慢性腎臓病、左室収縮能低下、末梢動脈疾患、冠動脈バイパス手術の既往、三枝 病変、高度石灰化病変、イメージングデバイスの不使用が MACE の発生予測因子となった。また、 インスリンを使用している糖尿病、人工透析をしていない慢性腎臓病、再狭窄病変、慢性完全閉 塞病変、入口部病変が TLR の発生予測因子となった。 <考察> MACE、TLR について、インスリンを使用している糖尿病群は非糖尿病群より有意に多かった。

(3)

- 3 - また、TLR に関しては多変量解析においても有意に多かった。一方、NIRDM は MACE、心筋梗塞、 TLR のいずれに関しても非糖尿病と差は無かった。また ST については IRDM も NIRDM も非糖尿病 群と差は無かった。 DES はステント内再狭窄を防ぎ、TLR を減少させてきた。さらに、いくつかの研究では DES は糖 尿病の有無に関わらず TLR を減少させてきた。しかし、第一世代の DES である SES を留置された 糖尿病患者は非糖尿病患者と比べて心血管イベント発生率が高いということが分かっている。こ の傾向は IRDM において顕著である。同様に zotarolimus-eluting stent (ZES) を使用した場合 においても IRDM は非糖尿病群より死亡と TLR が多い。我々の EES を用いた研究では、IRDM は非 糖尿病群より TLR において有意に多かった。それらは SES と ZES の成績と一致している。しかし、 非糖尿病群と NIRDM における TLR の発生は SES や ZES を使用した研究と比べて少なかった。SES を用いた研究では非糖尿病群、IRDM、NIRDM で 2 年の TLR 発生はそれぞれ 8.1%、11.3%、18.0%で あった。ZES を用いた研究では 7.1%、8.0%、13.7%であった。我々の EES を用いた研究では 4.2%、 7.1%、13.0%であった。本研究では複雑病変が多く、フォローの CAG 施行率が 77.4%と非常に高い にも関わらず、TLR の発生が少なかった。

j-Cypher registry では TLR の発生は IRDM、NIRDM 両方とも非糖尿病群より有意に多かった。 本研究では NIRDM は p 値が 0.06 と低い値ではあるが、非糖尿病群と統計学的な有意差が無かった。 我々はこの結果から NIRDM に対する EES 留置は、三年の期間においては妥当であると考える。反 対に、本研究では IRDM は TLR の有意な発生因子となった。その理由としてエベロリムスとインス リン間の不適合性にあるのかもしれない。 本研究では IRDM は人工透析を要する慢性腎臓病や末梢動脈疾患などの併存疾患がより多かっ た。約 25%もの IRDM が人工透析を行っており、それとは対照的に非糖尿病群や NIRDM には 4-5% しかいなかった。IRDM は TLR の独立した予測因子であったが、MACE 発生の独立した予測因子では なかった。また、透析患者を除外してサブ解析を施行したところ、MACE と TLR いずれにおいても IRDM と非糖尿病群に差は認められなかった。 DES の進歩に関わらず、糖尿病患者の EES 留置後の成績は非糖尿病患者に比べて悪い。本研究 では三枝病変を有する糖尿病患者が多く含まれている。それらの患者については、冠動脈バイパ ス手術を行うべきかもしれない。 <結論>

All-comer の多施設共同観察研究で NIRDM と非糖尿病群は MACE と TLR の発生において差を認め なかった。しかし、IRDM は非糖尿病群と比べて TLR の発生で有意に多かった。

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論文審査の要旨および担当者

報 告 番 号 甲 第 号 小西 裕二 論文審査担当者 主 査 荒井 裕国 副 査 小川 佳宏、下門 顯太郎 【論文審査の要旨】 1.論文内容

本論文は、Tokyo-MD PCI study における糖尿病群と非糖尿病群間のエベロリムス溶出性ステン ト留置後の成績の比較についての論文である。

2.論文審査

1)研究目的の先駆性・独創性

第一世代の drug-eluting stent (DES) を用いた percutaneous coronary intervention (PCI) においては、インスリンを使用している糖尿病が心血管イベント発生のリスク因子であることが 知られている。しかし、第二世代の DES である everolimus-eluting stent (EES) 留置後の成績 に対する糖尿病の影響はあまり知られていない。申請者らは、多施設共同観察研究によって、EES 留置後における心血管イベントと糖尿病との関連について解析を行っており、その着眼点は評価 に値するものである。 2)社会的意義 本研究で得られた主な結果は以下の通りである。 1. インスリン使用糖尿病群は、非糖尿病群と比較して有意に再血行再建率が高かったが、 主要心血管イベントでは有意差がみられなかった。 2. インスリン非使用糖尿病群は、非糖尿病群と比較して再血行再建率も主要心血管イベン トも有意差はみられなかった。 以上のように申請者は、第 2 世代の DES の予後においても、糖尿病のインスリン使用の有無が 関与していることを明らかにしている。これは今後の治療選択において臨床的に極めて有用な研 究成果であると言える。 3)研究方法・倫理観

研究では、All-comer の多施設共同観察研究である Tokyo-MD PCI study のデータベースを元に 199 人のインスリン使用糖尿病群、575 人のインスリン非使用糖尿病群、1092 人の非糖尿病群と、 極めて多数の対象症例のデータを解析しており、本研究が極めて周到な準備の上に行われてきた ことが窺える。 4)考察・今後の発展性 更に申請者は、透析患者を除外したサブ解析も施行しており、再血行再建率と主要心血管イベ ントのいずれにおいてもインスリン使用糖尿病群と非糖尿病群に差を認めなかったと考察してい る。腎障害の有無が糖尿病症例における PCI の予後に関与することが示唆され、今後の研究に更

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( 2 ) に発展することが期待された。 3. その他 特になし 4.審査結果 以上を踏まえ、本論文は博士(医学)の学位を申請するのに十分な価値のあるものと認められ た。

参照

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