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Academic year: 2021

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(1)

アミノ酸代謝(1)

平成30年度6月14日1限

病態生化学分野

(2)

遊離アミノ酸

タンパク質

(20種類+α)

非タンパク質性誘導体

(神経伝達物質、ホル

モン、アミノ糖など)

食物タンパク質

消化吸収

アミノ酸の生合成

(栄養学的非必須アミノ酸)

アミノ酸の修飾 分解 生合成

窒素

炭素骨格

分解

尿素サイクル

尿素

代謝中間体

糖質、脂質、エネルギー

アミノ酸代謝

(3)

食事から摂らなければならない 必須アミノ酸と 合成できる非必須アミノ酸がある 栄養学的必須アミノ酸 栄養学的非必須アミノ酸 アルギニン (Arg, R)* アスパラギン (Asn, N) イソロイシン(Ile, I) アスパラギン酸 (Asp, D) トリプトファン (Trp, W) アラニン (Ala, A) トレオニン (Thr, T) グリシン (Gly, G) バリン (Val, V) グルタミン (Gln, Q) ヒスチジン (His, H) グルタミン酸 (Glu, E) フェニルアラニン (Phe, F) システイン (Cys, C) メチオニン (Met, M) セリン (Ser, S) リシン (Lys, K) チロシン (Tyr, Y) ロイシン (Leu, L) プロリン (Pro, P) *ほ乳類はアルギニンを合成で きるが、合成速度が小児の成長 を指示するのには不十分なので、 栄養学的に準必須アミノ酸

ヒトにおける栄養学的必須アミノ酸と

栄養学的非必須アミノ酸

(4)

アミノ酸の生合成

• チロシン以外の非必須アミノ酸(青字)は4種の共通代謝中間体、ピルビン酸、オキサ

ロ酢酸、α-ケトグルタル酸、3-ホスホグリセリン酸のどれかから合成される

(5)

グルタミン酸(Glu, E)、グルタミン(Gln, Q) • α-ケトグルタル酸はグルタミン酸デヒドロゲナー ゼ (GDH) により還元的にアミノ化され、グルタミ ン酸を生成する • GDH反応で細胞毒性のあるアンモニアを除くこと が出来る • 逆反応で遊離するアンモニアは尿素として除去 される(尿素サイクル) • グルタミン酸はアミノトランスフェラーゼ(トランス アミナーゼ)によるアミノ転移によっても合成され る • アミノ基がαーケトグルタル酸に転移して、αーケ ト酸とグルタミン酸を生じる • グルタミン はグルタミンシンテターゼによりグル タミン酸のアミド化で合成される アミノトランスフェラーゼ

(6)

アラニン(Ala, A)、アスパラギン酸(Asp, D) • ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ、別名 GPT グルタミン酸ーピルビン酸トランスアミナー ゼ) グルタミン酸 + ピルビン酸  α-ケトグルタル酸 +アラニン • AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、別 名GOTグルタミン酸ーオキサロ酢酸トランスアミ ナーゼ)によりアスパラギン酸が生成される グルタミン酸 +オキサロ酢酸  α-ケトグルタル酸 +アスパラギン酸

• AST (GOT) や ALT (GPT) は筋細胞や肝細胞に 存在し、細胞内酵素が組織障害で漏れ出すので、 筋肉や肝臓の組織障害マーカーとなる • アスパラギンシンテターゼによりアスパラギン酸 からアスパラギン(Asn, N)が生成される.この反 応では、グルタミンがアミノ基を供給する アスパラギン酸 アミノトランスフェラーゼ(AST) アラニンアミノ トランスフェラーゼ(ALT)

(7)

セリン(Ser, S)、 グリシン(Gly, G)、 システイン(Cys, C) • セリンは解糖系の中間体である3-ホスホグリセリ ン酸から生合成される • グリシンはセリンからセリンヒドロキシメチルトラ ンスフェラーゼにより生合成される • システインは必須アミノ酸のメチオニンと非必須 アミノ酸のセリンから合成される(ホモシステイン はメチオニン分解から) 3-ホスホグリセリン酸 デヒドロゲナーゼ 脱リン酸化 アミノトランス フェラーゼ

(8)

チロシン(Tyr, Y)、プロリン(Pro, P)

• チロシン:フェニルアラニンヒドロキシラーゼがフェニルアラニンをチロシンに変換する (フェニルアラニンの分解経路)

• プロリン:グルタミン酸を一旦リン酸化し、還元してプロリンとアルギニンの分解におけ る共通中間体にし、さらに還元してプロリンを生成

(9)

ヒドロキシプロリン

ヒドロキシリシン

• ヒドロキシプロリンとヒドロキシリシンは主としてコ ラーゲンに存在 • これらに対応するtRNAは存在しない • プロリンとリシンがペプチド鎖に取り込まれた後、 ヒドロキシル化が起こる • 反応に必要なビタミンC(アスコルビン酸)が欠乏 すると、コラーゲンの安定性が低下し、歯茎から 出血したり、関節が腫れたりする壊血病になる

セレノシステイン

(21番目のアミノ酸)

• セレノシステイン(Sec, U)が存在するタンパク質 が25種ある • セレノシステインは酸化還元反応を触媒する酵 素の活性部位に存在 • ATPとセレン酸からセレノリン酸が生成され、セレ ンの供与体となる ヒドロキシプロリン ヒドロキシリシン

P-Ser-tRNA

Sec+ セレノリン酸

Sec-tRNA

Sec

(10)

タンパク質とアミノ酸の窒素の異化

タンパク質分解

• 細胞は絶えずタンパク質をアミノ酸から合成し、アミノ酸に分解する 人は毎日、体のタンパク質の1〜2%以上を代謝回転している 過剰のアミノ酸は分解され、アミノ基の窒素は尿素として排泄する • タンパク分解は合成と同様に重要 ハウスキーピング酵素(組織維持管理酵素)は半減期が長い それに対し、重要な代謝制御ポイントを占める酵素は半減期が短い PEST配列(プロリン、グルタミン酸、セリン、トレオニン)を含むタンパクは半減期が短 い ノーベル賞 2014年:ユビキチン経路 2016年:オートファジー(大隅先生)

(11)

ATPおよびユビキチン依存性の分解

• 半減期の短い調節タンパク質や異常タンパク 質、折りたたみに誤りがあるタンパク質はATP とユビキチン(ubiquitousに由来)を用いて分解 • ユビキチンの末端カルボキシル基が標的タン パク質のリシン残基のε-アミノ基と非α-ペプ チド結合で結合する • タンパク質はポリユビキチン化される • ユビキチン化されたタンパク質はプロテアソー ムで分解される • ユビキチンE3リガーゼに欠陥がみられる

Angelman症候群とvon Hippel-Lindau症候群

E1: 活性化酵素 E2: 合成酵素 E3: 転移酵素

(12)

組織間のアミノ酸交換

• 遊離アミノ酸のうち、特にアラニンとグルタミンは筋肉 から血流中に放出される • アラニンは肝臓に取り込まれる • グルタミンは腸と腎臓に取り込まれ、大部分はアラニ ンに変換される • グルタミンは腎臓から排出されるアンモニア源 • アラニンは主要な糖新生アミノ酸 • コリ回路(乳酸回路)の乳酸の代わりにアラニンが筋 肉から肝臓に運ばれる • グルコース-アラニン回路:アラニンは肝臓に運ばれ、 アミノ基転移でピルビン酸に戻り、糖新生でグルコー スになる ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ、別名GPT グルタ ミン酸ーピルビン酸トランスアミナーゼ) • 肝臓に運ばれるアミノ基はアンモニアかアスパラギン 酸のアミノ基となり、尿素合成に使われる

ALT

ALT

(13)

αアミノ基窒素に由来するアンモニアの排出

• 食事タンパクや細胞内タンパクは分解されて遊離アミノ酸となる

• アミノ基はアンモニアに変わり、尿素分子に取り込まれる

(14)

αアミノ基窒素に由来するアンモニアの排出

• アミノ酸代謝で排出されるアンモ ニアは、水生動物ではそのまま排 出される • 鳥類とは虫類では尿酸に、陸生脊 椎動物では尿素に変換されて排 出される • 尿素は肝臓で尿素サイクルにより 合成される • 尿素は血液に分泌され、腎臓で集 められて尿に排泄される

(15)

尿素サイクル(1)アミノ基転移反応

• 尿素合成は以下の4段階 (1) アミノ基転移反応 (2) グルタミン酸の酸化的脱アミノ反応 (3) アンモニア輸送 (4) 尿素回路の諸反応 • (1) アミノ基転移反応は対になったα-アミノ 酸とα-ケト酸を相互変換する

• 哺乳動物ではAST (GOT)とALT (GPT)の活性 が高い • アミノ基受容体としてはα-ケトグルタル酸が 最も広く使われ、その結果、アミノ基はグルタ ミン酸に集中する • ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ、別名 GPT グルタミン酸ーピルビン酸トランスアミナー ゼ) グルタミン酸+ ピルビン酸  α-ケトグルタル酸 +アラニン • AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、別 名GOTグルタミン酸ーオキサロ酢酸トランスアミ ナーゼ) グルタミン酸+オキサロ酢酸  α-ケトグルタル酸+アスパラギン酸

(16)

• グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)は窒素をア ンモニアとして遊離する

尿素サイクル(2&3)グルタミン酸の

酸化的脱アミノ反応とアンモニア輸送

ATPやGTPは、GDHによるグルタミン酸合成を促進 ADPやGDPは、GDHによる異化反応(グルタミン酸分解)を促進 つまり、運動時など、エネルギー生成が不足している時(ADP濃 度が高い時)は、グルタミン酸のα-ケトグルタル酸への異化が 促進する。 • アミノ酸オキシダーゼもアミノ酸をα-ケト酸に分 解し、アンモニアを放出する NADPH + H+ NADP+ NADH + H+ NAD+ グルタミン酸 NH4++ α-ケトグルタル酸

GDH

(17)

• ミトコンドリアのグルタミナーゼ (グルタミンシンテターゼの逆反 応を触媒)によってもアンモニア が放出される 門脈周囲の肝細胞 肝静脈周囲の肝細胞 グルタミン グルタミン酸 α-ケトグルタル酸 グルタミン グルタミン酸 α-ケトグルタル酸 グルタミン グルタミナーゼ GDH NH4+ NH4+ NH4+ 尿素回路 尿素 尿素 NH4+ NH4+ NH4+ GDH グルタミンシンテターゼ グルタミン 血液

(18)

尿素サイクル(4)尿素回路の諸反応

• 尿素サイクル5反応のうち、2反 応はミトコンドリアで、3反応は サイトゾルで起こる • 尿素の N 原子はアンモニアと アスパラギン酸に由来し、C 原 子は HCO3-(CO 2) に由来する • アスパラギン酸はグルタミン酸 のアミノ基を引き継いでいる ミトコンドリア

(19)

尿素サイクルの各酵素

カルバモイルリン酸シンテターゼ I •ミトコンドリアに存在 •CO2、アンモニア、2ATPを縮合してカ ルバモイルリン酸を生成 •尿素回路の律速酵素で、その活性は N-アセチルグルタミン酸によってアロ ステリックに調節される •アミノ酸が分解されるとグルタミン酸、 次いでN-アセチルグルタミン酸が増え る。その結果、この酵素が活性化され て尿素回路が活発になる •N-アセチルグルタミン酸はN-アセチ ルグルタミン酸シンターゼ(NAGS)に よってグルタミン酸とアセチルCoAから 生成され、N-アセチルグルタミン酸ヒド ラターゼにより加水分解される オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ • ミトコンドリアに存在 • カルバモイルリン酸のカルバモイル基をオルニチンに 転移してシトルリンと正リン酸を生成 • オルニチンのミトコンドリア内への移入とシトルリンのミ トコンドリア外への移出には、ミトコンドリア内膜の輸送 系が関与

(20)

尿素サイクルの各酵素

アルギニノコハク酸シンテターゼ • アスパラギン酸のアミノ基を介して アスパラギン酸とシトルリンを結合 する • アスパラギン酸から尿素の第2の 窒素が供給される シンターゼ: ATPを必要としない シンテターゼ: ATPを必要とする アルギニノコハク酸リアーゼ • アルギニノコハク酸が切断され、アスパラギン酸の骨格 部分がフマル酸として遊離し、アルギニンが生成される • フマル酸 -> リンゴ酸 -> オキサロ酢酸 と反応が進行し、 AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)によって グルタミン酸のアミノ基がオキサロ酢酸に移され、アス パラギン酸となる

(21)

尿素サイクルの各酵素

アルギナーゼ • アルギニンの加水分解で尿素と オルニチンが生成される • オルニチンはミトコンドリアに入り、 再び尿素回路に入る

(22)

尿素サイクル異常症

• 尿素サイクルを構成する酵素が欠損す ると、アンモニアが蓄積して高アンモニ ア血症による中枢神経症状が出現する • ①から④の欠損症では尿素の前駆体、 おもにアンモニアが蓄積する • ⑤ではアルギニンとして尿中に排泄さ れるので、高アンモニア血症にはならな い ① ② ③ ④ ⑤ ① カルバモイルリン酸シンテターゼ I (CPS1)欠損症 ② オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ (オルニチントランスカルバミラーゼ、OTC)欠損症 ③ アルギニノコハク酸シンテターゼ欠損症 >シトルリン血症 ④ アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症 >アルギニノコハク酸尿症 ⑤ アルギナーゼ欠損症 >アルギニン血症 ⑥ N-アセチルグルタミン酸シンターゼ(NAGS)欠損症

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