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特集制 VR の画像評価 : 米虫教 他 はじめに 経皮的椎体形成術は 1997 年に本邦において初めて 施行されて以来ヘ圧迫骨折の廃痛緩和への劇的な効 果を背景に急速に認知されてきた九本法は 骨粗撃 症あるいは脊椎腫蕩により脆弱化した椎体に対して 経皮的に到達させた金属針より骨セメントを注入す る

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特集・ IVRの画像評価..米虫 敦、他

因調 IVRの画像評価

抄録

経皮的椎体形成術の画像評価

米虫敦、谷川 昇、狩谷秀治、小島博之、正村裕三、徳田貴則、 野村基雄、池田耕士、播磨洋子、津田敏 関西医科大学 放射線科学講座

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経皮的椎体形成術を施行する際には、術前、術中、術後の各プロセスにおいて画像:哨面が重要な役割を担って いる。 術前には脊椎MRI において椎体の骨髄浮腫をE弔面することが経皮的椎体形成術の適応決定に役立つ。 経 皮的椎体形成術施行時のイメージガイドには各施設において可能な限り高性能な透視装置を使用して、骨セメン トの椎体外漏出を最小限に抑えることが必要である。 術後の経過観察においても脊椎MRIで椎体の骨髄浮腫を 評価することで、新規圧迫骨折を早期に診断することが可能である。 本稿では、欧米におけるガイドラインや報 告を基に、経皮的椎体形成術に必要な画像評価について述べる。

Abstract

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別刷請求先:〒 573-1191 大阪府枚方市新町2丁目 3番 1号

関西医科大学放射線科学講座米虫敦

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特集制VRの画像評価:米虫教、他 はじめに 経皮的椎体形成術は1997年に本邦において初めて 施行されて以来ヘ圧迫骨折の廃痛緩和への劇的な効 果を背景に急速に認知されてきた九 本法は、骨粗撃 症あるいは脊椎腫蕩により脆弱化した椎体に対して 経皮的に到達させた金属針より骨セメントを注入す ることで骨折椎体の固定化をはかり痔痛緩和を得る 手技であり、その治療効果は通常72 時間以内に得ら れるとされる2-ヘ 本手技を成功させるには、術前、 術中および術後の詳細な画像評価が必須であるトヘ 本稿では様々なガイドライン3-5)や報告を基に、経皮 的椎体形成術に必要な画像ー制面について述べる。 術前画像評価

1

)脊椎単純X線写真 術前の胸椎・腰椎の単純X線写真は、術後経過観察 のためのBaseline Study となる。 このため、初診時 に病変が存在しないと考えられる部位も含めて、胸 椎および腰椎の正面像と側面像を撮像しておく事 が必要である。 脊椎の単純X線写真を用いて、圧迫 骨折の部位、骨壊死 (Kummel!'

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disease) の有無を 評価する事が可能である制。 また、前屈位と後屈位 または立位と臥位の側面写真を用いて、椎体の不安 定性 (Instability) を評価する事ができる。一般に、 骨壊死や不安定性を伴う椎体は経皮的椎体形成術 の良い適応であるト目。 2) 脊椎MRI 脊椎の MRI は、経皮的椎体形成術を施行する上 でもっとも重要な術前画像評価である九 脊椎MRI 検査の主な目的は、脊柱管狭窄症などの他疾患の除 外と病変部の正確な情報を得る事である。 脊柱管 狭窄症などの他疾患が原因となっている腰痛であ れば、経皮的椎体形成術は適応外であるト目。 また、 圧迫骨折の原因が骨粗悲症によるものか腫蕩性病 変による病的骨折であるかを評価することは治療 方針に大きく係わるため重要である。 悪性腫蕩の 場合は椎体後面の凸面化、椎弓根に及ぶ信号変化、 骨外への腫癒形成などが特徴的である。 骨粗繋症 性圧迫骨折ではTl強調画像による帯状の低信号帯、 椎体内の正常骨髄残存や椎体後面の凹面化などが 認められる九 骨粗軽症性脊椎圧迫骨折の急性期から亜急性期 には、病変部椎体の骨髄には浮腫性変化 (Bone

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)

脊椎MRI を用いると、単純X線写真よりも明瞭に 骨壊死を描出する事ができる。 圧迫骨折における 骨壊死は虚血性病変の二次性変化であり、 Kummel'

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disease と呼ばれることもあるヘ 骨壊死を形成し た部分には液貯留、ガス貯留や壊死産物が認められ る。 液貯留をきした部分はT2強調像で脳脊髄液と 同程度の高信号を呈する椎体内の索状影として描 出され、ガス貯留をきたした部分はTl強調像、 T2強 調像ともに無信号となる。 これらの信号変化を来 した空洞は一般的にクレフト (cleft) と呼ばれ、偽関 節の存在を意味する。 クレフトが存在する椎体も 経皮的椎体形成術の良い適応である加)。 近年、術前の脊椎拡散強調MRI画像を=引面するこ とによって、術後早期に発生する隣接椎体の骨折を 予測可能であるという報告もある lω 。 3) 脊椎単純CT 術前の脊椎CT では、椎弓根 (pedicle) と椎体後壁の 状態、骨皮質の断裂の有無、破裂骨折では骨片の偏 移、クレフトの状態、腫蕩性病変では溶骨性変化と 造骨性変化の状態などを評価することが可能であ る2.4) 。 断層映像研究会雑誌第35巻第3号

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経皮的椎体形成術において、病変椎体には経椎 弓根的にアプローチする事が推奨されている 11)た め、術前に椎弓根の状態を確認することは有用で、あ る。 椎体後壁に骨欠損が生じている場合は、欠損部 から脊柱管内に骨セメントが漏出し脊髄圧排など の重篤な合併症を来す可能性があるため、経皮的椎 体形成術の適応については慎重になる必要がある。 椎体骨皮質に断裂部が観察された場合は、同部より 骨セメン トが椎体外漏出する可能性があるため、手 技施行時に留意する必要があるヘ 本邦において普及している IVR-CT システムを用 いて手技を行う際には、経皮的椎体形成術の手技を 施行する際に CT を撮像することが可能で‘あるた め、術前の脊椎CT を省略することも可能である九 4)骨シンチ 術前に骨シンチグラフィーを撮像することで多 発骨折の症例について治療椎体を選択する報告も あるが、一般的には省略することも可能であると考 えられる。 骨折椎体には骨シンチにて集積像が認 められる制。 5) 胸部単純X線写真 経皮的椎体形成術に関連する合併症の中でも、骨 セメントによる肺塞栓は重篤となる可能性があり 特に重要な合併症である4.5.11)。 術前の Baseline 2008年12月20 日 特集・IVRの画像評価..米虫 敷、他 図 1. 下部胸椎から腰椎のMRI画像 (左:T1強銅像、 右:脂肪抑衛庁2強調画像) 骨粗怒症性の圧迫骨折が複数存在する。 骨髄浮腫 が存在するTh12(→)が窓痛の原因であると考え られる。 Th12以外の圧迫骨折には骨髄浮腫が存 在しないため陳旧性圧迫骨折であると考えられ る。 Th12のみに経皮的椎体形成術が施行され、良 好な胸高効果を得ることが出来た。 Study としての胸部単純X線写真は、術後に肺野へ の骨セメント漏出を評価する際の比較画像として 有用である。 術中画像評価

1

)術中イメージガイド 経皮的椎体形成術の技術的な成功には、質の高い 術中イメージガイドが必要である。 本手技の合併症 の大部分は骨セメントの椎体外漏出に起因するもの であるため、各施設において可能な限り高性能な透 視装置の使用が推奨されている2-心。 本邦においては IVR-CT システムの普及を背景として、 CT と X線透 視を併用して術中画像評価を行う施設が多い。 IVR­ CT システムが導入されていない施設においても、 CT 室に外科用イメージを搬入することでCT と X線透視 の併用が可能となる目。 欧米では通常のX線透視を用 いて手技を行うことが一般的であり、本邦において もパイプレーン透視を用いる施設や、シングルプレ ーン透視装置でアイソセンターを応用して手技を行 う施設も存在する I目。 今後、フラットパネルデイテク タ (FPD) を用いたコーンビーム CT が普及すれば、 容易に透視画像と CT様画像を併用できると期待さ れる。 実際の手技では、各術者、施設ごとに充分に習 熟した方法で穿刺針を経椎弓根的に椎体内へと穿刺 16-3 ( 2 5)

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特集制VRの画像評価:米虫 敦、他 する。 また、本邦では 10% の硫酸バリウムを含有し たポリメチルメタクリレート系骨セメント製剤が主 に使用されており、 X線透視下に骨セメントを注入す る際には30%程度まで硫酸バリウムを添加して骨セ メントの視認性を高めることが推奨されているM ヘ 2) 椎体静脈遺影 椎体内の適切な部位に穿刺針が挿入された後に、 椎体静脈造影を施行することについては様々な議論 がある制。 椎体静脈造影は必ずしも必須の画像評価 方法では無いが、針先の位置が椎体内に存在してい る確認、クレフトの有無、肉眼的な骨片移動の有無、 椎体外への造影剤リークの経路などを確認可能であ る。 椎体静脈造影について否定的な主な意見として、 椎体内に残留した陽性造影剤がセメン ト注入の障害 影となる点、セメントと粘度が異なる造影剤ではセ メン トの挙動を予想できない点、手技が煩雑となる 点などが挙げられる。 椎体静脈造影を施行する際に は、陰性造影剤である炭酸ガスを造影剤として用い れば、椎体内に造影剤が残留しでもセメント注入の 障害影となることを回避できる2.14,15)。 術後画像評価

1

)脊椎単純GT 経皮的椎体形成術を施行後には、速やかに単純CT を施行する。 術後の単純CT においての評価事項は 骨セメント分布の評価である。 椎体の正中を超えて 骨セメン トが分布していなければ骨セメントを追加 注入必要があるとする施設も存在するが、少量の骨 セメントが偏在性に分布していても臨床的効果は変 わらないとする報告1剖もある。 過量の骨セメント注 入は合併症の危険性を増すため、審美的に美しい骨 セメント分布にこだわらないことが重要である。 経皮的椎体形成術において骨セメントの椎体外へ の漏出は比較的高頻度に認められるが、臨床的に問 題となる骨セメントの椎体外漏出は低頻度である 2-日。 脊柱管内や椎間孔へ漏出した骨セメン トが神経 を圧排すると、神経症状が発生する可能性がある。 椎 間板へ骨セメントが漏出すると、経過観察中に隣接 椎体に新たな圧迫骨折が発生する頻度が高まると言 われている17.18)。 大量の骨セメントが静脈に漏出した 場合は、骨セメン トによる肺塞栓症が発生している 164-2(6) 可能性がある。 骨セメン トの椎体内分布は、骨梁内の間隙を染み 渡るように分布する骨梁パターン Ctrabecular pattern) とクレフト内にー塊となって分布するクレ フ トパターン Ccleft pattern) に分類される。 クレ フ トパターンを呈する症例では、術後の経過観察で 新規圧迫骨折の頻度が高いことが知られている則。 2) 脊椎単純X線写真 経皮的椎体形成術後に、新規の圧迫骨折がしばし ば出現することが知られている。 これは、骨粗繋症 などの原疾患の自然歴であるとする考え方もあるが、 骨セメン トが注入されて補強された治療椎体と比較 して他椎体が相対的に脆弱となる事や、治療による 活動性の向上に起因する椎体への物理的な負荷増大 によるものである可能性もある。 いずれにせよ、骨 粗悲症性の圧迫骨折に対して経皮的椎体形成術を施 行した患者は、更なる圧迫骨折が発生について高リ スクの状態であるため、厳重な経過観察が必要であ る。 術後の新規圧迫骨折を評価するために、脊椎単 純X写真は簡便な方法である制。 3) 脊椎MRI 術後の経過観察にて、新規の圧迫骨折が疑われた 際には脊椎MRI を撮像する。 脊椎MRIで椎体の骨髄 浮腫出現を評価することにより、脊椎単純X線写真で 椎体変形が出現する前に新規圧迫骨折を診断するこ とが可能である2 心。 最後に 経皮的椎体形成術の手技を成功させる最大のポイ ン トは、適切な患者選択である4 九 術前の画像評価 を適切に行い、個々の症例について適応を決定する ことが重要である。 術中のイメージガイドについて は、各々の施設において最も性能の高い透視装置を 使用して骨セメントの椎体外漏出を最小限とするこ とが肝要である2-心。 術後には一定の頻度で発生する 新規の圧迫骨折を、適切な画像2哨面で早期診断する ことが必要で、ある。 今後、本手技を新たに開始しよ うとする術者は、経験者の手技の見学、技術教育セミ ナー2)や手技ビデオ20)などを利用して実際の手技に 習熟することが望まれる。 断層映像研究会雑誌第35巻第3号

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(7)

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