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プロ野球観客動員数の要因分析*

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プロ野球観客動員数の要因分析

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尾関清成

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木原元気

鈴木康之

<要 約> 本稿では日本プロ野球の観客数について,近年新たに導入された交流戦と CS に着目して分析を行った。 交流戦はパリーグにおいて大きく観客数を増加させ,CS はパリーグにおいて観客数を増加させることが 示された。パリーグにおける交流戦での観客数の増加は,巨人戦と阪神戦に多くの客が足を運ぶためで あると考え,パリーグの交流戦のうち巨人戦と阪神戦を除いたものを分析した結果,交流戦は有意とは ならなかった。これは交流戦ではなく,巨人と阪神に観客を呼ぶ力があることを意味している。また追 加的な分析により交流戦は年を追うごとにより多くの観客を呼んでいること,CS は年ごとに効果が異な ることが示された。 <キーワード> 日本プロ野球,観客数,交流戦,CS * 本稿を作成するにあたり,慶應義塾大学商学部の藪友良氏から貴重なご助言を頂戴した。ここに記して感謝 したい。 ** 尾関清成 慶應義塾大学商学部 3 年 vamoskiyo@gmail.com 木原元気 慶應義塾大学商学部 3 年 genki.kihara@gmail.com 鈴木康之 慶應義塾大学商学部 3 年 yasu.yuki.ykk@gmail.com

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2 1 はじめに 近年日本においてプロ野球は人気が低迷しており,1999 年に 20%あった巨人戦の平均視聴率は 2006 年には 9%台に低下している。そこで日本プロ野球は 2 つの新たな制度を導入した。1 つはセ ントラル・リーグ(以下セリーグ)とパシフィック・リーグ(以下パリーグ)の異なるリーグに所属する チームがレギュラーシーズン中に対決する交流戦であり,2005 年に導入された。もう 1 つはクライ マックスシリーズ(以下 CS )であり,2004 年のパリーグに続き 2007 年にセリーグが導入した。CS はレギュラーシーズンの最終成績が 3 位以上のチームによって,プレーオフとして 2 ステージ勝ち 抜き制を実施し,日本選手権シリーズ(以下日本シリーズ)の出場権を争うものである。2 つの制度の 目的は,試合の魅力を高めることでスタジアムに多くの観客を呼び,そこからプロ野球の人気を回 復することである。 ここで 2 つの制度を導入した背景をみていく。交流戦は以前からパリーグ側が実施を提案し続け ていたが,セリーグ側は交流戦を行うことにより多額のテレビ放映権収入を見込める巨人戦の試合 数が減尐し,多くの観客数が期待される巨人戦と阪神戦が減尐するとして,その提案を拒否してい た。その後,2004 年におきたプロ野球再編問題をきっかけにセリーグの球団が歩み寄りを見せ,交 流戦の開催が決定した。 CS はシリーズそれ自体の盛り上がりのほかに,レギュラーシーズンにもメリットが見込まれてい る。導入以前は 1 チームが独走し,優勝が早い時期に決定してしまうと,シーズン終盤は消化試合 が増えてしまい,観客席が閑散としてしまうことがあった。CS では,3 位以内に入れば日本シリー ズ進出のチャンスが得られるため順位争いが激化し,その分消化試合が減尐して観客数は増加する と考えられる。 しかしこれらの効果はあくまでも予想であり,交流戦と CS を導入したことで実際にどのような 効果が表れるのか明らかになっていない。交流戦や CS はプロ野球人気の向上に貢献したのだろう か。そして観客動員数にはどのような影響を与えたのだろうか。両制度が導入されて数年が経過し た現在,その評価が必要であると思われる。以上より我々は日本プロ野球の新たな試みである交流 戦と CS を分析対象として選び,これらにどれほどの増客効果があるのかを計量的に明らかにする1 観客動員数の要因についての分析は,主に欧米で盛んに行われてきた。Rodney et al. (2004) は MLB の観客数において 2 点に着目し分析を行っている。1 点はインターリーグ(交流戦)であり,も う 1 点は不規則なスケジュールである2。この 2 点は観客数の増加を目的としており,これらの増客 1 なお,CS については CS 自体ではなく,CS 争いによるレギュラーシーズンの増客効果を明らかにしていく。 2 不規則なスケジュールとは同地区同士の試合が,他地区との試合に比べ意図的に増やされていることを指す。

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効果を 2001 年シーズンのデータをもとに検証している。また Thomas and Colin(2003)も同様に MLB におけるインターリーグの増客効果を 2000 年シーズンのデータをもとに検証している。加えてマー ク・マグワイアというビッグスター目当てに観客が増えると考え,マグワイアが故障者リストに入 っているか否かに着目して検証を行った。Stephen and Taylor(2011)は MLB においてダブルヘッダー に着目し,どれほどの増客効果があるのかについて明らかにしている3。野球以外のスポーツでは, Stephen(2004)がサッカーのプレミアリーグにおいて,テレビの生中継が観客数に与える影響を明ら かにしている。Fiona et al. (1999) はイギリスのラグビーリーグにおいてチケット価格とテレビの生 中継が観客に与える影響を明らかにしている。 一方日本ではスポーツの観客数に関する研究はほとんど見つからないのが現状である。我々の見 つけた限りでは,サッカーの J リーグ観客数の要因を分析した河合・平田(2007)がある。河合・平 田(2007)は観客数を被説明変数として,説明変数となる観客数の決定要因を,コストに関する「経 済的要因」,試合内容に関する「試合要因」,観戦時の状況に関する「観戦要因」,各チームの人気に 関する「人気要因」,J リーグの特徴に関する「J リーグ要因」の 5 つのカテゴリーに分けて分析を 行った。説明変数となる決定要因の選択は,欧米の先行研究で特に有意となったものを選択するこ とで,より効果的なモデルを構築することを可能にした。 観客数ではなく,球場に足を運ぶことへの要因という観戦要因に着目した研究としては,原田・ 三浦・宮田(1998)がある。この研究はプロ野球の本拠地所在都市に在住する住民を調査対象にして, プロ野球の観戦要因を明らかにしている。またベク(2009)はプロ野球における観戦動機要因の世代 間比較に加え,日本プロ野球と J リーグの観戦動機要因を比較し,その差を明らかにしている。小 野里(2009)は BC リーグにおいて,観戦者の期待度から観戦要因を明らかにしている4。他のスポー ツに着目したものでは,丸(2010)がアイスホッケーに特有の観戦要因を明らかにしている。 本稿では,Rodney et al. (2004)と河合・平田(2007)で用いられているモデルを参考に,交流戦と CS に着目して分析をする。具体的には,交流戦と CS にどの程度観客を呼ぶ力があるのか,複数の年 を分析することでその効果を検証する。 本稿の構成は以下の通りである。2 章では日本プロ野球の現状として,観客数や視聴率について 基本的な情報を紹介する。3 章では 2010 年シーズンのデータをもとに分析を行う。4 章では 3 章で 行った分析の頑健性を検証するため,2005 年シーズンと 2007 年シーズンのデータをもとに分析を 行う。5 章では結論と今後の課題について述べる。 3 ダブルヘッダーは特定のチーム同士が同一球場で 1 日に 2 試合を開催することである。 4 BC(Baseball Challenge)リーグは,2007 年 4 月に新潟,富山,石川,長野の北信越地域の 4 県によりスタート したプロ野球独立リーグである。

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4 2 日本プロ野球の現状 これまでプロ野球は日本を代表する国民的スポーツであった。長嶋や王といった人気選手が活躍 した 1960 年代には,子どもが好きなものの代名詞として「巨人・大鵬・玉子焼き」が流行語になっ たほど,プロ野球は人気を博していたのである。 しかし近年,日本プロ野球に陰りがみえている。前章で述べた通り,プロ野球中継の視聴率は年々 減尐しており,これは人気球団といわれる巨人でも例外ではない。図 1 では,巨人戦ナイター中継 平均視聴率の推移を描いており,視聴率は 1983 年の 27.1%をピークに減尐し,1993 年に 20%台ま で持ち直すもののそれ以降は減尐が続いている。 また,2004 年までプロ野球観客動員数は千人あるいは百人単位の概数発表であった。そのうえ, 来場者のチケット数を計上せずに発表していたため,観客数を水増しすることも日常茶飯事であっ た。かつて巨人は本拠地東京ドームでの主催試合の観客数を,実際には座席が約 46,000 しかないの にも関わらず,毎試合 56,000 人と発表していた。しかし 2005 年より実数発表となり,それにより プロ野球の観客動員数の正確な値を知ることが可能となった。図 2 では 2005 年からのプロ野球観客 動員数の推移を描いており,プロ野球の観客数は 2005 年以降ほぼ横ばいであることが分かる。注目 したいのがセリーグの推移だ。2009 年以来,2 年連続で観客動員数が減尐している。この結果から, セリーグの人気が以前に比べ低くなってきていることが分かる。 表 1 は 2011 年度のチーム別平均観客動員数ランキングであるが,1 位が阪神 40,256 人,2 位が巨 人 37,736 人,以下ホークス,中日と続く。最下位の横浜は 15,308 人と上位球団に比べて尐なく,1 位阪神との差はおよそ 2.5 倍となっている。これより,チームによって観客動員数に大きなばらつ きが存在することが分かる。 対戦カード別で平均観客数をみると,その差はさらに広がる。表 2 の 2011 年対戦カード別平均観 客数ランキングから,セリーグ 1 位の阪神・巨人戦が 45,226 人であるのに対し,セリーグ 30 位の 横浜・ヤクルト戦が 11,784 人であり,その差は 4 倍以上となっている。このことから,対戦カード に人気球団が含まれるか否かが観客動員数に大きな影響を与えていることが考えられる。 3 観客数の要因分析 本章では,2010 年のデータを用いて,日本プロ野球における観客動員数の要因について分析する。 初めにデータの説明と分析方法を示す。次に観客数を説明する主な変数について検証し,最後に交 流戦と CS について検証する。なお分析するにあたり,両リーグ全体(以下両リーグ),セリーグ主催 試合(以下セリーグ),パリーグ主催試合(以下パリーグ)の 3 つの分類で行う。

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5 (1) 観客数に影響を与える要因 本分析では,被説明変数を「観客動員数」,説明変数を「観客動員数を規定する変数」として,多 重回帰分析を行う。 観客動員数は「2011 ベースボール・レコード・ブック」(ベースボール・マガジン社)のデータ を用いた。観客動員数を規定する変数は経済的要因,試合要因,観戦要因,人気要因の 4 つのカテ ゴリーに分類した以下の項目とする。 経済的要因は,移動コスト,チケット価格,一人当たりの所得の 4 つの変数で,金銭に関する要 因を考える。移動コストとして,ビジターチームのファンがホームチームの球場までにかかる一般 的な値段(単位:万円)を用いる。また,首都圏のチームは東京駅を基準として,大阪圏のチームは 大阪駅を基準として,移動コストを算出している。チケット価格はホーム球団の本拠地が定めた外 野席の一般大人料金(単位:千円)とした。県民所得は,ホーム球団の本拠地が所在する都道府県に おける一人当たり県民所得(単位:万円)である。データは日本統計年鑑(統計局ホームページ)を用 いた5 試合要因は,開幕戦,休日,交流戦,CS 争いの 4 つの変数で,試合に対し固有に働く要因を考え る。開幕戦を表す変数として,ホーム球団の本拠地における開幕第 1 戦を 1,それ以外を 0 とする ダミー変数を用いる。休日を表す変数として,試合開催日が土・日・祝日である試合を 1,それ以 外を 0 とするダミー変数を用いる。交流戦を表す変数として,交流戦を 1,それ以外を 0 とするダ ミー変数を用いる。CS 争いとして,9 月開催試合における,CS 争い該当チームの数を用いる。両 チームとも該当チームならば 2,一方のチームのみが該当チームならば 1,どちらも該当チームでな ければ 0 とする。ここで,CS 争い該当チームとは,試合前の順位が 1 位,2 位,3 位,4 位以下で 3 位とのゲーム差が 3 以内のチームとする。1 位,2 位の間にも CS の開催場所の争いがあり観客数は 増加すると考えられるため,3 位争いに該当するチームだけでなく,1 位と 2 位のチームも CS 争い に該当すると定義した(詳しくは表 3 を参照されたい)。 観戦要因は,天気,順位,実力の 3 つの変数で,観戦に対しての魅力の要因を考える。天気を表 す変数として,試合開催日の天気が雤であり,かつ球場がドームでない外球場の場合を 1,それ以 外を 0 とするダミー変数を用いる(詳しくは図 3 を参照されたい)。チーム順位として,当該試合直 前におけるホーム・ビジターそれぞれの順位を用いる。チーム実力として,ホーム・ビジターチー ムの過去 5 年間の順位総計を用いる。順位が 1 位であれば 1,6 位であれば 6 とするため,総計が大 きいほど実力がないことを表す。 人気要因は,巨人,阪神ダミーの 2 つの変数で,チーム固有の魅力に関する要因を考える。巨人 を表す変数として,ホームか否かに関わらず,当該試合において対戦カードに巨人が含まれる場合 5 なお 2010 年の分析では,得られたデータの関係上 2008 年のデータを用いた。

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6 は 1,そうでない場合は 0 とするダミー変数を用いる。阪神を表す変数として,巨人ダミー同様, 当該試合において対戦カードに阪神が含まれる場合は 1,そうでない場合は 0 とするダミー変数を 用いる。 (2) 推定結果 分析結果は表 4 にまとめた。両リーグにおける推定結果より,観客数に対して有意に正の効果を 与える変数となったのは移動コスト,開幕戦ダミー,休日ダミー,巨人ダミー,阪神ダミーであっ た。一方,有意に負の効果を与える変数はチケット価格,ホーム順位,ホーム実力であった。特に 人気要因である,巨人・阪神ダミーの係数が最も高く,観客動員数に与える影響が大きいというこ とが分かった。両リーグの推計の決定係数は 0.6938 と説明力の高いモデルとなった。以下,セリー グ,パリーグを加えた 3 つの分類を,変数ごとに考察していく。 まず,一つ目のカテゴリーである経済要因について考える。移動コストはパリーグでは負の係数 となった。これは本拠地が近く移動コストが低い球団同士の試合の方が,観客数が多くなることを 意味している。しかし両リーグとセリーグでは正の係数となった。これは表 2 から分かるように, ヤクルトと横浜という移動コストが低い対戦カードであっても,観客数が尐なくなっていることが 影響していると考えられる。チケット価格は両リーグとパリーグで負の係数となった。これはチケ ットの最低価格が高い球団ほど観客数が尐なくなることを意味している。一方でセリーグは正の係 数となった。これは巨人と阪神という 2 チームがどんな試合でも一定して平均より多い観客数を見 込めるため,チケット価格が高く設定されていても観客数が多くなっていることが影響していると 考えられる6。県民所得は両リーグとセリーグで有意とならず,パリーグでは有意となった。パリー グにおけるチケット価格の係数は 44.48 であり,これは一人当たりの県民所得が 1 万円増えた場合, 48 人観客を増やすことを示している。ここで 2008 年度の一人当たり県民所得の全都道府県平均値 は約 2,916 千円である。最高値である東京都 4,155 千円と最低値である沖縄県 2,039 千円の差は 2,116 千円と大きく,一人当たり県民所得は万円単位で大きな変動があることを考えると,パリーグにお ける試合開催地の一人当たり県民所得の効果は大きいことが考えられる。これらのことから,経済 要因についてパリーグではすべての変数が有意となった。しかし両リーグをみると有意とならない ものもあり,リーグによって効果が変わることが分かった。 次に,二つ目のカテゴリーである試合要因について考える。開幕戦ダミーは両リーグ・セリーグ・ パリーグの全てで正の係数となった。しかし,両リーグとセリーグは有意となったものの,パリー グでは有意とならなかった。開幕戦ダミーが有意であることは開幕戦が他の試合に比べ観客数が多 くなることを意味しており,両リーグにおいて,開幕戦であれば観客数が 5454 人増えることが示さ 6 甲子園球場の外野席一般大人料金は 1900 円,東京ドームの外野席一般大人料金は 2000 円である。(2011 年 現在)

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7 れている。開幕戦では多くの宣伝に加え,花火などのイベントが催されているということが影響し ていると考えられる。休日ダミーも全パターンで正の係数となった。これは休日の試合では平日の 試合に比べ観客数を増えることを意味する。両リーグにおいて,休日の試合はその他の試合に比べ て観客数が 6743 人増えることがいえる。休日の試合では始球式など様々なイベントに加え,日中に 行われるデーゲームが多く,子供連れの家族が見に行きやすいことが影響していると考えられる。 これらのことから,試合要因は両者とも正に有意なものであり,パリーグの開幕戦以外は全て観客 数増加につながっているものであることが分かった。 三つ目のカテゴリーである観戦要因について考える。降水×外球場ダミーは両リーグとセリーグ で負の係数となった。これは屋外球場において雤が降っている試合では,観客数が尐なくなること を示している。しかし両リーグ,セリーグ,パリーグすべてで有意な結果とはならなかった。これ は雤で外球場の場合,試合開始前に試合中止になることが多く,雤×外球場ダミーが 1 となる試合 が極端に尐なくなっているためだと考えられる。チーム順位はホーム・ビジターともに全パターン で負の係数となった。チーム順位が大きいほど,下位にいることを示しているので,この結果は上 位チームが関係する試合では盛り上がりをみせ,より多くの観客を呼ぶことを意味している。しか しビジター順位は全パターンで有意でなく,本拠地チームの順位だけが観客数に影響を与えること が示された。よって,この結果から対戦相手チームの順位は観客数に有意な影響を与えないという ことがいえる。チーム実力はホーム実力のすべてが負の係数となった。これは強いチームの主催試 合では多くの観客を呼ぶことを意味している。ビジター実力は両リーグとセリーグが正の係数とな ったが有意とならなかった。パリーグでは負の係数で有意となったため,実力のあるチームが本拠 地に来る場合,多くの観客を呼ぶことが分かる。パリーグにおけるチーム実力の係数の絶対値は, ホーム実力の方がビジター実力よりも大きいため,観客数への影響力はホーム実力の方が大きいと 考えられる。これらのことから,観戦要因は雤×外球場という天候の問題は有意に観客数に影響を 与えず,チームの順位と実力,とりわけ本拠地チームの順位と実力が有意に影響を与えることが分 かった。 最後に 4 つ目のカテゴリーである人気要因について考える。まず,巨人・阪神ダミーを使用する に当たって,パリーグではこの変数を説明変数から除外した。本分析では,リーグごとの観客数の 要因についての考察を目的としており,リーグごとの分類をすると,パリーグにおける対巨人・阪 神戦の割合が小さくなっているため,巨人・阪神戦は考慮しないこととした。結果から,巨人・阪 神ダミーは両リーグ,セリーグともに正に有意となった。どれも係数が高く,観客増加に対して多 大な効果があることが分かる。両リーグにおいては,巨人の試合であれば有意に 9886 人観客数が増 えるということが示されている。このことから,人気要因である巨人,阪神の試合は観客数増加に 大きな影響を与えていることが分かった。

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8 (3) 交流戦,CS の効果の検証 本節では,交流戦と CS の効果を検証する。前節で推計したモデルに交流戦と CS 争いの変数を説 明変数として加え,その効果を分析する。分析結果を表 5 にまとめた。 両リーグでの分析結果をみると,交流戦ダミーの係数は正で有意となっている。これは交流戦が 同一リーグ内の試合よりも観客数を増やすことを意味している。セリーグとパリーグでどちらも交 流戦の係数は正に有意となっているが,セリーグが 1970 人ほど観客数を増やすのに対し,パリーグ は 4210 人ほどであり,交流戦の効果はパリーグの方がより大きいということが明らかとなった。こ こでパリーグにより大きな正の効果がみられた理由として,巨人と阪神戦の影響が考えられる。巨 人と阪神は歴史が古く全国区のチームであるため,多くのファンがいる人気チームである。ファン が多く存在することにより,パリーグ主催の対巨人・阪神戦を観戦しに行く人も増え, 交流戦の効 果を引き上げると考えたためである。ここで,パリーグ主催の交流戦における巨人・阪神戦の影響 を明らかにするため,パリーグ主催試合から巨人戦と阪神戦を除いたデータを分析する。 交流戦ダミーの係数は巨人戦と阪神戦を含んでいた交流戦ダミーよりも小さく推計され,有意水 準は 10%で有意となった。これはパリーグにおける交流戦の正の効果は巨人と阪神の人気球団がそ の多くをもたらしていることを示している。つまり交流戦それ自体より,巨人戦と阪神戦が観客を 呼ぶということである。 CS 争いの係数は両リーグでは正だが有意とならなかった。リーグごとにみると,パリーグで有意 に正であり,セリーグは有意でなかった。これはパリーグにおいて CS 争いをしているチームほど, 観客数を増やすことを示している。セリーグでは CS 争いが有意とならなかった理由として,順位 争いに関わる試合が尐なかったことが考えられる。2010 年のセリーグでは 9 月に入る前に 4 位以下 のチームが上位と大きく離されてしまい,4 位以下の順位がほぼ決定してしまっていた(図 4 を参照 されたい)。4 位以下の順位が決定されてしまうと,4 位以下のチーム同士の試合,つまり消化試合 が増えてしまい,それがために CS 争いが有意とならなかったと考えられる。 4 頑健性の検討 前章では,2010 年シーズンのデータをもとに分析を行った。本章では,異なる年のシーズンのデ ータも含めた分析を行うことで,2010 年に関する分析結果が頑健なものであったのかを考察する。 ここでは観客数実数発表の開始年である 2005 年シーズン,セリーグで CS 導入の開始年である 2007 年シーズンについてそれぞれ分析し,さらに 2005 年,2007 年,2010 年の 3 シーズンを通した 分析することで,2010 年の分析結果で有意だった要因が他の年でも有意となったか,また交流戦と CS に観客増加の効果があったかを再検討する。分析手法,分析データは前章と同様である。

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9 (1) 2005 年シーズンの分析 まずは,2005 年について前章同様,両リーグ,セリーグ,パリーグに分類して分析を行い,分析 結果を表 6 にまとめた。2010 年の結果と対比して,両リーグにおいて有意となった変数は増えなか った。一方で,2010 年で有意であった開幕戦,交流戦ダミーは有意とならない結果となった。パリ ーグのみの結果では交流戦は有意となっているが,ここでも前節と同様に巨人戦と阪神戦を除いた 推計では有意とならなかった。交流戦は 2005 年が導入 1 年目ということで,魅力がまだ浸透してい なかったため観客数増加の効果が有意とならなかったと考えられる。開幕戦はインボイス Seibu ド ーム(現・西武ドーム)で行われた西武対オリックス戦の観客数が 18,698 人と多くなかったことが 原因の 1 つになったと考えられる。この年の開幕戦のあった 3 月 26 日の埼玉県所沢市の最高気温は 11 度,最低気温は-1 度と例年より低かったため,気温の低さによって観客数が尐なくなったと考え られる。また CS 争いは 1 位 2 位が独走してしまい,早い時期に順位が確定し,上位チーム同士の 争いが激化しなかったため有意な影響を与えなかったと考えられる。 (2) 2007 年シーズンの分析 2007 年シーズンも同様に分析し,結果を表 7 にまとめた。2010 年と対比し,両リーグでは県民 所得,雤×外球場ダミー,交流戦ダミーが有意となっていることが分かる。開幕戦ダミーはセリー グのみ有意とならなかった。その理由として考えられるのは,阪神タイガースの開幕戦が大阪ドー ム(現・京セラドーム大阪)で開催したことである。甲子園の収容人数が 47,000 人であるのに対し, 大阪ドームの収容人数は 36,000 人と 1 万人以上尐なく,また甲子園は 4 万人を下回る試合が尐ない ため,3 月 27 日の開幕戦が例年より観客数の尐ない試合となったと考えられる。パリーグの CS 争 いが有意に出たのは,CS 進出争いは早い時期に確定したが,1 位 2 位の優勝争いがシーズン終盤ま で長引き,盛り上がりを持続させたためと考えられる。 (3) 2005・2007・2010 年の 3 シーズンにわたる分析 最後に,3 年分のシーズンにわたって分析し,結果を表 8 にまとめた。その結果,両リーグにお いて,ほぼ全ての要因で有意な結果が得られた。分析対象のシーズンを増やし,年度ごと,リーグ ごとで特徴的になりやすい順位争いや交流戦の盛り上がりを平均した結果,交流戦・CS 争いともに 有意に観客数を増加させる要因になることが分かった。セリーグでは CS 争いが有意とならず,交 流戦が有意となった。パリーグでは交流戦,CS 争い共に有意な結果となった。しかし,ここでパリ ーグの巨人・阪神戦を除いたデータでは,交流戦の効果は有意とならなかった。このため,3 シー ズンにおける分析からも,パリーグにおける交流戦の観客増加の効果は巨人・阪神戦によるものが 大きいということが分かった。

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10 ここで,3 シーズンの分析を通じて観客数増加にもっとも大きな影響を与えている変数について 考える。試合要因では,休日・開幕戦のダミーが大きいことが見て取れる。両リーグにおける休日・ 開幕戦ダミーの係数から,休日であれば 6,080 人,開幕戦であれば 6,889 人観客数が増加すること を意味している。しかし,人気要因である巨人・阪神ダミーの係数より,巨人戦が 11,808 人,13,614 人の観客数増加が見込まれ,この東西の人気チームの試合の方が休日・開幕戦よりも大きな観客数 増加の効果があることが分かった。 5 まとめ 以上のようにして,本稿では交流戦と CS についての実証分析を行ってきた。分析の結果,交 流戦はセリーグとパリーグともに増客の効果があり,中でもパリーグにおいて巨人あるいは阪神と の対戦時に大きく観客数を増やすことが明らかとなった。また年を追うごとに交流戦の係数が大き くなっており,制度がファンの間で浸透していっていることが分かった。CS 争いについては,一概 に観客数を増加させているとは言い難く,年やリーグごとに係数の大きさと有意性が異なっており, 順位争い次第で観客数を増減させることが明らかになった。 しかし冒頭でも述べたが,プロ野球の人気低迷を表すものとして,テレビの平均視聴率がある。 観客数という面では成功を収めているといえる巨人でさえも,テレビの視聴率は減尐の一途をたど っているのである。交流戦と CS は観客数の増加だけでなく,視聴率の回復といった面も期待され ての制度だと考えられる。よって,テレビの平均視聴率に着目して分析を行うことが今後の課題の 一つであろう。また,被説明変数である観客数は球場の収容人数によって制限されており,収容人 数以上の需要があっても観客数が収容人数を超えることはない。本研究では,そのような潜在的な 需要を考慮されていない。このことから,球場の収容人数以上の需要があった試合を考慮した分析 も必要であろう。 参考文献 小野里真弓(2009)「BC リーグのマーケティングに関する基礎的研究―群馬ダイヤモンドペガサスの観戦者調査 を事例として―」上武大学ビジネス情報学部紀要,第 7 号(2), 73-82 株式会社ベースボール・マガジン社編(2005)『2006 ベースボール・レコード・ブック』株式会社ベースボール・ マガジン社 株式会社ベースボール・マガジン社編(2007)『2008 ベースボール・レコード・ブック』株式会社ベースボール・ マガジン社

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11 株式会社ベースボール・マガジン社編(2010)『2011 ベースボール・レコード・ブック』株式会社ベースボール・ マガジン社 河合 慎祐,平田 竹男(2008)「J リーグの観客数に影響を与える要因に関する研究」スポーツ産業学研究,第 18 号,11-19 頁 原田 尚幸,三浦 喜,宮田 和信(1998)「プロ野球本拠地住民の観戦意図に影響を及ぼす要因」鹿屋体育大学学術研 究紀要,第 20 号,65-71 頁 ベク チャン ヒョン(2009)「プロ野球の観戦動機に関する研究―世代間および J リーグとの比較分析―」 丸 朊子(2010)「スポーツ観戦者の観戦動機に関する研究 ―アイスホッケー観戦者に着目して―」

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気象庁(2011 年) . 『気象庁 Japan Meteorological Agency(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)』

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12 表 1 2011 年チーム別平均観客動員数

チーム名 平均入場者数(人)

1位

阪神

40,256

2位

巨人

37,736

3位

ホークス

31,860

4位

中日

29,777

5位

日ハム

27,644

6位

西武

22,106

7位

広島

21,980

8位

オリックス

19,458

9位

ヤクルト

18,726

10位

ロッテ

18,511

11位

楽天

16,225

12位

横浜

15,308

(出典) 日本プロ野球機構オフィシャルサイト

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13 表 2 2011 年 対戦カード別観客動員数ランキング ホーム ビジター 平均観客数(人) ホーム ビジター 平均観客数(人) 1位 阪神 巨人 45,226 ホークス 日ハム 34,401 2位 阪神 中日 43,201 ホークス 西武 32,240 3位 巨人 阪神 42,381 ホークス 楽天 31,343 4位 巨人 広島 39,804 ホークス ロッテ 30,124 5位 阪神 横浜 38,663 日ハム 西武 30,101 6位 巨人 中日 38,353 ホークス オリックス 30,092 7位 阪神 広島 36,142 日ハム オリックス 27,328 8位 阪神 ヤクルト 34,882 日ハム ホークス 27,093 9位 中日 巨人 33,480 日ハム ロッテ 26,188 10位 巨人 横浜 32,061 日ハム 楽天 25,241 11位 巨人 ヤクルト 31,692 西武 日ハム 23,017 12位 中日 ヤクルト 30,638 西武 楽天 22,567 13位 中日 阪神 30,153 西武 ホークス 22,337 14位 中日 広島 28,808 西武 ロッテ 22,099 15位 広島 巨人 27,882 ロッテ ホークス 21,267 16位 中日 横浜 24,401 オリックス ホークス 19,941 17位 ヤクルト 阪神 23,454 オリックス 日ハム 19,788 18位 広島 阪神 22,752 ロッテ 日ハム 19,707 19位 広島 ヤクルト 19,899 オリックス 西武 19,631 20位 広島 横浜 19,769 オリックス ロッテ 19,253 21位 広島 中日 19,417 西武 オリックス 18,523 22位 ヤクルト 巨人 19,176 ロッテ 楽天 18,312 23位 横浜 阪神 18,910 楽天 ホークス 17,473 24位 横浜 巨人 18,880 楽天 オリックス 17,441 25位 ヤクルト 広島 18,867 ロッテ オリックス 17,343 26位 ヤクルト 中日 17,372 楽天 ロッテ 16,093 27位 ヤクルト 横浜 16,500 オリックス 楽天 15,778 28位 横浜 中日 14,150 楽天 日ハム 15,748 29位 横浜 広島 13,558 ロッテ 西武 14,972 30位 横浜 ヤクルト 11,784 楽天 西武 13,196 セリーグ パリーグ (出典) 日本プロ野球機構オフィシャルサイト

(14)

14 表 3 CS 争い変数 変数 条件(9 月中に限る) 2 1 位~3 位のチーム同士の試合 1 位~3 位のチーム対 3 位とゲーム差 3 以内のチームの試合 3 位とゲーム差 3 以内のチーム同士の試合 1 1 位~3 位のチーム対 3 位とゲーム差 3.5 以上のチームの試合 3 位とゲーム差 3 以内のチーム対 3 位とゲーム差 3.5 以上のチームの試合 0 3 位とゲーム差 4 以上のチーム同士の試合

(15)

15 表 4 2010 年シーズンの分析結果

両リーグ

セリーグ

パリーグ

移動コスト

1032.94

(426.33)**

2263.443

(570.00)***

-2029.36

(643.60)***

チケット価格

-2280.08

(856.71)***

10767.64

(2506.22)***

-12534.91

(1338.77)***

県民所得

3.19

(3.57)

7.81

(5.65)

44.48

(9.61)***

開幕戦

5454.33

(2447.67)**

5872.54

(3503.74)*

3417.00

(3305.90)

休日

6743.73

(411.11)***

6167.78

(585.51)***

7392.32

(558.92)***

雤×外球場

-1550.41

(1609.65)

-2915.00

(1911.38)

1565.90

(2871.45)

ホーム順位

-858.53

(153.84)***

-1177.03

(291.93)***

-1108.23

(199.06)***

ビジター順位

5.78

(146.82)

-196.94

(247.48)

-20.11

(182.36)

ホーム実力

-754.45

(47.67)***

-843.99

(76.88)***

-951.86

(70.32)***

ビジター実力

45.66

(46.41)

43.68

(69.06)

-148.38

(62.85)**

巨人

9893.54

(636.79)***

8857.18

(771.26)***

阪神

10835.60

(616.37)***

7488.61

(853.42)***

決定係数

0.6938

0.7639

0.5146

OBS

862

432

429

注:***,**,* はそれぞれ 1%,5%,10%の有意水準を示す

(16)

16 表 5 CS と交流戦を考慮した,2010 年シーズンの分析 両リーグ セリーグ パリーグ パリーグ 対巨人・阪神除く 移動コスト 1118.68 (424.19)*** 2081.74 (572.64)*** -1202.88 (640.83)* -1409.60 (637.79)** チケット価格 -2174.18 (851.35)** 9763.63 (2545.81)*** -11766.12 (1297.51)*** -12099.87 (1281.07)*** 県民所得 3.84 (3.58) 6.01 (5.78) 48.47 (9.30)*** 49.85 (9.01)*** 開幕戦 5890.33 (2434.75)** 6223.01 (3492.00)* 4405.09 (3186.26) 4128.76 (3070.86)** 休日 6788.20 (408.48)*** 6241.02 (584.00)*** 7494.64 (538.12)*** 7821.58 (533.65)*** 雤×外球場 -1445.89 (1599.09) -2761.66 (1904.43) 1041.89 (2764.95) 1806.14 (2667.13) ホーム順位 -841.90 (153.60)*** -1134.31 (291.23)*** -1047.42 (193.13)*** -1095.87 (190.89)*** ビジター順位 -16.37 (145.99) -160.08 (248.13) -111.25 (176.21) 137.07 (175.97) ホーム実力 -747.68 (47.64)*** -827.81 (77.33)*** -923.64 (67.93)*** -900.45 (67.26)*** ビジター実力 50.68 (46.18) 57.33 (69.17) -133.95 (60.57)** -54.40 (60.01) 巨人 9886.04 (632.57)*** 9321.52 (794.00)*** 阪神 10813.49 (612.19)*** 8053.51 (884.09)*** 交流戦 1971.37 (543.77)*** 1921.25 (804.98)** 4213.50 (732.92)*** 1424.18 (857.96)* CS争い 645.25 (505.77) -130.58 (839.25) 1460.78 (589.02)** 1497.58 (567.57)*** 決定係数 0.698 0.766 0.5813 0.5587 注:***,**,* はそれぞれ 1%,5%,10%の有意水準を示す

(17)

17 表 6 2005 年シーズンの分析結果 両リーグ セリーグ パリーグ パリーグ 対巨人・阪神除く 移動コスト 2305.47 (523.34)*** 3646.95 (749.63)*** 885.92 (597.95) 1266.23 (596.07)** チケット価格 -4389.30 (1124.98)*** 25494.64 (3581.64)*** -10607.76 (1218.51)*** -10396.47 (1189.91)*** 県民所得 14.06 (4.82)*** -18.48 (7.80)** 24.86 (9.04)*** 23.72 (8.65)*** 開幕戦 2308.52 (3029.82) 5406.02 (4325.19) 2296.72 (3217.93) 711.12 (3074.10) 休日 5536.57 (510.39)*** 5286.414 (718.24)*** 5901.48 (555.75)*** 6333.84 (545.23)*** 雤×外球場 -1522.49 (1623.53) -3490.07 (1888.62)* 1143.94 (2494.35) 1905.98 (2379.41) ホーム順位 -2219.94 (183.10)*** -1389.33 (310.04)*** -2478.46 (180.48)*** -2554.53 (175.86)*** ビジター順位 -370.79 (177.85)** -222.05 (273.37) -40.76 (168.66) -358.19 (185.29)* ホーム実力 -312.34 (52.58)*** -1511.60 (123.88)*** -77.22 (44.75)* -54.77 (44.83) ビジター実力 17.59 (46.82) 25.72 (72.68) -135.26 (44.17)*** -67.77 (45.95) 巨人 14361.79 (881.38)*** 12801.54 (1167.31)*** 阪神 14135.72 (799.35)*** 13168.91 (1135.34)*** 交流戦 818.03 (580.73) 3600.83 (847.94)*** 2563.30 (656.50)*** 150.14 (708.87) CS争い 874.73 (695.40) 813.63 (539.03) 636.87 (510.11) 決定係数 0.6114 0.7182 0.5049 0.5544 OBS 853 438 408 379 注:***,**,* はそれぞれ 1%,5%,10%の有意水準を示す

(18)

18 表 7 2007 年シーズンの分析結果 両リーグ セリーグ パリーグ パリーグ 対巨人・阪神除く 移動コスト 1557.16 (503.40)*** 2194.61 (563.73)*** 690.41 (701.59) 977.55 (694.23) チケット価格 -4351.38 (989.49)*** 28845.28 (2385.62)*** -9395.31 (1321.10)*** -9492.91 (1298.49)*** 県民所得 8.42 (4.49)* -12.66 (4.90)*** -2.49 (9.49) 0.95 (9.14) 開幕戦 8071.23 (2429.52)*** 4437.95 (3392.92) 7543.72 (2747.71)*** 7177.07 (2633.00)*** 休日 5847.33 (483.01)*** 5539.93 (560.86)*** 6066.45 (610.28)*** 6150.46 (599.60)*** 雤×外球場 -3575.66 (1259.40)*** -1096.56 (1391.97) -5226.15 (1705.27)*** -5115.43 (1688.95)*** ホーム順位 -2264.56 (166.61)*** -1066.35 (227.23)*** -1980.49 (207.05)*** -2112.88 (205.69)*** ビジター順位 161.07 (161.95) -548.26 (199.80)*** -172.23 (198.12) -85.37 (195.59) ホーム実力 -296.07 (33.66)*** -1159.34 (59.75)*** -183.46 (38.50)*** -169.55 (37.70)*** ビジター実力 44.59 (37.61) -48.81 (46.01) 6.72 (45.95) 20.41 (45.14) 巨人 11393.18 (787.38)*** 4367.46 (891.99)*** 阪神 15162.46 (706.31)*** 7507.48 (814.58)*** 交流戦 1512.88 (644.24)** 477.11 (776.74) 4169.17 (830.25)*** 1227.62 (928.15) CS争い 1220.88 (510.31)** 782.09 (613.60) 1705.97 (629.73)*** 1677.80 (602.44)*** 決定係数 0.6499 0.8167 0.4864 0.5087 OBS 855 426 429 405 注:***,**,* はそれぞれ 1%,5%,10%の有意水準を示す

(19)

19 表 8 3 シーズンにわたる分析結果 両リーグ セリーグ パリーグ パリーグ 対巨人阪神除く 移動コスト 1632.08 (283.59)*** 2102.99 (383.26)*** 539.45 (386.22) 737.55 (384.69)* チケット価格 -3711.17 (562.98)*** 13878.07 (1414.62)*** -9502.08 (754.63)*** -9556.63 (746.12)*** 県民所得 5.92 (2.46)** -0.13642 (3.38) 13.96 (5.57)** 15.25 (5.38)*** 開幕戦 6889.44 (1534.83)*** 6426.48 (2304.99)*** 5538.62 (1811.70)*** 5154.45 (1740.72)*** 休日 6080.20 (276.91)*** 5723.03 (385.73)*** 6326.89 (347.23)*** 6586.71 (343.89)*** 雤×外球場 -2365.20 (858.43)*** -2497.39 (1048.45)** -2865.91 (1284.37)** -2557.35 (1258.15)** ホーム順位 -1768.95 (91.07)*** -1312.70 (132.97)*** -1959.76 (113.05)*** -2010.03 (112.44)*** ビジター順位 -10.35 (87.89) -95.81 (125.71) -156.56 (108.10) -106.97 (111.38) ホーム実力 -399.89 (22.99)*** -925.58 (41.60)*** -241.62 (25.88)*** -226.76 (25.62)*** ビジター実力 35.41 (23.81) 30.24 (33.94) -68.08 (28.89)** -21.73 (28.95) 巨人 11808.34 (413.31)*** 10142.65 (490.33)*** 阪神 13614.43 (397.80)*** 10829.55 (518.73)*** 交流戦 1165.90 (347.16)*** 2269.27 (498.74)*** 3214.25 (447.13)*** 696.02 (499.23) CS争い 1005.40 (326.97)*** 102.33 (558.93) 1139.01 (356.38)*** 1169.43 (341.83)*** 決定係数 0.6388 0.7301 0.4569 0.4804 OBS 2570 1296 1274 1190 注:***,**,* はそれぞれ 1%,5%,10%の有意水準を示す

(20)

20

図 1 巨人戦ナイター中継平均視聴率の推移

(出典) ビデオリサーチ社

図 2 プロ野球観客動員数推移

(21)

21

図 3 降水×外球場ダミー

図 4 2010 年シーズン(9 月)のセリーグ貯金推移

図 1  巨人戦ナイター中継平均視聴率の推移
図 4  2010 年シーズン(9 月)のセリーグ貯金推移

参照

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