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マニラ駐在員事務所 2013 年 5 月

なぜ今再びフィリピンか

―日本の

VIP(Very Important Partner)となり得る国―

2 編:民間に期待されるインフラ整備

はじめに 年間7%近い経済成長率を達成し、海外の投資家から見直されているフィリピン経済であ るが、いったい何が変わったのか。本誌3月号において、その変化は、まずはマクロ経済の 安定性の定着にあると述べた。アロヨ政権下から継続された財政健全化、海外労働者送金 の増加を背景とした国際収支状況の改善、健全な金融政策によるインフレ低下の定着など を大きな変化としてあげた。さらにアキノ政権が長年フィリピンで蔓延した汚職と決別し、 国民の政治に対する信頼を回復させたことが、投資家の投資意欲を高揚させ経済の改善に 拍車をかけたことを指摘した。 ただ、経済成長率は高くても、失業者と準失業者が労働人口の4割もいることから、高成 長を中長期的に持続させ雇用を拡大させていくことが必要である。おおまかにみて、雇用 を現在の約1.7倍に増大させなければ完全雇用にはならない。コールセンターや観光業など が注目を浴びているが、これだけの規模の雇用増大を行うためには農業、農産品加工業、 製造業をさらに伸ばしていくことが必要である。そのためには電力、道路、鉄道などのイ ンフラの整備が不可欠である。 インフラの中でも電力に関しては、この10 年間民営化が推し進められてきた。また道路、 鉄道などでもB O T 方式( Build, Operate and Transfer)で民活によって整備されたものも多 い 。 ア キ ノ 政 権 はPPP ( Public Private Partnership)によるインフラ整備を目指して いる。インフラ整備における最近の変化は、地 場の財閥がインフラ事業に積極的に進出して きたことである。本稿ではこうした動きについ て、電力、その他のインフラに分けて議論して みたい。 スアル石炭火力発電所(スポンサー:丸紅・東京電力、IPPA:サンミゲル) (写真提供:TeaM Energy 社) 自由化された電力セクター フィリピンの電力セクターでは2001年に自由化に向けた改革が開始された。この改革が 開始された背景には、発電・送電事業を行っていた国営のNPC(国家電力公社)の経営が 悪化し、政府債務が拡大していたことがある。1990年代前半に深刻な電力不足に陥ってい たフィリピンでは主に海外からのIPP(卸電力事業者)の導入が積極的に推し進められ、

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NPCとIPPの間に締結されたPPA(電力購入契約)によって、固定価格での電力買い取り、 燃料供給義務、為替リスクなどがNPCに負わされていた。一方でNPCは消費者には低い価 格で電力を供給することが求められており、また1997年のアジア通貨危機でペソが減価し たこともあり、その財務状況は悪化し債務は拡大した。 フィリピンの電力自由 化は2001年にEPIRA(電力 産業改革法)が施行された ことに始まる。EPIRAの目 的は、①NPCの発電・送電 事業を民営化すること、② 卸売市場の創設によって市 場メカニズムを機能させる こと、③小売市場の自由化 (オープン・アクセスの解 禁)によって需給双方間で 健全な競争が行われるよう にすること、の3点にある (図表1)。改革以前はNPC が投資決定を行っており、 必ずしも実際の需要の動き が適切に反映されておらず、そのうえ効率的なメンテナンスが行われていなかったことか ら、常に停電が発生していた。また電力価格についても、NPCによって政策的にコスト割 れの水準に設定されており、市場メカニズムを反映した水準ではなかった。 図表1 自由化による電力セクターの変化 出所:筆者作成 NPC所有の発電所の民営化は、2000年代中ごろから開始され、2012年末で約91%が民営 化されている。NPCがIPPとPPAを通じて保有していた権利義務関係も、2000年代末から 新たに設立された民間のIPPA(IPP Administrator)への移管が開始されたが注1、2012年 末で約59%について完了している注2。PPAでは期間終了後に発電所の所有権はNPCに移転 されることになっていたが、上記の民営化によってIPP資産の最終的な所有権はIPPAに与 えられることになった。送電事業についても、NPCの送電部門がTRANSCOとして分社化 され、2009年に事業権が民間企業(National Grid Corporation of the Philippines)に譲渡 された。卸売市場に関しては、ルソン地域、ビサヤ地域にそれぞれ2006年、2010年にWESM (Wholesale Electricity Spot Market)が設立された。当初はNPCがWESM価格に影響を 与えているとの批判もあったが、最近はNPCは卸売業からほぼ撤退しており、NPCの影響 に対する懸念はなくなった。

1 実務的にはIPP と NPC の間の PPA は民営化も存続し、NPC と IPPA の間では新たな契約(Administration

Contract)が締結された。IPPA はおのおのの発電所に 1 社が民間から選ばれ、IPP が発電した電力は IPPA によっ て販売される。

2 NPC の資産負債を管理する政府機関として、PSALM(ピーサルムと呼ばれる)が創設され、発電所や IPP との間

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電力自由化後の民間の動き フィリピンの電力セクターの民営化の 過程で大きな役割を果たしたのは地場の 財閥企業である。NPC保有の発電所の民 営化においてアボイティス、サンミゲル、 コンスンヒ(DMCI)、ロペスは主要な プレイヤーであった(図表2)。アボイテ ィス、サンミゲルはIPPAとしても名を連 ねている(図表3)。新規の発電所の建設 では、メトログループ、アボイティス、 メラルコなどが積極的に投資活動を行っ ている(図表4)。1990年代の電力危機 の際にはIPPというかたちで外資に新規発 電所の建設を依存していたことを考える と、大きな変化と考えられる。地場の財閥 企業が力をつけ、インフラへの投資を積極 化させたことが、電力セクター改革を進展 させたと考えられる。 電力の小売り自由化への動き 小売に関しては、送電・配電網へのオー プン・アクセスが解禁(2013年6月予定) されることで、自由化が進められていく。 これまでは、消費者は居住する地域のフラ ンチャイズを与えられている配電事業者 (配電会社、電力組合)が調達した電力を そのまま購入していた。発電価格は原則消 費者に転嫁され、消費者は低価格で電力を 供給する発電事業者を選択することがで きなかった。オープン・アクセスが導入さ れると、消費者にどの発電事業者から電力 を購入するかという選択権が与えられる。 具体的には、消費者は新たに設立された RES(Retail Electricity Supplier)と呼ば れる民間のトレーダーを通じて電力を購 入することになる注3。消費者がRESを選択 することで消費者の競争力を強化し、これ によって電力価格の適正化を目指すこと 注3 配電網は既存の配電会社のものを使い、配電会社には配電料金のみを支払う(これまでは発電料金も配電会社に支 払っていた)。

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が狙いである。オープン・アクセスは3段階に分けて進められる予定で、第1段階では1MW 以上の消費者、第2段階では0.75MW以上の消費者、第3段階ではそれ以外のすべての消費者 に広げていく。 が狙いである。オープン・アクセスは3段階に分けて進められる予定で、第1段階では1MW 以上の消費者、第2段階では0.75MW以上の消費者、第3段階ではそれ以外のすべての消費者 に広げていく。 電力セクターの今後 電力セクターの今後 電力セクターにおける今後の注目点は、まず第一に、民間に電源開発が託された今、市 場メカニズムが十分に機能し需給がタイトになることなく供給力がスムーズに拡大してい くかという点である。発電所の建設には環境やグリッドとの連結の問題などもあることか ら、想定以上に時間がかかることが多い。また中長期の需要見通しには不確実性があり、 実際の投資決定は需要に後追いのかたちでなされることが多い。もちろん、需給の不確実 性には、予備力注4を確保することで対応することになっている。しかし、予備力市場が成 立しておらず、予備力に対して適正な対価が払われないことから、十分な予備力の確保は 困難と指摘されている。電力価格がすでに高く消費者がこれ以上のコストを負担できない ことが、予備力の確保を難しくさせてい 電力セクターにおける今後の注目点は、まず第一に、民間に電源開発が託された今、市 場メカニズムが十分に機能し需給がタイトになることなく供給力がスムーズに拡大してい くかという点である。発電所の建設には環境やグリッドとの連結の問題などもあることか ら、想定以上に時間がかかることが多い。また中長期の需要見通しには不確実性があり、 実際の投資決定は需要に後追いのかたちでなされることが多い。もちろん、需給の不確実 性には、予備力注4を確保することで対応することになっている。しかし、予備力市場が成 立しておらず、予備力に対して適正な対価が払われないことから、十分な予備力の確保は 困難と指摘されている。電力価格がすでに高く消費者がこれ以上のコストを負担できない ことが、予備力の確保を難しくさせてい (写真提供: る。 第二に電力市場に健全な競争環境が確 保されていくかという点も今後の注目点 である。発電事業においては市場占有率 の上限がグリッドごとおよび全国レベル で設定されているものの、実際のプレイ ヤーはサンミゲル、アボイティス、ロペ ス、メトログループ等の数社のみである。 またマニラ首都圏およびその周辺の配電 会社であるメラルコは、ルソン島の75% の配電を行っているうえ、最近発電事業 にも進出し、小売市場にもローカルRE として進出している。電力市場が寡占 状態であるなか、オープン・アクセス によって消 る。 第二に電力市場に健全な競争環境が確 保されていくかという点も今後の注目点 である。発電事業においては市場占有率 の上限がグリッドごとおよび全国レベル で設定されているものの、実際のプレイ ヤーはサンミゲル、アボイティス、ロペ ス、メトログループ等の数社のみである。 またマニラ首都圏およびその周辺の配電 会社であるメラルコは、ルソン島の75% の配電を行っているうえ、最近発電事業 にも進出し、小売市場にもローカルRE として進出している。電力市場が寡占 状態であるなか、オープン・アクセス によって消 SRPC 社) S 費者の競争力が強化されたあとに、市場が健全な競争状態で機能するかが注目 力価格が大幅に下がるかどうかに 社) S 費者の競争力が強化されたあとに、市場が健全な競争状態で機能するかが注目 力価格が大幅に下がるかどうかに サンロケ多目的ダム(スポンサー:丸紅・関西電力、IPPA:サンミゲル) される。 今後電力価格が下がるか否かも注目点であるが、そのためには、十分な供給量・競争環 境の確保が重要なことはいうまでもない。しかし、ほかのいくつかのASEAN諸国と異なり 燃料などへの補助金がないことから、消費者が支払う電力価格が補助金のある国より高く なることはやむを得ない。またルソン地域だけでは1万MW程度の規模のマーケットであり、 電力セクターが効率的になるためにはマーケット規模がさらに拡大する必要がある。した がって、民営化による効率の改善などはあるものの、電 される。 今後電力価格が下がるか否かも注目点であるが、そのためには、十分な供給量・競争環 境の確保が重要なことはいうまでもない。しかし、ほかのいくつかのASEAN諸国と異なり 燃料などへの補助金がないことから、消費者が支払う電力価格が補助金のある国より高く なることはやむを得ない。またルソン地域だけでは1万MW程度の規模のマーケットであり、 電力セクターが効率的になるためにはマーケット規模がさらに拡大する必要がある。した がって、民営化による効率の改善などはあるものの、電 ついては効率性の改善がどの程度進むかに依存する。 一方、電力セクター改革が財政面に与えた影響は大きい。2000年代初頭はNPCの赤字お ついては効率性の改善がどの程度進むかに依存する。 一方、電力セクター改革が財政面に与えた影響は大きい。2000年代初頭はNPCの赤字お 注4 予備力とは需給の突発的な変化に対応するために発電所をフル出力にせず余裕のある状態にしていることをいう秒 単位の超短期の周波数変動に対応するためのものと、発電設備の故障やより長い期間の需要変動に対応するための ものとある。

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よび債務によって財政状況は苦しい状況にあった。しかし、民営化を通じて財政支出の拡 大および公的債務の増加には歯止めがかかっている。事実、財政赤字はGDP比で2%前後に 縮小しているし、公的債務も2004年のGDP比74%から2012年には同51%に減少している。 財政状況の改善が評価され、本年4月にはフィッチが、同年5月にはスタンダート・アンド・ プアーズがフィリピン政府の信用格付けをBBB-に引き上げた。電力セクター改革はフィ ピンのマクロ経済の安定に寄与したと評価できる。 るTPLEX ations(IRR)が改正されたが、民間提案型には財政補助金は出されない リ 電力以外のインフラ整備 電力以外のインフラについては、アキノ大統領はPPPによって整備することを謳ってい る。財政に余裕のないフィリピンがインフラを整備するには民間の協力を得る必要がある との考えがその背景にある。ただし、民間によるインフラ整備は現政権に始まったことで はない。フィリピンは1990年にBOT法を制定しており、アジアで最初にBOT手法を法制化 した国である。電力でもIPPにはこれまでBOT手法が用いられ、電力以外ですでにBOT手 法が活用されたものもある。たとえば1999年に開通したMRT3号線(マニラ首都圏の都市 交通)、2008年に開通したSTAR(Southern Tagalog Arterial Road:バタンガス州の高速 道路)、2011年に開通したMetro Manila Skyway(マニラ首都圏の高速道路)、2011年に 開 通 し たManila-Cavite Expressway 、 2013 年 5 月 に 開 通 が 予 定 さ れ て い

(Tarlac-Pangasinan-La Union Expressway)などはBOT手法が用いられた。

汚職撲滅を目指す現政権がPPPを活用するうえで特に重要視している点は、透明性の高 いかたちでプロジェクト実施主体を選定することである。そのため、民間提案型(unsolicit) の案件でなく、政府要請型(solicit)の案件に重点をおくことにしている。政府要請型の場 合は、政府が入札によってプロジェクト実施主体を選定するため、より透明性が確保でき ると考えている。民間提案型で活用されるスイスチャレンジ方式では十分な競争環境が整 わず、透明性の確保が難しいとみているようである。2012年7月にBOT法のImplementing Rules and Regul

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また、政府のPPP案件に対する財政支援については、プロジェクトごとにバイアビリテ ィーを精査してバンカブルでないときにのみ財政資金を一定額投入することになっている (原則政府要請型の案件のみ)。一方、需要リスク(交通量リスクなど)や為替リスクに 対する保証については、政府は原則行わない方針である。現在入札参加者の審査が行われ ているマニラ首都圏のLRT1号線の南伸プロジェクトについては、政府は車両部分を日本の 政府開発援助(ODA)を活用して資金支援する予定であり、O&Mおよび鉄道土木をPPP の事務負担も大きくなる。そのようななか本年中に こ ジェクトはインドネシアやマレーシアなどの外資が っていたことを考えると、地場の財閥がインフラに大きな役割を果たすようになってき 化は大きいといえよう。 うした地場の財閥の動きを地場の銀行も積極的に支えている。過剰流動 性を背景に地場の銀行は積極的にインフラ事業に貸付を行っており、この点も最近の大き プロジェクトとし、プロジェクト実施主体に対して交通量リスクを負うことを要請してい る。 アキノ政権は2010年11月に投資家を集めてインフラ・フォーラムを開催し、PPPの取組 方針および2011年に入札にかけるインフラ10案件につき説明を行った。しかし、実際に同 年中に入札にかけられたインフラ案件はダンハリ・SLEX連結道路のみであり、案件の進捗 が遅いとの批判が出た。その後、2012年7月にインフラ以外のPPPプロジェクトとして、学 校校舎建設フェーズⅠの落札が行われ、本年4月にはインフラ第2号案件としてNAIA Expresswayの入札・落札が行われた。また、入札には至らないものの、近い段階に進んだ ものがいくつか出てきている。PPPプロジェクトは、基本スキームのNEDA Board注5によ る承認→入札企業の事前資格審査(Prequalification)→入札(Bidding)→落札(Award) とのプロセスで進んでいく。入札企業の事前審査の段階にきているものは6件(うちインフ ラ案件は4件)あり、それ以外にNEDA Boardだけを通ったものが2件(ともにインフラ案 件)ある。これまでの案件進捗スピードから推察すると、事前資格審査段階にある6件は本 年中に入札が行われる可能性が十分ある。政府要請型のプロジェクトの場合、基本スキー ムの策定、実施主体の選定など、政府 れらのインフラ案件をスムーズに動かすことができれば、現政権のPPPについても一定 の評価が与えられることになろう。 PPPのインフラ案件の推進力になっているのもやはり地場の財閥である。ダンハリ・ SLEX連結道路はアヤラが落札しており、NAIA Expresswayもサンミゲルが落札した。事 前資格審査段階の案件をみても、アヤラ、サンミゲル、メトロ・パシフィック・インベス トメント、シューアート、コンスンヒ(DMCI)、アボイティス等の地場の財閥が名を連ね ている。以前のBOT型の高速道路プロ 入 た。この変 おわりに 以上みてきたとおり、電力においてもその他のインフラにおいても、フィリピンにおい ては民間の果たす役割が大きくなっており、特に最近は地場の財閥が積極的にインフラ事 業に進出していることは大きな変化と考えられる。マクロ経済が安定し、現政権の汚職撲 滅の姿勢もあって、信用格付けも上昇傾向にあり、インフラ事業に対する投資意欲が拡大 してきている。こ 注5 国家経済開発庁の理事会のこと。持続的経済成長と公平な所得分配を達成すべく、国家の開発計画および政策策定 の調整を行う。議長は大統領で、閣僚で構成。

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な変化である。 しかし、一方でインフラ 事業に対する財政支援は削 減され、需要リスクや為替リ スクに対する政府の保証は なくなる方向にある。特に MRT/LRT、高速道路、空港 等の交通案件については、プ ロジェクトごとの需要予測 を正確に立てるのが困難で あり、また需要が予測から大 幅に乖離した場合、資本コス トの回収に十分な水準の収 入を確保することが難しくなる。政府の保証がないことから、そのような事態が発生した 場合、プロジェクト実施主体あるいはレンダーに与える影響は大きい。需要が予測通りに 増大していくように、政府のほかの交通手段に対する政策が整合的で運営されていく必要 がある。また十分な収入が確保されない場合の運賃設定 エドサ通りを走るMRT3号線(建設:三菱重工・住友商事) (筆者撮影) の柔軟化も必要となる。 いずれにせよ、電力にせよ、PPPにせよ、インフラ・プロジェクトが成功するためには、 インフラ・サービスに対する需要が喚起される必要がある。そのためには、産業振興が同 時になされ、経済活動がいっそう活発になり、国民の所得が上昇し、実際の利用者が増え る必要がある。フィリピンの国内資本は不動産などのサービスに傾斜しており、今後は製 造業等の雇用創出効果のある産業の振興にいっそうの力を入れる必要がある。製造業が活 発になるためには外資、特に日本に期待される役割が依然として大きい。次号では今後期 待される日比のパートナーシップについて論じることにする。 国際協力銀行 マニラ首席駐在員 石川 純生 岩崎 浩美 ※ この記事は、一般財団法人海外投融資情報財団(JOI)の機関誌「海外投融資」(2013 年 5 月号)に掲載された ものです。

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