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Academic year: 2021

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(1)

ブラジルの高等教育

における日本語教育

向井裕樹

(ブラジリア大学)

Yuki MUKAI

(Univ. of Brasilia)

パネル:プロフィシェンシー

の視点から見た世界の日本語

教育現場

2017年8月4日,5日 第11回OPI国際シンポ 台湾大会 淡江大学

(2)

1. ブラジルにおける日本語教育の変遷 2. ブラジルにおける日本語学・日本語教育研究の動向 3. 4技能に関する日本語教師のビリーフ 4. ブラジルの高等教育で使用されている日本語の主教材 5. ブラジリア大学における日本語教育の事例 6. まとめと今後の課題

(3)

1. ブラジルにおける日本語教育の変遷

1.

母語教育(1908年~)

移民開始&短期労働

2.

継承語教育(戦後~)

経済的安定,永住を決意

3.

外国語としての日本語教育

1980年

日本人移民の歴史を持つブラジルでは,長い年月を経て今日 の「外国語としての日本語」教育という形が出来上がった。 <日本語教師像>日本人(1世:オールドカマー,ニューカ マー),2世,3世など日系のルーツを持ち,母語や継承語と して日本語を習得した日系ブラジル人から,日系のルーツを 全く持たず,外国語として日本語をゼロから学んだブラジル 人など,その背景は多種多様である。 第1節 1/1

(4)

2. ブラジルにおける日本語学・日本語

教育研究の動向

現在,8つの大学で日本語専攻科が開講されている。

サンパウロ大学(1964年),リオデジャネイロ連邦大

学(1979年),リオ・グランデ・ド・スル連邦大学

(1986年),サンパウロ州立大学アシス校(1992年),

ブラジリア大学(1997年),リオデジャネイロ州立大学

(2003年),パラナ連邦大学(2008年),アマゾナス連

邦大学(2011年)

1990年ー第1回全伯(全ブラジル)日本語・日本文学・

日本文化大学教師学会

(南米では伝統がある最大の学会)

動向を調査ー1991年(第2回大会)から2014年(第23

回大会)の学会誌の「言語」のセクションに掲載された

211本

の論文タイトルを数量的に分析

第2節 1/3

(5)

図1-第2回大会(1991年)から第23回(2014

年)大会までの

日本語(学)

日本語教育

全体

(言語,文学,文化)の論文数の散

布図と近似曲線

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 5 10 15 20 25 本数 大会回数 日本語(学) 日本語教育 全体 第2節 2/3

(6)

プロフィシェンシーに関する

研究

表1-プロフィシェンシーに関する用語と出現回数 注)AntConc(バージョン3.4.4w2014)の「ワードリスト」機能を使用 ワードトークンは1475 用語 出現回数 産出 (produção) 4回 口頭 (oral, oralidade) 3回 読解 (leitura) 3回 ラ イ テ ィ ン グ (escrita) 2回 聴解 (compreensão) 1回 プロフィシェンシー (proficiência) 1回 第2節 3/3 用語 出現回数 日本語 112回 言語 91回 教育 34回 表2-出現回数 Top 3 1991年(第2回大会)から 2014年(第23回大会)の 学会誌の「言語」のセク ションに掲載された211本 の論文タイトルに使用さ れた語彙の頻度別リスト

(7)

3. 4技能に関する日本語教師

のビリーフ

2017年4月から5月にかけて,ブラジルの

高等教育における日本語教育(口頭運用に

関する教室活動と評価)について調査を

行った。

主にブラジルの国公立大学の日本語専攻科

に所属し,最低5年以上の教授経験を有する

(新人ではない)専任講師8名(サンパウロ

1名,ブラジリア3名,リオデジャネイロ1名,

パラナ1名,マナウス2名)からアンケート

の回答を得た。

第3節 1/4

(8)
(9)

図2 - 4技能の重要度に関するビリーフ

0 1 2 3 4 5 6 7 聞く 話す 読む 書く 5 3 0 0 1 3 4 0 1 2 4 1 1 0 0 7 人数 とても大切 大切 どちらかと言えば大切 あまり大切ではない 第3節 3/4

(10)

本研究参加者のビリーフ

(1)「話すことにつなげていくには,まず聞くことが大切だと 考えており,「読む」より「話す」ことを「とても大切」に選んだ のは,読み書きより,話す・聞く力をつけてもらいたいと考 えて授業を行っているからです。」(M,アンケート) (2)「外国語教育では4技能の養成が大切だと思いますので, 初級の段階から4技能を育てられる活動を行うようにしてい ます。まず(目標言語が)耳からたくさん入ると,話せるよ うになるので,「話す」ためには「聞く」ことがとても大切 です。また,「読む」ことによって,語彙や表現も増えるの で,「書く」技能を磨いていけると思います。」(R,アン ケート) (3)「コミュニケーションには,やはり聞き取る能力,そして それを伝える能力が大事だと思います。」(Teo15,アンケー ト) (4)「理解ができないと会話にならないので,まず聞くこと。 それから話すこと。しかし読めないと話すときの語彙や表現 が増えないので,「書く」よりも「読む」を優先。」(Ko, アンケート) 第3節 4/4 10 「話せる」ようになるためには,ま ず「聞く」ことが重要であるといっ たビリーフ

(11)

4. ブラジルの高等教育で使用

されている日本語の主教材

初級レベルの教科書に『みんなの日本語』(スリー

エーネットワーク)が多い。

その理由の1つに,「『みんなの日本語』は副教材も

多いし,聴解タスクも別冊もあり,よくできているので

それを使用」(Teo15,フォローアップメール)してい

る,「もう既に『みんなの日本語』が学科の教科書とし

て使用されていた」(M,フォローアップメール)と

いった回答が見られた。

ブラジルの高等教育では「読み書きより,話す・聞く

力をつけてもらいたいと考え授業を行っている」教師が

増えてきているようではあるが,それが主教材の選択に

どこまで反映されているのか議論の余地がある。

第4節 1/2

(12)

学部 公開講座 ブラジリア大 学 (UnB) 1,2年生(初級文法)『日本語初歩』 (国際交流基金) 3,4年生『日本語中級1』(国際交流 基金) 『みんなの日本語』 (スリーエーネットワーク) <国境なき言語コース> 『まるごと(かつどう)』(国際交 流基金) 初級文法では,『日本 語初歩』の構造シラバ ス(文法項目提示順 序)のみを利用してい る。 現在,学部の授業でも 『まるごと』を取り入 れるか検討中。 リオデジャネ イロ連邦大学 (UFRJ) 1,2年生『みんなの日本語初級1, 2』(スリーエーネットワーク) 3年生『テーマ別 中級から学ぶ日本 語』(研究社)&『J.BRIDGE to intermediate Japanese』(凡人社) 4年生『新・中級から上級への日本語』 『生きた素材で学ぶ新・中級から上級へ の日本語ワークブック』(ジャパンタイ ムズ) 『まるごと(かつどう+りかい)』 (国際交流基金) <国境なき言語コース> 『まるごと(かつどう)』 (国際交流基金) リオデジャネ イロ州立大学 (UERJ) 1,2年生『みんなの日本語初級1, 2』(スリーエーネットワーク) 3,4年生『テーマ別 中級から学ぶ日 本語』(研究社) 『テーマ別 上級で 学ぶ日本語』(研究社) 『みんなの日本語初級1』 (スリーエーネットワーク) サンパウロ大 学 (USP) 独自の文法教材 独自の教材 パラナ連邦大 (UFPR) 1,2年生『みんなの日本語初級1, 2』(スリーエーネットワーク) 3,4年生『J.BRIDGE to intermediate Japanese』(凡人社) 初級は独自の教材。 中級は『中級へ行こう』(スリー エーネットワーク)または『中級を 学ぼう』(スリーエーネットワー ク) <国境なき言語コース> 『まるごと』(かつどう) 漢字は『初級日本語 げんき1』 (ジャパンタイムズ) アマゾナス連 邦大学 (UFAM) 1,2年生『みんなの日本語初級1, 2』 3,4年生『みんなの日本語中級』 (スリーエーネットワーク) 『まるごと』(かつどう,りかい) <国境なき言語コース> 『まるごと』(かつどう,りかい) 漢字は『みんなの日本 語』の漢字練習帳 12

(13)

5. ブラジリア大学における

日本語教育の事例

ブラジリア大学(国立総合大学)の日本語専攻科 日本語教師養成コースで,日本語を専攻する教職課程 日本語と教授法の両方を学ぶコース 学期制のため毎学期28名の新入生が入学 現カリキュラム:1,2年生で初級文法・実践を学び,3年生(5学 期目)から中級が始まる 3年生からクラスの人数が減少する傾向が見られる(非漢字圏) 学生の要望:「話す」技能を伸ばせるようなカリキュラム コースデザインの改革:現行の演繹的文法教育から,まず日本語を 十分に聞かせて実践中心の帰納的文法教育へ つまり,学生の日本語のプロフィシェンシー,特に「聞く」「話 す」(「やりとり」を含む)技能をゼロ初級の段階から意識したカリ 第5節 1/1

(14)

6. まとめと今後の課題

「外国語としての日本語」教育の歴史は意外と浅い。  プロフィシェンシーに関する研究自体もあまり行われてこな かったことが反省点として挙げられる。  本研究の参加者である日本語教師は,「聞く」と「話す」技 能がより大切で,特に,「話せる」ようになるためには,ま ず「聞く」ことが重要であるといったビリーフを抱いてい る。  ところが,実際の学部の授業では構造シラバスの教科書が多 く使用されている。  (ブラジルの高等教育の今後の課題)学習者のプロフィシェ ンシーが伸ばせ,コミュニケーションに必要な力をつけるこ とを意識したコースデザインに設計し直す。つまり,一貫性 のあるコースデザインを設計していく必要がある。 第6節 1/1

(15)

参考文献

本田弘之・岩田一成・義永美央子・渡部倫子(2014)『日本語教育学の歩き 方-初学者のための研究ガイド-』大阪大学出版会

森脇礼之(2008)『ブラジルにおける日本語教育史:その変遷と近年の動 向』(Campinas, SP: Unicamp出版社).

MORALES, Leiko Morales (2008) Cem anos de imigração japonesa no Brasil: o japonês como língua estrangeira(「ブラジル日本移民100年-外国語としての日本語 -」). São Paulo, 313 f. Tese (Doutorado em Linguística) – Faculdade de Filosofia, Letras e Ciências Humanas, Universidade de São Paulo.

向井裕樹「ブラジルにおける日本語(教育)研究の動向と今後の展望-全伯 日本語・日本文学・日本文化大学教師学会誌からの数量的,及び質的考察 -」(第11回ブラジル日本研究国際学会及び第24回全伯日本語・日本文学・ 日本文化大学教師学会学会誌,印刷中)

MUKAI, Yuki; JOKO, Alice Tamie; PEREIRA, Fausto Pinheiro (Orgs.) (2011) A língua

japonesa no Brasil: reflexões e experiências de ensino e aprendizagem(「ブラジル

における日本語-教育と学習の内省と経験-」). 1. ed., Campinas: Pontes. 吉川・一甲真由美エジナ(2005)「ブラジル人が日本語を教える時代」『遠 近(をちこち)』(Aug./Sep., pp. 44-45).

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