足立区防災まちづくり基本計画
−概要版−
足 立 区
平成20年3月
序 章 計画改定の背景
足立区では、昭和57年3月に“大地震による火災から区民の生命と財産を守る”た め、「足立区防災まちづくり基本計画」を策定し、この計画に基づき各種事業を展開し てきました。 その後、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、密集市街地に被害が 集中し、改めて密集市街地の地震対策及び防災まちづくりの重要性や緊急性が再認識さ れました。このため、区では平成12年5月に「新たな防災まちづくり基本計画」とし てこの計画の改定を行いました。しかし、阪神・淡路大震災後や平成16年10月に発 生した新潟県中越地震をはじめ直近の地震では、古い建物の倒壊が多く見受けられ、建 物の耐震性の重要性が再認識されました。 今回の改定では『防災輪中計画1』の考え方を継承しつつ、“自分の生命やまちは自 分で守る”ことにつながる建物個々の耐震性の強化を図ることを視点の一つに加え、地 震災害からの被害を最小限にとどめる災害予防(減災2 )計画を中心に、復興まちづく り計画も含めた計画としました。 沿道建築物の 不燃化、耐震 化及び高層化 防火帯となる 都市計画道路 防火帯に囲ま れた生活圏 ■防災生活圏の形成イメージ第1章 計画の基本理念と位置づけ
1 計画の基本理念 (1) 「地震災害に対し、区と区民及び事業者が協働し、それぞれの役割を担い、 逃げないですむ防災まちづくりを推進すること」を基本理念とします。 (2) 行政と区民及び事業者の役割分担による防災まちづくりを推進します。 2 計画の位置づけ (1) 地域防災総合計画における位置づけ (2) 防災に関するまちづくり計画としての位置づけ 3 計画の期間と目標 (1) 計画期間は、基本構想・基本計画や都市計画マスタープランと整合を図り、 平成28年度までの9年間とします。 (2) 計画の目標 ① 密集事業地区内の不燃領域率37%を40%以上とします。 ② 重点整備地域の不燃領域率50%を60%以上とします。 ③ 70地区の防災生活圏のうち、都市計画道路が整備されて防火帯の基礎 ができている40地区を45地区とします。 行政の役割 区 内 全 域 防 災 生 活 圏 個 レ ベ ル 区 区民の役割 区 民 ・ 事 業 者 支援 協力 ■行政と区民の役割分担 ■防災生活圏の形成方針図第2章
逃げないですむ防災生活圏づくりの基本的な考え方
1 減災の基本方針 減災の防災まちづくりは、骨格的な防災施設の整備、防災生活圏内の防災施設の 整備、災害に強い建物づくりと地域防災特性に応じたまちづくりから成り立ちます。 特に防災性の高い市街地の形成は、防火帯の整備による市街地延焼火災を防止す るために、骨格的な防災施設の整備を進めることが重要です。 次に防災生活圏内における地区レベルの防災施設の整備や建物等個別の安全性確 保のための取り組みが必要であり、それには地区の現状に応じて展開する必要があ ります。また、防災の地域特性により密集事業を活用していきます。 2 都市復興の基本方針 震災発生時の被害を最小限にとどめるように、日頃から防災まちづくりに取り組 むことが重要であり、もし万が一被災した場合は避難所運営本部を中心に速やかに 復興を進め、被災を繰り返さない災害に強いまちとして復興させることが必要です。 区では、都市復興を迅速かつ円滑に進めるために「足立区震災復興対策及び震災 復興事業の推進に関する条例3」と「足立区被災市街地復興整備条例4」を制定して います。 そして災害に備えて「足立区都市復興マニュアル」を策定し、都市の復興プロセ スを明らかにするとともに職員復興模擬訓練をおこなっています。第3章 区内全域における減災のまちづくり
1 骨格的な防災施設の整備 (1)災害対策拠点や広域避難場所などを位置づけ、それらを整備します。 ① 区役所周辺は総合的な災害対策拠点として、地区計画制度の活用による 防災環境の向上を図ります。 ② 備蓄倉庫や応急給水槽等の周辺道路整備を進め、輸送経路の確保と安全 性の強化を図ります。2 防災生活圏内の防災施設の整備 (1)被災者の生活拠点や救済拠点としての避難所を整備します。 ① 避難所となる公共施設の耐震性と耐火性を向上させます。 ② 避難所建物周辺に防火性能の高い樹種を配慮して緑化(防災植樹)に努 めます。 (2)避難路や消防活動の迅速化を図るための道路を整備します。 地区幹線道路、主要生活道路及び細街路の整備に努めます。 (3)防災活動の拠点としての公園や緑地及び消防水利を整備します ■ 地区防災施設や防災活動空間のイメージ ■ 骨格的な防災施設整備 <地区防災道路> 地区幹線道路(幅員 8m∼12m) 主要生活道路(幅員 6m以上) <防災活動拠点> 学校(避難所) 街区公園等 地区幹線道路の整備による緊急 車両通行可能道路のネットワー ク化 行き止まり道路の改善 防火帯沿道の不燃化誘導 主要生活道路の整備による 防災活動空間のネットワー ク化 接道部緑化や小規模な緑地確 保により形成するソフトなネ ットワークルート 避難所など防災活動拠点 周辺 のアクセ ス路の 改 善、ネットワーク化 親水水路、緑道等で形成するハ ードな施設によるネットワーク ルート 休息地となりガイドとなる ほか、貯水槽等があるプチ テラス 公共施設内での防災活動空 間(広場等)の創出 細街路(幅員 4m)整備 およそ 250m∼500m およそ 500m∼1km およそ 250m∼500m およそ 100m
3 災害に強い建物づくり (1)新しい建築物の安全性の向上を図ります。 ① 確認申請における指導を強化します。 ② 道路に接する場所ではブロック塀から生垣化へ誘導します。 (2)既存建物の安全性の向上を図ります。 ① 木造住宅等の耐震化を総合的かつ計画的に推進します。 ② 老朽木造建物密集地区の不燃建築物への建替えを誘導します。 ③ 倒壊のおそれがある老朽建築物への適切な指導をおこないます。 ④ 不特定多数が利用する建築物は特に安全性の確保に努めます。