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断においては特にこの認識が重要なのであり 以 下に概説する A. 通常観察 早期大腸がんの肉眼形態分類および発育形態分 類 8 を図 2 に示した 承知のとおり現在まで 大 腸癌取り扱い規約では大腸腫瘍の肉眼形態に関し ては早期胃がんの分類に準じた分類が採用され てきた 9) すなわち 高さのみを基

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大腸がんの診断と治療

昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 工藤進英 キーワード Pit pattern診断 Vascular pattern分類 NBI (narrow band imaging) system

超拡大内視鏡(Endocytoscope) 人間ドック 25(1)9-20, 2010

総 説

はじめに 今,大腸がん,特に平坦・陥凹型腫瘍が世界か ら注目されている.世界において陥凹型早期大腸 癌は,2000年に発刊された「WHO Classification of tumors:Pathology and Genetics of Tumors of the Digestive System1)」で初めてWHO classificationに 取り上げられ,2003年には「パリ内視鏡分類」と して本邦の「大腸癌取扱い規約」の分類を踏襲した 大腸表面型早期癌の肉眼分類が「Gastrointestinal

Endoscopy」誌 のSupplement号2)として掲載さ

れ た. さ ら に2008年 に は 著 者 とLambertに よ り「Kyoto Workshop on Nonpolypoid Colorectal Neoplastic Lesions」が開催され,そのWorkshop の 内 容 が「Gastrointestinal Endoscopy」誌 の

Supplement号3)に掲載された.そのほか,2008年

には「New York Times」に平坦陥凹型腫瘍の概念 が取り上げられ,その悪性度の高さと日本人が大 腸がん研究を牽引していることが紹介されている. 著者らは,秋田赤十字病院在籍中に大腸Ⅱcを 数多く報告し, 癌である大腸Ⅱc病変は, 決して幻のがんではなく大腸がんのメインルー トではないかと主張してきた(図1).また近年, 内視鏡診断においては,拡大内視鏡だけでなく, NBI/FICE(narrow-band imaging/flexible spectral imaging color enhancement) 等の画像強調イメー ジングが普及し,内視鏡診断の領域は,大きく進 歩している4-7) 当院では,全例で拡大内視鏡を用いた大腸内視 鏡検査を施行しており,病変を発見した場合,通 常 観 察 に 続 きNBI併 用 拡 大 観 察 で のvascular pattern分類による腫瘍・非腫瘍の鑑別をした後, 色素拡大内視鏡によるpit pattern診断を行い,治 療方針を決定している.Pit pattern診断により, 腫瘍・非腫瘍の鑑別のみならず,腫瘍の深達度診 断検査が可能となり,さらにVascular pattern分類 を併用することで,より簡便で,かつ,精度の高 い診断が可能となると考える.また,超拡大内視 鏡(endocytoscope:EC)は,病変の組織を採取す ることなく,その場で生きた病変を細胞レベルま で観察することができる次世代のデバイスである. このEC画像は生きたがん細胞を観察 可能であり,内視鏡診断の極みである. 内視鏡診断 病変の局在,大きさや肉眼形態の他, 色調や表面の性状,緊満感や襞の集中, 白斑の有無などの観察を行う.拡大内 視鏡によるpit pattern診断が普及し, その有用性が認識されている昨今であ るが,やはり通常観察でその腫瘍の特 徴的な所見を認識し,診断に加味する ことは非常に重要である.従って,わ れわれは腫瘍の発育・進展を加味した 肉眼形態診断(発育形態分類)を行うこ とを推奨している.早期大腸がんの診

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断においては特にこの認識が重要なのであり,以 下に概説する. A. 通常観察 早期大腸がんの肉眼形態分類および発育形態分 類8)を図2に示した.承知のとおり現在まで,大 腸癌取り扱い規約では大腸腫瘍の肉眼形態に関し ては早期胃がんの分類に準じた分類が採用され てきた9).すなわち,高さのみを基準として隆起 型 I型,表面型 II型 に分け,さらに表面型を表面 隆起型 IIa ,表面平坦型 IIb ,表面陥凹型 IIc に 分類する方法である.しかし,多くの症例につい て詳細な臨床病理学的検討がなされた結果,大腸 腫瘍の発育進展様式が明らかになってきた.それ に伴い腫瘍としての性質や発育様式を加味した分 類が求められるのは必然であり,以上の観点で 我々は腫瘍としての発育様式を加味した発育形態 分類を提案してきている.隆起型は上方向発育 を主体とする腫瘍群であり,有茎性 Ip ,亜有茎 Isp ,無茎性 Isに分けられる.表面型は側方発育 を主体とする腫瘍群であり,表面隆起型 IIa ,陥 凹局面のない色素の貯留を示す表面隆起型腫瘍は IIa + depressionとしている.腫瘍径10mm以上 の側方発育を主体とした表面隆起型腫瘍はLST: Laterally Spreading Tumorと総称される.これら はgranular typeと,non-granular typeに亜分類さ れ,さらにgranular typeはhomogeneous typeと mixed nodular typeに,non-granular typeはflat elevated typeとpseudo-depressed typeに細分類さ れる(図3).陥凹型は下方向を主体とする腫瘍群 であり,絶対陥凹のIIc,IIc + IIa相対陥凹のIIa + IIc,Is + IIcが存在する.陥凹内は IIcとして発 症し陥凹内の腫瘍量の増大に伴いIIa + IIc型,Is + IIcと発育するものと考えられる(図4).特にIIc 型病変は極めて小さいうちからSM浸潤し,進展 が早いものと考えられている.一方,小さいIIa 型病変にはほとんどSM癌は存在しない.IIa型と IIc型を同じ表面型という表現することは,発育 進展を考えれば明らかに無理があると考えている. ⅢL pitと呈する小さいⅡaは隆起型あるいはLST の芽である. 図 2 大腸がんの発育進展

図 4 Depressed type early colorectal cancers

IIc IIa+IIc IIc+IIa Is+IIc 図 3 亜分類 顆粒型 (granular type) 非顆粒型 (non-granular type) 顆粒均一型: homogeneous type(homo) 平坦隆起型: fl at-elevated type (F) 結節混在型:

nodular mixed type (Mix)

偽陥凹型:

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B. NBI を用いた拡大観察; 詳細は文献を参照していただくこととするが, NBI system とは,赤血球中のヘモグロビンの光 学特性に最適化されたスペクトル幅の狭い光(狭 帯域光)を使用することにより,粘膜表層の血管 像のコントラストを上昇させ,視認性を高める画 像診断技術である4).NBI拡大観察によって血管 走行やネットワークの形成,分布,太さ,不整像 を詳細に観察することにより,腫瘍性病変の異型 度や早期がんでは深達度診断を行うことが可能と なってきた.現在では,佐野分類5)を筆頭に様々 な分類が存在するが,当センターでは,組織型別 にみたNBI所見を以下のようにまとめ,所見分 類を行っている12) Vascular 分類(図 5) 1)Normal pattern    正常大腸粘膜では,腺管開口部を取り囲むよ うに蜂の巣状に走行する血管を認める.これは, Konerding らの鋳型標本に一致する像である. 2)Faint pattern    過形成性ポリープでは血管像は明瞭に追うこと ができず,視認が困難であり,淡い色調を呈する. 病理標本の検討では血管径は約20µm と細い. 3)Network pattern    管状腺腫は太さが均一な血管が網目状に楕 円形の管状pitを取り巻いている.これは,佐 野らの“meshed capillary vessel”に相当する所 見である.病理組織上では血管径は正常粘膜や 過形成性ポリープでみられる血管よりも太く, NBI 画像では濃く観察される. 4)Dense pattern    絨毛腺腫では血管が太く,かつ密集しており, 被覆上皮が濃く充血しているように観察される. 強拡大すると,太い1本の血管ではなく,複数 本の血管が絡み合っているのが観察できる. 5)Irregular pattern    隆起型の癌ではSM massive癌では太くて蛇 行の強い血管が観察される 6)Sparse pattern    陥凹型の癌では陥凹部分の血管が疎になる傾 向がある.陥凹型SM癌の特徴的パターンである    このように分類した上で,2006年1月∼2009 年6月までの間に当院でNBI拡大観察後に切除 された3,380病変を対象として,病理組織像の 比較を行った(表1).Faint patternを腫瘍,非 腫瘍の鑑別の指標とした場合,非常に有用で, かつ色素内視鏡を必要としない点で簡便である という結果であった.また,vascular pattern

図 5 Vascular Pattern Classifi cation

normal faint network dense irregular sparse

Wada Y, Kudo S, Kashida H, et al: Gastrointest Endosc 2009; 70: 522-531

vascular pattern pathological diagnosis total

hyp ade M SMs SMm faint 89 451) 22) 136 network 17 2,109 317 33 5 2,481 dense 371 160 6 7 544 irregular 2 38 6 65 111 sparse 12 9 87 108 total 106 2,527 529 54 164 3,380 SMs: sm1a-b SMm:

sm1c-1) 31例はSerrated adenoma 2) Serrated adenomaのがん化 2006年1月∼2009年6月

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による診断は病変の質的診断にも有用であった.    これら6つの分類を基本とし,Normalおよ びFaint patternであれば非腫瘍と判断し,経 過観察とする.Network,Dense,Irregular, Sparse pattern であれば,腫瘍性病変と判断し, さらに詳細な質的診断を行うために色素拡大観 察を行う. C. 色素拡大内視鏡観察; 色素拡大内視鏡検査は,色素を陥凹部や腺窩 に貯留させて構造を際立たせるコントラスト法と 表面を染色させて描出する染色法とに分類され る.病変の形態や陥凹の有無を観察するには前者 が適しており,pit pattern診断も可能なことが多 く,0.2%インジゴカルミンが使用される.後者と しては,通常0.05%クリスタルバイオレットが用 いられ,pit patternを微細に観察するのに適して いる.当院では,まずインジゴカルミンによる色 素拡大観察を行い,pit pattern診断が確定できな いもの,もしくはⅤ型pitを呈するものには,ク リスタルバイオレット染色による色素拡大観察を 行っている. Pit pattern 分類(図 6) Pit pattern 診断は,正しい深達度診断に基づ いた治療方針の決定に非常に有用であり,不必要 な生検やポリペクトミーを回避することができる. 大腸のpit patternは下記のようにⅠ型からⅤ型 に分類される. 1)Ⅰ型 pit pattern    正常の類円形のpit patternを呈し,正常腺 管から炎症性腺管ないしは過形成腺管である. 2)Ⅱ型 pit pattern    星芒状の比較的大型のpit patternを呈する もので,組織型には鋸歯状構造をもつ過形成性 病変のpit patternである. 3)ⅢL型 pit pattern    主として管状のpitで正常のpitより大型であ る.基本的には腺管構造を有する管状腺腫のパ ターンである.ⅢL型pit pattern単独ではSM 癌はほとんど存在しない.ⅢL型pitのみからな る群とⅢL型pitとⅠ型pitの混在する群がある. 4)Ⅲ s 型 pit pattern    小型類円形で正常pitよりも小型である.組 織学的には粘膜全層性に発育する分枝のない丈 の低い単一腺管構造を反映しており, 癌の基本的微細表面構造である. 5)Ⅳ型 pit pattern    上皮が絨毛状増殖してきた場合は,分枝構 造が出現し,次にcryptが分からなくなり,そ の開口部は表面からの観察が困難になる.その 場合は,表面構造を観察した時に,絨毛と絨 毛の間の隙間が観察できる.この構造が脳回転 状を呈するpitとして認識される.ⅢL型pitに 近く,明らかな分枝を有するⅣB型pit pattern (B:branch)と,絨毛状構造を呈するⅣV型 pit pattern(V:villous)に亜分類される.ⅣV型は ときにSM浸潤癌を伴うことがあるので,VN型 を伴っていないかどうか,より詳細な観察が必 要である. 6)Ⅴ型 pit pattern    Ⅴ型は基本的にがんのpit patternであり,粘 膜内への癌腺管の増殖に伴いpitの配列の乱れ が 出 現 し たVI型( Ⅰ:irregular)とVN型(N: 図 6 Pit pattern 分類

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non-structure)とに亜分類される.VI型は組織 学的構造異型を,VN型は主としてSM深部浸潤 癌の間質反応(desmoplastic reaction:DR)の 表層への露出を反映している.間質反応は,組 織学的には線維芽細胞と毛細血管が豊富な線維 の増殖によりなっており,病変表面への露出が ある場合,表面の微細構造は消失し,無構造と なる.しかしその診断基準が施設間に差異があ り,また初学者や外国人に理解されにくいとい う欠点を抱えており,2002年より開始された 厚生労働省がん研究助成金による「大腸腫瘍性 病変における腺口構造の診断学的意義の解明に 関する研究」(工藤班)において,各施設間によ るⅤ型pit patternの相違をうめる意味でコン センサス会議が行われた.    2004年4月「箱根pit patternシンポジウム」が 開催され,①簡便である,②理解しやすい,③ 分類に意味がある(深達度診断および治療方針 の指針となる),④長年の研究に基づいた知見 を反映させる,などを基本理念として,VN型 pit pattern の定義の統一化を図るべく下記のコ ンセンサスが得られた11,12)  ①不整腺管構造をVI型とする.  ② 明らかな無構造領域を有するものをVN型と する.  ③ SM癌の指標としてのinvasive pattern,高 度不整腺管群,scratch signは付記してもよい.    このいわゆる箱根合意により,VI型とVN型の 境界が明瞭となり,従来の分類の解釈と比較して, 初学者にもより理解しやすい分類となった.ま た,箱根合意に基づきVN型と診断された病変は ほとんどがSM癌であり,しかもSM深部浸潤癌 の可能性が極めて高く,VN型はSM深部浸潤癌の 明確な指標となった.しかしながらその結果とし てVI型 pit patternにおける深達度診断は従来と比 較するとM~SM深部浸潤癌までを広く含むこと となった.そのためVI型 pit patternの中でSM深 部浸潤癌の指標となる所見に関して知見を蓄積し, 共通の認識を行う必要が出てきた.    2005年12月の厚生労働省工藤班会議により, VI型 pit patternの亜分類について,具体的な 症例検討からVI高度不整が定義された(図7)13). VI高度不整の定義:既存のpit patternが破壊, 荒廃したもの  具体的には  ・内腔狭小  ・辺縁不整  ・輪郭不明瞭  ・ stromal area(表層被覆上皮)の染色性の低下・ 消失 図 7 VI高度不整の定義:既存の pit pattern が破壊,荒廃し たもの 辺縁不整 内腔狭小 輪郭不明瞭

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 ・scratch sign  とされた.    これによりVI高度不整は,SM深部浸潤癌の 一定の指標となり,より明確で客観的な深達度 診断が可能となった14).2001年4月∼2009年 6 月までの間に当院で拡大観察後に切除された 11,115 病変を対象とした pit pattern 分類と病理 組織の対比を表2に示す.またVI型pit pattern の中で,特にVI高度不整のSM深部浸潤癌にお ける診断特性を表3に示す. D. 超拡大内視鏡- Endocytoscopy - 大腸腫瘍診断学は,前述のように拡大内視鏡の 登場により飛躍的に向上した.拡大内視鏡を用い たpit pattern診断学が確立され,腫瘍・非腫瘍の 鑑別のみならず,腫瘍の深達度診断までもが可能 となり15),NBI systemが開発・市販化され,大腸 表層における微小血管の形態(vascular pattern) が観察可能となり,質的診断の精度は一段と高 くなった10,16,17).しかし,現在の確定診断は未だに 生検による病理診断が主流である.生検による病 理診断は,結果が出るまでに時間を要し,生検と いう行為には出血のリスクを伴う.特に抗凝固剤・ 抗血小板剤を内服している症例は,止血困難な出 血を引き起こす可能性もあり,生検を施行できな い.超拡大内視鏡(endocytoscope:EC)は,病変 の組織を採取することなく,その場で生きた病変を 細胞レベルまで観察することができる技術である. 現在我々が使用している一体型超拡大内視鏡 (XCF-Q260EC1, prototype)(図8)は,2005年,オ リンパス社と共に産学共同で開発したものである. 太さ13.6mmの硬度可変型の内視鏡である.一本 の内視鏡で通常観察,拡大観察,そして超拡大観 察が手元のスイッチで切り替えるだけで可能であ る.超拡大観察における拡大レベルは450倍で画 像の取得深度は50µmとされている.超拡大観察 は,contact endoscopyの原理と同様で,標的粘 膜にス」コープ先端を軽く接触させて行う.このよ うに,スコープ先端を直接対象病変に接触させるた め,カテーテル型の超拡大内視鏡に比べ,観察が容 易である.さらに,一体型超拡大内視鏡にはウォー タージェット機能が備わっており,フットスイッチ で簡単に病変の洗浄を行うことが可能である. 観察の際にはまず,通常観察で病変を同定した 後,ウォータージェット機能やガスコン水を用い て病変をよく洗う.粘液の付着が強い時は,プロ ナーゼを溶解させたガスコン水を用いる.その後, インジゴカルミン撒布やクリスタルバイオレット 染色を施し,拡大観察を行う.pit patternなどで 詳細観察を行いたい領域を定めた後,撒布チュー ブを用いて1%メチレンブルー染色を行う.1分 *LGA:low grade adenoma, HGA: high grade adenoma Apr. 2001∼Jun. 2009

表 2 拡大内視鏡による pit pattern 診断と病理組織との対応 pit pattern adenoma cancer total LGA HGA m sm ⅢL 6,405 869 413 0 7,687 83.3% 11.3% 5.4% Ⅳ 1100 592 552 75 2,319 47.4% 25.2% 23.8% 3.2% Ⅲ s 61 14 25 2 102 58.8% 13.7% 24.5% 2.0% Ⅴ I 65 89 332 285 771 8.4% 11.5% 43.1% 35.1% N 0 0 14 222 236 5.9% 94.1% total 7,631 1,564 1,336 584 11,115 sm癌:208病変 Sensitivity: 74.3%, Specifi city: 75.0%

Positive predictive value: 87.0% Negative predictive value: 56.5%

Overall accuracy: 74.5% Likelihood ratio, LR(+): 3.0 表3 ⅤⅠ高度不整のSM深部浸潤癌における診断特性 sm 深部浸潤 (sm1c-3) sm 微小浸潤 (sm1a,b) VⅠ高度不整 107 16 VⅠ軽度不整 37 48

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ほど経過した後再度病変を水洗し,病変にスコー プ先端を軽く接触させる.手元のボタンでEC モードに切り替えると,瞬時にEC画像が取得さ れる(図9). 超拡大内視鏡分類(EC 分類) われわれがendocytoscopy観察を行う際,①腺 腔②上皮細胞③腺腔および腺腔縁の形態④核の形 態,腺腔縁を目安にした場合の類推項目として⑤ 核の偽重層の有無⑥核/細胞質比(N/C比)の高低 を検索する.そして,これらの項目をもとに超拡 大内視鏡(EC)分類を作成した18-20) 1)EC1a    小さく円形の腺腔が明瞭に観察され,腺腔縁 は平滑であり,大きさの揃った小円形の核が腺 腔縁付近に配列するか染色像が認められない. 正常大腸粘膜の細胞に相当する. 2)EC1b    腺腔が鋸歯状に観察され,粘液顆粒を想像さ せる細かい顆粒が密在する.大きさの揃った小 円形の核が腺腔縁付近に配列するもの.過形成 ポリープに相当する. 3)EC2    腺腔が明瞭なスリット状で腺腔縁が平滑であ り,紡錘形から類円形の核が偽重層を呈するも の.腺腫から粘膜内癌に相当する. 4)EC3a    腺腔が不整形で腺腔縁が粗造であり,肥大し た類円形の濃染した核が認められる,明らかな がんに相当する. 5)EC3b    腺腔の認識が困難になり,腫大し,不整形の 核が充実性に認められ,また不整形核の集塊と 集塊間の領域にリンパ球などを想定させる小円 形の核が多数混在してくる.最も異型が高度で あり,細胞がバラバラになり,浸潤癌を疑う. EC 分類における有用性について 2005 年 5 月か ら2009年5月までの期間において,一体型ECで 詳細な観察がなされた正常粘膜を含む大腸上皮 性病変213病変の実際の病理組織診断と比較検討 を行ったところEC分類における病理組織診断の 陽性的中率は表4のごとくであった.EC1a群は 正常粘膜が9症例(100%),EC1b群は過形成性ポ リープが10症例(100%)であった.EC2群は,腺 腫が72症例(74.1%),粘膜内癌が22症例(22.9%) SM 微小浸潤癌と SM 深部浸潤以深癌はそれぞれ 図 9 超拡大内視鏡分類(EC 分類) 非腫瘍 腫 瘍 EC 1a 腺腔円形 EC 2 腺腔スリット EC 1b 腺腔鋸歯状 EC 3a 腺腔不整・核腫大 EC 3b 腺腔不明瞭・核不整形

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1 症例(1.0%)であった.EC2 群における腺腫か ら粘膜内癌の陽性的中率は98%であった.EC3a 群 は 腺 腫 が4症 例(12.2% ), 粘 膜 内 癌 が16症 例 (48.5%),SM微小浸潤癌7症例(21.2%),SM深 部浸潤以深癌が6症例(18.2%)であった.EC3a群 における粘膜内癌からSM深部浸潤以深癌の陽 性的中率は87.8%であった.EC3b群はSM微小 浸潤が1症例(1.5%),SM深部浸潤以深癌が64症 例98.5%であった.また,腫瘍と非腫瘍の鑑別は, 表 5 のごとく有用であった. 内視鏡治療 a)治療方針 当院での現在の大腸腫瘍の治療体系を(図10) に示した.当院では,SM癌に対しては,sm浸 潤度分類(工藤分類)を用いており,sm1を更に sm1a∼1c に分類している.大腸癌取扱い規約に おいては,1,000µm未満を微小浸潤癌としてリン パ節転移の危険性が少ないことが提唱されている. sm 浸潤度分類は測定不用で簡便な方法として現 在まで取り入れられてきている.sm1を水平方 向の拡がりを考慮に入れ,病変のSM浸潤部分の 幅と粘膜部での幅の比をとり,その比が1/4以下 をsm1a, 1/2以上をsm1c, その中間のものをsm1b として分類している.内視鏡切除標本において は,粘膜下層にわずかに浸潤したものをsm1と し,断端陽性のものをsm3以深,その中間のもの をsm2と判定している.大腸癌取扱い規約におい ては,1,000µm未満を微小浸潤癌としてリンパ節 転移の危険性が少ないことが提唱されている.し かし,SM浸潤距離(1,000µm)による病理学的評 価においては,測定基準が不明確であり,どこか ら測るのかなど実測距離の測定方法などに混乱が 生じ,煩雑で病理医により正確な評価に違いがで ている.また浸潤距離は定量化されており,あい まいな部分を残していないため,1,000µmを少し でも超えて浸潤していれば,他の危険因子がなく とも「ガイドラインの外科的追加腸切除の適応基 準を満たしている」として現場で混乱を招く可能 性がある.また,1,000µm未満と以上とでリンパ 節転移率に差がなく大きな問題を残している.大 腸腫瘍の治療はpolypectomyと内視鏡的粘膜切除 術 (Endoscopic Mucosal Resection:EMR)に代表 される内視鏡治療,外科的切除,切除不能例に 対する化学療法の3つに大きく分けられる.まず, 精度の高い内視鏡診断,pit pattern診断を含めた, Endocytoscpic diagnosis Pathological diagnosis Nomal

mucosa Hyperplasticpolyp Adenoma

Cancer M SM-s SM-m〜 EC 1a 9(100%) EC 1b 10(100%) EC 2 72(75.1%) 22(22.9%) 1(1.0%) 1(1.0%) EC 3a 4(12.2%) 16(48.5%) 7(21.2%) 6(18.2%) EC 3b 1(1.5%) 64(98.5%)

SM-s: Slightly invasive submucosal cancer  SM-m: Massively invasive sabmucosal cancer

表 4 Comparison between endocytoscopic diagnosis and pathological diagnosis(n=213)

表 5 Differential diagnosis between

    neoplastic and non-neoplastic lesions(n=213)

図 10 大腸腫瘍に対する治療方針決定のストラテジー Endocytoscopic diagnosis Pathological diagnosis Non-neoplastic Neoplastic Non-neoplastic 19 0 Neoplastic 0 194 NBI 拡大観察 non-neoplastic pattern

normal, faint pattern

neoplastic pattern

network, dense, irregular, sparse pattern 色素拡大観察 ⅢL, Ⅲs, Ⅳ , ⅤⅠ軽度 ⅤⅠ高度 VN operation 内視鏡治療 no treatment 陥凹型 通常観察

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内視鏡治療が可能かどうか診断する.すなわちリ ンパ節転移のない病変には内視鏡治療が,リンパ 節転移の可能性がある病変には外科的切除(腹腔 鏡補助下腸切除)が行われる.これまで報告して きた様に21,22),SM浸潤が浅くとも粘膜筋板破壊 型のsm1c以深の病変ではリンパ節転移の可能性 があるため,リンパ節郭清を含めた外科的切除が 必要である.拡大内視鏡で箱根合意に基づくVN 型pit patternを認めた場合,深達度がsm1c以深 である可能性がきわめて高いため,そのような症 例は外科的切除が必要である(図11). b) 治療方法 ① Polypectomy    Polypectomyの適応は原則として,隆起性病 変が対象となる.局所の切除で治療が完了す る病変,すなわち良性のポリープ,粘膜内癌 (M 癌 ),粘膜下層微小浸潤癌 (sm1a,b 癌 ) である. 特に太い茎を有する有茎性ポリープの場合は, あらかじめクリップを茎にかけるか留置スネア にて絞扼しておくと出血の予防となる. ② EMR    大腸EMRの適応は原則としてa)陥凹型病変, b) 平坦型病変,特に側方発育型腫瘍 (LST) の場 合,c) 隆起型癌で正常粘膜を含んで切除したい ときである.通常観察および拡大観察にて内視 鏡治療の適応であるか診断してからEMRを開 始する.局注液は通常は生理食塩水を使用して いるが,しっかりとした至適な膨隆を形成・維 持させるためにムコアップ®(0.4%ヒアルロン 酸ナトリウム溶液, ジョンソン・エンド・ジョ ンソン株式会社)を使用する場合もある.ただ し,ムコアップ原液での局注は膨隆が堅くなる ことがあり希釈した方がやりやすい場合が多 い.希釈に関しては,部位や病変の形態によっ て異なるが,筆者らは,グリセオール or 生理 食塩液との2倍希釈(例:10mLシリンジにて ムコアップ®5mL とグリセオール or 生理食塩 液5mLとの混合液)で使用している.現在ムコ アップ®は内視鏡用粘膜下注入材(医療機器)と して正式に採用され,さらに保険適応にもなっ ており,コスト面からも安心して使用できる.    局注する際には穿刺針を引き気味にし,注入 液がまわりに広がらないように注意して人工膨 隆を形成する.十分に膨隆を形成したら,スネ アで絞扼する.使用するスネアは,膨隆した病 変の大きさに合わせてスネアのサイズ・形状さ らには硬度などを考慮し,選択されるのがよい と考える.特に小さい病変に大きなスネアを用 いると,細い腸管内では自由度が落ちる場合が 多い.絞扼後,筋層の巻き込みがないのを確認 しながら切除する.絞扼した際に異常な弾力性 を感じた場合は,絞扼したスネアを少し緩めて 送気を加えた後,再度絞扼し直す.EMRの対 象となる病変には太い血管入っていることが少な いため,通常切開波のみにて行っている.切開波 は切除時に切れ味がよく,切除辺縁組織の挫滅が 少なく切除標本の病理学的検索にも支障をきたし にくい.回収は病変を傷つけない様にするために, 五脚型把持鉗子や回収ネットを用いる. ③ EPMR

 (Endoscopic Piecemeal Mucosal Resection)    LSTなど径の大きい病変に対し,一括切除が 困難な場合は,無理をせず,計画的に分割切 除を行う.このような手技を内視鏡的分割粘膜 切除術(EPMR)と呼んでいる.LSTは,サイズ が大きい割にSM深部浸潤癌が少なく,形態に よって悪性度が異なる(表2).われわれはLST 亜分類に準じて診断することを推奨する.LST 亜分類別の治療選択は下記のように考えてい る.LST顆粒均一型は,EMRが困難であっても, 図 11 切除手技と壁深達度

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多くの病変で計画的分割切除(EPMR)での治療 が容認される.SM癌の頻度が極めて低く,明 らかなVN型pit patternを認めなければ,たと え腫瘍径が大きくとも分割切除でよいと考える. LST 結節混在型は,SM 癌率の観点からも治療 選択においては慎重でなくてはならない.pit

pattern 診断に基づき VN型pit patternを認め

た場合は外科的手術の適応であるが,VI型pit pattern の場合はその部位(領域)をしっかり含 むように計画的に切除する.一部の症例で粗大 結節部もしくはその近傍でSM深部浸潤を認め る場合があり,粗大結節部が分割切除になる可 能性があれば,ESDによる一括切除が望まれ る.LST平坦隆起型では,多くの病変でEMR/ EPMR で の 治 療 が 容 認 さ れ る. ⅢL, Ⅳ 型 pit pattern を認めた場合には SM 癌の可能性がほ とんどないためEMR/EPMRの適応である.腫 瘍径が大きく,VI型pit patternを認める病変 はSM癌率が高く,多分割切除では病理学的評 価が困難になる場合があり,ESDも考慮する. LST 偽陥凹型では,腫瘍径が小さくとも SM 癌 率が高く,正確な病理組織学的検索が必要とさ れる.脈管侵襲が高率で,さらに粘膜筋板の断 片化・消失が高率であり,陥凹型腫瘍の病理学 的特徴に類似する.EMRによる一括切除は困 難であるため多くの病変がESDの適応となる. 腫瘍径30mm以上の病変では,60%以上のSM 癌率を認め,VI型(高度不整)pit patternを伴う 場合にはそれが80%を超えるため部位,操作 性などからESDも困難と予想される場合には 腹腔鏡補助下手術も選択肢の一つである.    EPMRにおいては,通常観察および拡大観察に て悪性度が高いと思われる部位を確実に含むよう に,優先的に出来るだけ大きく取る.内視鏡的処置 後,切除断端を拡大内視鏡にて観察し,遺残があ るかどうかの判定を見極めることが重要である.手 技はEMRと同様であるが,2回目以降,スネアを かける際には,すでに切除した潰瘍面の縁にスネ アを沿わせるように絞扼すると筋層を巻き込みにく い.切除潰瘍辺縁や潰瘍面におけるごく小さな遺 残に関しては,hot biopsyやAPC焼灼を追加する. ④ EMR/EPMR と内視鏡的粘膜下層剥離術   (Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)

のどちらを選択するか?    ESDに関しては,大腸は胃と比べるとまだ 発展途上の段階である.まずは手技的な問題と して,穿孔率が高いことや内視鏡操作が難しく 手技時間が非常に長くなってしまうことなどが 挙げられる.大腸での穿孔は,穿孔腹膜炎にな り,外科的手術(緊急手術)に移行してしまう可 能性もある.また長い手技時間は患者の負担だ けでなく,医療従事者への負担も無視すること はできず,標準化にはハードルが高い部分も指 摘されている.また,大腸腫瘍は拡大内視鏡に よるpit pattern診断の普及により,質的診断さ らには深達度診断がかなりの精度で行うことが できるため,まず内視鏡治療か,もしくは外科 的治療(LAC)かの判断が可能であり,深達度が M 癌か SM 癌か診断できない症例にはあまり遭 遇しない.その点では早期胃がんの取り扱いと は若干違うものと考える.従って,肉眼形態診 断さらにはpit pattern診断を含めた内視鏡診 断により,EMR/ EPMRかESDかLACのいず れかの治療かを選択するのにさほどストレスは ない.現在の段階では,内視鏡治療適応病変に おける大腸ESDの位置づけは,主にLST病変 と考えられているが,その中でもその病理学的 特徴から,LST-NG偽陥凹型を絶対適応として いる.またEMRでnon-lifting sign陽性で,pit pattern 診断で明らかな M 癌とされる LST 病変 においてもESD適応と考えられている.しか し,今後偶発症の問題さらには手技的難易度の 問題が解決するような,医療機器の開発やト レーニングシステムの充実がなされれば,大腸 ESD は適応拡大がなされ,すべての内視鏡治 療適応病変が一括切除されることになると思わ れる.しかし注意しなければならないのは,20 世紀後半に行われた治療が先行し診断が後につ けられるという内視鏡診断学の欠如した時代を 繰り返さないことである.適切な内視鏡診断の もとに,治療選択が行われることが不可欠なこ とである.

(11)

大腸がん検診

便潜血検査免疫法による大腸がんの死亡率減少 効果は,Saitoらをはじめ,あらゆる症例対症研

究により証明されている23-26).現在,市区町村を

対象とした老人保健事業では,多くの地域で便潜 血検査(fecal occult blood testing : FOBT)免疫法 による大腸がん検診が行われている.しかし,使 用するキットやカットオフ値の全国統一がなされ ておらず,要精検率や陽性反応的中度・がん発見 率は施設や地域間の格差が大きい.また,諸施設 で適正な要精検率・カットオフ値の検討がなさ れているが,その値もまた施設間で大きく異な る27-29).大腸がん検診の実態と有効性についてよ り正確に把握するためには,適正なカットオフ値 を設定し,全国で統一することが肝要である.一 般にカットオフ値が低いと,偽陰性率は下がるが, 要精検率が高くなり陽性反応的中度は低くなり, 結果として精検受診率の低下を招く可能性がある. また,どんなにカットオフ値を低く設定しても, 偽陰性大腸がんを完全になくすことは不可能であ る.当施設の便潜血検査は免疫法でカットオフ値 200ng/mL である.当施設にて便潜血反応が陰性 だったにも関わらず,同時期施行された大腸内視 鏡にて大腸がんが発見された症例は1.6%存在す る.そのうち2例が腹痛を認めており,いずれも 根治困難な進行がんであった.一般的に進行大腸 がんのうち便潜血反応陰性を呈す割合(偽陰性率) は,1日法で30%・2日法で10%といわれている30) さらに,大腸がん検診受診者は,すべて無症状者 とは限らない.中には有症状者も含まれることが 予想され,彼らの便潜血反応結果が陰性である可 能性もある.「老人保健法による大腸がん検診マ ニュアル」において,有症状者は便潜血反応が陰 性でも医療機関で精密検査を受けることを強調し ている31).しかし,有症状者の中には,便潜血反 応が陰性であることに安心し,更なる精密検査を 受けず,結果として根治困難な進行がんとして発 見される可能性も考えられる.より有効性の高い 大腸がん検診を考えた場合,便潜血検査より感度 の高い大腸内視鏡を組み入れた「ハイブリッド型」 大腸がん検診を検討していく必要があると考える. 現在,秋田県仙北市において「角館スタディ」がス タートしており,これは従来のFOBTによる逐年 検診の群と,それに大腸内視鏡検査でのスクリー ニングを併用した群で大腸がんの死亡率減少効果 を比較するランダム化比較試験である.角館スタ ディにより,大腸内視鏡検査による大腸がん検診 の有効性について明らかにしていく. おわりに 現在のFOBTによる大腸がん検診はその有効性 が確立している.しかしわが国の主要ながん死因 である大腸がん死亡率の減少のために検診の有効 性を高める意義は大きい.現在のFOBTの次世代 の検診法として,FOBTに大腸内視鏡検査を加え た検診法の死亡率減少効果を明らかにする角館ス タディが始まっており研究の進行に期待を寄せて いる. また一般臨床での大腸がん診療における診断方 法として,NBI systemも含めた拡大内視鏡診断 の実際と,生きた細胞をリアルタイムで観察可能 としたECを紹介した.ECは当院で臨床研究と して,その有用性を報告してきたが,近い将来に 市販され,NBI system同様に日常臨床に普及す る可能性のある“大腸腫瘍の本質に迫った診断を 可能とする”次世代のデバイスである. 文献

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9) 大腸癌研究会(編):内視鏡治療例取り扱い、大腸癌取り 扱い規約(第7版).金原出版,東京,2006.

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図 1 adenoma carcinoma sequence.   pathway
図 4 Depressed type early colorectal cancersIIcIIa+IIcIIc+IIaIs+IIc図 3 亜分類顆粒型 (granular type)非顆粒型 (non-granular type)顆粒均一型:homogeneous type(homo)平坦隆起型:fl at-elevated type (F)結節混在型:
図 5 Vascular Pattern Classifi cation
表 2 拡大内視鏡による pit pattern 診断と病理組織との対応 pit pattern adenoma cancer total LGA HGA m sm Ⅲ L 6,405 869 413 0 7,687 83.3% 11.3% 5.4% Ⅳ 1100 592 552 75 2,319 47.4% 25.2% 23.8% 3.2% Ⅲ s 61 14 25 2 58.8% 13.7% 24.5% 2.0% 102 Ⅴ I 65 89 332 2858.4%11.5%43.1% 35.1% 771
+2

参照

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