Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design“
地域の 「華 」づ くりとテザイ ン
”
は、
い ま石川県
に お
け る
デザ
イ
ン
振
興
の
歩
み
A
History
ofDesign
Dcveloprnent
in lshikawa Prefec:tuie石田
忠 昭
(
lshida
Tadaaki
>
石 川 県工業
試 験 場 製 品 科 学 部1
.
デ ザ
イン振
興体 制
の整備
石 川 県は四 季 折々の豊 か な
自然
と加賀
亡ゴ万
石の伝 統
と文化
を 今 に有
し、
な かで も優 れ た伝 統
工 芸の数
々は京 都
と 並 び 日本
を代 表 す
る もの と高 く評価 さ
れています
。
産 業 面
においては、
北 陸 経済
の中枢機 能 を高
めつ つ、
伝統
産業 もさ
ることなが ら
、
機 械 産
業
、
繊維産 業
が本
県
基幹産
業
と し ての地位
を占
め、
豊 か な 食 と風 土 を踏
まえ
た食 品 産業
や温 泉
郷 をバ ッ クに した観 光 産業
の比 重 も大 き
な もの と なっ てい ます
。本 県
において、
デ ザ インの重 要 性 が叫
ば れ始
め たのは、
昭和
40年 代 前 トのことです。
地 方 に おいて、
令県
的 課 題 と して デザ インが議
論 され たのは、本 県
が日本
で一
番 早
かっ た よう
です
。
当 時
、
基幹 産 業
と して の繊 維
、
機 械
に続 く第
3
の産業 と
し て、
新
しい産 業
の誘 発
が各 方 面
で論
じら
れ、
日本
海 側 髄.
の規
模
を持
つ金 沢港
の完 成
に伴
い、
金
沢 港に入 荷す
る北洋 材
を利
用し
た デザ
イン産 業
の育成
が提 唱
さ れま
した。も
ともと本 県はその県 民 性 か ら、
伝統
工芸、
デザ インに対 す
る取 り
組み は大 き
な ものが あ り、
則 治9
年 全国
初の 石 川県 勧 業
試験
場 を 設 立し て殖産
興業
を 匚1
的
に [芸
品の制作
並 びに保 護 育
成
に努
め、
明治
20年
に は 日木
初のデ ザ イン教 育機 関
と してti
川県
立
工業学
校(
金沢
工業
学 校 〉
を設
立 し二丁:芸教 育 を開始
。
金 沢
市
は市
の伝
統
工芸
振興
のた め昭和
21
年
に金沢 美術
丁:芸 専
門学校
を
開 校、
以後
昭和
鐙年
金 沢美術
Tl
芸 大 学設
立に伴
いデザ
イン科
を新 設
しデザ イン、
1
:芸
に力
を注 ぎ始
め まし た。
昭
和
36
年
には全 国に先
がけ
て県 内
デザイナー
が集
い石 川 県 デ ザイ ン協 会を設 立 し、
デ ザ インの啓蒙
とデザ イナー
の相
互交
流 に努
め る一
方、
デ ザ インの重要性
が叫
ば れてい た 昭$
n4
}年代 後
半
より、
石 川県
インテ リ ア産業 協会
、
石 川県
ク ラフ トデ ザ イン協
会
、
石 川県
ビ ジュ アル デザ
イン協 会
、
石 川県 イ
ンダス ト リ ア ルデザ
イン協会
、
いしか わ
ファ ッショ ン協会
の各
デ ザ イナ
ー
団
体
が相
次
いで設
立 さ れ、
石
川県
デザ
イン協 会
は こう
したデ ザ イ ナー
団体
の連
合 組織
と して石 川 県デザ イン協
議 会と改称
さ れ、
昭和
47年
より
石 川 県 デ ザ イン展 を開催
し広
く県民
に デザ イン認
識
の高揚
に努
め る と と もに、
デ ザ イン振 興 体 制
の基盤
が整備
さ れ てい き ま した。
こ
う
し た な か、
デ ザ イン振 興
を推進 す
るた めに、
昭和
51
年
石 川県
デ ザ イン振 興 会
が設 立 さ
れ、
石 川県
工業 試 験
場内
に事
務局
を設置
し、
爾
)日本 産業
デザ
イン振
興会
の実 施 す
る 地方
産業
デ ザ イン開発 推進
事
業
のデザ
イン振
興体 制 整備
にも伴 う
もの で、
その設立
に は通商
産業省
は じめ各
方
面のご支 援
ご協 力
をいた だきま
した。
ま
た、
昭和52
年
よ り ロ本
グッ ドデザ イン展 (
G
マー
ク展 ) を
毎年
開催
し、
消費者
に対 す
る デ ザ インの啓 蒙
を図 り
、
昭和
52
年
から
M
年
に わ た り各
方
面の専 門家
を講 師
に石 川県
デザ イ
ン会 議
を開
催
し本県
デ ザ インの課題
と方 向性 を探
るな ど その事
業 活
動 の幅
を広 げ
ていく
と とも
に、
凵本 初
の大
規模
な国際 的 デ ザイ ン農
とし て、
昭和
57
年
に北欧 を
中心
とした世界
の優
れ たデ ザ イン商 品
を集
め た金沢
四百
年
国
際.
1
芸
デザ
イン交
流展
の開
催
、 さ ら に.
二度 に わ た り欧米
ヘ デ ザ インセン ター
調
査
団
を派 遣 す
る な ど、
本 格 的
に デ ザ インセンター
設
、ン:の準 備
が進
め ら れてい き ま した。
2
.
(
財 )
石 川県
デザ イ ン セ ン ター
設
立こ
う
したデザ
イ ン振
興の成
果
を
ふまえ
、
石 川県
、金 沢
市
、石
絹県 商
工会 議
所 連 合会
は じ め各 業界
団体
の ご支援
の もと、
石 川県
デザ イ
ン振
興会 を発
展 解消
し、
官
民一
体
と なっ て、昭 和
59
年
財 団法
人石
川県
デ ザ インセンター
が設
立 さ れ ま し た。同 時
に、
金沢 市北 西 部
の金沢 市戸 水 町
に、
全 国 ト
ップ
ク ラス の規模
を有す
る石 川県
丁業
試 験 場の新 築
移 転、
石 川 県 地 場 産 業振 興
セ ン ター
の設立
。
県
の基 幹 産業
であ
る 繊維
、
鉄工の各
協 会会 館
の新 築移 転
と関係 団 体の両 会 館へ の入居
が相次
いで行
な わ れ、
全
国 唯・
の産業振
興の拠 点としての産業
振興
ゾー
ンが形 成
さ
れ、
産 業
の活 性化
はも
とより
、
新
しい産業
振 興施 策
と して広
く内外
より視 察
・
見学 者 を迎 え
ています
。
な か で
も
、
これ か らの産業
振 興
の鍵
は デ ザ イン、
情 報
の時代
であ
る との一
一
早い認識
の も と、
石 川 地場 産 業振
興セ ン ター
の設
立
・
建
設に際 して、
デザ イン セ ン ター、
情 報
センター
の入居
が 基 本構
想 よ り盛り
込 ま れてい ま した。 デ ザ イン セ ンター
では○
デザイン情報
の収集
・
整 備.
・
デ ザ イン ラ イ ブ ラ リー
の整備 (
雑 誌
、
図 書
、
デザ イ
ナー
情 報
の収 集 整備 )
・
情 報 誌
の発行
○
デザ
イン広 報 啓 蒙 普及
・
展 示 会、
シンポ ジウム等
の開催
・
展 示 会、
シンポ ジウム等の企 画 指導
・
協 力○
デザ
イ ン研 修
・
デ ザ インセ ミナー
の開催
○
デ ザ イン改善
・
開 発デ ザ イン
開発相 談
・
指
導
・
デ ザ イン プロ デュー
ス(
デザ
イン導入 指導
と デザ イ
ナー
紹 介 )
・
デザ イン開発
事
業
の受 託
○
デザ
イン の国際
交
流
国 際 デ ザ イン
展
、
シンポ ジウムの開催
・
セ ミナー
(
懇 談会 )
の開催
・
研 修
生の受 入 れを
、
事
業
の柱
に各
種
デ ザ イン振 興
事
業
を総 合 的
に推 進
していま
す
。
デザ イン広 報啓蒙 普
及事 業
で は、
先の国 際ガラス⊥芸 展の52SPECIAL
ISSUEOF JSSD Vol.
2 No.
1 1994 デサイン学 研 究 特 集 号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design開
催
を契機
に デ ンマー
ク とス ウェー
デンで石 川の工 芸デザ イン展
を 開催 す
ると とも
に、
通 商産 業省
・
r.
1
,i小
企業庁
の卞催 す
る国
際デザ
イ ンフェ ア の第
1
回
開催 (
共催 )
。 デザ イン・
IL
芸 という
ジャ ン ル をこえ た各 種
デザ イン展
の開催
や、
テー
ブル ウェ ア、
ア メ リ カの ファイ
バー
アー
ト
、
フラン ス の フ ァッシ ョ ンデ ザ インを
テー
マ と し た各
種
国際
デザ イ
ン シ ンポ ジ ウム の開催
、
デ ンマー
クやアル ゼンチンから
の留 学生
の受
人 れ な ど を行
い、
その活動
は 地 域 を越え
た 地 域 デ ザ イン振
興の新
た な る拠点 と
し て、
各 方
面 か ら注
日 を集
めています
。
3 .
国際 デ ザ
インポ リス石 川
を め ざ してこ
う
した事業
を総合 的
に推 進
し な が ら、
併
せて その地 域特
有
のき
めこま
かな
事
業 も地 方
デザ
イン振 興
の重 要
な課
蹕
です
。 そ こ で、
昭和
62
年 度
か らは、
デザ イ
ン の優
れたも
の を選 定
しそ
の普
及を
図 ると
とも
に、
選 定 さ
れ な かっ た ものは ど こ を どう改 善
す
れば 良 く
な るのか、
積極 的
に指導 す
るデ ザ イン推 奨
事
業
を開
始
し、
県
全 体の デ ザ イン レベ ル の 向一
ヒに貢献
し てい ます
。
また
、
広 く
一
般にデザ
イ ン に対 す
る理 解
と関
心 を高
める と とも
に、
産 業
のデ ザ インによる健
全
な発
展
を
目的
に、
世
界
の デザ
イ
ン の優
れた商 品
と提 案 作 品
を一
一
堂
に集
め た、国 際
デ ザ イン交
流展
を昭和
62
年
より隔年 開催
し、
デ ザ イン の企業
経営
へ の積極
的導入
と国際化
へ の積 極 的
な対 応
に努
め る と とも
に、
平 成
元年
よ り本 県の特 性 をふ まえ、
漆
と塗料
を対 象
とした ジャ パ ンデザ イ ンコ ンベティシ ョ ン石 川 を開催
し、
以後 広
く各 方
面に独 創 的
な提 案
を求
め てい ます
。デ ザイ ン セ ン タ
ー
の活動
もさ る こと な が ら、
本 県
では デ ザ イ ンに か か わ る さまざ まな
イベ ン トや事
業
が、
さ まざ
ま な機 関
に より
実施
さ れ て おり
、
特
に金 沢商
.
「:会議所
を中心
と した関 係 団
体
で実施 す
る国際
ガ ラス農
は国際
公募展
と
し て年
々そ
の内容 を
充 実 させ る と とも
にフー
ドピ
ア・
金沢
は 食 とフー
ドを
テー
マに 地 域資 源
を活
用 した地
域活性 化
の試
み と して各 方
面 か ら高
い評
価 を
受
け
ています
が、
本 県
のもつ デ ザ イン情 報の 蓄 積と関 係 機関
とのネ
ッ トワー
ク は多
大
な ものと なっ てき ま し た。
こ
う
した背 景 を
ふまえ
、
昭利
63
年
より本県
の総
合 的 な デ ザ イ ン振
興理 念
と将来 像
につ い て広
い視 野
か ら検
討
する た め に、
中央
の専
門家 を含 む産 学官
の代 表 者
、
実務 者
で委
員
会
を
構
成
し討
議 を重 ね「
デザ イ
ンポ リス石川 」構 想
を取 り
ま とめ、2
泄紀
に向
け た新
しいデザ
イン振 興
のあ り方
を示
し ま した。 そ れ は多様
化
、
国際 化 す
る社 会 経
済
環 境
の な か で、
デザ イ
ン の果す役 割
は ます
ます 大
き な ものと なっ てお り、
デ ザ イン、
工芸
、
芸
術、
建
築
、
環 境
な ど ジャ ン ルをこえ た デ ザイン活 動と デザイ ンネ
ッ ト ワー
クを積極 的
に産
業
・
文
化
・
環
境形
成
と活 性化
の核
に しよう
という も
の です
。ま
た、
単
な る東京
から
の・
方 的
な情 報 収 集
では な く、
お 互い 相 補いな が ら優 れ た デ ザイ ン の発 想
の導
人 と歴 開
を求
め て、
平
成 元年
度 よ り海外 デ ザ イン振 興 機 関 友 好交
流促
進事 業
を実
施す
ること と な り、
現 代 デ ザ イン の基 礎 を築 きかつVl
:界の デ ザイ ン 振興
機関
のお手
本となっ ている ドイツ バー
デ ン・
ヴュ ル テン ベ ル ク州
立 シュ ッ ッ トガ ル トデ ザ インセ ンター
と平 成
元年 協 力趣
意 宣 言
を締 結
し、
相
互のデ ザ イン コー
ナー
の開
設 や デザ
イン の人
・
モ ノ・
情 報
の交 換
を開始
し ま した。
平成
4
年
9
月
3
目か ら12月
20
日
には シュ ッ ッ トガル トデ ザ イ ンセン ター
で石 川の デザ インを総 合 的
に紹 介す
る192石
川 ドイッ デ ザイ ン展 を 開催
し、
SU名
を越す 視 察 訪 問団
を派
遣 し、
石 川の紹
介のみ ならず
日本
と ドイツの相
互理解
の向
上に大
き く貢献 す
る と とも
に、
平 成
6
年
10月
に は金沢
で ドイツ の デザ インを 総合
的
に紹 介 す
る展 示
会開催 準備 を進
め ています
。
ま た、
国際
デ ザ イン交
流展
と ジャパ ンデ ザ インコ ンペ ティ シ ョ ン石 川の実績
を 踏ま え
、
より
.
一
層
の内 容充 実
と国際 化
を図
るた め、
中
小 企業庁
の補 助
を
得
て平成
5
年
10月
には国際
デザ
イン フェ ア’
93
石川を開催
し、
国 際コ ンペ テ ィ シ ョ ンや 国 際シンポ ジュ ウムに海 外 か ら も多
数の参
加 者 を 迎え
、
漆
器産 業
の高度 化
と国 際化
に大
き な成 果
が.
L
:げ られ ま した。
4
.
おわり に」
1Z
成
2
年
には、
本 県 産業
の ソ フト化 推 進
の拠 点
と して石
川県
地 場 産業 振
興セ ン ター
新館
が完 成
し、
デザ インセンター
は情 報
セ ン ター
と とも
に事
.
務 局
を 移転
し、
繊維
リソー
ス い し か わ、
JETRO 金沢 貿易 情 報
センター、
石 川 県商
工会 連 合 会等 も
入居
し、
隣 接 し てソ フ ト ウェ ア研修 開発
セン ター
も完
成 し産業振
興 ゾー
ン の より
一
層
の集積
と機
能 強 化 を進 めていま す。
ま
た本
県
で は、
デザ イン関係
の高校
・
大 学
に加 え
、
輪 島 漆芸
技術 研修 所
や 九谷 焼技 術研
修所
、
金 沢細
工所
の再現 と し
て新 し
い [/.
芸 家
の育成
を め ざ した 金沢 卯 辰
lh
工芸
工房
、
企業 経 営
の パー
トナー
と して の国
際 感覚
溢 れ る デ ザ イ ナー
輩 出
のため の金沢 国際
デザ イン研 究所
(
KH
)1
パー
ソンズ)
の開校
な ど デザ イ
ン に関す
る様
々な人材
育
成
の体 制
も整 備 さ れつ つあ ります
。
デ
ザ
イ ン が色
・
形
の造形 技
術 か ら時 代 を創
る 創 造 支援 行 為と し て移行
しつ つ あ る 中で、
その発 想 と展 開の プロ セ ス と し て の新 し
いデザ
インの価 値
に、
広 く
各
方
面 か ら期待
が高
ま り
つ つあ
る今
日です
。
’
8g
デザ イ
ンイヤー
を契機
に全国各地
で新
しい地 域活
性 化の核
と し て デザ イ
ンセン ター
建 設 計 画 が進
めら
れてい る よう
です
が、
石 川県
デザ インセンター
は 地域
デザ
インセ ンター
の先駆 的
拠 点
とし て今後
と も各
種デザ イン振 興事
業 を 総 合 的に推
進し、
その運動
は単
に地 域の活 動 に とどま
らず
、
広 く全 世界
にむけ
た デザ イ
ン の集積
.
と発 信 基 地 (
国際
デ ザ インポ リス石
川〉
をめざ
していき
たい と願
っ てい ます
。デ ザ イ ン学研究 特 集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD VoL