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高速応答PSPの膜構造がセンサ特性に及ぼす影響に関する研究

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Academic year: 2021

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高発光強度

LEC 型感圧塗料の開発

[研究代表者] 江上泰広(工学部機械学科) [共同研究者] 森 竜雄(工学部電気学科),松田 佑(早稲田大学) 米川文広,坂上 知,多根静香(日本化学工業(株)) 研究成果の概要 近年,高速度カメラを用いて感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint: PSP)の非定常現象の計測を行う研究が盛んになされ てきている.画像取得レートの高速化に伴い,露光時間が非常に短時間になり,データ画像のS/N が低下してしまう という問題がクローズアップされてきている.より高いS/N の画像を取得するためには PSP の高輝度化が必要であ るが,励起光を照射することによる光励起では,発光強度の増加は精々数倍が限界である.そのため,本研究は発光 電気化学セル(LEC)の原理を利用した電気励起によって,PSP の発光強度を従来比で 100 倍以上にすることを目標と した研究を行った.その結果アノードのアルミ電極の蒸着量を減らすことで島状構造を形成し,LEC-PSP に酸素透過 性を持たせることができた.しかしアノードのアルミ電極の劣化のため発光寿命が短くなるという問題も見出され, この問題の解決が次の課題である. 研究分野:機械工学,流体工学,航空工学 キーワード:感圧塗料,発光電気化学セル(LEC),高輝度,高速度撮影,イオン液体 1.研究開始当初の背景 PSP の励起は通常励起光を照射する光励起が多い.非定 常計測のために高速度カメラの画像取得レートの高速化 し,データ画像のS/N が低下してしまうという問題がクロ ーズアップされてきている.そのため PSP からの発光強 度を大幅に増加させる必要があるが,光励起ではせいぜい 数倍程度しか増やすことができないという限界があった. 2.研究の目的 光励起にかわり,発光電気化学セル(LEC)の原理を利用 した電気励起式の PSP の開発することで発光強度の大幅 な増加を試みた.高輝度かつ高い圧力感度を有するの LEC-PSP を作成するために,材料の選定や構造,作成条件 の最適化をおこなった. 3.研究の方法 感圧色素にPtTFPP を用い,これを発光ポリマとイオン 液体(日本化学工業)を混合したものを発光層とし,ITO ガ ラス基板上にスピンコートで製膜した.さらにその上にア ルミを真空蒸着することでLEC-PSP を作成した.作成し たサンプルは直流電源で約 10V の電圧をかけることで発 光させた.また,アルミの蒸着量を減らして島状構造を形 成することでLEC-PSP に酸素透過性をもたせた.圧力感 度は較正試験装置で計測した. 4.研究成果 図 1 に示す通りアルミ蒸着量を減らすことで圧力感度 をLEC-PSP に持たせることができた.しかしアノードの アルミ電極の劣化のため発光寿命が短くなるという問題 も見出され,この問題の解決が次の課題である. 図1 LEC-PSP の圧力較正試験結果 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 Iref / I Pressure [kPa] 従来のAl電極 薄膜化したAl電極 発光層のみ

高速応答

PSP の膜構造がセンサ特性に及ぼす影響に関する研究

[研究代表者]江上泰広(工学部機械学科)

研究成果の概要 近年,感圧塗料(PSP)を用いた非定常圧力計測の研究が盛んになされている.PSP の時間応答を向上させるために微粒 子をポリマに混合させることで多孔構造を形成している.電子顕微鏡(SEM)を用いて様々な粒径や粒子割合で作成され たバインダ構造を観察し,時間応答などのセンサ特性に及ぼす影響を調査した.その結果,粒径が小さい粒子を用いた PSP が,高い時間応答性を示すことが分かった.これは同じ粒子割合でも粒径が小さくなることで比表面積が大きくな り,多孔化し,粒子表面に付着するポリマの膜厚も薄くなるためだと推測される.さらに微粒子の表面が親水性と疎水 性の場合で,形成されるバインダ構造が大きく異なることもわかった.疎水性粒子は無極性溶媒のトルエンとの親和性 が高く,密で付着性の高い膜を形成することができるが,時間応答性は若干低く成った.それに対し親水性粒子を用い ると,粒子が大きな凝集体を形成し付着性はやや低下するが,時間応答性は高くなることが分かった. 研究分野:機械工学,流体工学,航空工学 キーワード:感圧塗料,微粒子,多孔構造,親水性,疎水性,時間応答,電子顕微鏡(SEM) 1.研究開始当初の背景 近年,非定常圧力変動を計測するために PSP の時間応 答性を向上させる研究が盛んになされている.ポリマに臨 界顔料容積濃度(CPVC)以上の高い粒子割合で微粒子を混 合させることで,多孔構造を形成し,時間応答性を向上さ せている.どのようなバインダ構造が,高い時間応答性や バインダの模型への良好な付着性をもたらすのかは,不明 であった. 2.研究の目的 本研究では,実現するためには,どのようなバインダ構 造が適しているのかを調査した.そのために粒子径や粒子 割合,粒子の表面処理を変化させたPSP を作成し,電子顕 微鏡(SEM)で構造観察をするとともに,時間応答性や圧力 感度,付着性などの特性評価を行った. 3.研究の方法 感圧色素にPtTFPP を用い,ポリマに PIBMA,粒子に粒15 ~ 1000 nm の酸化チタンを用いた.酸化チタンの表 面は通常親水性であるが,いくつかの粒径では疎水性の表 面処理が施された酸化チタンを使い,特性の比較を行った. 総研に設置されたSEM を用いてバインダの表面及び断面 の構造を観察した.時間応答は衝撃波管を用いて評価を行 った.また PSP の模型への付着性は綿棒の摩擦への耐久 性で評価した. 4.研究成果 図 1 は酸化チタン粒径 15nm,粒子割合 93 wt%における 表面性状によるバインダ構造の違いを示したものである. 無極性溶媒のトルエンと親和性の高い疎水性粒子を使用 すると密で付着性の高い膜を形成されているのに対して (右),疎水性粒子は大きな凝集体を形成しより多くの空 隙が生じている(左).これにより親水性では時間応答性 は高くなるが,模型への付着性はやや低下し,疎水性では 密なバインダ層が形成されるため,付着性は高いが時間応 答性は若干低下することが分かった. 図1親水性(右)と疎水性(左)の酸化チタンを用いた PSP のバインダ構造 107

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