シクラメンの研究(第1報)種子の発芽に関する2,3の実験-香川大学学術情報リポジトリ

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第14巻第2号(1963) 137

シク ラ メ ン の研究(第1報)

種子の発芽に・関する2,3の実験

住 友 昭 利,小 杉

清 工 緒 R 近年鉢物の流行に伴い,シクラメンの需要は急激に増加しその栽培に関する記述(2−9)も次第に数多くなってき た..しかしながら,実験報告は極めて少なく,多くの場合従 来の経験に基く栽培が行なわれているに過ぎない小 ここにお いて聾者らは.,シクラメンを生理生態学的に追究し,より合 理的な栽培方法を見出そうとして,・−−・連の実験を開始した ここに報告するのほ,19る1−る2年の成緻である‖ なお,シクラメン種子の発芽機構については,1920年に HILI.,ARTノHUR W.が研究しており,発芽湿度について ほ,1954年にMAATSCI壬とRt;NGERが実験を行ない,15− 20◇Cの間ではよく発芽するが,250Cを越えても100C以.下で も極めて発芽の悪いことを報薯している。.そこでこれを確認 するために温度試験を行ない,発芽床の酸度試験をも加え た。更に.またシクラメン種子の休眠期間の有無長短を知るた めに,発芽適温において播種期を変えた実験を行なったとこ ろ.予期した成果を納めたので,ここに報告する Ⅱ シクラメン種子の発芽適温試験 1u 実験材料ならびに方法 19る1年占月27日にり 香川県高松市において採種したパージ カム系赤色種の種子480粗を1占0,200,250,500Cの4区に 区分し,19る1年8月15日に,雷径9cmのレヤー・レーL紅㌍紙 を敷き,40粒ずつ播種してそれぞれの定温室へ入れ,以後毎 日発芽状態を調べた. 2.実験結果 各区匿おける発芽の状態ほ,第1図に示す通りであったい すなわち巌初に発芽し始めたのほ.1るOC区で,播種後9日 目であり,それより5日遅れて:200C区が発芽し始めた.そ うして播種後50日目までは1占OC区の方が200C区より発芽状 態がよかったが,それ以後ほ逆転して,200C区の方が幾分 発芽率が高くなった. 発芽最終日までの日数は,1占◇C区は4占日を要し,この時 の発芽率ほ87.5%であった.これに対し20◇C区ほ42日を要 し,発芽率は89.2%で,両区間の差異は.認められなかったり 250と500Cの両区は,実験打切りの10月5日(播種後49日 目)にも発芽の兆候は見られず,500C区は全部腐敗した.. 250C区の種子ほ腐敗しなかったので,10月5E=こ1占OCの 定温室に移して発芽能力を調べたところ,罪2図の結果を得 ん堰 S叩t O亡t 叫 u)18】叫 ¢カ 伽 ㈲ 鋸 吋 鵬 叫 ¶umkr01dly■−ll坪的▼i叫 Fig.1.Effect of temperatuIe On germination of cyclamen seed.

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Fig.2.Germination per cent of25OC plot in fig.1transIocated to160C, after placedin250C for49days.

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杏川大学農学部学術報告 138 た。. すたわち4E=∃に発芽し始め,25日目に巌終発芽となったが,この時の発芽率ほ70%であった m 発芽床の酸度試験 1一 美験材料および方法 前記Ⅱの実験に用いた種子と同一のもの5る0粒を,標準区(蒸潜水),pH5・・5,占5,80の4区に分け,19る1年

10月4日に,直径9cmのンリ㍗・−・レ一に折紙を敷き,5珊′すつ挿稀して1占OCの定温室で発芽させ,侮日の発芽状態を

調べたい

発芽床の各pH佃ほ,CLARX and LIUBS氏の綴術液と しての第−…燐酸カリウム苛性ソ−・ダ混合液をつくり,指示 薬試験紙で標準色紙の色と比較し,M/5の渋皮の各p‡i 5.5,占.5,8い0の液をつくり,次にp‡lを変えずに濃度を M/5,M/20,M/100,標準(未溜水)の濃度のものをつ くり,各潰庶での発芽状態を調べ,発芽松影響のなかった M/20濃度でpHを5…5,る‖5,8−0に分けて,この液を折紙 に吸水させ,各区の発芽床とした, 試験中各級のpHほ5日に1回ずつ指示薬試験紙で検定 し,最初のpH値を保たせた. 2..実験結果 実験の結果は節5図に示す通りであった すなわら各区共発芽始めまでの日数ほ9日間で差異は認 められなかったが,その後の発芽状態ほ標準区が叔もよ く,pHる、5区がこれに次ぎ,pH5.5,8,0の順に悪くなっ た 発芽巌終日における発芽率ほ,標準区9口%,pH5い5区 778%,pHる.5区88.9%,pH8り0区72∩2%であった, きl︼苫膚︻E註−〇一u告hり山

Fig.5.Effect o董pH on germination o董 CyClamen seed。 Ⅳ 樺子の休眠期間に関する試験 1.実験村料および方法 19る2年る月19軋 香川県高松市において採種したパージカム系赤色種の種子1,800料を9等分し,採種当日より始 めて10日おきに9月71]までの9回,1回200枇ずつ播種した 播種の方法ほ直径9cmのレヤ−レ一に伊上紙を放き,100粧ずつ播種し,1るOCの定温室に入れて発芽させた. また発芽状況の調査ほ毎日行なった.. 2“実験結果 各区の発芽状況は第1表に.示す通りであった

Tablel.Seasona王change of germinationin cycla皿en Seeds…

Sept

Seeds were haI.VeSted onJune19,1962.

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第14巻第2号(1963) 139 この真によれぼ,播種後発芽始めまでに要した日数ほ,採種彼の日数の多いもの程短かく,採種後占0日日(8月18 日)に播種したものほ,取播きしたものの約抜の7日間で発芽し始め,最も短かかった. 次に発芽始めから発芽率90%に達するまでに要した日数は,d月29日播種で2占日間であるのに対して,8月28日播 きでは9日間で約塊に短縮されている 結局播種後90%発芽するまでに要した日数ほ,占月19日播きのものが最も長く40日であるのに対して,8月28日播き のものは最も短かく18日間であったまた巌鎮の発芽率は各区共90%以上となり,各区間の差異は認められなかった. Ⅴ 考 察 発芽最適温度については.今回の実験結果ほ160−20◇Cであり,Runger(10)らの実験結果は150・−20OCであるの で,よく−一散したと云えようり ただRむNGER(10)らの結果では,初期の発芽状態ほ150より200Cの方がよかったこと と,250Cでも緩慢ながら発芽している点が今回の結果と異なるが,これらは使用した品種や採種期,播種期などの 相異に.よるものと考えられる..また今回の実験でほ150C以下の速度についての試験が行なわれなかったが,こ.れは R古NGER(10)らの実験で100C区の発芽が極めて慈かったことよりみで,150C以下に発芽適温があるとは考えられな い. なおこの定溢室の温度は±lOCでかなり正確に維持された 発芽床の酸度試験についてこも細心の注意をほらったので,この成績が正しいものと考えられるしたがって発芽床 に殺菌剤などを注加することは,発芽に悪夢轡を及ぼすものと考えられるので,注意を聾する. 従来シクラメンの種子にほ休眠期間がないものとして1実際栽培でも7月頃からの播種が行なわれているが(7), 今回の実験結果によって,取り播きでも90%以上の発芽がみられることが明らかとなったしかし採種彼の日数が浅 いもの程,発芽始めまでに要する日数や,発芽開始後最終発芽に至る間の日数が多くかかる点よりみて.不完全なが ら休眠期間があるものと考えられるしたがって夏の高温による発芽障害の問題を除外すれほ,7月以後の播種ほ.経 塀的にも可能であると云えよう Vt 摘 要 〈1)シクラメン種子の発芽に及ぼす外的要因として温度と発芽床の酸度を調べ,内的要因として休眠期間について 調査をしたい (2)発芽最適湿度は1占◇−200Cで,250Cでは発芽せず,500Cでほ腐敗した. (3)250Cで49日間おいた柊子を1占OC紅移したところ,4日日に発芽し始め,25日間で70%発芽した、 (4J発芽床の酸庶は標準区(未潜水)が政もよく,pHる.5がこれに次ぎ,pH5.5,8.0の順に悪くなった. 矧19占2年占月19日に採種した種子を,採種当日より始めて10日おきに9月7日まで播種したところ,発芽率はい ずれも90%を越えたが,発芽始めまでの日数や,発芽開始後最終発芽までの日数ほ,採種後日の浅いもの程長くかか った. 引 用 文 献 r6)大沢串雄:シクラメンの栽培(2),同上 占,1807 −181る(1951). (7)朽木忠夫:シクラメンの鉢物栽培(2)描種と育 苗,農潮と園芸,15(2),72・→74(1958)〃 (8j 仙− :レクラメン作りの節−・歩,布まきの要領, 同上,1る(9),74・−7占(19占1) (9)高木正園:シクラメンの実生栽培法,恩及国,9, 20る2−20占4(1954)

uo)RiiNGER,W”:Licht und Temperaturim Zierpflanzenbau,101−102,Berlin,PaulParey

(1957).

(1)HILL,ARr甘URW.:Studiesinseedgrmination experiments with cyclamen.Annals ofBotan.γ,

54,417−450(1920). (2)鎌田利八:シクラメンの鉢栽培を主体とした花作り 50年,ぬ耕と園芸,14(2),70−72(1959)L. (3)小杉 格:香川県坂出のレクラメソ栽培,農及恒凱 弘,247−25口(19占1)り (4)野村潤義:レクラメンの開花法と荷造,出荷法, 同上,10,1515・−・1518(1955)u (5)岡野花畝:営利本位シクラメンの実生栽培,同上 12,2440−2442(1957).

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学遊学部学術報告 1.川

Studies of cyclamen I On the germination of seed AkitoshiSuMITOMO and KiyoshiKosuGI

Summary(1)Effects of temperature and pH as externalfactoIS and seasonalchange as aninternal factor on geImination of cyclamen seed were examined

(2)Optimum temperature for germination was160M20OC…250C plotdid notgerminate and500C died. (3)When the25OC plot was translocated to160C after・49days,it germinated,however,70%in 25 days

(4)About pH for germination,the most geIminated was the control(disti11ed water),and pH6.5,55 and8D plot followed successively.

(5)Seeds harvestedonJune19,1962and sown from the day harvested to September 7 for everylO days,allgerminated above90% but the germinating duIation was shortened according toincreasing numbeIOf days after the harvest

(Received October22,1962)

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